JPH1087816A - 有機絶縁膜材料及びその製造方法 - Google Patents

有機絶縁膜材料及びその製造方法

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JPH1087816A
JPH1087816A JP17157297A JP17157297A JPH1087816A JP H1087816 A JPH1087816 A JP H1087816A JP 17157297 A JP17157297 A JP 17157297A JP 17157297 A JP17157297 A JP 17157297A JP H1087816 A JPH1087816 A JP H1087816A
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Yoshikazu Sakata
美和 坂田
Toshio Ito
敏雄 伊東
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比誘電率が十分小さく、かつ耐熱性の大きな
有機絶縁膜の形成に用いることができる有機絶縁膜材料
及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 主鎖が実質的に下記の(1)式で表され
る繰り返し単位からなる有機絶縁膜材料である。この有
機絶縁膜材料は、反応器に、フルオレンビスフェノール
と、ヘキサフルオロベンゼンと、炭酸カリウムとを入
れ、さらにN,N−ジメチルアセトアミドを加え、反応
器内を十分窒素置換した後、反応溶液を速やかに80℃
に加熱し、24時間攪拌して重合反応させ、その後、反
応溶液を室温の水に添加して、再沈殿させて得られた沈
殿をろ紙を用いてろ別した後、真空乾燥器内で室温で2
4時間乾燥させることにより製造した。 【化16】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は有機絶縁膜材料及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、半導体装置での絶縁膜として、C
VD法で形成したシリコン酸化膜を一般的に用いている
が、今後、パターンサイズが微細化し、特にパターンサ
イズがサブクォーターミクロン程度になると、配線によ
る信号遅延や電力消費が顕著となることが予想される。
ここで信号遅延は通常RC(Rは配線抵抗、Cは配線間
容量)で表され、また電力消費は配線間容量Cの大きさ
に対応して変化する。そして、配線間容量Cは絶縁膜の
比誘電率により決定される。
【0003】従って、信号遅延や電力消費を抑制するた
めには、絶縁膜の比誘電率を低下させる必要がある。比
誘電率を低下させるためには、絶縁膜として、有機物か
ら成る絶縁膜(有機絶縁膜)を用いることが有効であ
る。例えば文献:「Journal ofElectronic Materials,V
ol.19,No.12,1990,p1357-1366」には、ベンゾシクロブ
テンを用いて形成した有機絶縁膜(以下、従来の有機絶
縁膜と称する。)について検討している。この従来の有
機絶縁膜の比誘電率は2.7であり、CVD法で形成し
たシリコン酸化膜の比誘電率が4.3程度であることと
比較して大きく低下している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、パター
ンサイズがサブクォーターミクロン程度を想定した場合
には、この従来の有機絶縁膜の比誘電率は未だ大きい。
【0005】また、半導体装置の製造プロセスにおい
て、400℃でのアニール(例えば、アルミニウム配線
形成時)は必須であるため、分解開始温度が417℃
(文献中のFig.10参照)である従来の有機絶縁膜では、
耐熱性のマージンが不足している恐れがある。
【0006】従って、比誘電率が十分小さく、かつ耐熱
性の大きな有機絶縁膜の形成に用いることができる有機
絶縁膜材料及びその製造方法の出現が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、この出願に係る
発明者は、以下に示す〜の公知事実に基づいて、有
機絶縁膜材料として用いることのできる樹脂の設計を行
った。
【0008】樹脂中にフッ素を導入すると、その樹脂
を用いて形成した膜の比誘電率を下げることができる。
【0009】樹脂中に共有結合や、カルボニル基、ニ
トロ基等の置換基を導入すると、その樹脂を用いて形成
した膜の比誘電率が上がる。
【0010】樹脂中に芳香環を導入するとその樹脂を
用いて形成した膜の比誘電率が上がるが、その膜の耐熱
性を上げるためには、樹脂中に芳香環を導入することが
必須である。
【0011】以上の〜の公知事実に基づいて設計さ
れた、この発明の第1の有機絶縁膜材料によれば、主鎖
が実質的に下記の(1)式で表される繰り返し単位から
成ることを特徴とする。
【0012】
【化4】
【0013】このような第1の有機絶縁膜材料によれ
ば、上記の(1)式で示すように、1つの繰り返し単位
中に4つのフッ素原子と5つのベンゼン環を導入してあ
る。このため、第1の有機絶縁膜材料を用いて形成した
有機絶縁膜の比誘電率は低くなりかつ耐熱性は大きくな
る。
【0014】また、この発明の第2の有機絶縁膜材料に
よれば、主鎖が実質的に下記の(2)式で表される繰り
返し単位から成ることを特徴とする。
【0015】
【化5】
【0016】このような第2の有機絶縁膜材料によれ
ば、上記の(2)式で示すように、1つの繰り返し単位
中に4つのフッ素原子と4つのベンゼン環及び1つのナ
フタレン環を導入してある。このため、第2の有機絶縁
膜材料を用いて形成した有機絶縁膜の比誘電率は低くな
りかつ耐熱性は大きくなる。
【0017】また、この発明の第3の有機絶縁膜材料に
よれば、主鎖が実質的に下記の(3)式で表される繰り
返し単位から成ることを特徴とする。
【0018】
【化6】
【0019】このような第3の有機絶縁膜材料によれ
ば、上記の(3)式で示すように、1つの繰り返し単位
中に8つのフッ素原子と6つのベンゼン環を導入してあ
る。このため、第3の有機絶縁膜材料を用いて形成した
有機絶縁膜の比誘電率は低くなりかつ耐熱性は大きくな
る。
【0020】なお、これら第1〜第3の有機絶縁膜材料
中には、比誘電率を上げる要因となる共有結合や、カル
ボニル基、ニトロ基等の置換基は導入していない。
【0021】また、これら第1〜第3の有機絶縁膜材料
の分子量は、任意好適なものとすれば良い。ただし、塗
布法によりこれら第1〜第3の有機絶縁膜材料を用いて
有機絶縁膜を形成するため、塗布液の調製のし易さを考
慮して、分子量の上限は1000000とするのが良
く、より好ましくは500000とするのが良い。さら
に、有機絶縁膜の耐熱性を考慮して、分子量の下限は1
000とするのが良く、さらに好ましくは10000と
するのが良い。
【0022】また、上述した第1の有機絶縁膜材料の製
造方法によれば、下記の(4)式で表されるフルオレン
ビスフェノールから成る第1のモノマーと下記の(5)
式で表されるヘキサフルオロベンゼンから成る第2のモ
ノマーとを塩基性触媒の存在下で重合させることを特徴
とする。
【0023】
【化7】
【0024】また、上述した第2の有機絶縁膜材料の製
造方法によれば、上記の(4)式で表されるフルオレン
ビスフェノールから成る第1のモノマーと下記の(6)
式で表されるオクタフルオロナフタレンから成る第2の
モノマーとを塩基性触媒の存在下で重合させることを特
徴とする。
【0025】
【化8】
【0026】また、上述した第3の有機絶縁膜材料の製
造方法によれば、上記の(4)式で表されるフルオレン
ビスフェノールから成る第1のモノマーと下記の(7)
式で表されるデカフルオロビフェニルから成る第2のモ
ノマーとを塩基性触媒の存在下で重合させることを特徴
とする。
【0027】
【化9】
【0028】ここで、第1〜第3の有機絶縁膜材料を製
造する際に用いる塩基性触媒として、例えばカリウム
塩、ナトリウム塩、有機塩基が挙げられる。
【0029】このような第1〜第3の有機絶縁膜材料の
製造方法によれば、第1のモノマーの水酸基と、第2の
モノマーのフッ素基とが反応し、主鎖が実質的に上記の
(1)〜(3)式で表される繰り返し単位から成るポリ
マーが生成する。
【0030】
【実施例】以下、この出願の発明の各実施例についてそ
れぞれ説明する。しかしながら、以下の説明中で挙げる
使用材料およびその量、処理温度、処理時間などの数値
的条件、並びに処理方法はこれら発明の範囲内の一例に
過ぎないことを理解されたい。
【0031】1.第1実施例 この実施例の有機絶縁膜材料は以下の方法で製造した。
先ず、攪拌機、冷却管、温度計を装着した反応器に、第
1のモノマーとしてのフルオレンビスフェノール350
g(1mol)と、第2のモノマーとしてのヘキサフル
オロベンゼン186g(1mol)と、塩基性触媒とし
ての炭酸カリウム352g(2.55mol)とを入
れ、さらに溶媒としてのN,N−ジメチルアセトアミド
を4l加えて、第1及び第2のモノマー並びに塩基性触
媒を溶解させた。この場合、反応溶液中における第1及
び第2のモノマーの濃度は、いずれも0.25mol/
lである。そしてこの反応器内を十分窒素置換した後、
反応溶液を速やかに80℃に加熱し、24時間攪拌して
重合反応させた。その後、反応溶液を室温の水に添加し
て、再沈殿させた。このようにして得られた沈殿をろ紙
を用いてろ別した後、真空乾燥器内で室温で24時間乾
燥させることにより、有機絶縁材料として、478gの
樹脂を得た。
【0032】以上のようにして製造した樹脂に対して、
単分散ポリスチレンを標準に用いたGPC分析を行った
ところ、重量平均分子量は約15500であった。ま
た、この樹脂に対して、TG−DTA測定を行ったとこ
ろ、430℃で分解し始め、500℃で約6.6%の重
量減少が生じた。
【0033】次に、この樹脂49.6g(0.1mo
l)をトルエン198.4gに溶解して得たものを、穴
径0.2μmの孔を有するメンブレンフィルタでろ過
し、塗布液を調製した。この場合、塗布液中における樹
脂の濃度は20wt%である。
【0034】以上のようにして調製した塗布液を、シリ
コン基板上に膜厚1.0μmとなるように回転塗布し、
ホットプレート上で100℃、2分間のプリベークを行
うことにより得られた膜のIR測定を行った。IRチャ
ート中には、746cm-1、826cm-1、1121c
-1、1209cm-1、1448cm-1、1602cm
-1及び1694cm-1の7箇所に第1のモノマー由来の
ピークが観察され、1004cm-1及び1310cm-1
の2箇所に第2のモノマーに由来のピークが観察され
た。このIR測定結果から、この膜の形成に用いた樹脂
は、主鎖が実質的に下記の(1)式で示される繰り返し
単位から成るものであると考えられる。この場合、上述
した方法で得られた樹脂の収率は98%である。
【0035】
【化10】
【0036】また、上述の塗布液を、シリコン基板上に
膜厚1.0μmとなるように回転塗布し、ホットプレー
ト上で100℃、2分間のプリベークを行った後、N2
中、350℃、1時間のベークを行うことにより得られ
た有機絶縁膜の比誘電率を測定した。有機絶縁膜上にさ
らにアルミニウム電極をスパッタ法により形成して設け
た試料を用いて、有機絶縁膜の容量を測定し、この有機
絶縁膜の比誘電率を求めたところ、比誘電率は2.4で
あった。
【0037】以上のTG−DTA測定結果、IR測定結
果、及び比誘電率測定結果から、主鎖が実質的に上記の
(1)式で示される繰り返し単位から成る、この実施例
の樹脂を用いて、従来の有機絶縁膜と比べて、比誘電率
が低くかつ耐熱性(すなわち分解開始温度)が高い有機
絶縁膜を形成することができることが理解できる。
【0038】この実施例の樹脂では、第2のモノマーの
ベンゼン環を構成する炭素のうち、第1のモノマーとの
重合に寄与する炭素以外のすべての炭素にフッ素基を結
合し、その結果1つの繰り返し単位中に4つのフッ素原
子を導入してある。このようにして、この樹脂を用いて
形成した有機絶縁膜の比誘電率が低くなるようにしてあ
る。また、第2のモノマー由来の芳香環を、芳香環の中
でも最も小さなベンゼン環とすることことにより、この
樹脂を用いて形成した有機絶縁膜の耐熱性を付与すると
共に、比誘電率があまり高くならないようにしてある。
【0039】2.第2実施例 この実施例の有機絶縁膜材料は、第2のモノマーとして
オクタフルオロナフタレンを用いた点を除いて、第1実
施例と同様にして製造した。すなわち、第1のモノマー
としてのフルオレンビスフェノール350g(1mo
l)と、第2のモノマーとしてのオクタフルオロナフタ
レン272g(1mol)とを塩基性触媒としての炭酸
カリウム352g(2.55mol)の存在下で重合さ
せることにより、有機絶縁膜材料として、501gの樹
脂を得た。
【0040】以上のようにして製造した樹脂に対して、
単分散ポリスチレンを標準に用いたGPC分析を行った
ところ、重量平均分子量は約23900であった。ま
た、この樹脂に対して、TG−DTA測定を行ったとこ
ろ、433℃で分解し始め、500℃で約1.6%の重
量減少が生じた。
【0041】次に、この樹脂58.3g(0.1mo
l)をトルエン233.2gに溶解して得たものを、穴
径0.2μmの孔を有するメンブレンフィルタでろ過
し、塗布液を調製した。この場合、塗布液中における樹
脂の濃度は20wt%である。
【0042】以上のようにして調製した塗布液を、シリ
コン基板上に膜厚1.0μmとなるように回転塗布し、
ホットプレート上で100℃、2分間のプリベークを行
うことにより得られた膜のIR測定を行った。IRチャ
ート中には、746cm-1、826cm-1、1121c
-1、1209cm-1、1448cm-1、1602cm
-1及び1694cm-1の7箇所に第1のモノマー由来の
ピークが観察され、785cm-1、950cm-1、11
16cm-1、1409cm-1、1501cm-1及び16
49cm-1の6箇所に第2のモノマーに由来のピークが
観察された。このIR測定結果から、この膜の形成に用
いた樹脂は、主鎖が実質的に下記の(2)式で示される
繰り返し単位から成るものであると考えられる。この場
合、上述した方法で得られた樹脂の収率は86%であ
る。
【0043】
【化11】
【0044】また、上述の塗布液を、シリコン基板上に
膜厚1.0μmとなるように回転塗布し、ホットプレー
ト上で100℃、2分間のプリベークを行った後、N2
中、350℃、1時間のベークを行うことにより得られ
た有機絶縁膜の比誘電率を測定した。有機絶縁膜上にさ
らにアルミニウム電極をスパッタ法により形成して設け
た試料を用いて、有機絶縁膜の容量を測定し、この有機
絶縁膜の比誘電率を求めたところ、比誘電率は2.5で
あった。
【0045】以上のTG−DTA測定結果、IR測定結
果、及び比誘電率測定結果から、主鎖が実質的に上記の
(2)式で示される繰り返し単位から成る、この実施例
の樹脂を用いて、従来の有機絶縁膜と比べて、比誘電率
が低くかつ耐熱性(すなわち分解開始温度)が高い有機
絶縁膜を形成することができることが理解できる。
【0046】この実施例の樹脂では、第2のモノマーの
ナフタレン環を構成する炭素のうち、第1のモノマーと
の重合に寄与する炭素以外のすべての炭素にフッ素基を
結合し、その結果1つの繰り返し単位中に6つのフッ素
原子を導入してある。このようにして、この樹脂を用い
て形成した有機絶縁膜の比誘電率が低くなるようしてあ
る。また、第2のモノマー由来の芳香環を、ベンゼン環
より電子の非局在化の大きいナフタレン環とすることに
より、ベンゼン環を用いた第1実施例の場合に比べ、電
子の非局在化による共鳴安定化を大きくしてある。この
ようにして、この樹脂を用いて形成した有機絶縁膜の耐
熱性が、第1実施例の場合に比べて大きくなるようにし
てある。なお、ここでの耐熱性は、分解開始温度及び5
00℃での重量減少から判断している。
【0047】3.第3実施例 この実施例の有機絶縁膜材料は、第2のモノマーとして
デカフルオロビフェニルを用いた点を除いて、第1実施
例と同様にして製造した。すなわち、第1のモノマーと
してのフルオレンビスフェノール350g(1mol)
と、第2のモノマーとしてのデカフルオロビフェニル3
34g(1mol)とを塩基性触媒としての炭酸カリウ
ム352g(2.55mol)の存在下で重合させるこ
とにより、有機絶縁膜材料として、478gの樹脂を得
た。
【0048】以上のようにして製造した樹脂に対して、
単分散ポリスチレンを標準に用いたGPC分析を行った
ところ、重量平均分子量は約10200であった。ま
た、この樹脂に対して、TG−DTA測定を行ったとこ
ろ、440℃で分解し始め、500℃で約2.1%の重
量減少が生じた。
【0049】次に、この樹脂64.5g(0.1mo
l)をトルエン258.0gに溶解して得たものを、穴
径0.2μmの孔を有するメンブレンフィルタでろ過
し、塗布液を調製した。この場合、塗布液中における樹
脂の濃度は20wt%である。
【0050】以上のようにして調製した塗布液を、シリ
コン基板上に膜厚1.0μmとなるように回転塗布し、
ホットプレート上で100℃、2分間のプリベークを行
うことにより得られた膜のIR測定を行った。IRチャ
ート中には、746cm-1、826cm-1、1121c
-1、1209cm-1、1448cm-1、1602cm
-1及び1694cm-1の7箇所に第1のモノマー由来の
ピークが観察され、729cm-1、981cm-1、10
73cm-1及び1648cm-1の4箇所に第2のモノマ
ーに由来のピークが観察された。このIR測定結果か
ら、この膜の形成に用いた樹脂は、主鎖が実質的に下記
の(3)式で示される繰り返し単位から成るものである
と考えられる。この場合、上述した方法で得られた樹脂
の収率は98%である。
【0051】
【化12】
【0052】また、上述の塗布液を、シリコン基板上に
膜厚1.0μmとなるように回転塗布し、ホットプレー
ト上で100℃、2分間のプリベークを行った後、N2
中、350℃、1時間のベークを行うことにより得られ
た有機絶縁膜の比誘電率を測定した。有機絶縁膜上にさ
らにアルミニウム電極をスパッタ法により形成して設け
た試料を用いて、有機絶縁膜の容量を測定し、この有機
絶縁膜の比誘電率を求めたところ、比誘電率は2.45
であった。
【0053】以上のTG−DTA測定結果、IR測定結
果、及び比誘電率測定結果から、主鎖が実質的に上記の
(3)式で示される繰り返し単位から成る、この実施例
の樹脂を用いて、従来の有機絶縁膜と比べて、比誘電率
が低くかつ耐熱性(すなわち分解開始温度)が高い有機
絶縁膜を形成することができることが理解できる。
【0054】この実施例の樹脂では、第2のモノマーの
ビフェニル環を構成する炭素のうち、第1のモノマーと
の重合に寄与する炭素及びビフェニル環を構成するベン
ゼン環同士の結合に寄与する炭素以外のすべての炭素に
フッ素基を結合し、その結果1つの繰り返し単位中に8
つのフッ素原子を導入してある。このようにして、この
樹脂を用いて形成した有機絶縁膜の比誘電率が低くなる
ようしてある。また、第2のモノマー由来の芳香環を、
ベンゼン環より電子の非局在化の大きいビフェニル環と
することにより、ベンゼン環を用いた第1実施例の場合
に比べ、電子の非局在化による共鳴安定化を大きくして
ある。このようにして、この樹脂を用いて形成した有機
絶縁膜の耐熱性が、第1実施例の場合に比べ大きくなる
ようにしてある。また、第2のモノマー由来の芳香環を
ビフェニル環とし、ベンゼン環を炭素−炭素の単結合で
結んだ構成のものを用いることにより、この樹脂を用い
て形成した有機絶縁膜の比誘電率が、ナフタレン環を用
いた第2実施例の場合に比べ低くなるようしてある。な
お、ここでの耐熱性は、分解開始温度及び500℃での
重量減少から判断している。
【0055】なお、塗布液を用いて有機絶縁膜を形成す
るために、その成膜方法として、回転塗布法、浸漬法、
吹き付け法、プレス法などを用いることができる。
【0056】また、この有機絶縁膜を設ける基板とし
て、Cu、Al、Wなどの配線金属や、酸化膜などが設
けられている基板などを用いることができる。
【0057】また、有機絶縁膜の成膜後、さらにこの有
機絶縁膜にアニール処理を行っても良い。
【0058】また、塗布液中に、さらに架橋剤を添加し
ても良い。
【0059】
【発明の効果】上述した説明から明らかなように、この
発明の第1の有機絶縁膜材料によれば、主鎖が実質的に
下記の(1)式で表される繰り返し単位から成る。
【0060】
【化13】
【0061】また、この発明の第2の有機絶縁膜材料に
よれば、主鎖が実質的に下記の(2)式で表される繰り
返し単位から成る。
【0062】
【化14】
【0063】また、この発明の第3の有機絶縁膜材料に
よれば、主鎖が実質的に下記の(3)式で表される繰り
返し単位から成る。
【0064】
【化15】
【0065】このような第1〜第3の有機絶縁膜材料を
用いれば、従来の有機絶縁膜と比べて、比誘電率が低く
かつ耐熱性が高い有機絶縁膜を形成することができる。
【0066】また、この発明の第1〜第3の有機絶縁膜
材料は、第1のモノマー(フルオレンビスフェノール)
と第2のモノマー(ヘキサフルオロベンゼン、オクタフ
ルオロナフタレン、デカフルオロビフェニル)とを塩基
性触媒の存在下で重合させることにより容易に形成する
ことができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主鎖が実質的に下記の(1)式で表され
    る繰り返し単位から成ることを特徴とする有機絶縁膜材
    料。 【化1】
  2. 【請求項2】 主鎖が実質的に下記の(2)式で表され
    る繰り返し単位から成ることを特徴とする有機絶縁膜材
    料。 【化2】
  3. 【請求項3】 主鎖が実質的に下記の(3)式で表され
    る繰り返し単位から成ることを特徴とする有機絶縁膜材
    料。 【化3】
  4. 【請求項4】 フルオレンビスフェノールから成る第1
    のモノマーとヘキサフルオロベンゼンから成る第2のモ
    ノマーとを塩基性触媒の存在下で重合させることを特徴
    とする請求項1に記載の有機絶縁膜材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 フルオレンビスフェノールから成る第1
    のモノマーとオクタフルオロナフタレンから成る第2の
    モノマーとを塩基性触媒の存在下で重合させることを特
    徴とする請求項2に記載の有機絶縁膜材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 フルオレンビスフェノールから成る第1
    のモノマーとデカフルオロビフェニルから成る第2のモ
    ノマーとを塩基性触媒の存在下で重合させることを特徴
    とする請求項3に記載の有機絶縁膜材料の製造方法。
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EP1122746A1 (en) * 2000-02-02 2001-08-08 JSR Corporation Composition for film formation and insulating film

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