JP3534575B2 - 有機絶縁膜材料及びその製造方法 - Google Patents
有機絶縁膜材料及びその製造方法Info
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Description
びその製造方法に関する。
VD法で形成したシリコン酸化膜を一般的に用いている
が、今後、パターンサイズが微細化し、特にパターンサ
イズがサブクォーターミクロン程度になると、配線によ
る信号遅延や電力消費が顕著となることが予想される。
ここで信号遅延は通常RC(Rは配線抵抗、Cは配線間
容量)で表され、また電力消費は配線間容量Cの大きさ
に対応して変化する。そして、配線間容量Cは絶縁膜の
比誘電率により決定される。
めには、絶縁膜の比誘電率を低下させる必要がある。比
誘電率を低下させるためには、絶縁膜として、有機物か
ら成る絶縁膜(有機絶縁膜)を用いることが有効であ
る。例えば文献:「Journal ofElectronic Materials,V
ol.19,No.12,1990,p1357-1366」には、ベンゾシクロブ
テンを用いて形成した有機絶縁膜(以下、従来の有機絶
縁膜と称する。)について検討している。この従来の有
機絶縁膜の比誘電率は2.7であり、CVD法で形成し
たシリコン酸化膜の比誘電率が4.3程度であることと
比較して大きく低下している。
ンサイズがサブクォーターミクロン程度を想定した場合
には、この従来の有機絶縁膜の比誘電率は未だ大きい。
て、400℃でのアニール(例えば、アルミニウム配線
形成時)は必須であるため、分解開始温度が417℃
(文献中のFig.10参照)である従来の有機絶縁膜では、
耐熱性のマージンが不足している恐れがある。
性の大きな有機絶縁膜の形成に用いることができる有機
絶縁膜材料及びその製造方法の出現が望まれていた。
発明者は、以下に示す〜の公知事実に基づいて、有
機絶縁膜材料として用いることのできる樹脂の設計を行
った。
を用いて形成した膜の比誘電率を下げることができる。
トロ基等の置換基を導入すると、その樹脂を用いて形成
した膜の比誘電率が上がる。
用いて形成した膜の比誘電率が上がるが、その膜の耐熱
性を上げるためには、樹脂中に芳香環を導入することが
必須である。
が実質的に下記の(2)式で表される繰り返し単位から
成ることを特徴とする。
の(2)式で示すように、1つの繰り返し単位中に4つ
のフッ素原子と4つのベンゼン環及び1つのナフタレン
環を導入してある。このため、この有機絶縁膜材料を用
いて形成した有機絶縁膜の比誘電率は低くなりかつ耐熱
性は大きくなる。
誘電率を上げる要因となる共有結合や、カルボニル基、
ニトロ基等の置換基は導入していない。
は、任意好適なものとすれば良い。ただし、塗布法によ
りこの有機絶縁膜材料を用いて有機絶縁膜を形成するた
め、塗布液の調製のし易さを考慮して、分子量の上限は
1000000とするのが良く、より好ましくは500
000とするのが良い。さらに、有機絶縁膜の耐熱性を
考慮して、分子量の下限は1000とするのが良く、さ
らに好ましくは10000とするのが良い。
によれば、下記の(4)式で表されるフルオレンビスフ
ェノールから成る第1のモノマーと下記の(6)式で表
されるオクタフルオロナフタレンから成る第2のモノマ
ーとを塩基性触媒の存在下で重合させることを特徴とす
る。
る際に用いる塩基性触媒として、例えばカリウム塩、ナ
トリウム塩、有機塩基が挙げられる。
れば、第1のモノマーの水酸基と、第2のモノマーのフ
ッ素基とが反応し、主鎖が実質的に上記の(2)式で表
される繰り返し単位から成るポリマーが生成する。
明する。しかしながら、以下の説明中で挙げる使用材料
およびその量、処理温度、処理時間などの数値的条件、
並びに処理方法はこれら発明の範囲内の一例に過ぎない
ことを理解されたい。
ず、攪拌機、冷却管、温度計を装着した反応器に、第1
のモノマーとしてのフルオレンビスフェノール350g
(1mol)と、第2のモノマーとしてのヘキサフルオ
ロベンゼン186g(1mol)と、塩基性触媒として
の炭酸カリウム352g(2.55mol)とを入れ、
さらに溶媒としてのN,N−ジメチルアセトアミドを4
l加えて、第1及び第2のモノマー並びに塩基性触媒を
溶解させた。この場合、反応溶液中における第1及び第
2のモノマーの濃度は、いずれも0.25mol/lで
ある。そしてこの反応器内を十分窒素置換した後、反応
溶液を速やかに80℃に加熱し、24時間攪拌して重合
反応させた。その後、反応溶液を室温の水に添加して、
再沈殿させた。このようにして得られた沈殿をろ紙を用
いてろ別した後、真空乾燥器内で室温で24時間乾燥さ
せることにより、有機絶縁膜材料として、478gの樹
脂を得た。
単分散ポリスチレンを標準に用いたGPC分析を行った
ところ、重量平均分子量は約15500であった。ま
た、この樹脂に対して、TG−DTA測定を行ったとこ
ろ、430℃で分解し始め、500℃で約6.6%の重
量減少が生じた。
l)をトルエン198.4gに溶解して得たものを、穴
径0.2μmの孔を有するメンブレンフィルタでろ過
し、塗布液を調製した。この場合、塗布液中における樹
脂の濃度は20wt%である。
コン基板上に膜厚1.0μmとなるように回転塗布し、
ホットプレート上で100℃、2分間のプリベークを行
うことにより得られた膜のIR測定を行った。IRチャ
ート中には、746cm-1、826cm-1、1121c
m-1、1209cm-1、1448cm-1、1602cm
-1及び1694cm-1の7箇所に第1のモノマー由来の
ピークが観察され、1004cm-1及び1310cm-1
の2箇所に第2のモノマーに由来のピークが観察され
た。このIR測定結果から、この膜の形成に用いた樹脂
は、主鎖が実質的に下記の(1)式で示される繰り返し
単位から成るものであると考えられる。この場合、上述
した方法で得られた樹脂の収率は98%である。
膜厚1.0μmとなるように回転塗布し、ホットプレー
ト上で100℃、2分間のプリベークを行った後、N2
中、350℃、1時間のベークを行うことにより得られ
た有機絶縁膜の比誘電率を測定した。有機絶縁膜上にさ
らにアルミニウム電極をスパッタ法により形成して設け
た試料を用いて、有機絶縁膜の容量を測定し、この有機
絶縁膜の比誘電率を求めたところ、比誘電率は2.4で
あった。
果、及び比誘電率測定結果から、主鎖が実質的に上記の
(1)式で示される繰り返し単位から成る、この例の樹
脂を用いて、従来の有機絶縁膜と比べて、比誘電率が低
くかつ耐熱性(すなわち分解開始温度)が高い有機絶縁
膜を形成することができることが理解できる。
ゼン環を構成する炭素のうち、第1のモノマーとの重合
に寄与する炭素以外のすべての炭素にフッ素基を結合
し、その結果1つの繰り返し単位中に4つのフッ素原子
を導入してある。このようにして、この樹脂を用いて形
成した有機絶縁膜の比誘電率が低くなるようにしてあ
る。また、第2のモノマー由来の芳香環を、芳香環の中
でも最も小さなベンゼン環とすることにより、この樹脂
を用いて形成した有機絶縁膜の耐熱性を付与すると共
に、比誘電率があまり高くならないようにしてある。
オクタフルオロナフタレンを用いた点を除いて、第1参
考例と同様にして製造した。すなわち、第1のモノマー
としてのフルオレンビスフェノール350g(1mo
l)と、第2のモノマーとしてのオクタフルオロナフタ
レン272g(1mol)とを塩基性触媒としての炭酸
カリウム352g(2.55mol)の存在下で重合さ
せることにより、有機絶縁膜材料として、501gの樹
脂を得た。
単分散ポリスチレンを標準に用いたGPC分析を行った
ところ、重量平均分子量は約23900であった。ま
た、この樹脂に対して、TG−DTA測定を行ったとこ
ろ、433℃で分解し始め、500℃で約1.6%の重
量減少が生じた。
l)をトルエン233.2gに溶解して得たものを、穴
径0.2μmの孔を有するメンブレンフィルタでろ過
し、塗布液を調製した。この場合、塗布液中における樹
脂の濃度は20wt%である。
コン基板上に膜厚1.0μmとなるように回転塗布し、
ホットプレート上で100℃、2分間のプリベークを行
うことにより得られた膜のIR測定を行った。IRチャ
ート中には、746cm-1、826cm-1、1121c
m-1、1209cm-1、1448cm-1、1602cm
-1及び1694cm-1の7箇所に第1のモノマー由来の
ピークが観察され、785cm-1、950cm-1、11
16cm-1、1409cm-1、1501cm-1及び16
49cm-1の6箇所に第2のモノマーに由来のピークが
観察された。このIR測定結果から、この膜の形成に用
いた樹脂は、主鎖が実質的に下記の(2)式で示される
繰り返し単位から成るものであると考えられる。この場
合、上述した方法で得られた樹脂の収率は86%であ
る。
膜厚1.0μmとなるように回転塗布し、ホットプレー
ト上で100℃、2分間のプリベークを行った後、N2
中、350℃、1時間のベークを行うことにより得られ
た有機絶縁膜の比誘電率を測定した。有機絶縁膜上にさ
らにアルミニウム電極をスパッタ法により形成して設け
た試料を用いて、有機絶縁膜の容量を測定し、この有機
絶縁膜の比誘電率を求めたところ、比誘電率は2.5で
あった。
果、及び比誘電率測定結果から、主鎖が実質的に上記の
(2)式で示される繰り返し単位から成る、この実施例
の樹脂を用いて、従来の有機絶縁膜と比べて、比誘電率
が低くかつ耐熱性(すなわち分解開始温度)が高い有機
絶縁膜を形成することができることが理解できる。
ナフタレン環を構成する炭素のうち、第1のモノマーと
の重合に寄与する炭素以外のすべての炭素にフッ素基を
結合し、その結果1つの繰り返し単位中に6つのフッ素
原子を導入してある。このようにして、この樹脂を用い
て形成した有機絶縁膜の比誘電率が低くなるようしてあ
る。また、第2のモノマー由来の芳香環を、ベンゼン環
より電子の非局在化の大きいナフタレン環とすることに
より、ベンゼン環を用いた第1参考例の場合に比べ、電
子の非局在化による共鳴安定化を大きくしてある。この
ようにして、この樹脂を用いて形成した有機絶縁膜の耐
熱性が、第1参考例の場合に比べて大きくなるようにし
てある。なお、ここでの耐熱性は、分解開始温度及び5
00℃での重量減少から判断している。
フルオロビフェニルを用いた点を除いて、第1参考例と
同様にして製造した。すなわち、第1のモノマーとして
のフルオレンビスフェノール350g(1mol)と、
第2のモノマーとしてのデカフルオロビフェニル334
g(1mol)とを塩基性触媒としての炭酸カリウム3
52g(2.55mol)の存在下で重合させることに
より、有機絶縁膜材料として、478gの樹脂を得た。
単分散ポリスチレンを標準に用いたGPC分析を行った
ところ、重量平均分子量は約10200であった。ま
た、この樹脂に対して、TG−DTA測定を行ったとこ
ろ、440℃で分解し始め、500℃で約2.1%の重
量減少が生じた。
l)をトルエン258.0gに溶解して得たものを、穴
径0.2μmの孔を有するメンブレンフィルタでろ過
し、塗布液を調製した。この場合、塗布液中における樹
脂の濃度は20wt%である。
コン基板上に膜厚1.0μmとなるように回転塗布し、
ホットプレート上で100℃、2分間のプリベークを行
うことにより得られた膜のIR測定を行った。IRチャ
ート中には、746cm-1、826cm-1、1121c
m-1、1209cm-1、1448cm-1、1602cm
-1及び1694cm-1の7箇所に第1のモノマー由来の
ピークが観察され、729cm-1、981cm-1、10
73cm-1及び1648cm-1の4箇所に第2のモノマ
ーに由来のピークが観察された。このIR測定結果か
ら、この膜の形成に用いた樹脂は、主鎖が実質的に下記
の(3)式で示される繰り返し単位から成るものである
と考えられる。この場合、上述した方法で得られた樹脂
の収率は98%である。
膜厚1.0μmとなるように回転塗布し、ホットプレー
ト上で100℃、2分間のプリベークを行った後、N2
中、350℃、1時間のベークを行うことにより得られ
た有機絶縁膜の比誘電率を測定した。有機絶縁膜上にさ
らにアルミニウム電極をスパッタ法により形成して設け
た試料を用いて、有機絶縁膜の容量を測定し、この有機
絶縁膜の比誘電率を求めたところ、比誘電率は2.45
であった。
果、及び比誘電率測定結果から、主鎖が実質的に上記の
(3)式で示される繰り返し単位から成る、この例の樹
脂を用いて、従来の有機絶縁膜と比べて、比誘電率が低
くかつ耐熱性(すなわち分解開始温度)が高い有機絶縁
膜を形成することができることが理解できる。
ェニル環を構成する炭素のうち、第1のモノマーとの重
合に寄与する炭素及びビフェニル環を構成するベンゼン
環同士の結合に寄与する炭素以外のすべての炭素にフッ
素基を結合し、その結果1つの繰り返し単位中に8つの
フッ素原子を導入してある。このようにして、この樹脂
を用いて形成した有機絶縁膜の比誘電率が低くなるよう
してある。また、第2のモノマー由来の芳香環を、ベン
ゼン環より電子の非局在化の大きいビフェニル環とする
ことにより、ベンゼン環を用いた第1参考例の場合に比
べ、電子の非局在化による共鳴安定化を大きくしてあ
る。このようにして、この樹脂を用いて形成した有機絶
縁膜の耐熱性が、第1参考例の場合に比べ大きくなるよ
うにしてある。また、第2のモノマー由来の芳香環をビ
フェニル環とし、ベンゼン環を炭素−炭素の単結合で結
んだ構成のものを用いることにより、この樹脂を用いて
形成した有機絶縁膜の比誘電率が、ナフタレン環を用い
た実施例の場合に比べ低くなるようしてある。なお、こ
こでの耐熱性は、分解開始温度及び500℃での重量減
少から判断している。
るために、その成膜方法として、回転塗布法、浸漬法、
吹き付け法、プレス法などを用いることができる。
て、Cu、Al、Wなどの配線金属や、酸化膜などが設
けられている基板などを用いることができる。
機絶縁膜にアニール処理を行っても良い。
ても良い。
発明の有機絶縁膜材料によれば、主鎖が実質的に下記の
(2)式で表される繰り返し単位から成る。
来の有機絶縁膜と比べて、比誘電率が低くかつ耐熱性が
高い有機絶縁膜を形成することができる。
のモノマー(フルオレンビスフェノール)と第2のモノ
マー(オクタフルオロナフタレン)とを塩基性触媒の存
在下で重合させることにより容易に形成することができ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 主鎖が実質的に下記の(2)式で表され
る繰り返し単位から成ることを特徴とする有機絶縁膜材
料。 【化2】 - 【請求項2】 フルオレンビスフェノールから成る第1
のモノマーとオクタフルオロナフタレンから成る第2の
モノマーとを塩基性触媒の存在下で重合させることを特
徴とする請求項1に記載の有機絶縁膜材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17157297A JP3534575B2 (ja) | 1996-07-26 | 1997-06-27 | 有機絶縁膜材料及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19793896 | 1996-07-26 | ||
JP8-197938 | 1996-07-26 | ||
JP17157297A JP3534575B2 (ja) | 1996-07-26 | 1997-06-27 | 有機絶縁膜材料及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1087816A JPH1087816A (ja) | 1998-04-07 |
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ID=26494260
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17157297A Expired - Fee Related JP3534575B2 (ja) | 1996-07-26 | 1997-06-27 | 有機絶縁膜材料及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3534575B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6468589B2 (en) * | 2000-02-02 | 2002-10-22 | Jsr Corporation | Composition for film formation and insulating film |
-
1997
- 1997-06-27 JP JP17157297A patent/JP3534575B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH1087816A (ja) | 1998-04-07 |
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