JPH11322921A - 芳香族(共)重合体溶液及びその絶縁被膜 - Google Patents

芳香族(共)重合体溶液及びその絶縁被膜

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JPH11322921A
JPH11322921A JP10153897A JP15389798A JPH11322921A JP H11322921 A JPH11322921 A JP H11322921A JP 10153897 A JP10153897 A JP 10153897A JP 15389798 A JP15389798 A JP 15389798A JP H11322921 A JPH11322921 A JP H11322921A
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JP
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polymer
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aromatic
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phenylphenol
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JP10153897A
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English (en)
Inventor
Kohei Kita
孝平 北
Mitsuo Konishi
満月男 小西
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気、電子材料、特にLSI多層配線の層間
絶縁膜、LSIパッシベーション膜、プリント基板、B
GA、MCMなどの基板材料に有用な、優れた電気特
性、低誘電率、低吸水性、耐熱性、成膜性等を有する、
2−フェニルフェノ−ル(共)重合体及びその絶縁被膜
を提供することである。 【解決手段】 (a)50〜100重量%の2一フェニ
ルフェノールと(b)0〜50重量%のフェノ−ル性コ
モノマ−とを、30〜90℃で重合反応を行うことによ
り得られる芳香族(共)重合体及びそのポリマー溶液か
ら形成される絶縁被膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気、電子材料、特
にLSI多層配線の層間絶縁膜、LSIパッシベーショ
ン膜、プリント基板、BGA、MCMなどの基板材料に
有用な、優れた電気特性、低誘電率、低吸水性、耐熱
性、成膜性等を有する、2−フェニルフェノ−ル(共)
重合体及びその架橋被膜に関する。
【0002】
【従来の技術】電気、電子材料に用いられる重合体とし
ては、一般に耐熱性が高いこと、誘電率が低いこと、吸
水性が小さいことなどが要求され、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、ビスマ
レイミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等が用い
られている。しかしフェノール樹脂、エポキシ樹脂は耐
熱性が低く、また誘電率も高い。ポリイミド系樹脂は耐
熱性は高いが強い極性を有するために吸水性が大きく、
また誘電率も高いという欠点を有する。フッ素系樹脂は
誘電率及び吸水性はきわめて低いが、基板材料への密着
性が低いという欠点を有する。近年、特に配線基板用絶
縁体としてビスマレイミド系樹脂、ポリフェニレンエー
テル系樹脂が報告されており、これらは誘電率が低い
が、耐熱性の点からは全ての用途に対しては満足されて
いるとはいえない。またLSI多層配線用絶縁体材料と
して現在用いられている酸化ケイ素膜の誘電率を低減す
るためにフッ素をドープすることも行われているが、熱
安定性とのトレードオフの関係にあって低誘電率化には
限界がある。
【0003】ポリフェニレンエーテル樹脂としてはポリ
−2、6−ジメチルフェノールが工業化され、エンジニ
アリングプラスチックとして大量に用いられており、こ
の樹脂をベースにしたプリント基板材料などが提案され
ている。この樹脂は誘電率、吸水性が低く、電気、電子
材料として有用なものであるが、耐熱性ではポリイミド
などと比較すると十分ではない。ポリ−2、6−ジメチ
ルフェノールの熱劣化は側鎖のメチル基から起こること
が考えられ、さらに高い耐熱性を有するものとしてポリ
−2、6−ジフェニルフェノールが研究された。この重
合体はガラス転移温度230℃、融点480℃、熱分解
開始温度515℃と優れた耐熱性を持ち、電気、電子材
料として高いポテンシャルを有するものであることが知
られている(Macromolecules4,5,6
43(1971))。しかしこの重合体は結晶性であ
り、膜状などに成形した後、熱が加えられると結晶化が
進行し変形、ひび割れなどが生じるため均質な膜を得る
ことが困難である。
【0004】この重合体を実用に供するための一つの手
法として非晶化することが考えられる。結晶性重合体を
非晶化する代表的な方法は共重合や化学修飾によって構
造の規則性を乱すことである。ポリ−2、6−ジフェニ
ルフェノールに関してもA.S.HayらはJourn
al of Polymer Sci, PartA,v
ol31, 2015(1993)などで側鎖ベンゼン環
に置換基を有する2、6−ジフェニルフェノールと共重
合することによって非晶化できることを開示している。
しかしこれらの共重合モノマーは合成に数段階を必要と
し、工業的に実用化することは困難であり、また多くの
共重合モノマーは脂肪族残基やフッ素原子を含有するた
め、得られる高分子の耐熱性や密着性などの要求特性を
低下させるものであった。
【0005】一方、これらの2,6−二置換フェノ−ル
に比べ、一置換フェノ−ルの重合はフェノ−ルが反応を
する際の位置選択性がフェノ−ルのo−位、p位−で高
く、例えば2−メチルフェノ−ルの酸化カップリング重
合ではフェノ−ルの4−位、6−位の2箇所で反応し、
一般的にゲル化が進行し複雑に分岐した架橋体が得ら
れ、工業的に有利に用いることができない(Recl
Trav Chim Pays−Bas、109,97
−102(1990))。以下に示す米国特許において
はこれらの一置換フェノ−ルを用いて重合体を得ること
を試みているが、いずれも重量平均分子量で1万程度で
分子量の低いものであった。米国特許5,571,88
7号において2−メチルフェノ−ルの酸化カップリング
重合が2−(2−イソプロポキシエチル)ピリジンと塩
化銅を触媒として行われているが、得られた高分子の重
量平均分子量は1万程度であった。米国特許3,29
2,06号において2−メチルフェノ−ル、2−フェニ
ルフェノ−ルの酸化カップリング重合が行われている
が、得られた分子量は極めて低かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような現状を考
慮して、本発明の目的は電気・電子材料として優れた特
性を有する工業的に安価な2−フェニルフェノ−ルを原
料とする重合体を開発すべく鋭意研究を行った。その結
果、意外にもある特定の条件下で重合することにより、
2−フェニルフェノ−ルの単独重合を行っても実質的に
ゲルを含有しない重合体を得られることを知見した。ま
た、ある特定の量比でコモノマ−との共重合を行うと耐
熱性、誘電率性、低吸湿、密着性、成膜性、均質性等に
優れるアモルファス芳香族共重合体を得ることを知見し
た。この新しい知見に基づいて本発明を完成したもので
ある。
【0007】従って、本発明の主な目的は、耐熱性、低
誘電率等の電気特性、低吸湿性、他の基材に対する密着
性、成膜性等に優れた芳香族(共)重合体を提供するこ
とにある。本発明の他の一つの目的は2−フェニルフェ
ノ−ルを原料とする芳香族(共)重合体の製造方法を提
供することにある。本発明の他の一つの目的は、2−フ
ェニルフェノ−ルを主原料とする芳香族(共)重合体の
製造方法を提供することにある。本発明の更に他の一つ
の目的は、上記の芳香族(共)重合体を用いて製造され
る(共)重合体被膜、さらにはこれらを架橋して得られ
る架橋(共)重合体被膜を提供することにある。本発明
の更に一つの目的は、上記の(共)重合体被膜及びこの
架橋被膜を用いて得られる電気・電子部品を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、有機過酸化物や
ビベンジル化合物のような架橋剤の共存下に2−フェニ
ルフェノールの単独重合体を加熱し、ガラス転移点以
上、結晶化温度以下で架橋、硬化させることにより、ひ
び割れ等が生じることのない均質な架橋重合体被膜を得
ることに成功した。また、2−フェニルフェノ−ルの共
重合体を有機過酸化物やビベンジル化合物のような架橋
剤の共存、あるいは非共存下に加熱することにより、ひ
び割れ等が生じない均質な被膜を得ることに成功し、さ
らには有機過酸化物やビベンジル化合物のような架橋剤
の共存下に加熱することにより、該共重合体のガラス転
移点を消失させることに成功した。
【0009】すなわち本発明は以下の通りである。 (1) 芳香族(共)重合体であって、各芳香族(共)
重合体鎖が、(A)下記式(1)、(2)で表される2
−フェニルフェノ−ル繰り返し単位
【化3】
【化4】
【0010】及び(B)該2−フェニルフェノ−ル繰り
返し単位の繰り返し中に挿入された下記式(i)〜(i
v)よりなる群から選ばれるフェノ−ル性コモノマ−単
位を包含し (i)2,6−ジフェニルフェノ−ルに由来するコモノ
マ−単位 (ii)α−ナフト−ルに由来するコモノマ−単位 (iii)β−ナフト−ルに由来するコモノマ−単位 (iv)炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10
のアルコキシル基炭素数2〜10のアルケニル基、及び
炭素数2〜10のアルキニル基よりなる群より選ばれる
少なくとも1個の脂肪族基で置換されたフェノ−ルに由
来するコモノマ−単位、且つ2−フェニルフェノ−ル繰
り返し単位(A)の量が該芳香族(共)重合体の重量に
対して50〜100重量%であり、該フェノ−ル性コモ
ノマ−単位(B)の量が該芳香族(共)重合体の重量に
対して0〜50重量%であり、ゲル浸透クロマトグラフ
ィ−により測定した重量平均分子量が10,000〜
3,000,000であることを特徴とする芳香族
(共)重合体。 (2) ゲルを実質的に含有しないことを特徴とする
(1)に記載の芳香族(共)重合体。
【0011】(3)(a)50〜100重量%の2一フ
ェニルフェノールと(b)0〜50重量%のフェノ−ル
性コモノマ−とを、30〜90℃で重合反応を行うこと
を特徴とする(1)又は(2)に記載の芳香族(共)重
合体の製造方法。但し、フェノール性コモノマー(b)
は、 (i)2,6−ジフェニルフェノ−ル (ii)α−ナフトール、 (iii)β一ナフトール、及び (iv)炭素数1〜10の1価のアルキル基、炭素数1
〜10のアルコキシル基、炭素数2〜10のアルケニル
基、及び炭素数2〜10のアルキニル基よりなる群より
選ばれる少なくとも1個の脂肪族基で置換されたフェノ
ールよりなる群から選ばれる少なくとも1種のフェノー
ル性コモノマーであり、また該2一フェニルフェノール
(a)と該少なくとも1 種のフェノール性コモノマー
(b)の総量が100重量%である。
【0012】(4) 銅化合物及び少なくとも1 種のア
ミンよりなる触媒の存在下で重合反応を行うことを特徴
とする(3)に記載の製造方法。 (5) 該芳香族(共)重合体に対する溶媒30〜98
重量部中に溶解した(1)又は(2)に記載の芳香族
(共)重合体2〜70重量部からなり、該芳香族(共)
重合体と該溶媒との合計量が100重量部であることを
特徴とする(共)重合体溶液。 (6) 更にラジカル発生剤を含有することを特徴とす
る(5)に記載の(共)重合体溶液。 (7) (5)又は(6)に記載の(共)重合体溶液か
ら得られる膜厚が0.1μm〜500μmの(共)重合
体被膜。 (8) (7)に記載の(共)重合体被膜を架橋するこ
とにより得られる架橋(共)重合体被膜。 (9) (7)又は(8)に記載の(共)重合体被膜を
絶縁体として用いることを特徴とする配線構造。
【0013】本発明の重合体は実質的にコモノマ−とな
るフェノ−ル性化合物の共存下、あるいは非共存下に2
−フェニルフェノ−ルを酸化カップリングして得られる
重合体である。本発明において用いられる2−フェニル
フェノール共重合体のコモノマーとしては2−フェニル
フェノールと共重合可能なフェノール性モノマーから選
択され、例えば2,6−ジフェニルフェノール、3−フ
ェニルフェノール、4−フェニルフェノール、フェノー
ル、α―ナフトール、β―ナフトール、2,6−ジメチ
ルルフェノール、o−クレゾール等が挙げられる。
【0014】基本的な重合条件は多数報告されている2
置換フェノール類の酸化重合と同じものを用いることが
できる。たとえば2、6−ジメチルフェノ−ルの重合方
法についてPolymer,31,1361(199
0)、 Recl.Trav.Chim.Pays−B
as108,247(1989)、J.Polym.S
ci.PartA,30,901(1992)、Rec
l.Trav.Chim.des Pays−Bas,
109,97−102(1990)、Recl.Tra
v.Chim.Pays−Bas,108,167−1
71(1989)等に記載されている方法を用いること
ができるし、また2、6−ジフェニルフェノ−ルの重合
方法についてJ.Polym.Sci.PartA−
1,8,1427(1970)、Macromolec
ules,3,5,533(1970)、Macrom
olecules,4,5,642(1971)などに
記載されている方法を用いることができる。
【0015】代表的な重合方法は適当な溶媒に2−フェ
ニルフェノール、コモノマ−成分、及び触媒を混合して
から空気、または酸素を吹き込む方法である。本発明に
おいて好ましく用いられる触媒の例としては銅化合物及
び少なくとも1種のアミンよりなる触媒を挙げることが
できるが、これに限定されるものではない。たとえば銅
化合物系以外にニッケル化合物、マンガン化合物なども
用いることができる。銅化合物としては塩化第二銅、塩
化第一銅、臭化第二銅、臭化第一銅、硫酸第二銅、硫酸
第一銅、硝酸第二銅、硝酸第一銅、酢酸第二銅、酢酸第
一銅、アジ化第二銅、アジ化第一銅、トルイル酸第二
銅、トルイル酸第一銅等を例示することができる。これ
らの中で特に好ましいのは塩化第一銅、塩化第二銅、臭
化第一銅、臭化第二銅である。銅化合物を用いる場合そ
の添加量は特に規定されるものではないが使用する2−
フェニルフェノールに対しておおむね0.01〜25重
量%である。
【0016】アミンとしては本発明においては3 級アミ
ンまたは2 級アミンから選ばれた少なくとも1種以上の
アミンが使用される。従つて、3 級アミン、2 級アミン
はそれぞれ単独でも用いうるし、これらを組み合わせて
2 種以上の併用も可能である。3 級アミン類としては例
えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロ
ピルアミン、トリブチルアミン、ブチルジメチルアミ
ン、フェニルジエチルアミン、N、N、N’、N’−テ
トラメチルエチレンジアミン、N、N、N’、N’−テ
トラメチル−1 、3 −ジアミノプロパン、N、N、
N’、N’−テトラメチル−1 、3 一ジアミノー1 一メ
チルプロパン、N、N、N’、N’−テトラメチル−1
、3 一ジアミノー2 一メチルプロパン、N、N、
N’、N’−テトラメチル−1 、4 一ジアミノブタン、
N、N、N’、N’−テトラメチル−1 、4 一ジアミノ
ペンタン等が挙げられる。
【0017】2級アミン類としてはジメチルアミン、ジ
−n−プロピルアミン、ジーイソープロピルアミン、ジ
−n−ブチルアミン、ジーsecーブチルアミン、ジー
tertーブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシ
ルアミン、ジオクチルアミン、ジデシルアミン、ジベン
ジルアミン、メチルエチルアミン、メチルブチルアミ
ン、ジシクロヘキシルアミン等の脂肪族2 級モノアミ
ン、N −メチル−1 、3 一ジアミノプロパン、N、N’
ージメチル−1 、3 ージアミノプロパン、N、N、N’
ートリメチルー1 、3 一ジアミノプロパン、N ーエチル
ー1 、3 ージアミノプロパン、N −メチル−1 、3 ージ
アミノブタン、N 、N ’−ジメチルー1 、3 ージアミノ
ブタン、N、N、N’−トリメチル−1 、3 一ジアミノ
ブタン、N−エチルー1 、3 ージアミノブタン等の分子
内に2 級アミンを含む脂肪族ジアミン類、N −フェニル
エタノールアミン、N −(mーメチル) フェニルエタノー
ルアミン、N −( p−メチル) フェニルエタノールアミ
ン、N −(2、6 一ジメチル) フェニルエタノールアミ
ン、N −( p−クロロ) フェニルエタノールアミン等の
N −フェニルエタノールアミン類、N −エチルアニリ
ン、N ーブチルアニリン、N −メチルー2 ーメチルアニ
リン、N −メチル−2 、6 一ジメチルアニリン、ジフェ
ニルアミン等のN −炭化水素置換アニリン類が使用でき
る。
【0018】アミンの添加量も本発明の重合体を得るた
めには重要な因子であって銅化合物1モルに対して0.
1〜20モル、特に好ましくは0.5〜2モルの範囲で
重合が行われる。重合溶媒は特に限定されないが例えば
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベ
ンゼン等の芳香族炭化水素、クロロホルム、塩化メチレ
ン、1 、2 一ジクロルエタン、トリクロルエタン、クロ
ルベンゼン、ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼン等
のハロゲン化炭化水素、ニトロベンゼン等のニトロ化合
物を挙げることができる。またメタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、
シクロヘキサノール等のアルコール類、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の
脂肪族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン類、酢酸
エチル、ギ酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルホルム
アミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホ
キシド類を挙げることができる。これらのうち、特に好
適に用いられるものとしてはベンゼン、トルエン、キシ
レン、メシチレン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサ
ノン、シクロペンタノンが挙げられる。フェノール性化
合物を酸化重合させて得られる重合体に対する良溶媒と
貧溶媒の比率を適宜選択することによって溶液重合法に
もなるし、反応の進行とともに重合体が反応溶媒中に粒
子として析出する沈殿重合法にもなる。モノマーと溶媒
の混合比はフェノールの濃度として1〜40重量%程度
が適当である。
【0019】本発明においては重合温度が重要であり、
好ましい重合温度は30℃〜90℃、特に好ましくは4
0℃〜80℃である。この温度領域から外れた例えば2
0℃程度の低い温度で重合を行うと酸素の吹き込み量に
関らずその重合速度は極めて遅いものとなるし、更に高
温の100℃程度の高温で重合を行うと30分以内にゲ
ル化が進行する。以上の条件下で純酸素、空気など酸素
を含む気体を反応系に吹き込むことによって重合が進行
する。気体中の酸素濃度については特に限定されるもの
ではないが、重合速度は気体中の酸素濃度に伴って増加
するので、生産性を考慮すると20%以上が好ましい。
反応中の系内圧力は常圧で十分であるが、必要に応じて
加圧下で反応を行うこともできる。重合に必要な時間は
所望の分子量や重合条件によって大きく変化するが、数
分〜数十時間である。
【0020】本発明の芳香族重合体、または芳香族共重
合体のゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した重量
平均分子量は10,000〜3,000,000であ
る。好ましくは20,000〜500,000であり、
更に好ましくは30,000〜200,000である。
重量平均分子量が10,000未満では機械的強度が小
さく、3,000,000を越えると成形性が悪い。以
下、本発明の芳香族重合体の構造について説明する。本
発明の2−フェニルフェノールのような一置換フェノー
ルをモノマー単位として含有する重合体の場合、以下の
式(4)、(5)、(6)で表されるいずれかの構造を
有していると考えられる。
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】このうち芳香族重合体が前式(6)で表さ
れる構造を多く含有していると、得られる重合体は複雑
に分岐した実質的に架橋体となってしまう。本発明の2
−フェニルフェノール等の上記した特定のフェノール性
コモノマー単位を有する芳香族一置換体の重合体が、ゲ
ルを実質的に含まず、上記したような優れた特性を示す
のは前式(6)で表されるような分岐構造を実質的にほ
とんど含有していないためと考えられる。これに関連し
て、実施例1で得られた本発明の2−フェニルフェノー
ル重合体に関し、その13C―NMRスペクトルを示す
図2を参照して説明する。
【0025】図2の13C−NMRスペクトルにおい
て、前式(6)で表される構造を有する場合には隣接す
る他の構成フェノール単量体単位の酸素原子と結合した
芳香族炭素2つに挟まれた芳香族炭素(前式(6)にお
いて(α)で示した炭素原子)に特有のシグナルである
108ppm付近のシグナルの有無で確認することがで
きる。図2においては、108ppm付近にシグナルは
ほとんど観測されず、これにより実施例1で得られた本
発明の2−フェニルフェノール重合体は、前式(6)の
ユニットの存在に起因する架橋構造を実質的に有さない
ことが確認される。本発明の芳香族重合体、及び芳香族
共重合体においても、108ppm付近にシグナルがき
わめて小さいながらも観測される場合があり、本発明の
芳香族重合体、または芳香族共重合体においても少量の
分岐構造が含まれる場合もあると考えられる。しかし、
本発明の芳香族重合体、または芳香族共重合体は、重量
平均分子量が数十万でも溶媒不溶のゲル分を実質的に含
有しないことから、分岐構造の含有率は極めて小さく、
実用上問題がない。
【0026】上記の方法で得られた共重合体はろ過、水
洗、溶剤洗浄、酸洗浄、再沈殿など通常の方法で精製、
回収する。場合によってはイオン交換樹脂と接触させる
ことによって含有されるイオン成分を除去することなど
も好ましい方法である。使用するイオン交換樹脂は除去
すべきイオン性不純物によって異なるが、スルホン酸基
を交換基として有する強酸性陽イオン交換樹脂やカルボ
ン酸基を交換基として有する弱酸性陽イオン交換樹脂、
4級アンモニウム基を交換基として有する強塩基性イオ
ン交換樹脂、1〜3級アンモニウム基を交換基として有
する弱塩基性イオン交換樹脂等を挙げることができる。
また、イオン交換樹脂との接触方法についても単純に該
高分子溶液中にイオン交換樹脂を添加し撹拌接触させ、
イオン性不純物を除去することも可能であるし、イオン
交換樹脂を充填したカラムの中を該高分子溶液を通過さ
せることによってイオン性不純物を除去することも可能
である。
【0027】本発明で得られる重合体は通常の高分子の
成形に用いられる種々の成形方法で成形し実用に供する
ことができる。射出成形、押し出し成形などで構造部
品、フィルムとして用いることもできるが、適当な溶媒
に溶解して流延法、キャスト法、スピンコート法などの
公知の方法で膜状に成形することにより電気、電子部品
用の絶縁膜等として有利に用いることができる。また適
当なガラスクロス、不織布などの多孔質支持体に重合体
溶液を含浸してプレプリグとした後、加熱硬化して板状
にしたものを配線基板として用いることもできる。
【0028】成膜に当たり使用する溶媒は重合体を溶解
するものなら特に限定するものではないが、トルエン、
キシレン、メシチレン、デュレン、テトラリンなどの芳
香族炭化水素系、クロロホルム、ジクロロメタン、ジク
ロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、
クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭
化水素系、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アセ
トフェノンなどのケトン系、乳酸エチルなどのエステル
系、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソールなど
のエーテル系、その他N−メチルピロリドン、テトラメ
チルウレア、プロピレングリコール−1−モノメチルエ
ーテル−2−アセテート、1−メトキシ−2−プロパノ
−ルなどを挙げることができる。これらのうち、作業
性、安全性、経済性、成膜性などを考慮して好ましいも
のとしてはトルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘ
キサノン、シクロペンタノン、アニソ−ル、N−メチル
ピロリドン、乳酸エチル、プロピレングリコール−1−
モノメチルエーテル−2−アセテートが挙げられる。こ
れらの溶媒は単独で用いてもよいが、成膜性、基板への
濡れ性、作業性などを改良するために数種類の溶媒を混
合して用いることも好ましい。
【0029】適当な溶液の濃度は使用目的や重合体の分
子量などによって異なるが、2〜50重量%、好ましく
は5〜30重量%の範囲が用いられる。得られた重合体
溶液を前述したような方法で膜状にした後、溶媒を蒸発
することにより、重合体被膜が得られる。この重合体被
膜はこのままでは実用に供することができない。多くの
電気・電子材料を使用するプロセスにおいては300〜
450℃程度の熱が加えられる。2−フェニルフェノ−
ル重合体はそれ自身が260℃付近に結晶化温度を有す
る結晶性高分子であり、このような熱が加えられると結
晶化が進行し膜がひび割れてしまう。ところが驚くべき
ことにガラス転移温度である180℃以上の温度でラジ
カルを発生する架橋剤の存在下に加熱を行うと結晶化が
進行する前に架橋硬化が進行するため実用上全く問題の
ない、ひび割れ等の無い均質な膜を得ることができる。
これによって初めて、耐熱性、電気特性、耐水性、耐溶
剤性などに優れた膜を得ることができる。
【0030】また、2−フェニルフェノ−ルに対して2
%以上のフェノ−ル性コモノマ−と共重合を行うと、D
SCによる観察では結晶化ピ−クが検出されないアモル
ファス高分子が獲得される。この共重合体から得られる
薄膜は加熱してもひび割れ等は生じないが、ガラス転移
温度を消失するために同様にラジカル発生剤を添加する
ことも可能である。架橋は加熱処理、光照射、電子線照
射など公知の方法で行うことができるが、多くの電気、
電子材料を使用する製造プロセスにおいて加熱処理がす
でに用いられており、もっとも簡便なのは加熱処理であ
る。加熱による架橋はラジカル発生剤を添加することに
より効果的に行うことができる。
【0031】本発明におけるラジカル発生剤としては一
般にラジカル発生剤として知られているものを用いるこ
とができる。たとえば過酸化物としてベンゾイルペルオ
キシド、ジクミルペルオキシド、t−ブチルペルオキシ
イソブチレ−ト、ジーt−ブチルペルオキシ−2−メチ
ルシクロヘキサン、1、1−ビス(t−ヘキシル)−
3、3、5−トリメチルシクロヘキサン、1、1−ビス
(t−ブチルペルオキシ)3、3、5−トリメチルシク
ロヘキサン、1、1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シ
クロヘキサン、2、2−ビス(4、4−ジ−t−ブチル
ペルオキシシクロヘキシル)プロパン、1、1−ビス
(t−ブチルペルオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシ
ルペルオキシイソプロピルモノカ−ボネ−ト、t−ブチ
ルペルオキシマレイン酸、t−ブチルペルオキシ−3、
5、5−トリメチルヘキサノエ−ト、t−ブチルペルオ
キシラウレ−ト、2、5−ジメチル−2、5−ジ(m−
トルイルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシ
イソプロピルモノカ−ボネ−ト、t−ブチルペルオキシ
−2−エチルヘキシルモノカ−ボネ−ト、t−ヘキシル
ペルオキシベンゾエ−ト、2、5−ジメチル−2、5−
ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペル
オキシアセテ−ト、2、2−ビス(t−ブチルペルオキ
シ)ブタン、t−ブチルペルオキシベンゾエ−ト、n−
ブチル−4、4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレ
−ト、ジ−t−ブチルペルオキシイソフタレ−ト、α、
α´ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベン
ゼン、2、5−ジメチル−2、5−ジ(t−ブチルペル
オキシ)ヘキサン、t−ブチルヒドロペルオキシド、p
−メンタンヒドロペルオキシド、2、5−ジメチル−
2、5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ
イソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、t−ブチル
トリメチルシリルペルオキシド、1、1、3、3−テト
ラメチルブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペル
オキシド、t−ヘキシルヒドロペルオキシド、t−ブチ
ルヒドロペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシ
ド、p−サイメンヒドロペルオキシド、ジアセチルペル
オキシド、ジイソブチリルペルオキシド、ジオクタノイ
ルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジラウロ
イルペルオキシド、m−トルイルペルオキシド、t−ブ
チルペルオキシラウレ−ト、t−ブチルペルオキシベン
ゾエ−ト、1、3−ビス(t−ブチルパ−オキシイソプ
ロピル)ベンゼン、t−ブチルパ−オキシトリメチルシ
ランが挙げられる。また、次式(3)に示すビベンジル
化合物をラジカル発生剤として使用することができる。
【0032】
【化8】 (式中のRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜2
0の炭化水素基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜20
のアルコキシル基、またはハロゲン原子のいずれかを表
す。) 前式(3)に示すビベンジル化合物として具体的には
2、3−ジメチル−2、3−ジフェニルブタン、α、
α’−ジメトキシ−α、α’−ジフェニルビベンジル、
α、α’−ジフェニル−α−メトキシビベンジル、α、
α’−ジメトキシ−α、α’ジメチルビベンジル、α、
α’−ジメトキシビベンジル、3、4−ジメチル−3、
4−ジフェニル−n−ヘキサン、2、2、3、3−テト
ラフェニルコハク酸ニトリル、ジベンジルなどを挙げる
ことができる。
【0033】本発明のラジカル発生剤の分解温度は高い
方が好ましい。低い分解温度のラジカル発生剤を用いる
とポットライフが短くなるばかりでなく、溶媒の乾燥時
などにラジカル発生剤が急速に分解するため効果的に架
橋が起こらず、また膜質も低下する。高温で分解するラ
ジカル発生剤を用いた方が優れた特性の膜を与える理由
は明らかではないが、本発明の重合体のガラス転移温度
は180℃以上と高く、また2−フェニルフェノ−ルの
単独重合体では260℃付近に結晶化温度を有すること
を考えると180℃以上、260℃以下で分解しラジカ
ルを発生する能力を有するラジカル発生剤を用いること
が好ましい。重合体鎖の運動性の乏しい低温でラジカル
が発生しても架橋反応を引き起こす前に失活してしまう
ものと考えられる。好ましくは1分間の半減期温度が1
50℃以上、さらに好ましくは200℃以上のラジカル
発生剤が用いられる。
【0034】添加するラジカル発生剤の量は重合体に対
して0.1〜200重量%が好ましく、更に好ましくは
1〜50重量%、5〜30重量%であることが最も好ま
しい。少ないと添加効果が見られず、多すぎると架橋後
の膜物性にかえって悪影響を与える。ラジカル発生剤の
添加方法に関しては重合体溶液調製時に重合体とともに
溶媒に溶解させるのがもっとも簡便である。このとき、
密着性改良剤、レベリング剤などの作業性、膜特性を改
良するための添加剤を加えることもできる。一般に電
気、電子材料ではいわゆるパーティクルの混入は極力さ
ける必要があり、前記の方法で得られた重合体、あるい
は重合体とラジカル発生剤の溶液は使用前にあらかじめ
0.1μm〜1μm程度のフィルターでろ過しておくこ
とが好ましい。
【0035】本発明の重合体溶液を用いてLSI多層配
線の層間絶縁膜、パッシベーション膜などを得るために
は、一般にスピンコート法が適用される。この際、濡れ
性、密着性などを改良するために基板を表面処理してお
くこともよく行われる。一度のスピンコートによって通
常0.1〜10μmの膜を得ることができる。もちろん
膜厚を大きくしたいときには溶液中における重合体濃度
を高くするか、あるいは加熱硬化後にスピンコートを繰
り返せばよい。得られた膜の乾燥温度は溶媒の種類によ
って異なるが、一般に室温〜150℃である。あまり急
速に揮発させると膜表面の平滑性が悪くなる。溶媒の揮
発速度を制御するためには、2段階に加熱乾燥する等の
方法も好ましい。例えばトルエンを溶媒として用いた場
合には、トルエンの沸点以下の40〜80℃で予備乾燥
したあとに、トルエンの沸点以上の150℃程度で完全
にトルエンを揮発させる等の方法を用いることができ
る。
【0036】上記のようにして得られた膜を架橋する場
合にはこの後、さらに加熱などの処理を行う。熱架橋を
行う場合加熱温度は通常は150℃以上、好ましくは2
00℃以上である。150℃以下ではラジカル発生剤を
添加していても実質的に架橋反応は進行しない。架橋条
件の例としては窒素雰囲気下、220℃で1分〜3時間
程度である。半導体の層間絶縁膜等として用いる場合に
は400℃以上の高温での脱ガスが問題になるが、この
ような場合にはこの後、更に高温の例えば400℃程度
の加熱を行っても構わない。
【0037】加熱雰囲気に酸素が存在する方が架橋反応
速度は大きいが、例えば配線材料としてアルミニウムを
用いた半導体素子のバッファ膜や、半導体素子に用いる
配線構造体の絶縁膜等として本発明の架橋重合体膜を用
いる場合、酸素存在下で加熱すると配線材料のアルミニ
ウムが酸化されてしまう。このように酸素存在下での加
熱が好ましくない場合には、窒素、ヘリウムまたはアル
ゴン雰囲気下などの不活性雰囲気下でも実用上全く問題
ない速度で架橋が進行する。
【0038】本発明のような反応性の高い官能基を含有
しない芳香族重合体においてこのような架橋反応が起こ
る理由は明らかでない。架橋した膜は架橋前の膜に比べ
て耐熱性、耐溶剤性が著しく改善されている。示差熱分
析(DSC)において、架橋前の芳香族重合体のガラス
転移温度は180℃付近に観察されるが、架橋後には3
00℃以下の温度でガラス転移温度が観察されなくな
り、更に架橋が進行すると500℃以下の温度でガラス
転移温度が観察されなくなる。また、架橋前の該重合体
は一般的な有機溶媒に可溶であるが、十分に架橋した重
合体においては溶媒に対してほとんど溶解、膨潤するこ
とがない。本発明の架橋重合体膜においては、N−メチ
ルピロリドン等の溶媒に可溶な未架橋ポリマーの含有率
は該架橋重合体膜の重量に対して5重量%以下であるこ
とが好ましく、1重量%以下であることが更に好まし
い。
【0039】この膜は必要に応じて、通常のレジストを
用いてパターンニングする事は容易である。また分子
量、濃度を適切に設定することにより、多孔質支持体へ
の含浸性、微細配線パターンへの埋め込み性に優れた材
料である。さらにアルミニウム、銅などの配線材料、ガ
ラス、シリカなどのセラミックス材料への密着性にもき
わめて優れている。このようにして得られる架橋薄膜は
きわめて優れた耐熱性、電気特性、力学特性、低吸水性
を持ち、LSI多層配線の層間絶縁膜、LSIパッシベ
ーション膜、プリント基板、BGA、MCMなどの基板
材料などの電気、電子材料として有利に用いることがで
きる。以下に実施例、比較例により本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるもの
ではない。
【0040】
【実施例】(実施例1)酸素導入管、攪拌装置のついた
500mLセパラブルフラスコに350gのトルエンを
秤り取り、20.73g(121.8mmol)の2−
フェニルフェノ−ルを加え窒素気流下で攪拌し溶解させ
た。これに臭化銅0.5g、N、N、N’、N’−テト
ラメチルエチレンジアミン400μl及び8.72gの
無水硫酸マグネシウムを加え60℃で液面下より酸素を
導入しながら約5時間酸化重合を行った。反応終了後、
反応液中の不溶分をPTFE0.5μmのフィルタ−で
ろ過し、メタノ−ルで再沈殿させ高分子固形分を単離し
真空乾燥した。乾燥後の収量は20g(収率99%)で
あり、定量的に溶媒可溶性の単独重合体が得られた。ポ
リスチレン換算での重量平均分子量は約10万であっ
た。得られた粗高分子20gをフラスコ中で酢酸20m
lを含むトルエン300ml に溶解し約1時間の加熱還
流をした後にMeOHに滴下、再沈殿し固形分を回収し
た。得られた固形分の銅残量をICPにより測定したと
ころ0.8ppmの残存が認められた。さらに精製する
ために得られた高分子20gをトルエン340mlに溶
解し三菱化学製陽イオン交換樹脂PK220中を流した
後にMeOH中に滴下し再沈殿精製を行った。得られた
固形分の銅残量をICPにより測定したところ0.1p
pm以下まで除去されていた。またこの重合体をDSC
で測定した結果180℃付近にガラス転移点、260℃
に結晶化ピ−クが見られる結晶性高分子であった。得ら
れた高分子のアルゴン中10℃/分の昇温速度でのTG
A測定による5%重量減少温度は450℃であった。
【0041】(実施例2)酸素導入管、攪拌装置のつい
た500mLセパラブルフラスコに350gのトルエン
を秤り取り、16.58g(97.4mmol)の2−
フェニルフェノ−ルと6g(24.36mmol)の
2,6−ジフェニルフェノ−ルを加え窒素気流下で攪拌
し溶解させた。これに臭化銅0.5g、N、N、N’、
N’−テトラメチルエチレンジアミン400μl及び
8.72gの無水硫酸マグネシウムを加え60℃で液面
下より酸素を導入しながら約5時間酸化重合を行った。
反応終了後、反応液中の不溶分をPTFE0.5μmの
フィルタ−でろ過し、メタノ−ルで再沈殿させ高分子固
形分を単離し真空乾燥した。乾燥後の収量は22g(収
率99%)であり、定量的に溶媒可溶性の共重合体が得
られた。ポリスチレン換算での重量平均分子量は約10
万であった。得られた粗高分子34gをフラスコ中で酢
酸20mlを含むトルエン300ml に溶解し約1時間
の加熱還流をした後にMeOHに滴下、再沈殿し固形分
を回収した。得られた固形分の銅残量をICPにより測
定したところ0.8ppmの残存が認められた。さらに
精製するために得られた高分子22gをトルエン340
mlに溶解し三菱化学製陽イオン交換樹脂PK220中
を流した後にMeOH中に滴下し再沈殿精製を行った。
得られた固形分の銅残量をICPにより測定したところ
0.1ppm以下まで除去されていた。またこの重合体
をDSCで測定した結果196℃付近にガラス転移点が
見られるだけのアモルファス高分子であった。得られた
高分子の5%重量減少温度は470℃であった。
【0042】(実施例3)実施例1で得られた重合体2
gとラジカル発生剤として2 、3 −ジメチル−2、3 −
ジフェニルブタン0.3gをアニソ−ル20gに溶解し
両者を混合した後、ガラス板上に塗布し、乾燥して膜厚
2μmの被膜を得た。この被膜を窒素中200℃で1時
間乾燥して溶剤を揮散させ、窒素中240℃でさらに1
時間架橋を行い、その後窒素中400℃の熱処理を行っ
た。得られた薄膜は膜厚が1.7μmで、目視及び光学
顕微鏡による観察では全くヒビ割れ等の欠陥が見られな
かった。この観察結果はこの膜をさらに400℃の窒素
雰囲気下に1週間放置した後にも変化せず、2−フェニ
ルフェノ−ル単独重合体の結晶化を完全に抑制してい
た。またN−メチルピロリドン浸漬でも外観上、また膜
厚も変化はなく、浸漬後の溶出量は0.2%であった。
さらにアニール後の被膜のアルゴン気流下10℃/分の
昇温速度によるTGAによる5%重量減少温度は500
℃であり、また400℃で2時間維持した際の1時間あ
たりの重量減少は1.7%であることから、このラジカ
ル発生剤で耐熱性がさらに向上したことを確認した。
【0043】(実施例4)実施例1で重合した重合体
0.8gとジベンジル0.2gをアニソ−ル20gに溶
解し、減圧下でアニソ−ルを揮散させ重合体とジベンジ
ルを混合し、石英るつぼに入れ200℃及び400℃の
窒素下でそれぞれ1時間アニ−ルした。このようにして
得られたポリマ−熱架橋物をDSCにより分析を行った
ところもはやガラス転移点、結晶化に由来するピ−クは
見えず、また、このポリマ−熱架橋物をクロロホルムに
浸漬したがもはや溶解せず、耐溶剤性を獲得していた。
【0044】(実施例5)ラジカル発生剤として過酸化
ベンゾイルを用いる以外は実施例3と同様の操作を行っ
た。アニール被膜ではDSCによるガラス転移温度は観
測されず、またN−メチルピロリドン浸漬でも外観上は
変化なく、溶出量は0.8%であった。またアニール後
の被膜の5%重量減少温度は470℃であり、全くヒビ
割れ等の欠陥が見られなかった。
【0045】(実施例6)実施例1で得た重合体0.9
gと2、3−ジメチル−2、3−ジフェニルブタン0.
1gをメシチレン15gに溶解しアルミニウムでコ−ト
したシリコン基板上に3000rpmで30秒間回転塗
布した後窒素雰囲気下200℃、230℃、400℃の
各温度で30分ずつ1時間乾燥・架橋することにより、
0.98μmの全くヒビ割れ等の欠陥のない均質な被膜
を形成した。この被膜上にアルミニウム電極を形成し測
定した1MHzでの誘電率は2.8であった。またこの
シリコン基板上の被膜を65℃のN−メチルピロリドン
に1時間浸漬したが膜剥れ等は生じず、浸漬後の膜厚は
0.98μmであり全く変化していなかった。
【0046】(実施例7)実施例2で得られた共重合体
2gとラジカル発生剤として2 、3 −ジメチル−2 、3
−ジフェニルブタン0.3gをアニソ−ル20gに溶解
し両者を混合した後、ガラス板上に塗布し、乾燥して膜
厚2.1μmの被膜を得た。この被膜を窒素中200℃
で1時間乾燥して溶剤を揮散させ、その後更に窒素中4
00℃で加熱架橋を行った。得られた薄膜は目視及び光
学顕微鏡による観察では全くヒビ割れ等の欠陥が見られ
なかった。この観察結果はこの膜をさらに400℃の窒
素雰囲気下に1週間放置した後にも変化しなかった。こ
の加熱架橋物をDSCにより分析を行ったところもはや
ガラス転移、結晶化に由来するピークは見えず、またN
−メチルピロリドン浸漬でも外観上は変化なく、溶出量
は0.2%であった。さらにアニール後の被膜の5%重
量減少温度は495℃であり、また400℃で2時間維
持した際の1時間あたりの重量減少は1.3%であるこ
とから、このラジカル発生剤で耐熱性がさらに向上した
ことを確認した。
【0047】(実施例8)実施例2で得た重合体0.9
gと2、3−ジメチル−2、3−ジフェニルブタン0.
1gをメシチレン15gに溶解しアルミニウムでコ−ト
したシリコン基板上に3000rpmで30秒間回転塗
布した後窒素雰囲気下200℃、230℃、400℃の
各温度で30分ずつ1時間乾燥・架橋することにより、
1.2μmの全くヒビ割れ等の欠陥のない均質な被膜を
形成した。この被膜上にアルミニウム電極を形成し測定
した1MHzでの誘電率は2.8であった。またこのシ
リコン基板上の被膜を65℃のN−メチルピロリドンに
1時間浸漬したが膜剥れ等は生じず、浸漬後の膜厚は
1.2μmであり全く変化していなかった。
【0048】(比較例1)酸素導入管、攪拌装置のつい
た500mLセパラブルフラスコに350gのトルエン
を秤り取り、20.73g(121.8mmol)の2
−フェニルフェノ−ルを加え窒素気流下で攪拌し溶解さ
せた。これに臭化銅0.5g、N、N、N’、N’−テ
トラメチルエチレンジアミン400μl及び8.72g
の無水硫酸マグネシウムを加え100℃で液面下より酸
素を導入しながら重合を行った。重合開始から30分後
に状態を観察すると反応溶液の全体がゲル化していた。
このゲル化物をクロロホルム中に浸漬加熱し、その上澄
みの溶解分のみをGPCによる分子量の分析を行ったが
重量平均分子量で300万を超えるものであり、ほとん
どの部分は一般的な有機溶剤に不溶で、全く実用に供さ
ないものであった。
【0049】(比較例2)実施例1で得られた重合体2
gをアニソ−ル20gに溶解、ガラス板上に塗布し、乾
燥して膜厚2μmの被膜を得た。この被膜を窒素中20
0℃で1時間乾燥して溶剤を揮散させ、その後窒素中2
40℃で1時間、その後更に窒素中400℃の熱処理を
行った。得られた薄膜は目視による観察で激しくヒビ割
れが生じており、全く実用に供しないものであった。
【0050】(比較例3)実施例1で得た重合体0.9
gをアニソ−ル15gに溶解しシリコン基板上に300
0rpmで30秒間回転塗布し、1.5μmの均質な薄
膜を得た。その後窒素雰囲気下200℃、230℃、4
00℃の各温度で30分ずつ1時間乾燥を行ったが薄膜
全体にわたって細かくひび割れが生じており、金属棒等
で表面を触ると容易に基板表面から剥れ落ち、全く実用
に供しないものであった。
【0051】(比較例4)実施例2で重合した共重合体
0.8gを400℃の窒素下で1時間アニ−ルした。こ
のようにして得られた共重合体の熱処理物を示差熱分析
計(DSC)により分析を行ったがガラス転移点の消失
は起きず200℃に観察された。
【0052】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、特
定の条件下で重合することにより、実質的にゲルを含有
しない、耐熱性、低誘電率等の電気特性、低吸湿性、他
の基材に対する密着性、成膜性等に優れた2−フェニル
フェノ−ル(共)重合体が得られ、そしてこの(共)重
合体は半導体、配線基板等電気・電子部品の絶縁被膜と
材料として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造した2−フェニルフェノール重
合体の赤外吸収スペクトルを示す。
【図2】実施例1で製造した2−フェニルフェノール重
合体の13C−NMRスペクトルを示す。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族(共)重合体であって、各芳香族
    (共)重合体鎖が、(A)下記式(1)、(2)で表さ
    れる2−フェニルフェノ−ル繰り返し単位 【化1】 【化2】 及び(B)該2−フェニルフェノ−ル繰り返し単位の繰
    り返し中に挿入された下記式(i)〜(iv)よりなる
    群から選ばれるフェノ−ル性コモノマ−単位を包含し (i)2,6−ジフェニルフェノ−ルに由来するコモノ
    マ−単位 (ii)α−ナフト−ルに由来するコモノマ−単位 (iii)β−ナフト−ルに由来するコモノマ−単位 (iv)炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10
    のアルコキシル基炭素数2〜10のアルケニル基、及び
    炭素数2〜10のアルキニル基よりなる群より選ばれる
    少なくとも1個の脂肪族基で置換されたフェノ−ルに由
    来するコモノマ−単位、且つ2−フェニルフェノ−ル繰
    り返し単位(A)の量が該芳香族(共)重合体の重量に
    対して50〜100重量%であり、該フェノ−ル性コモ
    ノマ−単位(B)の量が該芳香族(共)重合体の重量に
    対して0〜50重量%であり、ゲル浸透クロマトグラフ
    ィ−により測定した重量平均分子量が10,000〜
    3,000,000であることを特徴とする芳香族
    (共)重合体。
  2. 【請求項2】 ゲルを実質的に含有しないことを特徴と
    する請求項1に記載の芳香族(共)重合体。
  3. 【請求項3】(a)50〜100重量%の2一フェニル
    フェノールと(b)0〜50重量%のフェノ−ル性コモ
    ノマ−とを、30〜90℃で重合反応を行うことを特徴
    とする請求項1又は請求項2に記載の芳香族(共)重合
    体の製造方法。但し、フェノール性コモノマー(b)
    は、 (i)2,6−ジフェニルフェノ−ル (ii)α−ナフトール、 (iii)β一ナフトール、及び (iv)炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10
    のアルコキシル基、炭素数2〜10のアルケニル基、及
    び炭素数2〜10のアルキニル基よりなる群より選ばれ
    る少なくとも1個の脂肪族基で置換されたフェノールよ
    りなる群から選ばれる少なくとも1種のフェノール性コ
    モノマーであり、また該2一フェニルフェノール(a)
    と該少なくとも1 種のフェノール性コモノマー(b)の
    総量が100重量%である。
  4. 【請求項4】 銅化合物及び少なくとも1 種のアミンよ
    りなる触媒の存在下で重合反応を行うことを特徴とする
    請求項3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 該芳香族(共)重合体に対する溶媒30
    〜98重量部中に溶解した請求項1又は請求項2に記載
    の芳香族(共)重合体2〜70重量部からなり、該芳香
    族(共)重合体と該溶媒との合計量が100重量部であ
    ることを特徴とする(共)重合体溶液。
  6. 【請求項6】 更にラジカル発生剤を含有することを特
    徴とする請求項5に記載の(共)重合体溶液。
  7. 【請求項7】 請求項5又は請求項6に記載の(共)重
    合体溶液から得られる膜厚が0.1μm〜500μmの
    (共)重合体被膜。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の(共)重合体被膜を架
    橋することにより得られる架橋(共)重合体被膜。
  9. 【請求項9】 請求項7又は請求項8に記載の(共)重
    合体被膜を絶縁体として用いることを特徴とする配線構
    造。
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