明 細 書
触媒、 およびポリ マーの製造方法 技術分野
本発明は、 触媒に関する。
また、 本発明は、 この触媒を用いる、 ポリマーの製造方法に関 する。 背景技術
エンジニアリ ングプラスチック と して知られるポリ ( 2, 6 — ジメチ /レフエノーノレ) は 2, 6 —ジメチノレフエノー/レをモノマー と し、 トルエン、 ニ トロベンゼン、 ク ロ 口ベンゼンな どの芳香族 有機溶媒中、 触媒量の塩化銅 ( 1 )、 ピリ ジン存在、 酸素気流下、 酸化カップリ ング重合にて工業的に合成されている (A. S. Hay, U. S. Patent 3306875 , 1967; A. S. Hay, U. S . Patent 3306874, 1967) 0
近年、 環境調和問題から触媒のリサイクルが注目 されており、 固相担持型触媒の開発が望まれている。 ゼォライ トに担持した触 媒を用いる有機合成は古く から研究されているがゼォライ トの細 孔径は数オングス ト ローム程度であり、 ポリ マー合成には適さな い o
近年、 ゼォライ トよ り大きな細孔径を有するメ ソポーラス材料 が開発された。 これにジルコニウム、 モリ ブデン、 ランタノイ ド 等を担持させたビュルモノマー、 環状エステル、 ジアセチレン、. ジェン類の重合が行われており、 触媒のリサイクルが重合反応で も可能となつた。
しかし、 ビニノレモノマー、 ジアセチレンモノマーを除いて、 固 相担持型である以外にメ ソポーラス空間で重合を行う メ リ ッ トは
ほとんどの場合、 得られていない。 チタノセンをメ ソポーラスシ リ カ内に担持したエチレンの重合では、 高結晶性の超高分子量ポ リマーが得られている ( K. Kageyama, J. Tamazawa, T. Aida, Science 285, 2113, 1999)。 また、 ジアセチレンの酸化重合では 重合場がメ ソポーラス空間に制御されるために延びき り鎖構造の 結晶性の高いポリ マーが得られている (V. S . -Y. L. Lin, D . R. Radu, M-K. Han, W. Deng, S . Kuroki, B . H. Shanks , M. Pruski, J. Am. Chem. So 124, 9040, 2002)。
なお、発明者は、本発明に関連する技術内容を開示している (芝 崎 祐ニ、 福原 敏明、 戸木田 雅俊、 上田 充、 第 5 2回高分 子討論会 IIIPe021、 2003 ; Y. Shib asaki, J. N. Kondo, R. Ishimaru, K. D omen, M . Ueda, Polymer Preprints (American Chemical Society, Division of Polymer Chemistry) (2003), 44(2), 709-710.)。 発明の開示
フエノール類の酸化力 ップリ ング重合ではフエノール性水酸基 のオルト位、 パラ位の両方が重合点となるために分岐あるいは架 橋ポリマーを生成し、 ポリマーの成形加工が困難となる。 そのた め、 水酸基のオル ト位にメチルなどの置換基を導入する必要があ る。
すなわち、フヱノール類の重合では、触媒のリサイ クルに加え、 触媒のさ らなる高活性化、 およびモノマーの位置選択的も しく は 位置優先的な重合を行える触媒の開発が強く望まれている。 前述 のジアセチレンの重合ではメ ソポーラス空間に銅 ( I I ) ' アミ ン担持触媒を用いており、 フエノール類の重合への応用が期待さ れる。 しかし、 そのァミ ンには活性プロ トンが存在するため、 フ ェノール類の重合に適用するためにはこの活性プロ ト ンを無く し
た新たな触媒を設計する必要がある。
本発明は、 このよ う な課題に鑑みてなされたものであり 、 新規 な触媒を提供することを目的とする。
また、 本発明は、 ポリマーの新規な製造方法を提供するこ とを 目的とする。
上記課題を解決し、 本発明の目的を達成するため、 本発明の触 媒は、 メ ソポーラスシリカに銅 ( I I ) 化合物を担持する触媒で あり 、 フエノール類モノマーの酸化カツプリ ング重合に用いるも のである。
ここで、 銅 ( I I ) 化合物をジァミ ンに配位させるこ とができ る。
本発明の触媒は、 銅 ( I ) 化合物を出発原料に用い、 メ ソポー ラスシリ カに銅化合物を担持するものである。
ここで、 銅化合物をジァミ ンに配位させることができる。
本発明のポリ マーの製造方法は、 メ ソポーラスシリ カに銅化合 物を担持する触媒を用い、 フエノール類モノマーを酸化力 ップリ ング重合させる方法である。
こ こで、銅化合物をジァミ ンに配位させることができる。また、 反応に際してアミ ンを添加するこ とができる。 また、 雰囲気を酸 素存在下と して重合させるこ とができる。
本発明の触媒は、 メ ソポーラスシリカにジアミ ンを結合させ、 このジアミ ンに銅化合物を配位させたものである。
ここで、 ジァミ ンに対する銅イオンのモル比を、 0 . 8 〜 1 . 1 の範囲にするこ とができる。
本発明のポリマーの製造方法は、 メ ソポーラスシリ カにジアミ ンを結合させ、このジァミンに銅化合物を配位させた触媒を用い、 フヱノール類モノマーを酸化力 ップリ ング重合させる方法である c ここで、 反応に際してアミ ンを添加するこ とができる。 また、
雰囲気を酸素存在下と して重合させるこ とができる。
本発明は、 以下に記載されるよ う な効果を奏する。
メ ソポーラスシリ カに銅( I I )化合物を担持する触媒であり、 フエノ一ル類モノマーの酸化力ップリ ング重合に用いるこ とによ り、 または、 銅 ( I ) 化合物を出発原料に用い、 メ ソポーラスシ リカに銅化合物を担持することによ り、 新規な触媒を提供するこ とができる。
メ ソポーラスシリカに銅化合物を担持する触媒を用い、 フヱノ ール類モノマ一を酸化カツプリ ング重合させるこ とによ り、 ポリ マーの新規な製造方法を提供するこ とができる。
メ ソポーラスシリ カにジァミ ンを結合させ、 このジァミ ンに銅 化合物を配位させるこ とによ り 、 新規な触媒を提供するこ とがで さる。
メ ソポーラスシリ カにジァミ ンを結合させ、 このジァミ ンに銅 化合物を配位させた触媒を用い、 フヱノール類モノマーを酸化力 ップリ ング重合させることによ り、 ポリマーの新規な製造方法を 提供する ことができる。 図面の簡単な説明
図 1 は、 メ ソポーラスシリカ S B A— 1 5の内壁修飾前後にお ける窒素ガスを吸脱着したときの圧力変化の図 (右上)、 および、 S B A— 1 5 の細孔サイズの分布を示す図である。
図 2は、 ポリマーの水素核の核磁気共鳴結果を示す図である。 図 3は、 メ ソポーラス材料の細孔内での反応をモデル的に示す 図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明の実施の形態について説明する。
まず、 触媒にかかる発明の実施の形態について説明する。
本発明の触媒は、 担体と してメ ソポーラスシリ カを採用する。 メ ソポーラスシリ カの細孔径は、 1 0〜 5 0 0オングス ト ローム の範囲にある ことが好ま しい。 細孔径が 1 0オングス トローム以 上である と、 ポリ マーのよ うな大きな分子でも分子運動が比較的 に容易になる。 すなわち、 重合反応点へのモノマーやオリ ゴマー の分子運動が阻害されないため重合速度の低下を防ぐことができ る。 一方、 生成したポリマーを細孔から取り 出すこ とが容易とな る という利点がある。 鄉孔径が 5 0 0 ,オングス トローム以下であ る と、 好ましく ない枝分かれ構造を持つポリマーや架橋ポリマー の生成を抑えられる という利点があると考えられる。
担体の材質は、 ケィ素と酸素の無機架橋ポリマーであるシリ カ からなつている。
本発明の触媒は、 メ ソポーラスシリ カに鋼 ( I I ) 化合物を担 持するものである。 こ こで、 銅 ( I I ) 化合物と しては、 臭化銅 ( I I ) を挙げるこ とができる。 銅 ( I I ) 化合物は、 この臭化 銅 ( I I ) に限定されない。 このほか、 塩化銅 ( I I )、 ヨ ウ化銅 ( 1 1 )、 酢酸銅 ( I I ) などを採用することができる。
銅 ( I I ) 化合物はジァミ ンに配位させるこ とができる。 ジァ ミ ンと しては、 3 _ ( 2—アミ ノエチルァミ ノ) プロ ビルト リ メ トキシシランを採用することができる。 ジァミ ンは、 これに限定 されない。 このほカ 3— ( 2—アミ ノエチルァミ ノ) ェチル ト リ メ トキシシラン、 3 — ( 2 —アミ ノエチルァミ ノ) ブチルト リ メ トキシシランなどを採用するこ とができる。
本発明の触媒は、 化 1 に示されるよ う に、 メ ソポーラスシリ カ の壁からプロ ピル基をスぺーサ一と してエチレンジアミ ンを配位 子に用い, ハロゲン化銅を担持した構造体である。
化
X : CI, Br, または I
R2:酸素とケィ素の繰り返し単位からなるシリカ無機高分子体 二価のハロゲン化銅イオンはジァミ ンに配位する。 この二価の 銅イオンはそれ以上酸化されないので二価の銅イオンから調製し た触媒には二価の銅イオンのみが配位していることになる と考え られる。
本発明の触媒は、 銅 ( I ) 化合物を出発原料に用い、 メ ソポー ラスシリ カに銅化合物を担持するものである。
出発原料である銅 ( I ) 化合物と しては、 塩化銅 ( I ) を用い るこ とができる。 銅 ( I ) 化合物は、 塩化銅 ( I ) に限定されな い。 このほか臭化銅 ( I )、 ョ ゥ化銅 ( I ) などを採用するこ とが できる。
本発明の触媒においては、銅化合物がジァミ ンに配位している。 ジァミ ンと しては、 3 — ( 2—ア ミ ノエチルァミ ノ) プロ ピル ト リ メ トキシシラン、 N, N, N ' — ト リ メチルー N ' — [ 3 — ( ト リ メ トキシシリル) プロ ピル] エチレンジァミ ンを用いる こ とができる。 ジァミ ンはこれらに限定されない。 このほか、 3 — ( 2 —ア ミ ノエチルァ ミ ノ)ェチル ト リ メ トキシシラ ン、 3 — ( 2 一アミ ノエチルァミ ノ) プチルト リ メ トキシシランなどが採用で きる。
一価のハロゲン化銅から出発した場合には配位中に銅ィオンは
空気酸化されて一価と二価の混合物になる。 この時生成する二価 の銅イオンは非常に活性が高く一価に戻りやすい (還元されやす レ、)。 すなわち、 も とも と二価であった銅イオンと比べて格段に酸 化力が高い。 これは二価出発の銅イオンには元々ハロゲン化物ィ オンが二分子存在し、 共有結合で結合しているのに対して、 一価 から生成した銅イオンにはハロゲン化物イオンが一分子しか存在 せず、 残りの空いた配位場には水酸化物イオンなどの非常に弱い 結合の分子が空間を埋めているにすぎないからである と考えられ る。
以上のことから、 本実施の形態によれば、 メ ソポーラスシリ カ に銅 ( I I ) 化合物を担持する触媒であり、 フエノール類モノマ 一の酸化カツプリ ング重合に用いることによ り、 または、 銅 ( I ) 化合物を出発原料に用い、 メ ソポーラスシリ カに銅化合物を担持 するこ とによ り 、 フエノール類モノマーの酸化カツプリ ング重合 に向けて、 メ ソポーラス材料を利用する新規な触媒を提供するこ とができる。
本発明の触媒は、 メ ソボーラスシリカにジアミ ンを結合させ、 このジアミ ンに銅化合物を配位させたものである。
銅化合物と しては、 塩化銅 ( I ) を用いるこ とができる。 銅化 合物は、 塩化銅 ( I ) に限定されない。 このほか臭化銅 ( I )、 ョ ゥ化銅 ( 1 )、 酢酸銅 (1)、 硫酸銅 (I) などを採用するこ とがで きる。
ジァミ ンと しては、 N, N , N ' 一 ト リ メチルー N, 一 [ 3 — ( ト リ メ トキシシリル) プロ ピル] エチレンジァ ミ ンを用いる こ とができる。 ジァミ ンはこれに限定されない。 このほか、 N, N , N ' 一 ト リ メチル _ N, 一 [ 3 — ( ト リ エ トキシシリル) プロ ピ ル] エチレンジァ ミ ン、 N, N, N, 一 ト リ ェチルー N ' — [ 3 一 ( ト リ エ トキシシリ ル) プロ ピル] エチレンジァミ ン、 N, N,
N ' — ト リ プロ ピル一 N, 一 [ 3 — ( ト リ エ ト キシシ リ ル) プロ ピル] エチレンジァ ミ ン、 3— ( 2 —ア ミ ノ エチノレア ミ ノ ) プロ ビルト リ メ トキシシラン、 3— ( 2 —アミ ノエチルァミ ノ) プロ ピル ト リ エ ト キシシラ ン、 3— ( 2 —ア ミ ノ エチルァ ミ ノ ) ェチ ル ト リ メ ト キシシラ ン、 3 — ( 2 —ア ミ ノ エチルァ ミ ノ) プチル ト リ メ トキシシラン、 などが採用できる。
本発明の触媒は、 ジァミ ンに対する銅イオンのモル比が、 0 . 8〜 1 . 1 の範囲内にあることが好ましい。 モル比が 0 . 8以上 である と、 メ ソポーラス中の銅イ オンの濃度が十分であるために 重合速度が向上する という利点がある。 モル比が 1 . 1以下であ る と、 ジアミ ンに配位していない余分な銅イオンをほぼ無視する こ とができ、 メ ソポーラス中からの銅イオンの溶け出しを避ける こ とができる という利点がある。
以上のこ とから、 本実施の形態によれば、 メ ソポーラスシリ カ にジァミ ンを結合させ、 こ のジァミ ンに銅化合物を配位させるこ とによ り 、 フエノ ール類モノ マーの酸化カツプリ ング重合に向け て、 メ ソポーラス材料を利用する新規な触媒を提供するこ とがで きる。
つぎに、 ポリマーの製造方法にかかる発明の実施の形態につい て説明する。
本発明のポリマーの製造方法は、 メ ソポーラスシリ カに銅化合 物を担持する触媒を用い、 フエノール類モノマーを酸化カツプリ ング重合させる方法である。
メ ソポーラスシリカに銅化合物を担持する触媒と しては、 上述 した本発明の触媒を使用できる。 すなわち、 メ ソポーラスシリ カ に銅 ( I I ) 化合物を担持するもの、 ならびに、 銅 ( I ) 化合物 を出発原料に用い、 メ ソポーラスシリ カに銅化合物を担持するも の、 ならびに、 メ ソポーラスシリ カにジァミ ンを結合させ、 この
ジァミ ンに銅化合物を配位させたものである。
フ エノ ール類モノ マー と しては、 2 , 6 —ジメ チルフ エ ノ ール、 2 , 5—ジメチノレフエ ノ ーノレ、 2 , 6 —ジフエニノレフエ ノ ーノレを 用いるこ とができる。 フエノール類モノ マーはこれらに限定され ない。 こ のほか、 2 , 6 —ジェチノレフエ ノ ーノレ、 2 —メ チノレー 6 ーェチノレフエ ノ ーノレ、 2 —メチノレ一 6 ーィ ソプロ ピルフエ ノ ーノレ、 2 — メ チノレー 6 — フエニノレフエ ノ ーノレ、 2 —メ チノレー 6 —メ ト キ シフ エ ノ ール、 2 —ク ロ ロ ー 6 —メ チルフエ ノ ールな どを採用す るこ とができる。
本発明のポリマーの製造方法においては、 重合反応に際してァ ミ ンを添加する。 ァミ ンと しては、 テ トラメチルエチレンジアミ ン ( T M E D A ) もしく はピリ ジンを使用することができる。 ァ ミ ンはこれらに限定されない。 このほか、 ジェチルァミ ン、 ジブ チノレア ミ ン、 N, N,ージ一 tert—ブチノレエチレンジァ ミ ン、 2 — メ チルピ リ ジン、 2 —プロ ピルピ リ ジン、 2 — フエ二ルビ リ ジン などを採用するこ とができる。
重合反応は、 酸素存在下で行う。 本発明は銅ァミ ンを触媒と し て用いているために酸素が存在する雰囲気が必要である。 すなわ ち、 反応機構が、 系中の二価の銅イオンからフヱノ ールへのー電 子酸化、 フエノールラジカル同士のカップリ ングによ りポリマー が、 一方、 還元され生成した一価の銅イ オンは酸素によ り二価の 状態に復帰するためである。
酸素が存在する雰囲気と しては、純酸素の雰囲気が使用できる。 このほか、 空気下などを採用するこ とができる。
重合反応の温度は、 3 0〜 1 2 0 °Cの範囲内にあるこ とが好ま しい。 温度が 3 0 °C以上である と、 重合速度が大きく なる という 利点があり、 温度が 1 2 0 °C以下である と、 ジフエノキノ ン誘導 体の副生を抑制することができる。 2 , 5—ジメチルフエノ ールの
位置選択的重合によるポリマーは高結晶性である と予測されてお り、 実際にこれまでに分子量 4千程度のオリ ゴマーが得られてい るが、高結晶性であり高温でのみ溶剤可溶である。従って 1 0 0 °C 以上で位置選択的な重合が行えれば、 工業的に使用可能な十分な 分子量を有するまったく新規なエンジニアリ ングプラスチックを 開発することが可能である。 従って、 今回発明された手法は今後 の応用を考慮した場合、 大きな利点を有する。
以上のことから、 本実施の形態によれば、 メ ソポーラスシリ カ に銅化合物を担持する触媒を用い、 フエノール類モノマーを酸化 カップリ ング重合させるこ とによ り 、 フエノール類の酸化カップ リ ング重合に向けて、 メ ソポーラス材料を利用する新規な触媒を 提供する と と もに、 狭いメ ソポーラス空間での重合場を有効に用 いて高活性な触媒開発、 位置選択も しく は位置優位的重合場の提 供によるモノマーの適用範囲拡大、触媒のリサイクル化ができる。
なお、 本発明は上述の実施の形態に限らず本発明の要旨を逸脱 することなく その他種々の構成を採り得るこ とはもちろんである < つぎに、 本発明にかかる実施例について具体的に説明する。 た だし、 本発明はこれら実施例に限定されるものではないこ とはも ちろんである。
「参考例 1」
まず、 メ ソポーラスシリ カ MCM— 4 1担持型の銅ァミ ン触媒 と して既知のものを合成した。 すなわち、 セチルト リ メチルアン モニゥムプロ ミ ド 2 g ( 5. 4 8 mmol) を純水 9 6 0 mLに溶力 し、 0. 5 mol/L の水酸化ナ ト リ ウム水溶液 1 4 mL ( 7 mmol) を加え、 8 0 °Cに設定した。 ここに、 臭化銅 ( I I ) 5 0 0 mg ( 2. 6 mmol)、 3— ( 2 —アミ ノエチルァミ ノ) プロ ピル ト リ メ トキシシラン 0 . 9 8 mL ( 4. 5 mmol)、 テ トラェチルオルソ シリ ケー ト 1 0 mL ( 5 1 . 4 mmol) のメ タノーノレ溶液 ( 3 0 mL)
を滴下した。 滴下終了後、 このままの温度で 3時間攪拌し、 得ら れた青色不均一溶液を吸引濾過し、 界面活性剤であるセチル ト リ メチルアンモニゥムブロ ミ ドの入ったメ ソポーラスシリ カを得た 続いてこれを 0. 1 mol/L の塩酸メ タノール溶液に分散させ 1 2 時間還流することで界面活性剤を除去した。 この処理で一部の銅 イオンが外れてしま うため、 得られた青色の固体を臭化銅 ( I I )
3 . 8 g ( 2 0 mmol) のエタ ノール分散液 2 0 O mL に投入し室 温で 1 2時間攪拌した。 余分な臭化銅 ( I I ) を熱エタノールで 溶かし、 青色固体を回収した。 これを熱エタノール、 ピリ ジン、 最後にエタノールにて洗浄し、 1 2 0 °Cで 1 2時間乾燥させ目的 とするメ ソポーラスシリカ担持型銅ァミ ン触媒 1 を合成した。 粉末 X線回折によ り得られたパターンから、 合成したメ ソポー ラスシリ カの細孔径は 4 8 . 5オングス トロームであった。 アミ ンはメ ソポーラスシリ 力を合成する ときに同時にシリ 力壁に固定 しているため、 均一に分布している ものと考えられる。 よって、 ァミ ンに配位する銅イオンも均一にシリ カに分布している と考え —られる。 以降の触媒についても同様のことが言える。
「実施例 1」
次に、 臭化銅の代わり に塩化銅 ( I ) 担持型 M C M— 4 1触媒 の合成を行った。セチル ト リ メチルアンモニゥムプロ ミ ド 2 g ( 5
4 8 mmol)、 蒸留水 9 6 0 m L、 0 . 5 mol/L 水酸化ナ ト リ ゥム 水溶液 1 4 m Lを加え溶解させた。 この溶液を 8 0 °Cに加熱し、 ここに、テ ト ラェチルオルソシリ ケー ト 1 0 m L ( 5 1 . 4 mmol)、 3 _ ( 2 —ア ミ ノエチルァミ ノ)プロ ピル ト リ メ トキシシラン 0 . 9 8 mL ( 4 . 5 mmol)、 塩化銅 (I) ( 2. 3 mmol) の 2 —メ ト キシエタノール溶液 3 0 mL を滴下した。 さ らに 3時間攪拌を続 けて得られた緑色の不均一溶液にテ トラヒ ドロフランを加え、 ゲ ルの沈殿を促進させ吸引濾過を行った。 得られたメ ソポーラスシ
リ カから界面活性剤を取り 除く ため、 こ の緑色のゲルを 0 . 1 mol%の塩酸メ タノール溶液で 1 2時間還流した。 この処理で一 部の銅イオンが外れてしま うため、 得られた緑色の固体を塩化銅 ( I ) 2 g ( 2 0 mmol) の 2—メ トキシエタノール分散液 2 0 0 mL に投入し室温で 1 2時間攪拌した。 固体を回収し熱エタノー ル、 ピリ ジン、 最後にエタノールで洗浄、 1 2 0 °C、 1 2時間減 圧乾燥することで緑色の固体触媒 2 を得た。
粉末 X線回折によ り得られたバタニンから、 合成したメ ソポー ラ シリ カ MCM— 4 1 の細孔径は 4 2. 1オングス ト ロームで あった。
「実施例 2」
次に、 メ ソポーラスシリカ M CM— 4 1 中のジアミ ンの活性プ 口 トンをメチル基に変えた触媒 3の合成を行った。ジァミ ンに N, N, N ' — ト リ メチル _ N, - [ 3 — ( ト リ メ トキシシリル) プ 口 ピル] エチレンジァミ ン 1 . 2 g ( 4. 5 mmol) を用いたこ と 以外は実施例 2 と同様である。
粉末 X線回折によ り得られたパターンから、 合成したメ ソポー ラスシリ カ MCM— 4 1 の細孔径は 4 4オングス ト ロームであつ た。
「実施例 3 J
得られた MC M— 4 1触媒を用いてフエノール類の酸化カップ リ ング重合を行った。 酸素雰囲気下、 フラスコに触媒 1 を 0. 6 g ( 0. 3 mmol) 入れ、 トルエン 5 m L、 テ トラメチルエチレン ジァミ ン ( TME D A) 0. 3 mmol を加え 4 0 °Cで 5分間攪拌 した。 ここに 2, 6 —ジメチルフエノール 0. 3 6 6 g ( 3 mmol) を加え、 重合を開始した。 2 4時間後、 得られた溶液を トルエン で希釈し濾過後、 濃塩酸を含むメ タノールに再沈澱、 固形物をメ タノールで洗浄、 減圧乾燥することでポリ ( 2, 6 —ジメチルフ
ェノール) を得た。
「比較例 1 」
添加剤と してのテ トラメ チルエチレンジアミ ン (TME D A) を加えないこ と、 重合時間を 1 2時間と したこ と以外は実施例 3 と同様である。
「比較例 2 J
特許文献 1, 2 に従い合成した。 すなわち、 酸素雰囲気下、 フ ラスコに臭化銅 ( I I ) 0. 3 mmol、 TM E D A 0. 3 mmol、 を入れ、 トルエン 5 m Lを加え 4 0. °Cで 5分間、 攪拌した。 ここ に 2, 6 —ジメ チルフエノール 0. 3 6 6 g ( 3 mmol) を加え、 重合を開始した。 1 2時間後、 ク ロ 口ホルムで希釈し、 1 m Lの 濃塩酸を含む 3 0 O m Lのメ タノールに反応混合物を加え、 析出 した黄色繊維状物質を回収した。 これをメ タノール、 ついで、 1 m Lの濃塩酸を含む 2 5 m Lのメ タノールで洗浄し、 最後に 2 5 m Lのメ タ ノールで洗浄した。 ポリ マーをク ロ 口ホルムに溶力 し この溶液を濾過、 再度 l m Lの濃塩酸を含む 4 0 O m Lのメ タノ 一ルで再沈殿させた。 これをメ タノールで洗浄後、 減圧乾燥する こ とでポリ ( 2, 6 —ジメチルフエノール) を得た。
実施例 3、 比較例 1〜 2 をまとめたものが表 1である。
表 1 銅ァミン触媒 1による 2 , 6—ジメチルフエノールの重合
合成した触媒 1 のメ ソポーラス空間内には銅を担持するために
すでにァミ ンが埋め込まれている。 しかし、 触媒 1 のみでは重合 が進行しなかった (比較例 1 )。 一方、 この系にァミ ンと して T M E D Aを加えたと ころ、 高収率でポリ マーが得られることが分か つた。 これは銅に配位していない自由な T M E D Aがフエノール のプロ トンを引き抜き、 フエノールの酸化電位を下げたためであ る と考えられる。
実施例 1 における収率、 分子量は既知の臭化銅 ( I I ) 一アミ ン触媒 (比較例 2 ) と同等であった。
「実施例 4」
新規に合成した触媒 2 を用いてフエノール類の重合の検討を行 つた。 酸素雰囲気下、 フラスコに触媒 2 を 0. 1 4 g ( 0. 0 7 mmol)入れ、 ピリ ジン 1 mL、ついで トルエン 5 m Lを加え 4 0 °C で 5分間、 攪拌した。 ここに 2, 6 —ジメチルフエノール 0. 3 6 6 g ( 3 mmol) を加え、 重合を開始した。 2 4時間後、 得られ た溶液を トルエンで希釈し濾過後、 濃塩酸を含むメ タノールに再 沈澱させ、 固形物をメ タノールにて洗浄、 減圧乾燥するこ とでポ リ ( 2, 6 —ジメチルフヱノール) を得た。
「比較例 3」
触媒に塩化銅 ( I ) 0. 2 mmols 重合時間を 3 0分と したこ と 以外は比較例 2 と同様である。
「実施例 5」
モノマーに 2, 5 —ジメチルフエノールを用いたこと以外は実 施例 4 と同様である。
「比較例 4」
酸素雰囲気下、 フラスコに塩化銅 ( I ) 0. 2 mmol を入れ、 トルエン 5 m Lを加え 4 0 °Cで 5分間、 攪拌した。 ここに 2, 5 ージメチルフエノール 0. 3 6 6 g ( 3 mmol) を加え、 重合を開 始した。 1時間後、 ク ロ口ホルムで希釈し、 これを l m Lの濃塩
酸を含む 3 0 O m Lのメ タノールに加えて洗浄した。 さ らにメ タ ノ ール、 ついで、 l m L の濃塩酸を含む 2 5 m Lのメ タ ノ ールで 洗浄し、 最後に 2 5 m L のメ タノールで洗浄、 減圧乾燥するこ と でポリ (.2 , 5 —ジメ チルフエノール) を得た。
. 実施例 4 〜 5、 比較例 3 〜 4をま とめたのが表 2である。
表 2
新規銅ァミン触媒 2によるフヱノール類の酸化力ップリング重合
新規に合成したメ ソポーラ スシリ カ担持型触媒 2 を用いて 2 , 6 ' ジメチルフヱノ ールの酸化重合を検討した結果'、 2 4時間で ほぼ定量的に数平均分子量で 5万近く のポリマーが得られるこ と が分かった (実施例 4 )。 これは従来の工業ライ ンで使用される触 媒系に匹敵する分子量である (比較例 3 )。
また、 2 , 5 —ジメチルフエノールの重合では従来型の均一系 触媒が架橋物 (比較例 4 ) を与え、 加工成形が困難となるのに対 して、 溶媒に可溶なポリマー (実施例 5 ) を与える。 前述の通り 、 2 , 5 —ジメチルフヱノールには反応可能点が 3つ存在する。 す なわち、 フエノール酸素と、 ヒ ドロキシル基の 4位、 及び 6位で ある。 従って、 従来の触媒系では直鎖状高分子ではなく 、 枝分か れ、 も しく は架橋高分子 (ゲル) を与え、 溶媒不溶になる。 一方 で、 今回用いた触媒 2で可溶性ポリマーを与えたのは、 重合場が 狭いメ ソ空間に限定されたため、 分岐構造高分子は生成するもの の、 高分子鎖同士の反応が著しく抑制され架橋ポリマーを与えな かったためである と考えられる。
2, 6—ジメチルフエノ ールの重合で触媒 2は触媒 1 に比べて よ り高分子量体を与えるこ とが分かった (実施例 3 と実施例 4 )。 これは前述の通り、 二価から出発した銅イオンに比べて一価から 出発した銅イ オン触媒の方が活性が高いためである と考えられる 「実施例 6」
新規に合成した触媒 3 を用いて 2, 6 一ジメチルフヱノ ールの 重合を行った。 酸素雰囲気下、 フラスコに触媒 3 を 0 . l g ( 0 . 0 5 mmol) 入れ、 ピリ ジン 1 mL、 ついで トノレェン 5 m Lを加え 4 0 °Cで 5分間、 攪拌した。 ここに 2 , ·6 —ジメチルフエノール 0 . 3 6 6 g ( 3 mmol) を加え、 重合を開始した。 3時間後、 得 られた溶液を トルエンで希釈し濾過後、 濃塩酸を含むメ タノール に再沈澱させ固形物をメ タノールで洗浄、 減圧乾燥するこ とでポ リ ( 2, 6 —ジメチルフエノール) を得た。
「実施例 7」
触媒 3 の量を 0 . 0 2 5 mmol 用いたこ と以外は実施例 6 と同 様である。
「実施例 8」
触媒 3 の量を 0 0 1 0 mmol 用いたこ と以外は実施例 6 と同 様である。
「実施例 9 」
触媒 3 の量を 0 0 0 5 mmol 用いたこと以外は実施例 6 と同 様である。
「実施例 1 0 」
触媒 3 の量を 0 0 0 2 5 mmol 用いたこ と以外は実施例 6 と 同様である。
「比較例 5 」
触媒に塩化銅 ( 1 ) 0 2 mmol 用いたこ と以外は比較例 2 と 同様である。
「比較例 6」
触媒に塩化銅 ( I ) 0 . 0 2 mmol 用いたこ と以外は比較例 2 と同様である。
「比較例 7 j
触媒に塩化銅 ( I ) 0 . 0 0 5 mmol 用いたこと以外は比較例 2 と同様である。
実施例 6 〜 1 0、 比較例 5〜 7をま とめたのが表 3である。 表 3
新規に合成したメ ソポーラスシリ カ担持型触媒 3が 2 , 6 ' ジ メチルフエノールの酸化力ップリ ング重合に有効であることが分 かる ( 3時間で数平均分子量 M nで 4〜 8万のポリ マーが高収率 で得られている)。 さ らに、 従来型触媒ではモノマーに対して触媒 濃度を 0 . 1 7 mol%まで下げる と重合活性が極端に落ちるのに対 して (比較例 7 )、 担持型触媒 3では同濃度で依然と して高分子量 のポリマーを定量的に与えるこ とができる (実施例 9 )。 さ らに低 濃度、 0 . 0 8 3 mol%でも重量平均で 1 0万を超えるポリマーを 定量的に与え、 重合活性を維持している (実施例 1 0 )。
これは、 二つの理由で説明できる。 一つは、 従来の均一系触媒 は、 見た目は溶けている ものの実際に金属はク ラスター状態で存
在する。 そのため、 重合に寄与する銅イオン濃度は実際の銅の添 加量よ り も低い。 一方、 メ ソポーラス材料担持型触媒では、 アミ ンがメ ソポーラス空間に均等に分布するため、 銅イオンは集合体 であるクラスターを構成することはできず、 結果と して、 添加し た銅イオンがすべて重合触媒と して機能するよ う になる。
二つ目の理由を述べる。 重合機構上、 モノマーであるフエノー ル類はピリ ジンによ り親水性のフヱノ ラ一トになる。 反応溶媒は 親油性の トルエンであり、 メ ソポーラスシリ カ内にはシラノール 基が多数存在するため親水性である。 従って、 均一に溶液中に溶 けているモノマーは積極的にメ ソ空間に引き込まれ、 メ ソ空間内 のモノマー濃度が上昇し、 重合が前述の均一系触媒に比べて速や かに進む。 以上、 二つの理由によ り 、 本発明で合成された触媒 3 は従来型に比べて著しく高活性であるこ とがわかる。
また、 同様の分子量 (M nで 4 . 9万) を持つ 2, 6 —ジメチ ルフエノールのポリマーを与えるのに触媒 2では 2 4時間を要す るのに対して触媒 3では 3時間で十分である。 これは触媒 3が触 媒 2に比べ圧倒的に高活性であるこ とを示している (実施例 4 と 6 ) o
これは活性プロ トンのない三級アミ ンが銅イオンへ配位したこ とで、 電子的に銅イオンを活性化し、 さ らに二級よ り も三級アミ ンの方が立体的にかさ高いため、 二価の状態になった銅イオンか ら配位した水酸化物イオンなどを容易に取り除く ことができ、 モ ノマーの接近を促進させるためである と考えられる。
次に、 新規に合成した触媒 3 を用いてフ ノール類の酸化カツ プリ ング重合を行った。
「実施例 1 1 」
酸素雰囲気下、 フラスコに触媒 3 を 0 . 0 5 g ( 0 . 0 2 5 mmol)、 ピリ ジン 1 mL、 ついで トルエン 5 m Lをカ卩ぇ 4 0 °Cで 5分間、 攪
拌した。 こ こ に 2, 5 —ジメ チルフ エ ノ ール 0 . 3 6 6 g( 3 mmol) を加え、 重合を開始した。 1 2時間後、 得られた溶液を トルエン で希釈し濾過後、 メ タノールに再沈澱、 減圧乾燥するこ とでポリ ( 2 , 5 —ジメ チノレフヱ ノ ール) を得た。
「実施例 1 2」
ピリ ジンの代わり に 2 —ピコ リ ン、 重合時間を 2 4時間と した こ と以外は実施例 1 1 と同様である。
「実施例 1 3」
酸素雰囲気下、 フ ラス コ に触媒 3 を 0 . 0 5 g( 0 . 0 2 5 mmol) . ピリ ジンを 1 mL、 ついで トルエンを 5 m L加え 6 0 °Cで 5分間、 攪拌した。 こ こ に 2 , 6 —ジフエユルフ ェ ノ ール 0 . 7 3 9 g ( 3 mmol) を加え、 重合を開始した。 3時間後、 得られた溶液を トル ェンで希釈し、 濾過、 メ タノールに再沈澱させ、 減圧乾燥するこ とでポリ ( 2, 6 —ジフエニルフエノール) を得た。
「比較例 8」
触媒に塩化銅( I )、モノ マーに 2, 6 —ジフヱニルフエ ノ ール、 温度 6 0 °C、 重合時間 3時間と したこ と以外は比較例 2 と同様で める。
実施例 1 1 〜 1 3、 比較例 8 をま とめたのが表 4である。
表 4 新規銅ァミン触媒 3 jこよるフエノール類の酸化カップリング重合
分子量 度 重合時間 収率
ポリマー 触媒 モノマー 重合温
Mw/Mn
(。c) (h r) (%)
(X 104)
2,5-ジメチル
実施例 1 1 3 40 12 90 12X1.1 フエノーノレ
2,5-ジメチル
実施例 12 3 40 24 78 43/1.2 フエノー/レ
2,6-ジフエ二ノレ
実施例 13 3 60 3 93 3.1/1.9 フエノール
2,6-ジフエ二ノレ
比較例 8 塩化銅 60 3 95 9.0/3.0
フエノ一ノレ
新規に合成したメ ソポーラスシリ カ担持型触媒 3 が 2 , 6 ' ジ メ チルフエノール以外にも 2, 5 ' ジメチルフエノール、 2, 6 ' ジフエ二ルフヱノールの酸化重合に有効であることが分かる。 特 に、 2, 5 ' ジメチルフエノールの重合では従来型触媒では架橋 ポリマー (ゲル) しか与えない (比較例 4 ) のに対して、 溶媒に 可溶な数平均分子量 1万を超えるポリマーを与えることができる, 実施例 1 1 の結果は触媒 2を用いた結果 (実施例 5 ) よ り も優れ ている。 この理由は、 実施例 4 と実施例 6のと ころで説明した、 触媒 3が触媒 2 よ り高活性である理由と同様である と考えられる, 今回ポリマー合成に用いた触媒は固相担持型であるため、 得ら れるポリマーとの分離が従来型に比べてよ り容易である と期待さ れる。 そこで銅イオンの付着の有無を確認するため単離したポリ マーの色を比較した。
「比較例 9」
得られるポリマーの色を比較するために、 比較例 8 における重 合後の処理を実施例 8 と同様に行った。 その結果、 本比較例で得 られたポリマーは黄色であり、 実施例 8で得られるほぼ白色のポ リ マーと明らかに異なることが分かった。 ポリ マーに色が付く と 言う こ とは、 不純物が混じっていることを意味している。 不純物 と してはジフエノ キノン、 ァミ ン、 銅イオンが考えられる。 これ ら、不純物はポリマーから完全に取り除く必要がある。すなわち、 これらはポリ マーの分解剤となり、 製品の性能を著しく低下させ る と考えられる。
これによ り、 本発明で合成した固体担持型触媒は従来の均一系 触媒と異なり、 非常に簡便に触媒残さをポリマーから除けるこ と が分かった。
次に、 新規に合成した触媒 3 を用いた 2, 6 —ジメチルフヱノ ールの重合で触媒のリサイクルを行った。
「実施例 1 4」
酸素雰囲気下、フラスコに触媒 3 を 0 . 0 5 g ( 0 . 0 2 5 mmol) ピリ ジンを 1 mL、ついで トルエンを 5 m L加え 4 0 °Cで 5分間攪 拌した。 ここに 2, 6 —ジメチルフエノール 0 . 3 6 6 g ( 3 mmol) を加え、 重合を開始した。 3時間後、 得られた溶液をメ タノール に再沈澱させた。 フラスコに残った固体触媒を トルエン、 ついで クロ口ホルムで十分洗浄し、 これを乾燥させ再ぴ重合に用いた。 この操作を 5回繰り返した。 5度目の重合の結果、 収率 9 3 %で 高分子量 (M w Z M n - S S S 0 0 0 / 5 6 , 0 0 0 ) ポリ マ 一を得た。 従って、 従来の銅ァミ ン触媒と異なり、 本発明で開発 した新規触媒は重合後に非常に簡便に回収可能で、 2, 6 —ジメ チルフエノールの重合に再利用可能であるこ とがわかる。 またそ の活性は 5回の再利用でまったく落ちないこ とから、 銅イオンが しっかり と固定化されており、 重合中に溶け出ていないこ とが分 かった。
以上のこ とから、 本実施例によれば、 新規な固相担持型触媒に よ り フヱノール類の酸化カツプリ ング重合を進行させるこ とがで きる。 触媒活性は 1、 2、 3 の順に向上し、 新規な触媒 3は、 2, 6 —ジメチルフヱノールの重合では、 従来型触媒よ り高い重合活 性を示し、 2, 5 —ジメチルフヱノールの重合では従来型が溶媒 不溶の架橋ポリマーを与えるのに対して溶媒可溶な数平均分子量 1 万を超えるポリマーを与えるこ とができる。 さ らに、 2, 6 — ジフエユルフェノールの重合に対しても従来系の触媒能に匹敵し ている。 これらの触媒による重合では、 得られたポリマーからの 触媒残差の除去が極めて容易にできる。 また、 回収した触媒の再 利用が可能であり、 2, 6 —ジメチルフエノールの重合で 5回再 利用を行ってもまったく触媒活性が落ちずに高分子量ポリマーを 与えるこ とが分かった。 このことからも、 銅イオンが固体中にし
つかり と担持されており、 溶け出てきていないこ とが分かる。
「実施例 1 5」
M C M - 4 1以外のメ ソポーラス材料と して S B A— 1 5に着 目 した。 P 1 2 3 と して知られるポリ (エチレンォキシ ド) 一 b 一ポ リ (プロ ピレンォキシ ド) 一 b —ポリ (エチレンォキシ ド) ト リ プロ ック コポリ マー (数平均分子量 5 8 0 0 ) 2g を水 4 5 g、 4規定塩酸 3 0 gに分散させ、 テ トラメチルオルソシリ ケー ト 2 gをシリ カ源と して加え 4 0 °Cで 2 0時間攪拌した。 ついで 8 0 °Cで 2 4時攪拌せずに加温した。 析出した固体を回収し、 5 5 0 °Cで 6時間焼成することで铸型と して用いた P 1 2 3 を除き 目的とするメ ソポーラスシリ カ ( S B A— 1 5 ) を得た。 これを トルエン 4 O mL に分散させ、 N, N, N, 一 ト リ メチルー N, 一 [ 3— ( ト リ メ トキシシリ ル) プロ ピル] エチレンジァミ ン 2 g を加え、 窒素雰囲気下 1 2時間、 加熱還流を行った。 固体をろ 別、 乾燥し、 ジァミ ンで修飾された S B A— 1 5 を得た。 このジ ァミ ン固定化 S B A— 1 5を、 2—メ トキシエタノールの飽和塩 化銅 ( I ) 溶液 1 O mL に投入し暫く攪拌した。 その後、 粉末を ろ別し、 同様の操作を 2度繰り返した。 得られた水色の粉末を減 圧乾燥し、 目的とする触媒 4 を合成した。
窒素の吸着実験、 X線回折実験よ り 、 銅イオンを固定化した S B A - 1 5 の細孔径は 6 0オングス トロームであり、 孔径の分布 は非常に狭いこ とを確認した。 図 1 に、 S B A— 1 5 と S B A— 1 5 をジァミ ンで修飾したものの窒素の吸脱着曲線 (図の中ほど 右肩) と、 これよ り得られる細孔径分布を示す。 合成した S B A - 1 5 は、 表面積 8 1 3 m2/gで 8. 2 n mの細孔系を有する穴の サイズの揃ったシリカであるこ とが分かる (( a ) の曲線)。 これ をジァミ ンで修飾する と表面積が 3 4 4 m2/g で穴の平均孔径が 6 . 0 n mに縮まる (( b ) の曲線)。 ここで、 細孔径の分布は修
飾以前と比較できるほど十分に狭く 、 このこ とは、 S B A— 1 5 のすベての内壁に均一にジアミ ンが修飾されており、 完全に明確 で均一な構造を有するシリ カゲル材料の構築が可能であるこ とを 示している。
元素分析、 及び ICP発光分析から、 銅イオン : ジァミ ン : シリ 力のモル比は 1 : 1 : 1 3であるこ とが分かった。 窒素の吸脱着 曲線の結果と考え合わせれば、 銅イオンがジアミ ンに当量配位し ているという ことは、 銅イオンがメ ソポーラスシリ カの内部まで 均等に配置されているこ とを意味しており、 均一な触媒の構築に 成功したこ とが示唆される。
次に、 新規に合成した触媒 4 を用いて 2, 6 —ジメチルフヱノ ールの酸化カツプリ ング重合を行った。
「実施例 1 6」
酸素雰囲気下、フラスコに触媒 4 を 0 . 0 5 g ( 0 . 0 2 5 mmol) . ピリ ジン 1 mL、 ついで トルエン 5 m Lを加え 4 0。Cで 5分間、 攪 拌した。 こ こに 2, 6 —ジメ チルフエノール 0 . 3 6 6 g ( 3 mmol) を加え、 重合を開始した。 3時間後、 得られた溶液を トルエンで 希釈し濾過後、メ タノールに再沈澱、減圧乾燥するこ とでポリ( 2, 6 —ジメチルフエノール) を得た。
「実施例 1 7 j
添加剤と してさ らに硫酸マグネシウム 0 . 0 5 g 加えたこと、 および重合時間を 3 0分にしたこ と以外は実施例 1 6 と同様であ る。
「実施例 1 8」
添加剤と してさ らに硫酸マグネシウム 0 . 0 5 g 加えたこと以 外は実施例 1 6 と同様である。
「実施例 1 9」
添加剤と してさ らに、 孔径の揃つていない巿販されているポー
ラスシリ カ (シリ カゲル、 平均孔径 6 0オングス ト ローム、 アル ドリ ツチ社製) 0. 0 5 g 加えたこ と以外は実施例 1 6 と同様で ある。
「比較例 1 0」
触媒に塩化銅 (I) 0 . 0 2 5 mmolを用いたこ と、 重合時間を 3 0分と したこ と以外は実施例 1 6 と同様である。
「比較例 1 1」
触媒に塩化銅 (I) 0. 0 2 5 mmolを用いたこ と以外は実施例 1 6 と同様である.。
実施例 1 6〜 1 9、 および比較例 1 0 , 1 1 をま とめたものが 表 5である。
表 5
新規銅ァミン触媒 4による 2, 6—ジメチルフエノール類の酸化力ップリング重合
従来の塩化銅 (I) 一ピリ ジン触媒系では高分子量のポリマーが 得られるものの分子量分布は 8前後と大き く なる (比較例 1 0 )。 重合時間を 3時間まで延ばすと、 この傾向は顕著になり 、 分子量 分布は 10まで広がる (比較例 1 1 )。
一方、 触媒 4を用いて重合を行う と、 分子量分布の比較的狭い (およそ 2 ) ポリマーが得られる (実施例 1 6 )。 同様の実験をポ 一ラスシリ カ触媒を用いて行う と生成するポリ マーの狭い分子量
分布は実現できないため、 メ ソ孔の中に銅イオンが規則正しく存 在する触媒が重合の規制に効果的であるこ とが伺える。 硫酸マグ ネシゥム ( M g S O 4 ) やシリカゲル ( Si 6 0 ) の添加は 3 0分 の重合では分子量分布の値を抑える という意味で効果的である。 しかし、 重合時間を 3時間に延ばすと、 この効果はなく なる (実 施例 1 7〜 1 9 )。
逐次重合ではポリ マーの分子量分布は理論的に 2に近づく こと が知られている。 一般に、 分子量分布の増大は直線状ポリマーに 分岐構造が生じていることを示しており、 例えば、 高分岐型のハ ィパーブランチポリ マーでは分子量分布は無限大になる。従って、 従来系で分子量分布が異常に增大する理由と して、 重合中に生成 する水が触媒構造を変え、 一部に活性な種ができるためである。 あるいは、 酸化重合がラジカルを経由するために生じる連鎖移動 反応のためである と考えられる。 メ ソポーラス中で重合を行う こ とで、 重合方向以外の空間が制限され、 そのよ うな副反応が抑制 できたのではないかと説明するこ とができる。
次に、 新規に合成した触媒 4を用いて 2, 5 —ジメチルフエノ ールの酸化カツプリ ング重合を行った。
「実施例 2 0」
酸素雰囲気下、フラスコに触媒 4 を 0 . 0 5 g ( 0 . 0 2 5 mmol) 、 ピリ ジン l mL、 ついで 1, 2—ジクロ口ベンゼン 5 m Lを加え 4 0 °Cで 5分間、攪拌した。 ここに 2, 5 —ジメチルフエノール 0 . 3 6 6 g ( 3 mmol) を加え、 7 0 °Cにて重合を開始した。 1 2時 間後、 得られた溶液を トルエンで希釈し濾過後、 メ タノールに再 沈澱、 減圧乾燥するこ とでポリ ( 2, 5 —ジメチルフエノール) を得た。
「実施例 2 1」
ピリ ジンの代わり に 2—プロ ピルピリ ジン 1 m L を用いたこと
以外は実施例 2 0 と同様である。
「実施例 2 2」
重合温度を 9 0 °Cにしたこと以外は実施例 2 1 と同様である。 「実施例 2 3」
重合温度を 1 1 0 °Cにしたこ と以外は実施例 2 1 と同様である 「実施例 2 4」
比較のために、 メ ソポーラス触媒 3 を用いて 2, 5 -ジメチルで フヱノールの重合を行った。 触媒に 3 を、 重合温度を 9 0 °Cにし たこ と以外は、 実施例 2 0 と同様である。
「比較例 1 2」
触媒に塩化銅 (I) ( 0 . 0 9 mmol) を用いたこ と以外は実施例 2 1 と同様である。
「比較例 1 3」
触媒にポーラスシリ カ触媒を、 重合温度を 1 1 0 °Cと したこ と 以外は実施例 2 1 と同様である。
なお、 ポーラスシリカ触媒は、 次のよ う に作製した。
メ ソポーラスシリ カとの比較と して、 孔径の揃っていない巿販 されているポーラスシリ カ (シリ カゲル、 平均孔径 6 0オングス トローム、 アル ドリ ッチ社製) を用いて触媒を合成した。 すなわ ち、 このポーラスシリ カ 2 gに N, N, N ' — ト リ メチル一 N, - [ 3 — ( ト リ メ ト キシシ リ ル) プロ ピル] エチレンジァ ミ ン 2 g を加え、 窒素雰囲気下 1 2時間、 加熱還流を行った。 固体をろ 別、 乾燥し、 2—メ トキシエタノールの飽和塩化銅 ( I ) 溶液 1 0 m L に投入し暫く攪拌した。 その後、 粉末をろ別し、 同様の操 作を 2度繰り返した。 得られた水色の粉末を減圧乾燥し、 ポーラ スシ リ 力触媒を合成した。
実施例 2 0〜 2 3、 および比較例 1 2, 1 3 をまとめたのが表 6である。 実施例 2 2〜 2 4、 および比較例 1 2, 1 3の結果得
られたポ リ マーの水素核の核磁気共鳴結果が図 2 のそれぞれ (c)(d)(e)(a)(b)である。
表 6 新規銅ァミン触媒 4による 2 , 5 —ジメチルフエノール類の酸化力ップリング重合
S B A— 1 5触媒 4を用いて 7 0 °Cにて重合したところ収率 5 4 %で溶媒可溶なポリマーを得た (実施例 2 0 )。 ピリ ジンの代わ り に 2 _プロ ピルピリ ジンを用いたと ころ、 白色に近いポリマー を得るこ とができた (実施例 2 1 )。 これを水素核の核磁気共鳴装 置によ り分析したところ、 カ ップリ ング位置が高度に規制された ポリ フエ二レンエーテルであるこ とが分かった。
重合温度を 9 0 °C (実施例 2 2, 図 2の 。、 1 1 0 °C (実施例 2 3 , 図 2の d) と上昇させたと ころ、 いずれの場合にも白色に 近いポリマーを得ることができた。 同様の水素核の核磁気共鳴装 置 H NMR) によ り分析したと ころ、 これらポリマーは選択的 に 1 , 4一位でのみカ ツプリ ングして得られたポリ マーであるこ
とが分かった。すなわち、触媒 4から得られるポリマーの 1 H NMR スぺク トノレは図 2 の c と dであり、 2 ppm と 6 . 5 ppm付近のシ グナルが非常に鋭く なつている。 以上のことから、 触媒 4 を用い る と、 2 , 5 —ジメチルフエノールの重合では位置選択的なカツ プリ ングが可能であるこ とがわかる。
従来の触媒にて 2 , 5 ージメチルフエノールの重合を室温にて 行う と、 高度に分岐したポリ マーが生成し、 比較例 1 2で示した よ うに、 7 0 °Cにて重合を行う とゲル化する。 また、 比較例 1 3 で示したよ う にポーラスシリ カ触媒を用いる とゲル化をある程度 抑制することができるものの、 1 1 0 °cという高温ではやはり ゲ ル化する。 一方、 触媒 4 を用いる と高温でのゲル化を避けられる ばかり ではなく 、 実施例 2 2 , 2 3 で示したよ う に完全に 1 , 4 位でのみカツプリ ングしている。 このオリ ゴマーが合成されてお り 、 高結晶性であるために 1 , 2—ジクロ口ベンゼンにのみ 1 0 0 °Cで溶解する と報告されている。 従って、 分岐のない位置選択 性の完全なポリマーを得るには、 1 0 0 °c以上の高温が必要であ り 、 触媒 4はこの要求に合致している。
7 0 °Cで従来の均一系触媒を用いて重合を行ったと ころ、 溶媒 不溶なゲルが生成した (比較例 1 2 )。 クロ口ホルム可溶部の 1 H NMRを図 2の aに示すが、 2 ppm と 6 . 5 ppm付近のシグナル が非常に幅広く なつている。 ポリマーの構造を考えると、 も し規 則正しく 1 , 4位でのみカップリ ングしていればその構造は線対 称なのでシグナルがシャープになるはずである。 実際のシグナル がこれほど幅広いという ことは、 似た環境にある水素核が複数存 在する という こ とを意味しており、 すなわち、 重合時にカツプリ ングが選択的に起こっていないこ とを示唆している。 また、 孔の 大きさの揃っていないポーラスシリ カを用いて 1 1 o °cにて重合 を検討したところ、ゲルが得られることが分かった(比較例 1 3 ,
図 2の b )。
また、 メ ソポーラス触媒 3を用いて 9 0 °Cにて重合を行ったと ころ、 明確な位置選択性を得るこ とができず、 従来の均一系触媒 と比べてなんら規則性の向上は見られなかった (実施例 2 4 )。 す なわち、 図 2 の eに示すよ う に、 1 H NMR スペク トルにおいて、 孔径の揃っていないポーラスシ リ 力触媒を用いて重合を行う と、 得られるポリマーの各プロ トンに由来するシグナルは幅広である, 以上の結果よ り、 メ ソポーラス材料を構築した後に銅イオンを 担持した触媒 4はフエノール類の重合で、 よ り高度な規制が可能 であり、 特に 2, 5 —ジメチルフエノールの重合では、 触媒 3 を含 むこれまでの触媒がせいぜい溶媒可溶なポリ マーしか与えなかつ たのに対して、 1, 4一位で選択的にカ ツプリ ングしたポリ マーを 与える非常に有用な触媒であることが分かった。 これは、 触媒 3 では銅イオンをメ ソポーラス構造の構築時に同時に加えていたこ とによる構造欠陥が大きかったこ と、 銅イオンがジァミ ンに対し て過剰に吸着していたこ となどが原因と して考えられる。 一方、 触媒 4では構造の明確なメ ソポーラスシリカを合成した後にジァ ミ ンを固定、 銅イオンを担持しており、 余分な銅イ オンの吸着は ない。 ジァミ ンと銅イオンはメ ソポーラスシリ カ内に均一に分布 しており (窒素の吸脱着実験結果と X 線回折)、 重合が細孔の中 でのみ起きている と予測される。 この完全に規則正しい構造を有 する触媒によ り、 2, 5 —ジメチルフ ヱ ノ ールの位置選択的な酸 化カ ップリ ング重合が進行している図を説明したのが図 3である c 細孔径はモノ マーの大きさに比べる と断然大きいも のの、 重縮合 ではポリマー間の反応が必要であり、 その意味で、 今回使用した メ ソポーラス シ リ 力程度の細孔径は必要である。 重合は細孔の内 部でのみ起きており、 錮イオン周 り の立体障害によ り、 高度な位 置選択性が実現されている。 -