JPH1087749A - 水性樹脂分散液 - Google Patents

水性樹脂分散液

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JPH1087749A
JPH1087749A JP27084896A JP27084896A JPH1087749A JP H1087749 A JPH1087749 A JP H1087749A JP 27084896 A JP27084896 A JP 27084896A JP 27084896 A JP27084896 A JP 27084896A JP H1087749 A JPH1087749 A JP H1087749A
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resin dispersion
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存安定性、耐汚染性、耐水性、耐溶剤性な
らびに強度などの皮膜性能が優れた有用性の高い水性樹
脂分散液を提供する。 【解決手段】 【化9】 の構造式を有する重合化合物と、α、βエチレン性不飽
和結合を含む一種以上のモノマーを、ポリウレタン水性
樹脂分散体の存在下で共重合反応して水性樹脂分散液を
得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性樹脂分散液、
特に、無機質基材、金属、プラスチック用の塗料、紙加
工剤、繊維処理剤あるいはセメント改質剤などの用途に
おいて、優れた安定性と耐久性を備えた皮膜を形成する
水性樹脂分散液に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】水性
樹脂分散型の水性乳化液は、これまで各種乳化剤を用い
た乳化重合法により製造されており、その無公害性、作
業性の良さなどの理由で、塗料、接着剤、紙加工剤、繊
維加工剤、モルタル改質剤等の用途に利用されている。
【0003】しかしながら、水分を除去して皮膜を形成
しても、これら乳化剤は皮膜中に残存するため、耐水性
を初めとする皮膜の諸性能を低下させる原因になってい
る。このような欠点を解消するために、架橋反応を利用
して皮膜の耐水性、耐溶剤性および強度を向上する方法
が考案されており、その中でも、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミドやN−ブトキシメチル(メタ)アク
リルアミドなどの反応性極性基を有するモノマーを共重
合成分として用いる方法、あるいは、水溶性トリメチロ
ールメラシト樹脂などの所謂、多官能性熱硬化性樹脂
を、加工時に併用する方法がよく利用されている。 し
かし、これら方法は、何れも水性樹脂分散液の化学的安
定性を低下する架橋成分が用いられているため、架橋成
分の使用量は自ずと制限されることになる。
【0004】一方、アクリルモノマー成分中に、グリシ
ジルメタクリレートのようなエポキシ基を導入すること
で、上述した問題を解決する試みもされているが、この
方法によれば、エポキシ基の高い化学反応性が故に、化
学的安定性に欠けるという問題が残される。
【0005】このように、従来の方法によれば、皮膜樹
脂の調製に際して乳化剤や架橋成分の使用量に制約が課
され、所望の性能を十分に皮膜生成物に反映できなかっ
たのが実情である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した従
来技術の問題点に鑑みて鋭意検討を重ねた結果、従来技
術における単一ポリマーの改良とは異なり、複数のポリ
マーを併用して、各ポリマーが有する長所を引出し、こ
れら長所を有機的に組み合わせることで問題の解決を図
るものである。
【0007】すなわち、本発明の要旨とするところは、
【0008】
【化2】
【0009】の構造式を有する化合物(以下、「重合用
化合物」と称する)と、α、βエチレン性不飽和結合を
含む一種以上のモノマー(以下、「不飽和モノマー」と
称する)を、ポリウレタン水性樹脂分散体の存在下で共
重合反応させて得られた水性樹脂分散液にある。
【0010】本発明のこの水性樹脂分散液の構成によ
り、強伸度が高く、しかも耐久性に優れた、極めて安定
で有用性の高い水性樹脂分散液が得られるのである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のポリウレタン水性樹脂分
散液は、強制乳化法、自己乳化法で製造されたポリウレ
タン水性樹脂分散液であるが、本発明に従って、ポリウ
レタン水性樹脂分散体の存在下で、不飽和モノマーを共
重合する場合、自己乳化法で製造することがエマルジョ
ンの安定化の観点からして好ましい。
【0012】本明細書における「ウレタン」とは、水酸
基、アミノ基またはカルボキシル基のような極性または
イオン性官能基を分子中に有するポリウレタン樹脂を指
し、これらポリウレタンは親水性基を有するため、自己
乳化および自己分散する。
【0013】これらポリウレタンを合成する方法として
は、例えば常法に従って、公知のポリオールとポリイソ
シアネート成分を反応させて得たウレタンプレポリマー
を、2個以上の活性水素原子を有する低分子量化合物に
より鎖伸長化する。 また、このようにして得られる官
能基含有ポリウレタンを、水中で安定裏に溶解し、分散
せしめて水性ポリウレタンを調製するには、この官能基
含有ポリウレタンの側鎖ないし末端に、上述した各種極
性またはイオン性官能基を導入する。 こうすること
で、ポリウレタンそれ自体に親水性が付与され、これに
より、ポリウレタンの水に対する溶解性が増し、あるい
は自己乳化により容易に水中に分散する。ところで、こ
れらポリウレタンのイオン性官能基としてカルボキシル
基を選択した場合、ポリウレタンの酸価、つまりカルボ
キシル基が導入された官能基含有ポリウレタンの酸価
は、ポリウレタンの固形分当たり10〜 200、好ましく
は、15〜 100とするのが適切である。 すなわち、酸価
が10未満の場合は、重合時の安定性の確保が難しく、し
かも最終的に得られる水性樹脂分散液の貯蔵安定性も悪
くなり、一方、酸価が 200を越えれば、強度、耐水性お
よび/または耐溶剤性などの諸物性の低下をきたすこと
になる。
【0014】本発明に適用可能なポリオール成分として
は、例えば、ポリエステルポリオールまたはポリエーテ
ルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどが、一
方、ポリイソシアネート成分としては、例えば、脂肪族
ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートまたは芳香
族ジイソシアネートから得られるウレタンプレポリマー
などがある。
【0015】また、鎖伸長剤として用いられる活性水素
原子を含む低分子量化合物としては、ジオール類または
ジアミン類などが適用可能である。 そして、強化乳化
分散体としては、公知のポリウレタン有機溶剤溶液を乳
化剤の存在下で強制的に乳化したもの、あるいは、疎水
性イソシアネート基を有するプレポリマーの有機溶剤溶
液を乳化した後に、鎖伸長したものなどが使用できる。
【0016】本願発明におけるポリウレタン構成成分の
ポリオールとしては、前述したポリエステルポリオール
等、そして、ポリイソシアネートとしては前述した脂肪
族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートまたは芳
香族ジイソシアネートから得られるウレタンプレポリマ
ーが使用できる。
【0017】そして、ポリウレタン水性樹脂分散体の存
在下での共重合反応に供する、下記構造式、すなわち、
【0018】
【化3】
【0019】を有する本願発明に適用可能な重合用化合
物の具体例としては、例えば;下記構造式、すなわち、
【0020】
【化4】
【0021】を有する、メチルグリシジルメタクリレー
ト、下記構造式、すなわち、
【0022】
【化5】
【0023】を有するメチルグリシジルアクリレート、
下記構造式、すなわち、
【0024】
【化6】
【0025】を有する、 (3,4-エポキシシクロヘキシ
ル)-メチルメタクリレート、あるいは下記構造式、すな
わち、
【0026】
【化7】
【0027】を有する (3,4-エポキシシクロヘキシル)-
メチルアクリレートがある。
【0028】また、これら重合用化合物との共重合反応
に供する不飽和モノマーとしては;N−メチロールアク
リルアミドもしくはN−メチロールメタクリルアミド、
またはN−メトキシメチルアクリルアミドもしくはN−
ブトキシメチルメタクリルアミドなどのN−メチロール
化合物またはN−メチロールエーテル化合物;アクリル
酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロ
キシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピルもし
くはメタクリル酸−2−ヒドロキシプロピルなどの不飽
和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類;アリル
アルコール、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、も
しくはアクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル酸
エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、もしくはメタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸エ
ステル類;酢酸ビニル、もしくはプロピオン酸ビニルな
どのビニルエステル類;スチレン、α−メチルスチレ
ン、クロルスチレン、p−ter−ブチルスチレン、も
しくはビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;ビニ
ルピロリドンなどの複素環式ビニル化合物;塩化ビニ
ル、アクリロニトリル、ビニルエーテル、ビニルケト
ン、またはビニルアミドなどの各種ビニルモノマー;塩
化ビニリデン、臭化ビニリデン、もしくはフッ化ビニリ
デンなどのハロゲン化ビニリデン化合物;エチレンもし
くはプロピレンなどのα−オレフィン類;ブタジエンな
どのジエン類;ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)
シラン、もしくはγ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシランなどのシラン系化合物;アクロレイン、ジア
セトンアクリルアミド、ビニルメチルケトン、ビニルエ
チルケトン、ビニルブチルケトン、ジアセトンアクリレ
ートまたはアセトニトリルアクリレートなどのα、β−
エチレン性不飽和モノマー;N−メチルアクリルアミ
ド、N−イソブチルアクリルアミド、N−メチルメタク
リルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−
n−ブトキシメチルアクリルアミド、もしくはN−イソ
プロポキシメタクリルアミドなどのアクリルアミド、メ
タクリルアミドもしくはジアセトンアミドなどの各種ア
ミド類;およびこれら化合物の1種以上を含む化合物
が、本発明において適用可能である。
【0029】不飽和モノマー中の重合用化合物の比率と
しては、 0.1〜20重量%の範囲が望ましい。 これはす
なわち、 0.1重量%以下であると、エポキシ基と他の官
能基との架橋が不充分になって、所定の塗膜性能が望め
ず、一方で、20重量%以上の場合、生成物の安定性に好
ましくない影響を与えることによる。
【0030】上掲した不飽和モノマーを用いる場合、自
己乳化型水性ポリウレタンと不飽和モノマーとの比率
は、固形分換算比で、不飽和モノマー類の 100重量部に
対して、水性ポリウレタンの5〜400 重量部、好ましく
は、10〜100 重量部の範囲が適切である。 これはすな
わち、この範囲を逸脱すると、重合安定性が悪くなった
り、強度および耐久性などが低下することによる。
【0031】本発明の場合、水性ポリウレタンの存在下
で不飽和モノマーの反応が進行するので、乳化剤などの
界面活性剤は、必ずしも必要ではない。 しかしなが
ら、不飽和モノマーの 100重量部に対して0〜20重量部
の範囲内での界面活性剤の使用は、反応の進行に関して
一向に支障は無い。
【0032】また、本発明に適用可能な界面活性剤(乳
化剤)としては、例えば、ドデシルベンゼン硫酸ナトリ
ウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、もしく
はアルキルアリールポリエーテル硫酸塩のようなアニオ
ン性乳化剤、またはポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル、もしくは、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピ
レン−ブロック共重合体のようなノニオン性乳化剤など
がある。 これら乳化剤は、使用者の裁量で適量を選択
して用いる。 また、このような乳化剤の代わりに、あ
るいは乳化剤との併用の形で、分散剤として水溶性オリ
ゴマーを用いることもできる。 さらに、ポリビニルア
ルコールもしくはヒドロキシエチルセルロースのような
水溶性高分子物質を、上述した乳化剤と併用して共重合
したり、あるいは、共重合反応後に水性樹脂分散体に添
加することもできる。
【0033】これら乳化剤、水溶性オリゴマーおよび/
または水溶性高分子物質の総使用量としては、不飽和モ
ノマー 100重量部に対して、0〜20重量部が適切であ
る。
【0034】これは、20重量部を超えると、水を飛散さ
せて皮膜を形成した際の耐水性の低減が著しくなること
による。
【0035】また、共重合反応に際して用いられるラジ
カル重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過
硫酸アンモニウム、またはアゾビスイソブチロヌトリル
もしくはその塩酸塩があり、さらにはクメンハイドロパ
ーオキサイドまたはter-1−ブチルハイドロパーオキサ
イドなどの有機過酸化物も、必要に応じて使用できる。
【0036】さらに、これら過硫酸塩や過酸化物など
と、鉄イオンのような金属イオン、あるいはナトリウム
スルホキシレートホルムアルデヒド、ピロ亜硫酸ナトリ
ウムまたはL−アスコルビン酸などの還元剤も使用でき
る。 また、いわゆるレドックス系開始剤も用いること
ができる。
【0037】共重合反応時における水性樹脂分散液の濃
度は、実用性・取扱い易さからして、25〜65重量%の最
終固形分含有率とするのがよく、また、反応系への不飽
和モノマーおよびラジカル重合開始剤の導入は、一括仕
込み方式、連続滴下方式または分割添加方式などの公知
のいずれの方法によってもよい。
【0038】共重合反応時の反応温度も、公知の乳化重
合反応で行われているような条件、例えば、50〜90℃の
範囲とする。 また、この共重合反応は常圧下で、ある
いはガス状の不飽和モノマー類を使用する時は加圧下で
行われる。
【0039】
【化8】
【0040】の構造式を有する重合用化合物と、不飽和
モノマーを共重合させて得られる本発明の水性樹脂分散
体と、ポリウレタン水性樹脂分散体を混合する場合、不
飽和モノマーの重合方法は、ポリウレタン水性樹脂分散
体を欠き、乳化剤が存在している条件下で重合を行わな
い限り、前述した重合方法に従う。 また、不飽和モノ
マーとポリウレタンとの混合比率は、生成する皮膜の強
度、耐久性などを考慮すれば、固形分換算比で、不飽和
モノマー共重合物の 100重量部に対して、水性ポリウレ
タンの5〜 400重量部、好ましくは10〜 100重量部が適
切である。
【0041】本発明における重合用化合物と不飽和モノ
マーの組み合わせにより、グリシジルメタクリレートで
のグリシジル基に加えて、メチル基も導入されるため、
立体構造的に極性を有する官能基、例えば、カルボキシ
ル基等と重合用化合物との反応が阻害されて、反応の進
行が緩慢になり、結果として化学的安定性が増大するも
のと推定される。 一方で、脂環エポキシ基を有する重
合用化合物は疎水性が大きく、グリシジル基の場合と異
なり、水性樹脂分散体の粒子内でのカルボン酸などの反
応性基との接触が阻害されるため、本発明における脂環
エポキシ基を有する重合用化合物と不飽和モノマーの組
み合わせによっても、本発明の水性樹脂分散体の化学的
安定性が増大するものと推定される。
【0042】かくして得られる本発明の水性樹脂分散体
は、安定性、耐候性、耐水性、耐溶剤性などの諸特性に
優れ、建築用塗料、セメント基材用のシーリング剤、紙
加工用処理剤、衣料用の繊維処理剤、接着剤などの用途
に適用できる。
【0043】
【実施例】以下に本発明を実施例に沿って具体的に説明
するが、これら実施例の開示に基づいて本願発明が限定
的に解釈されるべきでないことは勿論である。
【0044】実施例1 〔水性ポリウレタンの製造〕ポリカプロラクトンジオー
ル(PCL 210(ダイセル化学工業):分子量1000)49g、ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネート 176g、ジメチ
ロールプロピオン酸70g、およびN−メチルピロリドン
196gを、還流冷却器、温度計および撹拌装置を備えた
反応器に取り、反応環境を80〜 100℃に保ちながらウレ
タン化反応を進行せしめてプレポリマーを調製した。
【0045】次いで、このプレポリマーにトリエチルア
ミン48gを加えて中和した後、ヘキサメチレンジアミン
5.0gを加え、蒸留水を添加しながら反応器内の温度を
35℃以下に保って高分子化反応を行い、反応終了までに
1002.6gの蒸留水を加えて水性ポリウレタンを得た。
このポリウレタンの樹脂固型分当たりの酸価は、98であ
った。
【0046】〔水性樹脂分散液の調製〕撹拌機、温度
計、滴下漏斗および窒素ガス導入口を備えた四つ口フラ
スコに、「レベノールWZ」(アニオン性乳化剤、花王
製:固形分=25%)8部、イオン交換水15.7部、および
前記水性ポリウレタン 111部を仕込んで、撹拌を開始し
窒素気流中で70℃に昇温した。
【0047】次いで、過硫酸アンモニウムの 0.6部を加
えてから、予めアクリル酸エチル75部、アクリル酸−n
−ブチル10部、アクリロニトリル5部、およびメチルグ
リシジルメタクリレート10部から調製した不飽和モノマ
ー 100部と、「レベノールWZ」の8部、およびイオン
交換水30部、を用いて調製した混合乳化液を3時間に亘
って滴下した。 この際の反応温度は、70±3℃に保持
した。
【0048】滴下終了後も反応環境を同温度範囲に1時
間保持しつつ、撹拌を継続して、反応を進行せしめた。
そして、冷却して25%アンモニア水にてpHを8〜9に
調整し、不揮発分が44.5%で、25℃における粘度が50cp
s で、かつpHが 8.0なる水溶液を得た。
【0049】得られた水性樹脂分散液を 200メッシュの
濾布で濾過したところ、0.001g/lの凝集物が得られた。
【0050】実施例2〜7/比較例1〜2 下記表1に示した組成に従って、実施例1と同様の操作
により各水性樹脂分散液を得た。
【0051】
【表1】
【0052】実施例8 実施例1〜7ならびに比較例1〜2で得られた水性樹脂
分散液を、表面処理(アルマイト処理)したアルミ板に
50μm の塗膜が形成されるように塗布し、これを80℃で
180分硬化させて、各皮膜の耐汚染性、密着性、耐水性
について比較した。 なお、耐汚染性、密着性および耐
水性に関する各検定試験は、以下の手順に従って行っ
た。
【0053】耐汚染性:試験皮膜にマジックインキ
(黒)にてインク痕を付け、これを石油ベンジンを浸し
たガーゼで拭き取った。 そして、エタノール、次いで
乾燥したガーゼで、インク痕付着部分を軽く拭き取り、
インク痕の有無について確認した。
【0054】密着性:素地に達する様にカッターナイフ
で皮膜試験片のほぼ中央に直交する縦横11本ずつの平行
線を1mmの間隔で引いて、1cm2 の中に 100個の弁目が
できるように、ゴバン目状に切傷を付けた。 その塗面
に粘着テープを張りつけ、それを、急激に剥がした後、
ゴバン目塗面を目視により評価判定した。
【0055】耐水性:皮膜試験片を、25℃の水に10日間
浸した後に水面から引上げて、皮膜の状況を目視判定し
た。
【0056】各項目に関する試験結果を、以下の表2に
示した。
【0057】
【表2】
【0058】上記した実施例/比較例での結果から、比
較例1〜2でのグリシジルメタクリレートを用いた反応
系では凝集物が多量に発生することが判明した。 これ
は、カルボキシル基等の官能基とグリシジル基との重合
中の反応に起因するものと推定され、塗膜を形成した時
に、この反応系が塗膜の硬化に寄与していないために所
望の皮膜性能が得られなかったものと考えられる。 一
方、実施例1〜5でのメチルグリシジルメタクリレート
を用いた反応系では、その立体構造的な安定性が故に、
重合中でも安定性が維持され、塗膜硬化時には、カルボ
キシル基等の官能基とグリシジル基が相互に作用して、
皮膜の硬化に良好に寄与していることから、良好な塗膜
性能が得られたものと思われる。 同様に、 (3,4-エポ
キシシクロヘキシル)-メチルメタクリレートあるいは
(3,4-エポキシシクロヘキシル)-メチルアクリレートを
用いた実施例6〜7での反応系でも、重合中の安定性が
維持された状態下で皮膜の硬化が進行し、最終生成物で
ある塗膜の良好な性能に反映されていることが認められ
た。
【0059】
【発明の効果】本発明により、皮膜の密着性能を損なわ
ずに、保存安定性、耐汚染性、耐水性、耐溶剤性ならび
に強度などの様々な皮膜性能が改善された、有用性の高
い水性樹脂分散液が得られたのである。
【0060】また、本発明によれば、塗膜硬化の作用機
序が示唆され、脱溶剤に依存しない塗料を開発する上で
の貴重な手掛かりをも提供するなどの効果も奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 218/08 MLH C08F 218/08 MLH 220/10 220/10 220/44 MMY 220/44 MMY 220/54 MNG 220/54 MNG 226/10 MNN 226/10 MNN 230/08 MNU 230/08 MNU 236/02 MNX 236/02 MNX 283/00 MQW 283/00 MQW C08L 33/14 LJE C08L 33/14 LJE // C04B 41/63 C04B 41/63

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造式、すなわち、 【化1】 を有する化合物と、α、βエチレン性不飽和結合を含む
    一種以上のモノマーを、ポリウレタン水性樹脂分散体の
    存在下で共重合反応させて得られる、ことを特徴とする
    水性樹脂分散液。
  2. 【請求項2】 前記化合物が、メチルグリシジルメタク
    リレート、メチルグリシジルアクリレート、 (3,4-エポ
    キシシクロヘキシル)-メチルメタクリレート、 (3,4-エ
    ポキシシクロヘキシル)-メチルアクリレート、および前
    記化合物の組み合わせからなるグループから選択された
    化合物である請求項1に記載の水性樹脂分散液。
  3. 【請求項3】 前記モノマーが、 N−メチロールアクリルアミドもしくはN−メチロール
    メタクリルアミド、またはN−メトキシメチルアクリル
    アミドもしくはN−ブトキシメチルメタクリルアミドな
    どのN−メチロール化合物またはN−メチロールエーテ
    ル化合物;アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタク
    リル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒド
    ロキシプロピルもしくはメタクリル酸−2−ヒドロキシ
    プロピルなどの不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキル
    エステル類;アリルアルコール、アクリル酸メチル、ア
    クリル酸ブチル、もしくはアクリル酸2−エチルヘキシ
    ルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、
    メタクリル酸エチル、もしくはメタクリル酸ブチルなど
    のメタクリル酸エステル類;酢酸ビニル、もしくはプロ
    ピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;スチレン、α
    −メチルスチレン、クロルスチレン、p−ter−ブチ
    ルスチレン、もしくはビニルトルエンなどの芳香族ビニ
    ル化合物;ビニルピロリドンなどの複素環式ビニル化合
    物;塩化ビニル、アクリロニトリル、ビニルエーテル、
    ビニルケトン、またはビニルアミドなどの各種ビニルモ
    ノマー;塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、もしくはフ
    ッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン化合物;エ
    チレンもしくはプロピレンなどのα−オレフィン類;ブ
    タジエンなどのジエン類;ビニルトリクロロシラン、ビ
    ニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ
    エトキシ)シラン、もしくはγ−メタクリロキシプロピ
    ルトリメトキシシランなどのシラン系化合物;アクロレ
    イン、ジアセトンアクリルアミド、ビニルメチルケト
    ン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン、ジアセ
    トンアクリレートまたはアセトニトリルアクリレートな
    どのα、β−エチレン性不飽和モノマー;N−メチルア
    クリルアミド、N−イソブチルアクリルアミド、N−メ
    チルメタクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルア
    ミド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、もしく
    はN−イソプロポキシメタクリルアミドなどのアクリル
    アミド、メタクリルアミドもしくはジアセトンアミドな
    どの各種アミド類;および前記化合物の1種以上の組み
    合わせを含むグループから選択された化合物である請求
    項1もしくは2に記載の水性樹脂分散液。
  4. 【請求項4】 前記ポリウレタンが、カルボキシル基、
    水酸基またはアミノ基、およびこれら官能基の1種以上
    の組み合わせ含むグループから選択された官能基を含む
    請求項1乃至3のいずれかに記載の水性樹脂分散液。
  5. 【請求項5】 前記水性樹脂分散液が、前記化合物に対
    して 0.1〜20重量%の前記不飽和モノマーを含む請求項
    1乃至4のいずれかに記載の水性樹脂分散液。
  6. 【請求項6】 前記水性樹脂分散液が、不飽和モノマー
    100重量部に対して5〜400 重量部のポリウレタンを含
    む請求項1乃至5のいずれかに記載の水性樹脂分散液。
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