JPH1087740A - ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents
ビニル系重合体の製造方法Info
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- JPH1087740A JPH1087740A JP24054396A JP24054396A JPH1087740A JP H1087740 A JPH1087740 A JP H1087740A JP 24054396 A JP24054396 A JP 24054396A JP 24054396 A JP24054396 A JP 24054396A JP H1087740 A JPH1087740 A JP H1087740A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】回収単量体の安定性を高めるため、回収単量体
中の残存ラジカル重合開始剤の捕捉、消滅を図ることが
できるビニル系重合体の製造方法を提供すること、さら
にこの捕捉、消滅により回収単量体再利用時に重合工程
で重合速度低下を起こさないようにすることである。 【解決手段】ビニル系単量体を原料として重合反応させ
た後、実質的に未反応のビニル系単量体を回収し、その
回収ビニル系単量体にラジカル捕捉剤を含有させ、これ
を前記原料の少なくとも一部として再利用することを特
徴とするビニル系重合体の製造方法。
中の残存ラジカル重合開始剤の捕捉、消滅を図ることが
できるビニル系重合体の製造方法を提供すること、さら
にこの捕捉、消滅により回収単量体再利用時に重合工程
で重合速度低下を起こさないようにすることである。 【解決手段】ビニル系単量体を原料として重合反応させ
た後、実質的に未反応のビニル系単量体を回収し、その
回収ビニル系単量体にラジカル捕捉剤を含有させ、これ
を前記原料の少なくとも一部として再利用することを特
徴とするビニル系重合体の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はビニル系単量体を重
合する工程から回収したビニル系単量体を再利用するビ
ニル系重合体の製造方法に関するものである。
合する工程から回収したビニル系単量体を再利用するビ
ニル系重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にアクリロニトリル系単量体を工業
的に重合する工程においては最終重合率を100%まで
達成させることは困難である。そのために従来から、最
終重合率を70〜90%に設定し、未反応単量体を回収
し再利用する。この回収単量体には触媒ラジカルが残存
しているので、回収工程で単量体の重合が進み、配管や
フィルター詰まり等の操業上のトラブルを発生させるこ
とがあった。
的に重合する工程においては最終重合率を100%まで
達成させることは困難である。そのために従来から、最
終重合率を70〜90%に設定し、未反応単量体を回収
し再利用する。この回収単量体には触媒ラジカルが残存
しているので、回収工程で単量体の重合が進み、配管や
フィルター詰まり等の操業上のトラブルを発生させるこ
とがあった。
【0003】従来から、回収単量体にハイドロキノンモ
ノメチルエーテル(以下:MQ)、アンモニア(以下:
NH3)などの安定剤を添加することは知られている
が、これらは単量体の保存安定性を高めることが目的で
あるため、触媒ラジカル残存時には効果が低く、トラブ
ルは依然としてが発生していた。
ノメチルエーテル(以下:MQ)、アンモニア(以下:
NH3)などの安定剤を添加することは知られている
が、これらは単量体の保存安定性を高めることが目的で
あるため、触媒ラジカル残存時には効果が低く、トラブ
ルは依然としてが発生していた。
【0004】一方、ラジカル捕捉剤は従来から知られて
おり、例えば、特開平1−168750号公報には、ア
クリロニトリル系重合体溶液中の微小異物の発生を防止
する目的で、アクリロニトリル系重合体溶液中にラジカ
ル捕捉剤をラジカル重合開始剤の1/2モル以上を添加
することが示されている。
おり、例えば、特開平1−168750号公報には、ア
クリロニトリル系重合体溶液中の微小異物の発生を防止
する目的で、アクリロニトリル系重合体溶液中にラジカ
ル捕捉剤をラジカル重合開始剤の1/2モル以上を添加
することが示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
問題点である回収単量体の安定性を高めるため、回収単
量体中の残存ラジカル重合開始剤の捕捉、消滅を図るこ
とができるビニル系重合体の製造方法を提供することを
目的とする。さらにこの捕捉、消滅により回収単量体再
利用時に重合工程で重合速度低下を起こさないようにす
ること、および貯液時のバルク重合による爆発災害の防
止を他の目的とする。
問題点である回収単量体の安定性を高めるため、回収単
量体中の残存ラジカル重合開始剤の捕捉、消滅を図るこ
とができるビニル系重合体の製造方法を提供することを
目的とする。さらにこの捕捉、消滅により回収単量体再
利用時に重合工程で重合速度低下を起こさないようにす
ること、および貯液時のバルク重合による爆発災害の防
止を他の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために、次の構成を有する。
成するために、次の構成を有する。
【0007】(1)ビニル系単量体を原料として重合反
応させた後、実質的に未反応のビニル系単量体を回収
し、その回収ビニル系単量体にラジカル捕捉剤を含有さ
せ、これを前記原料の少なくとも一部として再利用する
ことを特徴とするビニル系重合体の製造方法。
応させた後、実質的に未反応のビニル系単量体を回収
し、その回収ビニル系単量体にラジカル捕捉剤を含有さ
せ、これを前記原料の少なくとも一部として再利用する
ことを特徴とするビニル系重合体の製造方法。
【0008】(2)ビニル系単量体がアクリロニトリル
を主体とする単量体混合物であることを特徴とする上記
(1)記載のビニル系重合体の製造方法。
を主体とする単量体混合物であることを特徴とする上記
(1)記載のビニル系重合体の製造方法。
【0009】(3)ラジカル捕捉剤がN−ニトロソフェ
ニル化合物であることを特徴とする上記(1)記載のビ
ニル系重合体の製造方法。
ニル化合物であることを特徴とする上記(1)記載のビ
ニル系重合体の製造方法。
【0010】(4)回収したビニル系単量体に含有させ
るラジカル捕捉剤の濃度が0.1〜1000ppmであ
ることを特徴とする請求項1記載のビニル系重合体の製
造方法。
るラジカル捕捉剤の濃度が0.1〜1000ppmであ
ることを特徴とする請求項1記載のビニル系重合体の製
造方法。
【0011】(5)回収したビニル系単量体に含有させ
るラジカル捕捉剤の濃度が1〜100ppmであること
を特徴とする上記(1)記載のビニル系重合体の製造方
法。
るラジカル捕捉剤の濃度が1〜100ppmであること
を特徴とする上記(1)記載のビニル系重合体の製造方
法。
【0012】(6)重合反応させるためのビニル系単量
体中のラジカル捕捉剤濃度が0.025〜2.5ppm
であることを特徴とする上記(1)記載のビニル系重合
体の製造方法。
体中のラジカル捕捉剤濃度が0.025〜2.5ppm
であることを特徴とする上記(1)記載のビニル系重合
体の製造方法。
【0013】(7)重合が溶液重合であることを特徴と
する上記(1)記載のビニル系重合体の製造方法。
する上記(1)記載のビニル系重合体の製造方法。
【0014】(8)重合が連続重合であることを特徴と
する上記(1)記載のビニル系重合体の製造方法。
する上記(1)記載のビニル系重合体の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明におけるビニル系単量体
は、アクリロニトリル単独でもよいが、アクリロニトリ
ルを主体とする単量体混合物が好ましい。
は、アクリロニトリル単独でもよいが、アクリロニトリ
ルを主体とする単量体混合物が好ましい。
【0016】アクリロニトリルと混合できる単量体とし
ては、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル
酸、メタクリル酸エステル、ヒドロキシエチルアクリロ
ニトリル、スチレン、メタクリロニトリルなどがあり、
これらの1種または2種以上の混合物を分離・精製する
ことなく再利用することが好ましい。
ては、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル
酸、メタクリル酸エステル、ヒドロキシエチルアクリロ
ニトリル、スチレン、メタクリロニトリルなどがあり、
これらの1種または2種以上の混合物を分離・精製する
ことなく再利用することが好ましい。
【0017】また、重合は公知の重合法が採用できる
が、溶液重合法が好ましく、特に連続溶液重合法が好適
である。
が、溶液重合法が好ましく、特に連続溶液重合法が好適
である。
【0018】以下、アクリロニトリルと共重合成分を連
続式で溶液重合する場合について説明する。
続式で溶液重合する場合について説明する。
【0019】用いる有機溶媒としては、例えばジメチル
スルホキシド、ジメチルホルムアミド、およびジメチル
アセトアミドなどが挙げられる。これらの溶媒は前記単
量体の1部に対して約3〜5部の割合で用いるのが通例
である。
スルホキシド、ジメチルホルムアミド、およびジメチル
アセトアミドなどが挙げられる。これらの溶媒は前記単
量体の1部に対して約3〜5部の割合で用いるのが通例
である。
【0020】また重合開始剤としては、アゾビスジメチ
ルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルのよう
なアゾ化合物、過酸化水素と鉄イオンのレドックス系、
過酸化ベンゾイルのような過酸化物などが例示でき、そ
の添加量は通常単量体全仕込み量の0.1〜1.0重量
%であることが好ましい。
ルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルのよう
なアゾ化合物、過酸化水素と鉄イオンのレドックス系、
過酸化ベンゾイルのような過酸化物などが例示でき、そ
の添加量は通常単量体全仕込み量の0.1〜1.0重量
%であることが好ましい。
【0021】また連鎖移動剤を用いることができ、ドデ
シルメルカプタン、モノチオグリコールのようなメルカ
プト化合物、メチルベンチルアミン、エチルベンチルア
ミンのような2級アミン、トリエチルアミン、n-トリプ
ロピルアミンのような3級アミン、次亜リン酸、のよう
なリン化合物などが好ましい。
シルメルカプタン、モノチオグリコールのようなメルカ
プト化合物、メチルベンチルアミン、エチルベンチルア
ミンのような2級アミン、トリエチルアミン、n-トリプ
ロピルアミンのような3級アミン、次亜リン酸、のよう
なリン化合物などが好ましい。
【0022】また反応装置は、例えば完全混合型、ピス
トンフロー型のものが使用でき、通常はこれらを組み合
わせて使用する。
トンフロー型のものが使用でき、通常はこれらを組み合
わせて使用する。
【0023】溶液連続重合では、第一反応装置に規定割
合で単量体、重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶剤を供給
し、40〜90℃の温度範囲で個々の反応装置の温度を
設定し、最終反応装置まで連続的に重合させる。一般に
最終重合率は70〜90%である。
合で単量体、重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶剤を供給
し、40〜90℃の温度範囲で個々の反応装置の温度を
設定し、最終反応装置まで連続的に重合させる。一般に
最終重合率は70〜90%である。
【0024】また単量体の回収方法としては、重合体溶
液からの加熱蒸留、真空蒸留、及び加熱真空蒸留により
発生したものを回収する方法、紡糸浴中に脱落したもの
を回収する方法などがある。上記の方法で回収した単量
体は、真空蒸留により精製して回収単量体とすることが
できる。
液からの加熱蒸留、真空蒸留、及び加熱真空蒸留により
発生したものを回収する方法、紡糸浴中に脱落したもの
を回収する方法などがある。上記の方法で回収した単量
体は、真空蒸留により精製して回収単量体とすることが
できる。
【0025】以上のようにして得られた回収単量体に対
して、本発明においては、ラジカル捕捉剤を添加する。
して、本発明においては、ラジカル捕捉剤を添加する。
【0026】ラジカル捕捉剤の添加量は特に限定されな
いが、回収単量体に対して0.1〜1000ppm添加
することが好ましく、さらに好ましくは1〜100pp
mである。ラジカル捕捉剤の添加量が少なすぎると、回
収された単量体が精製され貯蔵される時に、残存するラ
ジカル重合開始剤の働きで重合反応が起こり、これが回
収工程において、配管詰まりやフィルター詰まりなどの
トラブルを引き起こす可能性がある。
いが、回収単量体に対して0.1〜1000ppm添加
することが好ましく、さらに好ましくは1〜100pp
mである。ラジカル捕捉剤の添加量が少なすぎると、回
収された単量体が精製され貯蔵される時に、残存するラ
ジカル重合開始剤の働きで重合反応が起こり、これが回
収工程において、配管詰まりやフィルター詰まりなどの
トラブルを引き起こす可能性がある。
【0027】また、多すぎると、再利用時の重合工程で
有効触媒ラジカルを消滅させ、重合速度低下を引き起こ
す可能性があり、その意味において、重合反応させるた
めのビニル系単量体中のラジカル捕捉剤濃度が0.02
5〜2.5ppmであることが好ましい。
有効触媒ラジカルを消滅させ、重合速度低下を引き起こ
す可能性があり、その意味において、重合反応させるた
めのビニル系単量体中のラジカル捕捉剤濃度が0.02
5〜2.5ppmであることが好ましい。
【0028】本発明に用いることができるラジカル捕捉
剤としては、N−ニトロソフェニル化合物、ヒドラジル
化合物、アルドオキシム化合物、およびN−ニトロソフ
ェニル化合物とフェニル化合物との混合物等を挙げるこ
とができ、これらの1種または2種以上が好ましい。特
に好ましいものとして、N−ニトロソフェニルヒドロキ
シルアミン、またはそのアンモニウム塩が挙げられる。
剤としては、N−ニトロソフェニル化合物、ヒドラジル
化合物、アルドオキシム化合物、およびN−ニトロソフ
ェニル化合物とフェニル化合物との混合物等を挙げるこ
とができ、これらの1種または2種以上が好ましい。特
に好ましいものとして、N−ニトロソフェニルヒドロキ
シルアミン、またはそのアンモニウム塩が挙げられる。
【0029】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。また、実施例における記号および略記号は次のと
おりとする。
する。また、実施例における記号および略記号は次のと
おりとする。
【0030】AN :アクリロニトリル MEA :アクリル酸メチルエステル MSNa:メタリルスルホン酸ナトリウム DMSO:ジメチルスルホキシド ADVN:アゾビスジメチルバレロニトリル MTG :モノチオグリコール(メルカプトエタノー
ル) PTS :パラトルエンスルホン酸 ML :メラミン NPHA:N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンア
ンモニウム MQ :ハイドロキノンモノメチルエーテル NH3 :アンモニア 単位 部:wt% 実施例1 アクリル繊維の製造工程(重合・脱泡・紡糸)から回収
された、ANとMEAを主体とする回収単量体(微量の
水分、溶媒、開始剤その他の不純物を含有)を用い、ラ
ジカル捕捉剤の添加効果(保存安定性)を確認する実験
を行った。
ル) PTS :パラトルエンスルホン酸 ML :メラミン NPHA:N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンア
ンモニウム MQ :ハイドロキノンモノメチルエーテル NH3 :アンモニア 単位 部:wt% 実施例1 アクリル繊維の製造工程(重合・脱泡・紡糸)から回収
された、ANとMEAを主体とする回収単量体(微量の
水分、溶媒、開始剤その他の不純物を含有)を用い、ラ
ジカル捕捉剤の添加効果(保存安定性)を確認する実験
を行った。
【0031】ここで重合に供給した組成は、AN 226.4
部,MEA 23.3 部、MSNa 1.8部、ADVN 0.9
部、および少量の分子量調節剤MTG、PH調節剤ML
とPTS、溶媒DMSOであり、ADVNの理論残存率
は約20%であった。また未反応単量体は紡糸原液と共
に精密蒸留法で回収し、供給単量体に対する回収単量体
は約11%であり、通常の分光光度法によるADVNの
吸収(アゾ吸収:−N=N−)は検出できなかった。
部,MEA 23.3 部、MSNa 1.8部、ADVN 0.9
部、および少量の分子量調節剤MTG、PH調節剤ML
とPTS、溶媒DMSOであり、ADVNの理論残存率
は約20%であった。また未反応単量体は紡糸原液と共
に精密蒸留法で回収し、供給単量体に対する回収単量体
は約11%であり、通常の分光光度法によるADVNの
吸収(アゾ吸収:−N=N−)は検出できなかった。
【0032】実施例1−1 回収単量体に安定剤を添加して、200W水銀灯で紫外
線を照射し、紫外線に対する安定性を調べた。比較とし
て、未添加のもの、MQを添加したものも行なった。
線を照射し、紫外線に対する安定性を調べた。比較とし
て、未添加のもの、MQを添加したものも行なった。
【0033】結果を表1に示す。
【0034】
【表1】 実施例1−2 回収単量体に安定剤を添加して、実質的に光を遮断し、
60℃の温水槽で加熱して、熱に対する安定性を調べ
た。
60℃の温水槽で加熱して、熱に対する安定性を調べ
た。
【0035】結果を表2に示す。
【0036】
【表2】 表1、2の結果から、NPHAを添加することにより、
回収単量体の重合を禁止できることがわかる。また、N
PHAの添加量が多くなると、着色する傾向があり、M
Qは重合禁止効果がないことがわかる。
回収単量体の重合を禁止できることがわかる。また、N
PHAの添加量が多くなると、着色する傾向があり、M
Qは重合禁止効果がないことがわかる。
【0037】比較例 安定剤としてMQ30ppmを含有するANを脱酸素し
て、実施例1−1と同様の紫外線に対する安定性を調べ
た。
て、実施例1−1と同様の紫外線に対する安定性を調べ
た。
【0038】その結果、8時間で重合は認められなかっ
た。
た。
【0039】また、実施例1で使用した回収単量体に、
NPHA100.0ppm/ 回収単量体 を添加して、蒸留装置
にセットし、全環流熱処理によってADVNを熱分解
(理論分解量で1/1000まで分解)した後、単蒸留してN
PHAを除去した精製回収単量体を調整し、安定剤とし
てMQ 30ppmを添加したが、脱酸素(N2 ブロー)中に
蛍光灯光で重合してしまった。
NPHA100.0ppm/ 回収単量体 を添加して、蒸留装置
にセットし、全環流熱処理によってADVNを熱分解
(理論分解量で1/1000まで分解)した後、単蒸留してN
PHAを除去した精製回収単量体を調整し、安定剤とし
てMQ 30ppmを添加したが、脱酸素(N2 ブロー)中に
蛍光灯光で重合してしまった。
【0040】このことから、回収単量体はADVNを完
全に熱分解しても非常に不安定であり、通常の安定剤が
通用し得ないことがわかる。
全に熱分解しても非常に不安定であり、通常の安定剤が
通用し得ないことがわかる。
【0041】実施例2 実施例1の回収単量体を−30℃に冷却して凍結水を除
去した。続いてNPHA100ppmを添加した。この回収単
量体の添加比率を変えて重合供給液の一部として使用す
る重合を行い、原液の品質および重合特性を比較した。
回収単量体の添加において、重合供給単量体の組成およ
び濃度は一定になるように純分を補正した。
去した。続いてNPHA100ppmを添加した。この回収単
量体の添加比率を変えて重合供給液の一部として使用す
る重合を行い、原液の品質および重合特性を比較した。
回収単量体の添加において、重合供給単量体の組成およ
び濃度は一定になるように純分を補正した。
【0042】A.回収単量体の組成・純分 AN:88.4部、MEA:9.1部、その他不純物:
2.5部 B.重合供給組成(単位g/l) AN :226.4 MEA : 23.3 MSNa: 1.8 DMSO:755.9 ADVN: 0.75 PTS : 0.20 MTG : 0.30 ML : 0.14 全組成中単量体重量%=24.931% C.重合方法 1リットルのセパラブルフラスコに供給液を投入し、窒
素ブローして脱酸素した後、酸素を遮断して撹拌しなが
ら温度60℃に調節して通常のバッチ重合を7時間実施
した。
2.5部 B.重合供給組成(単位g/l) AN :226.4 MEA : 23.3 MSNa: 1.8 DMSO:755.9 ADVN: 0.75 PTS : 0.20 MTG : 0.30 ML : 0.14 全組成中単量体重量%=24.931% C.重合方法 1リットルのセパラブルフラスコに供給液を投入し、窒
素ブローして脱酸素した後、酸素を遮断して撹拌しなが
ら温度60℃に調節して通常のバッチ重合を7時間実施
した。
【0043】D.重合特性の比較 表3に示す。
【0044】
【表3】 実施例3 実施例2に準ずる方法で、回収単量体の使用率を10wt
%/全単量体とし、回収単量体に対するNPHA添加率を
変更して重合特性を比較した。
%/全単量体とし、回収単量体に対するNPHA添加率を
変更して重合特性を比較した。
【0045】結果を表4に示す。
【0046】
【表4】 表3、4の結果から、NHPAの増加による重合率の低
下は実験誤差程度であるが、得られた重合体溶液の透過
率(波長440nm)が低下する傾向にあることがわか
る。
下は実験誤差程度であるが、得られた重合体溶液の透過
率(波長440nm)が低下する傾向にあることがわか
る。
【0047】即ち、NPHAをあまり多く添加すること
は好ましくなく、また、回収単量体にNPHAを添加す
る場合、添加量は回収単量体を安定に保存する程度の濃
度(1〜100ppm)が好ましい。
は好ましくなく、また、回収単量体にNPHAを添加す
る場合、添加量は回収単量体を安定に保存する程度の濃
度(1〜100ppm)が好ましい。
【0048】また、この濃度は供給単量体全体量に対し
て(0.025〜2.5ppm)である。
て(0.025〜2.5ppm)である。
Claims (8)
- 【請求項1】ビニル系単量体を原料として重合反応させ
た後、実質的に未反応のビニル系単量体を回収し、その
回収ビニル系単量体にラジカル捕捉剤を含有させ、これ
を前記原料の少なくとも一部として再利用することを特
徴とするビニル系重合体の製造方法。 - 【請求項2】ビニル系単量体がアクリロニトリルを主体
とする単量体混合物であることを特徴とする請求項1記
載のビニル系重合体の製造方法。 - 【請求項3】ラジカル捕捉剤がN−ニトロソフェニル化
合物であることを特徴とする請求項1記載のビニル系重
合体の製造方法。 - 【請求項4】回収したビニル系単量体に含有させるラジ
カル捕捉剤の濃度が0.1〜1000ppmであること
を特徴とする請求項1記載のビニル系重合体の製造方
法。 - 【請求項5】回収したビニル系単量体に含有させるラジ
カル捕捉剤の濃度が1〜100ppmであることを特徴
とする請求項1記載のビニル系重合体の製造方法。 - 【請求項6】重合反応させるためのビニル系単量体中の
ラジカル捕捉剤濃度が0.025〜2.5ppmである
ことを特徴とする請求項1記載のビニル系重合体の製造
方法。 - 【請求項7】重合が溶液重合であることを特徴とする請
求項1記載のビニル系重合体の製造方法。 - 【請求項8】重合が連続重合であることを特徴とする請
求項1記載のビニル系重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24054396A JPH1087740A (ja) | 1996-09-11 | 1996-09-11 | ビニル系重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24054396A JPH1087740A (ja) | 1996-09-11 | 1996-09-11 | ビニル系重合体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1087740A true JPH1087740A (ja) | 1998-04-07 |
Family
ID=17061100
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24054396A Pending JPH1087740A (ja) | 1996-09-11 | 1996-09-11 | ビニル系重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1087740A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006137856A (ja) * | 2004-11-12 | 2006-06-01 | Dainippon Ink & Chem Inc | 重合性液晶組成物及び当該組成物の硬化物 |
JP2007109851A (ja) * | 2005-10-13 | 2007-04-26 | Citizen Electronics Co Ltd | フォトインタラプタ |
WO2007078541A1 (en) * | 2005-12-16 | 2007-07-12 | 3M Innovative Properties Company | Method of free radically polymerizing vinyl monomers |
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