JPH1085769A - 次亜りん酸イオン、亜りん酸イオンを含有する水性廃液の処理方法及びその廃液処理剤 - Google Patents

次亜りん酸イオン、亜りん酸イオンを含有する水性廃液の処理方法及びその廃液処理剤

Info

Publication number
JPH1085769A
JPH1085769A JP28464696A JP28464696A JPH1085769A JP H1085769 A JPH1085769 A JP H1085769A JP 28464696 A JP28464696 A JP 28464696A JP 28464696 A JP28464696 A JP 28464696A JP H1085769 A JPH1085769 A JP H1085769A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ions
metal
nickel
phosphite
cobalt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28464696A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Kojima
隆司 小嶋
Junichi Minami
淳一 南
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Parkerizing Co Ltd
Original Assignee
Nihon Parkerizing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Parkerizing Co Ltd filed Critical Nihon Parkerizing Co Ltd
Priority to JP28464696A priority Critical patent/JPH1085769A/ja
Publication of JPH1085769A publication Critical patent/JPH1085769A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 めっき水性廃液中のりん成分を除去して、回
収及び再利用するための処理方法及びその廃液処理剤を
提供する。 【解決手段】 次亜りん酸イオン及び亜りん酸イオンか
ら選ばれる少なくとも1種を含有するpH4〜14の水
溶液からなる廃液を、ニッケルイオン、コバルトイオン
及び銅イオンから選ばれる少なくとも1種の金属イオン
の存在下、耐圧密閉容器中で水熱反応処理し、前記次亜
りん酸イオン及び亜りん酸イオンを正りん酸イオンに酸
化させることを特徴とする次亜りん酸イオン及び/又は
亜りん酸イオンを含有する水性廃液の処理方法及びその
廃液処理剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、次亜りん酸イオ
ン、亜りん酸イオンから選ばれる少なくとも1種を含有
する水溶液からなる廃液(以下水性廃液と言う)、例え
ば無電解ニッケルめっき廃液や電気ニッケルめっき廃液
の処理方法及びそれに用いる廃液処理剤に関するもので
ある。特に、これらめっき水性廃液中のりん成分を除去
して、回収及び再利用するための処理方法及びそれに用
いる廃液処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、次亜りん酸は、亜りん酸や正り
ん酸と異なり、水に不溶性の塩を形成しないため、廃液
中から分離除去することが困難である。そのため、次亜
りん酸を含む水性廃液中から次亜りん酸を除去するため
には、次亜りん酸をなんらかの方法で、亜りん酸や正り
ん酸に酸化してから不溶性の塩として分離除去すること
が必要になる。現在までに、高濃度の次亜りん酸を含有
する廃液を酸化処理する方法として、種々の方法が提案
されている。例えば、(1)特公平3−36597号公
報には、廃液中に含まれる次亜りん酸を、タングステン
酸及び/又は、モリブデン酸イオンの存在下で過酸化水
素と反応させることで正りん酸イオンに酸化した後に不
溶性の塩として廃液中からりんを除去する方法、(2)
特開平4−338284号公報には、次亜りん酸イオン
を紫外線照射下で過酸化水素と反応させ、正りん酸イオ
ンに酸化した後、不溶性の塩として廃液中から除去する
方法、(3)特公昭60−23873号公報には、次亜
りん酸イオンと2価の銅塩を反応させて亜りん酸及び/
又は正りん酸イオンに酸化した後に不溶性のカルシウム
塩として廃液から除去する方法、(4)特公昭60−2
3874号公報には、次亜りん酸を過硫酸塩と反応させ
る事により亜りん酸及び/又は正りん酸とし、不溶性の
塩として廃液中から除去する処理方法が開示され、
(5)日本表面処理新聞平成7年5月1日付け記事に
は、無電解ニッケルめっき廃液を電解酸化によりニッケ
ルを回収するとともに次亜りん酸イオンを亜りん酸及び
/又は正りん酸イオンに酸化する方法が掲載されてい
る。(6)特公平1−37981号公報には、無電解ニ
ッケルめっき廃液において、亜りん酸ニッケル又はニッ
ケル以外の金属化合物を触媒として次亜りん酸を亜りん
酸に酸化した後に、次亜塩素酸系酸化剤にて正りん酸に
酸化した後に不溶性の塩として廃液中から除去する方法
が開示されている。
【0003】前記(1)及び(2)の方法は正りん酸に
酸化するのに酸化剤として過酸化水素水を使用してい
る。更に、酸化剤のみならず、(1)の方法では触媒、
(2)の方法では紫外線を併用している。また、前記
(3)、(4)及び(5)の方法は亜りん酸と正りん酸
が混在し、前記(6)の方法は触媒で亜りん酸に酸化
し、更に酸化剤で正りん酸に酸化させるものである。現
在、上記いずれの方法も実用化に至っていない。その理
由としては、 無電解ニッケルめっき廃液中には、多量の次亜りん
酸や亜りん酸が含まれているため、多量の触媒や酸化剤
を廃液に添加しなくてはならず、処理費用が高くなる。 処理工程や処理時間が長い。 などが挙げられる。従って、高濃度の次亜りん酸又は亜
りん酸を含有する廃液を酸化処理して正りん酸を短時間
かつ低コストで効率的に生成させるような方法は確立さ
れていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上に述べたよ
うな問題点を解決し、次亜りん酸イオン及び/又は亜り
ん酸イオンから選ばれる少なくとも1種を大量に含有す
る水性廃液中から、アルカリ以外の他の薬剤を使用する
ことなく次亜りん酸イオン及び/又は亜りん酸イオンを
正りん酸イオンまで比較的短時間で完全に酸化処理する
方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは従来技術の
抱える上記問題点を解決するための手段について鋭意検
討した。通常、次亜りん酸イオンは、水中の水酸化物イ
オンと反応して亜りん酸イオンまで酸化する反応が自発
的に進行する。同様に亜りん酸イオンも水中の水酸化物
イオンと反応して正りん酸イオンまで酸化する反応が自
発的に進行するが、これらの反応は、常温では反応速度
が非常に遅いので、廃液処理に使用する反応としては実
用的ではなかった。そこで、その点を改善できれば上記
問題点が解決できると考えた。本発明者らは、上記反応
を促進するために次亜りん酸イオン及び亜りん酸イオン
から選ばれる少なくとも1種を含有する廃液を、ニッケ
ルイオン、コバルトイオン及び銅イオンから選ばれる金
属イオンの存在下水熱反応処理を進行させることによ
り、亜りん酸イオン及び/又は次亜りん酸イオンを正り
ん酸イオンの形まで酸化できることを新たに発見した。
さらに、このような処理によって副生するニッケル、コ
バルト及び銅から選ばれる少なくとも1種の金属の非晶
質酸化物、前記金属の非晶質水酸化物及び前記金属の粉
末の群から選ばれる少なくとも1種からなる生成物が本
廃液の処理剤として有効であることを見い出し、本発明
を完成するに至った。
【0006】即ち、第1の本発明は次亜りん酸イオン及
び亜りん酸イオンから選ばれる少なくとも1種を含有す
るpH4〜14の水溶液からなる廃液を、ニッケルイオ
ン、コバルトイオン及び銅イオンから選ばれる少なくと
も1種の金属イオンの存在下、耐圧密閉容器中で、水熱
反応処理し、前記次亜りん酸イオン及び亜りん酸イオン
を正りん酸イオンに酸化させることを特徴とする次亜り
ん酸イオン及び/又は亜りん酸イオンを含有する水性廃
液の処理方法を提供する。
【0007】第2の本発明はニッケル、コバルト及び銅
から選ばれる少なくとも1種の金属の非晶質酸化物、前
記金属の非晶質水酸化物及び前記金属の粉末の群から選
ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする廃液処
理剤を提供する。
【0008】第3の本発明は次亜りん酸イオン及び亜り
ん酸イオンから選ばれる少なくとも1種を含有するpH
4〜14の水溶液を、ニッケルイオン、コバルトイオン
及び銅イオンから選ばれる少なくとも1種の金属イオン
の存在下、耐圧密閉容器中で、水熱反応処理し、前記次
亜りん酸イオン及び亜りん酸イオンを正りん酸イオンに
酸化させ、廃液中のニッケル、コバルト及び銅から選ば
れる少なくとも1種の金属の非晶質酸化物、前記金属の
非晶質水酸化物及び前記金属の粉末の群から選ばれる少
なくとも1種からなる生成物を廃液から分離することを
特徴とする廃液処理剤の製造方法を提供する。
【0009】第4の本発明は次亜りん酸イオン及び亜り
ん酸イオンから選ばれる少なくとも1種を含有するpH
4〜14の水溶液からなる廃液を、ニッケル、コバルト
及び銅から選ばれる少なくとも1種の金属の非晶質酸化
物、前記金属の非晶質水酸化物及び前記金属の粉末の群
から選ばれる少なくとも1種からなる廃液処理剤の存在
下で水熱反応処理又は加熱処理し、前記次亜りん酸イオ
ン及び亜りん酸イオンを正りん酸イオンに酸化させるこ
とを特徴とする次亜りん酸イオン及び/又は亜りん酸イ
オンを含有する水性廃液の処理方法を提供する。
【0010】第5の発明は次亜りん酸イオン及び亜りん
酸イオンから選ばれる少なくとも1種を含有するpH4
〜14の水溶液からなる廃液を、(a)ニッケルイオ
ン、コバルトイオン及び銅イオンから選ばれる少なくと
も1種の金属イオンの存在下耐圧密閉容器中で、水熱反
応処理し、(b)生成する正りん酸イオン、及びニッケ
ル、コバルト及び銅から選ばれる少なくとも1種の金属
の非晶質酸化物、前記金属の非晶質水酸化物及び前記金
属の粉末の群から選ばれる少なくとも1種からなる生成
物を含む水性液に亜鉛塩水溶液を添加してりん酸亜鉛の
沈殿を析出させ、(c)該水性液をろ過後、ろ過残留物
を水洗し、りん酸亜鉛とニッケル、コバルト及び銅から
選ばれる少なくとも1種の金属の非晶質酸化物、前記金
属の非晶質水酸化物及び前記金属の粉末の群から選ばれ
る少なくとも1種からなる生成物の混合物を得て後、
(d)該混合物にりん酸を添加して溶解させ、第一りん
酸亜鉛及びニッケル、コバルト及び銅から選ばれる少な
くとも1種の金属のりん酸塩の濃厚水溶液を回収するこ
とを特徴とする次亜りん酸イオン及び/又は亜りん酸イ
オンを含有する水性廃液処理における生成正りん酸イオ
ンの回収方法を提供する。
【0011】第6の発明は次亜りん酸イオン及び亜りん
酸イオンから選ばれる少なくとも1種を含有するpH4
〜14の水溶液からなる廃液を、(a)ニッケルイオ
ン、コバルトイオン及び銅イオンから選ばれる少なくと
も1種の金属イオンの存在下耐圧密閉容器中で、水熱反
応処理し、(b)生成する正りん酸イオン、及びニッケ
ル、コバルト及び銅から選ばれる少なくとも1種の金属
の非晶質酸化物、前記金属の非晶質水酸化物及び前記金
属の粉末の群から選ばれる少なくとも1種からなる生成
物を含む水性液をろ過させて、固形の前記金属の非晶質
酸化物、前記金属の非晶質水酸化物及び前記金属の粉末
の群から選ばれる少なくとも1種からなる生成物金属を
分離した後、(c)ろ液に亜鉛塩水溶液を添加してりん
酸亜鉛の沈殿を析出させ、(d)前記りん酸亜鉛にりん
酸を添加して溶解させて、第一りん酸亜鉛水溶液を回収
することを特徴とする次亜りん酸イオン及び/又は亜り
ん酸イオンを含有する水性廃液処理における生成正りん
酸イオンの回収方法を提供する。
【0012】第7の発明は次亜りん酸イオン及び亜りん
酸イオンから選ばれる少なくとも1種及びナトリウムイ
オンを含有するpH4〜14の水溶液からなる廃液を、
(a)ニッケルイオン、コバルトイオン及び銅イオン
から選ばれる少なくとも1種の金属イオンの存在下耐圧
密閉容器中で、水熱反応処理し、(b)生成する正りん
酸のナトリウム塩、及びニッケル、コバルト及び銅から
選ばれる少なくとも1種の金属の非晶質酸化物、前記金
属の非晶質水酸化物及び前記金属の粉末の群から選ばれ
る少なくとも1種からなる生成物を含む水性液をろ過
し、固形の前記金属の非晶質酸化物、前記金属の非晶質
水酸化物及び前記金属の粉末の群から選ばれる少なくと
も1種からなる生成物を分離した後、(c)ろ液中の正
りん酸のナトリウム塩を結晶化及び析出させることによ
り正りん酸のナトリウ塩の結晶を回収することを特徴と
する次亜りん酸イオン及び/又は亜りん酸イオンを含有
する水性廃液処理における生成正りん酸イオンの回収方
法を提供する。
【0013】第8の発明は次亜りん酸イオン及び亜りん
酸イオンから選ばれる少なくとも1種及びカリウムイオ
ンを含有するpH4〜14の水溶液からなる廃液を、
(a)ニッケルイオン、コバルトイオン及び銅イオンか
ら選ばれる少なくとも1種の金属イオンの存在下耐圧密
閉容器中で、水熱反応処理し、(b)生成する正りん酸
のカリウム塩、及びニッケル、コバルト及び銅から選ば
れる少なくとも1種の金属の非晶質酸化物、前記金属の
非晶質水酸化物及び前記金属の粉末の群から選ばれる少
なくとも1種からなる生成物を含む水性液をろ過し、固
形の前記金属の非晶質酸化物、前記金属の非晶質水酸化
物及び前記金属の粉末の群から選ばれる少なくとも1種
からなる生成物を分離した後、(c)ろ液中の正りん酸
のカリウム塩を結晶化及び析出させることにより正りん
酸のカリウム塩の結晶を回収することを特徴とする次亜
りん酸イオン及び/又は亜りん酸イオンを含有する水性
廃液処理における生成正りん酸イオンの回収方法を提供
する。
【0014】第9の発明は次亜りん酸イオン及び亜りん
酸イオンから選ばれる少なくとも1種を含有するpH4
〜14の水溶液からなる廃液を、(a)ニッケルイオ
ン、コバルトイオン及び銅イオンから選ばれる少なくと
も1種の金属イオンの存在下耐圧密閉容器中で、水熱反
応処理し、(b)生成する正りん酸のナトリウム塩、及
びニッケル、コバルト及び銅から選ばれる少なくとも1
種の金属の非晶質酸化物、前記金属の非晶質水酸化物及
び前記金属の粉末の群から選ばれる少なくとも1種から
なる生成物を含む水性液をろ過し、固形の前記金属の非
晶質酸化物、前記金属の非晶質水酸化物及び前記金属の
粉末の群から選ばれる少なくとも1種からなる生成物を
分離した後、(c)ろ液に消石灰、生石灰、硫酸カルシ
ウム、塩化カルシウムから選ばれる少なくとも1種を添
加し、りん酸カルシウム又はカルシウムアパタイトの沈
殿物を析出させ、りん酸カルシウム又はカルシウムアパ
タイト回収することを特徴とする次亜りん酸イオン及び
/又は亜りん酸イオンを含有する水性廃液処理における
生成正りん酸イオンの回収方法を提供する。
【0015】なお、第5〜第9の発明における水熱反応
処理において、ニッケルイオン、コバルトイオン及び銅
イオンから選ばれる少なくとも1種の金属イオン濃度が
少ない場合には、その替わりに第2の発明の廃液処理剤
を使用することができる。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。(1)第
1の本発明について説明する。次亜りん酸イオンが含ま
れる水性廃液の例としては無電解ニッケルめっき浴が挙
げられる。無電解ニッケルめっき浴は、一般に20〜3
0g/Lの硫酸ニッケル、15〜25g/Lの次亜りん
酸ナトリウム及び錯化剤を含有するpH4〜9の水溶液
であり、次亜りん酸イオンが11〜19g/L含まれ
る。電気ニッケル−りん合金めっき浴もワット浴やスル
ファミン酸浴に次亜りん酸イオンを添加して用いられる
ケースも多い。
【0017】亜りん酸イオンが含まれる例としては電気
ニッケル−りん合金めっき浴が挙げられる。電気ニッケ
ル−りん合金めっき浴は硫酸ニッケル150g/L、塩
化ニッケル50g/L、正りん酸50g/L、亜りん酸
40g/Lを含有するpH0.5〜1.0の水溶液であ
り、亜りん酸イオンが約40g/L含まれている。
【0018】次亜りん酸イオンと亜りん酸イオンが混在
する例としては老化した無電解ニッケルめっき浴が挙げ
られる。この老化浴は、上記無電解ニッケルめっき浴に
よりめっきを行うことにより、次亜りん酸イオンが亜り
ん酸イオンに酸化されることにより生成される。このよ
うなめっき浴中には次亜りん酸イオンと亜りん酸イオン
が混在しており、その合計濃度は100〜200g/L
に達する。
【0019】ニッケルイオン、コバルトイオン及び銅イ
オンから選ばれる少なくとも1種の金属イオンの量は、
次亜りん酸イオンがニッケルイオン、コバルトイオン及
び銅イオンから選ばれる少なくとも1種の金属イオンの
同モル以上、亜りん酸イオンがニッケルイオン、コバル
トイオン及び銅イオンから選ばれる少なくとも1種の金
属イオンの2モル倍以上の存在下で0.1〜10g/L
である。金属イオン量は少なすぎると正りん酸の酸化に
時間がかかり、10g/Lを越えると酸化効果が飽和し
てしまう。
【0020】本発明においては、次亜りん酸イオンは亜
りん酸イオンへの酸化過程を経て正りん酸イオンに酸化
される。本発明において次亜りん酸又は亜りん酸イオン
の少なくとも1種を含有する水溶液のpHは4〜14の
範囲内にあることが必要である。より好ましくはpH1
0〜11の範囲である。前記水溶液のpHが4未満では
次亜りん酸イオンの酸化反応は起こるが、耐圧容器が腐
食されるので好ましくない。なお、当初の水溶液の多く
はpHが4未満であり、pHを4〜14の範囲に調整す
る必要がある場合は、アルカリ、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムを使用するのが好ましい。
【0021】本明細書における「水熱反応処理」とは、
「廃液中の特定成分を水の存在下高温高圧下で反応させ
る処理」を意味する。耐圧密閉容器中で水熱反応を起こ
す際の温度は130〜370℃の範囲にすることが好ま
しい。より好ましくは190〜210℃の範囲である。
温度が130℃未満では次亜りん酸イオン又は亜りん酸
イオンが正りん酸イオンに酸化される反応は殆ど進行し
ないか進行してもごく僅かであり、完全には正りん酸イ
オンになり難い。一方、370℃を超えると水の臨界温
度(374.2℃)に達するため水溶液の状態として存
在しないので、水熱反応が起こらない。即ち、水熱反応
は水溶液状態で起こる反応であり、370℃を超える温
度では水熱反応は起こらないのである。
【0022】圧力は処理温度によって異り、該温度にお
ける飽和水蒸気圧以上の圧力である。例えば150℃処
理では飽和蒸気圧は約5kg/cm2G、210℃処理
では約20kg/cm2G、300℃処理では約90k
g/cm2Gになるので、飽和水蒸気圧以上の圧力に耐
えられるような容器が必要である。なお、本発明におい
て水熱反応時の圧力は主として水の飽和水蒸気圧と相関
するが、液の濃度が高い場合はさらに高くなる傾向があ
る。実際には水の飽和蒸気圧以外に反応による圧力増加
が認められる。
【0023】本発明で用いる耐圧密閉容器としては、ボ
イラー鋼板製もしくはステンレス鋼板製のオートクレー
ブを用いる。なお、この耐圧密閉容器は温度を検知する
熱電対、圧力容器内部を均一にするための撹拌機、圧力
計、高圧力を避けるための安全弁、及び試料の出し入れ
口が付設されているものを用いるのが好ましい。
【0024】加熱手段としては、ボイラーによる水蒸気
吹き込み、電気炉、熱風(バーナーよりファンで熱風オ
ートクレーブ外部壁面にあてる)、熱媒体油使用油加熱
方式が適用される。保温手段としては温度制御(設定温
度で加熱ON,OFF)または圧力制御(常に一定圧に
保つ)が適用される。
【0025】水熱反応処理の時間は、該水溶液中の次亜
りん酸イオン、亜りん酸イオンの濃度及び廃液処理剤濃
度並びに水熱反応処理の温度によって決まる。例えば、
次亜りん酸イオン及び亜りん酸イオンがりんとして6.
2g/L、ニッケルイオンが2.5g/L含有されてい
る無電解ニッケルめっき廃液では、温度210℃で次亜
りん酸イオン及び亜りん酸イオンを正りん酸イオンに完
全に酸化するのに要する時間は2時間である。
【0026】また、本発明においては、前記水溶液には
ニッケルイオン、コバルトイオン、及び銅イオンから選
ばれる少なくとも1種の金属イオンが存在することが必
要である。ニッケルイオン、コバルトイオン及び銅イオ
ンの供給源としては無電解ニッケルめっき浴、無電解コ
バルトめっき浴のように浴中にニッケルイオン、コバル
トイオンの形で存在するもの、銅のように無電解ニッケ
ルめっき浴中で銅、銅合金あるいは銅めっき上にめっき
することにより、素材から銅イオンを溶出させるものが
ある。また、ニッケル塩、コバルト塩及び銅塩として例
えば硫酸塩、硝酸塩、塩化物の形で水溶液中に添加して
も良い。
【0027】本発明の次亜りん酸イオンまたは亜りん酸
イオンを含有する水溶液から正りん酸イオンを生成する
反応機構について以下に説明する。次亜りん酸イオン
は、以下の酸化反応を起こし、自発的に亜りん酸イオン
になる。
【0028】
【化1】
【0029】亜りん酸イオンも、以下の酸化反応を起こ
し、自発的に正りん酸イオンになる。
【0030】
【化2】
【0031】従って、水溶液中の次亜りん酸イオン、亜
りん酸イオンは、放置するのみで自発的に正りん酸イオ
ンに酸化する。しかし、上記(1)、(2)、(3)及
び(4)式の反応は、常温、常圧、無触媒の条件下で
は、見かけ上反応が起こらないと言っていいほど非常に
反応速度が遅い。即ち、次亜りん酸イオン、亜りん酸イ
オンを含んだ水溶液を、耐圧密閉容器中で、大気圧下で
の水の沸点温度を超える150℃以上に保つことによ
り、上記の反応(1)、(2)、(3)及び(4)式で
示される反応速度が促進され、それぞれ亜りん酸イオ
ン、正りん酸イオンを生成する。
【0032】次亜りん酸イオンの正りん酸イオンへの酸
化は亜りん酸イオンへの酸化((1)及び(2)式)を
経て、正りん酸イオンに酸化される((3)及び(4)
式)。(1)及び(2)式の反応は無触媒でも進行する
が、(3)及び(4)式の反応は無触媒だと殆ど進行し
ない。特に(3)及び(4)式の酸化反応を促進させる
には酸化触媒が有効である。
【0033】すなわち、本発明のように次亜りん酸イオ
ン及び/又は亜りん酸イオンを含有するpH4〜14の
水溶液中に予めニッケルイオン、コバルトイオン及銅イ
オンから選ばれる少なくとも1種の金属イオンを添加し
て耐圧密閉容器中で水熱反応を起こすことにより次亜り
ん酸イオン、亜りん酸イオンを短時間で正りん酸イオン
に酸化することができると考えられる。このようなニッ
ケルイオン、コバルトイオン及銅イオンから選ばれる少
なくとも1種の金属イオンは、本発明の処理により、第
2の発明に示される前記金属の非晶質酸化物等に変化す
るが、正りん酸への酸化作用がこのような変化に伴っ
て、即ち変化時に起こるのか、又はこのような変化によ
り生じた金属イオンの非晶質酸化物等が酸化作用をする
のかその機構は十分解明されてはいない。恐らく酸化作
用は後者によるものと推定される。特公平1−3798
1号公報には、無電解ニッケルめっき廃液において、亜
りん酸ニッケル又はニッケル以外の金属化合物を触媒と
して次亜りん酸イオンを亜りん酸イオンに酸化すること
が開示されている。該公報ではpH4〜11、処理温度
40〜95℃の条件で次亜りん酸イオンから亜りん酸イ
オンへの酸化反応が行われている。しかし、正りん酸イ
オンへの酸化は不可能であり、この場合、上記に示すよ
うなニッケルの形態の変化は認められない。
【0034】(2)第2及び第3の本発明について説明
する。第2の発明は、ニッケル、コバルト及び銅から選
ばれる少なくとも1種の金属の非晶質酸化物、前記金属
の非晶質水酸化物及び前記金属の粉末の群から選ばれる
少なくとも1種からなる廃液処理剤であり、第3の発明
はその製造方法の発明である。該廃液処理剤は、第1の
発明の廃液処理時に副生成物として得ることもできる。
すなわち、第1の発明の廃液が第1の発明で用いられる
ニッケルイオン、コバルトイオン及び銅イオンから選ば
れる少なくとも1種の金属イオンの存在下で、耐圧密閉
容器下で第1の発明の温度、圧力の条件下で処理される
時、水熱反応により、前記金属イオンが、前記金属の非
晶質酸化物、前記金属の非晶質水酸化物及び/又は前記
金属の粉末に変化する。
【0035】この場合温度条件としては、130℃〜3
70℃であり、好ましくは190℃以上である。また廃
液中の次亜りん酸イオン及び亜りん酸イオンから選ばれ
る少なくとも1種の濃度が高い場合には水熱反応によ
り、前記金属イオンは金属粉末となる。このように、該
廃液中の次亜りん酸及び亜りん酸が酸化され正りん酸が
生成されるのみならず上記の副生成物も生成する。この
ようにして得られた副生成物は廃液処理剤として有効で
ある。
【0036】(3)第4の本発明について説明する。第
3の発明の製造方法によって得られた第2の発明の廃液
処理剤は、第1の発明の、次亜りん酸イオン及び亜りん
酸イオンから選ばれる少なくとも1種を含有するpH4
〜14の水溶液からなる廃液の処理剤として有効であ
る。その処理条件は、第1の発明の処理条件よりも温和
な条件でよい。即ち処理温度は60℃以上、好ましくは
100℃以上である。100℃以下の場合加熱処理し、
100℃以上の場合は水熱反応処理する。廃液処理剤の
使用量については、廃液処理剤中のニッケル、コバルト
及び銅から選ばれる少なくとも1種の金属の量は、次亜
りん酸イオンがニッケル、コバルト及び銅から選ばれる
少なくとも1種の金属の同モル以上、亜りん酸イオンが
ニッケル、コバルト及び銅から選ばれる少なくとも1種
の金属の2モル倍以上の存在下で0.1〜10g/Lで
ある。また、第1の発明と同様の反応機構で、正りん酸
イオンが生成される。その正りん酸イオンの分離方法も
第1の発明と同様に不溶性塩として分離される。
【0037】(4)第5〜9の本発明について説明す
る。本発明の廃液処理において、水熱反応処理によっ
て、正りん酸イオン及びニッケル、コバルト及び銅から
選ばれる少なくとも1種の金属(これ以外の他の重金属
も含まれる場合がある)の非晶質酸化物、前記金属の非
晶質水酸化物及び前記金属の粉末の群から選ばれる生成
物が得られる。前記の金属の非晶質酸化物、前記金属の
非晶質水酸化物及び前記金属の粉末の群から選ばれる生
成物は既に固形状となっているが、生成した正りん酸イ
オンは水溶液の形なのでそのまま廃液として排出するこ
とができない。何等かの処理によって分離し、回収する
ことが必要である。
【0038】第5の本発明は、正りん酸イオンと前記
金属の生成物に亜鉛塩水溶液を添加してりん酸亜鉛の沈
殿を析出させ、ろ過後、りん酸を添加して溶解させ第一
りん酸亜鉛及び前記金属のりん酸塩の濃厚水溶液を回収
する正りん酸イオンの回収方法の発明である。添加する
亜鉛塩水溶液における亜鉛塩としては、硫酸亜鉛、塩化
亜鉛、硝酸亜鉛または金属亜鉛の酸(りん酸を除く)塩
が使用される。即ち水溶性亜鉛塩であれば使用できる。
回収された前記濃厚水溶液はりん酸亜鉛系被膜剤原料用
等として使用される。
【0039】
【化3】
【0040】第6の本発明は、ニッケルイオン、コバ
ルトイオン、及び銅イオンから選ばれる少なくとも1種
の金属イオンの存在下で水熱反応処理を行い、、これら
の金属イオンから得られる非晶質酸化物、非晶質水酸化
物及び金属粉末をろ過により除去する。ろ液に亜鉛塩を
添加してりん酸亜鉛を析出させ、りん酸を添加して溶解
させ、第一りん酸亜鉛水溶液を回収する正りん酸イオン
の回収方法である。亜鉛塩は第5の発明に記載されたも
のと同様のものが使用される。回収された第一りん酸亜
鉛水溶液はりん酸亜鉛系被膜剤原料用等に使用される。
【0041】
【化4】
【0042】第7の本発明は、水熱反応処理を前記金
属イオンの他に特にナトリウムイオンの存在下で行われ
る場合である。この場合、前記金属の生成物はろ過によ
り分離され、ろ液中の正りん酸のナトリウム塩を結晶
化、析出させることにより正りん酸のカリウム塩の結晶
を回収する正りん酸イオンの回収方法である。回収され
た正りん酸のカリウム塩は、無機ビルダー、皮なめし剤
等に使用される。
【0043】
【化5】
【0044】第8の本発明は、水熱反応処理を前記金
属イオンの他に特にカリウムイオンの存在下で行われる
場合である。この場合、前記金属の生成物はろ過により
分離され、ろ液中の正りん酸のカリウム塩を結晶化、析
出させることにより正りん酸のカリウム塩の結晶を回収
する正りん酸イオンの回収方法である。回収された正り
ん酸のカリウム塩の結晶は、肥料、石油製品の脱硫剤、
石けん、合成洗剤の原料等に使用される。
【0045】
【化6】
【0046】第9の本発明は、前記金属の生成物をろ
過し、分離後、ろ液に消石灰、生石灰、硫酸カルシウ
ム、塩化カルシウムから選ばれる少なくとも1種を添加
し、りん酸カルシウム又はカルシウムアパタイトの沈殿
物を析出させ、りん酸カルシウム又はカルシウムアパタ
イトとして回収する正りん酸イオンの回収方法である。
回収されたりん酸カルシウム又はカルシウムアパタイト
はりん酸製造原料、りん鉱石代替用として使用される。
【0047】
【化7】
【0048】
【実施例】次に、本発明の効果を実施例と比較例を挙げ
てより具体的に説明する。 実施例1 下記組成の次亜りん酸イオン及び亜りん酸イオンを含む
無電解ニッケルめっき水性廃液を、本発明の処理方法で
処理した。 ニッケルイオン 4700mg/L 亜りん酸イオン 50000mg/L 次亜りん酸イオン 40000mg/L 上記廃液のpHを、水酸化ナトリウムを用いて10.5
に調整した後、耐圧密閉容器に入れ、温度を190℃に
調節し、6時間保持した。冷却後処理液中のニッケル分
をろ過した液についてイオンクロマトグラフ法によりり
ん酸の分離分析を行った結果を表1に示した。表1に示
すように次亜りん酸及び亜りん酸イオンは全て正りん酸
イオンに酸化されている。本方法で次亜りん酸の酸化に
必要な薬剤はpH調整用の水酸化ナトリウムだけであ
り、低廉に処理を行うことができる。
【0049】実施例2 実施例1と同じ廃液を用いて、pHを、水酸化ナトリウ
ムを用いて10.5に調整した後、析出したニッケル分
をろ過した。このろ液を耐圧密閉容器に入れ、更に実施
例1で得られた非晶質ニッケル分を添加した後、温度を
160℃に調節し、12時間保持した。冷却後処理液に
ついてイオンクロマトグラフ法によりりん酸の分離分析
を行った結果を表1に示した。表1に示すように次亜り
ん酸イオン、亜りん酸イオンは、正りん酸イオンに酸化
されている。
【0050】実施例3 下記組成の次亜りん酸イオン及び亜りん酸イオンを含む
無電解コバルトめっき水性廃液を、上に述べた処理方法
で処理した。 コバルトイオン 4500mg/L 亜りん酸イオン 7500mg/L 次亜りん酸イオン 6000mg/L 上記廃液のpHを、水酸化ナトリウムを用いて11.0
に調整した後、耐圧密閉容器に入れ、温度を210℃に
調節し、6時間保持した。冷却後処理液中のコバルト分
をろ過した液についてイオンクロマトグラフ法によりり
ん酸の分離分析を行った結果を表2に示した。表2に示
すように次亜りん酸イオン、亜りん酸イオンは、正りん
酸イオンに酸化されている。
【0051】比較例1 実施例1と同じ廃液を用い、pHを、水酸化ナトリウム
を用いて11.0に調整した後、耐圧密閉容器に入れ、
温度を130℃に調節し、3時間保持した。冷却後処理
液中のニッケル分をろ過した液についてイオンクロマト
グラフ法によりりん酸の分離分析を行った結果を表1に
示した。表1に示すように次亜りん酸イオンが微量亜り
ん酸イオンに酸化されるのみで、正りん酸イオンは全く
存在しない。
【0052】比較例2 実施例1と同じ廃液を用い、pHを、水酸化ナトリウム
を用いて10.5に調整した後、析出したニッケル分を
ろ過し、ニッケル分を含有していない溶液を耐圧密閉容
器に入れ、温度を210℃に調節し、6時間保持した。
冷却後処理液についてイオンクロマトグラフ法によりり
ん酸の分離分析を行った結果を表1に示した。表1に示
すように次亜りん酸イオンが少量亜りん酸イオンに酸化
されるのみで、正りん酸イオンは全く存在しない。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】本発明による処理工程は、次亜りん酸イ
オン及び亜りん酸イオンの酸化触媒として、廃液中から
得られる水酸化ニッケル及び/又は酸化ニッケル等の重
金属イオンを使用するため、触媒にかかる費用が低く、
さらに、廃液中からニッケル等の重金属を分離する際
に、水酸化ニッケル及び/又は酸化ニッケル等として分
離されるので、ニッケル等の重金属のリサイクルが簡単
であるという利点を持つ。また、ニッケル等の重金属イ
オンを除去後は正りん酸ナトリウムを主成分とした水溶
液となるが、これを石灰等のカルシウム塩で中和すると
カルシウムアバタイトが得られ、りん酸の原料として使
用することができる。また硫酸亜鉛と中和することによ
り、りん酸亜鉛が得られ化成処理剤の原料として使用す
ることができる。さらに、正りん酸ナトリウム溶液を晶
析することにより正りん酸ナトリウムの結晶が得られ脱
脂洗浄剤の無機ビルダーとしても使用することができる
ので産業上の利用価値はかなり大きいのである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次亜りん酸イオン及び亜りん酸イオンか
    ら選ばれる少なくとも1種を含有するpH4〜14の水
    溶液からなる廃液を、ニッケルイオン、コバルトイオン
    及び銅イオンから選ばれる少なくとも1種の金属イオン
    の存在下、耐圧密閉容器中で、水熱反応処理し、前記次
    亜りん酸イオン及び亜りん酸イオンを正りん酸イオンに
    酸化させることを特徴とする次亜りん酸イオン及び/又
    は亜りん酸イオンを含有する水性廃液の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記水熱反応処理が温度130〜370
    ℃、及び該温度における飽和水蒸気圧以上の条件で行わ
    れる請求項1記載の水性廃液の処理方法。
  3. 【請求項3】 ニッケル、コバルト及び銅から選ばれる
    少なくとも1種の金属の非晶質酸化物、前記金属の非晶
    質水酸化物及び前記金属の粉末の群から選ばれる少なく
    とも1種からなることを特徴とする廃液処理剤。
  4. 【請求項4】 次亜りん酸イオン及び亜りん酸イオンか
    ら選ばれる少なくとも1種を含有するpH4〜14の水
    溶液を、ニッケルイオン、コバルトイオン及び銅イオン
    から選ばれる少なくとも1種の金属イオンの存在下、耐
    圧密閉容器中で、水熱反応処理し、前記次亜りん酸イオ
    ン及び亜りん酸イオンを正りん酸イオンに酸化させ、廃
    液中のニッケル、コバルト及び銅から選ばれる少なくと
    も1種の金属の非晶質酸化物、前記金属の非晶質水酸化
    物及び前記金属の粉末の群から選ばれる少なくとも1種
    からなる生成物を廃液から分離することを特徴とする廃
    液処理剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 次亜りん酸イオン及び亜りん酸イオンか
    ら選ばれる少なくとも1種を含有するpH4〜14の水
    溶液からなる廃液を、ニッケル、コバルト及び銅から選
    ばれる少なくとも1種の金属の非晶質酸化物、前記金属
    の非晶質水酸化物及び前記金属の粉末の群から選ばれる
    少なくとも1種からなる廃液処理剤の存在下で水熱反応
    処理又は加熱処理し、前記次亜りん酸イオン及び亜りん
    酸イオンを正りん酸イオンに酸化させることを特徴とす
    る次亜りん酸イオン及び/又は亜りん酸イオンを含有す
    る水性廃液の処理方法。
  6. 【請求項6】 次亜りん酸イオン及び亜りん酸イオンか
    ら選ばれる少なくとも1種を含有するpH4〜14の水
    溶液からなる廃液を、 (a)ニッケルイオン、コバルトイオン及び銅イオンか
    ら選ばれる少なくとも1種の金属イオンの存在下耐圧密
    閉容器中で、水熱反応処理し、 (b)生成する正りん酸イオン、及びニッケル、コバル
    ト及び銅から選ばれる少なくとも1種の金属の非晶質酸
    化物、前記金属の非晶質水酸化物及び前記金属の粉末の
    群から選ばれる少なくとも1種からなる生成物を含む水
    性液に亜鉛塩水溶液を添加してりん酸亜鉛の沈殿を析出
    させ、 (c)該水性液をろ過後、ろ過残留物を水洗し、りん酸
    亜鉛とニッケル、コバルト及び銅から選ばれる少なくと
    も1種の金属の非晶質酸化物、前記金属の非晶質水酸化
    物及び前記金属の粉末の群から選ばれる少なくとも1種
    からなる生成物の混合物を得て後、 (d)該混合物にりん酸を添加して溶解させ、第一りん
    酸亜鉛及びニッケル、コバルト及び銅から選ばれる少な
    くとも1種の金属のりん酸塩の濃厚水溶液を回収するこ
    とを特徴とする次亜りん酸イオン及び/又は亜りん酸イ
    オンを含有する水性廃液処理における生成正りん酸イオ
    ンの回収方法。
  7. 【請求項7】 次亜りん酸イオン及び亜りん酸イオンか
    ら選ばれる少なくとも1種を含有するpH4〜14の水
    溶液からなる廃液を、 (a)ニッケルイオン、コバルトイオン及び銅イオンか
    ら選ばれる少なくとも1種の金属イオンの存在下耐圧密
    閉容器中で、水熱反応処理し、 (b)生成する正りん酸イオン、及びニッケル、コバル
    ト及び銅から選ばれる少なくとも1種の金属の非晶質酸
    化物、前記金属の非晶質水酸化物及び前記金属の粉末の
    群から選ばれる少なくとも1種からなる生成物を含む水
    性液をろ過させて、固形の前記金属の非晶質酸化物、前
    記金属の非晶質水酸化物及び前記金属の粉末の群から選
    ばれる少なくとも1種からなる生成物金属を分離した
    後、 (c)ろ液に亜鉛塩水溶液を添加してりん酸亜鉛の沈殿
    を析出させ、 (d)前記りん酸亜鉛にりん酸を添加して溶解させて、
    第一りん酸亜鉛水溶液を回収することを特徴とする次亜
    りん酸イオン及び/又は亜りん酸イオンを含有する水性
    廃液処理における生成正りん酸イオンの回収方法。
  8. 【請求項8】 次亜りん酸イオン及び亜りん酸イオンか
    ら選ばれる少なくとも1種及びナトリウムイオンを含有
    するpH4〜14の水溶液からなる廃液を、 (a)ニッケルイオン、コバルトイオン及び銅イオンか
    ら選ばれる少なくとも1種の金属イオンの存在下耐圧密
    閉容器中で、水熱反応処理し、 (b)生成する正りん酸のナトリウム塩、及びニッケ
    ル、コバルト及び銅から選ばれる少なくとも1種の金属
    の非晶質酸化物、前記金属の非晶質水酸化物及び前記金
    属の粉末の群から選ばれる少なくとも1種からなる生成
    物を含む水性液をろ過し、固形の前記金属の非晶質酸化
    物、前記金属の非晶質水酸化物及び前記金属の粉末の群
    から選ばれる少なくとも1種からなる生成物を分離した
    後、 (c)ろ液中の正りん酸のナトリウム塩を結晶化及び析
    出させることにより正りん酸のナトリウ塩の結晶を回収
    することを特徴とする次亜りん酸イオン及び/又は亜り
    ん酸イオンを含有する水性廃液処理における生成正りん
    酸イオンの回収方法。
  9. 【請求項9】 次亜りん酸イオン及び亜りん酸イオンか
    ら選ばれる少なくとも1種及びカリウムイオンを含有す
    るpH4〜14の水溶液からなる廃液を、 (a)ニッケルイオン、コバルトイオン及び銅イオンか
    ら選ばれる少なくとも1種の金属イオンの存在下耐圧密
    閉容器中で、水熱反応処理し、 (b)生成する正りん酸のカリウム塩、及びニッケル、
    コバルト及び銅から選ばれる少なくとも1種の金属の非
    晶質酸化物、前記金属の非晶質水酸化物及び前記金属の
    粉末の群から選ばれる少なくとも1種からなる生成物を
    含む水性液をろ過し、固形の前記金属の非晶質酸化物、
    前記金属の非晶質水酸化物及び前記金属の粉末の群から
    選ばれる少なくとも1種からなる生成物を分離した後、 (c)ろ液中の正りん酸のカリウム塩を結晶化及び析出
    させることにより正りん酸のカリウム塩の結晶を回収す
    ることを特徴とする次亜りん酸イオン及び/又は亜りん
    酸イオンを含有する水性廃液処理における生成正りん酸
    イオンの回収方法。
  10. 【請求項10】 次亜りん酸イオン及び亜りん酸イオン
    から選ばれる少なくとも1種を含有するpH4〜14の
    水溶液からなる廃液を、 (a)ニッケルイオン、コバルトイオン及び銅イオンか
    ら選ばれる少なくとも1種の金属イオンの存在下耐圧密
    閉容器中で、水熱反応処理し、 (b)生成する正りん酸のナトリウム塩、及びニッケ
    ル、コバルト及び銅から選ばれる少なくとも1種の金属
    の非晶質酸化物、前記金属の非晶質水酸化物及び前記金
    属の粉末の群から選ばれる少なくとも1種からなる生成
    物を含む水性液をろ過し、固形の前記金属の非晶質酸化
    物、前記金属の非晶質水酸化物及び前記金属の粉末の群
    から選ばれる少なくとも1種からなる生成物を分離した
    後、 (c)ろ液に消石灰、生石灰、硫酸カルシウム、塩化カ
    ルシウムから選ばれる少なくとも1種を添加し、りん酸
    カルシウム又はカルシウムアパタイトの沈殿物を析出さ
    せ、りん酸カルシウム又はカルシウムアパタイト回収す
    ることを特徴とする次亜りん酸イオン及び/又は亜りん
    酸イオンを含有する水性廃液処理における生成正りん酸
    イオンの回収方法。
JP28464696A 1996-07-22 1996-10-07 次亜りん酸イオン、亜りん酸イオンを含有する水性廃液の処理方法及びその廃液処理剤 Pending JPH1085769A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28464696A JPH1085769A (ja) 1996-07-22 1996-10-07 次亜りん酸イオン、亜りん酸イオンを含有する水性廃液の処理方法及びその廃液処理剤

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-210539 1996-07-22
JP21053996 1996-07-22
JP28464696A JPH1085769A (ja) 1996-07-22 1996-10-07 次亜りん酸イオン、亜りん酸イオンを含有する水性廃液の処理方法及びその廃液処理剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1085769A true JPH1085769A (ja) 1998-04-07

Family

ID=26518110

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28464696A Pending JPH1085769A (ja) 1996-07-22 1996-10-07 次亜りん酸イオン、亜りん酸イオンを含有する水性廃液の処理方法及びその廃液処理剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1085769A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002086159A (ja) * 2000-09-13 2002-03-26 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd セレン含有廃液処理方法及びその装置
JP2009120920A (ja) * 2007-11-16 2009-06-04 Niigata Univ ニッケル含有水溶液からのニッケルならびに亜燐酸の回収方法とその装置
JP2010264457A (ja) * 2010-09-03 2010-11-25 National Agriculture & Food Research Organization 排水のリン除去方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002086159A (ja) * 2000-09-13 2002-03-26 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd セレン含有廃液処理方法及びその装置
JP2009120920A (ja) * 2007-11-16 2009-06-04 Niigata Univ ニッケル含有水溶液からのニッケルならびに亜燐酸の回収方法とその装置
JP2010264457A (ja) * 2010-09-03 2010-11-25 National Agriculture & Food Research Organization 排水のリン除去方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2412675A1 (en) Process for isolating vanadium
US3042606A (en) Descaling sea water
JPH0310575B2 (ja)
KR20120024637A (ko) 폐액으로부터의 인산염 효용가치를 회복시키는 방법
US4045340A (en) Method for recovering and exploiting waste of the chromic anhydride production
JPH1085769A (ja) 次亜りん酸イオン、亜りん酸イオンを含有する水性廃液の処理方法及びその廃液処理剤
JP4566463B2 (ja) 無電解ニッケルめっき老化液の処理方法
JPH0310576B2 (ja)
US4380531A (en) Process for preparing phosphorus acid from industrial waste materials
JP3181824B2 (ja) 無電解ニッケルめっき老化液の処理方法
JPH0710973B2 (ja) 金属イオン封鎖キレート化剤組成物の製造方法
JPH0834604A (ja) 有価物の回収方法
JP3105347B2 (ja) リン酸塩スラッジの処理方法
US4330515A (en) Preparation of phosphorous acid from industrial waste material containing phosphites
CN109437316A (zh) 一种纳米级精细铁锌复合氧化物材料的制备方法
JPS6152083B2 (ja)
SU1470663A1 (ru) Способ получени дикальцийфосфата
JPH07206412A (ja) ハイドロキシアパタイトの製造方法
US20070197835A1 (en) Manufacture of oxalic acid dihydrate
JP3786732B2 (ja) 亜リン酸塩含有廃液の処理方法
JPS61120688A (ja) 高濃度廃液の処理方法
JPH0673550A (ja) 無電解めっき老化液の処理方法
JP3334312B2 (ja) 有価物の回収方法
JP6907791B2 (ja) イリジウムの回収方法
JPS581046B2 (ja) クロムメツキ老化液の処理方法