JPH1085555A - 半導体排ガスの除害方法及び除害装置 - Google Patents

半導体排ガスの除害方法及び除害装置

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JPH1085555A
JPH1085555A JP8265297A JP26529796A JPH1085555A JP H1085555 A JPH1085555 A JP H1085555A JP 8265297 A JP8265297 A JP 8265297A JP 26529796 A JP26529796 A JP 26529796A JP H1085555 A JPH1085555 A JP H1085555A
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JP
Japan
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gas
water
exhaust gas
semiconductor
hydrolyzable
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JP8265297A
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English (en)
Inventor
Keiji Imamura
啓志 今村
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Kanken Techno Co Ltd
Original Assignee
Kanken Techno Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PFCを所定以下の濃度にまで低減させ
て除害を図ると共に副生するF2(又は、弗素化合物)
による高温腐食を抑え、除害装置として恒久的に使用出
来るようなものにする事。 【解決手段】 半導体製造工程で排出される半導体排ガ
ス中に含まれる加水分解性ガス又は水溶性ガス或いは加
水分解性ガスと水溶性ガスを水洗除去し、次いで洗浄排
ガス中に含まれている水不溶性の熱分解性ガスを加熱し
て熱分解し、熱分解にて生じた金属腐食性加水分解性ガ
ス又は金属腐食性水溶性ガス或いは金属腐食性加水分解
性ガスと金属腐食性水溶性ガスを水洗除去する事を特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体などの製造に使
用され、半導体製造工程から排出されるNF3、C
26、CF4を代表とする弗化化合物(以下、PFCと
いう。)を含む半導体排ガスの除害装置とその方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】本発明の対象となるPFCは、例えばC
VD装置のような半導体製造装置のクリーニング用ガス
として近年その使用量を増している傾向にあるが、その
使用に当たっては、場合によって使用ガスの50%近く
が未反応のまま半導体製造装置から排出される。NF3
は、COと似た毒性を有し、国際的に定められたTLV
(恕限値)は10ppmであり、環境中への放出に当た
ってはNF3を含む排ガスを予め除害する必要がある。
一方、C26、CF4は広義のフロンガスで、C26
CF4そのものの人体への毒性は明確でないが、地球温
暖化原因ガスとしてそのまま大気放出出来ないものであ
る。
【0003】NF3を除害する方法としては、(a)炭素、
珪素、チタン等をそれぞれ個々に介在させて加熱雰囲気
下で処理する方法や、(b)NH3との共存下で熱分解する
方法等があり、(c)C26、CF4については空気(換言
すれば、酸素)の共存下で酸化分解する方法がある。
【0004】しかしながら、上記各種方法は、特長があ
るものの現実には尚多くの問題を抱えており、使用者側
としては安全に使い切れないという問題がある。例え
ば、(a)方法の『炭素を使用する系』では、NF3+C→
26+CF4+F2+………など多種類の分解ガスが生
じ、これら副生ガスを更に除害する2次除害が必要であ
る。その例を以下に示す。 C26(又はCF4)+02→C02+F2+……… しかも該系では、現実的には十分PFCを分解し切れ
ず、未分解PFCの放出が起こり、除害装置としての性
能も不十分であった。
【0005】上記の1次熱分解及び2次熱分解工程にお
いて、加熱温度を高くするほどPFCの熱分解は促進さ
れるが、副生したF2(又は弗素化合物)が増加し、そ
の高濃度と高温の雰囲気温度との相乗作用により、除害
装置の構成部材の内、金属材料部分が急速に腐食・破壊
され、除害装置として実用には供し得なかった、
【0006】また、NF3の熱分解に当たり、NH3を共
存させる事によってF2(又は弗素化合物)を中和し、
金属材料部分の腐食を抑える事は部分的には可能である
もののNH3供給用の配管を含め、装置の複雑化、NH3
ガスの消耗を含め、処理コストの上昇が避けられないと
いう実用上の問題があった。
【0007】このように除害を目的とする対象ガスの処
理に当たっては、完全な除害処理は当然のことながら、
対象ガスの分解副生ガス、即ち、F2(又は弗素化合
物)による装置そのものの腐食を抑えて恒久的に除害装
置として機能しない限り実用に供し得ない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
したPFCの除害方法及び除害装置において、実用に供
するための幾多の問題を抱えている現状に鑑み、本発明
においては、PFCを所定以下の濃度にまで低減させて
除害を図ると共に副生するF2(又は、弗素化合物)に
よる高温腐食を抑え、除害装置として恒久的に使用出来
るようなものにする事をその解決課題とするものであ
り、装置としては安全、低コスト、単純なシステムによ
り構成される事が必要である。
【0009】
【課題を解決するための手段】『請求項1』に記載の半
導体排ガスの除害方法は「半導体製造工程で排出される
半導体排ガス中に含まれる加水分解性ガス又は水溶性ガ
ス或いは加水分解性ガスと水溶性ガスを水洗除去し、次
いで洗浄排ガス中に含まれている水不溶性の熱分解性ガ
スを加熱して熱分解し、熱分解にて生じた金属腐食性加
水分解性ガス又は金属腐食性水溶性ガス或いは金属腐食
性加水分解性ガスと金属腐食性水溶性ガスを水洗除去す
る」事を特徴とする。
【0010】これによれば、半導体排ガス中に含まれる
有害成分は本発明方法で基準値以下に完全に分解されて
無害化され、そのまま系外に放出する事ができる。
【0011】『請求項2』に記載の半導体排ガスの除害
装置(A)は請求項1に記載の本発明方法を実施する装置
で「半導体製造工程で排出される半導体排ガス中に含ま
れる加水分解性ガス又は水溶性ガス或いは加水分解性ガ
ス又は水溶性ガスを水洗除去するための入口スクラバ
(8)と、入口スクラバ(8)にて水洗された半導体排ガス中
に含まれている水不溶性の熱分解性ガスを加熱して熱分
解する加熱反応部(2)と、熱分解にて生じた金属腐食性
加水分解性ガス又は金属腐食性水溶性ガス或いは金属腐
食性加水分解性ガスと金属腐食性水溶性ガスを水洗除去
する出口スクラバ(9)と、両スクラバ(8)(9)から排出さ
れた洗浄水を収納する受槽(3)とで構成された」事を特
徴とする。
【0012】『請求項3』は加熱反応部(2)をより明確
にしたもので「請求項2の半導体排ガスの除害装置(A)
において、加熱反応部(2)は、筒状の躯体(6)と、入口ス
クラバ(8)に連通し、洗浄排ガスを加熱反応部(2)に導入
する洗浄ガス導入管(12)と、洗浄ガス導入管(12)の周囲
に配設されているヒータ(5)とで構成されており、躯体
(6)の内周面と、ヒータ(5)の外周面並びに洗浄ガス導入
管(12)の加熱反応部(2)における少なくとも外周面をセ
ラミックスとした」事を特徴とし、『請求項4』は受槽
(3)に関するもので「請求項2の半導体排ガスの除害装
置(A)において、受槽(3)の内周面をセラミックスとし
た」事を特徴とする。
【0013】これによれば、加熱反応部(2)内のガス接
触部分及び受槽(3)の内面の腐食成分含有洗浄水との接
触部分がセラミックスによってプロテクトされ、水不溶
性の熱分解性ガスの熱分解によって生じた金属腐食性ガ
スや、前記金属腐食性ガスが溶け込んだ金属腐食性洗浄
水による腐食が防止され、除害装置(A)としての恒久的
使用が保証される事になる。
【0014】『請求項5』はヒータ(5)の表面温度を規
定したもので「請求項3の半導体排ガスの除害装置(A)
において、水不溶性の熱分解性ガスの熱分解時に、ヒー
タ(5)の表面温度が900℃〜1150℃に保持されて
いる」事を特徴とするもので、これにより、洗浄排ガス
の効果的な熱分解が達成され、有害成分濃度を基準値以
下にする事ができる。
【0015】
【実施の形態】以下、本発明の方法および装置について
詳細に説明する。図1は本発明による半導体排ガスの除
害装置(A)の概要を示した図である。本発明で処理の対
象となる排ガスは、代表例を示せば半導体製造工程のク
リーニング処理において発生する、SiF4、F2、HF
など加水分解成分又は水溶性成分と、水不溶性で熱分解
性ののPFCとを含むような半導体排ガスである。勿
論、これらに限られず、SiF4、F2、HF、PFC単
独でもよいし、組み合わされていてもよいし、これ以外
のものでもよいことは言うまでもない。いずれにせよ、
半導体製造工程において排出される排ガスであって、有
害成分を含み、該有害成分が水溶性或いは加水分解性
を示すもの、熱分解性を示すもの、熱分解性有害成
分の熱分解によって発生した副生ガスが水溶性或いは加
水分解性を示すもの、の単独或いはこれらの組み合わせ
であればよい。
【0016】以下、前記代表例に従って本発明方法の概
要を説明する。半導体排ガス中の例えばSiF4、F2
HFなど加水分解成分又は水溶性成分をまず、入口スク
ラバ(8)で水洗除去し、続いて半導体排ガス中に含まれ
ている水不溶性の未分解PFCを主成分とする熱分解性
ガスを熱分解ゾーンにおいて、空気(或いは酸素)の存
在下或いは不存在下において加熱により熱分解し、そこ
で熱分解にて生じたF2(又は弗素化合物)などの金属
腐食性加水分解性ガス又は金属腐食性水溶性ガス或いは
金属腐食性加水分解性ガスと金属腐食性水溶性ガスを出
口スクラバ(9)にて水洗除去し、PFCの濃度が所定値
以下となった処理ガスを系外に放出すると共にF2(又
は弗素化合物)を溶解した排水を系外に放出する。放流
排水は、別途の処理装置に導き、弗素成分を固定化除去
する。
【0017】次に、本発明にかかる半導体排ガス除害装
置(A)の構造に付いて説明する。本発明装置は、大別し
て、入口スクラバ(8)、加熱反応部(2)、出口スク
ラバ(9)、受槽(3)並びに配管系統とで構成される。
【0018】入口スクラバ(8)は、半導体排ガス中に含
まれる例えば前述の加水分解性ガス又は水溶性ガス或い
は加水分解性ガス又は水溶性ガスを水洗除去するための
ものである。また、出口スクラバ(9)は加熱反応部(2)の
熱分解にて生じた加水分解性ガス又は水溶性ガス或いは
加水分解性ガスと水溶性ガスを水洗除去するためのもの
であり、いずれも円筒状のスクラバ本体(8b)(9b)が後述
する受槽(3)の端部にそれぞれ立設されており、その上
部にシャワーノズル(8a)(9a)がそれぞれ設置されてい
る。
【0019】入口スクラバ(8)のスクラバ本体(8b)の天
井部分には、半導体製造装置から導出された排ガス導入
管(1)が接続されており、出口スクラバ(9)のスクラバ本
体(9b)の天井部には排気管(4)が接続されている。
【0020】加熱反応部(2)は、入口スクラバ(8)にて水
洗された洗浄排ガス中に含まれている水不溶性の熱分解
性ガス(例えばPFC)を加熱して熱分解するゾーンで
あり、後述する受槽(3)の中央に立設されている円筒状
の躯体(6)と、入口スクラバ(8)の底部から導出され、躯
体(6)の中心に立設されており、その上端から洗浄排ガ
スが加熱反応部(2)内に放出されるようなっている洗浄
ガス導入管(12)と、躯体(6)の天井部から垂設され、躯
体(6)の中心に立設している洗浄ガス導入管(12)の周囲
に配設されているヒータ(5)とで構成されている。躯体
(6)は最外層の金属製のジャケット(6a)と、ジャケット
(6a)の内側層に設けられた断熱層(6b)と、前記断熱層(6
b)の内側に設けられたセラミックス層(6c)とで構成され
ており、セラミックス層(6c)内が水不溶性の熱分解性ガ
ス(例えばPFC)を加熱して熱分解する加熱ゾーン
(K)となっている。
【0021】セラミックス層(6c)の構造は特に限定され
ないが、本実施例ではAl23:90%以上の耐熱性キ
ャスタブル耐火材料(好ましくはAl23:96%、S
i02:0.1%、他3.9%)で形成されている。加熱
反応部(2)のジャケット(6a)は一般的には、金属材料で
形成されているので、前述のようにその内側に断熱層(6
b)とセラミックス層(6c)の2層が設けられた3層構造と
なっている。
【0022】また、一般的には洗浄ガス導入管(12)はセ
ラミックス(後述する実施例ではα−アルミナ)で形成
されるが、金属材料で形成してもよく、その場合には加
熱反応部(2)に挿入されている部分の少なくとも外面に
はアルミナリッチ(90%以上が好ましい)のセラミッ
クスコーティングがなされる。勿論、内外面全体をセラ
ミックスコーティングとしてもよい。コーティング方法
としては溶射、塗布或いは塗装など各種方法があり最適
の方法が採用される。以下、同じ。
【0023】ヒータ(5)は、外筒の中に発熱体としてニ
クロム線が収納されており、MgO粉体が充填されてい
る。外筒はセラミックス製或いは金属製のものが使用さ
れるが、金属製の場合はその外面にアルミナリッチ(9
0%以上が好ましい)のセラミックスコーティングがな
され、金属面が外部に露出しないようにする。一般的に
は外筒はセラミックスが使用されるが、前記セラミック
スがムライト系のようなものである場合には、Al
23:90%以上のハイアルミナをコーティングする事
になる。
【0024】受槽(3)は、その上面の両端に設置されて
前記入口及び出口両スクラバ(8)(9)から排出された洗浄
水を収納するもので、受槽(3)本体は一般的には金属製
で、その内周面にセラミックスのライニングが施されて
いるか或いはセラミックス・タイルが貼り付けられて耐
食層が形成されている。また、受槽(3)の上部には給水
管(7)が接続され、底部には排水管(13)が接続されてい
る。
【0025】配管系統は、排水管(13)に接続されたポン
プ(10)と、ポンプ(10)によって揚水された洗浄水をシャ
ワーノズル(8a)(9a)に供給する揚水管(14)とで構成され
ており、これら配管系統の内面にもセラミックスコーテ
ィングによる耐食処理がなされている事が好ましい。
【0026】なお、前記したセラミックスの材質は、特
に限定されるものではないが、耐弗素性高温材料として
はAl23が最も好ましいが、高純度の場合は熱衝撃に
弱く、亀裂発生の危険があるので、わずかにSi02
含有されているAl23/Si02系セラミックスが本実
施例では使用される。ただし、ムライト(3Al23
2Si02)までSi02の含有量を増やすと、弗素或い
は弗素化合物による腐食が進行するが、使用時間との兼
ね合いで使用出来る場合もある。また、コージェライト
(2Al23・5Si02・2Mg0)も弗素或いは弗
素化合物に対する耐食性があり、十分使用出来るセラミ
ックス材料である。
【0027】次に、本発明装置の作用について説明す
る。クリーニング処理で半導体製造装置から排出された
半導体排ガスは、排ガス導入管(1)を通り、排ガス導入
管(1)に接続されている希釈ガス導入管(11)から導入さ
れた窒素ガス或いはアルゴンガスなどの不活性ガスによ
って所定濃度まで希釈されて入口スクラバ(8)に導入さ
れる。(勿論、窒素ガスによる希釈の必要がない場合に
はそのまま入口スクラバ(8)に導入される。) この時、ポンプ(10)は作動状態にあり、受槽(3)内の洗
浄水を吸引し、揚水管(14)を通って入口スクラバ(8)と
出口スクラバ(9)のシャワーノズル(8a)(9a)に給水して
おり、各シャワーノズル(8a)(9a)から入口スクラバ(8)
及び出口スクラバ(9)内に噴霧している。
【0028】入口スクラバ(8)では、半導体排ガスと、
前記噴霧水とが共に上から下に向かって併流し、その間
に半導体排ガス中に含まれる前述の加水分解性ガス又は
水溶性ガス或いは加水分解性ガス又は水溶性ガス気−液
接触して水洗除去される。その結果、洗浄排ガスは主と
して水不溶性のNF3、C26、CF4などPFCにて構
成される事になる。一方、半導体排ガスを洗浄した洗浄
水は、そのまま受槽(3)に流入する。
【0029】主とてPFCにて構成される洗浄排ガス
は、洗浄ガス導入管(12)を通って入口スクラバ(8)の底
部から加熱反応部(2)に導かれ、洗浄ガス導入管(12)の
上端から噴出して洗浄ガス導入管(12)の周囲に配設され
ているヒータ(5)に接触しつつ下方に流れる。ヒータ(5)
の表面は洗浄ガスの熱分解に必要な温度に保たれてお
り、ヒータ(5)表面からの熱エネルギを受けて洗浄ガス
は熱分解し、NF3の場合は、N2、NOx、F2、HF
のような分解ガスとなり、C26、CF4はCOx、
2、HFのような分解ガスとなって加熱反応部(2)の底
部開口から受槽(3)内に流出する。
【0030】この分解ガスは、続いて出口スクラバ(9)
の底部開口から内部に流入し、内部を上昇している時
に、前記シャワーノズル(9a)からの噴霧水と向流にて気
−液接触して洗浄され、熱分解によって生成した副生ガ
ス中の加水分解性ガス又は水溶性ガス或いは加水分解性
ガスと水溶性ガスが除去される。そして、出口スクラバ
(9)で洗浄されたガス中のPFCがTLV以下に低減し
た処で、排気管(4)を通って系外に放出される。一方、
出口スクラバ(9)の噴霧水は熱分解ガスを洗浄した後、
そのまま受槽(3)に流入する。
【0031】受槽(3)内の洗浄水の一部は、排水管(13)
を通って引き出され、別途用意した処理装置(図示せ
ず)にて弗素成分を固定化した後、系外に放水する。一
方、前記排水管(13)から排水した量に等しい清浄水(一
般には水道水)が給水管(7)から受槽(3)に給水され、受
槽(3)内の水量は常に一定に保たれるようになってい
る。
【0032】次に、本装置における金属材料のF2(又
は弗素化合物)による腐食と、Al23系セラミックス
の耐食性に付いて説明する。本装置(A)では、加熱反応
部(2)の熱分解で各種ガスが副生する。この副生ガス
(F2又は弗素化合物)は、加熱反応部(2)内で金属と接
触して高温腐食を発生し、受槽(3)では洗浄水に溶け込
んだF2が弗酸となって受槽(3)の金属部分を電気化学的
イオン腐食する事になる。ただし、高温腐食は電気化学
的イオン腐食より桁外れに腐食性が強く、前述のように
躯体(6)内では加熱反応部(2)の構成金属部分が露出しな
いように少なくともAl23を主成分とするセラミック
スコーティングが行われる。
【0033】現状では、副生ガスであるF2又は弗素化
合物に対して600℃以上での雰囲気下で高温腐食に耐
える金属材料はなく、わずかに実験的に純Niが耐え得
るが、工業的はには純Niで装置を構成する事は不可能
である。そこで、ハイニッケル材料を使用する事も考え
られるが、ハイニッケル材料の表面に形成されたNiF
xが耐食材となり、見かけ上、副生ガスに対する保護皮
膜を形成するような挙動を示すが、時間と共に剥離して
行き、常に下部のハイニッケル合金層が副生ガスに曝さ
れるようになりって腐食が進行し結果として実用に耐え
得なくなる。
【0034】これに対して、Al23系セラミックスで
は、高温雰囲気中で副生ガスに接触すると、その極く表
面層が、Al23+F2→AlF3+…となってAlF3
の皮膜を形成する。この皮膜のメルティングポイントは
1040℃で、耐熱性にも優れ、比容積(ml/g)
が、α・Al23(0.252ml/g)とAlF3(0.
325ml/g)とで差が少なく、Al23/AlF3
接着において熱膨張差がなく剥離し難い事が判明し、A
lF3が保護皮膜として働く事が確認された。これは、
金属Ni(及びハイニッケル合金)の使用の場合におけ
るNi/NiFxの接着性とは大きな違いである。
【0035】なお、セラミックス材料中、Si02が増
えると、Si02+F2→SiF4(気化)なる反応が生
じて材料消耗を招く。PFCの熱分解温度は、ヒータ
(5)表面温度900℃〜1150℃、好ましくは950
℃〜1100℃である。900℃以下ではNF3の分解
で排ガス濃度がTLV(恕限度)10ppm以下になら
ず、C26、CF4の分解において、導入ガス濃度の8
0%以上の分解が実現しない。また、1150℃以上の
表面温度にヒータ(5)を保つと、ヒータ(5)のニクロム線
の消耗が激しく、溶断の危険性が高く、長時間連続稼働
に当たって問題を生じやすい。
【0036】[実施例1]外筒表面を96%アルミナで
被覆した外径21mmφ、長さ780mm、1本当たり
の出力が0.84kwの電気ヒータ(5)を18本(合計1
5kw)加熱反応部(2)の中央に同心円状に垂直に配列
し、その中心に外径80mmφで、95%:α−アルミ
ナよりなる洗浄ガス導入管(12)を配置する。かかる構成
よりなる加熱ゾーン(K)において、最外周を厚さ3mm
厚のステンレス板(SUS304)で構成し、その内側
に高温断熱材(商品名 カオウール)を167mmの厚
さで配設し、更にその内側にキャスタブル耐火物(製品
名アサヒライトキャスタ−LC−17)を48mm厚さ
に塗り込んで電気ヒータ(5)を取り巻く有効内径270
mmφの躯体構造とした。かかる構成よりなる本発明除
害装置(A)において、純粋NF3、N2、外気(空気)の
各種合成混合ガスを本発明除害装置(A)に導入し、ヒー
タ(5)表面温度を変化させつつ排ガスの分解を行わせ、
第1表の結果を得た。尚、試験終了後、本発明除害装置
(A)を解体して腐食状況を調べたが、腐食による損傷は
全くなかった。
【0037】 以上の結果、ヒータ(5)表面温度900℃において、N
排ガスはTLV10ppm迄除外され、850℃で
はその限界をはるかに越え、900℃以上では十分なる
熱分解を示した。また、空気(酸素)の存在はNF
除害に支配的な影響を示さなかった。従って、NF
除害に対しては、ヒータ表面温度は950℃で十分であ
る事が判明した。なお、出口スクラバ(9)からの排水p
Hは、3〜4で、HF含有を示した。
【0038】[実施例2]実施例1と同じ本発明除害装
置(A)を使用して純粋C26、N2、外気(空気)の各種
合成混合ガスを本発明除害装置(A)に導入し、ヒータ(5)
表面温度を変化させつつ排ガスの分解を行わせ、第2表
の結果を得た。 26の除害に対しては、排出ガス濃度の絶対値よりも
26除害率を80%以上にする事が当業界の当面の技
術目標とされており、それを指標でみる限り、ヒータ
(5)表面温度の限界点は950℃であり、それ以下では
達成できず、950℃以上、1100℃迄、高温ほど除
害率は向上する。また、空気の存在は酸化分解に寄与し
ている事が明らかであるが、温度効果が支配的であっ
た。排水pHは、3〜4で、HF含有を示した。試験運
転終了後、本発明除害装置(A)を解体して内部の腐食状
況を調べたが、F2(又は弗素化合物)による高温腐
食、電気化学的腐食は全くなかった。
【0039】[比較例1]実施例1の加熱反応部におい
て、ヒータの外筒を21%Ni、残部をFe、Crより
なるハステロイ合金を使用し、加熱ゾーンをキャスタブ
ル耐火物の代わりにSUS304からなる筒状の構造体
(図示せず)で形成し、更に洗浄ガス導入管(12)をSU
S316Lとした装置を使用して、実施例1と同一条件
の中で、排ガス導入時間を3時間、ヒータ表面温度を9
00℃としてNF3の除害試験を行い、室温まで降温さ
せてから装置を解体した処、ヒータの外筒の側面は部分
的にあばた状に凹凸が形成されており、接触すると劈開
する状態となっていた。また、加熱ゾーンを構成するス
テンレス筒及び洗浄ガス導入管は、表面からそれぞれ劈
開状態を呈し、劈開部分が大きくめくれ上がり、材料の
内部まで腐食が進行していた。取り出した破片を分析し
た結果、Fe、Ni、Crの弗化物であることが判明
し、実用に耐え得ないことが証明された。
【0040】[比較例2]実施例1において使用したヒ
ータの外筒の材料を、比較例1にて使用したハステロイ
合金の表面にNi02をコーティングしたセラミツクス
コーティング外筒に替え、その他は実施例1と同じ条件
でNF3ガスの除害試験を行った。実験後、実験装置を
解体すると、セラミツクスコーティングは部分的に脱落
し、外筒の芯に使用していたハステロイ合金にも腐食が
発生していた。
【0041】[実施例3]実施例1に示したセラミック
ス被覆のヒータ(5)の代わりに、外径60mmφのコー
ジェライトタイプ(Al23:60% Mg0:35%
Si02:5%)の外筒を使用し、その中にNi−C
rのリボン状発熱体を内蔵した2.5kw/本の出力を有
するヒータ(5)6本(合計15kw)を同心円状に配置
し、他の条件は実施例1と同一にしてCF4の除害試験
を行い、第3表の結果を得た。
【0042】 実験後、実験装置を解体すると、使用材料の腐食は全く
見られなかった。なお、排水pHは3〜4でHF水を生
成していた。
【0043】
【発明の効果】本発明方法により、半導体排ガス中に含
まれる有害成分は基準値以下に完全に分解されて無害化
され、そのまま系外に放出する事ができるものであり、
本発明除害装置により本発明方法を恒久的且つ安全、低
コストにて実施する事ができ、特に、加熱反応部内のガ
ス接触部分及び受槽の内面の腐食成分含有洗浄水との接
触部分をセラミックス被覆する事によって水不溶性の熱
分解性ガスの熱分解によって生じた金属腐食性ガスや前
記金属腐食性ガスが溶け込んだ金属腐食性洗浄水による
腐食が防止され、除害装置としての恒久的使用が保証さ
れる事になる。なお、水不溶性の熱分解性ガスの熱分解
時に、ヒータの表面温度を900℃〜1150℃に保持
する事により、洗浄排ガスの効果的な熱分解が達成さ
れ、有害成分濃度を基準値以下にする事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体排ガスの除害装置の概要を
示した図
【図2】本発明による半導体排ガスの加熱反応部の拡大
横断面図
【図3】本発明による半導体排ガスの加熱反応部の拡大
縦断面図
【符号の説明】
(1) 排ガス流入管 (2) 加熱反応部 (3) 受槽 (4) 排気管 (5) ヒータ (6) 躯体 (6a) ジャケット (6b) 断熱層 (6c) セラミックス層 (7) 給水管 (8) 入口スクラバ (8a) シャワーノズル (8b) スクラバ本体 (9) 出口スクラバ (9a) シャワーノズル (9b) スクラバ本体 (10) ポンプ (11) 希釈ガス流入管 (12) 洗浄ガス導入管 (13) 排水管 (14) 揚水管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体製造工程で排出される
    半導体排ガス中に含まれる加水分解性ガス又は水溶性ガ
    ス或いは加水分解性ガスと水溶性ガスを水洗除去し、次
    いで洗浄排ガス中に含まれている水不溶性の熱分解性ガ
    スを加熱して熱分解し、熱分解にて生じた金属腐食性加
    水分解性ガス又は金属腐食性水溶性ガス或いは金属腐食
    性加水分解性ガスと金属腐食性水溶性ガスを水洗除去す
    る事を特徴とする半導体排ガスの除害方法。
  2. 【請求項2】 半導体製造工程で排出される
    半導体排ガス中に含まれる加水分解性ガス又は水溶性ガ
    ス或いは加水分解性ガス又は水溶性ガスを水洗除去する
    ための入口スクラバと、入口スクラバにて水洗された洗
    浄排ガス中に含まれている水不溶性の熱分解性ガスを加
    熱して熱分解する加熱反応部と、熱分解にて生じた加水
    分解性ガス又は水溶性ガス或いは加水分解性ガスと水溶
    性ガスを水洗除去する出口スクラバと、両スクラバから
    排出された洗浄水を収納する受槽とで構成された事を特
    徴とする半導体排ガスの除害装置。
  3. 【請求項3】 請求項2の半導体排ガスの除
    害装置において、 加熱反応部は、筒状の躯体と、入口スクラバに連通し、
    洗浄排ガスを加熱反応部に導入する洗浄排ガス導入管
    と、洗浄排ガス導入管の周囲に配設されているヒータと
    で構成されており、躯体の内周面と、ヒータの外周面並
    びに洗浄排ガス導入管の加熱反応部における少なくとも
    外周面をセラミックスとした事を特徴とする半導体排ガ
    スの除害装置。
  4. 【請求項4】 請求項2の半導体排ガスの除
    害装置において、 受槽の内周面をセラミックスとした事を特徴とする半導
    体排ガスの除害装置。
  5. 【請求項5】 請求項3の半導体排ガスの除
    害装置において、 水不溶性の熱分解性ガスの熱分解時に、ヒータの表面温
    度が900℃〜1150℃に保持されている事を特徴と
    する半導体排ガスの除害装置。
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