JP3866404B2 - 半導体排ガスの除害装置 - Google Patents

半導体排ガスの除害装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3866404B2
JP3866404B2 JP04105198A JP4105198A JP3866404B2 JP 3866404 B2 JP3866404 B2 JP 3866404B2 JP 04105198 A JP04105198 A JP 04105198A JP 4105198 A JP4105198 A JP 4105198A JP 3866404 B2 JP3866404 B2 JP 3866404B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
water
exhaust gas
scrubber
heater
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP04105198A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11221437A (ja
Inventor
啓志 今村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanken Techno Co Ltd
Original Assignee
Kanken Techno Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanken Techno Co Ltd filed Critical Kanken Techno Co Ltd
Priority to JP04105198A priority Critical patent/JP3866404B2/ja
Publication of JPH11221437A publication Critical patent/JPH11221437A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3866404B2 publication Critical patent/JP3866404B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体などの製造に使用され、半導体製造工程から排出されるNF3、C26、CF4を代表とする弗化化合物(以下、PFCという。)を含む半導体排ガスの除害装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明明の対象となるPFCは、例えばCVD装置のような半導体製造装置のクリーニング用ガスとして近年その使用量を増している傾向にあるが、その使用に当たっては、場合によって使用ガスの50%近くが未反応のまま半導体製造装置から排出される。
【0003】
NF3は、COと似た毒性を有し、国際的に定められたTLV(恕限値)は10ppmであり、環境中への放出に当たってはNF3を含む排ガスを予め除害する必要がある。
【0004】
一方、C26、CF4は広義のフロンガスで、C26、CF4そのものの人体への毒性は明確でないが、地球温暖化原因ガスとしてそのまま大気放出出来ないものである。
【0005】
NF3を除害する方法としては、(a)炭素、珪素、チタン等をそれぞれ個々に介在させて加熱雰囲気下で処理する方法や、(b)NH3との共存下で熱分解する方法等があり、(c)C26、CF4については空気、O2、O3の共存下で酸化分解する方法がある。
【0006】
しかしながら、上記各種方法は、長所がある反面、現実には尚多くの問題を抱えており、使用者側としては安全に使いこなせないという問題がある。
【0007】
例えば、(a)方法の『炭素を使用する系』では、
NF3+C→C26+CF4+F2+………など多種類の分解ガスが生じ、これら副生ガスを更に除害する2次除害が必要である。その例を以下に示す。
26(又はCF4)+02→C02+F2+………
しかも該系では、現実的には十分PFCを分解し切れず、未分解PFCの放出が起こり、除害装置としての性能も不十分であった。
【0008】
上記の1次熱分解及び2次熱分解工程において、加熱温度を高くするほどPFCの熱分解は促進されるが、副生したF2(又は弗素化合物)が増加し、その高濃度と高温の雰囲気温度との相乗作用により、除害装置の構成部材の内、金属材料部分が急速に腐食・破壊され、除害装置として実用には供し得なかった。
【0009】
また、NF3の熱分解に当たり、NH3を共存させる事によってF2(又は弗素化合物)を中和し、金属材料部分の腐食を抑える事は部分的には可能であるもののNH3供給用の配管を含め、装置の複雑化、NH3ガスの消耗を含め、処理コストの上昇が避けられないという実用上の問題があった。
【0010】
このように除害を目的とする対象ガスの処理に当たっては、完全な除害処理は当然のことながら、対象ガスの分解副生ガス、即ち、F2(又は弗素化合物)による装置そのものの腐食を抑えて恒久的に除害装置として機能しない限り実用に供し得ない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記したPFCの除害手段において、実用に供するための幾多の問題を抱えている現状に鑑み、本発明においては、PFCを所定以下の濃度にまで低減させて除害を図ると共に副生するF2(又は、弗素化合物)による高温腐食を抑え、除害装置として恒久的に使用出来るようなものにする事をその解決課題とするものであり、装置としては安全、低コスト、単純なシステムにより構成される事が必要である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体排ガスの除害装置(A)は、半導体製造工程で排出される半導体排ガス中に含まれる加水分解性ガス又は水溶性ガス或いは加水分解性ガスおよび水溶性ガスを水洗除去するための入口スクラバ(8)と、入口スクラバ(8)にて水洗された洗浄排ガス中に含まれている水不溶性の熱分解性ガスを加熱して熱分解させるとともに弗素または弗素化合物を副生させる加熱反応部(2)と、熱分解にて生じた加水分解性ガス又は水溶性ガス或いは加水分解性ガスおよび水溶性ガスを水洗除去する出口スクラバ(9)と、両スクラバ(8)(9)から排出された洗浄水を収納する受槽(3)とで構成された半導体排ガスの除害装置(A)において、加熱反応部(2)は、筒状の躯体(6)と、入口スクラバ(8)に連通し、洗浄排ガスを加熱反応部(2)に導入する洗浄排ガス導入管(12)と、洗浄排ガス導入管(12)の周囲に配設され、表面温度が800℃〜1400℃に保持されたヒータ(5)とで構成されており、躯体(6)の内周面と、ヒータ(5)の外周面と、洗浄排ガス導入管(12)の加熱反応部における少なくとも外周面はセラミックスであり、ータ(5)の発熱体はPt、Mo、Wの何れかの金属材料又はSiC、MoSi、Cの何れかの非金属材料であり、セラミックスはAlを主成分とした不滲透性セラミックスである事を特徴とする半導体排ガスの除害装置。
【0013】
これによれば、加熱反応部(2)内のガス接触部分がセラミックスによってプロテクトされ、水不溶性の熱分解性ガスの熱分解によって生じた金属腐食性ガスや、前記金属腐食性ガスが溶け込んだ金属腐食性洗浄水による腐食が防止され、除害装置(A)としての恒久的使用が保証される。そして、洗浄排ガスの効果的な熱分解が達成され、有害成分濃度を基準値以下にする事ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の方法および装置について詳細に説明する。図1は本発明による半導体排ガスの除害装置(A)の概要を示した図である。
本発明で処理の対象となる排ガスは、代表例を示せば半導体製造工程のクリーニング処理,エッチング処理において発生する、SiF4、F2、HFなど加水分解成分又は水溶性成分と、水不溶性で熱分解性ののPFCとを含むような半導体排ガスである。
【0015】
勿論、これらに限られず、SiF4、F2、HF、PFC単独でもよいし、組み合わされていてもよいし、これ以外のものでもよいことは言うまでもない。
いずれにせよ、半導体製造工程において排出される排ガスであって、有害成分を含み、▲1▼該有害成分が水溶性或いは加水分解性を示すもの、▲2▼熱分解性を示すもの、▲3▼熱分解性有害成分の熱分解によって発生した副生ガスが水溶性或いは加水分解性を示すもの、の単独或いはこれらの組み合わせであればよい。
【0016】
以下、前記代表例に従って本発明装置を用いた除害方法の概要を説明する。半導体排ガス中の例えばSiF4、F2、HFなど加水分解成分又は水溶性成分をまず、入口スクラバ(8)で水洗除去し、続いて半導体排ガス中に含まれている水不溶性の未分解PFCを主成分とする熱分解性ガスを熱分解ゾーンにおいて、空気(或いは酸素)の存在下或いは不存在下において加熱により熱分解し、そこで熱分解にて生じたF2(又は弗素化合物)などの金属腐食性加水分解性ガス又は金属腐食性水溶性ガス或いは金属腐食性加水分解性ガスと金属腐食性水溶性ガスを出口スクラバ(9)にて水洗除去し、PFCの濃度が所定値以下となった処理ガスを系外に放出すると共にF2(又は弗素化合物)を溶解した排水を系外に放出する。放流排水は、別途の処理装置に導き、弗素成分を固定化除去する。
【0017】
次に、本発明にかかる半導体排ガス除害装置(A)の構造に付いて説明する。本発明装置は、大別して、▲1▼入口スクラバ(8)、▲2▼加熱反応部(2)、▲3▼出口スクラバ(9)、▲4▼受槽(3)並びに▲5▼配管系統とで構成される。
【0018】
入口スクラバ(8)は、半導体排ガス中に含まれる例えば前述の加水分解性ガス又は水溶性ガス或いは加水分解性ガス又は水溶性ガスを水洗除去するためのものである。
【0019】
出口スクラバ(9)は加熱反応部(2)の熱分解にて生じた加水分解性ガス又は水溶性ガス或いは加水分解性ガスと水溶性ガスを水洗除去するためのものであり、いずれも円筒状のスクラバ本体(8b)(9b)が後述する受槽(3)の端部にそれぞれ立設されており、その上部にシャワーノズル(8a)(9a)がそれぞれ設置されている。
【0020】
入口スクラバ(8)のスクラバ本体(8b)の天井部分には、半導体製造装置から導出された排ガス導入管(1)が接続されており、出口スクラバ(9)のスクラバ本体(9b)の天井部には排気管(4)が接続されている。
【0021】
加熱反応部(2)は、入口スクラバ(8)にて水洗された洗浄排ガス中に含まれている水不溶性の熱分解性ガス(例えばPFC)を加熱して熱分解するゾーンであり、後述する受槽(3)の中央に立設されている円筒状の躯体(6)と、入口スクラバ(8)の底部から導出され、躯体(6)の中心に立設されており、その上端から洗浄排ガスが加熱反応部(2)内に放出されるようなっている洗浄ガス導入管(12)と、躯体(6)の天井部から垂設され、躯体(6)の中心に立設している洗浄ガス導入管(12)の周囲に配設されているヒータ(5)とで構成されている。
【0022】
躯体(6)は最外層の金属製のジャケット(6a)と、ジャケット(6a)の内側層に設けられた断熱層(6b)と、前記断熱層(6b)の内側に設けられたセラミックス層(6c)とで構成されており、セラミックス層(6c)内が水不溶性の熱分解性ガス(例えばPFC)を加熱して熱分解する加熱ゾーン(K)となっている。
【0023】
セラミックス層(6c)の構造は特に限定されないが、本実施例ではAl23:90%以上の耐熱性キャスタブル耐火材料(好ましくはAl23:96%、Si02:0.1%、他3.9%)で形成されている。
【0024】
加熱反応部(2)のジャケット(6a)は一般的には、金属材料で形成されているので、前述のようにその内側に断熱層(6b)とセラミックス層(6c)の2層が設けられた3層構造となっている。
【0025】
また、一般的には洗浄ガス導入管(12)はセラミックス(後述する実施例ではα−アルミナ)で形成されているが、金属材料で形成してもよく、その場合には加熱反応部(2)に挿入されている部分の少なくとも外面にはアルミナリッチ(90%以上が好ましい)のセラミックスコーティングがなされる。勿論、内外面全体をセラミックスコーティングとしてもよい。コーティングの方法としては射、塗布或いは塗装など各種方法があり最適の方法が採用される。以下、同じ。
【0026】
ヒータ(5)は、セラミック外筒の中に発熱体として金属系材料の場合はPt,MO,Wの何れかの線状体、非金属系材料の場合はSiC,MoSi2,Cの何れかの成形体が収納せられ、その空間にはN2ガスの封入又は外部空気との連通の状態で使用される。例えば、Mo,W,Cよりなる発熱体の場合はN2封入下で使用し、それ以外の発熱体ではN2封入,空気開放の何れの条件で使用してもかまわない。
【0027】
何れの場合も通電中の発熱体が本件発明の対象たる弗素を分子中に含有するガス、例えばPFC及びその分解ガスと接触させてはならない。そのために、不滲透性のセラミックチューブの外筒の中に収納することを代表例とするが、チューブ外側をセラミックでコーティングした金属製外筒を使用することもできる。この場合のコーティング材はアルミナリッチ(90%以上が好ましい)を使用する。
【0028】
更にチューブ材料としてムライト質,コーディライト質のものも使用可能であり、それら材料の耐久性を考える場合かかるアルミナシリケート,アルミナマグネシアシリケートのチューブ表面をアルミナリッチ材料でコーティングする使用法も可能である。
【0029】
受槽(3)は、その上面の両端に設置されて前記入口及び出口両スクラバ(8)(9)から排出された洗浄水を収納するもので、受槽(3)本体は一般的には金属製で、その内周面にセラミックスのライニングが施されているか或いはセラミックス・タイルが貼り付けられた耐食層が形成されている。また、受槽(3)の上部には給水管(7)が接続され、底部には排水管(13)が接続されている。
【0030】
配管系統は、排水管(13)に接続されたポンプ(10)と、ポンプ(10)によって揚水された洗浄水をシャワーノズル(8a)(9a)に供給する揚水管(14)とで構成されており、これら配管系統の内面にもセラミックスコーティングによる耐食処理がなされている事が好ましい。
【0031】
なお、前記したセラミックスの材質は、耐弗素性高温材料としてはAl23が最も好ましいが、MgO系も好適材として使用できる。Al23材は高純度になる程熱衝撃に弱く、亀裂発生の危険があるので、わずかにSi02が含有されているAl23/Si02系セラミックスが本実施例では使用される。
【0032】
ただし、ムライト(3Al23・2Si02)までSi02の含有量を増やすと、弗素或いは弗素化合物による腐食が進行するが、使用時間との兼ね合いで使用出来る場合もある。また、コージェライト(2Al23・5Si02・2Mg0)も弗素或いは弗素化合物に対する耐食性があり、十分使用出来るセラミックス材料である。
【0033】
次に、本発明装置の作用について説明する。クリーニング処理で半導体製造装置から排出された半導体排ガスは、排ガス導入管(1)を通り、排ガス導入管(1)に接続されている希釈ガス導入管(11)から導入されたN2ガス或いはアルゴンガスなどの不活性ガスによって所定濃度まで希釈されて入口スクラバ(8)に導入される。(勿論、N2ガスによる希釈の必要がない場合にはそのまま入口スクラバ(8)に導入される。)
【0034】
更に、C26,CF4の如き炭素含有PFCで炭素をCO2にして除害する系においては、この希釈ガス導入管(11)より外部空気を計量導入する。
【0035】
除害装置の稼働時はポンプ(10)は作動状態にあり、受槽(3)内の洗浄水を吸引し、揚水管(14)を通って入口スクラバ(8)と出口スクラバ(9)のシャワーノズル(8a)(9a)に給水しており、各シャワーノズル(8a)(9a)から入口スクラバ(8)及び出口スクラバ(9)内に噴霧している。
【0036】
入口スクラバ(8)では、半導体排ガスと、前記噴霧水とが共に上から下に向かって併流し、その間に半導体排ガス中に含まれる前述の加水分解性ガス又は水溶性ガス或いは加水分解性ガス又は水溶性ガス気−液接触して水洗除去される。
【0037】
その結果、洗浄排ガスは主として水不溶性のNF3、C26、CF4などPFCにて構成される事になる。一方、半導体排ガスを洗浄した洗浄水は、そのまま受槽(3)に流入する。
【0038】
主としてPFCにて構成される洗浄排ガスは、洗浄ガス導入管(12)を通って入口スクラバ(8)の底部から加熱反応部(2)に導かれ、洗浄ガス導入管(12)の上端から噴出しテ洗浄ガス導入管(12)の周囲に配設されているヒータ(5)に接触しつつ下方に流れる。ヒータ(5)の表面は洗浄ガスの熱分解に必要な温度に保たれており、ヒータ(5)表面からの熱エネルギを受けて洗浄ガスは熱分解し、NF3の場合は、N2、NOx、F2、HFのような分解ガスとなり、C26、CF4はCOx、F2、HFのような分解ガスとなって加熱反応部(2)の底部開口から受槽(3)内に流出する。
【0039】
この分解ガスは、続いて出口スクラバ(9)の底部開口から内部に流入し、内部を上昇している時に、前記シャワーノズル(9a)からの噴霧水と向流にて気−液接触して洗浄され、熱分解によって生成した副生ガス中の加水分解性ガス又は水溶性ガス或いは加水分解性ガスと水溶性ガスが除去される。そして、出口スクラバ(9)で洗浄されたガス中のPFCがTLV以下に低減した処で、排気管(4)を通って系外に放出される。一方、出口スクラバ(9)の噴霧水は熱分解ガスを洗浄した後、そのまま受槽(3)に流入する。
【0040】
受槽(3)内の洗浄水の一部は、排水管(13)を通って引き出され、別途用意した処理装置(図示せず)にて弗素成分を固定化した後、系外に放水する。一方、前記排水管(13)から排水した量に等しい清浄水(一般には水道水)が給水管(7)から受槽(3)に給水され、受槽(3)内の水量は常に一定に保たれるようになっている。
【0041】
次に、本装置における金属材料のF2(又は弗素化合物)による腐食と、Al23系セラミックスの耐食性について説明する。
本装置(A)では、加熱反応部(2)の熱分解で各種ガスが副生する。この副生ガス(F2又は弗素化合物)は、加熱反応部(2)内で金属と接触して高温腐食を発生し、受槽(3)では洗浄水に溶け込んだF2が弗酸となって受槽(3)の金属部分を電気化学的イオン腐食する事になる。ただし、高温腐食は電気化学的イオン腐食より桁外れに腐食性が強く、前述のように躯体(6)内では加熱反応部(2)の構成金属部分が露出しないように少なくともAl23を主成分とするセラミックスコーティングが行われる。
【0042】
現状では、副生ガスであるF2又は弗素化合物に対して600℃以上での雰囲気下で高温腐食に耐える金属材料はなく、わずかに実験的に純Niが耐え得るが、工業的はには純Niで装置を構成する事は不可能である。そこで、ハイニッケル材料を使用する事も考えられるが、ハイニッケル材料の表面に形成されたNiFxが耐食材となり、見かけ上、副生ガスに対する保護皮膜を形成するような挙動を示すが、時間と共に剥離して行き、常に下部のハイニッケル合金層が副生ガスに曝されるようになりって腐食が進行し結果として実用に耐え得なくなる。
【0043】
これに対して、Al23系セラミックスでは、高温雰囲気中で副生ガスに接触すると、その極く表面層が、Al23+F2→AlF3+…となってAlF3の皮膜を形成する。この皮膜のメルティングポイントは1040℃で、耐熱性にも優れ、比容積(ml/g)が、α−Al23(0.252ml/g)とAlF3(0.325ml/g)とで差が少なく、Al23/AlF3の接着において熱膨張差がなく剥離し難い事が判明し、AlF3が保護皮膜として働く事が確認された。
これは、金属Ni(及びハイニッケル合金)の使用の場合におけるNi/NiFxの接着性とは大きな違いである。
【0044】
尚、セラミックス材料中、Si02が増えると、Si02+F2→SiF4(気化)なる反応が生じて材料消耗を招く(別の見方をすればSiO2がF2及び弗素化合物の吸収材となり、金属材料の保護に役立つことにもなる)。
【0045】
PFCの熱分解温度は、ヒータ(5)表面温度800℃〜1400℃、好ましくは900℃〜1200℃である。800℃以下ではNF3の分解で排ガス濃度がTLV(恕限度)10ppm以下にならず、C26、CF4の分解において、導入ガス濃度の80%以上の分解が実現しない。また、1400℃以上の温度では発熱体自身の消耗が激しくなって実用上好ましくない。
【0046】
[実施例1]
外筒表面を96%α−Al23よりなるセラミック製チューブ内にSiC発熱体を挿入し、加熱反応部(2)に6セット均等位置に縦方向に懸垂した。ヒータの上端は加熱反応部(2)のフランジ部の上端に出ており、チューブ空間は外部空間に開放とした。
6セット配置されたヒータ(5)の中央位置に外径80mmφのα−Al23よりなる洗浄ガス導入管(12)を設置した。
【0047】
かかる構成よりなる加熱ゾーン(K)において、最外周を厚さ3mm厚のステンレス板(SUS304)で構成し、その内側に高温断熱材(商品名:カオウール)を167mmの厚さで配設し、更にその内側にキャスタブル耐火物(製品名:アサヒライトキャスタ−LC−17)を48mm厚さに塗り込んで電気ヒータ(5)を取り巻く有効内径270mmφの躯体構造とした。
【0048】
かかる構成よりなる本発明除害装置(A)において、純粋(100%)NF3、N2、外気(空気)の各種合成混合ガスを本発明除害装置(A)に導入し、ヒータ(5)表面温度を変化させつつ排ガスの分解を行わせ、第1表の結果を得た。
尚、約8時間の試験終了後、本発明除害装置(A)を解体して腐食状況を調べたが、腐食による損傷は全くなかった。
【0049】
Figure 0003866404
【0050】
以上の結果、ヒータ(5)表面温度800℃において、NF排ガスはTLV10ppm迄除外されることが判明した。なお、出口スクラバ(9)からの排水pHは、3〜4で、HF含有を示した。これに対してNH3ガス(100%)10〜12(l/min)を水槽水に供給することによりPHを8〜9にすることができた。NH3ガスを加熱ゾーン(K)に供給しても水槽水のPHは6〜8に保持することができた。
【0051】
[実施例2]
実施例1と同じ本発明除害装置(A)を使用して純粋C26、N2、外気(空気)の各種合成混合ガスを本発明除害装置(A)に導入し、ヒータ(5)表面温度を変化させつつ排ガスの分解を行わせ、第2表の結果を得た。
【0052】
Figure 0003866404
【0053】
26の除害率を95%以上と設定すれば、ヒータ(5)表面温度の限界点は1000℃が一つの目安となる。全風量が増えると除害率は僅かに下がる傾向にあるが1100℃においては充分96%の除害が達成できた。
【0054】
8時間の継続試験終了後、本発明除害装置(A)を解体して内部の腐食状況を調べたが、F2(又は弗素化合物)による高温腐食は全くなかった。
【0055】
[実施例3]
コージライト(Al23 60%,MgO 35%,SiO2 5%)のセラミックチューブに金属Moのリボン状発熱体を懸垂し、内部をN2ガスで封入し、シールしたものを用いた以外は実施例1と同様に装置を組み立て、実施例1と同一条件でCF4の除害試験を行い、第3表の結果を得た。
【0056】
Figure 0003866404
【0057】
ヒータ(5)表面温度が高い程CF4の除害率は上昇するが、95%以上を達成するためには1300℃以上を必要とする。8時間の継続試験後に装置を解体して内部を調べたが、使用材料の腐食は全く見られなかった。
【0058】
【発明の効果】
本発明により、半導体排ガス中に含まれる有害成分は基準値以下に完全に分解されて無害化され、そのまま系外に放出する事ができるものであり、本発明除害装置により本発明方法を恒久的且つ安全、低コストにて実施する事ができ、特に、加熱反応部内のガス接触部分及び受槽の内面の腐食成分含有洗浄水との接触部分をセラミックス被覆する事によって水不溶性の熱分解性ガスの熱分解によって生じた金属腐食性ガスや前記金属腐食性ガスが溶け込んだ金属腐食性洗浄水による腐食が防止され、除害装置としての恒久的使用が保証される事になる。
【0059】
水不溶性の熱分解性ガスの熱分解時に、ヒータの表面温度を800℃〜1400℃に保持する事により、洗浄排ガスの効果的な熱分解が達成され、有害成分濃度を基準値以下にする事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体排ガスの除害装置の概要を示した図。
【図2】本発明による半導体排ガスの加熱反応部の拡大横断面図。
【図3】本発明による半導体排ガスの加熱反応部の拡大縦断面図。
【符号の説明】
(1) 排ガス流入管
(2) 加熱反応部
(3) 受槽
(4) 排気管
(5) ヒータ
(6) 躯体
(6a) ジャケット (6b) 断熱層 (6c) セラミックス層
(7) 給水管
(8) 入口スクラバ
(8a) シャワーノズル (8b) スクラバ本体
(9) 出口スクラバ
(9a) シャワーノズル (9b) スクラバ本体
(10) ポンプ
(11) 希釈ガス流入管(外部空気導入管)
(12) 洗浄ガス導入管
(13) 排水管
(14) 揚水管

Claims (1)

  1. 半導体製造工程で排出される半導体排ガス中に含まれる加水分解性ガス又は水溶性ガス或いは加水分解性ガスおよび水溶性ガスを水洗除去するための入口スクラバと、入口スクラバにて水洗された洗浄排ガス中に含まれている水不溶性の熱分解性ガスを加熱して熱分解させるとともに弗素または弗素化合物を副生させる加熱反応部と、熱分解にて生じた加水分解性ガス又は水溶性ガス或いは加水分解性ガスおよび水溶性ガスを水洗除去する出口スクラバと、両スクラバから排出された洗浄水を収納する受槽とで構成された半導体排ガスの除害装置において、
    加熱反応部は、筒状の躯体と、入口スクラバに連通し、洗浄排ガスを加熱反応部に導入する洗浄排ガス導入管と、洗浄排ガス導入管の周囲に配設され、表面温度が800℃〜1400℃に保持されたヒータとで構成されており、躯体の内周面と、ヒータの外周面と、洗浄排ガス導入管の加熱反応部における少なくとも外周面はセラミックスであり、
    ータの発熱体はPt、Mo、Wの何れかの金属材料又はSiC、MoSi、Cの何れかの非金属材料であり、前記セラミックスはAlを主成分とした不滲透性セラミックスである
    事を特徴とする半導体排ガスの除害装置。
JP04105198A 1998-02-06 1998-02-06 半導体排ガスの除害装置 Expired - Lifetime JP3866404B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04105198A JP3866404B2 (ja) 1998-02-06 1998-02-06 半導体排ガスの除害装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04105198A JP3866404B2 (ja) 1998-02-06 1998-02-06 半導体排ガスの除害装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11221437A JPH11221437A (ja) 1999-08-17
JP3866404B2 true JP3866404B2 (ja) 2007-01-10

Family

ID=12597616

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04105198A Expired - Lifetime JP3866404B2 (ja) 1998-02-06 1998-02-06 半導体排ガスの除害装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3866404B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0101769D0 (en) 2001-01-24 2001-03-07 Ineos Fluor Ltd Decomposition of fluorine compounds
KR100452950B1 (ko) * 2001-03-16 2004-10-15 영진아이엔디(주) 반도체 제조에 사용되는 폐 가스 처리용 스크러버 및 그제조방법
US6602323B2 (en) 2001-03-21 2003-08-05 Samsung Electronics Co., Ltd. Method and apparatus for reducing PFC emission during semiconductor manufacture
JP4707926B2 (ja) * 2002-12-28 2011-06-22 株式会社アネモス 気体中の異種物質の除去装置
DE10324935B4 (de) * 2003-06-03 2009-11-19 Hueck Folien Gesellschaft M.B.H. Verfahren zur Herstellung eines Prägezylinders und die Verwendung des hergestellten Prägezylinders
WO2006062264A1 (en) * 2004-12-08 2006-06-15 M.A.T. Co., Ltd. Gas scrubbing method using electric energy and fossil fuel and gas scrubber thereof
JP5940482B2 (ja) * 2013-04-04 2016-06-29 小池酸素工業株式会社 水スクラバ及び排ガスの処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11221437A (ja) 1999-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI448324B (zh) Pesticide Removal Method and Its Device for Zinc Chloride
JP4153942B2 (ja) 廃ガス処理装置
JP5307556B2 (ja) ガス処理装置
JP3866404B2 (ja) 半導体排ガスの除害装置
JP2003010638A (ja) プラズマ排ガス処理方法と該方法を利用した排ガス放電処理塔ならびに前記プラズマ排ガス処理塔を搭載した排ガス処理装置
JP2009082893A (ja) 排ガス処理装置
JP4172938B2 (ja) 排ガスの処理方法および処理装置
JPH1085555A (ja) 半導体排ガスの除害方法及び除害装置
JP2007059061A (ja) 電気ヒータおよび該ヒータを用いた半導体排ガス処理装置
JPH11333247A (ja) 半導体製造排ガスの除害方法及び除害装置
JP4174396B2 (ja) 排ガス導入構造および該構造を用いた排ガス処理装置
JP3242875B2 (ja) 排ガス除害装置及び排ガスの除害方法
JP3636617B2 (ja) パーフルオロカーボンガスの除去方法及び除去装置
JP4629967B2 (ja) N2o含有排ガスの処理方法およびその装置
JP3215074B2 (ja) 半導体製造排ガスの除害方法と除害装置
JP2002153726A (ja) 排ガス処理装置
JP3936455B2 (ja) 高温腐食性ガス体の除害装置及び除害方法
KR20230116036A (ko) 반도체 제조 배기가스 처리 장치
JP2001179051A (ja) 水素含有排ガスの除害方法及び除害装置
JP4937548B2 (ja) パーフルオロカーボンガスの除害方法及び除害装置
KR100664805B1 (ko) 가스 스크러버의 폐가스 처리장치 및 방법
WO2023084595A1 (ja) ガス処理炉及びこれを用いた排ガス処理装置
WO2022208901A1 (ja) 半導体製造排ガスの処理装置
JP3817428B2 (ja) 過弗化物の分解処理装置
JP4828722B2 (ja) 除害装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060320

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060404

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060602

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060912

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061005

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101013

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101013

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111013

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121013

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121013

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131013

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term