JPH1085484A - 電気洗濯機 - Google Patents

電気洗濯機

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Publication number
JPH1085484A
JPH1085484A JP8242905A JP24290596A JPH1085484A JP H1085484 A JPH1085484 A JP H1085484A JP 8242905 A JP8242905 A JP 8242905A JP 24290596 A JP24290596 A JP 24290596A JP H1085484 A JPH1085484 A JP H1085484A
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JP
Japan
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cylinder
piston
outer frame
washing machine
tank
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Pending
Application number
JP8242905A
Other languages
English (en)
Inventor
Doshu Ida
道秋 井田
Yukishi Takagi
亨之 高木
Shuji Aida
修司 会田
Kihachiro Tanaka
基八郎 田中
Tamotsu Shikamori
保 鹿森
Hiroshi Osugi
寛 大杉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1085484A publication Critical patent/JPH1085484A/ja
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  • Main Body Construction Of Washing Machines And Laundry Dryers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】脱水を行う洗濯機において、その吊り棒機構の
構成を変更することによって、外槽の沈み込み量を小さ
くしてコンパクトを図ると共に、低騒音化を図ったコン
パクト大容量洗濯機を得る。 【解決手段】洗濯機に、常時摺動する第1のシリンダ1
7a及びピストン18aと、外槽が大きく沈み込んだと
きに摺動する第2のシリンダ17b,14b及びピスト
ン18bとを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は脱水洗濯機に備えら
れる外槽を外枠に支持する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】洗濯兼脱水槽である内槽を内包する外槽
を外枠に支持する技術としては、特開昭51−1160
64号公報に記載された防振装置がある。この防振装置
は、吊り棒(支持棒)を介して外槽を外枠に吊り下げて
いる。この構造においては、下方を開放し上部に吊り棒
が貫通する貫通孔を有する釣り鐘状のケースに外槽を結
合し、このケースを貫通する吊り棒の下端にストッパを
設けている。このストッパはばね受けを兼ねており、釣
り鐘状のケースの内側上端部とばね受との間に圧縮ばね
が設けられている。そして、圧縮ばねには、内槽内に洗
濯物や水が入れられると、外槽を介して釣り鐘状のケー
スをストッパに対して下方に押し下げる荷重が作用する
構造になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術では、
内槽内に洗濯物や水を入れたときの外槽の沈み込み量
と、圧縮ばねの剛性、すなわちばね係数と、この圧縮ば
ねの運動に付与すべき減衰(減衰力、減衰効果)につい
ては、考慮されていなかった。
【0004】すなわち、洗濯機の小型化のためには、内
槽が空の状態(無負荷、或いは荷重ゼロの状態)から最
大の負荷、或いは最大の荷重が加えられた状態になった
ときの外槽の沈み込み量を、できるだけ小さくすること
が好ましい。外槽の沈み込み量を小さくすれば、外槽の
下側に設けなければならない空間を狭くすることがで
き、洗濯機の高さを低くすることができる。このとき、
洗濯機の上方に乾燥機等を配置する場合には、乾燥機を
より低い位置に配置することができ、操作性(使い勝
手)或いは安全性の面から非常に好ましい。
【0005】このためには、上記防振装置のように圧縮
ばねを用いるものでは、圧縮ばねの剛性を大きくする必
要がある。しかし、圧縮ばねの剛性を大きくすると、特
に脱水過程の回転速度の増速中に生じる共振振幅が大き
くなる。共振振幅が大きくなると、洗濯機の耐久性が悪
くなったり、外槽と外枠との間隔を大きくするために、
洗濯機の幅及び奥行きを大きくしなければならない等の
問題が生じる。
【0006】そこで、共振時の振幅を小さくするため
に、圧縮ばねの振動に付与する減衰を大きくする必要が
ある。しかし、減衰を大きくすると、定格回転数を含
む、共振点を越えた高い回転数(回転速度)域で、外槽
側から外枠側への、すなわち防振装置における振動の伝
達効率を高めることになり、振動による騒音が大きくな
るという問題がある。すなわち、共振点を越えた高い回
転数(回転速度)域では、減衰を小さくすることが好ま
しい。
【0007】そこで本発明の目的は、洗濯と脱水を行う
洗濯機、すなわち脱水洗濯機において、特に高さ方向に
おける小型化、すなわちコンパクト化と低騒音化を図る
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、外枠と、この外枠に支持される外槽と、
この外槽に内包されて回転駆動される内槽と、この内槽
の底部中央で回転駆動される撹拌翼とを備える電気洗濯
機において、外槽を外枠に支持する支持手段を、復元力
を有して伸縮する伸縮手段と、この伸縮手段の伸縮動作
に減衰を付与する減衰手段とを備えて構成し、この減衰
手段による減衰を、低回転数側で大きく、高回転数側で
小さくする。
【0009】このとき、回転速度の増速中に存在する最
も大きな、或いは問題となる共振点で、最も高い回転数
(回転振動数)域にあるものを越えてから、減衰手段の
減衰が変化することが好ましい。
【0010】減衰手段による減衰を低回転数側で大きく
することにより、共振点における振動振幅を減衰効果に
よって小さく抑えることができるので、支持手段の剛
性、すなわち、圧縮ばね等のばねを用いた場合にはばね
係数を大きくすることが可能になり、外槽の沈み込み量
を小さくすることができる。また、減衰手段による減衰
を高回転数側で小さくすることにより、高回転数側、或
いは定格(定常)回転数での外槽側から外枠側への振動
の伝達効率小さくして、振動の伝達を抑えることができ
る。従って、振動騒音、特に定格回転数域での振動騒音
を小さくすることができる。
【0011】以下に、本発明の好ましい態様を、具体的
に列挙する。
【0012】(a)外枠と、この外枠に支持される外槽
と、この外槽に内包されて回転駆動される内槽と、この
内槽の底部中央で回転駆動される撹拌翼とを備える電気
洗濯機において、外槽を外枠に支持する支持手段は、復
元力を有して伸縮する伸縮手段と、この伸縮手段の伸縮
動作に減衰を付与する減衰手段とを備え、前記減衰手段
は、常時機能する第1の減衰手段と、脱水工程における
内槽の回転起動時に機能し、定格回転時には機能しない
第2の減衰手段とを備える。
【0013】(b)外枠と、この外枠に支持される外槽
と、この外槽に内包されて回転駆動される内槽と、この
内槽の底部中央で回転駆動される撹拌翼とを備える電気
洗濯機において、外槽を外枠に支持する支持手段は、ば
ねとこのばねの他に減衰を付与する減衰手段とを有する
防振手段を備え、前記減衰手段の減衰力は、前記内槽内
に定格の洗濯物と水を入れた状態で前記内槽を回転させ
たときの方が、内槽を空の状態で回転させたときよりも
大きいことを特徴とする。
【0014】(c)外枠と、この外枠に支持される外槽
と、この外槽に内包されて回転駆動される内槽と、この
内槽の底部中央で回転駆動される撹拌翼とを備える電気
洗濯機において、外槽を外枠に支持する支持手段は、ば
ねとこのばねの他に減衰を付与する減衰手段とを有する
防振手段を備え、前記減衰手段の減衰力は、脱水工程に
おいて前記内槽内に定格の洗濯物を入れた状態で前記内
槽を回転させるとき、回転起動時の方が定格回転数に達
したときよりも大きいことを特徴とする。
【0015】(d)外枠と、この外枠に支持される外槽
と、この外槽に内包されて回転駆動される内槽と、この
内槽の底部中央で回転駆動される撹拌翼とを備える電気
洗濯機において、外槽を外枠に支持する支持手段は防振
手段を備え、この防振手段は、第1のシリンダと、この
第1のシリンダの中で前記第1のシリンダと摺動する第
1のピストンと、この第1のピストンと前記第1のシリ
ンダとの間にこれらの摺動する方向に復元力を持って伸
縮する伸縮部材と、前記第1のシリンダまたは前記第1
のピストンのいずれか一方の側に第2のシリンダと、他
方の側にこの第2のシリンダの中で前記第2のシリンダ
と摺動する第2のピストンとを備え、前記第2のピスト
ンを、前記支持手段に作用する荷重が増加したときに変
位する向きに初期位置から所定の距離以上変位している
ときに、第2のシリンダと摺動するように構成し、前記
第1のシリンダを前記外槽または外枠のいずれか一方に
連接し、他方に前記第1のピストンを連接する。
【0016】第1のピストン及びシリンダは、摺動によ
る摩擦抵抗によって、伸縮部材による運動(振動)に減
衰を与える。第2のピストン及びシリンダは、負荷(荷
重)が大きくなると互いに摺動し、伸縮部材による運動
(振動)に減衰を与える。脱水工程にあって、内槽の回
転に伴って脱水が進み、負荷が軽減されると第2のピス
トン及びシリンダは、離れることによって摺動しなくな
り、伸縮部材による運動(振動)に減衰を与えなくな
る。
【0017】(e)外枠と、この外枠に支持される外槽
と、この外槽に内包されて回転駆動される内槽と、この
内槽の底部中央で回転駆動される撹拌翼とを備える電気
洗濯機において、外槽を外枠に支持する支持手段は防振
手段を備え、この防振手段は、第1のシリンダと、この
第1のシリンダの中で前記第1のシリンダと摺動する第
1のピストンと、この第1のピストンと前記第1のシリ
ンダとの間に圧縮ばねと、前記第1のシリンダまたは前
記第1のピストンのいずれか一方の側に第2のシリンダ
と、他方の側にこの第2のシリンダの中で前記第2のシ
リンダと摺動する第2のピストンとを備え、前記第2の
ピストンは、初期位置から所定の距離以上変位している
ときに、第2のシリンダと摺動するように構成され、前
記圧縮ばねは、前記第1のシリンダ及び前記第1のピス
トンによって常に圧縮されている第1の圧縮ばねと、前
記第1のピストンが前記第1のシリンダに対して初期位
置から所定の距離以上変位しているときに圧縮される第
2の圧縮ばねとを備え、前記第1のシリンダを前記外槽
または外枠のいずれか一方に連接し、他方に前記第1の
ピストンを連接する。
【0018】(f)外枠と、この外枠に支持される外槽
と、この外槽に内包されて回転駆動される内槽と、この
内槽の底部中央で回転駆動される撹拌翼とを備える電気
洗濯機において、外槽を外枠に支持する支持手段は、吊
り棒と、防振手段とを備え、前記吊り棒は、上方に位置
する端を前記外枠の上部に連接され、下方に位置する端
に防振手段を備え、前記防振手段は、第1の円筒状部材
と、第1の摺動部材と、圧縮ばねと、摺動リングと、第
2の摺動部材とを具備して成り、前記第1の円筒状部材
は、上部に前記吊り棒の貫通孔を有し、下方側の面を開
口し、前記外槽に連接されており、前記第1の摺動部材
は、前記吊り棒の下方の端に連接されて、前記第1の円
筒状部材の内周面と摺動するよう構成されており、前記
圧縮ばねは、前記第1の円筒状部材の上部内側の端面と
前記第1の摺動部材の上面とに両端を接するように備え
られ、前記摺動リングは、前記第1の円筒状部材または
前記第1の摺動部材のいずれか一方の側に備えられ、前
記第2の摺動部材は、前記第1の円筒状部材または前記
第1の摺動部材のうち、前記摺動リングが備えられない
側に備えられ、前記摺動リングと前記第2の摺動部材と
は、前記第2の摺動部材が、前記摺動リングに対して初
期位置から所定の距離以上変位しているときに、前記摺
動リングと摺動するように構成されている。
【0019】(g)外枠と、この外枠に支持される外槽
と、この外槽に内包されて回転駆動される内槽と、この
内槽の底部中央で回転駆動される撹拌翼とを備える電気
洗濯機において、外槽を外枠に支持する支持手段は、吊
り棒と、防振手段とを備え、前記吊り棒は、上方に位置
する端を前記外枠の上部に連接され、下方に位置する端
に防振手段を備え、前記防振手段は、第1の円筒状部材
と、第1の摺動部材と、圧縮ばねと、摺動リングと、第
2の摺動部材とを具備して成り、前記第1の円筒状部材
は、上部に前記吊り棒の貫通孔を有し、下方側の面を開
口し、前記外槽に連接されており、前記第1の摺動部材
は、前記吊り棒の下方の端に連接されて、前記第1の円
筒状部材の内周面と摺動するよう構成されており、前記
圧縮ばねは、前記第1の円筒状部材及び前記第1の摺動
部材によって常に圧縮されている第1の圧縮ばねと、前
記第1の摺動部材が前記第1の円筒状部材に対して初期
位置から所定の距離以上変位しているときに圧縮される
第2の圧縮ばねとを備え、前記摺動リングは、前記第1
の円筒状部材または前記第1の摺動部材のいずれか一方
の側に備えられ、前記第2の摺動部材は、前記第1の円
筒状部材または前記第1の摺動部材のうち、前記摺動リ
ングが備えられない側に備えられ、前記摺動リングと前
記第2の摺動部材とは、前記第2の摺動部材が、前記摺
動リングに対して初期位置から所定の距離以上変位して
いるときに、前記摺動リングと摺動するように構成され
ている。
【0020】この態様では、第2の圧縮ばねが機能する
ことによって、第1及び第2の圧縮ばねからなる全体の
ばね剛性が高くなったとき、摺動リングと第2の摺動部
材との摩擦抵抗による減衰を付与することによって、第
1及び第2の圧縮ばねによる運動(振動)に大きな減衰
を付与することができる。このとき、第2の圧縮ばね
と、摺動リングと第2の摺動部材との摩擦抵抗とは、必
ずしも同じタイミングで作用させる必要はない。
【0021】(h)外枠と、この外枠に支持される外槽
と、この外槽に内包されて回転駆動される内槽と、この
内槽の底部中央で回転駆動される撹拌翼とを備える電気
洗濯機において、外槽を外枠に支持する支持手段は防振
手段を備え、この防振手段は、第1のシリンダと、この
第1のシリンダの中で前記第1のシリンダと摺動する第
1のピストンと、この第1のピストンに互いに連通した
流路を有する第2及び第3のシリンダと、一端が前記第
2のシリンダ内に挿入された第2のピストンと、前記第
3のシリンダに挿入された第3のピストンと、前記第2
及び第3のシリンダ内に前記第2及び第3のピストンに
よって封入された非圧縮性の流体と、前記第1のシリン
ダと前記第3のピストンとの間に圧縮ばねとを備え、前
記第2のピストンを、前記第1のピストンが前記第1の
シリンダに対して初期状態から所定の距離以上変位した
ときに、前記第2のシリンダ内に挿入されたのと反対側
の端が前記第1のシリンダの内側端面と接するように構
成し、前記第1のシリンダを前記外槽側に連接し、前記
第1のピストンを前記外枠側に連接すると共に、前記第
1のピストンを、前記第1のシリンダに対して、前記支
持手段に作用する荷重が増加するときに前記圧縮ばねを
圧縮する向きに変位するように構成する。
【0022】この態様によれば、第1のピストンが第1
のシリンダに対して初期状態から所定の距離以上変位し
て、第2のピストンは第1のシリンダの内側端面によっ
て押され、このとき、第2及び第3のピストンと、これ
らのピストンによって第2及び第3のシリンダ内に封入
された非圧縮性の流体とによって、さらなる減衰が得ら
れる。
【0023】(i)外枠と、この外枠に支持される外槽
と、この外槽に内包されて回転駆動される内槽と、この
内槽の底部中央で回転駆動される撹拌翼とを備える電気
洗濯機において、外槽を外枠に支持する支持手段は、常
時摺動する一対の摺動部材と、定格の洗濯物を脱水する
工程の起動時に摺動し、1000rpm以上の回転数で
摺動不能な位置に分離される一対の摺動部材を備える。
【0024】これによって、200〜300rpm付近
にある共振点での振動振幅を大きな減衰効果で抑制し、
かつ1000rpm以上の回転数域で外槽から外枠への
振動伝達を低減し、振動騒音を低減することができる。
従って、ばね剛性を大きくでき、外槽の沈み込み量を小
さくできる。
【0025】以上の各態様について、シリンダとは、円
筒形状に限らず、広く中空の胴体(本体)を持つ構造物
で、その内部でピストンが往復運動できるものを指すも
のとする。またピストンとは、前記のシリンダの中で往
復運動するものであり、全体がシリンダの中に挿入され
るものの他、一部をシリンダの中に挿入するものも含む
ものとする。しかし、シリンダは円筒形状、ピストンも
摺動方向から見た外形が円形であることが好ましい。
【0026】また、シリンダ或いはピストンの外周面に
摺動面を構成する摺動リングを形成或いは別部材で備え
てもよい。円筒状部材とこの中で摺動する摺動部材につ
いても同様である。
【0027】上記の「所定の距離」とは、第2のピスト
ンと第2のシリンダとが摺動することによって減衰効果
(減衰力)を高める範囲を決定するためのもので、洗濯
物の量や、洗濯機個々の共振特性を考慮した上で、最も
効率よく沈み込み量を小さくし、かつ低騒音化できるよ
うに決めればよい。洗濯物の量は使用者によって決めら
れるものであり、布質によっても荷重は異なるため、洗
濯機の評価に使用されるGIS布を基準として、定格容
量の洗濯物を入れた状態で評価してもよい。このとき、
少なくとも脱水工程の回転起動時では摺動し、定格回転
時には離れるような間隔とすることが好ましい。さらに
好ましくは、最も大きな振動振幅を生じる共振周波数を
越えたあとに洗濯物によって支持手段に作用する平均的
な荷重を求め、この荷重よりも大きな荷重が作用すると
きに、第2のピストン及びシリンダが摺動するように間
隔を定めると良い。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図1,2
及び図3により説明する。
【0029】図1は本発明の一実施例である脱水洗濯機
の側方から見た縦断面図を示す。この図では,本発明の
主要素である吊り棒機構と洗濯機の基本構成要素のみに
ついて記載し,その他の要素例えばパネルスイッチ等は
省略し図示していない。
【0030】本実施例の洗濯機は、外枠1と、この外枠
に吊り棒2を介して弾性支持されている合成樹脂製の外
槽3と、この外槽に内装された内槽5とを備えて構成さ
れている。内槽5の上部には、不釣合いをキャンセルす
るための流体バランサー12が、また内槽5の底部中央に
は撹はん翼4を備える。さらに、内槽5はフランジ6に
よってクラッチ7の軸に支持され、クラッチ7及びモー
タ8は取付板9によって外槽3に保持されている。この
取付板9には、その他、コンデンサー10、モータとクラ
ッチ間のトルク伝達を行うプーリ・ベルト系11、排水用
のポンプ22が保持されている。
【0031】そして、洗濯時には撹はん翼4が、脱水時
には内槽5が回転駆動されるように、クラッチ7で切り
換えられ、モータ8によりプーリ・ベルト系11を介して
回転駆動される。
【0032】次に、図2を用いて、外槽を外枠に支持す
る支持手段について説明する。
【0033】図2は、吊り棒を用いた支持手段(機構)
の一実施例の縦断面図を示している。吊り棒2は、その
上方に位置する端部に外枠に摺動可能に連接するための
スライダー13を備え、下方に位置する端部に防振手段
を備えている。
【0034】この防振手段は、下端を開放し、上端部に
中央に吊り棒2が貫通する貫通孔を有する第一シリンダ
ー17aと、この第一シリンダー17aに内包され、第一
シリンダー17aの上方から前述の貫通孔を貫通して下
方に延びた吊り棒の下端部に連接された第一ピストン1
8aと、第一ばね19a(圧縮ばね)と、第一ばね19a
(圧縮ばね)の内側に第二ばね19bを備える。
【0035】第一ピストン18aは、第一シリンダー1
7aの内周面と摺動する第一摺動リング14aと、第一ば
ね座面15a及び第二ばね座面15bを有するばね座15
と、このばね座15を外接して持つばね受け16とによ
って構成されている。さらに、この第一ピストン18a
には、ばね受け16の内側に、第二シリンダー17bが
備えられ、この第二シリンダ17bの上端部とばね座1
5との間に挟設されるように第二摺動リング14bが設
けられている。
【0036】第一シリンダー17aには、上部内側の端
面に、第一ばね19a及び第二ばね19bのばね座15c
及び15dと、第二シリンダー17b内に挿入されて第二
摺動リング14bと摺動する第二ピストン18bが形成さ
れている。無負荷(初期)の状態では、第二摺動リング
14bと第二ピストン18bとの間には、所定の間隔が設
けられている。この所定の間隔は、例えば、脱水工程に
おいて、内槽内の定格量の内容物(洗濯物)が有する平
均的な重量によって防振手段が受ける荷重を考慮して、
少なくとも定格回転数に達した時点で、第二摺動リング
14bから第二ピストン18bが離れるように設計しても
よい。できれば、定格回転数に達した時点ではなく、共
振点を通過して共振による振動振幅が小さくなる回転数
に達する時点を基準にしてもよい。
【0037】また、第一ばね19aは圧縮ばねであり、
無負荷(初期)状態で、ばね座15cと15aとに両端
部をそれぞれ接するように設けられている。また、第二
ばね19aは、第一ばね以上の剛性を持つと共に、第一
ばねよりも自由長の短い圧縮ばねであり、無負荷(初
期)状態で、ばね座15bには接しているが、ばね座1
5dには接しない状態、すなわちばね座15dと所定の
間隔をもって設けられている。
【0038】このときの所定の間隔は、後述するよう
に、避共振の観点から設計することが好ましい。
【0039】また、第一シリンダー17a、第一摺動リ
ング14aの摺動面、第一ばね座面15a、第二ばね座面
15b、第二シリンダー17b、第二摺動リング14b
は、吊り棒2を中心として同心円状に構成されている。
【0040】次に、図2及び図3を用いて、吊り棒機構
の作用についで説明をする。
【0041】負荷が軽いときは、図2に示すように、第
一シリンダー17aを介して第一ばね19aのみで荷重を
支持し、第一ピストン18a上の第一摺動リング14aと
第一シリンダー17a間で摩擦減衰を得る構成となって
いる。また、図3に示すように所定以上の負荷荷重がか
かると、第一ばね19aが縮み、第二ばね19bと並列で
荷重を支持することになる。このとき、第二シリンダー
17bに第二ピストン18bが挿入されることによって、
上記の摩擦減衰に加えて、第一ピストン18a上の第二
摺動リング14bによる摩擦減衰が得られる。この結
果、負荷に応じたばね剛性と減衰が得られる。
【0042】また、第一ピストン18a及び第一シリン
ダー17aと吊り棒2の貫通部隙間と長さを流体のシー
ルが可能な隙間及び長さとすること、あるいは、第一ピ
ストン18a及び第一シリンダー17aと吊り棒2の貫通
部隙間にシール27を設けること、またはそれに加えて
第一ピストン18aあるいは第一シリンダー17aに流体
が通過可能な小さな穴28を少なくとも1個以上設ける
ことにより、流体の粘性を利用した減衰も得られること
になる。
【0043】この結果、全自動脱水洗濯機の脱水運転に
おける問題が解決される。負荷が大きい起動時の共振振
幅問題は上記の減衰増大により低共振振幅化が達成さ
れ、負荷が軽い定常回転時には小さな減衰となり外枠1
などへの振動伝達が抑制され低騒音化が達成される。ま
た、負荷が大きいとき並列ばねで荷重を支持するため第
一シリンダーのストローク量は小さくてすみ、無負荷時
と負荷時のストローク差の小さい吊り棒機構が達成さ
れ、洗濯機高さの低高化が達成される。
【0044】よって、上記の低共振振幅化による外槽3
と外枠1間の小隙間化と、洗濯機高さの低高化により、
洗濯機のコンパクト大容量化が図られる。
【0045】また、本実施例でのシリンダー及びピスト
ン並びにばね座及びばね受けは、例えば樹脂成型加工が
容易なように、円筒形状を基本形状とし、円筒中心軸に
沿った型抜きが可能な形状としている。この結果、製作
コストの低減が図れる。これはまた、旋盤加工などの機
械加工も容易であることを示しており、樹脂製品以外で
も本来の目的は達成される。
【0046】次に、図4及び図5により支持手段の第二
の実施例の説明をする。
【0047】図4は吊り棒を用いた支持手段(機構)の
第二の実施例の縦断面図を示している。図に示すよう
に、吊り棒2は、その上方に位置する端部に外枠に摺動
可能に連接するためのスライダー13を備え、下方に位
置する端部に防振手段を備えている。
【0048】この防振手段は、下端を開放し、上端部に
中央に吊り棒2が貫通する貫通孔を有する第一シリンダ
ー17aと、この第一シリンダー17aに内包され、第一
シリンダー17aの上方から前述の貫通孔を貫通して下
方に延びた吊り棒の下端部に連接された第一ピストン1
8aと、圧縮ばね19とを備える。
【0049】第一ピストン18aは、第三シリンダ17
cと、この内側に内包された第二シリンダ17bと、第
三シリンダ17cに挿入され、摺動リング14とばね座
15とが設けられた第三ピストン18cと、第二シリン
ダ17bに挿入された第二ピストン18bとを備える。
ここで、第三ピストン18cはばね受け16を兼ねてお
り、摺動リング14は第一シリンダ17aの内周面と摺
動する。
【0050】また、第三シリンダ17cと第二シリンダ
17bには、非圧縮性の流体21が封入されており、第
三シリンダ17cと第二シリンダ17bの底部には、流
体21が行き来する流体通路(連通路)が設けられてい
る。
【0051】また、第二ピストン18bは固定されてお
らず、無負荷(初期)の状態では、その上端と第一シリ
ンダ17aの上部内側の端面との間に所定の間隔をもつ
ように構成されている。
【0052】この所定の間隔は、例えば、脱水工程にお
いて、内槽内の定格量の内容物(洗濯物)が有する平均
的な重量によって防振手段が受ける荷重を考慮して、少
なくとも定格回転数に達した時点で、第一シリンダ17
aの上部内側の端面から第二ピストン18bが離れるよ
うに設計してもよい。できれば、定格回転数に達した時
点ではなく、共振点を通過して共振による振動振幅が小
さくなる回転数に達する時点を基準にしてもよい。
【0053】第一シリンダー17aには、上部内側の端
面に、圧縮ばね19のばね座15eが形成されており、
圧縮ばね19は、無負荷(初期)状態で、ばね座15と
15eとに両端部をそれぞれ接するように設けられてい
る。
【0054】また、第一シリンダー17a、摺動リング
14の摺動面、ばね座面15、15e、第二シリンダー
17b、第二ピストン18b、第三シリンダ17c,第
三ピストン18c、圧縮ばね19、摺動リング14b
は、吊り棒2を中心として同心に構成されている。この
とき、第二及び第三のシリンダの構成は、第一のピスト
ンに第二及び第三のピストンがそれぞれ挿入される溝
(溝部)が同心円状に形成、或いは構成されているとみ
なすこともできる。
【0055】なお、本実施例では、第二ピストンと第二
シリンダー間及び第三ピストンと第三シリンダー間にシ
ールを設けていないが、シールを設けても本来の目的は
達成される。また、図6に示すように、前記第二シリン
ダー17b及び第三シリンダー17c内にゴムなどの弾性
体29に封入された流体21を満たしても本来の目的は
達成される。
【0056】次に、図4及び図5を用いて、作用につい
て説明をする。図5は図4に対して荷重が作用したとき
の状態を示している。
【0057】負荷が軽いときは、図4に示すように、第
一シリンダー17aを介してばね19のみで荷重を支持
し、第一ピストン18a上の摺動リング14と第一シリ
ンダー17a間で摩擦減衰を得る構成となっている。ま
た、図5に示すように所定以上の負荷がかかると、荷重
によりばね19が縮み、第二ピストン18bと並列で荷
重を支持する構成になっている。このとき、第二ピスト
ン18bにより第二シリンダー17b内の流体21が圧力
を受け連通している第三シリンダー17c内の流体21
に圧力を及ぼし、第三ピストン18cに第二ピストン1
8bと逆向きの力を作用させ、前記ばね19に下側から
上側に向けて力を及ぼす構成となっている。
【0058】従って、第二ピストン18b及び第三ピス
トン18cの断面積比を変えることにより、第二ピスト
ン18b及び第三ピストン18cのストローク量が変更で
き、第一シリンダー17aのストローク量を変更するこ
とが可能となっている。また、第二シリンダー17b及
び第三シリンダー17cを連通させている穴20を流体
21が通過する際、流体21による粘性減衰が作用する
構成となっている。この結果、負荷に応じたばね剛性と
減衰が得られることになる。
【0059】この結果、全自動脱水洗濯機の脱水運転に
おける問題が解決される。負荷が大きい起動時の共振振
幅問題は上記の減衰増大により低共振振幅化が達成さ
れ、負荷が軽い定常回転時には小さな減衰となり外枠1
などへの振動伝達が抑制され低騒音化が達成される。ま
た、負荷が大きいときばねとピストンシリンダーで荷重
を支持するため第一シリンダーのストローク量は小さく
てすみ、無負荷時と負荷時のストローク差の小さい吊り
棒機構が達成され、洗濯機高さの低高化が達成される。
【0060】よって、上記の低共振振幅化による外槽3
と外枠1間の小隙間化と、洗濯機高さの低高化により、
洗濯機のコンパクト大容量化が図られる。
【0061】また、本実施例でのシリンダー及びピスト
ン並びにばね座及びばね受けは、樹脂成型加工が容易な
ように、円筒形状を基本形状とし、円筒中心軸に沿った
型抜きが可能な形状としている。また、第一ピストン1
8aは、底部に第二シリンダーと第三シリンダーを連通
させる通路20となる切り欠き部を少なくとも1個以上
有するピストン上半分に前記切り欠き部の蓋的要素であ
るピストン下半分を溶着接合する方法で製作可能で、製
造が容易となっている。この結果、製作コストの低減が
図れる。これはまた、旋盤加工などの機械加工も容易で
あることを示しており、樹脂製品以外でも本来の目的は
達成される。
【0062】また、上記吊り棒機構ではばね剛性に非線
形特性を有しているため、全自動洗濯機の脱水起動時の
共振を回避することが可能となる。それは、剛性の非線
形性を利用し系の固有振動数を不連続に変化させること
で、この系の固有振動数の不連続性を、共振回転数近傍
で発生させることにより、系の避共振が達成される。
【0063】前述した2つの実施例において、各摺動リ
ングは、これが構成される部材、例えば、ばね受け16
や第三ピストンと一体に形成されても良く、別部材とし
て組み合わされてもよい。また、摺動リングを設けず、
直接、シリンダとピストンが摺動するようにしてもよ
い。ただ、第一の実施例では、第二ピストン18bが第
二シリンダ17bから出入りするため、出入りを容易に
するため、摺動リング14bを第二シリンダ17b側に
設ける方が好ましい。また、このときシリンダ内方に向
かってピストンを誘導するカーブや傾斜を設けることが
望ましい。
【0064】第一の実施例により、共振回避の作用説明
をする。
【0065】脱水工程において、回転始動時には洗濯物
は多くの水分を含むが、回転とともに脱水が進む。7Kg
容量機でバスタオルを使用した実験例では、図7(a)
に示すように、始動時は乾布の約5倍程度の荷重を有
し、回転振動数の上昇とともに水分は抜け、回転数200r
/min(rpm)では乾布の約4倍程度の荷重を、回転数1000r
/minでは乾布の約2.5倍程度の荷重を有している。洗濯
機の評価に使用されるGIS布の場合は、始動時で約4
倍、200rpmで約3倍、1000rpmで2倍以下になる。
【0066】起動時の共振は、負荷によって異なるが、
一次モードは約60r/min前後で、二次モードは250r/min
前後で発生する。したがって、二次モード通過回転数付
近では、乾布負荷の約3倍強の荷重を有していることに
なる。一次モードは上記のような吊り棒機構では支持ば
ね剛性の影響はほとんど受けないが、二次モードはばね
剛性の影響を受ける。ここでの避共振とは、2次モード
に関するものである。
【0067】図7(b)に回転振動数と固有振動数の概
略関係を示す。また、図7(c)にばねの沈み込み量と
ばね荷重の関係を示す。荷重が大きい始動からN1回転振
動数まですなわちばね荷重F2からF1までは、前記第1の
ばねと前記第2のばねの両方が並列作用する剛性の高い
ばね(K')で支持し、脱水が進み軽負荷すなわちばね
荷重F1となるN1回転振動数以降は前記第1のばねのみで
荷重を受け剛性の低いばね(K)で支持する。
【0068】ここで、N1回転振動数と系の固有振動数の
関係は原理的には、支持剛性の高いばねで支持され高い
固有振動数を有しているとき回転振動数<系の固有振動
数であり、支持剛性の低いばねで支持され低い固有振動
数を有したときには回転振動数>系の固有振動数、を満
たす関係にあれば避共振が達成される。つまり図7
(b)中の太実線の軌跡を描くことになる。従って、回
転振動数と固有振動数および支持剛性との関係が、図7
(a),(b),(c)のように示されるなら、二次モ
ードの固有振動数は運搬線と交わることが無く、すなわ
ち、二次モードとの共振現象の生じない系が実現でき
る。
【0069】しかし、共振現象の裾野を考慮すると、実
用的には、支持剛性に高いばねで支持され高い固有振動
数を有しているとき回転振動数≦0.8倍の系の固有振動
数、支持剛性の低いばねで支持され低い固有振動数を有
したときには回転振動数≧1.2倍の系の固有振動数、を
満たす関係にある方がよい。
【0070】また、上記避共振を全負荷時において達成
する一つの手段として、脱水起動初期時のばね荷重を所
定値(上記F1以上の値)に保ち、上記N1回転振動数の直
前で急速にばね荷重を低減させ上記N1回転振動数の直後
で上記F1以下の値にする方法がある。そのためには、上
記吊り棒機構に加えて、予荷重などで与えた所定のばね
荷重を所定の回転数で急激に荷重を減少させるための補
助手段として、図1に示すように排水用のポンプ22を
設け、ある所定の回転振動数範囲内で急激なばね荷重減
少を達成する手段がある。
【0071】排水用ポンプの作用は、上記で回転振動数
と固有振動数および支持剛性との関係が図7(a),
(b),(c)に示される関係を達成できない場合(例
えば、負荷が軽すぎて、並列2段ばねの作用をなさな
い)、予め付加荷重として負荷の代わりに内蔵していた
水を急速排水することで、前記の目的を達成すべく補助
する作用である。
【0072】また、第二の実施例の避共振を全負荷時に
おいて達成する一つの手段として、脱水起動初期時に負
荷に応じたばね沈み込み量hを、上記N1回転振動数の直
前で第二ピストン18bが離れてばね19のみの荷重支
持となるよう、予め設置しておく方法がある。この達成
の補助手段として、負荷に応じた第二ピストン18bの
初期位置設定を第二シリンダー17b内の流体21量の
調節で行う手段がある。
【0073】図8に示すように、第二シリンダー17b
あるいは第三シリンダー17cと別置きの流体内蔵タン
ク23が弁24とポンプ25を介してフレキシブルパイ
プ26で連結された構成で、負荷に応じて第二シリンダ
ー17b内の流体21量が、ポンプ25と弁24により
調節される。
【0074】上記は、洗濯機吊り棒機構として記述して
いるが、吊り棒を除いて、単なる荷重支持機構としての
使用も可能である。本機構を複数個使用した、低振動あ
るいは避共振型機器据え付け台、または機器類の直支持
による低振動化及び避共振が可能となる。また、図8に
示すような外部タンク、ポンプ、弁、等を用いれば、必
要に応じて機器の高さも調節可能なシステムも可能とな
る。
【0075】本発明に係る各実施例によれば、以下の効
果がある。
【0076】1.ショートストローク化と低騒音化及び
コニカルモードとの避共振が達成される。
【0077】2.ショートストローク化により、洗濯機
の低高化が図られ、使い勝手の良い洗濯機及びコンパク
ト大容量洗濯機が提供可能となる。
【0078】3.コニカルモードとの避共振の達成によ
り、外枠と外槽間の隙間低減が図られ、コンパクト大容
量洗濯機が提供可能となる。
【0079】4.一方向から型抜きが可能な円筒形状部
品で構成され、樹脂成型が可能であり、製作コストの低
減が図れる。
【0080】5.機器類の低振動あるいは避共振支持が
可能となる。
【0081】本発明に係る各実施例では、特に高さ方向
のコンパクト化が可能であり、洗濯機の上に乾燥機を配
置するような構成においては、乾燥機を低く配置するこ
とが可能になる。これによって、操作性(使い勝手)が
良くなると共に、地震等に対しても有利になるという効
果も期待できる。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、外槽を外枠に支持する
手段の減衰を低回転数側で大きくすることにより、共振
点における振動振幅を小さく抑えることができるので、
支持手段の剛性を大きくすることが可能になり、外槽の
沈み込み量を小さくすることができる。また、減衰を高
回転数側で小さくすることにより、高回転数側での外槽
側から外枠側への振動の伝達を抑えることができる。従
って、特に高さ方向に小型化することができ、コンパク
トで、振動騒音の小さい電気洗濯機を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る洗濯機の一実施例の側方から見た
縦断面図である。
【図2】本発明に係る外槽を支持する支持手段の一実施
例の縦断面図である。
【図3】図2の実施例において荷重が作用したときの状
態を示す図である。
【図4】本発明に係る外槽を支持する支持手段の他の実
施例の縦断面図である。
【図5】図4の実施例において荷重が作用したときの状
態を示す図である。
【図6】本発明に係る外槽を支持する支持手段の他の実
施例の縦断面図である。
【図7】回転振動数、荷重、固有振動数及びばね沈み込
み量の関係を示す図である。
【図8】本発明に係る外槽を支持する支持手段の他の実
施例の縦断面図である。
【符号の説明】
1…外枠、2…吊り棒、3…外槽、4…撹はん翼、5…
内槽、6…フランジ、7…クラッチ、8…モータ、9…
取付板、10…コンデンサ、11…プーリ・ベルト系、
12…流体バランサ、13…スライダ、14、14a、
14b…摺動リング、15、15a、15b、15c、15
d…ばね座、ばね座面、16…ばね受、17、17a、1
7b、17c…シリンダ、18、18a、18b、18c…
ピストン、19、19a、19b…ばね、20…連通穴、
21…流体、22…排水ポンプ、23…タンク、24…
弁、25…ポンプ、26…フレキシブルパイプ、27…
シール、28…穴、29…弾性体。
フロントページの続き (72)発明者 田中 基八郎 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 鹿森 保 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所電化機器事業部内 (72)発明者 大杉 寛 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所電化機器事業部内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外枠と、この外枠に支持される外槽と、こ
    の外槽に内包されて回転駆動される内槽と、この内槽の
    底部中央で回転駆動される撹拌翼とを備える電気洗濯機
    において、 外槽を外枠に支持する支持手段は、復元力を有して伸縮
    する伸縮手段と、この伸縮手段の伸縮動作に減衰を付与
    する減衰手段とを備え、 前記減衰手段は、常時機能する第1の減衰手段と、脱水
    工程における内槽の回転起動時に機能し、定格回転時に
    は機能しない第2の減衰手段とを備えたことを特徴とす
    る電気洗濯機。
  2. 【請求項2】外枠と、この外枠に支持される外槽と、こ
    の外槽に内包されて回転駆動される内槽と、この内槽の
    底部中央で回転駆動される撹拌翼とを備える電気洗濯機
    において、 外槽を外枠に支持する支持手段は、ばねとこのばねの他
    に減衰を付与する減衰手段とを有する防振手段を備え、
    前記減衰手段の減衰力は、前記内槽内に定格の洗濯物と
    水を入れた状態で前記内槽を回転させたときの方が、内
    槽を空の状態で回転させたときよりも大きいことを特徴
    とする電気洗濯機。
  3. 【請求項3】外枠と、この外枠に支持される外槽と、こ
    の外槽に内包されて回転駆動される内槽と、この内槽の
    底部中央で回転駆動される撹拌翼とを備える電気洗濯機
    において、 外槽を外枠に支持する支持手段は、ばねとこのばねの他
    に減衰を付与する減衰手段とを有する防振手段を備え、
    前記減衰手段の減衰力は、脱水工程において前記内槽内
    に定格の洗濯物を入れた状態で前記内槽を回転させると
    き、回転起動時の方が定格回転数に達したときよりも大
    きいことを特徴とする電気洗濯機。
  4. 【請求項4】外枠と、この外枠に支持される外槽と、こ
    の外槽に内包されて回転駆動される内槽と、この内槽の
    底部中央で回転駆動される撹拌翼とを備える電気洗濯機
    において、 外槽を外枠に支持する支持手段は防振手段を備え、 この防振手段は、第1のシリンダと、この第1のシリン
    ダの中で前記第1のシリンダと摺動する第1のピストン
    と、この第1のピストンと前記第1のシリンダとの間に
    これらの摺動する方向に復元力を持って伸縮する伸縮部
    材と、前記第1のシリンダまたは前記第1のピストンの
    いずれか一方の側に第2のシリンダと、他方の側にこの
    第2のシリンダの中で前記第2のシリンダと摺動する第
    2のピストンとを備え、 前記第2のピストンを、前記支持手段に作用する荷重が
    増加したときに変位する向きに初期位置から所定の距離
    以上変位しているときに、第2のシリンダと摺動するよ
    うに構成し、 前記第1のシリンダを前記外槽または外枠のいずれか一
    方に連接し、他方に前記第1のピストンを連接したこと
    を特徴とする電気洗濯機。
  5. 【請求項5】外枠と、この外枠に支持される外槽と、こ
    の外槽に内包されて回転駆動される内槽と、この内槽の
    底部中央で回転駆動される撹拌翼とを備える電気洗濯機
    において、 外槽を外枠に支持する支持手段は防振手段を備え、 この防振手段は、第1のシリンダと、この第1のシリン
    ダの中で前記第1のシリンダと摺動する第1のピストン
    と、この第1のピストンと前記第1のシリンダとの間に
    圧縮ばねと、前記第1のシリンダまたは前記第1のピス
    トンのいずれか一方の側に第2のシリンダと、他方の側
    にこの第2のシリンダの中で前記第2のシリンダと摺動
    する第2のピストンとを備え、 前記第2のピストンは、初期位置から所定の距離以上変
    位しているときに、第2のシリンダと摺動するように構
    成され、 前記圧縮ばねは、前記第1のシリンダ及び前記第1のピ
    ストンによって常に圧縮されている第1の圧縮ばねと、
    前記第1のピストンが前記第1のシリンダに対して初期
    位置から所定の距離以上変位しているときに圧縮される
    第2の圧縮ばねとを備え、 前記第1のシリンダを前記外槽または外枠のいずれか一
    方に連接し、他方に前記第1のピストンを連接したこと
    を特徴とする電気洗濯機。
  6. 【請求項6】外枠と、この外枠に支持される外槽と、こ
    の外槽に内包されて回転駆動される内槽と、この内槽の
    底部中央で回転駆動される撹拌翼とを備える電気洗濯機
    において、 外槽を外枠に支持する支持手段は、吊り棒と、防振手段
    とを備え、 前記吊り棒は、上方に位置する端を前記外枠の上部に連
    接され、下方に位置する端に防振手段を備え、 前記防振手段は、第1の円筒状部材と、第1の摺動部材
    と、圧縮ばねと、摺動リングと、第2の摺動部材とを具
    備して成り、 前記第1の円筒状部材は、上部に前記吊り棒の貫通孔を
    有し、下方側の面を開口し、前記外槽に連接されてお
    り、 前記第1の摺動部材は、前記吊り棒の下方の端に連接さ
    れて、前記第1の円筒状部材の内周面と摺動するよう構
    成されており、 前記圧縮ばねは、前記第1の円筒状部材の上部内側の端
    面と前記第1の摺動部材の上面とに両端を接するように
    備えられ、 前記摺動リングは、前記第1の円筒状部材または前記第
    1の摺動部材のいずれか一方の側に備えられ、 前記第2の摺動部材は、前記第1の円筒状部材または前
    記第1の摺動部材のうち、前記摺動リングが備えられな
    い側に備えられ、 前記摺動リングと前記第2の摺動部材とは、前記第2の
    摺動部材が、前記摺動リングに対して初期位置から所定
    の距離以上変位しているときに、前記摺動リングと摺動
    するように構成されていることを特徴とする電気洗濯
    機。
  7. 【請求項7】外枠と、この外枠に支持される外槽と、こ
    の外槽に内包されて回転駆動される内槽と、この内槽の
    底部中央で回転駆動される撹拌翼とを備える電気洗濯機
    において、 外槽を外枠に支持する支持手段は、吊り棒と、防振手段
    とを備え、 前記吊り棒は、上方に位置する端を前記外枠の上部に連
    接され、下方に位置する端に防振手段を備え、 前記防振手段は、第1の円筒状部材と、第1の摺動部材
    と、圧縮ばねと、摺動リングと、第2の摺動部材とを具
    備して成り、 前記第1の円筒状部材は、上部に前記吊り棒の貫通孔を
    有し、下方側の面を開口し、前記外槽に連接されてお
    り、 前記第1の摺動部材は、前記吊り棒の下方の端に連接さ
    れて、前記第1の円筒状部材の内周面と摺動するよう構
    成されており、 前記圧縮ばねは、前記第1の円筒状部材及び前記第1の
    摺動部材によって常に圧縮されている第1の圧縮ばね
    と、前記第1の摺動部材が前記第1の円筒状部材に対し
    て初期位置から所定の距離以上変位しているときに圧縮
    される第2の圧縮ばねとを備え、 前記摺動リングは、前記第1の円筒状部材または前記第
    1の摺動部材のいずれか一方の側に備えられ、 前記第2の摺動部材は、前記第1の円筒状部材または前
    記第1の摺動部材のうち、前記摺動リングが備えられな
    い側に備えられ、 前記摺動リングと前記第2の摺動部材とは、前記第2の
    摺動部材が、前記摺動リングに対して初期位置から所定
    の距離以上変位しているときに、前記摺動リングと摺動
    するように構成されていることを特徴とする電気洗濯
    機。
  8. 【請求項8】外枠と、この外枠に支持される外槽と、こ
    の外槽に内包されて回転駆動される内槽と、この内槽の
    底部中央で回転駆動される撹拌翼とを備える電気洗濯機
    において、 外槽を外枠に支持する支持手段は防振手段を備え、 この防振手段は、第1のシリンダと、この第1のシリン
    ダの中で前記第1のシリンダと摺動する第1のピストン
    と、この第1のピストンに互いに連通した流路を有する
    第2及び第3のシリンダと、一端が前記第2のシリンダ
    内に挿入された第2のピストンと、前記第3のシリンダ
    に挿入された第3のピストンと、前記第2及び第3のシ
    リンダ内に前記第2及び第3のピストンによって封入さ
    れた非圧縮性の流体と、前記第1のシリンダと前記第3
    のピストンとの間に圧縮ばねとを備え、 前記第2のピストンを、前記第1のピストンが前記第1
    のシリンダに対して初期状態から所定の距離以上変位し
    たときに、前記第2のシリンダ内に挿入されたのと反対
    側の端が前記第1のシリンダの内側端面と接するように
    構成し、 前記第1のシリンダを前記外槽側に連接し、前記第1の
    ピストンを前記外枠側に連接すると共に、前記第1のピ
    ストンを、前記第1のシリンダに対して、前記支持手段
    に作用する荷重が増加するときに前記圧縮ばねを圧縮す
    る向きに変位するように構成したことを特徴とする電気
    洗濯機。
  9. 【請求項9】外枠と、この外枠に支持される外槽と、こ
    の外槽に内包されて回転駆動される内槽と、この内槽の
    底部中央で回転駆動される撹拌翼とを備える電気洗濯機
    において、 外槽を外枠に支持する支持手段は、常時摺動する一対の
    摺動部材と、定格の洗濯物を脱水する工程の起動時に摺
    動し、1000rpm以上の回転数で摺動不能な位置に
    分離される一対の摺動部材を備えたことを特徴とする電
    気洗濯機。
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