JP2002286092A - クリーンルーム用防振ハンガ - Google Patents

クリーンルーム用防振ハンガ

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JP2002286092A
JP2002286092A JP2001085666A JP2001085666A JP2002286092A JP 2002286092 A JP2002286092 A JP 2002286092A JP 2001085666 A JP2001085666 A JP 2001085666A JP 2001085666 A JP2001085666 A JP 2001085666A JP 2002286092 A JP2002286092 A JP 2002286092A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリーンルーム内において、部材から
アウトガスが発生するのを抑えたクリーンルーム用防振
ハンガを開発することにある。 【解決手段】 支持部材(12)から吊された上側吊持材
(5)と被吊持材(7)を吊持している下側吊持材(6)とを連
結し、前記上側吊持材(5)を取り付ける上側取付部(1a)
及び前記下側吊持材(6)を取り付ける下側取付部(1b)を
有するハウジング(1)と、前記ハウジング(1)内にて、前
記上側取付部(1a)或いは前記下側取付部(1b)の少なくと
も一方に配設された取着端側バネ座(3a)と、一端が前記
取着端側バネ座(3a)に取り付けられたスプリング(2)
と、前記スプリング(2)の他端に取着された係止端側バ
ネ座(3b)とで構成され、前記取着端側及び係止端側バネ
座(3a)(3b)が常温でアウトガスを放出しない樹脂にて構
成されている事を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クリーンルーム内
において、天井や壁等の支持部材から吊された上側吊持
材と配管やダクト等の被吊持材を吊持している下側吊持
材を連結するクリーンルーム用防振ハンガに関する。
【0002】
【従来の技術】現代の半導体製造プロセスでは、集積回
路の超高密度化によりクリーンルーム内の極く僅かの微
細パーティクルやクリーンルーム内に放出されたガス中
の微量不純物が半導体の欠陥を生む原因となっており、
これら微細パーティクルや微量不純ガスの管理が特に、
クラス10以上のクリーンルームでは問題となってい
る。クリーンルームでのクリーン度の低下は外部からの
侵入物のみならず、クリーンルーム内に設置されている
種類からも発生する。
【0003】このようなクリーンルーム内において、天
井付近或いは壁面に沿って配管やダクト等が配設され、
クリーンルーム内の諸設備に接続されているが、防振の
目的から防振ハンガを用いることが多い。防振ハンガ
は、天井等から吊された上側吊持材と、配管等の被吊持
材を吊持する下側吊持材とを連結するものであって、被
吊持材内の流体の通流やバルブを閉じた際の水撃による
被吊持材の振動を天井や壁に伝わるのを防いでいる。
【0004】これまでクリーンルームで使用される防振
ハンガは、従来使用されていたもので、ハウジング及び
スプリング並びに座金とバネ座で構成されている。ハウ
ジングは防振ハンガの外枠を形成する部材で、通常、鋼
板を矩形箱状に折り曲げこれをユニクロ鍍金して使用し
ている。前記ハウジングの上面或いは下面にコイル状の
スプリングの一端が取着端側バネ座を介して取り付けら
れている。座金はスプリングの取着端側バネ座と反対側
の端部に取り付けられている。係止端側バネ座は座金に
取着されており、吊持材の先端部が係止するようになっ
ている。
【0005】前記取着端側及び係止端側バネ座はゴムで
形成されているがゴムからは常温でもアウトガスが発生
し、アウトガスに含まれている微細パーティクルや不純
物が上述のように半導体の欠陥・不良率を上昇させる原
因となっていたということが最近分かってきた。一方、
クリーンルームの汚染要因としては前記ゴムより小さい
が、ハウジングに鋼板をメッキしたものを使用し、スプ
リングにばね鋼を塗装したものが使用されていたため、
その表面には微細な凹凸があり、クリーンルーム内を浮
遊している微細パーティクルや不純物が付着し徐々に溜
まり、それが何らかの原因により落下して半導体の欠陥
を生む原因となる場合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決課題は、
クリーンルーム内において、防振部材から微細パーティ
クルの付着堆積やアウトガスの発生のないクリーンルー
ム用防振ハンガを開発することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】「請求項1」に記載のク
リーンルーム用防振ハンガ(A)は「支持部材(12)から吊
された上側吊持材(5)と被吊持材(7)を吊持している下側
吊持材(6)とを連結し、前記上側吊持材(5)を取り付ける
上側取付部(1a)及び前記下側吊持材(6)を取り付ける下
側取付部(1b)を有するハウジング(1)と、前記ハウジン
グ(1)内にて、前記上側取付部(1a)或いは前記下側取付
部(1b)の少なくとも一方に配設された取着端側バネ座(3
a)と、一端が前記取着端側バネ座(3a)に取り付けられた
スプリング(2)と、前記スプリング(2)の他端に取着され
た係止端側バネ座(3b)とで構成され、前記取着端側及び
係止端側バネ座(3a)(3b)が常温でアウトガスを放出しな
い樹脂にて構成されている」事を特徴とする。
【0008】これによれば、本発明に用いられる取着端
側及び係止端側バネ座(3a)(3b)の材料は常温でアウトガ
スを発生しない樹脂、例えばフッ素樹脂やポリアセター
ル樹脂のようなものが使用される。従って、防振ハンガ
(A)を構成する樹脂部材が従来のようにクリーンルーム
中に微量不純物を放出するということはなく、超高集積
化された半導体の欠陥・不良率の上昇原因になるという
問題は生じない。従って、請求項1に記載の防振ハンガ
(A)は最高クラスのクラス10以上のクリーンルームに
使用することができる。なお、「アウトガス」とは構成
部材中に含まれているガス成分が構成部材に外圧が掛か
ることによって或いは外圧が掛かることなく構成部材か
ら外部に放出されるガスのことで、当該ガス中には構成
部材或いは構成成分の微細パーティクルが含まれてお
り、これがクリーンルーム中に放出されることによりク
リーンルーム内の清浄度を低下させ、欠陥・不良率の上
昇原因となる。
【0009】「請求項2」に記載のクリーンルーム用防
振ハンガ(A)は「請求項1」を更に限定し、より高度な
クリーンルーム対応としたもので「ハウジング(1)がス
テンレスで構成され、スプリング(2)がマルテンサイト
系ステンレスで構成され、ハウジング(1)及びスプリン
グ(2)の表面が鏡面仕上げされている」ことを特徴とす
る。これによりハウジング(1)及びスプリング(2)の表面
におけるクリーンルーム中の微細パーティクル等の付着
・堆積などがなくなり、この面においても欠陥・不良率
の上昇原因が解消され更に優れた低発塵作用を発揮する
ことになる。
【0010】「請求項3」に記載のクリーンルーム用防
振ハンガ(A)は「請求項1、2」の他の例で「ハウジン
グ(1)がステンレスで構成され、スプリング(2)がマルテ
ンサイト系ステンレスで構成され、ハウジング(1)の表
面が吊り下げ方向にヘアライン加工され、スプリング
(2)の表面が鏡面仕上げされている」ことを特徴とする
もので、ハウジング(1)の表面が鏡面でなくヘアライン
加工されている分だけクリーンルーム内の微細パーティ
クルが付着しやすくなるが、ヘアラインの方向を吊り下
げ方向とすることにより微細パーティクルのハウジング
(1)の表面への付着を極力小さくしている。これにより
ハウジング(1)の表面を鏡面仕上げした場合に比べて若
干その性能は劣るが、クラス10以上のクリーンルーム
に十分対応することができるものである。また、上記の
ハウジング(1)やスプリング(2)はステンレスで構成され
ているため錆を発生するような危険性が全くなく、この
点でもクリーンルームの清浄性を保つうえで最適なもの
であるといえる。
【0011】「請求項4」に記載のクリーンルーム用防
振ハンガ(A)は「請求項1〜3」に比べて低級仕様のク
リーンルーム、例えばクラス100程度のものに対応す
るもので、「ハウジング(1)が鋼板で構成され、スプリ
ング(2)がばね鋼で構成され、ハウジング(1)の表面が光
沢クロメート処理され、スプリング(2)の表面がパーカ
ライジング処理されている」ことを特徴とする。ハウジ
ング(1)の表面が光沢クロメート処理であり、スプリン
グ(2)の表面がパーカライジング処理であるため、前記
のように鏡面仕上げ或いはエアライン加工に比べてその
性能は劣るが、なおその表面の平滑性はクラス100程
度のクリーンルームでは十分である。
【0012】「請求項5」に記載のクリーンルーム用防
振ハンガ(A)は上記のものに比べてさらに低級仕様のク
リーンルーム、例えばクラス1000程度のものに対応
するもので、「支持部材(12)から吊された上側吊持材
(5)と被吊持材(7)を吊持している下側吊持材(6)とを連
結し、前記上側吊持材(5)を取り付ける上側取付部(1a)
及び前記下側吊持材(6)を取り付ける下側取付部(1b)を
有するハウジング(1)と、前記ハウジング(1)内にて、前
記上側取付部(1a)或いは前記下側取付部(1b)の少なくと
も一方に配設された取着端側バネ座(3a)と、一端が前記
取着端側バネ座(3a)に取り付けられたスプリング(2)
と、前記スプリング(2)の他端に取着された係止端側バ
ネ座(3b)とから構成され、前記ハウジング(1)、取着端
側及び係止端側バネ座(3a)(3b)が鋼材で構成され且つそ
の表面が有色クロメート処理され、スプリング(2)がば
ね鋼で構成され且つその表面がパーカライジング処理さ
れている」ことを特徴とするもので、この場合は、防振
ハンガ(A)全体が金属で構成されているため当然アウト
ガスの発生がなく、クリーンルーム内を汚染することが
ない。なお、パーカライジング処理とは鋼材の表面にM
n、Feのリン酸塩皮膜を生成させて防錆を行う処理を
いう。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のクリーンルーム用防振ハ
ンガ(A)を図示実施例に従って説明する。本実施例(A)
は、外枠を形成するハウジング(1)と、ハウジング(1)に
取着された取着端側バネ座(3a)と、取着端側バネ座(3a)
に取り付けられたスプリング(2)と、座金(4)を介してス
プリング(2)の他端に配設された係止端側バネ座(3b)と
から構成されている。この防振ハンガ(A)は、その構成
は全て同じであるが適用されるクリーンルームのクラス
によってその仕様は異なっている。
【0014】クラス10以上のクリーンルーム(クリー
ンルームのプロセスエリアのより高いクリーン度が必要
とされるステッパー周辺)用に使用される防振ハンガ(A)
のハウジング(1)は、表面が鏡面加工或いはヘアライン
加工されたステンレス鋼(少なくとも18-8ステンレス材
で、使用環境によっては更に高級なステンレスを使用す
る場合もある。)で構成されている。ヘアライン加工の
場合、防振ハンガ(A)の吊り下げ方向にヘアラインが走
るようにハウジング(1)が形成される。また、鏡面仕上
げの場合は、電解研磨或いはバフ研磨によって形成され
る。鏡面仕上げの場合、クリーンルーム内の微細パーテ
ィクルの付着は最も少なく、ヘアライン加工がそれに続
く。また、スプリング(2)もマルテンサイト系ステンレ
スばね鋼が使用され、その表面は電解研磨により鏡面仕
上げされている。
【0015】更に、係止端側バネ座(3b)内に配設され、
スプリング(2)の他端に接触する座金(4)もハウジング
(1)と同じステンレス鋼で構成されており、その表面は
鏡面仕上げ或いはヘアライン加工が施されている。従っ
て、防振ハンガ(A)の金属部分は全てステンレスが使用
され、長期間の使用によっても錆びの発生の恐れがな
い。また、本実施例では取着端側バネ座(3a)及び係止端
側バネ座(3b)はフッ素樹脂或いはポリアセタール樹脂の
ような常温でアウトガスを放出しない樹脂にて形成され
ている。勿論、前記バネ座(3a)(3b)はフッ素樹脂或いは
ポリアセタール樹脂に限られるものでなく、アウトガス
を放出しない樹脂であればどのようなものでも使用する
ことができる。
【0016】クラス100程度の中級クリーンルーム
(クリーンルームの一般的プロセスエリア周辺)用に使用
される防振ハンガ(A)のハウジング(1)は、通常の鋼材
(通常のSS材、たとえばSS400程度のもの)が使用
され、その表面は光沢クロメート処理がなされている。
その表面の平滑度は鏡面仕上げヘアライン加工には劣る
が、ある程度の平滑度を持っており、クリーンルーム内
の微細パーティクルの付着は少ない。スプリング(2)
は、ピアノ線のようなばね鋼(例えば、SW−Cのよう
な材料)で、その表面がパーカライジング処理されてい
る。座金(4)はハウジング(1)と同じ光沢クロメート処理
をしてもよいが、係止端側バネ座(3b)内に嵌め込んで使
用されるため、ハウジング(1)と同じ通常の鋼材の表面
に有色クロメート処理されたものが本実施例では使用さ
れている。取着端側バネ座(3a)及び係止端側バネ座(3b)
は前述同様フッ素樹脂或いはポリアセタール樹脂のよう
な常温でアウトガスを放出しない樹脂にて形成されてい
る。
【0017】クラス1000程度の低級クリーンルーム
(クリーンルームのサービスエリア周辺)ように使用され
る防振ハンガ(A)のハウジング(1)は、通常の鋼材(通常
のSS材、たとえばSS400程度のもの)が使用さ
れ、その表面は有色クロメート処理がなされている。そ
の表面の平滑度は鏡面仕上げヘアライン加工や光沢クロ
メート処理には劣る。スプリング(2)及び座金(4)は、ク
ラス100で使用されたものが使用される。取着端側バ
ネ座(3a)及び係止端側バネ座(3b)は常温でアウトガスを
放出しない樹脂でなく、通常の鋼材を有色クロメート処
理したものが使用される。
【0018】次に、本実施例にかかる防振ハンガ(A)の
各部材の形状について説明する。ハウジング(1)は板材
を矩形状に折り曲げて形成されたもので、一面は上側吊
持材(5)を取り付ける上側取付部(1a)「この部分で端部
が重ね合わせ、スポット溶接で接続されている場合或い
は図2のように隅肉溶接で接続されている。この場合
は、上側取付部(1a)に補強板(1e)が溶接される事にな
る。」になっており、上側取付部(1a)に対向する面は下
側吊持材(6)を取り付ける下側取付部(1b)になってい
る。上側取付部(1a)には上側吊持材(5)を挿通する円状
の上孔(1c)が穿設されており、下側取付部(1b)には取着
端側バネ座(3a)を嵌め込む下孔(1d)が穿設されている。
下孔(1d)は取着端側バネ座(3a)の回転防止のため円の対
向する2箇所が平行に削り取られた長円形状をしている
が、形状について特段限定するものではない。また、下
孔(1d)は取着端側バネ座(3a)が嵌め込まれるため上孔(1
c)より大きい。
【0019】スプリング(2)は通常のコイル状のバネ
で、その両端は、端面が中心軸に対して直角となるよう
に研削されている。
【0020】バネ座は、前記スプリング(2)の両端に配
設されるが、ハウジング(1)にスプリング(2)を取り付け
るための取着端側バネ座(3a)と、上・下側吊持材(5)(6)
の先端が引っ掛かる係止端側バネ座(3b)の2種類があ
る。
【0021】取着端側バネ座(3a)は、一半部に円筒状に
形成され、スプリング(2)が嵌め込まれて取り付けられ
る円筒部(3a1)と、他半部に前記下孔(1d)の装着される
外形が長円形の突出部(3a3)と、太径の円筒部(3a1)と細
径の突出部(3a3)との間で段が形成されており、この部
分を中央に円孔が穿設されたドーナツ状円板部(3a2)と
する。前記突出部(3a3)は回転不能にて下孔(1d)に嵌め
込まれ、その突出部分の側面には取付ピン(11)が圧入さ
れており、前記取付ピン(11)がハウジング(1)の下側取
付部(1b)に係止することで下孔(1d)に嵌め込まれた突出
部(3a3)が下孔(1d)から離脱しないようになっている。
前記円筒部(3a1)の内径はスプリング(2)の外径と同じ大
きさとなっており、スプリング(2)の一端部は円筒部(3a
1)内に嵌め込まれた状態で取着端側バネ座(3a)に取着さ
れている。
【0022】係止端側バネ座(3b)の形状は、7円筒状の
筒部(3b1)の一端に中央に挿通孔(3b3)が穿設されたドー
ナツ状の円板部(3b2)が一体に形成された形状をしてい
る。筒部(3b1)の内径はスプリング(2)の外径と同じ大き
さとなっており、スプリング(2)の取着端部(2a)と反対
側の係止端部(2b)が筒部(3b1)内に嵌め込まれ、座金(4)
を介してスプリング(2)の係止端部(2b)に取り付けられ
ている。
【0023】座金(4)の形状は中央に係止端側バネ座(3
b)の挿通孔(3b3)と同じ大きさの中央孔(4a)が穿設され
たドーナツ状の円板となっている。座金(4)は係止端側
バネ座(3b)の円板部(3b2)の内面に固着されており、前
記座金(4)にスプリング(2)の係止端部(2b)が当接してい
る。
【0024】次に本実施例(A)の使用方法について説明
する。まず、天井や壁等の支持部材(12)から吊るされた
ナット(5c)付きの上側吊持材(5)を上側取付部(1a)の上
孔(1c)に挿通する。そして、雄ねじが螺設された上側吊
持材(5)の先端部(5a)に他のナット(5b)を螺着し更に上
下から締め付け、上側吊持材(5)に防振ハンガ(A)を取り
付ける。
【0025】次に、下側吊持材(6)を防振ハンガ(A)に取
り付ける。下側吊持材(6)の取付方法は、上側吊持材(5)
と同様に、下側吊持材(6)を下孔(1d)に挿入し、スプリ
ング(2)を通って係止端側バネ座(3b)の挿通孔(3b3)から
突出するまで挿通する。そして、下側吊持材(6)の雄ネ
ジが螺設された先端部(6a)にナット(6b)をダブルナット
で螺着することで、ナット(6b)が係止端側バネ座(3b)に
掛止された状態となり、防振ハンガ(A)に下側吊持材(6)
が取り付けられる。下側吊持材(6)はクリーンルーム内
の配管やダクト或いは小型ファン、ラインポンプ、エア
コンなどの被吊持材(7)が接続されており、これらの荷
重はスプリング(2)に担持され同時に被吊持材(7)に発生
した振動を吸収し、天井や壁などの支持部材(12)に前記
振動が伝達するのを防止している。
【0026】このようにして被吊持材(7)を吊持した場
合、被吊持材(7)の荷重により、スプリング(2)や取着端
側バネ座(3a)、座金(4)、係止端側バネ座(3b)などは圧
縮を受ける。バネ座(3a)(3b)はフッ素樹脂或いはポリア
セタール樹脂のような常温においてアウトガスを放出し
ない樹脂或いは金属からなるため、圧縮荷重が加わった
としてもクリーンルーム内を汚染するようなことがな
い。また、ハウジング(1)及びスプリング(2)が鏡面に形
成されている場合またはハウジング(1)に少なくともヘ
アライン加工が施されている場合、微細パーティクルが
表面に接触してもこれらが付着して溜まる凹凸がない或
いは少ないため微細パーティクルが堆積するようなこと
が殆どない。従ってこのような防振ハンガ(A)は最高ク
ラスのクリーンルーム内で使用可能である。
【0027】これに対して、ハウジング(1)が光沢クロ
メート処理されたものの場合はその表面平滑度が前述の
場合に比べて若干劣るため、クラス100程度のクリー
ンルームに使用されることになる。さらにハウジング
(1)が有色クロメート処理されたものの場合では更に表
面平滑度が低下するためクラス1000程度のクリーン
ルーム仕様となる。
【0028】
【発明の効果】本発明のクリーンルーム用防振ハンガ
は、バネ座がフッ素樹脂或いはポリアセタール樹脂のよ
うな常温ではアウトガスを放出しないような樹脂で構成
されているため、クリーンルーム内で使用したとしても
クリーンルーム内の清浄度を低下させるようなことがな
い。また、構成部材の金属部分をステンレスで構成し且
つその表面を鏡面仕上げ或いは少なくともヘアライン加
工とすることにより金属の表面にクリーンルーム内の微
細パーティクルの付着堆積を防止することができ、この
面でもクリーンルーム内の清浄度の保持に大いに貢献す
ることができる。従ってこのような防振ハンガの場合、
クラス10以上のクリーンルーム内での使用が可能とな
る。またハウジングの処理を光沢クロメート処理した場
合、その表面の平滑度は低下するもののコストを下げる
ことができ、クラス100程度のクリーンルーム内での
使用が可能となる。またハウジングの表面を有色クロメ
ート処理とした場合は表面状態は最も低いが、コスト面
で最も安く作ることができ、クラス1000程度のクリ
ーンルームにおいて使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防振ハンガを用いた吊持状態の正
面図
【図2】図1の防振ハンガの斜視図
【図3】図1の防振ハンガの半断面図
【図4】図2の底面図
【符号の説明】
(A) クリーンルーム用防振ハンガ (1) ハウジング (1a) 上側取付部 (1b) 下側取付部 (2) スプリング (3a) 取着端側バネ座 (3b) 係止端側バネ座 (4) 座金 (5) 上側吊持材 (6) 下側吊持材 (7) 被吊持材 (12) 支持部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持部材から吊された上側吊持材と被吊持
    材を吊持している下側吊持材とを連結し、前記上側吊持
    材を取り付ける上側取付部及び前記下側吊持材を取り付
    ける下側取付部を有するハウジングと、 前記ハウジング内にて、前記上側取付部或いは前記下側
    取付部の少なくとも一方に配設された取着端側バネ座
    と、 一端が前記取着端側バネ座に取り付けられたスプリング
    と、 前記スプリングの他端に取着された係止端側バネ座とか
    ら構成され、 前記取着端側及び係止端側バネ座が常温でアウトガスを
    放出しない樹脂にて構成されている事を特徴とするクリ
    ーンルーム用防振ハンガ。
  2. 【請求項2】ハウジングがステンレスで構成され、スプ
    リングがマルテンサイト系ステンレスで構成され、ハウ
    ジング及びスプリングの表面が鏡面仕上げされているこ
    と特徴とする請求項1に記載のクリーンルーム用防振ハ
    ンガ。
  3. 【請求項3】ハウジングがステンレスで構成され、スプ
    リングがマルテンサイト系ステンレスで構成され、ハウ
    ジングの表面が吊り下げ方向にヘアライン加工され、ス
    プリングの表面が鏡面仕上げされていること特徴とする
    請求項1に記載のクリーンルーム用防振ハンガ。
  4. 【請求項4】ハウジングが鋼板で構成され、スプリング
    がばね鋼で構成され、ハウジングの表面が光沢クロメー
    ト処理され、スプリングの表面がパーカライジング処理
    されていること特徴とする請求項1に記載のクリーンル
    ーム用防振ハンガ。
  5. 【請求項5】支持部材から吊された上側吊持材と被吊持
    材を吊持している下側吊持材とを連結し、前記上側吊持
    材を取り付ける上側取付部及び前記下側吊持材を取り付
    ける下側取付部を有するハウジングと、 前記ハウジング内にて、前記上側取付部或いは前記下側
    取付部の少なくとも一方に配設された取着端側バネ座
    と、 一端が前記取着端側バネ座に取り付けられたスプリング
    と、 前記スプリングの他端に取着された係止端側バネ座とか
    ら構成され、 前記ハウジング、取着端側及び係止端側バネ座が鋼材で
    構成され且つその表面が有色クロメート処理され、スプ
    リングがばね鋼で構成され且つその表面がパーカライジ
    ング処理されている事を特徴とするクリーンルーム用防
    振ハンガ。
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