JPH1085473A - ミシンの半回転釜 - Google Patents

ミシンの半回転釜

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JPH1085473A
JPH1085473A JP24362496A JP24362496A JPH1085473A JP H1085473 A JPH1085473 A JP H1085473A JP 24362496 A JP24362496 A JP 24362496A JP 24362496 A JP24362496 A JP 24362496A JP H1085473 A JPH1085473 A JP H1085473A
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JP
Japan
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sewing machine
shuttle
hook
inner hook
turn
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Application number
JP24362496A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Tachikawa
充宏 立川
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Juki Corp
Original Assignee
Juki Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中釜の駆動を従来より高速化することができ
るミシンの半回転釜を提供する。 【解決手段】 中釜駆動機構2は上軸1の回転運動を中
釜4の揺動運動に変換する。この揺動運動は上軸1の一
回転を中釜4の揺動方向の一方への揺動に変換し、上軸
1の次の一回転を中釜4の揺動方向の他方への揺動に変
換する。中釜4の揺動方向の両側には上糸6aをすくう
一対の剣先4a、4bが形成され、中釜4の一往復の揺
動中に、この揺動により両剣先4a、4bで交互に上糸
をすくう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ミシンに用いら
れる半回転釜に関する。
【0002】
【従来の技術】図17は、従来のミシンの下軸関係の分
解斜視図であり、同図に示すように、符号101はボビ
ンケース、符号102は前記ボビンケース101に収納
されるボビン、符号103は中釜、符号104は前記中
釜103を駆動するドライバであり、これらは大釜10
5と中釜押え106とで形成される空間内に収納され
る。そして、これらの全体は釜カバー組107内に保持
される。
【0003】前記ドライバ104は下軸111の一端側
に連結され、この下軸111の他端側にはギア部112
が形成されている。この下軸111はミシンフレーム
(図示省略)に回動可能に軸支されている。
【0004】符号121は大振子軸であり、ミシンフレ
ーム(図示省略)に固定されている。この大振子軸12
1には、大振子122の基端側及びギア部123が回動
可能に軸支されている。大振子122の尾端側にはクラ
ンクロッド124の一端側が回動可能に連結されてい
る。ギア部123はギア部112と噛み合っている。
【0005】図18に示すように、符号131は上軸で
あり、この上軸131にはクランク部132が設けられ
ている。このクランク部132には、前記クランクロッ
ド124の他端側が回動可能に連結されている。
【0006】上記のような構成の従来の半回転釜におい
ては、ミシン針(図示省略)の1往復、すなわち、上軸
131が回転すると、クランク部132、クランクロッ
ド124、大振子122、ギア部123及び112を介
して下軸111に伝達されて、ドライバ104が揺動
し、中釜103が駆動される。中釜103は、ミシン針
(図示省略)の1往復、すなわち、上軸131が1回転
すると、1往復揺動する。往動及び復動は、何れも中釜
103の半回転分である。より正確には、図19に示す
ように、下軸111の揺動角は中央値を0とすると約±
110゜である。
【0007】図20に示すように、前記中釜103の揺
動方向(矢示a)の一方の先端部には、上糸を捕捉する
剣先103aが形成されている。また、前記ドライバ1
04の揺動方向(矢示b)の一方の先端部は、図20に
示すように、針落ちした針141を係止する係止部10
4aとしても機能する。この係止部104aは、針14
1を係止することで剣先103aと針141との接触に
よる剣先103aの摩耗を防止する。
【0008】図19中、「糸掛け」とあるのは前記中釜
103の剣先103aで上糸を捕捉するタイミングを示
しており、「糸抜け」とあるのは前記剣先103aの糸
抜け部103bから上糸が抜けるタイミングを示してい
る。この図からも明らかなように従来の半回転釜では、
往動により剣先103aで糸掛けして半回転して糸抜け
した後、復動では中釜103が糸と関わることなく単に
元の位置に戻るだけである。
【0009】図22に示すように、前記ボビンケース1
01からは、下糸を案内する角部101aが延出してい
る。また、ボビンケース101には、開閉操作すること
により所定の機構を駆動してボビンケース101を中釜
103に脱着するラッチ101bが設けられている。
【0010】図23(A)に示すように、角部101a
には下糸142が糸通しされている。また、上糸143
はラッチ101bの開閉部101b1側から尾端部10
1b2側(図23(A)の右側から左側〔矢示c〕)に
移動してボビンケース101をくぐる。
【0011】このボビンケース101に対する糸くぐり
を容易にするため、角部101aは図23において基端
側から尾端側に向けて左側から右側へと傾斜している。
【0012】図22(B)に示すように、ラッチ101
bの外側の面は、ボビンケース101の外側の面より若
干奥まっている。また、図23(C)に示すように、ラ
ッチ101bの矢示d方向の開閉によりボビンケース1
01を中釜103から脱着することができる。図23
(B)、図23(C)に明らかなように、ラッチ101
bの尾端部101b2部分はボビンケース101の外方
側の面から幾分突出している。これはラッチ101bに
手がかかり易くするためである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技
術では以下のような問題があった。
【0014】すなわち、従来の半回転釜では、針棒の1
往復、すなわち、上軸131の1回転に対して、中釜1
03を1往復揺動しているため、中釜103と、ドライ
バ104等の中釜103を駆動する機構とに加わる慣性
力が大きく、中釜103の駆動を高速化することができ
ず、また、部品に大きな強度が要求されるという問題が
あった。
【0015】ちなみに、慣性力が最も大きくなる位置
は、下軸111(中釜103)の回転方向が逆転する位
置、すなわち、図19の矢示E、Fの位置である。
【0016】そこで、この発明の目的は、上記の問題を
解決して、中釜の駆動を従来より高速化することができ
るミシンの半回転釜を提供することにある。
【0017】また、この発明の別の目的は、この場合に
おいても、針落ちにより中釜の剣先が摩耗することがな
いようにすることにある。
【0018】さらに、この発明の別の目的は、前記の場
合においても、ボビンケースの周りを上糸が糸抜けする
のに支障がないようにすることにある。
【0019】そのうえ、この発明の別の目的は、この場
合にボビンケースの中釜からの着脱に支障がないように
することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段を、後述する発明の実施の形態における対応す
る部材や符号もカッコ書きで付記して説明する。
【0021】(1)請求項1に記載の発明は、上糸(6
a)をすくう剣先(4a、4b)が形成されている中釜
(4)と、回転軸(上軸1/モータ軸71a)と、この
回転軸の回転に同期して、前記中釜を揺動運動させる揺
動手段(中釜駆動機構2/中釜駆動機構2a及びマイク
ロコンピュータ〔不図示〕)とを備え、前記揺動手段
は、前記回転軸の一回転時に前記中釜を一方へ揺動し、
前記回転軸の次の一回転時に前記中釜を他方へ揺動する
ものであり、前記剣先は、前記中釜の揺動方向の両側に
各々形成され、前記中釜の一往復の揺動中に、この揺動
により前記両剣先で交互に上糸をすくうものである、ミ
シンの半回転釜である。
【0022】請求項1に記載のミシンの半回転釜によれ
ば、回転軸の一回転で中釜を一方へ揺動し、回転軸の次
の一回転で中釜を他方へ揺動することで、回転軸の2回
転中に中釜が1往復揺動するので、従来のように回転軸
の1回転で中釜を1回揺動させた場合に比べて、中釜
や、その駆動手段に加わる慣性力を低減することができ
る。
【0023】しかも、回転軸の2回転で中釜を1回揺動
しても、中釜の揺動方向の両側に各々剣先を形成し、中
釜の一往復の揺動中に、この中釜の揺動により両剣先で
交互に上糸をすくうようにしているから、回転軸の2回
転中に中釜が上糸をすくう回数は2回であって、回転軸
の回転数に対する上糸がすくわれる回数は従来と同じで
ある。
【0024】このように、中釜や、その駆動手段に加わ
る慣性力を従来より低減でき、しかも、回転軸の回転数
に対する上糸がすくわれる回数は従来と同じであるた
め、従来より中釜の駆動を高速化することができる。
【0025】(2)請求項2に記載の発明は、前記揺動
手段は、前記中釜を駆動するドライバ(26)を備え、
このドライバは、その揺動方向の両側に前記各剣先に針
が当接するのを係止する係止部(先端部26a、26
b)が各々設けられている、請求項1に記載のミシンの
半回転釜である。
【0026】請求項2に記載のミシンの半回転釜によれ
ば、中釜を駆動するドライバは、その揺動方向の両端側
に各剣先に針が当接するのを係止する係止部が各々設け
られているので、前記のように中釜の往復動により交互
に上糸をすくうように2つの剣先を設けても、従来通り
針の接触による剣先の摩耗を防止することができる。
【0027】(3)請求項3に記載の発明は、ボビンケ
ース(5)を前記中釜に脱着するラッチ(52)を備
え、このラッチは、その尾端側(先端部52b)が前記
ボビンケースの外方側の面(51a)より奥まって配置
されている、請求項1又は請求項2に記載のミシンの半
回転釜である。
【0028】請求項3に記載のミシンの半回転釜によれ
ば、中釜の往復動方向の両側に各々形成されている両剣
先で、中釜の往復動により交互に上糸をすくうようにし
ているので、各剣先ですくわれる上糸のボビンケースに
対する糸抜けの方向が逆になる。
【0029】しかし、従来技術とは異なり、ラッチは、
その尾端側がボビンケースの外方側の面より奥まって配
置されているので、ボビンケースに対するどちら側から
の糸抜けであってもラッチの尾端側で上糸が引っかかる
ことはない。
【0030】(4)請求項4に記載の発明は、前記中釜
及び前記ボビンケースの少なくとも一方の外側の面には
前記ラッチの引出しを容易にする凹部(切欠凹部43)
が形成されている、請求項3に記載のミシンの半回転釜
である。
【0031】請求項4に記載のミシンの半回転釜によれ
ば、ラッチの尾端側がボビンケースの外方側の面より奥
まって配置されていても、中釜及びボビンケースの少な
くとも一方の外側の面にはラッチの引出しを容易にする
凹部が形成されているから、請求項3に記載のミシンの
半回転釜においても、中釜に対するボビンケースの着脱
に支障はない。
【0032】(5)前記請求項1〜請求項4に記載の発
明は、例えば、前記揺動手段は、前記回転軸と前記中釜
とを連結している連結機構(中釜駆動機構2)を備え、
この連結機構はカム部(三角カム22a)を備え、この
カム部のカム形状により前記回転軸の回転運動を前記中
釜の前記揺動運動に変換する、請求項1〜請求項4の何
れかに記載のミシンの半回転釜(請求項5)とすること
ができる。
【0033】(6)また、前記請求項1〜請求項4に記
載の発明は、例えば、前記揺動手段は、前記回転軸の回
転に同期して、独立駆動する独立駆動手段(中釜駆動機
構2a、カム駆動モータ71、三角カム72)である、
請求項1〜請求項4の何れかに記載のミシンの半回転釜
(請求項6)とすることもできる。
【0034】(7)また、前記請求項6に記載の発明
は、例えば、前記独立駆動手段は、前記回転軸の回転に
同期して、独立駆動するモータ(カム駆動モータ71)
と、このモータのモータ軸(71a)に固定され、前記
中釜を駆動するドライバ(26)とを備えている、請求
項6に記載のミシンの半回転釜とすることができる(請
求項7)。
【0035】このように、モータでドライバをダイレク
トに駆動することにより、モータとドライバとの間の連
結機構を省略できるので、部品点数を削減し、ミシンの
コンパクト化を図ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
〔発明の実施の形態1〕まず、構成について説明する。
【0037】図1に示すように、符号1は回転する上軸
である。
【0038】符号2は中釜駆動機構であり、その機構は
次のようなものである。
【0039】すなわち、上軸1には上軸ねじ歯車21が
固定されている。この上軸ねじ歯車21にはカム駆動歯
車22が噛み合っている。このカム駆動歯車22にはミ
シンフレームに回転可能に軸支された回転軸(図示省
略)に固定されていて、その回転中心部分には三角カム
22aが形成されている。
【0040】クランクロッド23の一端側には前記三角
カム22aが係合している。また、クランクロッド23
からの三角カム22aの脱落を防止するため、円形のプ
レート23aがクランクロッド23を挟んで三角カム2
2aにねじ23bで固定されている。
【0041】下軸駆動歯車24は一端側が腕状に形成さ
れ、他端側には歯車が形成されている。この下軸駆動歯
車24の腕状部分の先端側には、段ねじ24aによりク
ランクロッド23の他端側が回動可能に連結されてい
る。下軸駆動歯車24の歯車部分は、ミシンフレームに
回動可能に軸支されている回転軸(図示省略)に固定さ
れ、この歯車には下軸25に固定された下軸ねじ歯車2
5aに噛み合っている。
【0042】符号26は中釜4を駆動するドライバであ
り、下軸25に固定されている。
【0043】図2に示すように、ドライバ26の揺動方
向eの両端部側に形成されている先端部26a、26b
が中釜4を押圧して、この中釜4を駆動する。また、こ
の先端部26a、26bは、中釜4の揺動により針落ち
位置に達したときには、何れも針の先端部分を側部から
係止して、後記する中釜4の剣先が針との接触により摩
耗するのを防止する。
【0044】図3に示すように、中釜4は、従来のもの
と異なり、揺動方向fの両端部側に剣先4a、4bが形
成されていて、この剣先4a、4bで上糸を交互に捕捉
する。中釜4の中央部分には後記するボビンケースが収
納される収納部42が形成され、また、中釜4の回転中
心部分には後記するボビンケースが着脱される軸41が
形成されている。収納部42の壁面には切欠凹部43が
形成されている。
【0045】図4に示すように、ボビンケース5は、従
来と同様、ボビンケース本体51にラッチ52を設けて
いる。このラッチ52は、先端部52bに手をかけて開
閉部52aを開閉することにより、従来より周知の機構
により中釜4の軸41にボビンケース5を着脱させるこ
とができる。ラッチ52は、その両側部分に位置してい
るボビンケース本体51の外方側の面51aより僅かに
奥まって配置されている。そのため、ラッチ52の先端
部52bもボビンケース本体51側に屈曲してボビンケ
ース本体51の外方側の面51aより僅かに奥まってい
る。
【0046】ボビンケース本体51にはボビン(図示省
略)から下糸を引き出す切欠51aが形成され、また、
下糸に抵抗をつける板ばね(図示省略)が取付けられて
いる。また、ボビンケース本体51からは角部53が延
出していて、その尾端部分に形成されている丸孔53a
には、切欠51aから引き出された下糸が糸通しされ
る。
【0047】角部53は図4(A)において左右対象の
テーパ状に形成されていて、その両側縁53b、53c
は、図4(A)において、基端側から尾端側に向かっ
て、前者が右側から左側に、後者が左側から右側に傾斜
している。
【0048】図5はボビンケース5を中釜4に装着した
状態を示している。
【0049】次に、作用について説明する。
【0050】図6に示すように、上軸1が回転すると、
上軸ねじ歯車21、カム駆動歯車22、三角カム22a
を介してクランクロッド23が矢示g方向に揺動し、こ
れにより、下軸駆動歯車24がh方向に揺動して、下軸
ねじ歯車25aを介し、下軸25ひいてはドライバ26
が矢示i方向に揺動する。この揺動するドライバ26に
駆動されて中釜4が揺動する。
【0051】このときの上軸1の回転角度と下軸25の
揺動角度との関係は図7に示している(上糸の糸掛け、
糸抜けのタイミングも示している)。同図に示すよう
に、従来の半回転釜とは異なり、上軸1が2回転する間
に下軸25(ひいては中釜4)が1往復揺動する。この
ような揺動運動は三角カム22aのカム形状により実現
される。
【0052】すなわち、上軸1が1回転する間に、ま
ず、下軸25は揺動方向の1方向に回転して一方の剣先
4a(図3参照)で既に糸掛けされている上糸を糸抜け
する。そして、間もなく揺動角が110°に達したとこ
ろで暫く揺動を停止してから(図7に実線で示してい
る)、再度逆向きに揺動を開始する。そして、間もなく
他方の剣先4b(図3参照)で上糸を糸掛けして(図1
0参照)揺動角0°の位置まで戻って、上軸1の最初の
1回転が終了する。
【0053】上軸が次に1回転する間に、まず、下軸2
5は先ほどとは他方向の揺動方向に回転して剣先4bか
ら上糸が糸抜けする。そして、間もなく、揺動角が−1
10°に達したところで暫く揺動を停止してから(図7
に実線で示している)、再度逆向きに揺動を開始する。
間もなく剣先4aで再度上糸を糸掛けして(図8、図9
参照)揺動角0°の位置まで戻って、上軸1の次の1回
転が終了する。
【0054】以後、上記の動作を繰り返して、上軸2が
2回転する間に、下軸25を1回揺動させて剣先4aと
4bを交互に使って上糸を糸掛け、糸抜けさせる。
【0055】そして、上軸1の2回転で中釜4が1往復
揺動するので、図7に示す曲線(実線)の各部における
曲率を、図に示す従来の半回転釜の場合と比較すれば明
らかなように、この発明の実施の形態1である半回転釜
によれば、従来のように上軸の1回転で中釜を1回揺動
させた場合に比べて、中釜4や、その駆動手段である中
釜駆動機構2に加わる慣性力を低減することができる。
【0056】しかも、回転軸の2回転で中釜4を1回揺
動しても、中釜4の揺動方向の両側に各々剣先4a、4
bを形成し、中釜4の揺動により両剣先4a、4bで交
互に上糸をすくうようにしているから(図8〜図10参
照)、上軸1の回転数に対する上糸がすくわれる回数は
従来と同じである。
【0057】このように、中釜4や、中釜駆動機構2に
加わる慣性力を従来より低減でき、しかも、上軸1の回
転数に対する上糸がすくわれる回数は従来と同じである
ため、従来より中釜4の駆動を高速化することができ
る。
【0058】なお、前記の場合に、図7に示す実線の曲
線中、矢示E1、E2、F1、F2で示す位置、すなわ
ち、下軸25の揺動が停止、再開する位置の曲率が最も
大きく、従って、中釜4や、中釜駆動機構2に加わる慣
性力が最大となっている。
【0059】すなわち、上記の例では、下軸25の揺動
角度が±110°に達すると直ちに下軸25の揺動を停
止しているが、同図に点線で示すように、揺動角度が±
110°に達した後に徐々に停止させ、停止後、徐々に
逆方向への揺動を開始するようにすれば、曲線の曲率は
さらに小さくなり、中釜4や、中釜駆動機構2に加わる
慣性力をさらに小さくすることができる。これは、三角
カム22aのカム形状の選択により実現できる。
【0060】また、図8〜図11に示すように、ドライ
バ26の揺動方向の両端部側に形成されている先端部2
6a、26bが針3の針落ちのときに交互に針3の先端
部分を側部から係止して、中釜4の剣先4a、4bが針
3との接触により摩耗するのを防止する。すなわち、前
記のとおり回転軸の2回転の間で剣先4aと4bで交互
に上糸をすくうようにしているが、これに対応して、剣
先4aで上糸をすくうに際しては針3を先端部26aで
係止し、剣先4bで上糸をすくうに際しては針3を先端
部26bで係止するようにしている。なお、図8〜図1
0の矢示j、kは中釜4の揺動方向を示している。
【0061】従って、中釜4の揺動方向の両側に交互に
上糸をすくう2つの剣先4aと4bを形成しても、両剣
先4a、4bが針3の針落ちにより摩耗することはな
い。
【0062】さらに、前記のとおり回転軸の2回転の間
で中釜4の揺動運動により剣先4aと4bで交互に上糸
をすくうようにしているので、図12、図13に示すよ
うに、ボビンケース5に対する上糸6aの糸抜けは同図
の左側から右側に抜ける場合(図12の矢示l方向)
と、右側から左側に抜ける場合(図13の矢示m方向)
とが交互に生じる(なお、図12、図13において符号
6bは下糸である)。
【0063】しかし、図4、図5に示すように、ラッチ
51は、その両側部分に位置しているボビンケース本体
51の外方側の面51aより僅かに奥まって配置されて
いる。そのため、ラッチ52の先端部52bもボビンケ
ース本体51側に屈曲してボビンケース本体51の外方
側の面51aより僅かに奥まっている。
【0064】これにより、前記のようにボビンケース5
に対する上糸6aの糸抜けが交互に逆方向から行われて
も、矢示l方向(図12)に抜ける上糸6aがラッチ5
の先端52bにひっかかってしまうことがない。
【0065】しかし、ラッチ52の先端部52bもボビ
ンケース本体51側に屈曲して配置したことに伴い、中
釜4に切欠凹部43を形成しているため、ラッチ52の
先端部52bと中釜4との間に指を差入れて、ラッチ5
2を引き出すのは容易であり(特に図5参照)、ラッチ
52を開閉して、ボビンケース5を中釜4に着脱するの
に支障はない。
【0066】そのうえ、前記のようにボビンケース5に
対する上糸6aの糸抜けが交互に逆方向から行われるこ
とに伴い、前記のように(図4参照)、角部53を左右
対象のテーパ状に形成し、その両側縁53b、53c
は、図4(A)において、基端側から尾端側に向かっ
て、前者が右側から左側に、後者が左側から右側に傾斜
して形成している。
【0067】そのため、図12、図13に示すように、
ボビンケース5に対する上糸6aの糸抜けが交互に行わ
れても、角部53で上糸6aがひっかかってしまうこと
がない(図に示す従来の角部101aでは、テーパ状で
はなく、同図の左側から右側に傾斜しているので、図1
2に示す矢示l方向の糸抜けの支障となる)。
【0068】〔発明の実施の形態2〕まず、構成につい
て説明する。
【0069】図14、図15に示すように、発明の実施
の形態2が前記発明の実施の形態1と構成上相違するの
は次のような点である。
【0070】第1に、前記中釜駆動機構2に代えて中釜
駆動機構2aが設けられている。この中釜駆動機構2a
は前記中釜駆動機構2と異なり、上軸1とクランクロッ
ド23とが連結されていない。そのため、前記の上軸ね
じ歯車21、カム駆動歯車22は設けられておらず、代
わりにカム駆動モータ71が設けられ、このモータ71
のモータ軸71aには、前記三角カム22aと同様の三
角カム72を固定し、この三角カム72とクランクロッ
ド23とを係合している。クランクロッド21からドラ
イバ26までの連結機構については、中釜駆動機構2a
は前記中釜駆動機構2と同様である。
【0071】第2に、上軸1には、この上軸の回転角度
を検出する回転センサ73が設けられている。
【0072】第3に、周知のマイクロコンピュータ(図
示省略)が設けられ、このマイクロコンピュータは、前
記カム駆動モータ71を駆動するモータドライバ(図示
省略)及び前記回転センサ73と接続されている。そし
て、前記マイクロコンピュータのROMには所定の制御
プログラムが格納されている。
【0073】その他の構成は前記発明の実施の形態1と
同様であり、図14、図15中、前記図1〜図13と同
一符号の部材は、前記発明の実施の形態1と同様である
ため、詳細な説明は省略する。
【0074】次に、作用について説明する。
【0075】この発明の実施の形態2では、前記制御プ
ログラムに基づいて、前記マイクロコンピュータ(のC
PU)が上軸1の回転角度を回転センサ73で検出し、
この検出角度に基づいて前記モータドライバに制御信号
を出力し、カム駆動モータ71の駆動を制御して上軸1
に対する下軸25の揺動角度を図7に示す前記発明の実
施の形態1の場合と同様になるようにしている。
【0076】これにより、この発明の実施の形態2でも
前記発明の実施の形態1の場合と同様の効果を奏するこ
とができる。
【0077】〔発明の実施の形態3〕前記発明の実施の
形態2では、中釜駆動機構2aを介して、カム駆動モー
タ71の回転をドライバ26の所定の揺動に変換してい
るが、この発明の実施の形態3では、図16に示すよう
に、中釜駆動機構2aを設けず、カム駆動モータ71の
モータ軸71aに直接ドライバ26を取り付けるように
している。
【0078】そして、やはり所定の制御プログラムに基
づいて、前記マイクロコンピュータ(のCPU)が上軸
1の回転角度を回転センサ73で検出し、この検出角度
に基づいて前記モータドライバに制御信号を出力し、カ
ム駆動モータ71の回転速度、回転方向を制御して上軸
1に対する下軸25の揺動角度を図7に示す前記発明の
実施の形態1の場合と同様になるようにすればよい。
【0079】なお、図16において、図14、図15と
同一符号の部材は前記発明の実施の形態2と同様の部材
であり、詳細な説明は省略する。
【0080】このように、中釜駆動機構2aを設けない
構成とすることにより、前記発明の実施の形態2の場合
に比べて部品点数を削減し、ミシンのコンパクト化を図
ることができる。
【0081】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、中釜の
駆動を従来より高速化することができるミシンの半回転
釜を提供することができる。
【0082】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明と同様の効果を奏するほか、針の接触によ
る剣先の摩耗を防止できるミシンの半回転釜を提供する
ことができる。
【0083】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
又は請求項2に記載の発明と同様の効果を奏するほか、
ラッチの尾端側で上糸が引っかかることのないミシンの
半回転釜を提供することができる。
【0084】請求項4に記載の発明によれば、請求項3
に記載の発明と同様の効果を奏するほか、中釜に対する
ボビンケースの着脱に支障のないミシンの半回転釜を提
供することができる。
【0085】請求項5に記載の発明によれば、請求項1
〜請求項4の何れかに記載のミシンの半回転釜を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる半回転釜の駆
動機構の分解斜視図。
【図2】この発明の実施の形態1にかかる半回転釜のド
ライバの斜視図。
【図3】この発明の実施の形態1にかかる半回転釜の中
釜の斜視図。
【図4】この発明の実施の形態1にかかる半回転釜のボ
ビンケースを示すものであり、(A)は正面図、(B)
は斜視図。
【図5】この発明の実施の形態1にかかる半回転釜の中
釜にボビンケースを装着した状態の側面図。
【図6】この発明の実施の形態1にかかる半回転釜の作
用を説明する斜視図。
【図7】この発明の実施の形態1にかかる半回転釜の作
用を説明するグラフ図。
【図8】この発明の実施の形態1にかかる半回転釜の作
用を説明する正面図。
【図9】この発明の実施の形態1にかかる半回転釜の作
用を説明する斜視図。
【図10】この発明の実施の形態1にかかる半回転釜の
作用を説明する正面図。
【図11】この発明の実施の形態1にかかる半回転釜の
作用を説明する断面図。
【図12】この発明の実施の形態1にかかる半回転釜の
作用を説明する正面図。
【図13】この発明の実施の形態1にかかる半回転釜の
作用を説明する正面図。
【図14】この発明の実施の形態2にかかる半回転釜の
駆動機構の分解斜視図。
【図15】この発明の実施の形態2にかかる半回転釜の
駆動機構を組付けた状態の斜視図。
【図16】この発明の実施の形態3にかかる半回転釜の
斜視図。
【図17】従来の半回転釜の分解斜視図。
【図18】従来の半回転釜の斜視図。
【図19】従来の半回転釜の作用を説明するグラフ図。
【図20】従来の半回転釜の作用を説明する正面図。
【図21】従来の半回転釜の作用を説明する断面図。
【図22】従来の半回転釜のボビンケースを示すもので
あり、(A)は正面図、(B)は斜視図。
【図23】従来の半回転釜の作用を説明する図であり、
(A)は正面図、(B)及び(C)は側面図。
【符号の説明】
1 上軸 2、2a 中釜駆動機構 22a、72 三角カム 26 ドライバ 26a、26b 先端部 4 中釜 4a、4b 剣先 43 切欠凹部 5 ボビンケース 51a ボビンケースの外方側の面 52 ラッチ 52b 先端部 6a 上糸 71a モータ軸

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上糸をすくう剣先が形成されている中釜
    と、 回転軸と、 この回転軸の回転に同期して、前記中釜を揺動運動させ
    る揺動手段とを備え、 前記揺動手段は、 前記回転軸の一回転時に前記中釜を一方へ揺動し、前記
    回転軸の次の一回転時に前記中釜を他方へ揺動するもの
    であり、 前記剣先は、 前記中釜の揺動方向の両側に各々形成され、前記中釜の
    一往復の揺動中に、この揺動により前記両剣先で交互に
    上糸をすくうものである、ミシンの半回転釜。
  2. 【請求項2】前記揺動手段は、 前記中釜を駆動するドライバを備え、 このドライバは、 その揺動方向の両端側に前記各剣先に針が当接するのを
    係止する係止部が各々設けられている、請求項1に記載
    のミシンの半回転釜。
  3. 【請求項3】ボビンケースを前記中釜に脱着するラッチ
    を備え、 このラッチは、 その尾端側が前記ボビンケースの外方側の面より奥まっ
    て配置されている、請求項1又は請求項2に記載のミシ
    ンの半回転釜。
  4. 【請求項4】前記中釜及び前記ボビンケースの少なくと
    も一方の外側の面には前記ラッチの引出しを容易にする
    凹部が形成されている、請求項3に記載のミシンの半回
    転釜。
  5. 【請求項5】前記揺動手段は、 前記回転軸と前記中釜とを連結している連結機構を備
    え、 この連結機構はカム部を備え、 このカム部のカム形状により前記回転軸の回転運動を前
    記中釜の前記揺動運動に変換する、請求項1〜請求項4
    の何れかに記載のミシンの半回転釜。
  6. 【請求項6】前記揺動手段は、 前記回転軸の回転に同期して、独立駆動する独立駆動手
    段である、請求項1〜請求項4の何れかに記載のミシン
    の半回転釜。
  7. 【請求項7】前記独立駆動手段は、 前記回転軸の回転に同期して、独立駆動するモータと、 このモータのモータ軸に固定され、前記中釜を駆動する
    ドライバとを備えている、請求項6に記載のミシンの半
    回転釜。
JP24362496A 1996-09-13 1996-09-13 ミシンの半回転釜 Pending JPH1085473A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102776731A (zh) * 2012-03-28 2012-11-14 东阳市双燕设备有限公司 一种摆梭刺绣机
KR20130116818A (ko) * 2012-04-16 2013-10-24 뒤르콥 아들러 악티엔게젤샤프트 재봉기

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