JPH0211009Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は外カマ部分を回動自在とした筒形ミ
シンに関する。

〔従来の技術〕

第７図は従来の筒形ミシンを示す鳥かん図であ
り、図において、１は駆動モータ、２はこの駆動
モータ１の回転力をＶベルト３を介して上軸プー
リ４を回転させるモータプーリ、５はミシン筐体
であつて、軸受６が固定されている。７は上軸プ
ーリ４に固着された上軸であつて、軸受６に回動
自在に支承されている。８は針であつて、上軸プ
ーリ４と共に回転する上軸７によつて、矢印に示
すように上下運動を行う。９は上軸７のクランク
部７ａに連結された連接桿であつて、上軸７の回
転によつて、順次、腕１０および１１が揺動運動
をし、歯車１２を介してカマ軸１３が揺動運動を
するようになつている。１４はカマ台部分であ
る。

このカマ台部分１４を第８図、第９図によつて
より詳細に示す。図において、１５は外カマボス
部１５ａを介して、ミシン筐体５に固定される外
カマ、１６はこの外カマ１５内に配置されてネジ
１７の締め付けによりカマ軸１３に取付けられた
ドライバで、カマ軸１３の揺動に伴つて揺動運動
をする。１８は中ガマであつて、この中ガマ１８
はドライバ１６のＸ側に位置し、接点１８ａと接
点１６ａとが接し、接点１８ｂと接点１６ｂが接
する位置であると同時にガイド１８ｃが溝部１５
ｂに回動自在に配置されている。１９は中ガマ押
えであつて、この中ガマ押え１９は、外カマ１５
の溝部１５ｂに配置された中ガマ１８の左端面１
８ｄと接しつつ、外カマ１５のレバー１５ｃによ
り溝部１９ａを介して外カマ１５の左端面１５ｄ
に固定されている。２０はボビンケースであつ
て、このボビンケース２０は、ボビン２１を収納
しつつ、中ガマ押え溝部１９ｂとボビンケース角
部２０ａが嵌合し、中ガマ１８に収納される。

２２は針板である。そして、縫製時のカマ台部
分１４の状態を第１０図、第１１図によつて説明
する。図において、２２は針板、２３は上糸、２
４は下糸、２５は縫製物である。このように針８
が上下することに対応して、カマ軸１３が揺動、
ドライバ１６が揺動、中ガマ１８が揺動運動をす
ることにより、本縫の縫製が行われる。この場
合、外カマ１５とボビンケース２０は、カマ軸１
３に対して固定されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来の筒形ミシンは以上のように構成されてい
るので、外カマ１５は回動できず、縫製物２５は
筒状のものに限られ、それ以外の形、例えば縫製
物２６のようなものは縫製できなかつた。

この考案は上記のような問題点を解消するため
になされたものであつて、より多様な形状の縫製
物が縫製できる筒形ミシンを提供することを目的
とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係る筒形ミシンは、上軸の回転運動
が揺動運動に変換されて伝達されるカマ軸を第１
および第２の軸を介し、かつ各軸間を歯車により
噛合させて他のカマ軸に連設したものである。

〔作用〕

この考案におけるミシンは、外カマ部分を回動
自在として縫製物自体を回動可能とすることによ
り縫い目を構成し、より多様な形状の縫製を可能
とする。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を図について説明す
る。第７図乃至第１０図と同一または相当部分は
同一符号を以て示した第１図において、２７は後
述するカマ軸２８に対して回動自在な外カマ部
分、２８はカマ軸であつて、その先端部には外カ
マ１５が、また後端部にはカサ歯車２９が取付け
られている。３０は連接桿９によつて揺動運動さ
れるカマ軸であつて、その先端にはカサ歯車３１
が取付けられている。そして、このカマ軸３０の
揺動運動は後述する第１および第２の軸３２，３
３を介して上記カマ軸２８に伝達される。３２は
外カマ部分２７に固定された軸受３４に回動自在
に支承された第１の軸であつて、後端にはカサ歯
車３１と噛合うカサ歯車３５が、また先端にもカ
サ歯車３６が取付けられている。３３は外カマ部
分２７に固定された軸受３７に回動自在に支承さ
れた第２の軸であつて、後端には第１の軸３２の
カサ歯車３６と噛合うカサ歯車３８が、また先端
にはカマ軸２８のカサ歯車２９と噛合うカサ歯車
３９が設けられている。従つて、第１および第２
の軸３２，３３を回動させることによつて、外カ
マ部分２７がθ方向に回動可能となつている。

そして、カマ台部分１４を第８図および第９図
と同一または相当部分は同一符号を以て示した第
２図、第３図によつてより詳細に示す。図におい
て、ボビンケース４０の突部４０ａが、中ガマ４
１の溝部４１ａに嵌合する。

また縫製時のカマ台部分１４を第１０図、第１
１図と同一または相当部分は同一符号を以て示し
た第４図乃至第６図によつて説明する。図におい
て、中ガマ１８とボビンケース４０は、同体で揺
動運動をして縫目を構成する。この場合、ボビン
ケース４０も回転するので、第４図乃至第６図に
示すように、ボビンケース４０の任意の位置で下
糸２４の長さが変化しないようにしなければなら
ない。そのために、下糸２４がカマ軸２８の回転
中心から出るようにボビンケース４０を採用する
ことにした。４０ｂは下糸２４を貫通させる孔で
ある。

以上のように構成されているので、縫製物２６
を縫う場合、第１および第２の軸３２，３３を回
動させることによつて外カマ部分２７をθ方向
（第１図）に回動させることにより縫い目Ａが形
成される。この場合、中ガマ１８と針８とのタイ
ミングは、遊星歯車列を形成している各歯車２
９，３９，３８，３６，３５，３１の歯数の条件
を設計することにより、外カマ部分２７の回動に
関係なく、不変である。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によれば、上軸の回転
運動を揺動運動に変換して伝達するカマ軸と、外
カマ内に配置され、上記カマ軸の揺動運動に伴つ
て揺動するドライバおよび上記外カマ内に配置さ
れ、上記ドライバの揺動に伴つて揺動運動する中
ガマを有するカマ台部分を先端に取付けた他のカ
マ軸と、上記カマ軸と他のカマ軸との間に連設さ
れた第１および第２の軸と、各軸間を連設させる
歯車とで構成したので、縫製物自体を回動可能と
し、より多様形状の縫製物の縫製が行えるという
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による筒形ミシン
を示す鳥かん図、第２図はこの考案のカマ台部分
の鳥かん図、第３図はこの考案のカマ台部分の部
品鳥かん図、第４図はこの考案の縫製時のカマ台
部分の左側面図、第５図は同断面図、第６図は第
４図のタイミングと異なる縫製タイミングのとき
のカマ台部分の左側面図、第７図は従来の筒形ミ
シンを示す鳥かん図、第８図は従来のカマ台部分
の鳥かん図、第９図は従来のカマ台部分の部品鳥
かん図、第１０図は従来の縫製時のカマ台部分の
左側面図、第１１図は同断面図である。 １は駆動モータ、５はミシン筐体、７は上軸、
８は針、９は連接桿、１０は腕、１１は腕、１
３，２８，３０はカマ軸、１４はカマ台部分、１
５は外カマ、１６はドライバ、１８は中ガマ、１
９は中ガマ押え、２０，４０はボビンケース、２
１はボビン、２２は針板、２３は上糸、２４は下
糸、２５，２６は縫製物、２７は外カマ部分、３
２は第１の軸、３３は第２の軸。なお、図中、同
一符号は同一、又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸受を介してミシン筐体に回転自在に支承され
   た上軸と、この上軸のクランク部に連結された連
   接桿と、この連接桿を介して上記上軸の回転運動
   が揺動運動に変換されて伝達されるカマ軸と、上
   記ミシン筐体に設けられる外カマ内に配置され、
   上記カマ軸の揺動運動に伴つて揺動するドライバ
   と、上記外カマ内に配置され、上記ドライバの揺
   動に伴つて揺動運動する中ガマとを備え、揺動駆
   動される上記カマ軸の先端にカマ台部分を有し、
   針の上下動に対応して上記カマ軸、ドライバおよ
   び中ガマが揺動してロツクステツチを形成する本
   縫用の筒形ミシンにおいて、上記カマ軸に歯車を
   介して第１の軸を連設し、この第１の軸に歯車を
   介して第２の軸を連設し、さらにこの第２の軸に
   歯車を介して他のカマ軸を連設し、この他のカマ
   軸の先端に上記カマ台部分を備えたことを特徴と
   する筒形ミシン。