JPH1084100A - Soi基板の製造方法 - Google Patents

Soi基板の製造方法

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JPH1084100A
JPH1084100A JP25775796A JP25775796A JPH1084100A JP H1084100 A JPH1084100 A JP H1084100A JP 25775796 A JP25775796 A JP 25775796A JP 25775796 A JP25775796 A JP 25775796A JP H1084100 A JPH1084100 A JP H1084100A
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soi
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semiconductor layer
thickness
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JP25775796A
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Koji Aga
浩司 阿賀
Kiyoshi Mitani
清 三谷
Kazuya Tomii
和弥 冨井
Masayasu Katayama
正健 片山
Hideyuki Unno
秀之 海野
Kazuo Imai
和雄 今井
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Shin Etsu Handotai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 SOI基板を還元性雰囲気中で熱処理する場
合において、埋め込み酸化膜に空洞等を生ずることのな
い、SOI基板の製造方法を提供する。 【解決手段】 所望の導電型不純物を第1不純物濃度で
有する第1の半導体基板の一面に、該第1不純物濃度よ
り高い第2不純物濃度で該所望の導電型不純物を有する
厚さが0.5ミクロンより厚い半導体層を形成する工程
と、該第1の半導体基板の該半導体層の表面を、絶縁膜
で覆われた第2の半導体基板に接着する工程と、該半導
体層の形成されていない側の面から第1の半導体基板を
薄膜化して該半導体層を露出する工程と、該半導体層の
接着された基板を還元性雰囲気中で加熱して、該半導体
層の不純物濃度を低減する工程と、該半導体層をさらに
薄膜化して所望厚さのSOI層に仕上げる工程とからな
る、ことを特徴とするSOI層の厚さが0.5ミクロン
以下のSOI基板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁層上にシリコ
ン膜が形成されたSOI(Silicon on Insulator)基板
を、2枚のシリコン基板を接着剤を用いないで貼り合わ
せた後、一方の基板を薄膜化してSOI基板を製造する
方法に係り、特にはSOI層の厚さが0.5ミクロン以
下の極薄のSOI基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子デバイスにとって理想的な構造とい
われ、将来の大規模・高性能LSI用基板として、SO
I基板が有望視されている。このSOI基板の製造方法
としては、酸素イオンを結晶に高濃度で打ち込み、熱処
理で酸化膜を形成するSIMOX(Separation by Impl
anted Oxygen)が有力なSOI基板として注目され研究
が続けられている。しかし、酸化膜の信頼性や一度アモ
ルファス状態になったシリコン層について1300℃以
上の結晶性回復熱処理が必要であることなど問題点が多
い。
【0003】一方、二枚のシリコン基板のうち、少なく
とも一方に酸化膜を形成した後接着剤を用いないで接合
し、片方の基板を薄膜化することによってSOI基板を
得るいわゆる貼り合わせ法は、平坦度、清浄度等の薄膜
化技術の向上とあいまって、近年特に注目を浴びてい
る。このような貼り合わせによるSOI基板は、前記S
IMOXにくらべ酸化膜の完全性が高いため、漏れ電流
が少なく、高耐圧である等の電気特性の優れたものとな
る。
【0004】この貼り合わせ法の概略は、例えば図2に
示したように、まず1枚のシリコン基板1を熱酸化し
て、その周囲に酸化膜2を形成する(A)。次に、この
基板1を支持基板となるシリコン基板3と接合し、熱処
理を加えて強固に貼り合わせる(B)。その後、基板1
の上面を研削研磨により薄膜に加工し、(C)に示され
るように所望厚さのSOI層を有するSOI基板を作製
することができる。
【0005】しかし、従来この貼り合わせ法では、研削
研磨によって形成できるSOI層の厚さは約2ミクロン
程度までで、近年要求されている1ミクロン以下、特に
は0.5ミクロン以下といった極薄のSOI層を得るた
めには、さらに高精度の薄膜化技術を用いる必要があ
る。
【0006】このようなSOI層を1ミクロン以下の厚
さにできる技術として、PACE(Plasma Assisted Ch
emical Etching:プラズマによる化学的エッチング)技
術が最近報告されている。これは、先に述べた研削研磨
技術によりSOI層を2ミクロン程度の厚さにしたSO
I基板を、さらにプラズマエッチングにより、例えば
0.1ミクロン程度までSOI層を薄くすることができ
る技術である。しかし、この技術は生産性、コストの面
で問題がある上に、エッチング処理したSOI層の表面
に結晶欠陥が生じたり、あらたに面粗れが生じたりする
という欠点を有している。
【0007】また、SOI層を1ミクロン以下の厚さに
できる他の技術として、エッチストップ法がある。この
方法の一例としては、例えば図3に示したように、まず
活性層を形成する低濃度シリコン基板10に、イオン注
入法あるいは拡散法により、P型高濃度シリコン層11
形成して、活性層側基板15を形成する(A)。次に、
この活性層側基板15のP型高濃度シリコン層11と、
シリコン基板16を熱酸化してシリコン酸化膜17をそ
の表面に形成した支持基板13とを貼り合わせる
(B)。
【0008】次に、KOH(水酸化カリウム)液あるい
はEPW(Ethylenediamine Pyrocatechol Water:エチ
レンジアミンピロカテコール水)液等を用いて活性層側
の低濃度シリコン基板10側を選択エッチングする
(C)。次に、P型高濃度シリコン層11が、すべて酸
化膜に変わらないように酸化条件を制御しながら、P型
高濃度シリコン層11の一部を酸化する。すると、シリ
コンと酸化膜の偏析係数の違いにより、高濃度P型シリ
コン層中のボロンは、形成されたシリコン酸化膜18側
へ吸い出される。そして、残ったシリコン層中の不純物
濃度は酸化前に比べて低下し、低・中濃度シリコン層1
9が形成される(D)。そして、シリコン酸化膜18を
除去すると、支持基板13のシリコン酸化膜17上に、
低・中濃度のシリコン層19が形成された薄膜SOI基
板を得ることができる。
【0009】この方法によれば、最終SOI層の膜厚を
選択エッチング後の酸化反応により制御できるので、膜
厚の制御性が良く、結晶性も良好なものが得られるとい
う利点がある。しかし、この方法では酸化によるP型高
濃度層の不純物の吸い出しが不十分となり、SOI層の
膜厚を例えば0.1ミクロンといった極薄のものとしな
い限り、ボロン濃度は例えば約1×1018/cm3 以上
となって、デバイスの作製ができないものとなってしま
う。
【0010】そこで、このエッチストップ法におけるS
OI層の不純物濃度を十分に低減すべく、エッチング後
の薄膜化された半導体層を有する基板を、還元性雰囲気
中、または真空中で熱処理して、P型不純物をP型高濃
度シリコン層の表面から大気中に拡散させる方法が開発
され、先に提案された(特開平8−139297号公報
参照)。この方法では、SOI層のボロン濃度を十分に
低減することができるので、結晶性、膜厚均一性が良好
で、かつデバイス製造が十分に可能なSOI層を有する
SOI基板を製造することができる。
【0011】ところが、このように還元性雰囲気中でS
OI層の熱処理を行うと、還元性ガスがSOI層中に存
在する結晶欠陥等を通って、埋め込まれた酸化膜まで到
達し、還元反応によって酸化膜が昇華したり、空洞が生
じたりしてSOI構造が破壊されることがある。
【0012】そこで、先の提案では、このような場合に
は還元性雰囲気ではなく、真空中で熱処理するか、ある
いは最初に還元性雰囲気で熱処理して表面の自然酸化膜
を除去し、その後還元性ガスから不活性ガスへ切り換え
て熱処理する対策が取られた。しかし、真空中で熱処理
する方法は、高真空が必要で装置が複雑かつ高価なもの
となり、生産性、コスト的に大きな問題がある。また、
不活性ガスに切り換える方法は、不純物の低減効果が不
十分となりやすい。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は上記
問題点に鑑みなされたもので、半導体基板を貼り合わ
せ、エッチストップ法により薄膜化した後、SOI層の
不純物濃度を十分に低減すべく、エッチング後の薄膜化
された半導体層を有する基板を還元性雰囲気中で熱処理
して、不純物を半導体層の表面から大気中に拡散させる
場合において、還元性ガスにより埋め込まれた酸化膜
が、還元反応によって昇華したり、空洞を生じたりする
ことなく、SOI層の不純物濃度を十分に低減すること
ができる方法を提供し、結晶性、膜厚均一性が良好で、
かつ0.5ミクロン以下という極薄のSOI層を有する
SOI基板を低コストで得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の請求項1に記載した発明は、SOI基板を還元
性雰囲気中で加熱処理する工程を有するSOI基板の製
造方法において、該基板を還元性雰囲気中で熱処理する
工程は、SOI層の厚さを0.5ミクロンより厚いもの
として行われる、ことを特徴とするSOI基板の製造方
法である。
【0015】このように、基板を還元性雰囲気中で熱処
理する場合に、SOI層の厚さを0.5ミクロンより厚
いものとすれば、還元性ガスがSOI層を通って埋め込
まれた酸化膜に到達し、酸化膜が還元反応によって昇華
したり、空洞を生じたりするようなことをなくすことが
できる。
【0016】また、本発明の請求項2に記載した発明
は、SOI基板を還元性雰囲気中で加熱処理する工程を
有するSOI層の厚さが0.5ミクロン以下のSOI基
板の製造方法において、該基板を還元性雰囲気中で熱処
理する工程は、SOI層の厚さを0.5ミクロンより厚
いものとして行われ、その後SOI層を薄膜化して所望
厚さのSOI層に仕上げる、ことを特徴とするSOI層
の厚さが0.5ミクロン以下のSOI基板の製造方法で
ある。
【0017】このように、還元性雰囲気中で熱処理する
工程は、SOI層の厚さを0.5ミクロンより厚いもの
とし、その後所望厚さのSOI層に仕上げるようにすれ
ば、還元性ガスがSOI層を通って埋め込まれた酸化膜
に到達し、酸化膜が還元反応によって昇華したり、空洞
を生じたりすることなく、SOI層の厚さが0.5ミク
ロン以下の極薄のSOI基板を製造することができる。
【0018】本発明の請求項3に記載した発明は、所望
の導電型不純物を第1不純物濃度で有する第1の半導体
基板の一面に、該第1不純物濃度より高い第2不純物濃
度で該所望の導電型不純物を有する厚さが0.5ミクロ
ンより厚い半導体層を形成する工程と、該第1の半導体
基板の該半導体層の表面を、絶縁膜で覆われた第2の半
導体基板に接着する工程と、該半導体層の形成されてい
ない側の面から第1の半導体基板を薄膜化して該半導体
層を露出する工程と、該半導体層の接着された基板を還
元性雰囲気中で加熱して、該半導体層の不純物濃度を低
減する工程と、該半導体層をさらに薄膜化して所望厚さ
のSOI層に仕上げる工程とからなる、ことを特徴とす
るSOI層の厚さが0.5ミクロン以下のSOI基板の
製造方法である。
【0019】このように、エッチストップ法において高
不純物濃度半導体層の厚さを0.5ミクロンより厚いも
のとし、還元性雰囲気中で熱処理される時の半導体層の
厚さを0.5ミクロンより厚いものとすれば、還元性ガ
スがSOI層を通って埋め込まれた酸化膜に到達し、酸
化膜が還元反応によって昇華したり、空洞を生じたりす
ることなく、SOI層の不純物濃度を十分に低減するこ
とができる。そして、しかるのちに半導体層に薄膜化処
理を施して所望厚さに仕上げることにすれば、SOI層
の厚さが0.5ミクロン以下の極薄のSOI基板を製造
することができる。
【0020】この場合、第1の半導体基板を薄膜化して
半導体層を露出する工程は、第1の半導体基板を研削・
研磨した後エッチングする工程とすれば、全部エッチン
グにより薄膜化するよりエッチング時間を短縮でき効率
的である(請求項4)。
【0021】また、基板を還元性雰囲気中で加熱して、
半導体層の不純物濃度を低減する工程は、水素ガスを含
む雰囲気中で行えば、効率的に不純物を除去することが
できるとともに、SOI層の結晶性を向上させることが
できる(請求項5)。
【0022】また、半導体層をさらに薄膜化して所望厚
さのSOI層に仕上げる工程は、酸化性雰囲気中で基板
を酸化して酸化膜を形成する工程と、この酸化膜を除去
する工程とからなるものとすれば、正確に所望極薄の厚
さに仕上げることができるとともに、さらに不純物を除
去することができる(請求項6)。
【0023】さらに、本法で用いられる所望の導電型不
純物としては、ボロンが好適である。ボロンを高濃度と
してエッチストップ法により、選択エッチングによって
薄膜化すれば、結晶性、膜厚均一性の良いSOI層を低
コストで得ることができる(請求項7)。
【0024】以下、本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。本発明者ら
は、還元性雰囲気中でSOI基板を熱処理すると、埋め
込み酸化膜が昇華あるいは空洞が生じる原因について検
討したところ、これはSOI層中にピンホールが存在
し、これを通って還元性ガスが侵入し、埋め込み酸化膜
まで到達した場合は酸化膜を還元するのではないかと考
えた。
【0025】このようなピンホールは、SOI加工で生
じるものではなく、もともとシリコン基板中に存在して
いた結晶欠陥ではないかと推測される。すなわち、例え
ばシリコン基板中には、COP(Crystal Originated P
article )等の結晶欠陥が存在することが知られており
(J.Ryuta,E.Morita,T.Tanaka and Y.Shimanuki;Jpn.J.
Appl.Phys.29(1990) L1947)、またシリコンと埋め込み
酸化膜との界面に欠陥や未結合部が存在した場合、それ
は当然SOI中にも存在することになる。そして、薄膜
化後のSOI層中に存在する結晶欠陥等が、表面から埋
め込み酸化膜まで到達している場合には、SOI層を貫
通したピンホールとなり、ここから侵入した還元性ガス
が酸化膜を還元するものと思われる。
【0026】とすれば、このようなCOP等の結晶欠陥
のサイズ(ほとんど0.3ミクロン以下)より、SOI
層の厚さを厚くすれば、例えSOI層中に結晶欠陥が存
在しても貫通したピンホールとはならず、還元性ガスの
酸化膜までの侵入を防げることになる。
【0027】そこで、還元性雰囲気中での熱処理後に発
生する埋め込み酸化膜中の空洞のSOI層膜厚依存性を
調べたところ、SOI層膜厚が厚くなるほど空洞の密度
は減少し、SOI層を0.5ミクロンより厚くすると、
空洞の発生はほぼ抑制できることがわかった。
【0028】したがって、例えばエッチストップ法によ
って0.5ミクロン以下の極薄のSOI層を有するSO
I基板を作製する場合には、まず高不純物濃度半導体層
の厚さを0.5ミクロンより厚いものとすることによっ
て、還元性雰囲気中熱処理時のSOI層の膜厚を0.5
ミクロンより厚くして、不純物濃度の低減化を行い、し
かるのちに目的の膜厚まで薄膜化を行えば、酸化膜の昇
華や空洞を生じることなく、SOI層の不純物濃度を十
分に低減させた極薄のSOI層を有するSOI基板を製
造することができる。
【0029】そして本発明によれば、埋め込み酸化膜中
の空洞の発生が抑制できるため、長時間の還元性雰囲気
中の熱処理が可能となり、SiのリフローによってSO
I層の膜質の改善ができるという有利性もある。すなわ
ち、このSiのリフローによって、例えばSOI層の表
面モフォロジーの改善、結晶欠陥の回復がなされるほ
か、SOI層中に存在していた、貫通していないピンホ
ール等を消滅させることもできる。
【0030】なお、ここでいうSiのリフローは、10
00℃以上の高温で熱処理した場合に起こるSiのリフ
ロー現象のことで、これは例えば貼り合わせたSOI基
板のシリコンと酸化膜との界面をSTM(Scanning Tun
neling Microscope )で観察した時に、1000℃、2
時間以上の熱処理をすると界面が滑らかになることから
示される(M.Horiuchi and S.Aoki,J.Electrochem.Soc.
Vol.139,p.2586(1992)参照)。
【0031】また本法で、還元性雰囲気としては、水素
ガスを含む雰囲気とすれば、水素は還元力が強いので、
効率的に不純物を除去することができる。この場合、水
素ガス100%の雰囲気としてもよいし、アルゴン等の
不活性ガスと混合して使用してもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、実
施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例、比較例をあげる。 (実施例、比較例)SOI層の膜厚が0.15〜1.2
3ミクロンの異なる厚さをもつSOI基板を、水素雰囲
気中で熱処理した後、埋め込み酸化膜に生じる空洞の密
度を測定することによって、空洞のSOI層膜厚依存性
を調査した。
【0034】試料は、ボロンを高濃度に拡散して、エチ
レンジアミンピロカテコール水溶液により薄膜化するエ
ッチストップ法により作製した。SOI層の厚さは、ボ
ロンを高濃度に拡散する深さにより調整したが、SOI
層の厚さが0.5ミクロンより薄いものは、エッチスト
ップ法でエチレンジアミンピロカテコール水溶液により
0.45ミクロンまで薄膜化し、その後基板を酸化して
酸化膜を形成し、これをエッチング除去することによっ
て作製した。これらの試料を、1150℃で3時間水素
雰囲気中で熱処理した後、表面を光学顕微鏡で基板全面
観察して、空洞の密度を測定した。結果を図1に示す。
【0035】図1より、空洞の密度はSOI層の膜厚に
依存し、SOI層の膜厚が0.2ミクロンでは約8個c
-2の空洞が生じているが、SOI層の膜厚が0.5ミ
クロンより厚いと空洞の発生はほぼ抑制されている。
【0036】したがって、0.5ミクロン以下の極薄の
SOI層を作製するには、まずSOI層の厚さを0.5
ミクロンより厚いものとし、この厚さで還元性雰囲気中
で熱処理を行い、しかる後に酸化膜形成、除去等の高精
度の薄膜化技術により、所望の膜厚とすればよいことが
わかる。
【0037】尚、本発明は、上記実施形態に限定される
ものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の
特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一
な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかな
るものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0038】例えば、上記実施形態では還元性雰囲気中
で熱処理後、SOI層を薄膜化して所望の極薄の厚さに
仕上げる工程は、酸化膜形成、除去による方法を用いた
が、本発明はこれには限定されず、高精度で所望厚さに
薄膜化できる技術であればよく、前記PACE法や高精
度研磨あるいはKOHエッチング等によって薄膜化して
もよい。
【0039】また、還元性雰囲気中で熱処理するのは、
エッチストップ法における高濃度不純物の吸い出しの場
合に限られず、表面モフォロジーの改善あるいは結晶欠
陥の改善等のために行われる場合もあり、これらの場合
においても埋め込み酸化膜が還元される恐れがあるとい
う事情はまったく同じであるから、本法が同様に適用可
能であることは言うまでもない。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明では、半導体基板を
貼り合わせ、エッチストップ法により薄膜化した後、S
OI層の不純物濃度を十分に低減すべく、エッチング後
の薄膜化された半導体層を有する基板を還元性雰囲気中
で熱処理して、不純物を半導体層の表面から大気中に拡
散させる場合において、高不純物濃度半導体層の厚さを
0.5ミクロンより厚いものとし、還元性雰囲気中で熱
処理される時の半導体層の厚さを0.5ミクロンより厚
いものとして熱処理をするので、還元性ガスがSOI層
を通って埋め込まれた酸化膜に到達し、酸化膜が還元反
応によって昇華したり、空洞を生じたりすることなく、
SOI層の不純物濃度を十分に低減することができる。
そして、しかるのちに半導体層に薄膜化処理を施して所
望厚さに仕上げることによって、結晶性および膜厚均一
性の高い、SOI層の厚さが0.5ミクロン以下の極薄
のSOI基板を低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における、空洞のSOI層膜厚依存性を
調査した結果である。
【図2】(A)〜(C)は貼り合わせ法の概略を示す説
明図である。
【図3】(A)〜(E)はエッチストップ法の概略を示
す説明図である。
【符号の説明】
1…シリコン基板、 2…酸化膜、3…支
持基板、10…低濃度シリコン基板、 11…P型
高濃度シリコン層、13…支持基板、
15…活性層側基板、16…シリコン基板、
17…酸化膜、18…シリコン酸化膜、 1
9…低・中濃度シリコン層。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/762 H01L 21/76 D (72)発明者 冨井 和弥 福島県西白河郡西郷村大字小田倉字大平 150番地 信越半導体株式会社白河工場内 (72)発明者 片山 正健 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越半 導体株式会社半導体磯部研究所内 (72)発明者 海野 秀之 東京都新宿区西新宿3丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 今井 和雄 東京都新宿区西新宿3丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SOI基板を還元性雰囲気中で加熱処理
    する工程を有するSOI基板の製造方法において、 該基板を還元性雰囲気中で熱処理する工程は、SOI層
    の厚さを0.5ミクロンより厚いものとして行われる、 ことを特徴とするSOI基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 SOI基板を還元性雰囲気中で加熱処理
    する工程を有するSOI層の厚さが0.5ミクロン以下
    のSOI基板の製造方法において、 該基板を還元性雰囲気中で熱処理する工程は、SOI層
    の厚さを0.5ミクロンより厚いものとして行われ、 その後SOI層を薄膜化して所望厚さのSOI層に仕上
    げる、 ことを特徴とするSOI層の厚さが0.5ミクロン以下
    のSOI基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 所望の導電型不純物を第1不純物濃度で
    有する第1の半導体基板の一面に、該第1不純物濃度よ
    り高い第2不純物濃度で該所望の導電型不純物を有する
    厚さが0.5ミクロンより厚い半導体層を形成する工程
    と、 該第1の半導体基板の該半導体層の表面を、絶縁膜で覆
    われた第2の半導体基板に接着する工程と、 該半導体層の形成されていない側の面から第1の半導体
    基板を薄膜化して該半導体層を露出する工程と、 該半導体層の接着された基板を還元性雰囲気中で加熱し
    て、該半導体層の不純物濃度を低減する工程と、 該半導体層をさらに薄膜化して所望厚さのSOI層に仕
    上げる工程とからなる、 ことを特徴とするSOI層の厚さが0.5ミクロン以下
    のSOI基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のSOI基板の製造方法
    において、 前記第1の半導体基板を薄膜化して半導体層を露出する
    工程は、前記第1の半導体基板を研削・研磨した後エッ
    チングする工程である、 ことを特徴とするSOI基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4に記載のSOI
    基板の製造方法において、 前記基板を還元性雰囲気中で加熱して、半導体層の不純
    物濃度を低減する工程は、水素ガスを含む雰囲気中で行
    われる、 ことを特徴とするSOI基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3ないし請求項5のいずれか1項
    に記載のSOI基板の製造方法において、 前記半導体層をさらに薄膜化して所望厚さのSOI層に
    仕上げる工程は、酸化性雰囲気中で基板を酸化して酸化
    膜を形成する工程と、この酸化膜を除去する工程とから
    なる、 ことを特徴とするSOI基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項3ないし請求項6のいずれか1項
    に記載のSOI基板の製造方法において、 前記所望の導電型不純物は、ボロンである、 ことを特徴とするSOI基板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6238990B1 (en) 1997-11-05 2001-05-29 Shin-Etsu Handotai, Co., Ltd. Method for heat treatment of SOI wafer and SOI wafer heat-treated by the method
JP2008526010A (ja) * 2004-12-28 2008-07-17 エス. オー. アイ. テック シリコン オン インシュレーター テクノロジーズ 低いホール密度を有する薄層を得るための方法
JP2012212906A (ja) * 2012-06-14 2012-11-01 Soytec 低いホール密度を有する薄層を得るための方法

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