JPH1083883A - 加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

加熱装置及び画像形成装置

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JPH1083883A
JPH1083883A JP23614896A JP23614896A JPH1083883A JP H1083883 A JPH1083883 A JP H1083883A JP 23614896 A JP23614896 A JP 23614896A JP 23614896 A JP23614896 A JP 23614896A JP H1083883 A JPH1083883 A JP H1083883A
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JP
Japan
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belt
conductive layer
fixing
heat
heated
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JP23614896A
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English (en)
Inventor
Ryuichiro Maeyama
龍一郎 前山
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルトと加圧部材とを用いて渦電流によって
被加熱体を加熱するにあたり、ベルトの回転方向と直交
する方向の中央部と端部とで大きな温度差を生じさせな
いようにし、被加熱材を均一に加熱することを可能とす
るもの。 【解決手段】 被加熱材をベルトと加圧部材とでニップ
搬送して加熱する加熱装置において、導電層を有し、前
記被加熱材の一方側面に圧接して回転可能なベルトと、
前記被加熱材の他方側面に圧接して回転可能な加圧部材
と、前記ベルト及び加圧部材の導電層に磁場による渦電
流を発生させるための磁場発生手段と、を有し、前記ベ
ルトの導電層を、回転方向と直交する方向において、端
部よりも中央部の密度が小さくなるよう構成したことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電磁誘導を利用して
導電部材に渦電流を発生させて発熱させ、その熱によっ
て被加熱材を加熱する加熱装置及びこれを定着装置とし
て用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、複写機、プリンタ、フアクシミ
リ等の画像形成装置においては、電子写真方式、静電記
録方式、磁気記録方式等の適宜の作像プロセス機構によ
り被記録材(転写材、感光紙、静電記録紙、印刷紙等の
紙葉体)にトナー像を転写形成し、この転写トナー像を
加熱定着させるようにしている。
【0003】前記トナー像を定着させるための加熱装置
である定着装置は、従来から熱ローラ方式等の接触加熱
方式の装置が広く用いられている。これは内蔵させた発
熱源としてのハロゲンランプで加熱される定着ローラ
と、これに圧接させた加圧ローラとの圧接ニップ部へ被
加熱材である被記録材を導入すると共に、これを挟持搬
送させて被加熱材を熱ローラで加熱するものである。
【0004】また近年では、特公平5 −9027号公報に示
されるように、磁束により定着ローラに渦電流を発生さ
せ、ジュール熱によって発熱させる電磁誘導加熱方式の
定着装置も提案されている。このように渦電流の発生を
利用することで発熱位置をよりトナー像に近づけること
ができ、ハロゲンランプを用いた熱ローラ方式の場合よ
りも消費エネルギーの効率アップが達成できる利点があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記熱ローラ
方式の定着装置にあっては、発熱源としてのハロゲンラ
ンプは電気エネルギーを一旦、光にエネルギーに変換し
ているために効率が悪く、また定着ローラという熱容量
の大きなものを加熱するために、効率の最良のものでも
決してクイックスタートが困難であった。
【0006】電磁誘導加熱方式の加熱装置は、円筒体
(ローラ)に渦電流を発生させジュール熱を発生させる
と、励磁コイル、励磁鉄芯が昇温して磁束の量が減って
しまい発熱が不安定となる。またローラ内部への放熱に
より熱効率も充分ではない。
【0007】また、カラーの画像形成装置にあってはト
ナー層が最大4層まで重ねられることがあるため、被記
録材とトナー層との界面まで十分に加熱しないと定着不
良が生ずる。このため、カラー画像形成装置におけるロ
ーラ定着装置では、加圧ローラにもハロゲンヒータを内
蔵して被記録材の裏面側からも加熱するようにしている
が、定着温度まで昇温させるのに時間がかかり、クイッ
クスタートが困難であり、また消費電力も大きくなって
しまうという課題がある。
【0008】そこで、定着ベルトと加圧部材とを圧接
し、定着ベルトの導電層に磁場を入れることによって渦
電流を発生させて加熱することによって未定着トナーを
定着する加熱装置が提案されている。しかし、この場合
は前記導電層の密度をベルト全体にわたって一定に構成
すると、ベルトの回転方向と直交する方向(被記録媒体
の幅方向)において、中央部から端部にいくほど渦電流
の発生量が小さくなり、定着ベルトと加圧部材で形成さ
れるニップ部近傍においては前記中央部と端部とでは温
度差(30℃程度)が生じ、定着画像の中央部と端部とで
は光沢に差が生ずることがある。
【0009】前記温度差が生ずるのを防止するために、
磁場を発生させるためのコア形状を変えることも考えら
れるが、そうするとコアが高価なものになってしまうと
いう課題がある。
【0010】本発明は上記課題を解決するものであり、
その目的は、ベルトと加圧部材とを用いて渦電流によっ
て被加熱体を加熱するにあたり、ベルトの回転方向と直
交する方向の中央部と端部とで大きな温度差を生じさせ
ないようにし、被加熱材を均一に加熱することを可能と
するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る代表的な構成は、被加熱材をベルトと加
圧部材とでニップ搬送して加熱する加熱装置において、
導電層を有し、前記被加熱材の一方側面に圧接して回転
可能なベルトと、前記被加熱材の他方側面に圧接して回
転可能な加圧部材と、前記ベルト及び加圧部材の導電層
に磁場による渦電流を発生させるための磁場発生手段
と、を有し、前記ベルトの導電層を、回転方向と直交す
る方向において、端部よりも中央部の密度が小さくなる
よう構成したことを特徴とする。
【0012】上記構成にあっては、ベルトの導電層に磁
場を入れて渦電流を発生させることによってベルトが発
熱する。このとき、ベルトの回転方向と直交する方向に
おいては、端部よりも中央部に渦電流が発生し易いが、
前記導電層は端部よりも中央部の密度が小さいために、
該中央部での渦電流の発生は端部よりも少なくなり、全
体として均一に発熱するようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に本発明に係る加熱装置及び画
像形成装置の一実施形態について、図面を参照して具体
的に説明する。
【0014】〔第1実施形態〕第1実施形態として、本
発明に係る加熱装置を定着装置として用いた画像形成装
置について、図1乃至図5を参照して説明する。尚、図
1はプリンタの全体模式説明図であり、図2は定着装置
の模式説明図、図3はベルトの構成説明図であり、図4
はベルトの層構成を説明する模式説明図、図5は加圧部
材の構成説明図である。
【0015】ここでは、まず画像形成装置の全体構成に
ついて説明し、次に加熱装置である定着装置の構成につ
いて説明する。
【0016】{画像形成装置の全体構成}本実施形態に
係る画像形成装置は、図1に示すように、有機感光体や
アモルファスシリコン感光体でできた感光体ドラム1が
反時計回り方向に所定の周速度(プロセススピード)を
もって回転駆動される。この回転感光体ドラム1は帯電
ローラ2によりその周面が所定の極性・電位に一様に帯
電される。そしてその帯電面に、レーザー光学手段3か
ら出力される、図示しない画像読み取り装置やコンピュ
ータ等の画像信号発生装置から入力された画像情報の画
素信号に対応して変調(オン/オフ変換)されたレーザ
ー光4による走査露光がなされることで、画像情報の静
電潜像が形成される。5はレーザー光反射ミラーであ
り、レーザー光学手段3からの出力レーザー光4を感光
体ドラム1に対して偏向する。
【0017】6は現像手段であり、イエロートナー現像
器6Y、マゼンタトナー現像器6M、シアントナー現像
器6C及び黒用のブラックトナー現像器6Bから構成さ
れている。尚、前記現像器では低軟化物質を含有させた
トナーを使用している。
【0018】7は中間転写体ドラムである。感光体ドラ
ム1に接触、若しくは接近させて配設してあり、感光体
ドラム1の回転順方向に感光体ドラム1とほぼ同一周速
度で回転駆動される。
【0019】そして、回転感光体ドラム1に対して、フ
ルカラー画像の色分解像にそれぞれ対応する静電潜像の
形成、その静電潜像のトナー現像が順次に実行され、そ
の各トナー像の中間転写体ドラム7に対する順次重ね合
わせ転写がなされ、この中間転写体ドラム7の面に目的
のフルカラー画像の鏡像に対応したフルカラートナー像
が合成形成される。
【0020】8は中間転写体ドラム7に対するトナー像
転写後の感光体ドラム1の面を清掃するクリーナーであ
り、9は中間転写ドラム7上に残ったトナーや紙粉を清
掃するクリーナーである。
【0021】前記中間転写体ドラム7に対して、図示し
ない給紙カセットから被記録材としての転写材Pが搬送
ローラ10により一枚給紙されて、該転写材Pに対して中
間転写体ドラム7側の鏡像フルカラートナー像が転写ロ
ーラ11により転写されて転写材P面にフルカラートナー
像が形成される。転写ローラ11は転写材Pの背面からト
ナーと逆極性の電荷を供給することで中間転写体ドラム
7から転写材Pにトナー像を転写する。
【0022】フルカラートナー像の転写を受けた転写材
Pは中間転写体ドラム7から分離されて定着装置12へ導
入され、トナー像の加熱定着を受けて排紙部13に排出さ
れる。
【0023】{定着装置の構成}次に前記転写トナー像
を定着する定着装置(加熱装置)12の構成について、図
2乃至図5を参照して説明する。
【0024】図2は定着装置12の概略構成図であり、導
電層(発熱層)を有するベルトと、加圧部材と、前記導
電層に磁場を入れることで渦電流を発生させて発熱させ
るための交番磁場発生手段を有し、前記ベルトと加圧部
材の圧接ニップ部に被加熱材を挟持搬送させることで加
熱する加熱装置として構成されている。
【0025】図2において、14は後述するように導電層
を有する定着ベルトであり、本実施形態ではエンドレス
フィルムで構成した円筒状ベルトである。この円筒状ベ
ルト14は半円形のベルトガイド15にルーズに外嵌させて
ある。
【0026】16は後述するように導電層を有する加圧部
材としての加圧ローラであり、ベルトガイド15の下面に
対してベルト14を挟ませて不図示の付勢手段により所定
の加圧力で圧接させてある。
【0027】Nはベルト14を挟んでベルトガイド15の下
面と加圧ローラ16とで形成される圧接ニップ部(定着ニ
ップ部)である。
【0028】17は交番磁場発生手段であり、高透磁率コ
ア17aとこれに巻いた励磁コイル17bからなる。これ
を、ベルトガイド15の中央部に下端部を定着ニップ部N
に対応接近させて、ベルトガイド15に支持させて配設し
てある。
【0029】加圧ローラ16は図2の矢印に示すように、
反時計回り方向に所定の速度で回転駆動される。この加
圧ローラ16の回転に伴い、円筒状の定着ベルト14がベル
トガイド15の周りを、内面が定着ニップ部Nにおいてベ
ルトガイド15の下面に密着摺動しながら加圧ローラ16と
の摩擦力で矢示の時計方向に従動回転する。この場合、
ベルトガイド15によって定着ニップ部Nへの加圧と定着
ベルト14の搬送安定化が図られている。
【0030】そして、この定着ニップ部Nの定着ベルト
14と加圧ローラ16との間に被加熱材としての転写材Pが
導入されることで、該転写材Pが定着ベルト14に密着し
てベルト14と一緒に該定着ニップ部Nへ持搬送される。
【0031】ここで、前記定着ベルト14の構成について
説明すると、図3のベルトの層構成模型図に示すよう
に、この定着ベルト14は導電層14aと弾性層14bと離型
層14cからなる。
【0032】前記導電層(発熱層)14aは、磁束の吸収
の良いニッケル、鉄、磁性ステンレスの金属フィルム等
で構成するとよく、本実施形態では強磁性体を有するニ
ッケルを電鋳法により作成している。
【0033】導電層14aの厚みは層厚200 μm 以下にす
ると良い。より好ましくは次の式で表される表皮深さよ
り厚い方が好ましい。表皮深さσ(m) は、励磁回路の周
波数f(Hz)と透磁率μと固有抵抗ρ( Ωm)で、
【0034】σ=503 ×(ρ/fμ)1/2
【0035】として表される。
【0036】これは電磁誘導で使われる電磁波の吸収の
深さを示しており、これより深いところでは電磁波の強
度は1/ e以下になっており、逆にいうと殆どのエネル
ギーはこの深さまでで吸収される。
【0037】一方、導電層14aの層厚が200 μm を越え
ると、金属のかたさが目立ち始め、ベルトとしての駆動
がし難くなる。また熱容量も大きくなり、室温から急速
に温度を上げて数秒間で定着可能にするようなことがで
きなくなる。尚、前記厚さのより好ましい範囲として
は、1μm 〜50μm がよい。剛性の観点からして50μm
以下がより好ましく、また1μm 以下では殆どの電磁エ
ネルギーが吸収しきれないために効率が悪くなるからで
ある。
【0038】弾性層14bは、シリコーンゴム、フッ素ゴ
ム、フルオロシリコーンゴム等で耐熱性がよく、熱伝導
率のよい材質が好適である。この弾性層14bの厚さは、
定着画像品質を保証するために、10μm 〜500 μm に設
定するのが好ましい。
【0039】カラー画像を記録する場合、特に写真画像
等では転写材P上で大きな面積にわたってベタ画像が形
成される。このとき、転写材Pの凹凸、或いはトナー層
の凹凸に加熱面(離型層14c)が追従できないと加熱ム
ラが発生し、伝熱量が多い部分と少ない部分で画像に光
沢ムラが発生する(伝熱量が多い部分は光沢が高く、伝
熱量が少ない部分では光沢が少ない)。そこで弾性層14
bの厚さとしては、10μm 以下では転写材P、或いはト
ナー層の凹凸に追従しきれず画像光沢ムラが発生してし
まう。また、弾性層14bが1000μm 以上の場合には弾性
層14bの熱抵抗が大きくなり、クイックスタートを実現
するのが難しくなる。より好ましくは弾性層14bの厚み
は50〜500 μm がよい。
【0040】弾性層14bの硬度は、硬度が高すぎると転
写材P、或いはトナー層の凹凸に追従しきれす画像光沢
ムラが発生してしまう。そこで、弾性層14bの硬度とし
ては60°(JIS-A )以下、より好ましくは45°(JIS-A
)以上がよい。
【0041】弾性層14bの熱伝導率λは6×10-4〜2×
10-3[cal/cm ・sec ・deg.] がよい。熱伝導率λが6×
10-4[cal/cm ・sec.deg.] よりも小さい場合には、熱抵
抗が大きく、定着フィルムの表層における温度上昇が遅
くなる。熱伝導率λが2×10 -3[cal/cm ・sec.deg.] よ
りも大きい場合には、硬度が高くなりすぎたり、圧縮永
久歪みが悪化する。よって熱伝導率λは6×10-4〜2×
10-3[cal/cm ・sec ・deg.] がよい。より好ましくは8
×10-4〜1.5 ×10-3[cal/cm ・sec.deg.] がよい。
【0042】14cは離型層でフッ素樹脂、シリコーン樹
脂、フッ素ゴム、シリコーンゴム、PFA 、PTFE、FEP な
どの離型性かつ耐熱性のよい材料を選択する。
【0043】離型層14cの厚さは1μm 〜100 μm が好
ましい。離型層14cの厚さが1μmよりも小さいと塗膜
の塗ムラで離型性の悪い部分ができたり、耐久性が不足
するといった問題が発生する。また、離型層14cが100
μm を越えると熱伝導が悪化するという問題が発生し、
特に樹脂系の離型層の場合は硬度が高くなりすぎ、弾性
層14bの効果がなくなってしまう。
【0044】また本実施形態に係る定着ベルト14は、図
4に示すように、ベルト14の回転方向と直交する方向
(ベルト14及び転写材Pの幅方向、以下「幅方向」とい
う)において、その中央部14a1 (本実施形態にあって
は310mm の幅を有するベルトの中央部からそれぞれ105m
m の範囲)にはエッチング、レーザーウォータジェット
等の加工機によって多数の貫通孔14dが設けてある。こ
れにより、ベルト14の幅方向において導電層14aは両端
部14a2 よりも中央部の密度が小さくなるよう構成して
ある。
【0045】次に加圧ローラ16は、図5に示すように、
アルミニウム等の芯金16aの周囲に耐熱性の良い弾性層
16bを設け、その上に耐熱性かつ離型性の優れた離型層
16cを被覆して設けてある。
【0046】前記弾性層16bの材質としては、シリコー
ンゴムやフッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等で耐熱
がよく、熱伝導率が良い材質が好適である。また離型層
16cの材質は、フッ素樹脂やシリコーン樹脂、フッ素樹
脂シリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、PFA
、PTFE、FEP 等の離型性かつ耐熱性のよい材質が好適
である。
【0047】交番磁場発生手段17の高透磁率コア17aは
フェライトやパーマロイといったトランスのコアに用い
られる材科を用いるが、より好ましくは、100KHz以上で
も損失の少ないフェライトを用いるのがよい。励磁回路
は20KHz から500KHzの高周波をスイッチング電源で発生
させるようになっている。
【0048】前記交番磁場発生手段17のコイル17bに図
示しない励磁回路から高周波を発生させることで、定着
ニップ部Nの定着ベルト14の導電層14aの部分に磁場18
が入り、該導電層14aの部分に渦電流19が発生して発熱
し、定着ニップ部Nが加熱される。従ってこの定着ニッ
プ部Nの定着ベルト14と加圧ローラ16との間に被加熱材
としての転写材Pを導入して挟持搬送させることで転写
材Pの未定着トナー像が加熱定着される。
【0049】このとき、前記渦電流は定着ベルト14の幅
方向中央部14a1 において大きくなり、幅方向端部14a
2 では小さくなる傾向があるが、前述したように導電層
14aは幅方向中央部14a1 が端部14a2 よりも密度が小
さいために、該中央部での渦電流の発生が少なくなる。
このため、定着ベルト14の幅方向中央部と端部とで渦電
流による発熱温度分布が均一化され、転写材Pは幅方向
全体にわたって均一に加熱される。
【0050】これにより、高価なコアを使用することな
く、定着画像に光沢差を生じさせることなく、高品位な
画像定着が行われるものである。
【0051】〔他の実施形態〕前述した第1実施形態で
は、定着ベルト14の幅方向中央部14a1 に多数の貫通孔
14dを設けることによって幅方向中央部と端部との導電
層14aの密度を変化させるようにした例を示したが、図
6(a) 、(b) に示すように、導電層14aの厚さを幅方向
端部14a2 に比べて中央部14a1 が薄くなるように(例
えば、幅方向端部14a2 の厚さが40μm に対して中央部
14a1 の厚さを30μm にする)削り取る等して構成して
も該中央部14a1 における導電層14aの密度が小さくな
るために、同様の効果を得ることができる。
【0052】また、前記した第1実施形態では、3層構
成の定着ベルト14を用いる例を示したが、図7に示すよ
うに、導電層14aの上に断熱層14eを設け、4層構成に
したものを用いてもよい。断熱層14eを設けることによ
り、発生した熱を効率よく転写材Pへ加えることができ
るものである。
【0053】断熱層14eとしてはフッ素樹脂ポリイミド
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹
脂、PES 樹脂、PPS 樹脂、PFA 樹脂、PTFE樹脂、FEP 樹
脂などの耐熱樹脂がよい。また、断熱層14eの厚さとと
しては10μm 〜1000μm が好ましい。断熱層14eが10μ
m よりも小さい場合には、断熱効果が得られず、また耐
久性も不足する。一方、1000μm を越えると、高透磁率
コア17aからの導電層14aの距離が大きくなり、磁束が
十分に導電層14aに吸収されなくなるからである。
【0054】また、前述した実施形態では、定着ベルト
14は加圧ローラ16の駆動に従動して回転するようにした
例を示したが、図8に示すように、定着ベルト14をテン
ションローラ20及び駆動ローラ21かけ渡し、この駆動ロ
ーラ21を駆動することによって定着ベルト14を駆動回転
させるように構成してもよい。
【0055】また、定着ベルト14はエンドレスベルトに
限定する必要はなく、巻取り式のベルトで構成してもよ
いものである。
【0056】次に加圧部材である加圧ローラ16の他例に
ついて説明する。前述した第1実施形態では、トナーT
に低軟化物質を含有させたトナーを使用したために、加
熱定着装置にオフセット防止のためのオイル塗布機構を
設けていないが、低軟化物質を含有しないトナーを使用
した場合には、加圧ローラ16にオイルを塗布するオイル
塗布機構を設けるようにしてもよい。また、低軟化物質
を含有させたトナーを使用した場合であってもオイル塗
布や冷却分離を行うようにしてもよい。
【0057】また、加圧ローラ16を図9に示すように構
成してもよい。図9に示す加圧ローラ16は、第1実施形
態の加圧ローラにおける芯金16aの上に導電層(発熱
層)16dを設けたものである。この導電層16dの材質と
しては、非磁性の金属でもよいが、好ましくは磁束の吸
収のよい鉄、磁性ステンレス、強磁性金属パイプ材で構
成するとよい。このようにすると、交番磁場発生手段17
による磁場が加圧ローラ16dに入り、これによって前述
した理屈によって導電層16dが発熱する。このため、転
写材Pを定着ベルト14と加圧ローラ16により両側から加
熱することができ、画像形成に際してより効率的なクイ
ックスタートが可能となる。
【0058】尚、加圧ローラ16に導電層16dを設け、該
導電層16dに渦電流を発生させるためには、定着ベルト
14の厚さが前述した表皮深さσを越えないように設定す
ることが好ましい。表皮深さσを越えると加圧ローラ16
の導電層16dに供給できるエネルギーが少なくなるから
である。
【0059】更に、加圧ローラ16による発熱を確実にす
るためには、定着ベルト14の導電層14aの厚みと、加圧
ローラ16の導電層16dの厚みの和が表皮深さよりも大き
く、かつ定着ベルト14の厚みが表皮深さ以下になるよう
にすることが好ましい。実際の定着ベルト14と加圧ロー
ラ16の導電層14a,16dの厚さは必要な発熱量が決まる
と、励磁回路の周波数と使用する導電層の抵抗と透磁率
とで決定される。この場合、定着ベルト14と加圧ローラ
16の導電層14a,16dの材質は同じである必要はない。
【0060】また、前記導電層16dのみならず、芯金16
aも導電層で構成し、芯金16a及び導電層16dの双方に
おいて渦電流による発熱をさせるように構成してもよ
い。このようにすると、導電層16dでの発熱が芯金16a
で放熱されることがなく、熱損失を減らすことができ、
熱効率のアップを図ることができ、消費エネルギーを減
らすことが可能となる。
【0061】前述した各実施形態の加熱装置は画像加熱
定着装置として用いた場合について説明したが、本発明
の加熱装置はこれに限らず、画像を坦持した被記録材を
加熱して表面性(つや等)を改質する装置、仮定着する
装置、その他、シート状(紙葉体)の被加熱材を加熱処
理する装置として広く利用できるものである。
【0062】また、画像形成装置についても前述した実
施形態ではプリンタを例示したが、これは複写機やファ
クシミリ装置等にも適用し得ることは当然である。
【0063】
【実施例】次に前述した装置を用いて画像形成を行った
実施例を示す。
【0064】〔第1実施例〕図2に示す定着ベルト14に
おいて、離型層14cとしてトナー離型性に優れたFEP を
用いた。その際に、FEP の厚みは20μm とした。弾性層
14bとしてはシリコーンゴムを用いた。また、その硬度
は40°(JIS-A )であり、弾性層14bの厚さは200 μm
とした。導電層14aとしては、強磁性を有するニッケル
電鋳ベルトを使用した。その際に、長手方向長さは310m
m 、直径40mm、厚みは30μm のエンドレスベルト状とし
て用い、中央から105mm までにウォータジェットで貫通
する孔14dを開け、幅方向端部に対して中央部の導電層
密度比が0.8 になるようにした。
【0065】上記加熱定着装置を発熱させたところ、ニ
ップ部の温度差は幅方向中央部と端部とで5℃以内とな
った。
【0066】上記定着装置を図1に示す画像形成装置の
定着装置として画像形成したところ、画像に光沢差を生
ずることなく、クイックスタートが可能であった。
【0067】〔第2実施例〕図7に示す定着ベルト14の
層構成において、断熱層14eを加え、かつ導電層14aと
して厚さ40μm のニッケル電鋳ベルトを用いた以外は第
1実施例と同じ構成にした。断熱層14eとしては、厚さ
15μm のポリイミドを用いた。
【0068】上記のように構成した加熱定着装置にあっ
ては、第1実施例と比べて導電層14aで発生した熱が定
着ベルト14の内側に向かわないように断熱できたので、
断熱層14eがない場合と比較して転写材Pへの熱供給効
率が良くなった。
【0069】〔第3実施例〕第1実施例又は第2実施例
の加熱定着装置において、加圧ローラ16を図9に示すよ
うなアルミニウムからなる厚さ4mmの芯金16aの上にニ
ッケル電鋳ベルトからなる厚さ40μm の導電層16dを、
更にその上にシリコーンゴムからなる厚さ3mmの弾性層
16b及びFEP からなる厚さ15μm の離型層16cを設けた
ものを用いた。
【0070】このように、加圧ローラ16も発熱可能な構
成は、プロセススピードが遅い低速機では必要としない
が、中高速機(プロセススピードが50mm/sec以上)に適
している。これは中高速機では転写材Pが定着ニップを
通過する時間が短くなるため、転写材Pを十分加熱する
とができない。特にカラーの画像形成装置ではトナーが
最大4層まで重ねられることがあり、加圧ローラ16側か
らも加熱しないと転写材Pとトナー層との界面まで十分
に熱が加わらないうちに転写材Pが定着ニップを通過し
てしまうため、定着不良を引き起こすおそれがある。
【0071】そのため、図9に示す加圧ローラ16を用い
ることにより、加圧ローラ16側からも転写材Pに加熱す
ることができ、画像形成の高速化が可能となった。
【0072】
【発明の効果】本発明は前述のように構成したために、
ベルトの導電層に磁場を入れて渦電流を発生させること
によってベルトを短時間で発熱させることができる。こ
のとき、ベルトの回転方向と直交する方向においては、
端部よりも中央部に渦電流が発生し易いが、前記導電層
は端部よりも中央部の密度が小さいために、該中央部で
の渦電流の発生は端部よりも少なくなり、コストアップ
を招くことなく全体として均一に発熱させることができ
る。
【0073】従って、前記加熱装置を画像形成装置の定
着装置として使用することにより、クイックスタートが
可能であり、且つ光沢差のない高品位の定着を行うこと
ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】プリンタの全体模式説明図である。
【図2】定着装置の模式説明図である。
【図3】ベルトの構成説明図である。
【図4】ベルトの層構成を説明する模式説明図である。
【図5】加圧部材の構成説明図である。
【図6】ベルトの幅方向中央部における導電層の厚さを
薄くした実施形態の説明図である。
【図7】断熱層を設けたベルトの説明図である。
【図8】定着ベルトを駆動回転させる実施形態の説明図
である。
【図9】加圧ローラに導電層を設け、発熱可能とした実
施形態の説明図である。
【符号の説明】
N …定着ニップ部 P …転写材 1 …感光体ドラム 2 …帯電ローラ 3 …光学手段 4 …レーザー光 5 …反射ミラー 6 …現像手段 6B …ブラックトナー現像器 6C …シアントナー現像器 6M …マゼンタトナー現像器 6Y …イエロートナー現像器 7 …中間転写体ドラム 8 …クリーナー 9 …クリーナー 10 …搬送ローラ 11 …転写ローラ 12 …定着装置 13 …排紙部 14 …ベルト 14a …導電層 14a1 …中央部 14a2 …端部 14b …弾性層 14c …離型層 14d …貫通孔 14e …断熱層 15 …ベルトガイド 16 …加圧ローラ 16a …芯金 16b …弾性層 16c …離型層 16d …導電層 17 …交番磁場発生手段 17a …高透磁率コア 17b …励磁コイル 18 …磁場 19 …渦電流 20 …テンションローラ 21 …駆動ローラ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱材をベルトと加圧部材とでニップ
    搬送して加熱する加熱装置において、 導電層を有し、前記被加熱材の一方側面に圧接して回転
    可能なベルトと、 前記被加熱材の他方側面に圧接して回転可能な加圧部材
    と、 前記ベルト及び加圧部材の導電層に磁場による渦電流を
    発生させるための磁場発生手段と、 を有し、 前記ベルトの導電層を、回転方向と直交する方向におい
    て、端部よりも中央部の密度が小さくなるよう構成した
    ことを特徴とする加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記導電層は、ベルト回転方向と直交す
    る方向において、中央部に多数の孔を設けてあることを
    特徴とする請求項1記載の加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記導電層の厚さは、1μm 〜50μm で
    あることを特徴とする請求項1記載の加熱装置。
  4. 【請求項4】 前記導電層の厚さは、ベルト回転方向と
    直交する方向において、中央部が端部よりも薄いことを
    特徴とする請求項3記載の加熱装置。
  5. 【請求項5】 前記加圧部材は導電層を有することを特
    徴とする請求項1記載の加熱装置。
  6. 【請求項6】 トナー像を転写して定着する画像形成装
    置において、 トナー像を被記録材に転写形成するための画像形成手段
    と、 前記被記録材に転写したトナー像を定着するための定着
    装置と、 を有し、 前記定着装置として、請求項1乃至請求項5のいずれか
    1項記載の加熱装置を用いたことを特徴とする画像形成
    装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6583393B1 (en) 2002-01-22 2003-06-24 Kabushiki Kaisha Toshiba Induction heating fixing device with an extended pressure contact area for use with magnetic toner
JP2009003300A (ja) * 2007-06-23 2009-01-08 Ricoh Co Ltd 定着装置及び画像形成装置
JP2010072371A (ja) * 2008-09-18 2010-04-02 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 定着装置および定着方法ならびに電子写真印刷機

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