JPH1083762A - シャドウマスクの洗浄装置、これを用いたシャドウマスクの製造方法及び製造装置 - Google Patents

シャドウマスクの洗浄装置、これを用いたシャドウマスクの製造方法及び製造装置

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JPH1083762A
JPH1083762A JP8235527A JP23552796A JPH1083762A JP H1083762 A JPH1083762 A JP H1083762A JP 8235527 A JP8235527 A JP 8235527A JP 23552796 A JP23552796 A JP 23552796A JP H1083762 A JPH1083762 A JP H1083762A
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liquid
metal sheet
shadow mask
shaped metal
strip
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JP8235527A
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Masaru Nikaido
勝 二階堂
Sachiko Hirahara
祥子 平原
Daiji Hirozawa
大二 廣澤
Yoji Takezawa
洋治 竹澤
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Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 開孔寸法、形状のばらつきを抑えて、むら品
位のすぐれたシャドウマスクを製造することができる洗
浄装置を得ることを目的とする。 【解決手段】 本洗浄装置は、キャビテーションを発生
して急速に液置換を行う液置換部21と、シール部22
とから主としてなる。液置換部21は上側液置換部22
と下側液置換部23とが帯状金属薄板7を挟んで対向す
るように配置されてなり、液置換部22を挟んで金属薄
板7の搬送方向両側には前段シール部24aと後段シー
ル部24bとが位置している。前段、後段シール部24
a,24bはそれぞれ金属薄板を挟むように配置された
ローラー25a,25b,26a,26bからなってい
る。シール部はエッチング抑制液が搬送方向前後に漏れ
出して、急速な液置換が行われる前にエッチングが再進
行するのを防止している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カラー受像管用
シャドウマスクの製造装置および製造方法に係り、特に
洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シャドウマスク型カラー受像管は、図1
2に示すように、外囲器を構成するパネル1の内面に設
けられた3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン2から
所定間隔離れて、その内側に多数の開孔が所定の配列・
形状で形成された色選別電極としてのシャドウマスク3
が配置されている。このシャドウマスク3により、電子
銃4から放出された3電子ビーム5が、それぞれ所定の
蛍光体層に正しくランディングするように選別してい
る。蛍光体スクリーンは、蛍光体ドット(又は蛍光体ス
トライプ)の間を埋めるブラックマトリックスを有し、
このブラックマトリックスは電子ビームのランディング
誤差の吸収やコントラスト向上に寄与している。また、
シャドウマスク3には、大別して開孔形状が円形のもの
と、矩形状のものとがあり、文字や図形などを表示する
カラーディスプレイ管には、開孔が円形のシャドウマス
クが用いられ、一般家庭で使用されるカラー受像管に
は、開孔が矩形状のシャドウマスクが主として用いられ
ている。
【0003】ところで、近年、カラーディスプレイ管に
ついては、高精細化、高品質化が強く要求されており、
それに伴って、シャドウマスクの開孔寸法の微細化、開
孔寸法のばらつきの低減化が図られている。これは、カ
ラー受像管においては一般的に、画像を表示する蛍光体
スクリーンがシャドウマスクをフォトマスクとして写真
印刷法により形成されるため、その蛍光体スクリーンを
構成するブラックマトリックスのマトリックスホールや
ドット状の3色蛍光体層の寸法、形状がシャドウマスク
の開孔寸法、形状に大きく依存してしまうことにより、
シャドウマスクの開孔寸法、形状のばらつきが表示され
る画像のむらとなって現れ、画像品位を損なうためであ
る。
【0004】従来より、上記シャドウマスクの開孔は、
フォトエッチング法により形成されており、特に高精細
化、高品質化が要求されるディスプレイ管用シャドウマ
スクについては、下記のような2段エッチング法により
形成されているのが一般的である。
【0005】すなわち、カラーディスプレイ管用シャド
ウマスクは、アンバー材(Fe−36wt%Ni)やア
ルミキルド鋼などの金属薄板を基材とし、圧延油や防錆
油などの脱脂を目的として脱脂洗浄が行われ、図13
(a)に示すように、上記金属薄板7の両面にカゼイン
系や変成PVA系などの感光剤を塗布、乾燥して感光膜
8を形成する(感光膜形成工程)。
【0006】次に同(b)に示すように、この両面の感
光膜8にシャドウマスクの開孔の電子銃側の小開孔に対
応するパターンが形成された原版9a、および蛍光体ス
クリーン側の大開孔に対応するパターンが形成された原
版9bからなる一対の原版9a,9bを密着して露光
し、これら原版9a,9bのパターンを焼付ける(露光
工程)。このとき、露光光量の面内ばらつきが感光膜の
パターン抜け寸法に影響するため、露光光量が所定の範
囲に制御される。
【0007】次にこのパターンを焼付けられた両面の感
光膜8を水あるいは水とアルコールからなる現像液を用
いて現像し、未感光部を除去し、同(c)に示すよう
に、上記一対の原版のパターンに対応するパターンから
なるレジスト10a,10bを形成する(現像工程)。
【0008】その後、同(d)に示すように、上記レジ
スト10bの形成された面側にポリエチレンテレフタレ
ート(PET)やキャスティングポリプロピレン(CP
P)などの耐エッチング性樹脂フィルムに粘着剤を塗工
してなる保護フィルム11bを貼着し、上記レジスト1
0aの形成された面側を塩化第2鉄溶液をエッチング液
としてエッチングし、このレジスト10aの形成された
面側にシャドウマスクの電子銃側の小開孔を構成する小
凹孔12aを形成する(第1エッチング工程)。
【0009】次に上記レジスト10bの形成された面側
に貼着された保護フィルム11bを取除き、さらに同
(e)に示すように、上記小凹孔の形成された面側のレ
ジストを剥離した後水洗し、この小凹孔の形成された面
及びその小凹孔内にニスを塗布、乾燥して耐エッチング
層13を形成する。さらにこの耐エッチング層13上に
保護フィルム11aを貼着する(耐エッチング層形成工
程)。
【0010】そしてレジスト10bの形成された面側を
エッチング液によりエッチングして、このレジスト10
bの形成された面側にシャドウマスクの蛍光体スクリー
ン側の大開孔を構成する大凹孔12bを形成する(第2
エッチング工程)。
【0011】次に上記保護フィルム11aを取除き、そ
の後、アルカリ水溶液により、大凹孔12bの形成され
た面側のレジスト10a及び上記小凹孔の形成された面
側の耐エッチング層13を剥離除去して、同(f)に示
すように、小凹孔12aと大凹孔12bとが連通した開
孔14を形成する(仕上げ工程)。
【0012】このような方法によってシャドウマスクを
製造するが、得られたシャドウマスクの開孔寸法、形状
にばらつきが生じるという問題がある。これには次のよ
うな幾つかの要因がある。
【0013】第1は、エッチング終了後の洗浄時に凹孔
12a,12b内に残留するエッチング液によりエッチ
ングが再進行することによるものである。すなわち、上
記方法により凹孔12a,12bを形成すると、例えば
大凹孔12bについては図14に示すように、サイドエ
ッチングによりレジスト10bの開孔径Dr よりも凹孔
12bの開孔径De が大きくなり、その結果、凹孔12
bの開孔周辺にレジスト10bの庇部15ができ、この
庇部15の内側に比較的多量のエッチング液16が付着
残留するようになる。このように凹孔12a,12b内
に残留するエッチング液は、エッチング終了後、洗浄水
をスプレーしても、短時間に洗浄水と置換することはで
きず、かつこの洗浄水の置換速度がすべての凹孔につい
て均一とならない。一方、塩化第2鉄溶液からなるエッ
チング液は、図15に曲線18で示すように、金属薄板
のエッチングに用いられるときの濃度(図中、破線で示
す濃度)よりも低い濃度でエッチング速度が速くなる。
そのため、エッチング終了後の水洗により希釈された低
濃度の塩化第2鉄溶液に長時間さらされると、開孔寸法
が変化し、かつその開孔寸法、形状にばらつきを生じて
しまう。
【0014】第2は、金属薄板自体の清浄度であり、こ
の清浄度は感光膜形成前、感光膜剥離後で特に問題にな
り、感光膜形成前においては、感光膜と金属薄板との十
分な密着性が得られないおそれがあり、感光膜剥離後に
おいては、耐エッチング層を形成する際のニスの塗布、
充填が不均一になって耐エッチング層と金属薄板との十
分な密着性が得られないおそれがある。特に、感光膜剥
離後の清浄度がその次工程に耐エッチング層を形成する
場合に問題となる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
シャドウマスクの製造方法では種々の目的で洗浄工程が
設けられており、金属薄板の付着物を液置換しながら次
工程の作業を行っている。例えばエッチング終了後にお
いては、金属薄板に付着残留するエッチング液をスプレ
ー水洗により除去している。しかし、このスプレー水洗
によるエッチング液の除去では、エッチングにより形成
された凹孔が水洗により希釈されたエッチング速度の速
い低濃度のエッチング液に長時間さらされ、開孔寸法が
変化し、かつその開孔寸法、形状にばらつきが生じ、む
ら品位の優れたシャドウマスクが得られないという問題
がある。また、エッチング後の水洗に限らず金属薄板の
洗浄が十分に行われないがために、感光膜の形成や2段
エッチング法における耐エッチング層の形成が不十分と
なって、開孔寸法、形状にばらつきが生じ、むら品位の
すぐれたシャドウマスクが得られないという問題もあ
る。
【0016】これに対し、エッチング終了後の水洗方法
として、スプレー水洗ではなく水槽に浸漬する方法があ
るが、製造ラインにおける洗浄装置の設置スペースや使
用水量が限られている場合には採用し難い。
【0017】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、シャドウマスクの開孔寸法、形状
のばらつきを抑え、むら品位のすぐれたシャドウマスク
を製造することができる洗浄装置、製造装置及び製造方
法を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、略水平に保持された状態で長手方向に沿
って搬送される帯状金属薄板の表面に付着している付着
物を前記帯状金属薄板に対して不活性な液と置換するシ
ャドウマスクの洗浄装置に関するものである。本発明に
よる洗浄装置は、帯状金属薄板の上面及び下面に前記不
活性な液を噴出して前記金属薄板の表面近傍にキャビテ
ーションを発生させて急速な液置換を行う液置換部と、
前記帯状金属薄板の位置を規制するとともに、急速な液
置換が行われる領域を規制して前記不活性な液の搬送方
向前段側への漏出を防止するシール部と、を具備するこ
とを特徴としている。
【0019】このような洗浄装置によると急速に液置換
される領域をシール部によって規制しながら、キャビテ
ーションの作用によって洗浄を行うので、搬送される帯
状金属薄板を均一に洗浄することができる。
【0020】また、液置換部は、複数の噴射ノズルが搬
送方向と略直交して配置されてなり、前記帯状金属薄板
の上面側に前記不活性な液を高圧噴射する第1の噴射部
と、複数の噴射ノズルが搬送方向と略直交して配置され
てなり、前記帯状金属薄板の下面側に前記不活性な液と
空気とを高圧噴射する第2の噴射部とを具備することを
特徴としている。
【0021】また、シール部は、前記液置換部の前段側
に位置して前記帯状金属薄板を挟む一対の前段ローラー
と、前記液置換部の後段側に位置して前記帯状金属薄板
を挟む一対の後段ローラーとを具備することを特徴とす
る。
【0022】前記不活性な液としては、水、塩化ニッケ
ル水溶液、塩化マンガン水溶液、塩化第1鉄水溶液、ア
ルコールから選択された1または2以上の混合液を用い
ることができる。そして、前記不活性な液の置換速度を
5%/秒以上としたことを特徴とする。
【0023】さらに、本発明は、上記洗浄装置を備えた
シャドウマスクの製造装置である。すなわち、レジスト
パターンが形成された帯状金属薄板をその長手方向に略
水平状態で搬送させる搬送装置と、前記帯状金属薄板を
エッチングするエッチング装置と、前記レジストパター
ンを剥離する剥離装置と、前記帯状金属薄板の表面に付
着した付着物を前記帯状金属薄板に対して不活性な液と
置換する洗浄装置と、を備えたシャドウマスクの製造装
置において、前記洗浄装置に上述した本発明の洗浄装置
を用いている。また、上述した洗浄装置を用いることを
特徴とするシャドウマスクの製造方法である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態について説明する。
【0025】まず、本発明のシャドウマスク洗浄装置の
構造を図1及び図2に示す。図1は本洗浄装置を斜めか
ら見た模式図であり、図2は本洗浄装置の断面構造を示
すものである。本発明のシャドウマスク洗浄装置は、金
属薄板に対して不活性な液を噴出して細かい均一な気泡
であるキャビテーションを金属薄板の表面近傍に発生さ
せて、このキャビテーションを利用することによって付
着物を急速に液置換するものである。
【0026】図示するように、本洗浄装置20は、キャ
ビテーションを発生して急速に液置換を行う液置換部2
1と、シール部24とから主としてなる。液置換部21
は上側液置換部22と下側液置換部23とが帯状金属薄
板7を挟んで対向するように配置されてなり、また、液
置換部22を挟んで金属薄板7の搬送方向(図中に矢印
で示す方向)両側には前段シール部24aと後段シール
部24bとが位置している。前段、後段シール部24
a,24bはそれぞれ金属薄板を挟むように配置された
ネオプレーンゴムからなる一対のローラー25a,25
b,26a,26bからなっている。
【0027】シール部24a,24bはキャビテーショ
ン発生よる急速な液置換が行われている領域の両端に配
置されており、a)金属薄板の上部に液溜りを設けるこ
と、b)キャビテーションの発生による金属薄板のばた
つきを防止すること、及びc)液がキャビテーション発
生領域外に漏れたり、はねたりすることを防止すること
を目的として設けられている。特にエッチング終了後の
洗浄に用いる場合は、金属薄板に付着しているエッチン
グ液が活性化されて再度エッチングが進行するおそれが
あるため、c)の目的が重要視され、このような用途の
場合は、前段シール部24aは液置換部21に近い方が
望ましい。これは、液置換部21と前段シール部24a
との距離が大きいと金属薄板7の搬送方向前後に流れた
エッチング抑制液(エッチング終了後の洗浄の場合にお
ける不活性な液のことを、本明細書ではこのように称す
る)によって残留エッチング液が希釈されてしまい、液
置換される前にエッチングの再進行が生じてしまうから
である。
【0028】また、金属薄板の搬送を妨げることなく液
漏れを防ぐためには、シール部にはローラーを用いるの
が望ましいが、エアーナイフを用いることによってもシ
ールすることができる。ただし、エアーナイフの場合は
構造が複雑になる欠点がある。液置換部21との距離を
小さくするためにはローラー径を小さくすることが望ま
しいが、液はねを防止するためにはローラー径は大きい
方が望ましい。また、特に上側に位置するローラー重量
は液漏れを防ぐためには重い方がよいが、ローラーの回
転が阻害され、金属薄板に傷を発生させる場合もある。
このような場合、ローラーにドライブを設け、金属薄板
の走行と同期させることで防止することができる。従っ
て、ローラー径やローラー重量はこれらを考慮して適宜
決定すればよい。
【0029】液置換部21は、図2に示すように、金属
薄板7を挟んで対向する上側液置換部22と下側液置換
部23とからなる。上側液置換部22は、複数の噴射ノ
ズル32が搬送方向と略直交して配置されてなり、帯状
金属薄板7の上面側に不活性な液29を高圧噴射する第
1の噴射部30を有している。下側液置換部23は、液
槽34と、液槽34の下部に設けられ、複数の噴射ノズ
ル44が搬送方向と略直交して配置されてなり、帯状金
属薄板7の下面側に不活性な液29と空気とを高圧噴射
する第2の噴射部40とを有している。
【0030】第1の噴射部30は、中空体31の下側に
多数の噴射ノズル32が設けられた構造であり、この中
空体31に高圧の水を供給することにより、噴射ノズル
32から噴射された高圧の液29が金属薄板7の上部に
溜まった液48の水面付近の空気を巻き込み、均一で細
かいキャビテーションを発生させることができる。
【0031】第2の噴射部40もまた中空体41にて構
成されている。中空体41の中には噴射ノズル44が第
2の噴射部40ごとに上側に突出して多数設けられてお
り、噴射ノズル44に対応した開孔43が多数設けられ
ており、中空体41には空気が供給される構造となって
いる。また、配管42には高圧の水が供給され、噴射ノ
ズル44から高圧水を噴射するようになっている。この
第2の噴射部40の開孔部で高圧水が空気を巻き込んで
噴射され、金属薄板の下面に向けてキャビテーションを
発生する。
【0032】また、液置換部の前後には可変可能なスリ
ット27が設けられており、液溜りの量を規制すること
ができる。
【0033】このように、本洗浄装置では、高圧水が効
率良く空気を巻き込んで均一できめの細かなキャビテー
ションを発生させ、金属薄板の上下面での付着物の液置
換を高速で均一に行うことができる。また、シール部が
設けられているため、シール部で規制された範囲内で均
一な液置換を可能にしている。特にエッチング後におい
ては、金属薄板に凹部が形成されているが、キャビテー
ションの利用によって金属薄板に対して不活性な液が凹
部内にも回り込むので、急速かつ効率的な液置換を可能
としている。
【0034】また、レジスト厚を薄くすればエッチング
後に生じるレジストの庇部をキャビテーションの作用に
より破壊することもでき、さらに置換効率を挙げること
も可能である。
【0035】また、従来のスプレー洗浄では比較的長い
時間の洗浄を要し、そのためにスプレーノズルを搬送方
向に沿って何段も配置しているため設置スペースや使用
水量がかなり費やされていたが、本洗浄装置によると、
設置スペース、水量ともに半減することも可能である。
【0036】本洗浄装置は、シャドウマスクの製造工程
におけるエッチング工程後の洗浄工程、レジスト剥離後
の洗浄工程などに用いることができ、このような洗浄工
程に用いることによって、品位の優れたシャドウマスク
を提供することのできる製造方法及び製造装置となる。
【0037】なお、本発明は、金属薄板を両面から同時
にエッチングして開孔を形成する同時エッチング法、及
び片面から別々にエッチングして開孔を形成する2段エ
ッチング法のいずれにも適用され、特に、エッチング終
了後の洗浄では、金属薄板に付着する塩化第2鉄溶液か
らなるエッチング液を、金属薄板に対して不活性なエッ
チング抑制液を用いて可及的に速やかに置換することが
できる。そのエッチング抑制液としては、冷水、塩化ニ
ッケル水溶液、塩化マンガン水溶液、塩化第1鉄水溶
液、アルコールから選択された1または2以上の混合液
が用いられる。
【0038】これらエッチング抑制液の抑制作用とし
て、図3に水、塩化ニッケル、溶液及び塩化マンガン溶
液を用いた場合の塩化第2鉄溶液の濃度(重量%)変化
と金属薄板に対するエッチング率(相対強度)との関係
を示す。曲線51が水、曲線52が塩化ニッケル溶液、
曲線53が塩化マンガン溶液を用いた場合である。曲線
51において51aは51bは液温が低い場合である。
水に比べて塩化ニッケル、塩化マンガンの抑制作用は大
きく、特に塩化マンガンの作用が大きいことが示されて
いる。これは、塩化マンガンの溶解度が塩化ニッケルに
比べて大きく多量に溶解すること、イオン化傾向がニッ
ケルや鉄に比べてマンガンの方が大きいことによるもの
と考えられる。従って、このようなエッチング抑制液に
より金属薄板に付着するエッチング液を置換することに
より、希釈エッチング液による速度の速いエッチングを
抑制することができる。
【0039】なお、塩化ニッケル溶液や塩化マンガン溶
液を用いた場合、これらエッチング抑制液で置換した
後、さらに水によるリンスが必要となるので、工程が複
雑になってしまう。この場合、図3からわかるように、
水は塩化ニッケルや塩化マンガン溶液に比べて抑制効果
は小さいが、水温を下げた水であれば有効であることが
わかる。通常エッチング液の液温は50℃〜70℃であ
るので、常温(20℃〜25℃)の水でも、エッチング
液の温度を下げてエッチング液の反応速度を遅くし、5
%/秒以上の早い置換速度で置換することにより、エッ
チング液との接触時間を短縮して、エッチング速度の速
い希釈エッチング液による再エッチングを抑制すること
ができる。
【0040】本発明の洗浄装置をエッチング後、金属薄
板に付着するエッチング液の液置換に用いた場合、エッ
チングにより形成された開孔や凹孔内に残留するエッチ
ング液を5%/秒以上の速い速度でエッチング抑制液と
置換することができ、エッチング速度の速い希釈エッチ
ング液との接触時間を短縮して、開孔寸法の変化、開孔
寸法、形状のばらつきを抑えて、むら品位のすぐれたシ
ャドウマスクを製造することができる。また、エッチン
グ後以外の洗浄に用いた場合も、キャビテーションの利
用によって高速かつ効率的な洗浄ができる。
【0041】以下、この発明の実施の形態を実施例に基
づいて説明する。
【0042】
【実施例1】本発明によるシャドウマスクの製造方法の
一例として、板厚0.12mmのアンバー材からなる金属
薄板をシャドウマスク基材として、2段エッチング法に
より開孔を形成する方法を示す。図4は2段エッチング
工程の全体的流れを示し、図5は金属薄板の断面形状の
変化を示す図である。なお、図4中で二重枠になってい
る洗浄工程に本発明の洗浄装置を用いている。
【0043】まず、帯状金属薄板の表面に付着する圧延
油や防錆油をアルカリ系の脱脂液を用いてスプレー洗浄
(脱脂工程)した後、図1に示す洗浄装置を用いて水温
25℃の工水を、液圧5〜15kg/cm2 、空気圧5kg/
cm2 、空気流量0.2Nm/min で噴射して水洗し(洗浄
工程)、乾燥した後、図5(a)に示すように、この金
属薄板7の両面に、カゼイン、重クロム酸塩を主成分と
する感光剤を塗布、乾燥して、厚さ数μmの感光膜8を
形成する(感光膜形成工程)。
【0044】この時、脱脂、水洗後の金属薄板の清浄度
を、水滴の接触角及びXPS(X線光電子分光)による
元素分析により調べた結果を図6に示す。図6におい
て、曲線61は水による表面接触角であり、曲線62は
及び63はそれぞれFeのピーク強度に対するC及びN
aのピーク強度の相対値、すなわちC/Fe、Na/F
eを示す。C/Feは油成分及び脱脂剤中のキレート剤
成分の除去度合いを表し、Na/Feは脱脂剤の除去度
合いを表す。図6に示すように、本実施例による金属薄
板の清浄度は液圧5〜15kg/cm2 の範囲で従来方法に
よる洗浄に比べて大幅に向上している。
【0045】次に図5(b)に示すように、この両面の
感光膜8にシャドウマスクの開孔の電子銃側の小開孔に
対応するドットパターンが形成された原版9a、及び蛍
光体スクリーン側の大開孔に対応するドットパターンが
形成された原版9bからなる一対の原版9a,9bを密
着して露光し、これら原版9a,9bのパターンを焼付
ける(露光工程)。
【0046】次にこのパターンを焼付けられた両面の感
光膜8を現像して未感光部を除去し、同(c)に示すよ
うに、上記一対の原版9a,9bのパターンに対応する
ドットパターンからなるレジスト10a,10bを形成
する(現像工程)。このようにしてレジストが形成され
た帯状金属薄板は一旦ロール状に巻き取られ、ロールの
状態で次のエッチング工程へと移動する。
【0047】エッチング工程は、レジストの形成された
ロール状の帯状金属薄板を搬送装置によって巻き出しな
がら行われる。まず、図5(d)に示すように、上記レ
ジスト10bの形成された面側に、ポリエチレン・テレ
フタレート(PET)樹脂などからなる保護フィルム1
1bを貼着し(保護フィルム貼付工程)、エッチング装
置によって上記レジスト10bの形成された面側に、液
温70℃、比重1.510の塩化第2鉄溶液からなるエ
ッチング液をスプレーして、このレジスト10aの形成
された面側にシャドウマスクの電子銃側の小開孔を構成
する小凹孔12aを形成する(第1エッチング工程)。
【0048】そしてこの第1のエッチング終了後、図1
の装置を用いて不活性なエッチング抑制液として水温2
5℃の工水を、液圧5〜15kg/cm2 、空気圧5kg/cm
2 、空気流量0.2Nm/min で噴射して水洗し、金属薄
板7の表面、特に上記小凹孔12a内に残留するエッチ
ング液24を工水と急速に置換して、同(e)に示すよ
うに、金属薄板7の表面、特に小凹孔12a内に残留す
るエッチング液を除去する(洗浄工程)。
【0049】すなわち、上記のようにエッチングにより
凹孔12aを形成すると、凹孔12aの開孔径は、サイ
ドエッチングの進行によりレジスト10aの開孔径より
も大きくなり、レジスト10aの庇部ができ、この庇部
の内側に比較的多量のエッチング液16が残留するよう
になる。一方、上記のように庇部ができると、従来おこ
なわれていたエッチング後のスプレーによる水洗では、
上記庇部の内側に残留するエッチング液を急速に希釈除
去することができず、図15に示したエッチング速度の
速い希釈エッチング液に長時間さらされ、開孔寸法、形
状のばらつきをもたらす。しかし、この実施例1のよう
に図1に示す装置を用いると、金属薄板に残留するエッ
チング液を5%/秒以上と速い速度で置換でき、希釈エ
ッチング液による開孔寸法、形状のばらつきを抑えるこ
とができる。
【0050】次にレジスト剥離装置に通し、アルカリ水
溶液により、上記小凹孔12aの形成された面側のレジ
スト10aを剥離除去し(レジスト剥離工程)、図1の
装置を用いて水温25℃の工水を、液圧5〜15kg/cm
2 、空気圧5kg/cm2 、空気流量0.2Nm/min で噴射
して水洗し(洗浄工程)、乾燥後、上記レジスト10b
の形成された面側に貼着された保護フィルム11bを取
除く(保護フィルム剥離工程)。その後、同(f)に示
すように、上記小凹孔の形成された面及びその小凹孔内
に耐エッチング性のUV硬化型樹脂を塗布充填し、高圧
水銀ランプを用いた硬化装置で硬化し、耐エッチング層
13を形成する(耐エッチング層形成工程)。さらにこ
の耐エッチング層13上にPET樹脂などからなる保護
フィルム11aを貼着する(保護フィルム貼付工程)。
【0051】この時、レジスト剥離後に水洗された金属
薄板の清浄度を、水滴の接触角及びXPS(X線光電子
分光)による元素分析により調べた結果を図7に示す。
図7において、曲線71は水による表面接触角であり、
曲線72、73及び74はそれぞれFeのピーク強度に
対するC、N及びNaのピーク強度の相対値、即ちC/
Fe、N/Fe、Na/Feを示す。C/Fe及びN/
Feはレジスト成分の除去度合いを表し、Na/Feは
剥離液成分の除去度合いを表す。図7に示すように、本
実施例による金属薄板の清浄度は液圧5〜15kg/cm2
の範囲、特に7〜10kg/cm2 の範囲で従来方法による
洗浄に比べて大幅に向上している。
【0052】その後、図5(g)に示すように、レジス
ト10bの形成された面側に液温70℃、比重1.51
0の塩化第2鉄溶液からなるエッチング液をスプレーし
て、このレジスト10bの形成された面側にシャドウマ
スクの蛍光体スクリーン側の大開孔を構成する大凹孔1
2bを形成する(第2エッチング工程)。
【0053】そしてこの第2のエッチング終了後、第1
エッチング工程終了時と同様に図1の装置を用いて、同
(h)に示すように、大凹孔12b内に残留するエッチ
ング液を除去する(洗浄工程)。
【0054】この後、上記他方の面側に貼着された保護
フィルム11aを取除き(保護フィルム剥離工程)、そ
の後、アルカリ水溶液により、大凹孔12bの形成され
た面側のレジスト10aおよび上記小凹孔側の耐エッチ
ング層13を剥離除去し(レジスト/耐エッチング層剥
離工程)、さらに水洗、乾燥して、同(i)に示すよう
に、小凹孔12aと大凹孔12bとが連通した開孔14
を形成する。その後、開孔が形成されたシャドウマスク
を帯状金属薄板から切り離してフラットマスクが完成す
る(ピックオフ工程)。
【0055】このような製造方法で得られたシャドウマ
スクに関し、図8に示した小孔12aと大孔12bの連
通部によって規定される開孔径Dの設定が115μmの
シャドウマスクを製造した場合の開孔径Dのばらつき3
σと、むら品位を、従来の方法により製造されたシャド
ウマスクと比較した結果を図9に示す。なお、この比較
において、本発明のシャドウマスクの洗浄装置の液圧
は、感光膜形成工程と耐エッチング層形成工程において
は7kg/cm2 、エッチング終了後の残留エッチング液の
除去においては7.5kg/cm2 である。また、図9にお
いて曲線81はシャドウマスクの開孔径Dを測長器を用
いて100点測定して求めた開孔径のばらつき3σを、
曲線82は色温度5700Kの蛍光灯を用いたライトボ
ックス上にシャドウマスクを置いて、西華産業(株)製
のむら検査装置を用い、むら率(相対値であり、数字が
大きい程むらレベルが悪い)で表示したむら品位を表
す。図9から明らかなように、実施例1の方法により製
造されたシャドウマスクは開孔径Dのばらつきが小さ
く、むら品位が大幅に向上していることがわかる。
【0056】なお、図6、図7及び図9で示す従来の水
洗方法では液圧を上げても水の使用量が増えるだけで本
発明のような効果は得られない。
【0057】
【実施例2】上記実施例1では、2段エッチング法によ
りシャドウマスクの開孔を形成する場合について説明し
たが、この発明の実施の形態におけるエッチング液の置
換は、図10(a)ないし(f)に示すように、金属薄
板の両面を同時にエッチングして開孔を形成する場合に
も適用して、ほぼ同様の効果が得られる。
【0058】本実施例では、板厚0.25mmのアンバー
材を用いて、開孔形状が矩形の大型の民生用カラー受像
管のシャドウマスクを製造する場合について説明する。
【0059】まず、帯状金属薄板の表面に付着する圧延
油や防錆油をアルカリ系の脱脂液を用いてスプレー洗浄
した後、図1に示す洗浄装置を用いて水温25℃の工水
を、液圧10kg/cm2 、空気圧5kg/cm2 、空気流量
0.2Nm/min で噴射して水洗し(洗浄工程)、乾燥し
た後、図10(a)に示すように、この金属薄板7の両
面に、カゼイン、重クロム酸塩を主成分とする感光剤を
塗布、乾燥して、厚さ数μmの感光膜8を形成する(感
光膜形成工程)。
【0060】次に図10(b)に示すように、この両面
の感光膜8にシャドウマスクの開孔の電子銃側の小開孔
に対応するパターンが形成された原版9a、及び蛍光体
スクリーン側の大開孔に対応するパターンが形成された
原版9bからなる一対の原版9a,9bを密着して露光
し、これら原版9a,9bのパターンを焼付ける(露光
工程)。
【0061】次にこのパターンを焼付けられた両面の感
光膜8を現像して未感光部を除去し、同(c)に示すよ
うに、上記一対の原版9a,9bのパターンに対応する
ドットパターンからなるレジスト10a,10bを形成
する(現像工程)。このようにしてレジストが形成され
た帯状金属薄板は一旦ロール状に巻き取られ、ロールの
状態で次のエッチング工程へと移動する。
【0062】エッチング工程は、レジストの形成された
ロール状の帯状金属薄板を搬送装置によって巻き出しな
がら行われる。まず、図10(d)に示すように、エッ
チング装置を通すことによって、上記レジスト10a,
10bの形成された両面より、液温70℃、比重1.5
10の塩化第2鉄溶液からなるエッチング液をスプレー
して、このレジスト10aの形成された面側にシャドウ
マスクの電子銃側の小開孔を構成する小凹孔12aと、
レジスト10bの形成された面側にシャドウマスクの蛍
光体スクリーン側の大開孔を構成する大凹孔12bを形
成する(エッチング工程)。
【0063】そしてこのエッチング工程の終了後、図1
の装置を用いて、水温25℃の工水を、液圧10kg/cm
2 、空気圧5kg/cm2 、空気流量0.2Nm/min で直接
金属薄板7の両面に噴射して、金属薄板7の表面、特に
小孔12aと大孔12bの連通部内に残留するエッチン
グ液16を工水と急速に置換して除去する(図10
(e)参照)。
【0064】その後、レジスト剥離装置を通し、アルカ
リ水溶液により、レジスト10a,10bを剥離除去
し、さらに水洗、乾燥してから、開孔が形成されたシャ
ドウマスクを帯状金属薄板から切り離してフラットマス
クが完成する(ピックオフ工程)。
【0065】本実施例で得られたシャドウマスクも実施
例1と同様に開孔寸法、形状のばらつきが抑えられ、む
ら品位に優れている。また、従来の水洗を用いた場合
は、水洗に不均一によるしみ状の反射ムラが認められた
が、本実施例の水洗方法では、しみ状の反射ムラは全く
認められなかった。
【0066】なお、本装置を適用する洗浄工程は上述し
た実施例に限られず、任意の洗浄工程に採用することが
できるが、エッチング終了後の洗浄工程に用いると特に
有効である。
【0067】さらに、本発明の洗浄装置の第2の噴射部
40は上述した構造に限られず、例えば図11に示すよ
うに、軸方向に沿った長開孔92が設けられた外側円筒
91の内側に噴射ノズル穴94が多数設けられた内側円
筒93から構成して、内側円筒93に高圧の水、外側円
筒91に空気を供給するような構造でもよい。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
シャドウマスク基材である帯状金属薄板の上下面の近傍
に均一できめの細かいキャビテーションを発生させて液
置換を行い、かつ、このキャビテーションによる液置換
は領域を規制しながら行われるので、開孔寸法、形状の
ばらつきを抑えて、むら品位のすぐれたシャドウマスク
を製造することができる。また、使用する液の量を大幅
に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態におけるシャドウマスク
洗浄装置を示す斜視図である。
【図2】図2(a)及び(b)は図1における洗浄装置
の内部構造を示すであり、図2(a)は洗浄部の内部を
シャドウマスク搬送方向から見た断面図、図2(b)は
搬送方向に沿った断面図である。
【図3】この発明の実施の形態におけるエッチング抑制
液の効果を説明するための図である。
【図4】この発明の実施例1におけるシャドウマスクの
製造方法の工程流れを示す図である。
【図5】図5(a)乃至(i)はそれぞれ図4の主要工
程を説明するための図である。
【図6】本発明をレジストパターン形成工程における洗
浄に用いた場合の効果を説明するための図である。
【図7】本発明を耐エッチング層形成工程における洗浄
に用いた場合の効果を説明するための図である。
【図8】シャドウマスクの開孔寸法を説明するための図
である。
【図9】実施例1で得られたシャドウマスクの効果を説
明するための図である。
【図10】本発明の実施例2におけるシャドウマスクの
製造方法を説明するための図である。
【図11】本発明の洗浄装置の下側洗浄部の噴射部の変
形例を示す図である。
【図12】カラー受像管の構成を示す模式図である。
【図13】従来のシャドウマスクの製造方法を説明する
ための図である。
【図14】上記従来のシャドウマスクの製造方法におけ
る問題を説明するための図である。
【図15】塩化第二鉄溶液の濃度とエッチング速度との
関係を示す図である。
【符号の説明】
7…金属薄板 10a,10b…レジスト 12…小凹孔 12b大凹孔 14…開孔 29…洗浄装置 21…液置換部 22…上側液置換部 23…下側液置換部 24…シール部 24…前段シール部 24b…後段シール部 30…第1の噴射部 40…第2の噴射部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹澤 洋治 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番2号 株式 会社東芝深谷電子工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略水平に保持された状態で長手方向に沿
    って搬送される帯状金属薄板の表面に付着している付着
    物を前記帯状金属薄板に対して不活性な液と置換するシ
    ャドウマスクの洗浄装置において、 前記帯状金属薄板の上面及び下面に前記不活性な液を噴
    出して前記金属薄板の表面近傍にキャビテーションを発
    生させて急速な液置換を行う液置換部と、前記帯状金属
    薄板の位置を規制するとともに、急速な液置換が行われ
    る領域を規制して前記不活性な液の搬送方向前段側への
    漏出を防止するシール部と、を具備することを特徴とす
    るシャドウマスクの洗浄装置。
  2. 【請求項2】 前記液置換部は、複数の噴射ノズルが搬
    送方向と略直交して配置されてなり、前記帯状金属薄板
    の上面側に前記不活性な液を高圧噴射する第1の噴射部
    と、複数の噴射ノズルが搬送方向と略直交して配置され
    てなり、前記帯状金属薄板の下面側に前記不活性な液と
    空気とを高圧噴射する第2の噴射部とを具備することを
    特徴とする請求項1記載のシャドウマスクの製造装置。
  3. 【請求項3】 前記シール部は、前記液置換部の前段側
    に位置して前記帯状金属薄板を挟む一対の前段ローラー
    と、前記液置換部の後段側に位置して前記帯状金属薄板
    を挟む一対の後段ローラーとを具備することを特徴とす
    る請求項1又は2記載のシャドウマスクの洗浄装置。
  4. 【請求項4】 レジストパターンが形成された帯状金属
    薄板をその長手方向に略水平状態で搬送させる搬送装置
    と、前記帯状金属薄板をエッチングするエッチング装置
    と、前記レジストパターンを剥離する剥離装置と、前記
    帯状金属薄板の表面に付着した付着物を前記帯状金属薄
    板に対して不活性な液と置換する洗浄装置と、を備えた
    シャドウマスクの製造装置において、 前記洗浄装置は、前記帯状金属薄板の上面及び下面に前
    記不活性な液を噴出して金属薄板の表面近傍にキャビテ
    ーション発生させて急速な液置換を行う液置換部と、前
    記帯状金属薄板の位置を規制するとともに、急速な液置
    換が行われる領域を規制して前記不活性な液の前段側へ
    の漏出を防止するシール部と、を具備することを特徴と
    するシャドウマスクの製造装置。
  5. 【請求項5】 前記液置換部は、複数の噴射ノズルが搬
    送方向と略直交して配置されてなり、前記帯状金属薄板
    の上面側に前記不活性な液を高圧噴射する第1の噴射部
    と、複数の噴射ノズルが搬送方向と略直交して配置され
    てなり、前記帯状金属薄板の下面側に前記不活性な液と
    空気とを高圧噴射する第2の噴射部とを具備することを
    特徴とする請求項4記載のシャドウマスクの製造装置。
  6. 【請求項6】 前記シール部は、前記液置換部の前段側
    に位置して前記帯状金属薄板を挟む一対の前段ローラー
    と、前記液置換部の後段側に位置して前記帯状金属薄板
    を挟む一対の後段ローラーとを具備することを特徴とす
    る請求項4又は5記載のシャドウマスクの製造装置。
  7. 【請求項7】 前記不活性な液が、水、塩化ニッケル水
    溶液、塩化マンガン水溶液、塩化第1鉄水溶液、アルコ
    ールから選択された1または2以上の混合液であること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれか一に記載のシ
    ャドウマスクの製造装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし3のいずれか一に記載の
    装置を用いることを特徴とするシャドウマスクの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記不活性な液の置換速度を5%/秒以
    上としたことを特徴とする請求項8記載のシャドウマス
    クの製造方法。
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EP97110866A EP0817231B1 (en) 1996-07-02 1997-07-01 Shadow mask manufacturing method
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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