JPH10134710A - シャドウマスクの製造方法及び製造装置 - Google Patents

シャドウマスクの製造方法及び製造装置

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JPH10134710A
JPH10134710A JP28776896A JP28776896A JPH10134710A JP H10134710 A JPH10134710 A JP H10134710A JP 28776896 A JP28776896 A JP 28776896A JP 28776896 A JP28776896 A JP 28776896A JP H10134710 A JPH10134710 A JP H10134710A
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JP
Japan
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metal sheet
strip
shaped metal
etching
shadow mask
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JP28776896A
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Inventor
Masaru Nikaido
勝 二階堂
Sachiko Hirahara
祥子 平原
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】開孔寸法、形状のばらつきを抑えて、むら品位
のすぐれたシャドウマスクを製造することができる洗浄
装置を得ることを目的とする。 【解決手段】 本洗浄装置は、キャビテーションを発生
して急速に液置換を行う液置換部21と、シール部22
とから主としてなる。剥離部21は上側剥離部22と下
側剥離部23とが帯状金属薄板7を挟んで対向するよう
に配置されてなり、剥離部21を挟んで金属薄板7の搬
送方向両側には前段シール部24aと後段シール部24
bとが位置している。前段、後段シール部24a,24
bはそれぞれ金属薄板を挟むように配置されたローラー
25a,25b,26a,26bからなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カラー受像管用
シャドウマスクの製造方法及び製造装置に係り、特にア
ルカリ系溶液を用いた洗浄に関する。
【0002】
【従来の技術】シャドウマスク型カラー受像管は、図7
に示すように、外囲器を構成するパネル1の内面に設け
られた3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン2から所
定間隔離れて、その内側に多数の開孔が所定の配列・形
状で形成された色選別電極としてのシャドウマスク3が
配置されている。このシャドウマスク3により、電子銃
4から放出された3電子ビーム5が、それぞれ所定の蛍
光体層に正しくランディングするように選別している。
蛍光体スクリーンは、蛍光体ドット(又は蛍光体ストラ
イプ)の間を埋めるブラックマトリックスを有し、この
ブラックマトリックスは電子ビームのランディング誤差
の吸収やコントラスト向上に寄与している。また、シャ
ドウマスク3には、大別して開孔形状が円形のものと、
矩形状のものとがあり、文字や図形などを表示するカラ
ーディスプレイ管には、開孔が円形のシャドウマスクが
用いられ、一般家庭で使用されるカラー受像管には、開
孔が矩形状のシャドウマスクが主として用いられてい
る。
【0003】ところで、近年、カラーディスプレイ管に
ついては、高精細化、高品質化が強く要求されており、
それに伴って、シャドウマスクの開孔寸法の微細化、開
孔寸法のばらつきの低減化が図られている。これは、カ
ラー受像管においては一般的に、画像を表示する蛍光体
スクリーンがシャドウマスクをフォトマスクとして写真
印刷法により形成されるため、その蛍光体スクリーンを
構成するブラックマトリックスのマトリックスホールや
ドット状の3色蛍光体層の寸法、形状がシャドウマスク
の開孔寸法、形状に大きく依存してしまうことにより、
シャドウマスクの開孔寸法、形状のばらつきが表示され
る画像のむらとなって現れ、画像品位を損なうためであ
る。
【0004】従来より、上記シャドウマスクの開孔は、
フォトエッチング法により形成されており、特に高精細
化、高品質化が要求されるディスプレイ管用シャドウマ
スクについては、下記のような2段エッチング法により
形成されているのが一般的である。
【0005】すなわち、カラーディスプレイ管用シャド
ウマスクは、アンバー材(Fe−36wt%Ni)やア
ルミキルド鋼などの金属薄板を基材とし、圧延油や防錆
油などの脱脂を目的としてアルカリ系溶液を用いて脱脂
洗浄が行われ、図8(a)に示すように、上記金属薄板
7の両面にカゼイン系や変成PVA系などの感光剤を塗
布、乾燥して感光膜8を形成する(感光膜形成工程)。
【0006】次に同(b)に示すように、この両面の感
光膜8にシャドウマスクの開孔の電子銃側の小開孔に対
応するパターンが形成された原版9a、および蛍光体ス
クリーン側の大開孔に対応するパターンが形成された原
版9bからなる一対の原版9a,9bを密着して露光
し、これら原版9a,9bのパターンを焼付ける(露光
工程)。このとき、露光光量の面内ばらつきが感光膜の
パターン抜け寸法に影響するため、露光光量が所定の範
囲に制御される。
【0007】次にこのパターンを焼付けられた両面の感
光膜8を水あるいは水とアルコールからなる現像液を用
いて現像し、未感光部を除去し、同(c)に示すよう
に、上記一対の原版のパターンに対応するパターンから
なるレジスト10a,10bを形成する(現像工程)。
【0008】その後、同(d)に示すように、上記レジ
スト10bの形成された面側にポリエチレンテレフタレ
ート(PET)やキャスティングポリプロピレン(CP
P)などの耐エッチング性樹脂フィルムに粘着剤を塗工
してなる保護フィルム11bを貼着し、上記レジスト1
0aの形成された面側を塩化第2鉄溶液をエッチング液
としてエッチングし、このレジスト10aの形成された
面側にシャドウマスクの電子銃側の小開孔を構成する小
凹孔12aを形成する(第1エッチング工程)。
【0009】次に上記レジスト10bの形成された面側
に貼着された保護フィルム11bを取除き、さらに同
(e)に示すように、上記小凹孔の形成された面側のレ
ジスト10aをアルカリ系溶液で剥離した後水洗し、こ
の小凹孔の形成された面及びその小凹孔内にニスを塗
布、乾燥して耐エッチング層13を形成する。さらにこ
の耐エッチング層13上に保護フィルム11aを貼着す
る(耐エッチング層形成工程)。
【0010】そしてレジスト10bの形成された面側を
エッチング液によりエッチングして、このレジスト10
bの形成された面側にシャドウマスクの蛍光体スクリー
ン側の大開孔を構成する大凹孔12bを形成する(第2
エッチング工程)。
【0011】次に上記保護フィルム11aを取除き、そ
の後、アルカリ系溶液により、大凹孔12bの形成され
た面側のレジスト10a及び上記小凹孔の形成された面
側の耐エッチング層13を剥離除去して、同(f)に示
すように、小凹孔12aと大凹孔12bとが連通した開
孔14を形成する(仕上げ工程)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このような方法によっ
てシャドウマスクを製造するが、得られたシャドウマス
クの開孔寸法、形状にばらつきが生じるという問題があ
る。その要因の一つにアルカリ系溶液を用いた洗浄工程
があげられる。すなわち、脱脂が不十分であればその後
の水洗工程を行っても圧延油や防錆油などが残留するこ
とがあり、感光膜形成時に感光膜と金属薄板との十分な
密着性が得られないおそれがあり、また、エッチング後
にレジストの剥離が十分に行われない場合には耐エッチ
ング層を形成する際のニスの塗布、充填が不均一になっ
て耐エッチング層と金属薄板との十分な密着性が得られ
ないおそれがある。
【0013】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、シャドウマスクの開孔寸法、形状
のばらつきを抑え、むら品位のすぐれたシャドウマスク
を製造することができる製造方法及び製造装置を得るこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、略水平に保持された状態で長手方向に沿
って搬送される帯状金属薄板の表面に付着している付着
物をアルカリ系溶液にて除去するアルカリ処理工程に関
するものである。本発明によるアルカリ処理は、帯状金
属薄板の上面及び下面に前記不活性な液を噴出して前記
金属薄板の表面近傍にキャビテーションを発生させるこ
とにより付着物の剥離を行う。
【0015】また、前記アルカリ処理を行う処理部が、
前記帯状金属薄板の上面及び下面の少なくとも一方に前
記アルカリ系溶液を噴出して前記金属薄板の表面近傍に
キャビテーションを発生させて付着物の剥離を行う剥離
部と、前記帯状金属薄板の位置を規制するとともに、剥
離が行われる領域を規制して前記アルカリ系溶液の搬送
方向前段及び後段側への漏出を防止するシール部と、を
具備することを特徴とするシャドウマスクの製造装置で
ある。
【0016】このような製造方法及び製造装置による
と、急速な剥離が行われる領域をシール部によって規制
しながらキャビテーションの作用によって剥離を行うの
で、搬送される帯状金属薄板から付着物を均一に剥離す
ることができる。
【0017】また、剥離部は、複数の噴射ノズルが搬送
方向と略直交して配置されてなり、前記帯状金属薄板の
上面側に前記アルカリ系溶液を高圧噴射する第1の噴射
部と、複数の噴射ノズルが搬送方向と略直交して配置さ
れてなり、前記帯状金属薄板の下面側に前記アルカリ系
溶液と空気とを高圧噴射する第2の噴射部とを具備する
ことを特徴としている。
【0018】さらに、シール部は、前記剥離部の前段側
に位置して前記帯状金属薄板を挟む一対の前段ローラー
と、前記剥離部の後段側に位置して前記帯状金属薄板を
挟む一対の後段ローラーとを具備することを特徴とす
る。
【0019】なお、本発明によるアルカリ処理は、前記
帯状金属薄板を脱脂洗浄する脱脂処理、エッチング時の
レジストパターンを剥離するレジストパターン剥離、エ
ッチングにより形成された凹孔を充填する耐エッチング
層を剥離する耐エッチング層剥離の少なくとも一つであ
ることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態について説明する。まず、本発明の製造方法
に用いられるアルカリ処理装置の構造を図1及び図2に
示す。図1は本洗浄装置を斜めから見た模式図であり、
図2は本処理装置の断面構造を示すものである。本発明
のアルカリ処理装置は、アルカリ系溶液を噴出して細か
い均一な気泡であるキャビテーションを金属薄板の表面
近傍に発生させて、このキャビテーションを利用するこ
とによって付着物を急速に剥離するものである。
【0021】図示するように、本処理装置20は、キャ
ビテーションを発生して急速に剥離を行う剥離部21
と、シール部24とから主としてなる。剥離部21は上
側剥離部22と下側剥離部23とが帯状金属薄板7を挟
んで対向するように配置されてなり、また、剥離部22
を挟んで金属薄板7の搬送方向(図中に矢印で示す方
向)両側には前段シール部24aと後段シール部24b
とが位置している。前段、後段シール部24a,24b
はそれぞれ金属薄板を挟むように配置されたアルカリ系
溶液に対して耐蝕性を持つ材質からなる一対のローラー
25a,25b,26a,26bからなっている。
【0022】シール部24a,24bはキャビテーショ
ン発生よる急速な剥離が行われている領域の両端に配置
されており、a)金属薄板の上部に液溜りを設けるこ
と、b)キャビテーションの発生による金属薄板のばた
つきを防止すること、及びc)液がキャビテーション発
生領域外に漏れたり、はねたりすることを防止すること
を目的として設けられている。
【0023】また、金属薄板の搬送を妨げることなく液
漏れを防ぐためには、シール部にはローラーを用いるの
が望ましいが、エアーナイフを用いることによってもシ
ールすることができる。ただし、エアーナイフの場合は
構造が複雑になる欠点がある。
【0024】また、上側に位置するローラー重量は液漏
れを防ぐためには重い方がよいが、ローラーの回転が阻
害され、金属薄板に傷を発生させる場合もある。このよ
うな場合、ローラーにドライブを設け、金属薄板の走行
と同期させることで防止することができる。従って、ロ
ーラー径やローラー重量はこれらを考慮して適宜決定す
ればよい。
【0025】剥離部21は、図2に示すように、金属薄
板7を挟んで対向する上側剥離部22と下側剥離部23
とからなる。上側剥離部22は、複数の噴射ノズル32
が搬送方向と略直交して配置されてなり、帯状金属薄板
7の上面側にアルカリ系溶液29を高圧噴射する第1の
噴射部30を有している。下側剥離部23は、液槽34
と、液槽34の下部に設けられ、複数の噴射ノズル44
が搬送方向と略直交して配置されてなり、帯状金属薄板
7の下面側にアルカリ系溶液29と空気とを高圧噴射す
る第2の噴射部40とを有している。
【0026】第1の噴射部30は、中空体31の下側に
多数の噴射ノズル32が設けられた構造であり、この中
空体31に高圧のアルカリ系溶液を供給することによ
り、噴射ノズル32から噴射された高圧の液29が金属
薄板7の上部に溜まった液48の水面付近の空気を巻き
込み、均一で細かいキャビテーションを発生させること
ができる。
【0027】第2の噴射部40もまた中空体41にて構
成されている。中空体41の中には噴射ノズル44が第
2の噴射部40ごとに上側に突出して多数設けられてお
り、噴射ノズル44に対応した開孔43が多数設けられ
ており、中空体41には空気が供給される構造となって
いる。また、配管42には高圧のアルカリ系溶液が供給
され、噴射ノズル44から高圧水を噴射するようになっ
ている。この第2の噴射部40の開孔部で高圧水が空気
を巻き込んで噴射され、金属薄板の下面に向けてキャビ
テーションを発生する。
【0028】また、液置換部の前後には可変可能なスリ
ット27が設けられており、液溜りの量を規制すること
ができる。このように、本処理装置では、高圧のアルカ
リ系溶液が効率良く空気を巻き込んで均一できめの細か
なキャビテーションを発生させ、金属薄板の上下面での
付着物の液置換を高速で均一に行うことができる。ま
た、シール部が設けられているため、シール部で規制さ
れた範囲内で均一な剥離を可能にしている。
【0029】特にエッチング後においては、金属薄板に
凹部が形成されているが、キャビテーションの利用によ
ってアルカリ系溶液が凹部内にも回り込むので、急速か
つ効率的な剥離を可能としている。また、レジスト厚を
薄くすればエッチング後に生じるレジストの庇部をキャ
ビテーションの作用により破壊することもでき、さらに
剥離効率を挙げることも可能である。
【0030】また、従来のスプレー法では比較的長い時
間の洗浄を要し、そのためにスプレーノズルを搬送方向
に沿って何段も配置しているため設置スペースや使用水
量がかなり費やされていたが、本洗浄装置によると、設
置スペース、水量ともに半減することも可能である。
【0031】本洗浄装置は、シャドウマスクの製造工程
におけるレジスト形成前の脱脂工程、レジスト剥離工
程、2段エッチング法における耐エッチング層の剥離工
程などに用いることができ、このような処理工程に用い
ることによって、品位の優れたシャドウマスクを提供す
ることのできる製造方法及び製造装置となる。以下、こ
の発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0032】
【実施例1】本発明によるシャドウマスクの製造方法の
一例として、板厚0.12mmのアンバー材からなる金属
薄板をシャドウマスク基材として、2段エッチング法に
より開孔を形成する方法を示す。図3は2段エッチング
工程の全体的流れを示し、図4は金属薄板の断面形状の
変化を示す図である。なお、図3中で二重枠になってい
る工程に本発明の処理装置を用いている。
【0033】まず、図1に示した装置を用いて、液温5
0℃の脱脂液(ヘンケル白水(株)製ペルシーLK)
を、液圧5〜15kg/cm2 、空気圧5kg/cm2 、空気流
量0.2Nm/min で噴射して帯状金属薄板7の表面に付
着する圧延油や防錆油を剥離する。その後、工水、純水
でスプレー洗浄し、乾燥した後、図4(a)に示すよう
に、この金属薄板7の両面に、カゼイン、重クロム酸塩
を主成分とする感光剤を塗布、乾燥して、厚さ数μmの
感光膜8を形成する(感光膜形成工程)。
【0034】この時、脱脂、水洗後の金属薄板の清浄度
を、水滴の接触角及びXPS(X線光電子分光)による
元素分析により調べた結果を図5に示す。図5におい
て、曲線51は水による表面接触角であり、曲線52は
Feのピーク強度に対するCのピーク強度の相対値、す
なわちC/Feを示す。C/Feは油成分及び脱脂剤中
のキレート剤成分の除去度合いを表す。なお、従来例は
同じ脱脂液を用い、液温85℃、スプレー圧3kg/cm2
で脱脂した場合である。従来例ではこれ以上スプレー圧
を上げても使用液流量が増えるばかりで脱脂効果は向上
しない。図5に示すように、本実施例による金属薄板の
清浄度は液圧5〜15kg/cm2 の範囲で従来方法による
洗浄に比べて大幅に向上している。
【0035】次に図4(b)に示すように、この両面の
感光膜8にシャドウマスクの開孔の電子銃側の小開孔に
対応するドットパターンが形成された原版9a、及び蛍
光体スクリーン側の大開孔に対応するドットパターンが
形成された原版9bからなる一対の原版9a,9bを密
着して露光し、これら原版9a,9bのパターンを焼付
ける(露光工程)。
【0036】次にこのパターンを焼付けられた両面の感
光膜8を現像して未感光部を除去し、同(c)に示すよ
うに、上記一対の原版9a,9bのパターンに対応する
ドットパターンからなるレジスト10a,10bを形成
する(現像工程)。このようにしてレジストが形成され
た帯状金属薄板は一旦ロール状に巻き取られ、ロールの
状態で次のエッチング工程へと移動する。
【0037】エッチング工程は、レジストの形成された
ロール状の帯状金属薄板を搬送装置によって巻き出しな
がら行われる。まず、図4(d)に示すように、上記レ
ジスト10bの形成された面側に、ポリエチレン・テレ
フタレート(PET)樹脂などからなる保護フィルム1
1bを貼着し(保護フィルム貼付工程)、エッチング装
置によって上記レジスト10bの形成された面側に、液
温70℃、比重1.510の塩化第2鉄溶液からなるエ
ッチング液をスプレーして、このレジスト10aの形成
された面側にシャドウマスクの電子銃側の小開孔を構成
する小凹孔12aを形成する(第1エッチング工程)。
【0038】そしてこの第1のエッチング終了後、同じ
出願人による特願平8−235527号に開示された装
置を用いて金属薄板に対して不活性なエッチング抑制液
として水温25℃の工水を、液圧5〜15kg/cm2 、空
気圧5kg/cm2 、空気流量0.2Nm/min で噴射して水
洗し、金属薄板7の表面、特に上記小凹孔12a内に残
留するエッチング液16を工水と急速に置換して、同
(e)に示すように、金属薄板7の表面、特に小凹孔1
2a内に残留するエッチング液を除去する(洗浄工
程)。
【0039】次に、エッチングが終了した12a側のレ
ジスト10aを図1に示す装置を用い、5%の水酸化ナ
トリウム水溶液で剥離除去し(レジスト剥離工程)、工
水及び純水でスプレー水洗し、乾燥後、レジスト10b
の形成された面側に貼着された保護フィルム11bを取
除く(保護フィルム剥離工程)。その後、同(f)に示
すように、上記小凹孔の形成された面及びその小凹孔内
に耐エッチング性のUV硬化型樹脂を塗布充填し、高圧
水銀ランプを用いた硬化装置で硬化し、耐エッチング層
13を形成する(耐エッチング層形成工程)。さらにこ
の耐エッチング層13上にPET樹脂などからなる保護
フィルム11aを貼着する(保護フィルム貼付工程)。
【0040】この時、レジスト剥離後に水洗された金属
薄板の清浄度を、水滴の接触角及びXPS(X線光電子
分光)による元素分析により調べた結果を図6に示す。
図6において、曲線61は水による表面接触角であり、
曲線62及び63はそれぞれFeのピーク強度に対する
C及びNのピーク強度の相対値、即ちC/Fe、N/F
eを示す。このC/Fe及びN/Feはレジスト成分の
除去度合いを表す。また、従来例は同じ剥離液を用い、
液温80℃、スプレー圧3kg/cm2 とした場合である。
従来例ではこれ以上液圧を上げても使用液流量が増える
ばかりで剥離効果は向上しない。図7に示すように、本
実施例による金属薄板の清浄度は液圧5〜15kg/cm2
の範囲で従来方法による洗浄に比べて大幅に向上してい
る。
【0041】その後、図4(g)に示すように、レジス
ト10bの形成された面側に液温70℃、比重1.51
0の塩化第2鉄溶液からなるエッチング液をスプレーし
て、このレジスト10bの形成された面側にシャドウマ
スクの蛍光体スクリーン側の大開孔を構成する大凹孔1
2bを形成する(第2エッチング工程)。
【0042】そしてこの第2のエッチング終了後、第1
エッチング工程終了時と同様に特眼平8−235527
号に開示された装置を用いて、同(h)に示すように、
大凹孔12b内に残留するエッチング液16を除去する
(洗浄工程)。
【0043】この後、上記他方の面側に貼着された保護
フィルム11aを取除き(保護フィルム剥離工程)、そ
の後、図1に示す装置を用い、5%の水酸化ナトリウム
水溶液により、大凹孔12bの形成された面側のレジス
ト10aおよび上記小凹孔側の耐エッチング層13を剥
離除去し(レジスト/耐エッチング層剥離工程)、さら
に水洗、乾燥して、同(i)に示すように、小凹孔12
aと大凹孔12bとが連通した開孔14を形成する。そ
の後、開孔が形成されたシャドウマスクを帯状金属薄板
から切り離してフラットマスクが完成する(ピックオフ
工程)。
【0044】なお、上記実施例1では、2段エッチング
法によりシャドウマスクの開孔を形成する場合について
説明したが、この発明の実施の形態における付着物の剥
離は、金属薄板の両面を同時にエッチングして開孔を形
成する場合にも適用しても、ほぼ同様の効果が得られ
る。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
シャドウマスク基材である帯状金属薄板の上下面の近傍
に均一できめの細かいキャビテーションを発生させて剥
離を行い、かつ、このキャビテーションによる液置換は
領域を規制しながら行われるので、開孔寸法、形状のば
らつきを抑えて、むら品位のすぐれたシャドウマスクを
製造することができる。また、使用する液の量を大幅に
削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態におけるアルカリ処理装
置を示す斜視図である。
【図2】図2(a)及び(b)は図1における処理装置
の内部構造を示すであり、図2(a)は剥離部の内部を
シャドウマスク搬送方向から見た断面図、図2(b)は
搬送方向に沿った断面図である。
【図3】この発明の実施例におけるシャドウマスクの製
造方法の工程流れを示す図である。
【図4】図4(a)乃至(i)はそれぞれ図4の主要工
程を説明するための図である。
【図5】本発明を脱脂工程に用いた場合の効果を説明す
るための図である。
【図6】本発明をレジスト剥離に用いた場合の効果を説
明するための図である。
【図7】カラー受像管の構成を示す模式図である。
【図8】従来のシャドウマスクの製造方法を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
7…金属薄板 10a,10b…レジスト 12…小凹孔 12b大凹孔 14…開孔 20…アルカリ処理装置 21…剥離部 22…上側剥離部 23…下側剥離部 24…シール部 24a…前段シール部 24b…後段シール部 30…第1の噴射部 40…第2の噴射部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略水平に保持された状態で長手方向に沿
    って搬送される帯状金属薄板の表面に付着している付着
    物をアルカリ系溶液で除去するアルカリ処理工程を具備
    するシャドウマスクの製造方法において、 前記アルカリ処理工程が、前記帯状金属薄板の上面及び
    下面の少なくとも一方に前記アルカリ系溶液を噴出して
    前記金属薄板の表面近傍にキャビテーションを発生させ
    て付着物の剥離を行う工程であることを特徴とするシャ
    ドウマスクの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記処理工程が、前記帯状金属薄板を脱
    脂洗浄する脱脂処理工程、エッチング時のレジストパタ
    ーンを剥離するレジストパターン剥離工程、エッチング
    により形成された凹孔を充填する耐エッチング層を剥離
    する耐エッチング層剥離工程の少なくとも一つであるこ
    とを特徴とする請求項2記載のシャドウマスクの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 略水平に保持された状態で長手方向に沿
    って搬送される帯状金属薄板の表面に付着している付着
    物をアルカリ系溶液で除去するアルカリ処理部を具備す
    るシャドウマスクの製造装置において、 前記アルカリ処理部が、前記帯状金属薄板の上面及び下
    面の少なくとも一方に前記アルカリ系溶液を噴出して前
    記金属薄板の表面近傍にキャビテーションを発生させて
    付着物の剥離を行う剥離部と、前記帯状金属薄板の位置
    を規制するとともに、剥離が行われる領域を規制して前
    記アルカリ系溶液の搬送方向前段及び後段側への漏出を
    防止するシール部と、を具備することを特徴とするシャ
    ドウマスクの製造装置。
  4. 【請求項4】 前記剥離部は、複数の噴射ノズルが搬送
    方向と略直交して配置されてなり、前記帯状金属薄板の
    上面側に前記アルカリ系溶液を高圧噴射する第1の噴射
    部と、複数の噴射ノズルが搬送方向と略直交して配置さ
    れてなり、前記帯状金属薄板の下面側に前記アルカリ系
    溶液と空気とを高圧噴射する第2の噴射部とを具備する
    ことを特徴とする請求項3記載のシャドウマスクの製造
    装置。
  5. 【請求項5】 前記シール部は、前記剥離部の前段側に
    位置して前記帯状金属薄板を挟む一対の前段ローラー
    と、前記剥離部の後段側に位置して前記帯状金属薄板を
    挟む一対の後段ローラーとを具備することを特徴とする
    請求項3又は4記載のシャドウマスクの製造装置。
  6. 【請求項6】 前記アルカリ処理部が、前記帯状金属薄
    板を脱脂洗浄する脱脂処理部、エッチング時のレジスト
    パターンを剥離するレジストパターン剥離部、エッチン
    グにより形成された凹孔を充填する耐エッチング層を剥
    離する耐エッチング層剥離部の少なくとも一つであるこ
    とを特徴とする請求項3ないし5のいずれか一に記載の
    シャドウマスクの製造装置。
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