JP2002231131A - シャドウマスクの製造方法及び製造装置 - Google Patents

シャドウマスクの製造方法及び製造装置

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JP2002231131A
JP2002231131A JP2001026720A JP2001026720A JP2002231131A JP 2002231131 A JP2002231131 A JP 2002231131A JP 2001026720 A JP2001026720 A JP 2001026720A JP 2001026720 A JP2001026720 A JP 2001026720A JP 2002231131 A JP2002231131 A JP 2002231131A
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plate
shadow mask
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thin
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Katsumi Ichikawa
勝美 市川
Fumio Mori
二美男 盛
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エッチング抵抗層を金属薄板の微細凹部内に
充分に充填してエッチング時の孔変形が発生することを
防止する。 【解決手段】 金属薄板21の両面に、表裏両面で相互
に対応したパターン状開口部を有する耐食性皮膜を形成
し、金属薄板21の他方の面の耐食性皮膜上に保護フィ
ルムを貼り付けた後、金属薄板21の一方の面に対して
第1のエッチングを行って微細凹部を一方の面に形成
し、金属薄板21の一方の面から耐食性皮膜を剥離し洗
浄した後、一方の面にエッチング抵抗層を被覆し、その
後、第2のエッチングによって一方の面の微細凹部まで
連通した微細透孔を形成する。水切り板37によって金
属薄板の一方の面への水付着を均一に均した後、乾燥す
る処理Aと、吸水ローラ35によって保護フィルム面の
水付着を均一に均した後、乾燥する処理Bと、吸引ノズ
ルによって金属薄板の一方の面の幅方向両端部に対して
吸引力を作用させた後、乾燥する処理Cとの内の少なく
ともいずれかの処理を、第1のエッチング工程の後であ
って、エッチング抵抗層を被覆する工程の前に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー陰極線管に
用いられるシャドウマスクの製造方法及び製造装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】カラー陰極線管に用いられるシャドウマ
スクは、蛍光面に近接して配置されており、電子銃から
射出された電子ビームを規則的に配列された多数の微細
な開孔を介して対応した蛍光面に正しく射出発光させる
ことにより、カラー映像を映し出させるための色選別機
能を有した重要な部材である。このようなシャドウマス
クは一般にフォトエッチング法により製造されている。
【0003】図8は一般的に用いられているシャドウマ
スクの製造工程を示す。板厚0.1〜0.3mm程度の
低炭素アルミキルド鋼又はアンバー合金からなる金属薄
板をシャドウマスク材として用い、先ずこのシャドウマ
スク材の表面を脱脂、水洗した後、そのシャドウマスク
材の両面に感光液を塗布し、乾燥させて、シャドウマス
ク材の両面に厚さ数μmのフォトレジスト膜を各々被着
形成する。
【0004】次に、シャドウマスク材の両面の各フォト
レジスト膜の表面に形成しようとする電子ビーム通過孔
に対応したパターン状画像を有する露光用マスクを表裏
で画像位置が一致するように各々密着させ、その各露光
マスクを介して露光を行った後、現像し、続いて硬膜処
理を施すことによリ、パターン状開口部を有した耐食性
皮膜をシャドウマスク材の表裏両面に各々形成する。
【0005】そして、塩化第二鉄水溶液を用いたスプレ
ーエッチングを行って、耐食性皮膜で被覆されずに露出
している金属部分を腐食させる。これにより、シャドウ
マスク材に所望形状の多数の透孔を形成する。このエッ
チング終了後にシャドウマスク材の表裏両面から耐食性
皮膜を剥離し、水洗・乾燥を行うことによリシャドウマ
スクを得る。
【0006】ところで、高解像度受像管用のシャドウマ
スクでは、シャドウマスク材の板厚と比較して透孔の直
径が略同等若しくは若干小さくなることも有り、このよ
うなシャドウマスクを1回のエッチングで透孔を形成す
る方法によって製作すると、所望の設計通りの形状に透
孔を形成することが極めて困難であり、実用に供し得な
いようなシャドウマスクしか得られ無いことが経験的に
知られている。
【0007】この対策の一つとして、既知の方法でエッ
チングを2回に分けて段階的に行う方法が知られてい
る。
【0008】図9はこの2段階エッチングを行う工程を
示し、図8と同様に、金属薄板の両面にフォトレジスト
膜を形成した後、露光、現像及び硬膜処理を行うことに
より、パターン状開口部を有した耐食性皮膜を形成す
る。
【0009】次に、粘着剤を均一に塗布したポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィンからなる保護フ
ィルムを、エッチングを行わない金属薄板の片面に対し
て貼り付けた後、金属薄板の他面に対し、第1のエッチ
ングを行う。この第1のエッチングによって、パターン
状開口部に対応した微細凹部が金属薄板の他面に形成さ
れる。
【0010】そして、エッチングした面を水洗した後、
耐食性皮膜を剥離し、さらに水洗及び乾燥を行う。その
後、エッチングした面をエッチング抵抗層で被覆する。
エッチング抵抗層の被覆は、パラフィン、アスファル
ト、ラッカー、UV(紫外線)硬化樹脂等をスプレー、
ロールコーター等により、金属薄板の他面の全体に塗布
することにより行う。
【0011】次いで、エッチング抵抗層が形成されてい
ない金属薄板の片面から保護フィルムを剥離し、剥離し
た片面に対してエッチング液を吹き付けて第2のエッチ
ングを行い、金属薄板の片面に微細凹部を形成すると共
に、この微細凹部を他面側に形成されている微細凹部と
連通させて透孔とする。この第2のエッチング終了後
に、金属薄板の表面からエッチング抵抗層及び耐食性皮
膜を各々剥離し、水洗・乾燥を行うことにより所望の透
孔が形成されたシャドウマスクを得る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の
エッチングの後のエッチング抵抗層の塗布において、塗
布した際に、微小凹部内にエッチング抵抗層が隙間なく
充填されないと、例えば、泡を噛んだり、水滴のはじき
が起こるため、第2のエッチングの際に、正常な形状で
のエッチングができず、透孔が必要以上に大きく開孔さ
れた孔大と称した孔変形が発生する。
【0013】図7(b)は、孔変形が発生した金属薄板
を顕微鏡で観察した模式図を示し、孔大となった透孔6
9は正常な透孔70に対して大きく変形した状態となっ
ている。
【0014】本発明は、このような従来の問題点を考慮
してなされたものであり、エッチング抵抗層を微小凹部
内に充分に充填することができ、これにより、孔変形を
防止することが可能なシャドウマスクの製造方法及び製
造装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明のシャドウマスクの製造方法
は、金属薄板の両面に、表裏両面で相互に対応したパタ
ーン状開口部を有する耐食性皮膜を形成する工程と、金
属薄板の他方の面の耐食性皮膜上に保護フィルムを貼り
付けた後、金属薄板の一方の面に対してエッチングを行
って前記パターン状開口部に対応した微細凹部を一方の
面に形成する第1のエッチング工程と、エッチングが行
われた金属薄板の一方の面から耐食性皮膜を剥離し、洗
浄した後、当該一方の面にエッチング抵抗層を被覆する
工程と、金属薄板の他方の面に対してエッチングを行っ
て前記一方の面の微細凹部まで連通した微細透孔を形成
する第2のエッチング工程とを備えたシャドウマスクの
製造方法であって、前記金属薄板の一方の面への水付着
を均一に均した後、乾燥する処理Aと、前記保護フィル
ム面の水付着を均一に均した後、乾燥する処理Bと、前
記金属薄板の一方の面の幅方向両端部に対して吸引力を
作用させた後、乾燥する処理Cとを有し、処理A,B,
Cの内の少なくともいずれかの処理を、前記第1のエッ
チング工程の後であって、エッチング抵抗層を被覆する
工程の前に行うことを特徴とする。
【0016】この発明における処理Aでは、金属薄板の
一方の面の全面に対して水付着を均一にする。従って、
金属薄板の一方の面の乾燥を均一に行うことができる。
【0017】処理Bでは、金属薄板の他方の面における
保護フィルムの面上の水付着を均一にする。このように
金属薄板の他方の面の水付着を均一にすることにより、
乾燥の際には、金属薄板の一方の面の水滴部分がシミ状
となって乾燥が遅れることを防止する。このため、金属
薄板の一方の面の乾燥を均一に行うことができる。
【0018】処理Cでは、金属薄板の一方の面の幅方向
両端部に対して吸引力を作用させることにより、金属薄
板の幅方向の両端部に溜まっている水滴を吸引除去する
ため、水滴が金属薄板の一方の面の面内にスジ状となっ
て入り込むことを防止する。これにより、乾燥が遅れる
ことを防止でき、金属薄板の一方の面の乾燥を均一に行
うことができる。
【0019】本発明では、以上の処理A,B,Cの内の
いずれかの処理を行うものであり、これにより、金属薄
板の一方の面の乾燥が均一となるため、エッチング抵抗
層を金属薄板の一方の面の微細凹部内に充分に充填する
ことができ、充填不充分となることがない。従って、泡
を噛んだり、水滴のはじきが起きることがなく、第2の
エッチングの際に、正常な形状でのエッチングができ、
孔変形を防止することができる。
【0020】請求項2記載の発明は、請求項1記載のシ
ャドウマスクの製造方法であって、前記処理Aは、金属
薄板の一方の面の幅方向に沿って水切り板を弾性的に接
触させて行うことを特徴とする。
【0021】このように水切り板を弾性的に接触させる
ことにより、金属薄板に一方の面の全体に対して水滴を
簡単に均一に均すことができる。
【0022】請求項3記載の発明は、請求項2記載のシ
ャドウマスクの製造方法であって、前記水切り板とし
て、前記金属薄板と同程度の硬度またはそれ以下の硬度
からなる材料を用いることを特徴とする。
【0023】このように水切り板を金属薄板と同程度の
硬度或いはそれ以下の硬度とすることにより、水切り板
が弾性的に接触しても、金属薄板が傷付くことがなくな
る。
【0024】請求項4記載の発明は、請求項1記載のシ
ャドウマスクの製造方法であって、前記処理Bは、吸水
ローラを前記保護フィルムの幅方向に沿って転接させて
行うことを特徴とする。
【0025】このように吸水ローラを転接させることに
より、保護フィルムの面上の水滴を吸収しながら、均一
に均すことができる。
【0026】請求項5記載の発明は、請求項1記載のシ
ャドウマスクの製造方法であって、前記処理Cは、吸引
ノズルを前記金属薄板の一方の面の幅方向両端部に対向
させて行うことを特徴とする。
【0027】吸引ノズルを金属薄板の一方の面の幅方向
両端部と対向させることにより、金属薄板の幅方向の両
端部に溜まっている水滴を吸引除去するため、水滴が一
方の面の面内に入り込むことを防止することができる。
【0028】請求項6記載の発明のシャドウマスクの製
造装置は、金属薄板の両面に、表裏両面で相互に対応し
たパターン状開口部を有する耐食性皮膜を形成する皮膜
形成手段と、金属薄板の他方の面の耐食性皮膜上に保護
フィルムを貼り付けた後、金属薄板の一方の面に対して
エッチングを行って前記パターン状開口部に対応した微
細凹部を一方の面に形成する第1のエッチング手段と、
エッチングが行われた金属薄板の一方の面から耐食性皮
膜を剥離し、洗浄した後、当該一方の面にエッチング抵
抗層を被覆する被覆手段と、金属薄板の他方の面に対し
てエッチングを行って前記一方の面の微細凹部まで連通
した微細透孔を形成する第2のエッチング手段とを備え
たシャドウマスクの製造装置であって、前記金属薄板の
一方の面の幅方向に沿って弾性的に接触する水切り板
と、前記保護フィルムの幅方向に沿って転接する吸水ロ
ーラと、金属薄板の一方の面の幅方向両端部に対して吸
引力を作用させる吸引ノズルとを有し、前記水切り板、
吸水ローラまたは吸引ノズルの少なくともひとつが前記
第1のエッチング手段と被覆手段との間に配置されてお
り、これらの配置部位と前記被覆手段との間に、金属薄
板を乾燥する乾燥手段が設けられていることを特徴とす
る。
【0029】水切り板は、金属薄板の一方の面の幅方向
に沿って弾性的に接触することにより、金属薄板の一方
の面の水滴を均一に均し、吸水ローラは保護フィルムの
幅方向に沿って転接することにより、保護フィルムの面
上の水滴を吸収しながら均一に均し、吸引ノズルは金属
薄板の一方の面の幅方向両端部に対して吸引力を作用さ
せることにより、金属薄板の幅方向の両端部に溜まって
いる水滴を吸引除去して水滴が金属薄板の一方の面の面
内にスジ状となって入り込むことを防止する。
【0030】本発明では、以上の水切り板、吸水ローラ
または吸引ノズルの少なくともひとつを用いた後に、乾
燥手段が金属薄板を乾燥させるため、金属薄板の一方の
面を均一に乾燥することができる。これにより、エッチ
ング抵抗層を金属薄板の一方の面の微細凹部内に充分に
充填することができるため、正常な形状での第2のエッ
チングができ、孔変形を防止することができる。
【0031】請求項7記載の発明は、請求項7記載のシ
ャドウマスクの製造装置であって、前記水切り板は、前
記金属薄板と同程度の硬度またはそれ以下の硬度からな
る材料によって形成されていることを特徴とする。
【0032】このように水切り板を金属薄板と同程度の
硬度或いはそれ以下の硬度とすることにより、水切り板
が弾性的に接触しても、金属薄板が傷付くことがなくな
る。
【0033】
【発明の実施の形態】図1〜図6は、本発明の一実施の
形態であり、以下、本発明を図1〜図6を参照して具体
的に説明する。
【0034】図1は、本発明の実施の形態のシャドウマ
スク20を含むカラー陰極線管40の概略構成を示して
いる。
【0035】このカラー陰極線管40は、図1に示すよ
うに、内面に蛍光面(蛍光体スクリーン)1が形成され
たパネル2と、このパネル2に連設するファンネル3か
らなる外囲器を有し、パネル2の内面に形成された蛍光
面1は、赤、緑、青にそれぞれ発光する三色蛍光体層1
a(図1においては1箇所のみ示す)を備えている。
【0036】また、ファンネル3のネック部4には、発
光色に対応した複数の電子ビーム6B、6G、6Rを放
出する電子銃5が配置され、複数の電子ビーム6B、6
G、6Rを放出する。
【0037】パネル2の内側における電子銃5と蛍光面
1の間には、色選別機能を有する略矩形状のシャドウマ
スク20が配置され、電子銃5から放出された電子ビー
ム6B、6G、6Rを整形して特定の三色蛍光体層1a
にビームスポットを照射するようになっている。
【0038】シャドウマスク20は、その周辺のマスク
スカート部20aが内側になるように略矩形状のマスク
フレーム7によって固着支持されており、さらに側壁部
8、折曲底面部9からなるフレーム7に弾性支持体12
を取り付けてなるシャドウマスク構体の形態で、パネル
2の内壁に設けられた支持ピン10に係止されている。
なお、ファンネル3の外側には、電子銃5から放出され
る電子ビーム6B、6G、6Rを水平及び垂直偏向する
磁界を発生する偏向装置11が装着されている。
【0039】次に、この実施の形態によるシャドウマス
ク20の製造を図2〜図6を参照して説明する。この実
施の形態では、金属薄板21として、板厚0.12mm
のアンバー鋼材を用いている。
【0040】図2は金属薄板21に対して微細凹部を形
成するまでの工程を、図6はその後にシャドウマスクと
するまでの工程を示し、図3〜図5は図2及び図6の工
程の間に配置された処理手段を示している。
【0041】金属薄板21は長尺状となっており、その
両面を脱脂洗浄した後、両面にカゼインと重クロム酸ア
ンモニウム等からなる水溶性感光液を塗布して乾燥する
ことにより、図2(a)に示す感光性樹脂層22,23
を形成する。
【0042】次いで、図2(b)で示すように、円形孔
パターン24a、25aからなるパターン状画像をそれ
ぞれ有した露光用マスク24,25を、対応する感光性
樹脂層22,23に真空密着させる。なお、この実施の
形態では、露光用マスク24の円形孔パターン24aは
大孔パターン、露光用マスク25の円形孔パターン25
aは小孔パターンとなっている。
【0043】露光用マスク24,25を介して感光性樹
脂層22,23をパターン露光した後、現像及び硬膜等
の処理を行うことにより、金属薄板21両面の感光性樹
脂層22,23を図2(c)で示すように、大孔パター
ンに対応した開口部26aを有した耐食性皮膜26及び
小孔パターンに対応した開口部27aを有した耐食性皮
膜27とする。
【0044】その後、金属薄板21の他方の面へのエッ
チングを防止するため、図2(d)で示すように、大孔
パターンに対応した開口部26aを有する耐食性皮膜2
6上に保護フィルム28を貼り付ける。保護フィルム2
8としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなる
ポリオレフィンフィルムが使用されており、このフィル
ムに粘着剤を均一に塗布した状態で耐食性皮膜26上に
ラミネートすることにより貼着する。
【0045】保護フィルム28を貼着した後、第1のエ
ッチングを行う。第1のエッチングは、例えば、塩化第
二鉄をエッチング液として用い、金属薄板21の一方の
面(耐食性皮膜27側の面)にエッチング液を所定の圧
力(例えば、0.5〜4.0Kg/cm2)でスプレー
することにより行う。なお、エッチング液のスプレーは
金属薄板21の両面から行っても良い。この第1のエッ
チングによって、図2(e)で示すように金属薄板21
の一方の面(下面)に、開口部27aに対応した微細凹
部29が形成される。
【0046】そして、エッチング面である金属薄板21
の一方の面を水洗した後、図2(f)で示すように、耐
食性皮膜27を剥離する。その後、金属薄板21を水洗
し、乾燥を行う。
【0047】図3はこの水洗〜乾燥までの間に行う処理
工程を示し、30は金属薄板21から耐食性皮膜27を
剥離する剥離槽、31は耐食性皮膜27剥離後の金属薄
板21の両面を水洗する水洗槽であり、32は温風、ヒ
ータ等によって金属薄板21を乾燥する乾燥槽である。
金属薄板21は水洗槽31から引き出された後、ターン
ローラ33によって上方に方向転換されて引き上げられ
ながら搬送されて乾燥槽32内に導入される。
【0048】この実施の形態において、水洗槽31と乾
燥槽32との間には、吸水ローラ35、水切り板37及
び吸引ノズル39が、金属薄板21の搬送方向の上流側
から下流側に向かって順に配置されている。
【0049】吸水ローラ35は金属薄板21の上面(他
方の面)側に配置されており、金属薄板21の他方の面
に貼着されている保護フィルム28に接触しながら回転
する。また、吸水ローラ35は金属薄板21の全幅をカ
バーする長さを有しており、金属薄板21の幅方向に沿
って金属薄板21に転接している。
【0050】この吸水ローラ35は、その表面またはそ
の全体がジュラポール(商品名)等の吸水性材料によっ
て形成されており、これにより、保護フィルム28上に
付着している水滴を吸収しながら保護フィルム28の全
面に均一に均すように作用する(処理B)。このように
金属薄板21の他方の面の水付着を均一にすることによ
り、乾燥の際に、金属薄板21の一方の面の水滴部分が
シミ状となって乾燥が遅れることを防止することがで
き、金属薄板21の一方の面の乾燥を均一に行うことが
できる。
【0051】なお、吸水ローラ35は金属薄板21の搬
送移動に伴って追随回転する自由回転であっても良く、
モータ等の駆動源(図示省略)による強制回転であって
も良い。
【0052】水切り板37は吸水ローラ35よりも下流
側に位置するように配置されている。また、水切り板3
7は微細凹部29が形成されている金属薄板21の下面
(一方の面)側に配置されている。
【0053】図4に示すように水切り板37は、ホルダ
36に下端部が支持された状態で上端部が金属薄板21
と接触するように延びており、金属薄板21が搬送移動
するのに伴って搬送方向に湾曲しながら金属薄板21の
一方の面に弾性的に接触する。また、水切り板37は、
金属薄板21の全幅をカバーする長さを有しており、金
属薄板21の幅方向に沿って金属薄板21の一方の面に
弾性的に接触する。このような接触を行うことにより、
水切り板37は、微細凹部29が形成されている金属薄
板21の一方の面の全面に対して水滴を均一に均すよう
に作用する(処理A)。
【0054】また、水切り板37としては、金属薄板2
1と同程度の硬度またはそれ以下の硬度からなる材料を
用いるものである。この実施の形態において、水切り板
37としては、金属薄板21と同材料であり、且つ金属
薄板21と同程度の厚さ(例えば、0.15mm)を用
いることにより、金属薄板21と同程度の硬度となって
いる。これに限らず、ステンレス等のアンバー鋼材より
も硬度の小さな材料を使用することができる。このよう
に水切り板37を金属薄板21と同程度の硬度或いはそ
れ以下の硬度とすることにより、水切り板37が弾性的
に接触しても、金属薄板21が傷付くことがなくなる。
【0055】吸引ノズル39は図3に示すように、水切
り板37の下流側で、且つターンローラ33に臨むよう
に配置されている。図5は吸引ノズル39の配置を示
し、吸引ノズル39はターンローラ33の下方に設けら
れている。また、吸引ノズル39は微細凹部29が形成
されている金属薄板21の下面(一方の面)の幅方向両
端部に位置するように一対が設けられている。それぞれ
の吸引ノズル39は、真空ポンプ等の吸引手段(図示省
略)に連結されており、金属薄板21の幅方向の両端部
に溜まっている水滴を吸引除去する。このため、ターン
ローラ33によって絞り出されて金属薄板21の幅方向
両端部に溜まってくる水滴を除去することができ、水滴
がスジ状となって回り込んで、金属薄板21の一方の面
の面内に入り込むことを防止するように作用する(処理
C)。
【0056】以上の処理A,B,Cの後、金属薄板21
は引き上げられながら、乾燥槽32内に引き込まれ、乾
燥槽32内で温風やヒータ等によって乾燥処理される。
この乾燥処理では、処理A,B,Cを前段で行っている
ため、金属薄板21の一方の面を均一に乾燥することが
できる。このため、後述する工程でのエッチング抵抗層
41を金属薄板21の一方の面の微細凹部29内に充分
に充填することができ、充填不充分となることがない。
従って、泡を噛んだり、水滴のはじきが起きることがな
く、第2のエッチングの際に、正常な形状でのエッチン
グができ、孔変形を防止することができる。
【0057】以上の処理A,B,Cの後、図6(a)で
示すように、金属薄板21の一方の面に対してエッチン
グ抵抗層41を被覆する。エッチング抵抗層41の被覆
は、パラフィン、アスファルト、ラッカー、UV硬化樹
脂等をスプレー、ロールコーター等により、金属薄板の
一方の面の全体に塗布することにより行う。かかるエッ
チング抵抗層41の形成においては、金属薄板21の一
方の面が均一に乾燥しているため、金属薄板21の一方
の面の微細凹部29内に充分に充填することができる。
【0058】このエッチング抵抗層41の形成の後、図
6(b)で示すように、エッチング抵抗層41が形成さ
れていない金属薄板21の他方の面から保護フィルム2
8を剥離する。
【0059】そして、保護フィルム28を剥離した他方
の面に対してエッチング液を吹き付けて第2のエッチン
グを行う。この第2のエッチングによって、図6(c)
で示すように、耐食性皮膜26の開口部26aに対応し
た金属薄板21の他方の面に微細凹部42を形成すると
共に、この微細凹部42を一方の面側に形成されている
微細凹部29と連通させて透孔43とする。
【0060】そして、第2のエッチング終了後に、金属
薄板21の表面からエッチング抵抗層41及び耐食性皮
膜26を各々剥離し、水洗・乾燥を行うことにより、図
6(d)で示すように、所望の透孔43が形成されたシ
ャドウマスク20を得ることができる。
【0061】図7(a)は、以上のようにして製造され
たシャドウマスク20を顕微鏡で観察した模式図を示
し、いずれの透孔43においても、孔変形が発生してい
ない。これにより、シャドウマスク20をカラー陰極線
管に組み込んでも、蛍光面外観不良となることがなくな
る。
【0062】本発明は、以上の実施の形態に限定される
ことなく、種々変形が可能である。例えば、上述した処
理A,B,Cの全てを金属薄板21に対して行う必要は
なく、本発明では、少なくともそのひとつを行えば良い
ものである。従って、金属薄板21の表面状態に応じ
て、処理A,B,Cにおけるひとつの処理または適宜組
み合わせた二つの処理を行うことができる。これによ
り、処理が簡単となり、また、処理のための部品点数が
減じ、構造を簡単とすることができる。
【0063】
【発明の効果】以上のように本発明のシャドウマスクの
製造方法によれば、金属薄板の一方の面の全面に対して
水付着を均一にする処理A、金属薄板の他方の面におけ
る保護フィルムの面上の水付着を均一にする処理B、金
属薄板の一方の面の幅方向両端部に対して吸引力を作用
させて金属薄板の幅方向の両端部に溜まっている水滴を
吸引除去する処理Cの少なくともひとつを行うため、金
属薄板の一方の面を均一に乾燥することができる。この
ため、エッチング抵抗層を金属薄板の一方の面の微細凹
部内に充分に充填することができ、正常な形状での第2
のエッチングができ、孔変形を防止することができる。
【0064】本発明のシャドウマスクの製造装置によれ
ば、水切り板が金属薄板の一方の面の水滴を均一に均
し、吸水ローラが保護フィルムの面上の水滴を吸収しな
がら均一に均し、吸引ノズルが金属薄板の幅方向の両端
部に溜まっている水滴を吸引除去するため、金属薄板の
一方の面を均一に乾燥することができ、これにより、エ
ッチング抵抗層を金属薄板の一方の面の微細凹部内に充
分に充填することができるため、正常な形状での第2の
エッチングができ、孔変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のシャドウマスクを含む
カラー陰極線管の断面図である。
【図2】金属薄板の一方の面に微細凹部を形成するまで
の工程を示す断面図である。
【図3】処理A,B,Cを行うための配置を示す側面図
である。
【図4】処理Aを行う水切り板を示す側面図である。
【図5】処理Cを吸引ノズルの配置を示す側面図であ
る。
【図6】エッチング抵抗層の形成からシャドウマスクを
得るまでの工程を示す断面図である。
【図7】製造されたシャドウマスクの顕微鏡観察の模式
図である。
【図8】シャドウマスクを製造する従来の製造工程を示
すフローチャートである。
【図9】2段階エッチングによってシャドウマスクを製
造する従来の製造工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
20 シャドウマスク 21 金属薄板 26,27 耐食性皮膜 28 保護フィルム 29,42 微細凹部 35 吸水ローラ 37 水切り板 39 吸引ノズル 41 エッチング抵抗層 43 透孔

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属薄板の両面に、表裏両面で相互に対
    応したパターン状開口部を有する耐食性皮膜を形成する
    工程と、 金属薄板の他方の面の耐食性皮膜上に保護フィルムを貼
    り付けた後、金属薄板の一方の面に対してエッチングを
    行って前記パターン状開口部に対応した微細凹部を一方
    の面に形成する第1のエッチング工程と、 エッチングが行われた金属薄板の一方の面から耐食性皮
    膜を剥離し、洗浄した後、当該一方の面にエッチング抵
    抗層を被覆する工程と、 金属薄板の他方の面に対してエッチングを行って前記一
    方の面の微細凹部まで連通した微細透孔を形成する第2
    のエッチング工程とを備えたシャドウマスクの製造方法
    であって、 前記金属薄板の一方の面への水付着を均一に均した後、
    乾燥する処理Aと、 前記保護フィルム面の水付着を均一に均した後、乾燥す
    る処理Bと、 前記金属薄板の一方の面の幅方向両端部に対して吸引力
    を作用させた後、乾燥する処理Cとを有し、 処理A,B,Cの内の少なくともいずれかの処理を、前
    記第1のエッチング工程の後であって、エッチング抵抗
    層を被覆する工程の前に行うことを特徴とするシャドウ
    マスクの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記処理Aは、金属薄板の一方の面の幅
    方向に沿って水切り板を弾性的に接触させて行うことを
    特徴とする請求項1記載のシャドウマスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記水切り板として、前記金属薄板と同
    程度の硬度またはそれ以下の硬度からなる材料を用いる
    ことを特徴とする請求項2記載のシャドウマスクの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記処理Bは、吸水ローラを前記保護フ
    ィルムの幅方向に沿って転接させて行うことを特徴とす
    る請求項1記載のシャドウマスクの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記処理Cは、吸引ノズルを前記金属薄
    板の一方の面の幅方向両端部に対向させて行うことを特
    徴とする請求項1記載のシャドウマスクの製造方法。
  6. 【請求項6】 金属薄板の両面に、表裏両面で相互に対
    応したパターン状開口部を有する耐食性皮膜を形成する
    皮膜形成手段と、 金属薄板の他方の面の耐食性皮膜上に保護フィルムを貼
    り付けた後、金属薄板の一方の面に対してエッチングを
    行って前記パターン状開口部に対応した微細凹部を一方
    の面に形成する第1のエッチング手段と、 エッチングが行われた金属薄板の一方の面から耐食性皮
    膜を剥離し、洗浄した後、当該一方の面にエッチング抵
    抗層を被覆する被覆手段と、 金属薄板の他方の面に対してエッチングを行って前記一
    方の面の微細凹部まで連通した微細透孔を形成する第2
    のエッチング手段とを備えたシャドウマスクの製造装置
    であって、 前記金属薄板の一方の面の幅方向に沿って弾性的に接触
    する水切り板と、前記保護フィルムの幅方向に沿って転
    接する吸水ローラと、金属薄板の一方の面の幅方向両端
    部に対して吸引力を作用させる吸引ノズルとを有し、前
    記水切り板、吸水ローラまたは吸引ノズルの少なくとも
    ひとつが前記第1のエッチング手段と被覆手段との間に
    配置されており、 これらの配置部位と前記被覆手段との間に、金属薄板を
    乾燥する乾燥手段が設けられていることを特徴とするシ
    ャドウマスクの製造装置。
  7. 【請求項7】 前記水切り板は、前記金属薄板と同程度
    の硬度またはそれ以下の硬度からなる材料によって形成
    されていることを特徴とする請求項6記載のシャドウマ
    スクの製造装置。
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CN115055433B (zh) * 2022-06-30 2023-12-26 东风汽车有限公司东风日产乘用车公司 一种喷涂保护罩循环使用方法、脱膜装置及喷涂保护罩

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