JP2000345373A - 金属薄板への微細透孔形成方法及びシャドウマスクの製造方法 - Google Patents

金属薄板への微細透孔形成方法及びシャドウマスクの製造方法

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JP2000345373A
JP2000345373A JP11158616A JP15861699A JP2000345373A JP 2000345373 A JP2000345373 A JP 2000345373A JP 11158616 A JP11158616 A JP 11158616A JP 15861699 A JP15861699 A JP 15861699A JP 2000345373 A JP2000345373 A JP 2000345373A
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JP11158616A
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Satoko Koyaizu
聡子 小柳津
Norio Koike
教雄 小池
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 所望の微細透孔が形成された高品位なシャド
ウマスクを得る。 【解決手段】 アンバー材1の両面に、フォトレジスト
層2、2´を各々被着形成する工程と、アンバー材の表
面のフォトレジスト層2、2´で被覆されていない露呈
部分をエッチングして、アンバー材の表面に複数の微細
凹孔部5を形成する第1のエッチング工程と、微細凹孔
部が形成された表面をエッチング抵抗層6によって被覆
する被覆工程と、エッチング抵抗層で被覆されていない
裏面側からエッチングして、表側の複数の微細凹孔部ま
で各々連通した複数の微細透孔を形成する第2のエッチ
ング工程とを含み、フォトレジスト層の被着形成工程
後、第1のエッチング工程前に、アンバー材1の裏面側
のフォトレジスト層上に、フィルム幅がアンバー材の幅
より狭幅で所定の粘着力を有するポリフィルム10を被
着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属薄板をその両
面側からエッチングすることにより微細な透孔を形成す
る金属薄板の微細透孔形成方法及び例えばカラー受像管
に用いられるシャドウマスクの製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、カラー受像管は3本の電子ビー
ムを放射する電子銃と、この電子銃から放射された電子
ビームを受けて三原色に発光する蛍光体と、この蛍光体
と電子銃との間に配置され、各電子ビームのうちの必要
な方向の電子ビームだけを選択的に通過させて不要な方
向の電子ビームを遮断するための透孔が多数形成された
シャドウマスクとを備えて構成されている。
【0003】ところで、近年、カラー受像管は、一般の
テレビジョン放送受信用のカラー受像管以外に、コンピ
ューター等のディスプレー用、モニター用等として広く
利用されるようになっており、このような用途の多様化
とともにそれらのカラー受像管に対しては極めて高精細
な画質への要求が強い。
【0004】このため、ディスプレーやモニター等に利
用されるカラー受像管において使用されるシャドウマス
クは、微細でかつ形状バラツキの無い透孔を有している
ことが要求される。
【0005】ここで、シャドウマスクは、一般に図6に
示したような工程を経ることにより製造されている。
【0006】即ち、板厚0.1乃至0.3mm程度の低
炭素アルミキルド鋼又はアンバー合金からなる板材をシ
ャドウマスク材として用い、先ずこのシャドウマスク材
の表面を脱脂、水洗した後、そのシャドウマスク材の両
面に感光液を塗布し、乾燥させて、シャドウマスク材の
両面に数μmの厚みのフォトレジスト膜を各々被着形成
する。
【0007】次に、シャドウマスクの両面の各フォトレ
ジスト膜の表面に形成しようとする電子ビーム通過孔に
対応したパターン状画像を有する露光用マスクを表裏で
画像位置を一致させて各々密着させ、その各マスクを介
して露光を行った後、現像し続いて硬膜処理を施すこと
により、シャドウマスク材の表裏両面にパターン状画像
の耐食性被膜を各々形成する。
【0008】そして、塩化第二鉄水溶液を用いてスルー
エッチングを行って、耐食性被膜で被覆されず露出して
いる金属部分を腐食することにより、シャドウマスク材
に所望の形状の多数の透孔を形成し、エッチング終了後
にシャドウマスク材の表裏両面から耐食性被覆を剥難
し、水洗、乾燥した後、所定の寸法に切断することによ
り所望のシャドウマスクを得る。
【0009】ところで、高解像度受像管用のシャドウマ
スクでは、シャドウマスク材の板厚と比較して透孔の直
径が略同等若しくは若干小さくなることも有り、このよ
うなシャドウマスクを一回のエッチングで透孔を形成す
る方法によって製作すると、所望の設計通りの形状に透
孔を形成することが極めて困難であり、実用に供し得な
いようなシャドウマスクしか得られ無いことが経験的に
知られている。
【0010】この対策の一つとして、既知の方法でエッ
チングを2回に分けて段階的に行う方法が知られてい
る。
【0011】この方法について、図4及び図5を用いて
簡単に説明する。
【0012】まず、図4(a)に示すように、表裏両面
にパターン状画像を有するレジスト膜12、12’が各
々被着形成されたシャドウマスク材である金属薄板11
に対し、図4(b)に示すようにスプレーノズル13か
らエッチング液14を金属薄板11の片面に吹き付け、
第1回目のエッチングを行い、金属薄板11に貫通孔が
形成される前の段階で一旦エッチングを中止し、水洗、
乾燥を行うことことより図4(c)に示すように金属薄
板11の片面側に微細凹孔部15を形成する。
【0013】この時、前記金属薄板11の反対側面のエ
ッチングを防止するために、ポリフィルム、例えば、ポ
リエチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリプロ
ピレン等のフィルム上に粘着剤を均一に塗布したものを
ラミネートしておく。
【0014】また、スプレーノズル13によるエッチン
グ液14のスプレーは、必要がある場合には両側から吹
き付けてもよい。
【0015】次に図4(d)に示すように、金属薄板1
のエッチングした面をエッチング抵抗層16によって被
覆する。
【0016】このエッチング抵抗層16の形成は、パラ
フィン、アスファルト、ラッカー、UV樹脂等をスプレ
ー又はロールコーター等によりレジスト膜12の表面を
含めて金属薄板11の片面側全面に塗布することにより
行う。
【0017】次に、図5(a)に示すように、金属薄板
11に対しスプレーノズル13’からエッチング液14
をエッチング抵抗層16で被覆されていない反対側の面
に吹き付けて2回目のエッチングを行い、図5(b)に
示すように、その反対面側に形成される微細凹孔部17
と既に形成してある微細凹孔部15とを互いに連通させ
る。
【0018】そして、エッチング終了後に金属薄板11
の表面からエッチング抵抗層16及びレジスト膜12、
12’を各々剥離し、水洗、乾燥を行い、図5(c)に
示すように所望の微細透孔18が形成されたシャドウマ
スクを得る。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記方法に
おける1回目のエッチング工程において、エッチングを
行わないポリフィルムをラミネートした片面側におい
て、フィルムの張り付き強度が悪いと、特に金属薄板1
の端面にてエッチング液の侵入が起こり、シャドウマス
クの品位を劣化させるという問題が発生している。
【0020】この原因は、図6に示した露光工程後に行
われる縦型現像工程(薄板を縦型の現像槽に通す)後の
硬膜処理中(通常は、ヒーター乾燥)における現像水残
りによるいわゆる「Water Mark」によるムラ
防止のために水切り剤を塗布する結果、特に乾燥工程で
金属薄板1の下側の端面(端から5mm付近)に水切り
剤の成分が析出し、ポリフィルムをラミネートしても十
分な接着力が得られないままエッチング工程にてエッチ
ング液の侵入を引き起こすためである。
【0021】この現象は、以下の理由で発生すると思わ
れる。
【0022】即ち、硬膜処理後の金属薄板11の端面を
200倍の顕徴鏡で観察すると、水切り剤と思われる成
分が粉状に析出、付着している。その結果、金属薄板1
1の表面が凸凹状になり、粘着性のあるポリフィルムを
ラミネートしても十分に密着されずエッチング中にエッ
チング液の侵入を招くものと思われる。
【0023】従って、十分な接着力を得るために、ポリ
フィルムの粘着力を上げる方法が考えられるが、この場
合、確かにエッチング液の液侵入を防止することはでき
るものの、その結果、その後の工程で前記ポリフィルム
を剥がす際に金属薄板11の持ち上げ等が生じ、シャド
ウマスクの折れ等が発生する事態を招き、工業的には問
題がある。
【0024】下記表1は、4種類のポリフィルムのレジ
スト面に対する粘着力とエッチング液侵入状態との関係
を示したものである。粘着力は、JIS−Z−0237
に準じて決定した値である。
【0025】
【表1】 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、エッ
チング液に対する保護フィルムとして粘着力が工業的に
適正な値のものを使用し、保護フィルム剥離時に金属薄
板ヘ損傷を与えることもなく、また、エッチング工程で
のエッチング液の侵入を防止することができる金属薄板
への微細透孔形成方法及びシャドウマスクの製造方法を
提供するものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
金属薄板の両面に、表裏両面で互いに対応したパターン
状画像を有する耐食性被膜を各々被着形成する工程と、
前記金属薄板の表面の耐食性被膜で被覆されていない露
呈部分をエッチングして、金属薄板の表面に複数の微細
凹孔部を形成する第1のエッチング工程と、前記金属薄
板の前記複数の微細凹孔部が形成された表面をエッチン
グ抵抗層によって被覆する被覆工程と、前記金属薄板の
前記エッチング抵抗層で被覆されていない裏面側からエ
ッチングして、その裏面側から前記表側の複数の微細凹
孔部まで各々連通した複数の微細透孔を形成する第2の
エッチング工程とを含む金属薄板への微細透孔形成方法
であって、前記耐食性被膜の被着形成工程後、第1のエ
ッチング工程前に、前記金属薄板の裏面側の耐食性被膜
上に、フィルム幅が金属薄板の幅より狭幅で所定の粘着
力を有する保護フィルム層を被着する工程を付加したこ
とを特徴とするものである。
【0027】この発明によれば、耐食性被膜の被着形成
工程から第2のエッチング工程に至る一連の工程のうち
の、耐食性被膜の被着形成工程後、第1のエッチング工
程前に、前記金属薄板の裏面側の耐食性被膜上に、フィ
ルム幅が金属薄板の幅より狭幅で所定の粘着力を有する
保護フィルム層を被着する工程を付加したものであるか
ら、第1のエッチング工程を実行した際の前記保護フィ
ルム層で被覆されている金属薄板の裏面側へのエッチン
グ液の侵入を防止でき、また、保護フィルム層の粘着力
も適切で保護フィルム層剥離時の金属薄板の損傷の発生
も回避でき、これにより、所望の微細透孔が形成された
高品位な金属薄板を得ることができる。
【0028】請求項2記載の発明の金属薄板への微細透
孔形成方法は、金属薄板の両面に、表裏両面で互いに対
応したパターン状画像を有する耐食性被膜を各々被着形
成する工程と、前記金属薄板の裏面側の耐食性被膜上
に、フィルム幅が金属薄板の幅より狭幅で所定の粘着力
を有する保護フィルム層を被着する工程と、前記金属薄
板の表面の耐食性被膜で被覆されていない露呈部分をエ
ッチングして、金属薄板の表面に複数の微細凹孔部を形
成する第1のエッチング工程と、前記金属薄板の裏面側
に被着した保護フィルム層を剥離する工程と、前記金属
薄板の前記複数の微細凹孔部が形成された表面をエッチ
ング抵抗層によって被覆する被覆工程と、前記金属薄板
の裏面側の前記耐食性被膜で被覆されていない露呈部分
をエッチングして、その裏面側から前記表側の複数の微
細凹孔部まで各々連通した複数の微細透孔を形成する第
2のエッチング工程と、金属薄板の表面のエッチング抵
抗層及び両面の耐食性被膜を剥離する工程とを含むこと
を特徴とするものである。
【0029】この発明によれば、耐食性被膜の被着形成
工程から前記エッチング抵抗層及び耐食性被膜の剥離工
程に至る一連の工程のうちの、前記耐食性被膜の被着形
成工程後、第1のエッチング工程前に、前記金属薄板の
裏面側の耐食性被膜上に、フィルム幅が金属薄板の幅よ
り狭幅で所定の粘着力を有する保護フィルム層を被着す
る工程を付加し、第1のエッチング工程後に保護フィル
ム層を剥離する工程を付加したものである。
【0030】従って、請求項1記載の発明の場合と同
様、第1のエッチング工程を実行した際の前記保護フィ
ルム層で被覆されている金属薄板の裏面側へのエッチン
グ液の侵入を防止でき、また、保護フィルム層の粘着力
も適切で保護フィルム層剥離時の金属薄板の損傷の発生
も回避でき、これにより、所望の微細透孔が形成された
高品位な金属薄板を得ることができる。
【0031】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の金属薄板への微細透孔形成方法において、前記保護
フィルム層は、金属薄板の幅方向両端面から各々5乃至
15mmの範囲で狭い幅を有することを特徴とするもの
である。
【0032】この発明によれば、前記保護フィルム層
は、金属薄板の幅方向両端面から各々5乃至15mmの
範囲で狭い幅を有するものとしたので、金属薄板の裏面
側の前記複数の微細透孔を形成する領域に対する第1の
エッチング工程時のエッチング液の侵入を防止でき、こ
れにより、所望の微細透孔が形成された高品位な金属薄
板を得ることができる。
【0033】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の
いずれかに記載の金属薄板への微細透孔形成方法におい
て、前記保護フィルム層は、耐食性被膜に対する粘着力
が150g/25mm乃至200g/25mmの範囲の
ものであることを特徴とするものである。
【0034】この発明によれば、請求項1乃至3のいず
れかに記載の金属薄板への微細透孔形成方法において、
前記保護フィルム層は、耐食性被膜に対する粘着力が1
50g/25mm乃至200g/25mmの範囲のもの
としたので、保護フィルム層の粘着力が適切となり、こ
の保護フィルム層剥離時の金属薄板の損傷の発生を確実
に回避することができる。
【0035】請求項5記載の発明は、金属薄板からなる
シャドウマスク基材の両面に、表裏両面で互いに対応し
たパターン状画像を有するフォトレジスト層を各々被着
形成する工程と、前記シャドウマスク基材の表面のフォ
トレジスト層で被覆されていない露呈部分をエッチング
して、シャドウマスク基材の表面に複数の微細凹孔部を
形成する第1のエッチング工程と、前記シャドウマスク
基材の前記複数の微細凹孔部が形成された表面をエッチ
ング抵抗層によって被覆する被覆工程と、前記シャドウ
マスク基材の前記エッチング抵抗層で被覆されていない
裏面側からエッチングして、その裏面側から前記表側の
複数の微細凹孔部まで各々連通した複数の微細透孔を形
成する第2のエッチング工程とを含むシャドウマスクの
製造方法であって、前記フォトレジスト層の被着形成工
程後、第1のエッチング工程前に、前記シャドウマスク
基材の裏面側のフォトレジスト層上に、フィルム幅がシ
ャドウマスク基材の幅より狭幅で所定の粘着力を有する
ポリフィルム層を被着する工程を付加したことを特徴と
するものである。
【0036】この発明によれば、フォトレジスト層の被
着形成工程から第2のエッチング工程に至る一連の工程
のうちの、フォトレジスト層の被着形成工程後、第1の
エッチング工程前に、前記シャドウマスク基材の裏面側
のフォトレジスト層上に、フィルム幅がシャドウマスク
基材の幅より狭幅で所定の粘着力を有するポリフィルム
層を被着する工程を付加したものであるから、第1のエ
ッチング工程を実行した際の前記ポリフィルム層で被覆
されている金属薄板の裏面側へのエッチング液の侵入を
防止でき、また、ポリフィルム層の粘着力も適切でポリ
フィルム層剥離時のシャドウマスク基材の損傷の発生も
回避でき、これにより、所望の微細透孔が形成された高
品位なシャドウマスクを得ることができる。
【0037】請求項6記載の発明のシャドウマスクの製
造方法は、金属薄板からなるシャドウマスク基材の両面
に、表裏両面で互いに対応したパターン状画像を有する
フォトレジスト層を各々被着形成する工程と、前記シャ
ドウマスク基材の裏面側のフォトレジスト層上に、フィ
ルム幅がシャドウマスク基材の幅より狭幅で所定の粘着
力を有するポリフィルム層を被着する工程と、前記シャ
ドウマスク基材の表面のフォトレジスト層で被覆されて
いない露呈部分をエッチングして、シャドウマスク基材
の表面に複数の微細凹孔部を形成する第1のエッチング
工程と、前記シャドウマスク基材の裏面側に被着したポ
リフィルム層を剥離する工程と、前記シャドウマスク基
材の前記複数の微細凹孔部が形成された表面をエッチン
グ抵抗層によって被覆する被覆工程と、前記シャドウマ
スク基材の裏面側の前記フォトレジスト層で被覆されて
いない露呈部分をエッチングして、その裏面側から前記
表側の複数の微細凹孔部まで各々連通した複数の微細透
孔を形成する第2のエッチング工程と、前記シャドウマ
スク基材の表面のエッチング抵抗層及び両面のフォトレ
ジスト層を剥離する工程とを含むことを特徴とするもの
である。
【0038】この発明によれば、フォトレジスト層の被
着形成工程から前記エッチング抵抗層及びフォトレジス
ト層の剥離工程に至る一連の工程のうちの、前記フォト
レジスト層の被着形成工程後、第1のエッチング工程前
に、前記シャドウマスク基材の裏面側のフォトレジスト
層上に、フィルム幅がシャドウマスク基材の幅より狭幅
で所定の粘着力を有するポリフィルム層を被着する工程
を付加し、また、第1のエッチング工程後にポリフィル
ム層を剥離する工程を付加したものである。
【0039】従って、請求項5記載の発明の場合と同
様、第1のエッチング工程を実行した際の前記ポリフィ
ルム層で被覆されているシャドウマスク基材の裏面側へ
のエッチング液の侵入を防止でき、また、ポリフィルム
層の粘着力も適切でポリフィルム層剥離時のシャドウマ
スク基材の損傷の発生も回避でき、これにより、所望の
微細透孔が形成された高品位なシャドウマスクを得るこ
とができる。
【0040】請求項7記載の発明は、請求項5又は6記
載のシャドウマスクの製造方法において、前記ポリフィ
ルム層は、シャドウマスク基材の幅方向両端面から各々
5乃至15mmの範囲で狭い幅を有することを特徴とす
るものである。
【0041】この発明によれば、前記ポリフィルム層
は、シャドウマスク基材の幅方向両端面から各々5乃至
15mmの範囲で狭い幅を有するものとしたので、シャ
ドウマスク基材の裏面側の前記複数の微細透孔を形成す
る領域に対する第1のエッチング工程時のエッチング液
の侵入を防止でき、これにより、所望の微細透孔が形成
された高品位なシャドウマスクを得ることができる。
【0042】請求項8記載の発明は、請求項5乃至7の
いずれかに記載のシャドウマスクの製造方法において、
前記ポリフィルム層は、フォトレジスト層に対する粘着
力が150g/25mm乃至200g/25mmの範囲
のものであることを特徴とするものである。
【0043】この発明によれば、請求項5乃至7のいず
れかに記載のシャドウマスクの製造方法において、前記
ポリフィルム層は、フォトレジスト層に対する粘着力が
150g/25mm乃至200g/25mmの範囲のも
のとしたので、ポリフィルム層の粘着力が適切となり、
このポリフィルム層剥離時のシャドウマスク基材の損傷
の発生を確実に回避することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
乃至図3を参照して説明する。
【0045】本実施の形態の金属薄板への微細透孔形成
方法の一種であるシャドウマスクの製造方法は、図3に
示すような一連の工程を含むものである。
【0046】即ち、まず0.12mmの厚みで幅が40
0mmのシャドウマスク材であるアンバー材1の両面
に、図1(a)に示すように、カゼインを主成分とする
フォトレジスト層2,2´を形成した後、41cm
0.27ピッチのシャドウマスク用パターンを用いて超
高圧水銀灯を用いて約30秒間露光した後、縦型現像槽
を用いて現像する。
【0047】次に、水切り剤で約20秒間濯ぐことによ
り、現像水を置換し、約150℃の炉で約1分間乾燥
し、更に、約300℃の雰囲気に調整された炉でカゼイ
ンのパターンを硬膜処理する。
【0048】この時、アンバー材1の下側端から3mm
の位置に水切り剤の成分が白い紛状に析出していた。
【0049】次に、図1(b)に示すように、アンバー
材1よりも狭幅のである390mm幅の保護フィルムで
あるポリフィルム(フォトレジスト層面に対する粘着力
170g/25mm)10をアンバー材1のセンター基
準で貼着してポリフィルム層とした後、図1(c)に示
すように、従来例と同様にしてスプレーノズル3からエ
ッチング液4をアンバー材1の片側に吹き付け、第1回
目のエッチングを行い、図1(d)に示すように、片面
側に微細凹孔部5を形成した。
【0050】次に、前記ポリフィルム10を剥離し、エ
ッチングされた片面側に図1(e)に示すように、エッ
チング抵抗層6を形成した。
【0051】次に、第2のエッチング工程前に、アンバ
ー材1の両面を片側4mmサイドカットした後、図2
(a)に示すように、従来例と同様にしてスプレーノズ
ル3´からエッチング液4´をアンバー材1の裏面に吹
き付け、第2のエッチングを行い微細凹孔部7を形成し
て、既に形成してある微細凹孔部5と連通させた。
【0052】次に、フォトレジスト層2、2´及び片面
のエッチング抵抗層6を剥離し、乾燥して、41cm
0.27ピッチで、所望の微細透孔8が形成されたシャ
ドウマスクを得た。
【0053】このようにして得たシャドウマスクは、第
1のエッチング工程においてポリフィルム10を貼着し
た裏面でのエッチング液の侵入も無く、また、ポリフィ
ルム10を剥離する際のシャドウマスクの折れ不良の発
生も無かった。
【0054】尚、ポリフィルム10の粘着力は、150
g/25mm乃至200g/25mmの範囲が適当であ
る。粘着力が150g/25mmより小さいと、エッチ
ング液の侵入を防止することができず、また、200g
/25mmよりも大きいと剥離時に金属薄板へ損傷を与
えることになり不適当である。
【0055】尚、比較例としてポリフィルム(幅399
mm 粘着力280g/25mm)のものを用いて同様
にシャドウマスクを作成したが、エッチング液の侵入は
無かったものの、ポリフィルム剥離時にシャドウマスク
が折れてしまい、全数不良となった。
【0056】以上説明したように本実施の形態によれ
ば、金属薄板であるアンバー材1をその両面側からエッ
チングし、そのエッチングを2回に分けて、第1のエッ
チング工程前に片面側に上述したポリフィルム10を貼
着する際に、その幅をアンバー材1の各両端での端面か
ら5乃至15mm狭いものを用い、その後第2のエッチ
ング工程を行うことにより、第1のエッチング工程での
アンバー材1裏面側へのエッチング液侵入を防止するこ
とができ、また、ポリフィルム10の粘着力も適切でポ
リフィルム剥離時のアンバー材1の折れ等の損傷の発生
も回避でき、これにより、所望の微細透孔8が形成され
た高品位なシャドウマスクを得ることができる。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、第1のエッチング工程
時に、保護フィルム層で被覆されている金属薄板の裏面
側へのエッチング液の侵入を防止でき、また、保護フィ
ルム層の粘着力も適切で保護フィルム層剥離時の金属薄
板の損傷の発生も回避でき、所望の微細透孔が形成され
た高品位な金属薄板を得ることができる金属薄板への微
細透孔形成方法を提供することができる。
【0058】また、本発明によれば、第1のエッチング
工程を実行した際の前記ポリフィルム層で被覆されてい
る金属薄板の裏面側へのエッチング液の侵入を防止で
き、また、ポリフィルム層の粘着力も適切でポリフィル
ム層剥離時のシャドウマスク基材の損傷の発生も回避で
き、これにより、所望の微細透孔が形成された高品位な
シャドウマスクを得ることができるシャドウマスクの製
造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のシャドウマスクの製造工
程順を(a)乃至(e)に分けて示す概略説明図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態におけるシャドウマスクの
図1の工程に続く製造工程順を(a)乃至(c)に分け
て示す概略説明図である。
【図3】本発明の実施の形態のシャドウマスクの製造工
程順を示すフローチャートである。
【図4】従来方法によるシャドウマスクの製造工程順を
(a)乃至(d)に分けて示す示す概略説明図である。
【図5】従来方法によるシャドウマスクの製造工程順を
(a)乃至(c)に分けて示す概略説明図である。
【図6】従来方法によるシャドウマスクの製造工程順を
示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 アンバー材 2 フォトレジスト層 2´ フォトレジスト層 5 微細凹孔部 6 エッチング抵抗層 7 微細凹孔部 8 微細透孔 10 ポリフィルム

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属薄板の両面に、表裏両面で互いに対
    応したパターン状画像を有する耐食性被膜を各々被着形
    成する工程と、 前記金属薄板の表面の耐食性被膜で被覆されていない露
    呈部分をエッチングして、金属薄板の表面に複数の微細
    凹孔部を形成する第1のエッチング工程と、 前記金属薄板の前記複数の微細凹孔部が形成された表面
    をエッチング抵抗層によって被覆する被覆工程と、 前記金属薄板の前記エッチング抵抗層で被覆されていな
    い裏面側からエッチングして、その裏面側から前記表側
    の複数の微細凹孔部まで各々連通した複数の微細透孔を
    形成する第2のエッチング工程と、 を含む金属薄板への微細透孔形成方法であって、 前記耐食性被膜の被着形成工程後、第1のエッチング工
    程前に、前記金属薄板の裏面側の耐食性被膜上に、フィ
    ルム幅が金属薄板の幅より狭幅で所定の粘着力を有する
    保護フィルム層を被着する工程を付加したこと、 を特徴とする金属薄板への微細透孔形成方法。
  2. 【請求項2】 金属薄板の両面に、表裏両面で互いに対
    応したパターン状画像を有する耐食性被膜を各々被着形
    成する工程と、 前記金属薄板の裏面側の耐食性被膜上に、フィルム幅が
    金属薄板の幅より狭幅で所定の粘着力を有する保護フィ
    ルム層を被着する工程と、 前記金属薄板の表面の耐食性被膜で被覆されていない露
    呈部分をエッチングして、金属薄板の表面に複数の微細
    凹孔部を形成する第1のエッチング工程と、 前記金属薄板の裏面側に被着した保護フィルム層を剥離
    する工程と、 前記金属薄板の前記複数の微細凹孔部が形成された表面
    をエッチング抵抗層によって被覆する被覆工程と、 前記金属薄板の裏面側の前記耐食性被膜で被覆されてい
    ない露呈部分をエッチングして、その裏面側から前記表
    側の複数の微細凹孔部まで各々連通した複数の微細透孔
    を形成する第2のエッチング工程と、 前記金属薄板の表面のエッチング抵抗層及び両面の耐食
    性被膜を剥離する工程と、 を含むことを特徴とする金属薄板への微細透孔形成方
    法。
  3. 【請求項3】 前記保護フィルム層は、金属薄板の幅方
    向両端面から各々5乃至15mmの範囲で狭い幅を有す
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の金属薄板への
    微細透孔形成方法。
  4. 【請求項4】 前記保護フィルム層は、耐食性被膜に対
    する粘着力が150g/25mm乃至200g/25m
    mの範囲のものであることを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれかに記載の金属薄板への微細透孔形成方法。
  5. 【請求項5】 金属薄板からなるシャドウマスク基材の
    両面に、表裏両面で互いに対応したパターン状画像を有
    するフォトレジスト層を各々被着形成する工程と、 前記シャドウマスク基材の表面のフォトレジスト層で被
    覆されていない露呈部分をエッチングして、シャドウマ
    スク基材の表面に複数の微細凹孔部を形成する第1のエ
    ッチング工程と、 前記シャドウマスク基材の前記複数の微細凹孔部が形成
    された表面をエッチング抵抗層によって被覆する被覆工
    程と、 前記シャドウマスク基材の前記エッチング抵抗層で被覆
    されていない裏面側からエッチングして、その裏面側か
    ら前記表側の複数の微細凹孔部まで各々連通した複数の
    微細透孔を形成する第2のエッチング工程と、 を含むシャドウマスクの製造方法であって、 前記フォトレジスト層の被着形成工程後、第1のエッチ
    ング工程前に、前記シャドウマスク基材の裏面側のフォ
    トレジスト層上に、フィルム幅がシャドウマスク基材の
    幅より狭幅で所定の粘着力を有するポリフィルム層を被
    着する工程を付加したこと、 を特徴とするシャドウマスクの製造方法。
  6. 【請求項6】 金属薄板からなるシャドウマスク基材の
    両面に、表裏両面で互いに対応したパターン状画像を有
    するフォトレジスト層を各々被着形成する工程と、 前記シャドウマスク基材の裏面側のフォトレジスト層上
    に、フィルム幅がシャドウマスク基材の幅より狭幅で所
    定の粘着力を有するポリフィルム層を被着する工程と、 前記シャドウマスク基材の表面のフォトレジスト層で被
    覆されていない露呈部分をエッチングして、シャドウマ
    スク基材の表面に複数の微細凹孔部を形成する第1のエ
    ッチング工程と、 前記シャドウマスク基材の裏面側に被着したポリフィル
    ム層を剥離する工程と、 前記シャドウマスク基材の前
    記複数の微細凹孔部が形成された表面をエッチング抵抗
    層によって被覆する被覆工程と、 前記シャドウマスク基材の裏面側に被着したポリフィル
    ム層を剥離する工程と、 前記シャドウマスク基材の裏
    面側の前記フォトレジスト層で被覆されていない露呈部
    分をエッチングして、その裏面側から前記表側の複数の
    微細凹孔部まで各々連通した複数の微細透孔を形成する
    第2のエッチング工程と、 前記シャドウマスク基材の表面のエッチング抵抗層及び
    両面のフォトレジスト層を剥離する工程と、 を含むことを特徴とするシャドウマスクの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記ポリフィルム層は、シャドウマスク
    基材の幅方向両端面から各々5乃至15mmの範囲で狭
    い幅を有することを特徴とする請求項5又は6記載のシ
    ャドウマスクの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記ポリフィルム層は、耐食性被膜に対
    する粘着力が150g/25mm乃至200g/25m
    mの範囲のものであることを特徴とする請求項5乃至7
    のいずれかに記載のシャドウマスクの製造方法。
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