JPH1082879A - 原子炉の炉心 - Google Patents

原子炉の炉心

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JPH1082879A
JPH1082879A JP8235488A JP23548896A JPH1082879A JP H1082879 A JPH1082879 A JP H1082879A JP 8235488 A JP8235488 A JP 8235488A JP 23548896 A JP23548896 A JP 23548896A JP H1082879 A JPH1082879 A JP H1082879A
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紀之 吉田
Naoki Sugita
直紀 杉田
Takeshi Nakajima
毅 中嶋
Masahiko Kuroki
政彦 黒木
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Abstract

(57)【要約】 【課題】第1サイクル初期の炉心特性を良好にできると
ともに、第1サイクル終了後に取り出す燃料の経済性を
向上し、全サイクルを通じて炉心特性が悪化することの
ない原子炉の炉心を提供する。 【解決手段】燃料集合体Bを集合体平均濃縮度の違いに
より2種類以上11,12,13,14に種分けし、さ
らに集合体平均濃縮度の最も高い燃料集合体を可燃性毒
物入り燃料棒の本数の違いにより2種類11,12に種
分けし、燃料単位Cを構成しない炉心外周側の燃料集合
体のすべてと、炉心外周を覆う反射体Eに面する燃料単
位を構成する燃料集合体の4体中3体以上とを、最高濃
縮度でかつ可燃性毒物入り燃料棒本数が少ない燃料集合
体11とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は沸騰水型原子炉の炉
心における燃料の装荷技術に係り、特に炉心特性の改善
および燃料経済性の向上を図った原子炉の炉心に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図25は、沸騰水型原子炉の炉心に装荷
される燃料単位の一般的な構成例を示している。すなわ
ち、図25に示すように、断面十字型の制御棒Aの周囲
に4体の燃料集合体Bが装荷され、これによって燃料単
位Cが構成される。
【0003】図26は、多数の燃料集合体が配置された
炉心Dの1/4(炉心中心Oから区分した四半分)の構
成を示している。この図26に示すように、炉心Dは一
般に円柱に近い形であり、燃料単位Cが炉心全体に亘っ
て多数配列されるとともに、反射体Eによって囲まれる
炉心最外周の一部には燃料単位Cを構成しない燃料集合
体Fが配列されている。なお、原子炉出力調整用の制御
棒A廻りに配置する燃料集合体Bで構成される燃料単位
Cは、コントロールセルと呼ばれている。
【0004】このような原子炉では約1年強、すなわち
1サイクル運転毎に燃料集合体の交換が行われ、全燃料
集合体のうち1/3〜1/5の燃料が取り出され、代わ
りに新しい燃料集合体が装荷される。燃料交換の際に取
り出される燃料集合体は、経済性の観点から最も残留濃
縮度の低い燃料集合体である。例えば燃料集合体を1/
4ずつ交換して運転した場合、4サイクル以後は燃焼が
最も進んだ燃料集合体、燃焼が中程度進んだ燃料集合
体、燃焼が進んでいない燃料集合体、すなわち残留濃縮
度が最低、中程度、最高、の各燃料集合体が装荷された
炉心となり、以後は燃料交換毎に残留濃縮度が最低の燃
料集合体から取り出し、代わりに新燃料集合体を装荷す
れば以降は同じ状態の炉心が維持される。
【0005】このように、最も残留濃縮度の低い燃料集
合体を取り出し、新しい燃料集合体を装荷することを繰
り返していくと、炉心は残留濃縮度の異なる数種類の燃
料集合体が混在した定常的な状態になり、各サイクル毎
の炉心特性の差がほとんどなくなる。このような炉心を
平衡炉心と称している。平衡炉心では、燃料集合体が3
〜5サイクルの間炉心の中にあり、残留濃縮度が低くな
って出力があまり出なくなった時に取り出される。な
お、装荷される燃料集合体は、後述する初装荷炉心に使
用する初装荷燃料集合体と対比して、取替燃料集合体と
呼ばれる。
【0006】初装荷炉心、すなわち原子炉が建設されて
初めて燃料集合体が装荷された炉心では、すべての燃料
集合体が新燃料である。しかしながら、第1サイクル終
了後には燃料交換の必要が生じる。これは炉心全体の出
力を維持するために新燃料を装荷する必要があるからで
ある。同様に、第2サイクル終了後にも2サイクル使用
されただけで取り出される燃料集合体が生じる。このよ
うに、原子炉が運転を開始して3サイクル程度の間は、
短期間使用されただけで取り出される燃料集合体が発生
する。
【0007】かつては、初装荷炉心をすべて同一の集合
体平均燃焼度の初装荷燃料集合体で構成していたため、
最初の数サイクルは、平衡炉心で取り出される燃料集合
体に比べて残留濃縮度の高い燃料集合体が取り出されて
いた。このことは非常に不経済なことであった。
【0008】このような問題を解決するため、原子炉の
初装荷炉心については、これまで様々な改良が加えられ
てきた。たとえば初装荷炉心に装荷する燃料集合体、す
なわち初装荷燃料集合体を濃縮度の異なる数種類のもの
とし、濃縮度の高い順に1サイクル目燃料(新燃料)、
2サイクル目燃料、3サイクル目燃料というようにみた
て、平衡炉心を模擬した初装荷炉心を構成する。これ
は、多種類濃縮度炉心と呼ばれている炉心装荷方法であ
る。
【0009】図27はこの例として、集合体平均濃縮度
の異なる4種類の初装荷燃料集合体を使用した炉心Dの
1/4の燃料集合体配置構成を示している。最高濃縮度
の燃料集合体7が平衡炉心の1サイクル目燃料を模擬
し、2番目に濃縮度の高い燃料集合体8が2サイクル目
燃料を模擬し、3番目に濃縮度の高い燃料集合体9が3
サイクル目燃料を模擬し、最も濃縮度の低い燃料集合体
10が4、5サイクル目燃料を模擬している。
【0010】平衡炉心においては、中性子の漏れが大き
く熱中性子束が低い炉心最外周部に、残留濃縮度の低い
燃料から装荷する。多種類濃縮度炉心においても、これ
と同様の考えにより、炉心最外周部に濃縮度の最も低い
燃料を装荷する。第1サイクル終了時には、濃縮度の最
も低い燃料を取り出し、取替燃料集合体を新燃料として
装荷する。第1サイクル終了時に取り出すのは、もとも
と低濃縮度の燃料であるため、残留濃縮度は低く、燃料
経済性は向上する。
【0011】このように、平衡炉心を模擬した炉心に対
し、初装荷燃料集合体の配置をより工夫することによ
り、一層燃料の経済性を向上させる発明が特開昭60−
71987号公報「沸騰水型原子炉の運転方法」に開示
されている。この開示された発明は、第1サイクルでは
最高濃縮度の燃料集合体を炉心の最外周部に、最低濃縮
度の燃料集合体をコントローセルに配置し、1サイクル
運転した後には無限増倍率の最も低い燃料集合体を炉心
の最外周およびコントローセルに装荷するというもので
ある。
【0012】これにより、第1回の燃料交換で取り出さ
れる最低濃縮度の燃料集合体は、熱中性子束が低く燃焼
があまり進まない炉心最外周ではなく、熱中性子束が高
く燃焼が進む炉心中央部に装荷されるため、残留濃縮度
はより低くなる。しかも、最外周に装荷されていた最高
濃縮度の燃料集合体は燃焼があまり進んでおらず、第2
サイクルにおいて高い出力を維持できるため、必要とさ
れる新燃料の体数が減り、これによっても燃料の経済性
が向上する。
【0013】このように、初装荷炉心の設計は当初の平
衡炉心模擬から、より高い経済性を狙って改良が続けら
れている。経済性向上のためには、炉心平均濃縮度を上
げることが必要であるが、最高濃縮度の初装荷燃料集合
体の濃縮度を取替燃料集合体より高くすることは、燃料
機械設計上の燃焼度の制約により困難である。また、第
1、第2サイクル終了時に取り出される燃料集合体の初
期濃縮度を上げることは、取り出し時の残留濃縮度を上
げてしまうことになる。よって、初装荷炉心の改良は、
初装荷燃料集合体中の最高濃縮度の燃料集合体の割合を
増やす方向で進んでいる。
【0014】図28は、このような初装荷炉心を例示し
た燃料集合体配置図であり、集合体平均濃縮度が異なる
2種類の初装荷燃料集合体を使用した炉心の1/4の構
成を示している。この炉心Dでは、コントロールセル1
5を構成する燃料単位Cが高濃縮度燃料16および低濃
縮燃料17とされているが、コントロールセル15を構
成する燃料集合体以外はほとんど高濃縮度燃料16であ
り、全燃料集合体872体中、高濃縮度燃料16が67
2体、低濃縮度燃料17が200体となっている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、炉心の設計
においては最大線出力密度、最小限界出力比等の運転制
限値を満足することが第一である。経済性向上をめざし
て初装荷燃料集合体中の最高濃縮度の燃料集合体の割合
を増やした最近の初装荷炉心は、一般に平衡炉心より特
性が厳しくなる傾向にあり、炉心特性の改善の手段なく
しては初装荷炉心の経済性の向上は図れなくなってきて
いる。
【0016】図29は、最高濃縮度の初装荷燃料集合体
と取替燃料集合体とにおける、無限増倍率の燃焼変化の
一例を示している。最高濃縮度の初装荷燃料集合体の濃
縮度は一般に使用されているように、取替燃料集合体と
同一としている。濃縮度が同一であるから、無限増倍率
の大きさの比較をそのまま出力の比較に置き換えること
ができる。
【0017】取替燃料集合体の無限増倍率は、燃焼初期
には可燃性毒物であるガドリニア(Gd23)によって
抑えられており、1サイクルの燃焼が終るころにガドリ
ニアがほぼ燃え尽き、無限増倍率が最大になる。これは
炉心の余剰反応度をサイクルを通じてほぼ一定に保つた
めである。これにより、サイクル初期には2サイクル目
の燃料の出力が高く、サイクル末期には1サイクル目の
燃料の出力が高くなる。最高濃縮度の初装荷燃料集合体
は、完全に平衡サイクル模擬ができている初装荷炉心で
は1サイクル目燃料を模擬するはずであるが、実際には
経済性の向上のため燃焼初期から出力を担うことになる
ため、燃焼初期においては無限増倍率が取替燃料集合体
の無限増倍率よりも高くなっている。
【0018】これは、ガドリニア入り燃料棒の本数を取
替燃料集合体より少なくすることにより実現されてい
る。ただし、第1サイクルの長さは試運転期間を含むこ
とにより平衡サイクルより長くなること、第2サイクル
の余剰反応度は高くなりやすいことにより、長期にわた
って余剰反応度を適切に抑えるためガドリニアの濃度は
最高濃縮度の初装荷燃料集合体のほうが取替燃料集合体
よりも高い。
【0019】図30は、最高濃縮度の初装荷燃料集合体
および取替燃料集合体における局所ピーキング係数の燃
焼変化の一例を示している。
【0020】沸騰水型原子炉では燃料集合体問に水ギャ
ップがあるため、燃料集合体の外周の燃料棒の出力が相
対的に高くなる。燃料集合体の外周の燃料棒の濃縮度を
燃料集合体の内部の燃料棒の濃縮度より高くすることに
より、ある程度出力を平坦化することができるが、核燃
料物質の最高濃縮度が制限されている状況で、燃料集合
体平均の濃縮度を確保するためには、燃料集合体の外周
の燃料棒の濃縮度を充分に下げることはできない。
【0021】また、ガドリニア入り燃料棒は出力が低
く、その分他の燃料棒の出力が相対的に高くなる。出力
の高い燃料棒ほど核分裂性物質の消費が早いので出力が
下がるのも早く、またガドリニア入り燃料棒はガドリニ
アが減少するにつれて出力が上がるため、燃料集合体は
燃焼が進むと局所ピーキング係数が低下する。燃焼初期
での取替燃料集合体を比較すると、ガドリニア入り燃料
棒の本数の違いにより最高濃縮度の初装荷燃料集合体の
ほうが取替燃料集合体よりも若干小さくなるが、大きな
差ではない。また、最小限界出力比の算出にはR因子と
いう指標を用い、これが大きいほど厳しいが、やはり燃
料集合体の燃焼初期が最も大きい。
【0022】最大線出力密度が問題となるのは、燃料集
合体の出力が高く、局所ピーキング係数も高いところで
ある。取替燃料集合体では局所ピーキング係数の最も高
い燃料初期では燃料集合体の出力が低いため、熱的にあ
まり問題にならない。これに対し、初装荷炉心では最高
濃縮度の初装荷燃料集合体の出力が第1サイクルの初期
から高いため、この燃料の最大線出力密度が問題となっ
てくる。また、最小限界出力比についても、最大線出力
密度と同様の問題が生じる。よって、第1サイクル初期
の最大線出力密度および最小限界出力比は、平衡サイク
ルより厳しくなる傾向にある。
【0023】そこで、本発明の第1の目的は、炉心平均
濃縮度を高くして燃料経済性の向上を図りつつ、第1サ
イクル初期の炉心特性を良好にできる原子炉の初装荷炉
心を提供することにある。
【0024】一方、前述したように、燃料集合体には可
燃性毒物が含まれている。可燃性毒物とは、ガドリニウ
ム(Gd)またはその酸化物であるガドリニア(Gd2
3)のように中性子を吸収する性質が強く、しかも中
性子を吸収すると中性子を吸収する性質の弱い物質に変
換するものである。これらの可燃性毒物は、U−235
(ウラン235)などの核分裂性物質が過剰にあるサイ
クル初期には、中性子を吸収して核分裂性物質と中性子
の核反応を抑制し、燃焼に伴って可燃性毒物も消費さ
れ、その中性子吸収能力を低下させる。燃料集合体には
核燃料物質のみからなる燃料ぺレットを装荷した燃料棒
の他に、核燃料物質のみならず可燃性毒物も含んだ燃料
ぺレットを装荷した燃料捧が数本〜10数本入ってお
り、初期余剰反応度の抑制が行われている。
【0025】ところで一般に、原子炉の炉心において
は、炉心中心付近が熱中性子束も高く燃焼が良く進む。
一方、炉心の外周方向に行くに従って熱中性子の炉心外
への漏れの効果が大きくなる。即ち熱中性子束も低くな
り、燃焼の進み具合は悪くなる。このように、炉心外周
領域に装荷した燃料と、炉心中心付近に装荷した燃料と
では、燃焼の進み具合に差が生じる。即ち、炉心中心付
近に装荷した燃料は、可燃性毒物の燃焼も早い。
【0026】逆に炉心外周領域に装荷した燃料は、可燃
性毒物の燃焼が遅い。仮に炉心中心付近に装荷する高濃
縮燃料と、炉心最外周および最外周から2層目に装荷す
る高濃縮燃料とが全く同一の燃料であるとすると、まず
炉心中心付近の高濃縮燃料が良く燃焼するため、可燃性
毒物も効率よく減衰してゆき、それにつれてその領域の
相対出力も高くなる。さらに燃焼が進み、可燃性毒物が
ある程度減少してしまうと、その後その領域の相対出力
は低くなる一方である。
【0027】これに対し、炉心最外周および最外周から
2層目の高濃縮燃料は燃焼が進みにくいため、炉心中心
付近の可燃性毒物がある程度減少した時点においても可
燃性毒物はかなり残っており、炉心外周領域の相対出力
は未だ増加する方向にある。つまり、サイクル初期から
ある燃焼度までは、炉心断面における径方向の出力分布
は炉心中心領域で高く、それ以降は炉心外周領域で高く
なるというようにバランスが悪くなり、これが出力ピー
キングの増加の原因となる。
【0028】炉心断面における径方向の出力ピーキング
が増加すると、燃料集合体の線出力密度や最小限界出力
比といった原子炉の運転に関する熱的パラメータが悪化
し、運転裕度の減少につながる。従って、炉心断面にお
ける径方向の出力分布は平坦であるのが望ましい。
【0029】このように、濃縮度の異なる3種類の燃
料、即ち高濃縮、中濃縮、および低濃縮燃料から構成さ
れ、コントロールセルには低濃縮燃料を装荷し、かつ炉
心外周領域の燃料装荷パターンに関しては高い燃料経済
性を実現するために炉心最外周のみならず最外周から2
層目にも高濃縮燃料を装荷した炉心においては、前述し
たような炉心断面における径方向の出力ピーキングの増
加をもたらすために、炉心の運転裕度が少なくなるとい
う問題が生じる。
【0030】そこで、本発明の第2の目的は、第1サイ
クル終了後に取り出す燃料の残留濃縮度を低め、燃料経
済性の向上をめざした炉心、即ち濃縮度の異なる3種類
の燃料集合体から構成される炉心において、最外周と最
外周から2層目にすべて高濃縮燃料が配置し、かつコン
トロールセルには全て低濃縮燃料を配置したものとし、
サイクルを通じて炉心特性が悪化することのない原子炉
の炉心を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、1本の制御棒の周りに4体
1組の燃料集合体を配置して燃料単位を構成し、この燃
料単位を炉心全体に亘って多数配列する一方で、炉心外
周側の一部には前記燃料単位を構成しない燃料集合体を
配列させてなる原子炉の炉心において、前記燃料集合体
を集合体平均濃縮度の違いにより2種類以上に種分け
し、さらに集合体平均濃縮度の最も高い燃料集合体を当
該燃料集合体に含まれる可燃性毒物入り燃料棒の本数の
違いにより2種類に種分けし、燃料単位を構成しない炉
心外周側の燃料集合体のすべてと、炉心外周を覆う反射
体に面する燃料単位を構成する燃料集合体の4体中3体
以上とを、最高濃縮度でかつ可燃性毒物入り燃料棒本数
が少ない燃料集合体としたことを特徴とする原子炉の初
装荷炉心を提供する。
【0032】本発明によれば、炉心の外周部に最高濃縮
度で、かつ可燃性毒物入り燃料棒の本数の少ない燃料集
合体が配置されることにより、炉心の外周部の出力が高
くなり、炉心中央部の出力は相対的に低くなる。即ち径
方向出力分布の平坦化が図れる。これにより最大線出力
密度、最小限界出力比のような炉心の熱的特性の改善が
可能となる。なお、一つの燃料単位に出力の高い燃料集
合体が集中した場合には炉停止余裕に問題が起こる可能
性があるが、炉心外周の反射体に面する燃料単位におい
ては、最高濃縮度で、かつ可燃性毒物入り燃料棒の本数
の少ない燃料集合体を3または4体装荷することが可能
である。
【0033】請求項2の発明では、請求項1記載の炉心
において、反射体に面する燃料単位を構成する燃料集合
体のうち、当該燃料単位のなかで最も炉心中心に近い配
置のものを、最高濃縮度ではなく、かつ可燃性毒物入り
燃料棒本数が少ないものでもない燃料集合体としたこと
を特徴とする原子炉の初装荷炉心を提供する。
【0034】本発明によれば、炉心外周の反射体に面す
る燃料単位に、最高濃縮度で、かつ可燃性毒物入り燃料
棒の本数の少ない燃料集合体以外の燃料集合体が1体装
荷される場合は、出力の高い最高濃縮度で、かつ可燃性
毒物入り燃料棒の本数の少ない燃料集合体をできるだけ
炉心の外部に配置するほうが、径方向出力分布の平坦
化、および炉停止余裕の確保の点で有利である。
【0035】請求項3の発明では、請求項1記載の炉心
において、反射体に面する燃料単位を構成する燃料集合
体を、すべて最高濃縮度の燃料集合体としたことを特徴
とする原子炉の初装荷炉心を提供する。
【0036】本発明によれば、炉停止余裕の点から、反
射体に面する燃料単位を構成する燃料集合体4体中1体
を最高濃縮度で、かつ可燃性毒物入り燃料棒の本数の少
ない燃料集合体以外にする場合、その1体を最高濃縮度
で、かつ可燃性毒物入り燃料棒の本数の多い燃料集合体
とすることが経済性の向上の点から有利である。また、
炉停止余裕の確保も可能である。
【0037】請求項4の発明では、請求項1から3まで
のいずれかに記載の炉心において、反射体に面する燃料
単位以外の燃料単位であって、かつ反射体に面する燃料
単位に隣接するものの燃料集合体の4体中2体以下を、
最高濃縮度でかつ可燃性毒物入り燃料棒本数が少ない燃
料集合体としたことを特徴とする原子炉の初装荷炉心を
提供する。
【0038】本発明によれば、反射体に面してはいない
が、反射体に面する燃料単位に隣接している燃料単位
は、炉心の最外周部からやや離れて中性子の漏洩の効果
も小さくなっている。出力の高くなり易い燃料集合体を
過度に集中すると、この部分が炉心で最も出力が高くな
ってしまう。このため最高濃縮度でかつ可燃性毒物入り
燃料棒の本数の少ない方の燃料集合体の体数を制限する
が、炉停止余裕の点から各燃料単位の出力を均等にほぼ
均等にしておくことが望ましい。そこで、最高濃縮度で
かつ可燃性毒物入り燃料棒の本数の少ない燃料集合体の
体数を各燃料単位毎に2体以下とする。
【0039】請求項5の発明では、請求項1から4まで
のいずれかに記載の炉心において、反射体に面するもの
ではなく、また反射体に面する燃料単位に隣接するもの
でもない燃料単位については、最高濃縮度のものではな
く、かつ可燃性毒物入り燃料棒本数が少ないものでもな
い燃料集合体を適用したことを特徴とする原子炉の初装
荷炉心を提供する。
【0040】本発明によれば、炉心内部に最高濃縮度で
かつ可燃性毒物入り燃料棒の本数の少ない燃料集合体を
装荷すると、その燃料集合体の出力が高くなり過ぎ、熱
的特性が厳しくなる。炉心外周部の出力を高くするため
に適正化されている燃料集合体は、炉心中央部に装荷す
るべきではない。なお、請求項1から請求項5までの炉
心でも、炉心の最外周部の出力は未だかなり低い。炉心
最外周部に装荷する燃料集合体は、可燃性毒物入り燃料
棒の本数をより減らすことが可能である。
【0041】請求項6の発明では、1本の制御棒の周り
に4体1組の燃料集合体を配置して燃料単位を構成し、
この燃料単位を炉心全体に亘って多数配列する一方で、
炉心外周側の一部には前記燃料単位を構成しない燃料集
合体を配列させてなる原子炉の炉心において、前記燃料
集合体を集合体平均濃縮度の違いにより2種類以上に種
分けし、さらに集合体平均濃縮度の最も高い燃料集合体
を当該燃料集合体に含まれる可燃性毒物入り燃料棒の本
数の違いにより3種類に種分けし、炉心外周を覆う反射
体に面する燃料集合体をすべて最高濃縮度で、かつ可燃
性毒物入り燃料棒の本数が3種類のうち最少の本数のも
のとしたことを特徴とする原子炉の初装荷炉心を提供す
る。
【0042】本発明によれば、燃料集合体の種類が増え
るのことにより、製造コストの点で不利ではあるが、径
方向出力分布の平坦化に有効である。
【0043】請求項7の発明では、1本の制御棒の周り
に4体1組の燃料集合体を配置して燃料単位を構成し、
この燃料単位を炉心全体に亘って多数配列する一方で、
炉心外周側の一部には前記燃料単位を構成しない燃料集
合体を配列させてなる原子炉の炉心において、前記燃料
集合体を集合体平均濃縮度の違いにより2種類以上に種
分けし、さらに集合体平均濃縮度の最も高い燃料集合体
を当該燃料集合体に含まれる可燃性毒物入り燃料棒の本
数の違いにより2種類に種分けし、炉心外周を覆う反射
体に面する燃料集合体をすべて最高濃縮度のものとし、
また炉心最外周から2層目の燃料集合体をすべて最高濃
縮度でかつ可燃性毒物入り燃料棒本数が少ないものとし
たことを特徴とする原子炉の初装荷炉心を提供する。
【0044】炉心の最外周に最低濃縮度の燃料集合体を
配置した炉心は、最外周に最高濃縮度の燃料集合体を配
置した炉心に比べて、径方向出力分布の平坦化には不利
である。しかしながら、本発明によれば、炉心の最外周
から2層目の燃料集合体を、すべて最高濃縮度で、かつ
可燃性毒物入り燃料棒の本数の少ない燃料集合体とする
ことにより、ある程度は径方向出力分布の平坦化が可能
である。
【0045】請求項8の発明では、1本の制御棒の周り
に4体1組の燃料集合体を配置して燃料単位を構成し、
この燃料単位を炉心全体に亘って多数配列する一方で、
炉心外周側の一部には前記燃料単位を構成しない燃料集
合体を配列させてなる原子炉の炉心において、前記燃料
集合体を集合体平均濃縮度の違いにより3種類以上に種
分けし、さらに集合体平均濃縮度の最も高い燃料集合体
を当該燃料集合体に含まれる可燃性毒物入り燃料棒の本
数の違いにより2種類に種分けし、炉心最外周の燃料集
合体をすべて集合体平均濃縮度が中位の燃料集合体と
し、また炉心最外周から2層目の燃料集合体をすべて最
高濃縮度でかつ可燃性毒物入り燃料棒の本数が少ないも
のとしたことを特徴とする原子炉の初装荷炉心を提供す
る。
【0046】本発明によれば、炉心の最外周に中位の濃
縮度の燃料集合体を配置した炉心においても、炉心の最
外周から2層目の燃料集合体を、すべて最高濃縮度で、
かつ可燃性毒物入り燃料棒の本数の少ない燃料集合体と
することで、径方向ピーキングの低減が有効的に図れる
ようになる。
【0047】請求項9の発明では、請求項7または8記
載の炉心において、最高濃縮度でかつ可燃性毒物入り燃
料棒の本数が少ない燃料集合体は炉心の最外周から2層
目以内に限って装荷したことを特徴とする原子炉の初装
荷炉心を提供する。
【0048】本発明によれば、請求項7または請求項8
の炉心について、最高濃縮度でかつ可燃性毒物入り燃料
棒の本数の少ない燃料集合体を炉心の最外周から2層目
に限ることで、最高濃縮度で、かつ可燃性毒物入り燃料
棒の本数の少ない燃料集合体の燃焼初期の無限増倍率を
かなり大きくすることができる。
【0049】請求項10の発明では、1本の制御棒の周
りに4体1組の燃料集合体を配置して燃料単位を構成
し、この燃料単位を炉心全体に亘って多数配列する一方
で、炉心外周側の一部には前記燃料単位を構成しない燃
料集合体を配列させてなる原子炉の炉心において、前記
燃料集合体を集合体平均濃縮度の違いにより3種類以上
に種分けし、さらに集合体平均濃縮度の最も高い燃料集
合体を当該燃料集合体に含まれる可燃性毒物入り燃料棒
の本数の違いにより2種類に種分けし、炉心最外周の燃
料集合体をすべて集合体平均濃縮度が中位で、かつ可燃
性毒物入り燃料棒の本数が少ないものとしたことを特徴
とする原子炉の初装荷炉心を提供する。
【0050】本発明も炉心の最外周に中位の濃縮度の燃
料集合体を配置した炉心において径方向出力分布を平坦
化する方法であり、最外周に配置される中位の濃縮度の
燃料集合体の可燃性毒物入り燃料棒の本数を炉心内部の
中位の濃縮度の燃料集合体よりも少なくすることによ
り、炉心最外周の出力を高くすることができる。
【0051】請求項11の発明では、1本の制御棒の周
りに4体1組の燃料集合体を配置して燃料単位を構成
し、この燃料単位を炉心全体に亘って多数配列する一方
で、炉心外周側の一部には前記燃料単位を構成しない燃
料集合体を配列させてなる原子炉の炉心において、前記
燃料集合体を集合体平均濃縮度の違いにより3種類以上
に種分けし、集合体平均濃縮度が最も低い燃料集合体と
2番目に低い燃料集合体とが可燃性毒物入り燃料棒を有
しないものとし、またコントロールセルを構成する燃料
単位に最低濃縮度の燃料集合体を配置するとともに、炉
心最外周に集合体平均濃縮度が2番目に低い燃料集合体
を配置したことを特徴とする原子炉の初装荷炉心を提供
する。
【0052】可燃性毒物入り燃料棒の本数を有しない燃
料集合体は燃焼初期から出力が急速に低下していく。本
発明によれば、ある程度濃縮度が高く可燃性毒物入り燃
料棒の本数を有しない燃料集合体を炉心最外周に用いる
ことで、第1サイクルの初期だけは径方向出力分布を平
坦化できる。炉心最外周の燃料集合体は出力が高くなり
にくいため、かなり濃縮度の高い燃料集合体でも可燃性
毒物入り燃料棒を入れる必要がなくなる。
【0053】請求項12の発明では、1本の制御棒の周
りに4体1組の燃料集合体を配置して燃料単位を構成
し、この燃料単位を炉心全体に亘って多数配列する一方
で、炉心外周側の一部には前記燃料単位を構成しない燃
料集合体を配列させてなる原子炉の炉心において、前記
燃料集合体を集合体平均濃縮度の違いにより低濃縮燃料
集合体、中濃縮燃料集合体および高濃縮燃料集合体の3
種類に種分けし、その高濃縮燃料集合体をさらに可燃性
毒物入り燃料捧の本数が異なるAタイプ,Bタイプの2
つのタイプに種分けし、前記Aタイプの高濃縮燃料集合
体は前記Bタイプの高濃縮燃料集合体よりも可燃性毒物
入り燃料捧の本数が1本以上多く、かつ前記Bタイプの
高濃縮燃料集合体の炉心装荷体系無限配列における中性
子増倍率が最大となる燃焼度が、前記Aタイプの高濃縮
燃料集合体の炉心装荷体系無限配列における中性子増倍
率が最大となる燃焼度よりも低いものとし、さらに燃料
装荷パターンは、炉心最外周と最外周から2層目とにす
べて前記Bタイプの高濃縮燃料集合体を配置し、かつコ
ントロールセルを構成する燃料単位の燃料集合体をすべ
て前記低濃縮燃料としたことを特徴とする原子炉の炉心
を提供する。
【0054】請求項13の発明では、請求項12記載の
炉心において、Bタイプの高濃縮燃料集合体の炉心装荷
体系無限配列における中性子増倍率が最大となる燃焼度
と、Aタイプの高濃縮燃料集合体の炉心装荷体系無限配
列における中性子増倍率が最大となる燃焼度との差を、
5GWd/t 以下としたことを特徴とする原子炉の炉心を提
供する。
【0055】請求項14の発明では、請求項12または
13記載の炉心において、AタイプおよびBタイプの各
高濃縮燃料集合体に含まれる可燃性毒物入り燃料捧の本
数の差を4本としたことを特徴とする原子炉の炉心を提
供する。
【0056】請求項15の発明では、請求項14記載の
炉心において、Aタイプの各高濃縮燃料集合体に含まれ
る可燃性毒物入り燃料捧の本数を14本とし、かつBタ
イプの各高濃縮燃料集合体に含まれる可燃性毒物入り燃
料棒の本数を10本としたことを特徴とする原子炉の炉
心を提供する。
【0057】請求項12から15までの発明について説
明すると、以下の通りである。これらの発明では、従来
公知である改良型多種類濃縮度炉心の概念、即ち、濃縮
度の異なる3種類の燃料集合体(低濃縮燃料、中濃縮燃
料、高濃縮燃料)から構成される。炉心最外周には高濃
縮燃料が配置し、かつ、コントロールセルはすべて低濃
縮燃料から構成する原子炉炉心の概念をベースに、さら
に燃料経済性を上げるために炉心最外周のみならず、最
外周から2層目にも高濃縮燃料を配置する。
【0058】また、炉心外周領域と炉心中心付近の可燃
性毒物の燃焼特性の相違から生じる炉心断面の径方向に
おける出力ピーキングの増加による原子炉運転裕度の減
少を改善するために、高濃縮燃料には可燃性毒物入り燃
料捧本数の異なる2種類の燃料、高濃縮燃料のAタイプ
とBタイプを準備し、AタイプはBタイプに比べて可燃
性毒物を含んだ燃料捧の本数を多く、かつ炉心装荷体系
無限配列における中性子増倍率が最大となる燃焼度をB
タイプのそれよりも高くするものである。
【0059】そして、炉心の最外周および最外周から2
層目にはBタイプ燃料を装荷し、コントロールセルには
すべて低濃縮燃料を装荷し、その他の領域は低濃縮燃
料、中濃縮燃料、高濃縮Aタイプ、および高濃縮Bタイ
プを適当に組み合わせた複数の単位格子により炉心を構
成するものである。
【0060】本発明による炉心は濃縮度の異なる3種類
の燃料集合体である低濃縮燃料、中濃縮燃料、および高
濃縮燃料から構成され、さらに高濃縮燃料は可燃性毒物
入り燃料棒本数が異なる高濃縮Aタイプと高濃縮Bタイ
プからなる。高濃縮Aタイプは高濃縮Bタイプに比べて
可燃性毒物を含んだ燃料捧の本数が1本以上多く、かつ
炉心装荷体系無限配列における中性子増倍率が最大とな
る燃焼度がBタイプのそれよりも高い。
【0061】装荷パターンは、炉心最外周と最外周から
2層目にはBタイプを配置し、コントロールセルには低
濃縮燃料を配置し、その他の部分は低濃縮燃料、中濃縮
燃料、高濃縮燃料Aタイプ、およびBタイプを適切に装
荷することによって構成する複数の単位格子からなる。
【0062】なお、この装荷例においては、コントロー
ルセルに面隣接する箇所には低濃縮燃料を配置していな
い。多種類濃縮度の燃料で構成する初装荷炉心では、炉
心内における燃料毎の中性子スペクトルの違いが顕著と
なる。低濃縮燃料が4体で構成されるコントロールセル
は中性子スペクトルが軟らかい、即ち炉心内において局
所的に熱中性子束が高い領域となる。従って、コントロ
ールセルに面隣接する箇所には低濃縮燃料以外の燃料を
配置することにより、炉心内において局所的に熱中性子
束が高い領域を拡大することがないように配慮してい
る。
【0063】最外周および最外周から2層目は、中性子
の漏れが大きく熱中性子束が小さいため燃焼が進みにく
い。それに対し炉心中心付近は中性子の漏れが少なく燃
焼がよく進む。
【0064】燃料集合体の無限増倍率はU−235など
の核分裂性物質の濃縮度にほぼ比例するので、燃焼が進
んで核分裂性物質が消費するとともに小さくなる。しか
し、燃料に可燃性毒物を添加すると、燃焼初期の無限増
倍率が抑えられる。可燃性毒物は、中性子を吸収すると
自分自身の中性子吸収効果を失ってしまうので、燃焼が
進むとともに可燃性毒物は減衰していく。それに伴い、
無限増倍率の値は上昇していく。そして、ある燃焼度以
降においては、無限増倍率が減少するという傾向を示
す。
【0065】低濃縮燃料は濃縮度が1.5wt%以下
と、もともと濃縮度が他の燃料に比べて低く、無限増倍
率の値が小さいうえに、大部分のものは第1サイクル終
了後に取り出される。燃料経済性の観点からは、第1サ
イクルにおいてできる限り核分裂性物質を燃焼させ、残
留濃縮度を低減する必要がある。従って、燃料捧が吸収
した熱中性子をできるだけ核分裂に寄与させるために、
可燃性毒物を含む燃料棒を用いないようにし、これによ
り、無限増倍率は燃焼度と共に値が小さくなる。
【0066】一方、中濃縮燃料の濃縮度は2.数wt%
程度であり、可燃性毒物を添加しないと燃焼初期の無限
増倍率は1.2程度とかなり大きくなることから、それ
を抑制するために、数本の可燃性毒物を含む燃料捧が必
要となる。また、中濃縮燃料は大部分のものが第2サイ
クル終了時に取り出されるため、無限増倍率が最大とな
る燃焼度は、第1サイクル終了時よりも若干低くなるよ
うに調整する。そうすることによって、第2サイクルに
おける中濃縮燃料は、あたかも第1サイクルにおける低
濃縮燃料の如くなるので、燃料棒が吸収した熱中性子を
効率よく核分裂に寄与することができ、その結果取出時
における残留濃縮度を低減することができる。
【0067】さらに、高濃縮燃料は中濃縮燃料よりも濃
縮度が高く、4.0wt%程度となることもあり、燃焼
初期の無限増倍率を抑制するための可燃性毒物入り燃料
捧の本数は、中濃縮燃料の場合よりも多く必要となる。
また、高濃縮燃料は第3サイクル以降に取り出されるた
めに、無限増倍率が最大となる燃焼度は、第2サイクル
終了時の燃焼度よりも若干低くなるようにする必要があ
る。こうすることによって、第3サイクル以降における
高濃縮燃料は、あたかも第1サイクルにおける低濃縮燃
料や、第2サイクルにおける中濃縮燃料の如くなるの
で、取出時における残留濃縮度を低減することができ
る。
【0068】しかしながら、現状の設計においては、可
燃性毒物の濃度に関して後述するように、その上限値が
定められているため、可燃性毒物の濃度のみで所要の無
限増倍率が最大となる燃焼度を得られない場合もある。
そのようなときには、可燃性毒物を含む燃料棒の本数を
増やすことにより、無限増倍率が最大となる燃焼度を延
ばす必要がある。
【0069】可燃性毒物としては現在、前述したよう
に、主にGd(ガドリニウム)が酸化物となった形態の
Gd23(ガドリニア)として用いられている。一般
に、燃焼初期の無限増倍率を抑制するには、可燃性毒物
を添加した燃料棒の本数を増やし、また無限増倍率が最
大となる燃焼度を延ばすには、可燃性毒物の濃度を高め
れば良い。しかしながら、Gd23濃度を上げると、ぺ
レットの熱伝導率が悪くなり、また融点が下がることが
知られており、このため燃料棒の出力の制約が課せられ
る。そこで、現状ではGd23の上限濃度を7.5wt
%として制限している。前述したように、高濃縮燃料の
無限増倍率が最大となる燃焼度はかなり長いことが要求
されるため、最近の設計例では、高濃縮燃料のGd23
濃度としては上限濃度である7.5wt%を用いてい
る。
【0070】高濃縮燃料において、さらにAタイプとB
タイプの無限増倍率が最大となる燃焼度の差をつけるに
は、大きく分けて3通りの考えがある。
【0071】第1案は可燃性毒物を含む燃料捧の本数を
等しくして、可燃性毒物の濃度を変える方法であり、第
2案は可燃性毒物の濃度を等しくして、可燃性毒物を含
む燃料棒の本数を変える方法である。第3案はそれらを
組み合わせた発想であり、可燃性毒物の濃度と可燃性毒
物を含む燃料捧の本数の両方とも変える方法である。
【0072】第1案では、無限増倍率が最大となる燃焼
度は変わるものの、未燃焼時の無限増倍率抑制効果はほ
とんど変わらない。一方、第2案では無限増倍率が最大
となる燃焼度のみならず、未燃焼時の無限増倍率も異な
った値が得られる。第3案ではこれらを組み合わせた効
果が得られる。
【0073】結果的に、第2案および第3案のように、
可燃性毒物を含む燃料捧の本数を変えた方が、無限増倍
率が最大となる燃焼度が異なる燃料が実現できるのみな
らず、未燃焼時における無限増倍率の異なる燃料を装荷
できるようになり、炉心設計上の融通性も増すので、利
点が大きい。第2案の場合は、炉心設計上の融通性は第
3案よりも低下するが、第3案に比べて可燃性毒物の濃
度種類が少ないため、製造上有利になるという特徴があ
る。
【0074】本発明のように、最外周および最外周から
2層目に高濃縮燃料を装荷する炉心の場合、燃焼の進み
にくい最外周および最外周から2層目には、無限増倍率
が最大となる燃焼度の短い高濃縮燃料Bタイプを装荷
し、またそれ以外の領域の一部には、無限増倍率が最大
となる燃焼度が高濃縮燃料Bタイプより長い高濃縮燃料
Aタイプを装荷することによって、サイクルを通じた炉
心断面径方向の出力バランスを保つことが可能となる。
【0075】しかしながら、高濃縮燃料が唯1種類のみ
の場合、下記のような問題が生じる。即ち、サイクル初
期における炉心断面の径方向出力分布をバランス良く維
持していても、燃焼が進むにつれて炉心中心付近の可燃
性毒物の燃焼が効率よく進むのに伴って、炉心中心付近
の相対出力が高くなる。しかしながら、さらに燃焼が進
むと、炉心中心付近の燃料の可燃性毒物は減少してしま
い、その後は中性子増倍率が単調減少していくに伴って
相対出力も小さくなっていく。
【0076】一方、炉心外周領域の燃料は炉心中心付近
の燃料の可燃性毒物が減少した状態になっても、まだ可
燃性毒物は十分残っている。即ち、炉心中心付近の相対
出力は減少していく傾向にあるのに対し、炉心外周領域
の燃料は中性子増倍率がまだ増加しており、それに伴っ
て相対出力も増加していく傾向にある。つまり、サイク
ル中期から末期になると、炉心外周領域の相対出力が高
くなる。このように炉心断面の径方向における出力分布
のバランスが悪くなる、即ち、炉心径方向の出力ピーキ
ングが高くなるということは、燃料の線出力密度や、最
小限界出力比といった原子炉の運転において、制約が課
せられている熱的条件が厳しくなるということであり、
それだけ原子炉運転上の裕度が減少するということであ
る。
【0077】このようにならないように、本発明による
炉心においては、炉心断面の径方向における相対出力分
布がサイクルを通じてほぼ平坦になるように、Bタイプ
の無限増倍率が最大となる燃焼度よりも、Aタイプの無
限増倍率が最大となる燃焼度を高くする。Aタイプの無
限増倍率が最大となる燃焼度を高くするには、第1案の
ように可燃性毒物の濃度を上げるか、あるいは第2案の
ように可燃性毒物を含む燃料棒の本数を増やすか、ある
いは第3案のようにそれらを適切に組み合わせる方法が
あるが、炉心設計上の融通性の高い第2案あるいは第3
案の考えを採用するものとし、高濃縮燃料Bタイプより
もAタイプの可燃性毒物を含む燃料棒本数を1本以上多
くしている。
【0078】第2案と第3案とを比較すると、第2案は
可燃性毒物の濃度が固定しているのに対し、第3案は可
燃性毒物の濃度および本数が制約を受けないという点で
燃料設計上の自由度が大きい。即ち、第3案に基づく燃
料を用いると燃料設計および炉心設計はより容易にな
る。しかしながら、第2案は可燃性毒物の濃度が固定し
ているので、ぺレット製造上の加工経済性の観点から有
利であるという特徴がある。従って、燃料および炉心設
計の融通性を優先するのであれば第3案を採用し、経済
性を優先するのであれば第2案を採用するというように
使い分ければ良い。
【0079】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る原子炉の炉心
の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0080】(第1の実施形態)(請求項1〜5対応) 図1は、本発明の第1の実施形態を示すもので、初装荷
炉心Dの1/4部の燃料集合体を示す配置図である。
【0081】本実施形態においては、燃料集合体が集合
体濃縮度の違いによって3種類、即ち高濃縮度燃料1
1,12、中濃縮度燃料13、および低濃縮度燃料14
に分けられている。さらに、高濃縮度燃料11,12
は、ガドリニア入り燃料棒本数の違いにより2種類に分
けられ、一方は高濃縮度低Gd燃料11、他方は高濃縮
度高Gd燃料12とされている。よって、合計4種類の
燃料集合体で炉心Dが構成されている。
【0082】高濃縮度低Gd燃料11は200体、高濃
縮度高Gd燃料12は228体、中濃縮度燃料13は1
84体、低濃縮度燃料14は260体で、合計872体
である。炉心Dの外周の燃料単位を構成しない燃料集合
体は、すべて高濃縮度低Gd燃料11とされている。炉
心外周の反射体Eに面する燃料単位Cは、4体の高濃縮
度低Gd燃料11で構成され、または3体の高濃縮度低
Gd燃料11と1体の高濃縮度高Gd燃料12とで構成
されている。
【0083】3体の高濃縮度低Gd燃料11と1体の高
濃縮度高Gd燃料12とで構成される燃料単位Cの中で
は、高濃縮度高Gd燃料12が炉心Dの中心Oに最も近
い位置に配置してある。反射体Eに面してはいないが、
反射体Eに面する燃料単位Cに隣接する燃料単位Cに
は、高濃縮度低Gd燃料11が2体または1体含まれる
か、全く含まれていない。反射体Eに面しないで、かつ
反射体Eに面する燃料単位に隣接もしない燃料単位Cに
は、高濃縮度低Gd燃料11は一切含まれていない。
【0084】このような炉心Dの構成において、炉心外
周部に位置する燃料集合体では中性子の漏れがあるた
め、出力はあまり高くならない。このため、炉心Dの中
央部Oに位置する燃料集合体の出力が相対的に高くな
り、熱的に厳しくなる。平衡炉心では、炉心最外周に燃
焼の最も進んだ燃料集合体を配置し、中性子の漏れを少
なくすることが経済的に有利であるが、初装荷炉心で
は、例えば特開昭60−71987号公報「沸騰水型原
子炉の運転方法」のように、第1サイクルにおいて、低
中性子漏洩型の炉心でなくても経済性上必ずしも不利に
はならない。
【0085】炉心外周部の出力を高くすることができれ
ば、相対的に炉心中央部Oの燃料集合体の出力は低くす
ることができるので、熱的特性の改善が可能となる。炉
心Dの最外周部に最高濃縮度の燃料集合体11,12を
配置するだけでも、最外周部に最低濃縮度の燃料集合体
14を配置した場合よりも径方向出力分布が平坦にな
る。ただし、炉心Dの内部にも最高濃縮度の燃料集合体
11,12が多数配置されるため、外周部に配置される
最高濃縮度の燃料集合体11,12の出力は高くする
が、炉心内部の最高濃縮度の燃料集合体11,12の出
力は上げない方法を考える必要がある。
【0086】最高濃縮度の燃料集合体11,12はガド
リニア入り燃料棒により初期の出力を抑えているが、こ
のガドリニア入り燃料棒の本数を変えることにより、同
じ濃縮度の燃料集合体11,12でも燃焼初期の無限増
倍率を異ならせることが可能である。
【0087】図2は、ガドリニア入り燃料棒の本数を異
ならせた2種類の最高濃縮度の初装荷燃料集合体11,
12の無限増倍率の燃焼度変化を示している。この図2
に示すように、両者の無限増倍率の差は、燃焼初期にお
いて最も大きく、ガドリニアの燃焼とともに差が縮ま
り、ガドリニアが燃え尽きた後はほとんど差がなくな
る。
【0088】図3は、本実施形態の効果を示したもので
あり、第1サイクル初期の運転状態の炉心半径方向の位
置と相対出力との関係を示す特性図で、本実施形態の炉
心Dの出力分布と従来の炉心の径方向の出力分布とを比
較して示したものである。従来の炉心としては、平衡サ
イクル模擬の初装荷炉心を取り上げている。
【0089】本実施形態の炉心Dでは、炉心外周部に最
高濃縮度でガドリニア入り燃料棒本数の少ない燃料集合
体11が配置されているため、従来の炉心に比べて出力
が高くなり、相対的に炉心中央部の出力が低くなる。こ
のようにして燃料集合体の出力の均一化を図ることによ
り、最大線出力密度や最小限界出力比のような熱的特性
を改善することができる。
【0090】ただし、炉停止余裕の観点からは、出力の
高くなりやすい燃料が集中することは不利である。炉停
止余裕とは、冷温状態で最も反応度制御効果の大きい制
御捧が引き抜かれ、他の制御棒はすべて挿入された状態
での未臨界度をいう。一つの燃料単位に出力の高くなり
易い燃料を集中すると、最も反応度制御効果の大きい制
御棒が引き抜かれることによる反応度変化が大きくな
る。冷温で殆どの制御棒が挿入された状態では、中性子
の移動距離が運転状態に比べて小さくなるので炉心外周
からの中性子の漏れの影響は炉心最外周の1〜2層程度
に限定される。よって、炉心外周部で反射体Eに面する
燃料単位Cには高濃縮度低Gd燃料11を3体以上装荷
できるが、それより内側の燃料単位Cでは高濃縮度低G
d燃料11を2体以下にすることが炉停止余裕の点から
必要である。
【0091】本実施形態では、径方向出力分布の平坦化
により熱的特性を改善しつつ、炉停止余裕も従来の初装
荷炉心に遜色ない初装荷炉心を実現することができる。
【0092】(第2の実施形態)(請求項6対応) 図4は本発明の第2の実施形態を示すもので、初装荷炉
心の1/4部の燃料集合体配置図である。
【0093】本実施形態では、燃料集合体が集合体濃縮
度の違いにより2種類、即ち高濃縮度燃料41,42,
43と、低濃縮度燃料44とに種分けされ、さらに高濃
縮度燃料41,42,43はガドリニア入り燃料棒本数
の違いにより3種類、即ち高濃縮度低Gd燃料41、高
濃縮度中Gd燃料42、および高濃縮度高Gd燃料43
に分けられている。よって、合計4種類の燃料集合体で
炉心Dが構成されている。高濃縮度低Gd燃料41は1
32体、高濃縮度中Gd燃料42は164体、高濃縮度
高Gd燃料43は380体、低濃縮度燃料44は196
体で、合計872体である。
【0094】この実施形態による炉心Dは極めて高い経
済性を狙ったもので、コントロールセル15以外は、ほ
とんどすべてが高濃縮度燃料41,42,43である。
この高濃縮度燃料41,42,43が前記のように、ガ
ドリニア入り燃料棒本数の違いにより分けられている。
炉心最外周の燃料集合体92体のほか、反射体Eにコー
ナ部で接する燃料集合体40体が高濃縮度低Gd燃料4
1である。中性子の漏れが大きい位置であるので、高濃
縮度低Gd燃料41の燃焼初期の無限増倍率をかなり大
きくすることができる。
【0095】炉心内部には、高濃縮度中Gd燃料42と
高濃縮度高Gd燃料43とが配置されているが、炉心外
周から2,3層目には、高濃縮度中Gd燃料42が比較
的多くなるようにしている。最外周部に燃焼初期の無限
増倍率のかなり大きな燃料集合体を配置できるので、高
濃縮度燃料をガドリニア入り燃料棒本数の違いで2種類
に分けている場合よりも、さらに径方向出力分布の平坦
化が図れる。
【0096】(第3の実施形態)(請求項7,9対応) 図5は本発明の第3の実施形態を示すもので、初装荷炉
心の1/4部の燃料集合体配置図である。
【0097】燃料集合体は集合体濃縮度の違いにより3
種類、即ち高濃縮度燃料51,52、中濃縮度燃料5
3、および低濃縮度燃料54に種分けされ、さらに高濃
縮度燃料51,52はガドリニア入り燃料棒本数の違い
により2種類、即ち高濃縮度低Gd燃料51、高濃縮度
高Gd燃料52に分けられている。よって、合計4種類
の燃料集合体で炉心Dが構成されている。高濃縮度低G
d燃料51は88体、高濃縮度高Gd燃料52は344
体、中濃縮度燃料53は204体、低濃縮度燃料54は
236体で、合計872体である。
【0098】前述した第1,2の実施形態の初装荷炉心
は、いずれも炉心Dの最外周に高濃縮度燃料を配置した
ものであるが、この第3の実施形態の初装荷炉心は、炉
心Dの最外周に低濃縮度燃料54を配置したものであ
る。炉心Dの最外周に低濃縮度燃料54を配置した場合
には、高濃縮度燃料51,52を配置した場合よりも径
方向出力分布の平坦化には不利であるが、ある程度の平
坦化は可能である。このため、高濃縮度低Gd燃料51
を炉心の最外周から2層目に配置している。高濃縮度低
Gd燃料51は、炉心の最外周から2層目以外には装荷
しないことで、かなり燃焼初期の無限増倍率を大きくす
ることができる。
【0099】(第4の実施形態)(請求項8,9対応) 図6は本発明の第4の実施形態を示しており、初装荷炉
心の1/4部の燃料集合体配置図である。
【0100】燃料集合体は集合体濃縮度の違いにより3
種類、即ち高濃縮度燃料61,62、中濃縮度燃料6
3、および低濃縮度燃料64に種分けされ、さらに高濃
縮度燃料61,62はガドリニア入り燃料棒本数の違い
により2種類、即ち高濃縮度低Gd燃料61と高濃縮度
高Gd燃料62とに分けられている。よって、合計4種
類の燃料集合体で炉心Dが構成されている。高濃縮度低
Gd燃料61は88体、高濃縮度高Gd燃料62は34
8体、中濃縮度燃料63は236体、低濃縮度燃料64
は200体で、合計872体である。
【0101】この第4の実施形態によれば、炉心Dの最
外周部に中濃縮度燃料63を配置した場合でも、第3の
実施形態の初装荷炉心と同様に、炉心Dの最外周から2
層目に高濃縮度低Gd燃料61を配置することで、径方
向出力分布を平坦化することができる。
【0102】(第5の実施形態)(請求項10対応) 図7は本発明の第5の実施形態を示すもので、初装荷炉
心の1/4部の燃料集合体配置図である。
【0103】燃料集合体は集合体濃縮度の違いにより3
種類、即ち高濃縮度燃料71、中濃縮度燃料72,7
3、および低濃縮度燃料74に種分けされ、さらに中濃
縮度燃料72,73はガドリニア入り燃料棒本数の違い
により2種類、即ち中濃縮度低Gd燃料72と、中濃縮
度高Gd燃料73とに分けられている。よって、合計4
種類の燃料集合体で炉心Dが構成されている。
【0104】高濃縮度燃料71は436体、中濃縮度低
Gd燃料72は92体、中濃縮度高Gd燃料73は14
4体、低濃縮度燃料74は200体で、合計872体で
ある。
【0105】本実施形態の初装荷炉心は、第4の実施形
態の初装荷炉心と同様に、炉心Dの最外周部に中濃縮度
燃料72を配置しているが、中濃縮度燃料自身をガドリ
ニア入り燃料棒本数の違いで2種類に分け、そのうちの
中濃縮度低Gd燃料72を炉心の最外周に配置すること
により、径方向出力分布の平坦化を図っている。
【0106】(第6の実施形態)(請求項11対応) 図8は本発明の第6の実施形態を示すもので、初装荷炉
心の1/4部の燃料集合体配置図である。
【0107】本実施形態では、燃料集合体が集合体濃縮
度の違いにより4種類、即ち最高濃縮度の燃料集合体8
1と、2番目に濃縮度の高い燃料集合体82と、3番目
に濃縮度の高い燃料集合体83と、最低濃縮度の燃料集
合体84とに種分けされている。よって、合計4種類の
燃料集合体で炉心Dが構成されている。
【0108】このうち、3番目に濃縮度の高い燃料集合
体83と、最低濃縮度の燃料集合体84とは、ガドリニ
ア入り燃料棒を有しない。最高濃縮度の燃料集合体81
は436体、2番目に濃縮度の高い燃料集合体82は1
44体、3番目に濃縮度の高い燃料集合体83は92
体、最低濃縮度の燃料集合体84は200体で、合計8
72体である。
【0109】本実施形態において、ガドリニア入り燃料
棒を有しない燃料集合体83,84については、燃焼初
期から出力が急速に低下していく。この場合、ある程度
濃縮度が高くガドリニア入り燃料棒を有しない燃料集合
体83を炉心最外周に用いれば、第1サイクルの初期だ
けは径方向出力分布を平坦化できる。炉心最外周の燃料
集合体は出力が高くなりにくいため、かなり濃縮度の高
い燃料集合体でも、ガドリニア入り燃料棒を入れる必要
がない。
【0110】(第7の実施形態)(請求項12対応) 図9〜図16は、本発明の第7の実施形態を示してい
る。
【0111】図9は、本実施形態による炉心Dの1/4
部の燃料集合体配置図である。
【0112】この炉心Dは濃縮度の異なる3種類の燃料
集合体である低濃縮燃料集合体1、中濃縮燃料集合体
2、および高濃縮燃料集合体3から構成され、さらに高
濃縮燃料集合体3は可燃性毒物入り燃料棒本数が異なる
高濃縮タイプ3Aと高濃縮タイプ3Bからなる。
【0113】高濃縮タイプ3Aは、高濃縮タイプ3Bに
比べて可燃性毒物を含んだ燃料捧の本数が1本以上多
く、かつ炉心装荷体系無限配列における中性子増倍率が
最大となる燃焼度がタイプ3Bのそれよりも高い。装荷
パターンについては、炉心最外周と最外周から2層目
(斜線で示す)にはタイプ3Bを配置し、制御棒Aと4
つの燃料集合体Bからなるコントロールセル15には低
濃縮燃料集合体1を配置し、その他の部分には低濃縮燃
料集合体1、中濃縮燃料集合体2、高濃縮燃料タイプ3
A、および高濃縮燃料タイプ3Bを適切に配置すること
によって、複数の単位格子を構成している。
【0114】なお、この装荷例においては、コントロー
ルセル15に面隣接する箇所に、低濃縮燃料集合体1を
配置していない。その理由は以下の通りである。即ち、
多種類濃縮度の燃料集合体で構成する初装荷炉心では、
炉心内における燃料毎の中性子スペクトルの違いが顕著
となる。低濃縮燃料集合体1が4体で構成されるコント
ロールセル15は、中性子スペクトルが軟らかい、即ち
炉心内において局所的に熱中性子束が高い領域となる。
従って、コントロールセル15に面隣接する箇所には、
低濃縮燃料集合体1以外の燃料集合体を配置することに
より、炉心内において局所的に熱中性子束が高い領域を
拡大することがないように配慮したものである。最外周
および最外周から2層目は中性子の漏れが大きく、熱中
性子束が小さいため燃焼が進みにくい。それに対し、炉
心中心付近は中性子の漏れが少なく、燃焼がよく進む。
【0115】図10は、燃料集合体の炉心装荷体系無限
配列における中性子増倍率(無限増倍率)の燃焼度に対
する変化を示すものである。
【0116】燃料集合体の無限増倍率は、U−235な
どの核分裂性物質の濃縮度にほぼ比例するので、図10
の特性線aに示すように、燃焼が進んで核分裂性物質が
消費するとともに小さくなる。しかし、燃料に可燃性毒
物を添加すると、特性線bに示すように、燃焼初期の無
限増倍率が抑えられる。可燃性毒物は中性子を吸収する
と自分自身の中性子吸収効果を失ってしまうので、燃焼
が進むとともに可燃性毒物は減衰していく。それに伴
い、無限増倍率の値は上昇していく。そして、ある燃焼
度c以降は無限増倍率が減少していくという傾向を示
す。
【0117】図11は、異なる3種類の濃縮度の燃料集
合体から構成される初装荷炉心の炉心装荷体系無限配列
における中性子増倍率(無限増倍率)の燃焼度に対する
変化を示した特性図である。この図11において、実線
dは低濃縮燃料集合体の特性を示し、破線bは中濃縮燃
料集合体の特性を示し、一点鎖線fは高濃縮燃料集合体
の特性を示している。
【0118】低濃縮燃料集合体は濃縮度が〜1.5wt
%程度と、もともと濃縮度が他の燃料集合体に比べて低
く、無限増倍率の値が小さいうえに、大部分のものは第
1サイクル終了後に取り出される。燃料経済性の観点か
らは第1サイクルにおいて、できる限り核分裂性物質を
燃焼させ、残留濃縮度を低減する必要がある。従って、
燃料捧が吸収した熱中性子をできるだけ核分裂に寄与さ
せるために可燃性毒物を含む燃料棒はなく、実線dで示
す低濃縮燃料集合体の無限増倍率は燃焼度とともに値が
小さくなる。
【0119】一方、中濃縮燃料集合体は濃縮度が2.数
wt%であり、可燃性毒物を添加しないと燃焼初期の無
限増倍率は1.2程度とかなり大きくなることから、そ
れを抑制するために、数本の可燃性毒物を含む燃料捧が
必要となる。また、中濃縮燃料集合体は大部分のものが
第2サイクル終了時に取り出されるため、無限増倍率が
最大となる燃焼度は破線eで示すように、第1サイクル
終了時よりも若干低くなるように調整する。そうするこ
とによって、第2サイクルにおける中濃縮燃料集合体
は、あたかも第1サイクルにおける低濃縮燃料集合体の
如くなるので、燃料棒が吸収した熱中性子を効率よく核
分裂に寄与することができ、その結果取出時における残
留濃縮度を低減する事ができる。
【0120】さらに高濃縮燃料集合体は、中濃縮燃料集
合体よりも濃縮度が高く、4.0wt%程度にまでなる
こともあり、燃焼初期の無限増倍率を抑制するための可
燃性毒物入り燃料捧の本数は、中濃縮燃料集合体の場合
よりも多く必要となる。また、高濃縮燃料集合体は第3
サイクル以降に取り出されるため、一点鎖線fで示すよ
うに、無限増倍率が最大となる燃焼度は第2サイクル終
了時の燃焼度よりも若干低くなるようにする必要があ
る。こうすることによって、第3サイクル以降における
高濃縮燃料集合体は、あたかも第1サイクルにおける低
濃縮燃料集合体や第2サイクルにおける中濃縮燃料集合
体の如くなるので、取出時における残留濃縮度を低減す
ることができる。
【0121】しかしながら、現状の設計においては後述
するように、可燃性毒物の濃度に関してその上限値が定
められているため、可燃性毒物の濃度のみで所要の無限
増倍率が最大となる燃焼度を得られない場合もある。そ
のようなときには、可燃性毒物を含む燃料棒の本数を増
やすことによって、無限増倍率が最大となる燃焼度を延
ばす必要がある。前述したように、可燃性毒物には、G
d(ガドリニウム)が酸化物の形態であるGd23(ガ
ドリニア)として多く用いられており、燃焼初期の無限
増倍率を抑制するには、可燃性毒物を添加した燃料棒の
本数を増大し、また無限増倍率が最大となる燃焼度を延
ばすためには、可燃性毒物の濃度を高めればよい。しか
しながら、Gd23濃度を上げると、ぺレットの熱伝導
率が悪くなり融点が下がることが知られており、燃料棒
の出力の制約が課せられる。
【0122】このため現状では、Gd23の上限濃度を
7.5wt%として制限している。前述したように、高
濃縮燃料集合体の無限増倍率が最大となる燃焼度を得る
ためには、かなりの長さが要求されるため、最近の設計
例では高濃縮燃料集合体のGd23濃度として上限濃度
である7.5wt%を用いている。高濃縮燃料集合体に
おいてさらにタイプAとタイプBの無限増倍率が最大と
なる燃焼度の差をつけるには、大きく分けて3通りの考
えがある。
【0123】その第1案は可燃性毒物を含む燃料捧の本
数を等しくして可燃性毒物の濃度を変える方法である。
第2案は可燃性毒物の濃度を等しくして可燃性毒物を含
む燃料棒の本数を変える方法である。第3案はそれらを
組み合わせた発想であり、可燃性毒物の濃度と可燃性毒
物を含む燃料捧の本数の両方とも変える方法である。
【0124】第1案では図12に示すように、無限増倍
率が最大となる燃焼度は変わるものの未燃焼時の無限増
倍率抑制効果はほとんど変わらない。一方、第2案では
図13に示すように、無限増倍率が最大となる燃焼度の
みならず、未燃焼時の無限増倍率も異なった値が得られ
る。第3案では、これらを組み合わせた効果が得られ
る。結果的に、第2案および第3案のように可燃性毒物
を含む燃料捧の本数を変えた方が、無限増倍率が最大と
なる燃焼度が異なる燃料が実現できることのみならず、
未燃焼時における無限増倍率の異なる燃料集合体を装荷
できるようになり、炉心設計上の融通性も増すので利点
は大きい。
【0125】第2案の場合は、炉心設計上の融通性は第
3案より悪くなるが、第3案に比べて可燃性毒物の濃度
種類が少ないので、製造上有利になるという特徴があ
る。ちなみに、図12および図13は、燃料集合体の平
均濃縮度が同一である燃料集合体において、可燃性毒物
の濃度が同じであるが可燃性毒物を含んだ燃料棒の本数
が異なる場合(図13)と、可燃性毒物を含んだ燃料棒
の本数が同一であるが可燃性毒物の濃度が異なる場合
(図12)における炉心装荷体系無限配列における中性
子増倍率(無限増倍率)を比較した例である。
【0126】図13に示す特性において、特性線gの燃
料集合体に比べて、特性線hの燃料集合体は、可燃性毒
物の本数が多い。また、図12に示す特性において、特
性線iの燃料集合体に比べて、特性線jの燃料集合体は
可燃性毒物の濃度が高い。
【0127】本実施形態のように、最外周および最外周
から2層目に高濃縮燃料集合体を装荷する炉心の場合、
燃焼の進みにくい最外周および最外周から2層目に装荷
する高濃縮燃料集合体Bタイプは、無限増倍率が最大と
なる燃焼度cの短いものとし、それ以外の領域の一部に
は、無限増倍率が最大となる燃焼度cが高濃縮燃料Bタ
イプより高い高濃縮燃料Aタイプを装荷することによ
り、図14に例示すように、サイクルを通じた炉心断面
径方向の出力バランスを保つことが可能となる。
【0128】しかしながら、図15の炉心装荷例に示す
ように、高濃縮燃料集合体3が唯1種類のみの場合、以
下に記するような問題が生じる。即ち、図16のIに例
示するように、サイクル初期における炉心断面における
径方向出力分布をバランス良く維持していても、燃焼が
進むにつれて炉心中心付近の可燃性毒物の燃焼が効率よ
く進むのに伴い、図16のIIのように、炉心中心付近
の相対出力が高くなる。しかしながら、さらに燃焼が進
むと炉心中心付近の燃料の可燃性毒物は減少してしま
い、その後は中性子増倍率が単調減少し、それに伴い相
対出力も小さくなっていく。一方、炉心外周領域の燃料
は炉心中心付近の燃料の可燃性毒物が減少した状態にな
っても、未だ可燃性毒物が十分残っている。つまり、炉
心中心付近の相対出力は減少していく傾向にあるのに対
し、炉心外周領域の燃料集合体は中性子増倍率がまだ増
加しており、それに伴って相対出力も増加してゆく傾向
にある。即ち、サイクル中期から末期になると、図16
のIIIに示すように、炉心外周領域の相対出力が高く
なる。
【0129】このように、炉心断面の径方向における出
力分布のバランスが悪くなる。このように、炉心径方向
の出力ピーキングが高くなるということは、燃料の線出
力密度や、最小限界出力比といった原子炉の運転におい
て制約が課せられている熱的条件が厳しくなるというこ
とであり、それだけ原子炉運転上の裕度が減少するとい
うことである。このようなことにならないように、本実
施形態の炉心においては、炉心断面の径方向における相
対出力分布が図14の如く、サイクルを通じてほぼ平坦
になるようにBタイプの無限増倍率が最大となる燃焼度
cよりもAタイプの無限増倍率が最大となる燃焼度cを
高くするのである。無限増倍率が最大となる燃焼度を長
くするには、前述した第1案のように、可燃性毒物の濃
度を上げるか、あるいは第2案のように可燃性毒物を含
む燃料棒の本数を増やすか、あるいは第3案のようにそ
れらを適切に組み合わせる方法があるが、本実施形態で
は炉心設計上の融通性の高い第2案あるいは第3案の考
えを採用するものとし、高濃縮燃料BタイプよりもAタ
イプの可燃性毒物を含む燃料棒本数を1本以上多くして
いる。
【0130】第2案と第3案とを比較すると、第2案は
可燃性毒物の濃度が固定しているのに対し、第3案は可
燃性毒物の濃度および本数が制約を受けないという点で
燃料設計上の自由度が大きい。即ち、第3案に基づく燃
料集合体を用いると燃料設計および炉心設計はより容易
になる。しかしながら、第2案は可燃性毒物の濃度が固
定しているので、ぺレット製造上の加工経済性の観点か
ら有利であるという特徴がある。従って、燃料および炉
心設計の融通性を優先するのであれば、第3案を採用
し、経済性を優先するのであれば第2案を採用するとい
う様に使い分ければ良い。
【0131】(第8の実施形態)(請求項13〜15対
応) 本実施形態は各燃料の濃縮度、可燃性毒物の分布につい
てのものであり、図17〜図20にその分布例を示して
いる。なお、これらの図においては、左上に制御捧Aが
ある場合の各燃料棒の濃縮度および可燃性毒物分布を示
しており、図17は低濃縮燃料の濃縮度分布例、図18
は中濃縮燃料の濃縮度およびGd分布例、図19は高濃
縮燃料Aタイプの濃縮度およびGd分布例、図20は高
濃縮燃料Bタイプの濃縮度およびGd分布例をそれぞれ
示している。
【0132】これらの例では、燃料捧を9行9列に正方
配列した燃料集合体が示してあり、○は燃料棒を、また
○内の数字は燃料棒の濃縮度の種類を示しており、数字
の若い順に濃縮度が高い。Wはウオータロッドであり、
燃料集合体の中心付近における減速材を確保するために
水を通す中空管である。このタイプの燃料では、太径の
ウオータロッドを2本有している。Gは可燃性毒物であ
るGd23を含んだ燃料捧である。
【0133】この実施形態は既に述ベた第2案に基づく
一例であり、中濃縮燃料集合体、高濃縮燃料集合体(タ
イプA、タイプB)間で同一のGd23濃度を用いてぺ
レットの共通化を図ることで燃料製造時における経済性
向上を図っており、Gd23を含んだ燃料捧の本数によ
って無限増倍率が最大となる燃焼度を調整している。
【0134】ここで装荷する低濃縮燃料集合体1、中濃
縮燃料集合体2、高濃縮燃料集合体3(3A,3B)の
各燃料における集合体平均濃縮度、可燃性毒物棒本数、
可燃性毒物濃度の一例を下記の表1に示す。
【0135】
【表1】
【0136】図21は、これら燃料集合体の炉心装荷体
系無限配列における中性子増倍率(無限増倍率)の燃焼
度に対する変化を示している。即ち図21に示すよう
に、可燃性毒物を含んだ燃料棒本数が増えると可燃性毒
物の寿命、つまり無限増倍率が最大となるまでの燃焼度
も高くなり、例えば低濃縮燃料集合体1が0本(a
では0GWd/t 、中濃縮燃料集合体2が4本(a)では
9GWd/t 、高濃縮燃料タイプ3Bが10本(a3b)で
は17GWd/t 、高濃縮燃料タイプ3Aが14本(第2案
におけるa3A)では19GWd/t となる。
【0137】ここで示すタイプ3Aとタイプ3Bは、そ
れぞれ可燃性毒物であるGd23を含んだ燃料棒の本数
がそれぞれ14本、10本であり、その差は4本であ
る。そして、無限増倍率が最大となるまでの燃焼度の差
は約2GWd/t である。これらは請求項13、14、15
の好適な1例にもなっている。
【0138】第2案のように、可燃性毒物の濃度がタイ
プ3Aとタイプ3Bで同一であるという制約を受ける場
合、最低でも4本程度は可燃性毒物を含む燃料棒数の差
をつけないと、タイプ3Aおよびタイプ3Bの燃料集合
体の無限増倍率が最大となる燃焼度の有為な差が得られ
ない。
【0139】一方、第3案の場合、可燃性毒物の濃度を
タイプ3Aとタイプ3Bで異なる値を用いることができ
るので、可燃性毒物を含む燃料棒本数の差が4本未満で
あっても、タイプ3Aおよびタイプ3B燃料集合体の無
限増倍率が最大となる燃焼度の有為な差をつけることが
できる。
【0140】第3案の低濃縮燃料集合体1、中濃縮燃料
集合体2、高濃縮燃料集合体3A、高濃縮燃料集合体3
B各燃料集合体の集合体平均濃縮度、可燃性毒物棒本
数、可燃性毒物濃度の一例を下記の表2に示す。
【0141】
【表2】 上記の低濃縮燃料集合体1、中濃縮燃料集合体2、高濃
縮燃料集合体タイプ3Bの濃縮度および可燃性毒物濃度
分布の一例は図17、図18、図20と同じである。
【0142】一方、タイプ3Aの濃縮度および可燃性毒
物濃度分布の一例を図22に示す。
【0143】この典型例に示すタイプ3Aでは、図21
の3A(第3案)に示すように、無限増倍率が最大とな
る燃焼度は第2案のそれと同じ19GWd/t となるように
可燃性毒物を含む燃料棒数および可燃性毒物濃度を調整
したものである。仮にタイプ3Aの可燃性毒物本数をタ
イプ3Bのそれと同じ10本にして、可燃性毒物濃度を
上記値よりもさらに上げることによっても、図21の3
A(第1案)に示すように、無限増倍率が最大となる燃
焼度として前記と同じ程度の値を得る事は可能である。
これが第1案の考え方であるが、第2案および第3案の
ように、タイプ3Aとタイプ3Bの可燃性毒物を含む燃
料棒の本数差を1本以上つけることによって、未燃焼時
における無限増倍率の値の差もつけることができ、炉心
設計上における融通性は高い。
【0144】第1案、第2案、第3案いずれの方法であ
っても、炉心断面における径方向相対出力分布は局所的
に多少の違いはあっても、サイクルを通じてほぼ図23
に示すような傾向を取る。即ち、サイクルを通じて径方
向における相対出力の最大値である出力ピーキングがあ
まり高くなることがなく、良好な運転特性が得られる。
ただし、第1案の場合は、タイプ3Aとタイプ3Bの未
燃焼時における無限増倍率がほぼ等しいので、炉心設計
上の融通性が少ないのに対し、第2案、第3案の場合は
炉心設計上の融通性が高く、図9の燃料装荷パターン例
以外にも良好な炉心特性を有する設計が何通りか得られ
る。
【0145】図24は、タイプ3Aとタイプ3Bの無限
増倍率が最大となる燃焼度の差が7GWd/t のときの、炉
心断面における径方向相対出力分布の例である。このと
き図16の傾向とは逆に、まず炉心外周領域における相
対出力が高くなり、次に炉心中心付近の相対出力が高く
なることがわかる。即ち、タイプ3Aとタイプ3Bの無
限増倍率が最大となる燃焼度の差は大きすぎてもよくな
い。従って、本発明の請求項13に示すように、タイプ
AとタイプBの無限増倍率が最大となる燃焼度の差は5
GWd/t 以下がよい。
【0146】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る原子炉の初
装荷炉心によれば、第1サイクル、特にその初期におけ
る炉心の径方向出力分布を平坦化することにより、熱的
特性を改善することができ、炉心平均濃縮度を高めて経
済性の向上が図れる。
【0147】また、本発明に係る原子炉の炉心によれ
ば、濃縮度の異なる3種類の燃料集合体、低濃縮燃料、
中濃縮燃料、および高濃縮燃料から構成され、炉心最外
周と最外周から2層目に全て高濃縮燃料が配置し、コン
トロールセルは全て低濃縮燃料を配置する炉心におい
て、高濃縮燃料を2つのタイプに分け、一方のタイプを
他方のタイプに比べて、可燃性毒物入り燃料棒本数が1
本以上多く、かつ炉心装荷体系無限配列における中性子
増倍率が最大となる燃焼度が低くすることにより、炉心
特性を悪化することなく、取出燃料の残留濃縮度を低め
て燃料経済性をさらに向上することができるという効果
が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による初装荷炉心を示
す燃料集合体の配置図。
【図2】本発明の第1の実施形態の初装荷炉心に使用す
る高濃縮度燃料の無限増倍率の燃料変化を示す図。
【図3】本発明の第1の実施形態の初装荷炉心の第1サ
イクル初期の運転状態の炉心半径方向の位置と相対出力
との関係を示す特性図。
【図4】本発明の第2の実施形態による初装荷炉心を示
す燃料集合体の配置図。
【図5】本発明の第3の実施形態による初装荷炉心を示
す燃料集合体の配置図。
【図6】本発明の第4の実施形態による初装荷炉心を示
す燃料集合体の配置図。
【図7】本発明の第5の実施形態による初装荷炉心を示
す燃料集合体の配置図。
【図8】本発明の第6の実施形態による初装荷炉心を示
す燃料集合体の配置図。
【図9】本発明の第7の実施形態による炉心を示す燃料
集合体の配置図。
【図10】本発明の第7の実施形態における燃料集合体
の炉心装荷体系無限配列における中性子増倍率の燃焼度
に対する変化を示す図。
【図11】本発明の第7の実施形態における多種類濃縮
度炉心に装荷される低濃縮燃料、中濃縮燃料、高濃縮燃
料それぞれの炉心装荷体系無限配列における中性子増倍
率の燃焼度に対する変化を示す図。
【図12】本発明の第7の実施形態における可燃性毒物
燃料棒本数が同じで可燃性毒物濃度が異なる場合におけ
る中性子増倍率の燃焼度に対する変化を示す図。
【図13】本発明の第7の実施形態における可燃性毒物
濃度が同じで可燃性毒物燃料棒本数が異なる場合におけ
る中性子増倍率の燃焼度に対する変化を示す図。
【図14】本発明の第7の実施形態における炉心断面の
径方向における相対出力分布を示す概念図であり、サイ
クルを通じて相対出力の最大値、即ち出力ピーキングが
小さい安定した状態を示す図。
【図15】本発明の第7の実施形態において、高濃縮燃
料の仕様が唯1種類のときで、最外周および最外周から
2層目に高濃縮燃料を装荷した状態を示す配置図。
【図16】本発明の第7の実施形態において、炉心断面
の径方向における相対出力分布を示す概念図。
【図17】本発明の第7の実施形態において、低濃縮燃
料、中濃縮燃料、高濃縮タイプA燃料、高濃縮タイプB
燃料のー実施例を示す濃縮度・可燃性毒物濃度分布図。
【図18】本発明の第7の実施形態において、低濃縮燃
料、中濃縮燃料、高濃縮タイプA燃料、高濃縮タイプB
燃料のー実施例を示す濃縮度・可燃性毒物濃度分布図。
【図19】本発明の第7の実施形態において、低濃縮燃
料、中濃縮燃料、高濃縮タイプA燃料、高濃縮タイプB
燃料のー実施例を示す濃縮度・可燃性毒物濃度分布図。
【図20】本発明の第7の実施形態において、低濃縮燃
料、中濃縮燃料、高濃縮タイプA燃料、高濃縮タイプB
燃料のー実施例を示す濃縮度・可燃性毒物濃度分布図。
【図21】実施例に記載した低濃縮燃料、中濃縮燃料、
高濃縮タイプA燃料、高濃縮タイプB燃料の炉心装荷体
系無限配列における中性子増倍率(無限増倍率)の燃焼
度に対する変化を示す図。
【図22】本発明の第8の実施形態における高濃縮タイ
プ3A燃料を示す図。
【図23】本発明の第8の実施形態において、炉心径方
向の相対出力分布を示す図。
【図24】本発明の第8の実施形態において、高濃縮タ
イプA燃料、高濃縮タイプB燃料の無限増倍率が最大と
なる燃焼度の差が7GWd/t である時における炉心径方向
の相対出力分布を示す概念図。
【図25】本発明が適用される燃料単位を示す模式的な
平面図。
【図26】本発明が適用される炉心の燃料配置を示す模
式的な平面図。
【図27】従来の初装荷炉心で平衡炉心を模擬した燃料
集合体の配置図。
【図28】従来の初装荷炉心で高濃縮度燃料の割合を増
やした燃料集合体の配置図。
【図29】従来例を説明するもので、最高濃縮度の初装
荷燃料集合体と取替燃料集合体の無限増倍率の燃焼変化
を比較して示す図。
【図30】従来例を説明するもので、最高濃縮度の初装
荷燃料集合体と取替燃料集合体との局所ピーキング係数
の燃焼変化を比較して示す図。
【符号の説明】
A 制御棒 B 燃料集合体 C 燃料単位 D 燃料単位を構成しない燃料集合体 E 炉心 F 反射体 O 炉心中心 1 低濃縮燃料 2 中濃縮燃料 3 高濃縮燃料 3A 高濃縮タイプA燃料 3B 高濃縮タイプB燃料 11 高濃縮度低Gd燃料 12 高濃縮度高Gd燃料 13 中濃縮度燃料 14 低濃縮度燃料 15 コントロールセル 41 高濃縮度低Gd燃料 42 高濃縮度中Gd燃料 43 高濃縮度高Gd燃料 44 低濃縮度燃料 51 高濃縮度低Gd燃料 52 高濃縮度高Gd燃料 53 中濃縮度燃料 54 低濃縮度燃料 61,62 高濃縮度燃料 63 中濃縮度燃料 64 低濃縮度燃料 71 高濃縮度燃料 72 中濃縮度低Gd燃料 73 中濃縮度高Gd燃料 74 低濃縮度燃料 81 1番目に濃縮度の高い燃料集合体 82 2番目に濃縮度の高い燃料集合体 83 3番目に濃縮度の高い燃料集合体 84 最低濃縮度の燃料集合体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒木 政彦 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1本の制御棒の周りに4体1組の燃料集
    合体を配置して燃料単位を構成し、この燃料単位を炉心
    全体に亘って多数配列する一方で、炉心外周側の一部に
    は前記燃料単位を構成しない燃料集合体を配列させてな
    る原子炉の炉心において、前記燃料集合体を集合体平均
    濃縮度の違いにより2種類以上に種分けし、さらに集合
    体平均濃縮度の最も高い燃料集合体を当該燃料集合体に
    含まれる可燃性毒物入り燃料棒の本数の違いにより2種
    類に種分けし、燃料単位を構成しない炉心外周側の燃料
    集合体のすべてと、炉心外周を覆う反射体に面する燃料
    単位を構成する燃料集合体の4体中3体以上とを、最高
    濃縮度でかつ可燃性毒物入り燃料棒本数が少ない燃料集
    合体としたことを特徴とする原子炉の初装荷炉心。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の炉心において、反射体に
    面する燃料単位を構成する燃料集合体のうち、当該燃料
    単位のなかで最も炉心中心に近い配置のものを、最高濃
    縮度ではなく、かつ可燃性毒物入り燃料棒本数が少ない
    ものでもない燃料集合体としたことを特徴とする原子炉
    の初装荷炉心。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の炉心において、反射体に
    面する燃料単位を構成する燃料集合体を、すべて最高濃
    縮度の燃料集合体としたことを特徴とする原子炉の初装
    荷炉心。
  4. 【請求項4】 請求項1から3までのいずれかに記載の
    炉心において、反射体に面する燃料単位以外の燃料単位
    であって、かつ反射体に面する燃料単位に隣接するもの
    の燃料集合体の4体中2体以下を、最高濃縮度でかつ可
    燃性毒物入り燃料棒本数が少ない燃料集合体としたこと
    を特徴とする原子炉の初装荷炉心。
  5. 【請求項5】 請求項1から4までのいずれかに記載の
    炉心において、反射体に面するものではなく、また反射
    体に面する燃料単位に隣接するものでもない燃料単位に
    ついては、最高濃縮度のものではなく、かつ可燃性毒物
    入り燃料棒本数が少ないものでもない燃料集合体を適用
    したことを特徴とする原子炉の初装荷炉心。
  6. 【請求項6】 1本の制御棒の周りに4体1組の燃料集
    合体を配置して燃料単位を構成し、この燃料単位を炉心
    全体に亘って多数配列する一方で、炉心外周側の一部に
    は前記燃料単位を構成しない燃料集合体を配列させてな
    る原子炉の炉心において、前記燃料集合体を集合体平均
    濃縮度の違いにより2種類以上に種分けし、さらに集合
    体平均濃縮度の最も高い燃料集合体を当該燃料集合体に
    含まれる可燃性毒物入り燃料棒の本数の違いにより3種
    類に種分けし、炉心外周を覆う反射体に面する燃料集合
    体をすべて最高濃縮度で、かつ可燃性毒物入り燃料棒の
    本数が3種類のうち最少の本数のものとしたことを特徴
    とする原子炉の初装荷炉心。
  7. 【請求項7】 1本の制御棒の周りに4体1組の燃料集
    合体を配置して燃料単位を構成し、この燃料単位を炉心
    全体に亘って多数配列する一方で、炉心外周側の一部に
    は前記燃料単位を構成しない燃料集合体を配列させてな
    る原子炉の炉心において、前記燃料集合体を集合体平均
    濃縮度の違いにより2種類以上に種分けし、さらに集合
    体平均濃縮度の最も高い燃料集合体を当該燃料集合体に
    含まれる可燃性毒物入り燃料棒の本数の違いにより2種
    類に種分けし、炉心外周を覆う反射体に面する燃料集合
    体をすべて最高濃縮度のものとし、また炉心最外周から
    2層目の燃料集合体をすべて最高濃縮度でかつ可燃性毒
    物入り燃料棒本数が少ないものとしたことを特徴とする
    原子炉の初装荷炉心。
  8. 【請求項8】 1本の制御棒の周りに4体1組の燃料集
    合体を配置して燃料単位を構成し、この燃料単位を炉心
    全体に亘って多数配列する一方で、炉心外周側の一部に
    は前記燃料単位を構成しない燃料集合体を配列させてな
    る原子炉の炉心において、前記燃料集合体を集合体平均
    濃縮度の違いにより3種類以上に種分けし、さらに集合
    体平均濃縮度の最も高い燃料集合体を当該燃料集合体に
    含まれる可燃性毒物入り燃料棒の本数の違いにより2種
    類に種分けし、炉心最外周の燃料集合体をすべて集合体
    平均濃縮度が中位の燃料集合体とし、また炉心最外周か
    ら2層目の燃料集合体をすべて最高濃縮度でかつ可燃性
    毒物入り燃料棒の本数が少ないものとしたことを特徴と
    する原子炉の初装荷炉心。
  9. 【請求項9】 請求項7または8記載の炉心において、
    最高濃縮度でかつ可燃性毒物入り燃料棒の本数が少ない
    燃料集合体は炉心の最外周から2層目以内に限って装荷
    したことを特徴とする原子炉の初装荷炉心。
  10. 【請求項10】 1本の制御棒の周りに4体1組の燃料
    集合体を配置して燃料単位を構成し、この燃料単位を炉
    心全体に亘って多数配列する一方で、炉心外周側の一部
    には前記燃料単位を構成しない燃料集合体を配列させて
    なる原子炉の炉心において、前記燃料集合体を集合体平
    均濃縮度の違いにより3種類以上に種分けし、さらに集
    合体平均濃縮度の最も高い燃料集合体を当該燃料集合体
    に含まれる可燃性毒物入り燃料棒の本数の違いにより2
    種類に種分けし、炉心最外周の燃料集合体をすべて集合
    体平均濃縮度が中位で、かつ可燃性毒物入り燃料棒の本
    数が少ないものとしたことを特徴とする原子炉の初装荷
    炉心。
  11. 【請求項11】 1本の制御棒の周りに4体1組の燃料
    集合体を配置して燃料単位を構成し、この燃料単位を炉
    心全体に亘って多数配列する一方で、炉心外周側の一部
    には前記燃料単位を構成しない燃料集合体を配列させて
    なる原子炉の炉心において、前記燃料集合体を集合体平
    均濃縮度の違いにより3種類以上に種分けし、集合体平
    均濃縮度が最も低い燃料集合体と2番目に低い燃料集合
    体とが可燃性毒物入り燃料棒を有しないものとし、また
    コントロールセルを構成する燃料単位に最低濃縮度の燃
    料集合体を配置するとともに、炉心最外周に集合体平均
    濃縮度が2番目に低い燃料集合体を配置したことを特徴
    とする原子炉の初装荷炉心。
  12. 【請求項12】 1本の制御棒の周りに4体1組の燃料
    集合体を配置して燃料単位を構成し、この燃料単位を炉
    心全体に亘って多数配列する一方で、炉心外周側の一部
    には前記燃料単位を構成しない燃料集合体を配列させて
    なる原子炉の炉心において、前記燃料集合体を集合体平
    均濃縮度の違いにより低濃縮燃料集合体、中濃縮燃料集
    合体および高濃縮燃料集合体の3種類に種分けし、その
    高濃縮燃料集合体をさらに可燃性毒物入り燃料捧の本数
    が異なるAタイプ,Bタイプの2つのタイプに種分け
    し、前記Aタイプの高濃縮燃料集合体は前記Bタイプの
    高濃縮燃料集合体よりも可燃性毒物入り燃料捧の本数が
    1本以上多く、かつ前記Bタイプの高濃縮燃料集合体の
    炉心装荷体系無限配列における中性子増倍率が最大とな
    る燃焼度が、前記Aタイプの高濃縮燃料集合体の炉心装
    荷体系無限配列における中性子増倍率が最大となる燃焼
    度よりも低いものとし、さらに燃料装荷パターンは、炉
    心最外周と最外周から2層目とにすべて前記Bタイプの
    高濃縮燃料集合体を配置し、かつコントロールセルを構
    成する燃料単位の燃料集合体をすべて前記低濃縮燃料と
    したことを特徴とする原子炉の炉心。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の炉心において、Bタ
    イプの高濃縮燃料集合体の炉心装荷体系無限配列におけ
    る中性子増倍率が最大となる燃焼度と、Aタイプの高濃
    縮燃料集合体の炉心装荷体系無限配列における中性子増
    倍率が最大となる燃焼度との差を、5GWd/t 以下とした
    ことを特徴とする原子炉の炉心。
  14. 【請求項14】 請求項12または13記載の炉心にお
    いて、AタイプおよびBタイプの各高濃縮燃料集合体に
    含まれる可燃性毒物入り燃料捧の本数の差を4本とした
    ことを特徴とする原子炉の炉心。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の炉心において、Aタ
    イプの各高濃縮燃料集合体に含まれる可燃性毒物入り燃
    料捧の本数を14本とし、かつBタイプの各高濃縮燃料
    集合体に含まれる可燃性毒物入り燃料棒の本数を10本
    としたことを特徴とする原子炉の炉心。
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