JPH1082337A - 内燃機関のアイドリング回転数制御装置 - Google Patents

内燃機関のアイドリング回転数制御装置

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JPH1082337A
JPH1082337A JP23697096A JP23697096A JPH1082337A JP H1082337 A JPH1082337 A JP H1082337A JP 23697096 A JP23697096 A JP 23697096A JP 23697096 A JP23697096 A JP 23697096A JP H1082337 A JPH1082337 A JP H1082337A
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JP
Japan
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internal combustion
combustion engine
air
cranking
passage
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JP23697096A
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Akio Kunimasa
愛生 國政
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Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 本発明は内燃機関のアイドリング回転数制御
装置に関し、アシストエアによる燃料霧化効果を得つつ
クランキング回転数の低下を防止することにより、内燃
機関の低温時における始動性を向上させることを目的と
する。 【解決手段】 クランキング始動開始後の内燃機関の回
転数がN0 回転に達するまでは、ISCVへの駆動信号
のデューティ比DOPがD0 とされる(ステップ10
9)。これによりISC開度が全閉とされると共にアシ
ストエア通路への空気量が確保され、インジェクタの噴
射燃料が霧化される。N0回転以降は、DOPが増加さ
れる(ステップ112)。このためISC開度が徐々に
増加され、吸気マニホールド内の負圧の上昇が抑制され
ることでクランキング回転数の低下が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のアイド
リング回転数制御装置に係わり、特に、エアアシスト型
インジェクタを備える内燃機関の低温時における円滑な
始動に好適な内燃機関のアイドリング回転数制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】エアアシスト・インジェクタは、燃料の
噴射口に空気を供給することで燃料と空気とを衝突・混
合させ、これにより噴射燃料の霧化を促進するものであ
る。エアアシスト・インジェクタの噴射口に供給される
空気を、以下、アシストエアと称する。燃料の霧化が促
進されると、内燃機関に吸入される混合気が均一化され
ることにより、内燃機関の燃焼性が向上される。エアア
シスト・インジェクタを備える内燃機関においては、吸
気管のスロットルバルブより上流側から、吸気マニホー
ルドに設けられたエアアシスト・インジェクタの噴射口
近傍に至るアシストエア通路が設けられる。そして、吸
気マニホールド内に発生される負圧により、空気がアシ
ストエア通路に吸入され、かかる空気がアシストエアと
してエアアシスト・インジェクタに供給される。
【0003】しかしながら、内燃機関の始動時において
は、機関回転数が低いために吸気マニホールド内に発生
される負圧は小さい。このため、エアアシスト・インジ
ェクタには十分なアシストエアが供給されず、エアアシ
スト・インジェクタによる燃料霧化効果は発揮され難
い。内燃機関の始動時における吸気マニホールド内の負
圧を上昇させる上では、例えば、実開昭58−1513
32号に開示される内燃機関のアイドル回転数制御装置
の如く、内燃機関のクランキング始動中にアイドルスピ
ード・コントロールバルブ(以下、ISCVと称する)
を全閉にすることが有効である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、内燃機関の
低温始動時には、クランキング回転数の上昇が抑制され
て内燃機関が始動され難い状態となる。かかる状態で、
上記従来の装置の如く、ISCVが全閉とされると、吸
気マニホールド内の負圧の上昇に伴うポンピングロスの
増大により、クランキング回転数の上昇は更に抑制さ
れ、内燃機関は更に始動され難くなる。従って、低温状
態における内燃機関の良好な始動を実現するためには、
エアアシスト・インジェクタに十分なアシストエアが供
給されるように、吸気マニホールド内に適切な負圧を発
生させつつ、クランキング回転数を一定以上に維持する
ことが必要とされる。しかしながら、上記従来の装置
は、エアアシスト・インジェクタの使用を前提としたも
のではなく、単に、バッテリへの負担を低減させること
を目的としてクランキング始動中にISCVを全閉とす
るものである。このため、上記従来の装置が、エアアシ
スト・インジェクタを備える内燃機関に適用された場
合、上述の如き理由により、低温状態においては内燃機
関を良好に始動させることができないことがある。
【0005】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、エアアシスト・インジェクタを備える内燃機関
の低温時における良好な始動性を実現することが可能
な、内燃機関のアイドリング回転数制御装置を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、吸気通路に設けられた吸入空気量調整
手段と、前記吸気通路の前記吸入空気量調整手段より下
流側に設けられた燃料噴射弁と、前記吸気通路の前記吸
入空気量調整手段より上流側の空気を前記インジェクタ
の噴射口に導くアシストエア通路と、を備える内燃機関
のアイドリング回転数を、前記吸入空気量調整手段の開
度を変化させることにより制御する内燃機関のアイドリ
ング回転数制御装置において、前記内燃機関の低温始動
時におけるクランキング状態において、該クランキング
状態の開始後所定期間、前記吸入空気量調整手段の開度
を所定値以下に設定すると共に、前記所定期間の経過
後、前記内燃機関が始動されていない場合には、前記吸
入空気量調整手段の開度を増加させる開度制御手段を備
える内燃機関のアイドリング回転数制御装置により達成
される。
【0007】本発明において、内燃機関の低温始動時に
おけるクランキング状態において、クランキング状態の
開始後所定期間、吸入空気量調整手段の開度は開度制御
手段により所定値以下に設定される。これにより、内燃
機関の吸入空気量は所定量以下に抑制され、吸気通路の
吸入空気量調整手段より下流側において負圧が発生す
る。アシストエア通路は、吸気通路の吸入空気量調整手
段より上流側の空気を、吸入空気量調整手段より下流側
に設けられた燃料噴射弁の噴射口に導く。吸気通路の吸
入空気量調整手段より上流側は大気圧に保たれている。
従って、吸気通路の吸入空気量調整手段より下流側に負
圧が発生されると、この負圧に応じた流量の空気がアシ
ストエア通路を経由して、燃料噴射弁の噴射口に供給さ
れる。燃料噴射弁の噴射口に空気が供給されると、燃料
が空気と衝突・混合されることで霧化され、これによ
り、燃料の燃焼性が向上される。このように、クランキ
ング状態の開始後所定期間においては、燃料の霧化によ
り燃焼性が向上される。
【0008】一般に、内燃機関の低温始動時において
は、クランキング回転数は低く抑制される。かかる低温
始動時において、クランキング状態の開始後、吸入空気
量が減少された状態で所定期間が経過すると、吸気通路
の流入空気量調整手段より下流側における負圧が上昇す
る。このため、内燃機関のポンピングロスが増大し、ク
ランキング回転数は低下する。本発明においては、クラ
ンキング状態の開始から所定期間経過後、内燃機関が始
動されていない場合には、開度制御手段により、吸入空
気量調整手段の開度が増加される。このため、吸気通路
の吸入空気量調整手段より下流側の負圧が減少される。
これにより、内燃機関のポンピングロスが抑制されるこ
とでクランキング回転数の低下が防止される。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例であるシ
ステムの構成図である。図1において内燃機関10はシ
リンダブロック12を備えている。シリンダブロック1
2の内部にはピストン14が液密かつ摺動可能に収納さ
れている。シリンダブロック12内部の、ピストン14
の上方側には、燃焼室16が形成されている。燃焼室1
6には、点火ブラグ18の先端が露出していると共に、
それぞれ吸気バルブ20及び排気バルブ22を介して、
吸気マニホールド24及び排気マニホールド26が連通
している。
【0010】吸気マニホールド24は、内燃機関10の
各気筒とサージタンク28とを連通する複数の枝管を備
えている。各枝管にはエアアシスト型のインジェクタ3
0が配設されている。内燃機関10においては、インジ
ェクタ30に供給する駆動信号の時間長を変更すること
で、燃料噴射量を変更することができる。なお、インジ
ェクタ30の詳細については後述する。サージタンク2
8の上流側には吸気管32が連通されている。吸気管3
2の内部には、スロットルバルブ34が配設されてい
る。スロットルバルブ34はアクセルペダルと連動して
作動するように構成されている。スロットルバルブ34
には、その開度を検出するスロットル開度センサ35が
連結されている。
【0011】吸気管32の、スロットルバルブ34より
下流側と上流側とは、バイパス通路36によりバイパス
されている。従って、スロットルバルブ34が全閉状態
であっても、バイパス通路36が導通状態であれば、内
燃機関10には空気が供給されることになる。バイパス
通路36には、ISCV38が配設されている。ISC
V38には、インジェクタ30の噴口部に連通するアシ
ストエア通路40が接続されている。ISCV38はロ
ータリー型のソレノイド式3方弁であり、吸気管32の
スロットルバルブ34より上流側から流入した空気を、
吸気管32のスロットルバルブ34より下流側に向けた
流れと、アシストエア通路40に向けた流れとに分流さ
せる。そして、ISCV38に供給される制御信号のデ
ューティ比DOPによりその開度が制御されることで、
バイパス通路36から吸気管32のスロットルバルブ3
4より下流側に流入する空気量、及び、バイパス通路3
6からアシストエア通路40へ流入する空気量が制御さ
れる。
【0012】図2にISCV38に供給される信号のデ
ューティ比DOPと、ISCV38を通過する全空気量
1 、バイパス通路36から吸気管32のスロットルバ
ルブ34より下流側へ流れる空気量q2 、及び、バイパ
ス通路36からアシストエア通路40へ流れる空気量q
3 との関係を、それぞれ、実線、一点鎖線、及び、破線
で示す。
【0013】図2からわかるように、DOP=0%で
は、ISCV38は全閉とされ、流量q1 、q2 、q3
は何れも最小とされる。DOPが増加すると、バイパス
通路36からアシストエア通路40へ流れる空気量q3
は、DOP<D0 ではDOPの増加に応じて上昇し、D
OP≧D0 では一定に保たれている。なお、バイパス通
路36からアシストエア通路40へ向かう流れに関する
ISCV38の開度を、以下、アシストエア開度と称す
る。即ち、DOP≧D0 では、アシストエア開度は全開
とされていることになる。
【0014】一方、バイパス通路36から吸気管32の
スロットルバルブ34より下流側へ流れる空気量q
2 は、DOP≦D0 の領域では略ゼロに保たれている。
なお、バイパス通路36から吸気管32のスロットルバ
ルブ34より下流側へ向かう流れに関するISCV38
の開度を、以下、ISC開度と称する。即ち、DOP≦
0 の領域ではISC開度は全閉とされていることにな
る。また、DOP>D0 の領域では、q2 はDOPの増
加に応じて上昇し、DOP=100%では最大となる。
【0015】このように、ISCV38に付与する制御
信号のデューティ比をD0 に設定することで、ISC開
度を全閉に保ちつつ、アシストエア通路40に流れる空
気量を最大限に確保することができる。また、DOPを
0 以上の領域で変化させることでISC開度を調整す
ることにより、内燃機関10のアイドリング回転数を制
御することができる。
【0016】再び図1を参照するに、吸気管32のスロ
ットルバルブ34より上流側には、エアフローメータ4
2が配設されている。更に、吸気管32のエアフローメ
ータ42より上流側にはエアフィルタ44が配設されて
いる。従って、吸気管32には、エアフィルタ44によ
り濾過された清浄な空気が流入される。
【0017】内燃機関10は、気筒判別センサ45、回
転角センサ46、水温センサ48、及び、スタータ50
を備えている。気筒判別センサ45は1回転に1回、所
定のクランク角毎にクランク角の基準となるクランク基
準信号(以下、G信号と称する)を出力するセンサであ
り、このG信号に基づいて内燃機関10の回転数NEが
回転センサ46からの出力信号より算出される。水温セ
ンサ48は内燃機関10の冷却水温度THWを検出する
センサである。また、スタータ50は電動式のモータで
あり、その出力軸が内燃機関10の出力軸に連結されて
いる。このため、スタータ50が起動されると、内燃機
関10の出力軸が強制的に回転されてクランキング状態
となり、これにより、内燃機関10のクランキング始動
が行われる。
【0018】上記した点火プラグ18、インジェクタ3
0、スロットル開度センサ35、ISCV38、エアフ
ローメータ42、回転角センサ46、及び、水温センサ
48は電子制御装置(以下、ECUと称す)52に接続
されている。更に、ECU52にはスタータ50がスタ
ータスイッチ54を介して接続されており、ECU52
はスタータスイッチ54のオン・オフ状態を検出するこ
とで、内燃機関10がクランキング状態にあるか否かを
判別することができる。ECU52は、スロットル開度
センサ35、エアフローメータ42、回転角センサ4
6、水温センサ48等の出力信号に基づいて、燃料噴射
量、点火時期、アイドル運転時の吸入空気量等を演算
し、内燃機関10の運転状態が良好に維持されるように
点火プラグ18、インジェクタ30、ISCV38等の
制御を行う。
【0019】次に、図3及び図4を参照してインジェク
タ30について説明する。図3はインジェクタ30の構
成図である。また、図4は、図3におけるA部の拡大図
を示す。図3において、インジェクタ30はハウジング
60を備えている。ハウジング60は、複数の部材が連
結されて構成されている。ハウジング60は、その内部
を軸方向に貫通する貫通孔62を備えている。貫通孔6
2は、図3中上方より順に、燃料通路64、燃料通路6
4に比して大径に形成されたプランジャ配設部66、及
び、プランジャ配設部66に比して更に大径に形成され
た弁配設部68を備えている。燃料通路64の図3中上
端部にはフィルタ70が配設されている。燃料通路64
には、図示しない燃料タンクからフィルタ70を介して
燃料が供給される。
【0020】プランジャ配設部66には、円筒状のコア
プランジャ72が軸方向に摺動可能に配設されている。
燃料通路64の周囲のコアプランジャ72より図3中上
方の部位には電磁コイル74が設けられている。電磁コ
イル74は配線コネクタ75を介してECU52に接続
されている。ECU52により電磁コイル74に通電さ
れると、電磁コイル74が発生する電磁力により、コア
プランジャ72は図3中上方に向けて付勢される。
【0021】弁配設部68にはバルブシート76が嵌入
されている。バルブシート76は、その内部を軸方向に
延びると共に燃料通路64と連通する通路78を備えて
いる。図4に示す如く、通路78はその図1中下端部に
おいて円錐状に径が絞られている。この円錐状部の頂部
には、極く小径に形成された噴射通路80の一端が開口
している。噴射通路80の他端はバルブシート76の図
4中下端面に開口している。
【0022】通路78の内部には、ニードル弁体82が
配設されている。ニードル弁体82は、その先端に備え
るニードル部が噴射通路80の開口部と対向するように
配設されている。ニードル弁体82はその最外径が通路
78の内径よりも僅かに小さくなるように形成されてい
る。このため、ニードル弁体82の外周と通路78の内
壁との間には所定の隙間が形成されている。ニードル弁
体82はコアプランジャ72の図3中下端部に連結され
ている。ニードル弁体82は、燃料通路64に設けられ
たスプリング83により、コアプランジャ72と共に図
3中下方に向けて付勢されている。従って、電磁コイル
68に通電されない状態では、ニードル弁体82の先端
のニードル部が噴射通路80の開口部に押圧されること
により、噴射通路80は閉塞されている。また、かかる
状態においては、燃料通路64とプランジャ配設部66
との境界部の段差面と、コアプランジャ72との間には
所定の隙間が形成されている。
【0023】バルブシート76の図3中下端部には、噴
射部材84が連結されている。図4に示す如く、噴射部
材84には、二股に分岐された噴霧通路85、86が形
成されている。噴霧通路85、86は共に噴射通路80
に連通されている。また、噴射部材84には、噴霧通路
85、86と噴射部材84の外部とをそれぞれ連通する
エア導入通路87、88が設けられている。
【0024】上記したインジェクタ30は、吸気マニホ
ールド24の側壁24aを貫通する取付開口90に装着
されている。取付開口90は、吸気マニホールド24の
外側から順に大径部90a、中径部90b、及び小径部
90cを備えている。インジェクタ30は、エア導入通
路87、88が取付開口90の中径部90b内に向けて
開口するように、ハウジング60の外周に設けられた固
定部材91により大径部90aにかしめ固定されてい
る。この固定部材91は、取付けのばらつき、及びエア
のシールの役目を有するゴム製の部材である。取付開口
90の中径部90bには、アシストエア通路40と連通
するエアギャラリー92が開口している。また、噴射部
材84の外周と取付開口90の小径部90cの内周との
間にはOリング94が配設されている。
【0025】上記したインジェクタ30の構成によれ
ば、燃料通路64に供給された燃料は、コアプランジャ
72の内側、及びニードル弁体82の外周部を介して、
通路78の図3中下端部まで導入される。上述の如く、
電磁コイル74に通電されない状態では、噴射通路80
はニードル弁体82により閉鎖されているため、燃料が
噴射通路80に導入されることはない。かかる状態から
電磁コイル74に通電されると、ニードル弁体82は、
電磁コイル74の発する電磁力によりコアプランジャ7
2を介して、スプリング83による付勢力に抗して図3
中上方へ付勢される。上述の如く、電磁コイル74に通
電されない状態においては、燃料通路64とプランジャ
配設部66との境界部の段差面と、コアプランジャ72
との間には所定の隙間が形成されている。このため、ニ
ードル弁体82及びコアプランジャはかかる隙間を狭め
るように図3中上方へ変位され、これにより、ニードル
弁体82は噴射通路80の開口部から離脱する。この結
果、噴射通路80は導通状態となり、燃料は噴射通路8
0に導入されて噴射通路80の図3中下端部から噴射さ
れる。従って、ECU52が電磁コイル74に供給する
励磁電流のデューティ比DOPを変化させることで、燃
料噴射量を制御することができる。
【0026】噴射通路80から噴射された燃料は、噴霧
通路85、86により2方向に分岐される。この際、燃
料は噴霧通路85、86の分岐部に形成されたコーナ部
(図4に示すB)に衝突することによりある程度微粒化
された後、噴霧通路85、86を経由して吸気マニホー
ルド24の内部に向けて噴射される。更に、吸気マニホ
ールド24に負圧が発生された状態で、ISCV38が
エアアシスト開度に関して開弁されると、吸気マニホー
ルド24の負圧によりアシストエア通路40にアシスト
エアが吸入される。かかるアシストエアはエアギャラリ
ー92からエア導入通路87、88を介して噴霧通路8
5、86に供給される。この場合、噴霧通路85、86
を流通する燃料がアシストエアと衝突・混合されること
により、燃料の霧化が促進される。このように、インジ
ェクタ30にアシストエアが供給されることにより燃料
の霧化が促進されることで、内燃機関10の燃焼室16
に導入される燃料と空気との混合気が均一化され、燃料
の燃焼性が向上される。かかる燃焼性の向上により、特
に内燃機関10の低温始動時における始動性が向上され
ることになる。
【0027】ところで、内燃機関10の低温始動時にお
いては、クランキング回転数が低いため、吸気マニホー
ルド24の負圧は上昇し難い状況となる。かかる状況に
おいて、通常の始動時の如くISC開度が全開とされる
と、吸気マニホールド24の負圧は更に上昇し難くな
る。上述の如く、アシストエアは、吸気マニホールド2
4に発生した負圧によりエアギャラリー92へ供給され
る。従って、吸気マニホールド24に負圧が発生しなけ
れば、エアギャラリー92にアシストエアは供給されな
いことになる。このように、内燃機関10の低温始動時
においては、アシストエアがエアギャラリー92に供給
されないため、アシストエアによる燃料の霧化効果を得
ることができなくなる。
【0028】内燃機関10の始動時における吸気マニホ
ールド24の負圧を上昇させる上では、機関始動時にI
SC開度を全閉とすることが有効である。しかしなが
ら、内燃機関10の低温始動時においては、クランキン
グ回転数は上昇し難い状態にある。かかる状態で、IS
C開度が全閉とされると、内燃機関10のポンピングロ
スが増大することに起因してクランキング回転数は更に
低下するため、内燃機関10は始動され難くなってしま
う。
【0029】このように、低温状態における内燃機関1
0の始動時においては、ISC開度を単に全開あるいは
全閉とするだけでは、クランキング回転数を保持して良
好な始動を実現しつつ、アシストエアによる燃料微粒化
効果を得ることができない。本実施例のシステムは、内
燃機関10の低温状態におけるクランキング始動時に、
ECU52がISCV38を適切に制御することによ
り、アシストエアによる燃料微粒化効果を得つつ、クラ
ンキング回転数を保持して良好な始動を実現することを
可能とした点に特徴を有している。かかるISCV38
の制御はECU52が所定のルーチンを実行することに
より実現される。以下、図5及び図6を参照して、本実
施例においてECU52が実行するルーチンの内容につ
いて説明する。
【0030】図5は、本実施例においてECU52が実
行するISCV制御ルーチンのフローチャートである。
本ルーチンはイグニッションスイッチがオンされた後、
所定の時間間隔で繰り返し実行される。図5に示すルー
チンが起動されると、先ず、ステップ101において、
スタータ50がオンされているか否かが判別される。ス
テップ101において、スタータ50がオンされていな
いと判別されると、内燃機関10はクランキング始動状
態ではないと判断されて、以後、何ら処理が実行される
ことなく今回のルーチンは終了される。一方、ステップ
101において、スタータ50がオンされていると判別
されると、内燃機関10はクランキング始動状態にある
と判断されて、以後、ステップ102以降において、ク
ランキング始動時のISCV38を制御するための処理
が実行される。
【0031】ステップ102では、水温THWに対して
THW≦THWaが成立するか否かが判別される。ここ
で、THWaは、内燃機関10が低温状態であるか否か
の基準となる水温THWに関する所定のしきい値であ
り、例えば、−30°Cに設定される。従って、ステッ
プ102においてTHW≦THWaが成立すると判別さ
れると、内燃機関10は低温状態にあると判断される。
この場合、以後、ステップ103以降において、内燃機
関10の低温始動に対する処理が実行される。一方、ス
テップ102においてTHW≦THWaが不成立である
と判別されると、内燃機関10は低温状態にはないた
め、低温始動のための処置は不要であると判断される。
この場合、次に、ステップ104において、常温におけ
る始動時の如く、ISCV38への制御信号のデューテ
ィ比DOPが100%に設定されて、ISC開度が全開
とされる。ステップ104の処理が終了されるとステッ
プ116の処理が実行される。
【0032】ステップ103では、本ルーチンの前回の
実行時において、スタータ50がオンされていたか否か
が判別される。ステップ103において肯定判別される
と、今回、新たにスタータ50が始動された、即ち、ク
ランキング始動が開始されたと判断されて、次に、ステ
ップ105において、スタータ50が始動された回数を
示すカウンタNSTAがインクリメントされる。ステッ
プ105の処理が終了されると、次に、ステップ106
の処理が実行される。一方、ステップ103において否
定判別されると、ステップ105はスキップされて、次
にステップ106の処理が実行される。
【0033】ステップ106では、NSTA=1が成立
するか否かが判別される。ステップ106においてNS
TA=1が成立すると判別されると、スタータ50の始
動は、イグニッションスイッチがオンされた後、1回目
であると判断されて、次に、ステップ107の処理が実
行される。
【0034】ステップ107では、スタータ50がオン
された後のG信号の入力回数NG が2以上であるか否か
が判別される。上述の如く、G信号は内燃機関10が1
回転する毎に1回入力される信号である。従って、ステ
ップ107において、NG <2であると判別されると、
内燃機関10のスタータ50がオンされた後の回転数は
2回転未満であると判断されて、次にステップ108の
処理が実行される。
【0035】ステップ108では、インジェクタ30に
よる燃料噴射量の増量率を示す係数KTAUSTに所定
値K0 が代入される。所定値K0 は1より大きい数であ
り、例えば、1.5に設定される。このステップ108
の処理が実行されることにより、インジェクタ30によ
る燃料噴射量は通常時のK0 倍に増加される。ステップ
108の処理が終了されると、次に、ステップ104に
おいて、DOPが100%に設定される。
【0036】一般に、内燃機関のクランキング始動時に
おいて燃料噴射が行なわれた場合に、クランキング回転
数が上昇することが実験的に確かめられている。従っ
て、上記ステップ108において、クランキング始動の
初期段階(最初の1〜2回転の間)における燃料噴射量
を増大させることで、クランキング回転数を上昇させる
ことができる。また、ステップ104において、ISC
V38が全開とされることで、内燃機関10のポンピン
グロスが抑制され、これにより、クランキング回転数は
更に上昇されることになる。このように、クランキング
始動時における最初の1〜2回転の間は、クランキング
回転数の確保を優先した処理が実行されることで、内燃
機関10の始動性の向上が図られている。
【0037】なお、ステップ106において、NSTA
=1が不成立であると判別された場合には、スタータ5
0の始動は1回目ではないと判断される。この場合、ス
タータ50の最初の始動時において、燃料噴射量を増加
させる処理が既に実行されていることになる。かかる場
合に、更に燃料噴射量を増加させると燃焼室16内の燃
料が過剰となって、却って始動性を悪化させる可能性が
ある。そこで、ステップ106においてNSTA=1が
不成立であると判別されると、ステップ107はスキッ
プされて、次に、ステップ109の処理が実行される。
【0038】上記ステップ107において、G信号が2
回以上入力されたと判別されると、内燃機関が2回転以
上したと判断されて、次にステップ109の処理が実行
される。ステップ109では、DOPがD0 に設定され
る。図2を参照して述べた如く、DOPがD0 に設定さ
れた場合、ISC開度は全閉とされると共に、アシスト
エア開度は全開とされる。即ち、吸気マニホールド24
内の負圧が上昇した状態でアシストエア開度が全開とさ
れることになる。従って、本ステップ109の処理によ
り、アシストエア通路40に流入する空気量を最大限に
確保することができる。ステップ109の処理が終了さ
れると、次に、ステップ110の処理が実行される。
【0039】ステップ110ではKTAUSTが1.0
に設定される。上述の如く、ステップ110の処理が実
行されるのは、内燃機関10が2回以上回転した後であ
る。かかる場合には、噴射燃料を増加させる処理を続行
すると、燃焼室16内の燃料が過剰となって、内燃機関
10の始動に悪影響を与える可能性がある。そこで、本
ステップ110においては、KTAUSTを1.0に設
定することにより、燃料増加処理を終了することとして
いる。
【0040】上述の如く、本実施例においては、内燃機
関が2回転するまでは燃料噴射量の増加とISC開度の
全閉とによりクランキング回転数の上昇を優先させ、そ
の後はアシストエアの増加を優先させる処理が実行され
る。従って、本実施例のシステムにおいては、クランキ
ング回転数が一定以上に確保された状態で、アシストエ
アにより霧化が促進された燃料が噴射されることで、内
燃機関10の低温時における始動性が向上されることに
なる。
【0041】ステップ110の処理が終了されると、次
にステップ111の処理が実行される。ステップ111
では、内燃機関10の回転数NEに対して、NE≧NE
sが成立するか否かが判別される。ここで、NEsは、
内燃機関10が始動したか否かの判断の基準となる回転
数NEに関する所定のしきい値であり、例えば、300
rpsに設定される。従って、ステップ111において
NE≧NEsが成立すると判別されると、内燃機関10
は始動されたと判断されて、以後、何ら処理が実行され
ることなく今回のルーチンは終了される。一方、ステッ
プ111において、NE≧NEsが不成立であると判別
されると、内燃機関10は未だ始動されていないと判断
されて、次にステップ112の処理が実行される。
【0042】ステップ112では、G信号の入力回数N
G がN0 以上であるか否かが判別される。ここで、N0
はISC開度の全閉処理に伴う吸気マニホールド24内
の負圧増大によるポンピングロスの増大と、バッテリの
放電とに起因するクランキング回転数の低下を考慮して
定められた所定の数であり、例えば6に設定される。即
ち、ステップ112において、NG ≧N0 が成立すると
判別された場合、内燃機関10は、ISC開度が全閉と
された状態でスタータ50によって(N0 −2)回以上
回転されていることになるため、吸気マニホールド24
内の負圧の上昇に伴うポンピングロスの増加と、スター
タ50の作動に伴う電力消費によるバッテリの放電とに
より、クランキング回転数が低下する可能性があると判
断される。この場合、次に、ステップ114においてD
OPに所定値αが加えられることでISC開度が増加さ
れ、これにより、吸気マニホールド24の負圧の上昇が
抑制される。以降、内燃機関10が始動されるまで、本
ルーチンが実行される毎にステップ114においてIS
C開度が増加されることになる。この結果、内燃機関1
0のポンピングロスが低減され、これにより、クランキ
ング回転数の低下が抑制される。ステップ114の処理
が終了されると、次に、ステップ116の処理が実行さ
れる。
【0043】上述の如く、本実施例においては、内燃機
関10が、アシストエアが増加された状態で(N0
2)回転しても始動しない場合には、アシストエア量の
確保による燃料の霧化を優先した状態から、クランキン
グ回転数の保持を優先した状態へ移行することで、内燃
機関10の始動性を維持することとしている。
【0044】上記ステップ112において、NG ≧6が
不成立であると判別された場合には、ISC開度が全閉
に保たれてもクランキング回転数が低下することはない
と判断される。従って、この場合、上記ステップ114
の処理はスキップされ、次にステップ116の処理が実
行される。
【0045】ステップ116では、DOPに対する上限
ガード処理が実行される。この上限ガード処理は、ステ
ップ114における処理が繰り返し実行されることによ
りDOPの値が過大となった場合に、DOPを適正な範
囲に抑制するために実行される。ステップ116の処理
が終了されると、今回のルーチンは終了される。
【0046】なお、上記ISCV制御ルーチンでは、ス
テップ112において内燃機関10がN0 回転したと判
別された時点で、ISC開度の増加を開始することとし
ているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ク
ランキング始動後、所定時間が経過した時点で、ISC
開度の増加を開始することとしてもよい。この場合、所
定時間は、上記所定値N0 の場合と同様に、ポンピング
ロスとバッテリの放電とを考慮して、クランキング回転
数が低下し始めると想定される時点でISC開度の増加
が開始されるように定めればよい。
【0047】また、上記ISCV制御ルーチンにおいて
は、ステップ109において、DOPをD0 に設定する
ことによりISC開度を全閉にすることとしているが、
本発明はこれに限定されるものではなく、燃料の霧化に
十分なアシストエアがインジェクタ30に供給される程
度の負圧が吸気マニホールド24内に発生されように、
ISC開度を閉じ側に設けることとすればよい。
【0048】次に、図6を参照して、本実施例におい
て、ECU52が実行するNSTA設定ルーチンの内容
を説明する。本ルーチンは、内燃機関10の状態に基づ
いて、クランキング始動初期における燃料噴射量を増大
させる処理を行なうべきか否かを判断し、その判断結果
に応じて変数NSTAの初期値を設定するものである。
従って、本ルーチンは、イグニッションスイッチがオン
された後、上記ISCV制御ルーチンよりも先に実行さ
れ、以後、所定の間隔で繰り返し実行される。
【0049】図6は、NSTA設定ルーチンのフローチ
ャートである。図6に示すルーチンが起動されると、先
ず、ステップ201において、フラグFNSTAがセッ
トされているか否かが判別される。ここで、フラグFN
STAは、イグニッションスイッチ・オン時にクリアさ
れ、後述する如く、NSTAの値の変更が禁止された場
合にセットされるフラグである。従って、ステップ20
1において、FNSTAがセットされていると判別され
ると、NSTAの変更は禁止されていると判断されて、
次に、ステップ202の処理が実行される。ステップ2
02では、イグニッションスイッチがオンされた後の水
温THWの最大値THWmaxが記憶・更新される。ス
テップ202の処理が終了されると今回のルーチンは終
了される。
【0050】一方、ステップ201においてフラグFN
STAがセットされていないと判別された場合には、次
に、ステップ203の処理が実行される。ステップ20
3では、THW≦THWaが成立するか否かが判別され
る。ステップ203において、THW≦THWaが成立
すると判別されると、内燃機関10は低温状態にあると
判断されて、次に、ステップ204において、ΔTHW
=THWmax−THWなる代入処理が実行される。ス
テップ204の処理が終了されると、次に、ステップ2
06の処理が実行される。
【0051】なお、上記ステップ204の処理が実行さ
れると、後述するステップ208において、フラグFN
STAがセットされ、次回以降、ステップ204の処理
が実行されることはない。このため、本ステップ204
の処理が実行されるのは、イグニッション・オン後、本
ルーチンが最初に起動され、かつ、ステップ203で肯
定判別された場合に限られる。従って、ステップ204
が実行される際には、ステップ202におけるTHWm
axの記憶・更新処理は未だ実行されておらず、THW
maxには、前回のイグニッション・オン状態における
水温の最大値が記憶されている。このため、ステップ2
04の処理が実行されると、ΔTHWには前回にイグニ
ッション・オン状態における水温の最大値からの水温の
減少幅が記憶されることになる。
【0052】一方、ステップ203においてTHW≦T
HWaが不成立であると判別されると、内燃機関10は
低温状態にないと判断されて、次に、ステップ205に
おいてNSTAが1に設定される。ステップ205の処
理が終了されると、次に、ステップ208の処理が実行
される。
【0053】上述の如く、上記図5に示すISCV制御
ルーチンにおいては、ステップ105においてNSTA
がインクリメントされた後、ステップ106においてN
STAが1に等しいと判別された場合に、ステップ10
7及び108においてクランキング始動初期における燃
料噴射量を増加させる処理が実行される。従って、本ル
ーチンのステップ205において、NSTAが1に設定
されると、ISCV制御ルーチンのステップ106にお
いて必ず否定判別されることになる。即ち、本ルーチン
において、内燃機関10が低温状態にないと判別された
場合には、燃料噴射量の増加によりクランキング回転数
を上昇させることは不要であると判断されてステップ2
05においてNSTAが1に設定されることで、ISC
V制御ルーチンにおける燃料噴射量を増加させる処理の
実行が禁止される。
【0054】ステップ206では、ΔTHW>TH0
成立するか否かが判別される。ここで、TH0 は、内燃
機関10が停止後十分な時間が経過したか否かの基準と
なる、水温の減少量ΔTHWに関する所定のしきい値で
あり、例えば、30°Cに設定される。一般に、内燃機
関の停止後の経過時間が短い場合には、低温状態にあっ
てもその再始動は比較的円滑に行なわれるのに対して、
停止後の経過時間が長くなると内燃機関は徐々に始動さ
れ難くなる。このため、上記所定値TH0 は、かかる観
点より、内燃機関10の停止後、内燃機関10が始動さ
れ難くなる程度に長時間経過したか否かの基準となるよ
うに設定される。
【0055】従って、ステップ206において、ΔTH
W>TH0 が成立すると判別されると、内燃機関10が
停止されてから長時間経過したため、内燃機関10は始
動され難い状態になっていると判断され、次に、ステッ
プ207においてNSTAがゼロに設定される。このス
テップ207における処理により、上述の如く、上記I
SCV制御ルーチンの実行時にステップ106において
肯定判別され、クランキング始動初期における燃料噴射
量が増加されることにより、内燃機関10の始動性が向
上されることになる。
【0056】一方、ステップ206において、ΔTHW
>TH0 が不成立であると判別されると、内燃機関10
が停止されてから十分な時間が経過していないため、内
燃機関10は始動され難い状態ではないと判断される。
従って、この場合には、燃焼噴射量を増大させることは
不要であると判断され、次に、ステップ205において
NSTAが1に設定される。
【0057】ステップ208では、フラグFNSTAが
セットされる。本ルーチンは、NSTAの初期値に対す
る処理を行なうものである。従って、上述の如きステッ
プ203以降におけるNSTAに対する処理は、本ルー
チンの最初の起動時にのみ実行されなければならない。
そこで、ステップ208においてフラグFNSTAをセ
ットすることで、本ルーチンの次回以降の起動時におけ
るNSTAに対する処理を禁止することとしている。ス
テップ208の処理が終了されると、次にステップ20
9の処理が実行される。ステップ209では、THWm
axに現在の水温THWが代入される。ステップ209
の処理が終了されると今回のルーチンは終了される。
【0058】上述の如く、本実施例のシステムにおいて
は、ECU52が上記ISCV制御ルーチン及びNST
A設定ルーチンを実行することにより、内燃機関10の
低温始動時において、クランキング始動の開始後、順
次、以下のような制御が実行される。 内燃機関10の最初の2回転目までは、燃料噴射量が
0 倍に増加されると共に、ISC開度が全開とされる
ことでポンピングロスが低減されることにより、クラン
キング回転数の上昇が図られる。 内燃機関10の2回転目からN0 回転目までは、DO
PがD0 に設定される。DOPがD0 に設定されると、
ISC開度が全閉とされることで吸気マニホールド24
内の負圧が上昇すると共にアシストエア開度が全開とさ
れる。これにより、インジェクタ30に供給されるアシ
ストエア量が一定以上に確保される。従って、上記の
処理によりクランキング回転数が上昇された状態で、内
燃機関10の2回転目からN0 回転目までにおいて本
の処理により燃料が霧化されることで、内燃機関10の
始動性が向上される。 内燃機関10のN0 回転目以降は、ISC開度が全閉
とされることによる吸気管32内の負圧の上昇と、バッ
テリの放電とに起因するクランキング回転数の低下を抑
制するため、ISC開度が徐々に増加される。これによ
り、クランキング回転数の低下が防止され、N0 回転目
までに上記の処理で内燃機関10が始動されなかった
場合にも、N0 回転目以降において始動を確実に行なう
ことが可能とされる。
【0059】このように、本実施例によれば、内燃機関
10の低温始動時において、アシストエアによる燃料の
霧化効果を得つつ、クランキング回転数の低下を防止す
ることができる。従って、本実施例のシステムにおいて
は、エアアシスト型のインジェクタ30を備える内燃機
関10の、低温時における良好な始動性を実現すること
が可能とされている。
【0060】なお、内燃機関の型式によっては、インジ
ェクタから噴射された燃料が点火プラグを直撃する構成
のものがある。本発明が、かかる型式の内燃機関に適用
された場合、上述の如く、クランキング始動直後におい
て燃料噴射量が増加されると、点火プラグに燃料が付着
することで、内燃機関の始動性は却って悪化してしま
う。従って、本発明をかかる型式の内燃機関に適用する
場合には、始動性を良好に保つため、燃料噴射量を増加
させる処理を行なわないことにすればよい。あるいは、
逆に、クランキング始動開始直後には燃料噴射量を減少
させる処理を実行することとしてもよい。
【0061】また、上記実施例においては、ISCV3
8としてロータリー型のものを用いたが、ステップモー
タにより駆動されるステップ型のISCVを用いること
としてもよい。この場合、ISCVの開度はステップモ
ータに供給する駆動信号のパルス数により制御されるこ
とになる。
【0062】また、上述の如く、クランキング始動直後
に燃料噴射量を増加させるのは、クランキング回転数の
上昇を目的とするものであり、内燃機関の始動を意図し
たものではない。従って、かかる処理の実行中には、点
火プラグ18の点火を停止させることにより、バッテリ
ーの放電を抑制することとしてもよい。
【0063】なお、上記実施例においては、吸気管3
2、サージタンク28、及び吸気マニホールド24が上
記した吸気通路に、ISCV38が上記した吸入空気量
調整手段に、ISCV38のISC開度が上記した吸入
空気調整手段の開度に、それぞれ相当している。また、
ECU52がISCV制御ルーチンを実行することによ
り上記した開度制御手段が実現されている。
【0064】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、クランキ
ング始動時にアシストエアによる燃料の霧化効果を得つ
つ、クランキング回転数の低下を防止することができ
る。これにより、内燃機関の良好な始動性を実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるシステムの構成図であ
る。
【図2】本実施例で用いられるISCVの流量特性を示
す図である。
【図3】本実施例で用いられるインジェクタの構成図で
ある。
【図4】本実施例で用いられるインジェクタの拡大図で
ある。
【図5】本実施例においてECUが実行するISCV制
御ルーチンのフローチャートである。
【図6】本実施例においてECUが実行するNSTA設
定ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
10 内燃機関 24 吸気マニホールド 30 インジェクタ 32 吸気管 38 ISCV 40 アシストエア通路 52 ECU

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気通路に設けられた吸入空気量調整手
    段と、前記吸気通路の前記吸入空気量調整手段より下流
    側に設けられた燃料噴射弁と、前記吸気通路の前記吸入
    空気量調整手段より上流側の空気を前記燃料噴射弁の噴
    射口に導くアシストエア通路と、を備える内燃機関のア
    イドリング回転数を、前記吸入空気量調整手段の開度を
    変化させることにより制御する内燃機関のアイドリング
    回転数制御装置において、 前記内燃機関の低温始動時におけるクランキング状態に
    おいて、該クランキング状態の開始後所定期間、前記吸
    入空気量調整手段の開度を所定値以下に設定すると共
    に、前記所定期間の経過後、前記内燃機関が始動されて
    いない場合には、前記吸入空気量調整手段の開度を増加
    させる開度制御手段を備えることを特徴とする内燃機関
    のアイドリング回転数制御装置。
JP23697096A 1996-09-06 1996-09-06 内燃機関のアイドリング回転数制御装置 Withdrawn JPH1082337A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013108409A (ja) * 2011-11-18 2013-06-06 Toyota Motor Corp 内燃機関の始動制御装置

Cited By (2)

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DE102012220642B4 (de) * 2011-11-18 2017-04-20 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Startsteuervorrichtung und Startsteuerverfahren für eine Maschine mit interner Verbrennung

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