JP3196573B2 - 内燃機関の始動制御装置 - Google Patents

内燃機関の始動制御装置

Info

Publication number
JP3196573B2
JP3196573B2 JP13177095A JP13177095A JP3196573B2 JP 3196573 B2 JP3196573 B2 JP 3196573B2 JP 13177095 A JP13177095 A JP 13177095A JP 13177095 A JP13177095 A JP 13177095A JP 3196573 B2 JP3196573 B2 JP 3196573B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
negative pressure
engine
fuel injection
intake
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13177095A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08326584A (ja
Inventor
宏樹 一瀬
伸治 定金
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP13177095A priority Critical patent/JP3196573B2/ja
Publication of JPH08326584A publication Critical patent/JPH08326584A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3196573B2 publication Critical patent/JP3196573B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の始動制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】吸気通路内に燃料を噴射する燃料噴射弁
と、燃料噴射弁上流でありかつサージタンク下流の吸気
通路内に配置された開閉弁と、機関始動時に開閉弁を閉
弁状態に保持する開閉弁制御手段とを備えた内燃機関が
公知である(実開平1−119874号公報参照)。こ
の内燃機関では、スタータモータの駆動が開始されたと
きに機関始動動作、すなわち例えば燃料噴射弁による燃
料噴射作用および点火栓による点火作用を開始すると共
に機関始動時、すなわちスタータモータが駆動せしめら
れてから機関回転数が予め定められた設定回転数よりも
高くなるまでの間、開閉弁を閉弁状態に保持することに
よって開閉弁下流の吸気通路内に大きな負圧が発生する
ようにし、この負圧によって燃料噴射弁から噴射された
噴射燃料ができるだけ微粒化されるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スター
タモータの駆動が開始された直後には開閉弁が閉弁され
ているといっても開閉弁下流の吸気通路内に生ずる負圧
は比較的小さく、したがってこのときに燃料噴射弁から
燃料を噴射しても噴射燃料を良好に微粒化できないとい
う問題点がある。噴射燃料を良好に微粒化できないと排
気通路内に多量の未燃HCが排出されることになる。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に1番目の発明によれば、吸気通路内に燃料を噴射する
燃料噴射弁と、燃料噴射弁上流の吸気通路内に配置され
て機関始動時に閉弁される開閉弁とを備えた内燃機関に
おいて、開閉弁下流の吸気通路内の負圧が予め定められ
た設定負圧よりも大きいか否かを判別する判別手段と、
スタータモータが駆動されてから判別手段により開閉弁
下流の吸気通路内の負圧が予め定められた設定負圧より
も大きいと判別されるまで燃料噴射弁による燃料噴射作
用を禁止する燃料噴射制御手段と、機関冷却水温が低い
とき程小さくなるように該設定負圧を設定する設定手段
を具備している。
【0005】2番目の発明によれば1番目の発明におい
て、内燃機関は吸気弁または排気弁の開弁期間を変更す
る開弁期間変更手段を具備しており、上記制御手段によ
り燃料噴射作用が禁止されている間開弁期間変更手段を
制御して吸気弁と排気弁との両方が同時に開弁している
オーバラップ期間をなくすようにしている。3番目の発
明によれば1番目の発明において、機関を停止すべきと
きに上記開閉弁を閉弁した後に機関停止動作を行うと共
機関停止に開閉弁を閉弁状態に保持する制御手段
を具備している。
【0006】
【作用】1番目の発明では、開閉弁下流の吸気通路内の
負圧が設定負圧よりも大きくなった後に燃料噴射弁によ
る燃料噴射作用を開始するようにしているので噴射燃料
の良好な微粒化が確保される。さらに、機関始動が確実
にかつ迅速に行われる。2番目の発明では1番目の発明
において、機関始動時に開閉弁下流の吸気通路内の負圧
が設定負圧よりも大きくなるまでオーバラップ期間がな
くされるので開閉弁下流の吸気通路内の負圧が排気通路
内に逃げるのが阻止される。
【0007】3番目の発明では1番目の発明において、
機関停止動作が行われた後に慣性でもってクランクシャ
フトが数回転して吸気行程が数回行われるが、このとき
開閉弁が閉弁されているのでこの機関回転によって開閉
弁下流の吸気通路内に負圧が形成され、この負圧が次回
の機関始動まで保持される。
【0008】
【実施例】図1には本発明を火花点火機関に適用した場
合を示しているが、本発明をディーゼル機関に適用する
こともできる。図1の内燃機関は例えば4つの気筒を備
えているが図1では1つの気筒のみが示される。図1を
参照すると、1はシリンダブロック、2はシリンダブロ
ック1内で往復動するピストン、3はシリンダブロック
1上に固定されたシリンダヘッド、4はピストン2の頂
面とシリンダヘッド3間に画定された燃焼室、5はシリ
ンダヘッド3内の吸気ポート6内に配置された吸気弁、
7はシリンダヘッド3内の排気ポート8内に配置された
排気弁、9は燃焼室4内に臨ませて配置された点火栓を
それぞれ示す。点火栓9は電子制御ユニット30からの
出力信号に基づいて制御される。各吸気ポート5はそれ
ぞれ対応する吸気枝管10を介して共通のサージタンク
11に接続され、サージタンク11は吸気ダクト12を
介してエアクリーナ13に接続される。各吸気枝管10
内にはそれぞれ対応する吸気枝管10内に燃料を噴射す
る燃料噴射弁14が配置される。これら燃料噴射弁14
は電子制御ユニット30からの出力信号に基づいてそれ
ぞれ制御される。一方、各排気ポート8は共通の排気マ
ニホルド(図示しない)を介して触媒コンバータ(図示
しない)に接続される。
【0009】吸気ダクト12内にはスロットル弁15が
配置される。スロットル弁15の開度は基本的にはアク
セルペダル(図示しない)の踏み込み量が大きくなるに
つれて大きくされるが、本実施例においてスロットル弁
15にはスロットル弁15を閉弁状態に保持するための
閉弁保持装置16が取付けられており、この閉弁状態保
持装置16がオンとされたときにはアクセルペダルの踏
み込み量に関わらずスロットル弁15は閉弁状態に保持
される。通常機関始動時にはアクセルペダルの踏み込み
量は零であるので特に閉弁保持装置16を設ける必要は
ないが、本実施例のように閉弁保持装置16を設けるこ
とにより機関始動時においてスロットル弁15を確実に
閉弁状態に保持することができる。なお、本実施例にお
いて閉弁保持装置16への電力供給が停止されると閉弁
保持装置16がオンとされ、その結果スロットル弁15
が閉弁状態に保持される。また、閉弁保持装置16は電
子制御ユニット30からの出力信号に基づいて制御され
る。
【0010】本実施例においてスロットル弁15は開閉
弁を構成する。開閉弁をスロットル弁15と別個に設け
てもよいが、本実施例のように開閉弁をスロットル弁1
5により構成することによって部品点数およびコストを
低減することができる。また、図1に示されるようにス
ロットル弁15を迂回してスロットル弁15上流の吸気
ダクト12とスロットル弁15下流の吸気ダクト12と
を互いに接続するバイバス通路17が設けられる。バイ
バス通路17内にはバイパス通路17内を流通する空気
量を制御するためのバイパス制御弁18が配置され、こ
のバイパス制御弁18の開度は機関アイドリング運転時
に機関回転数が目標回転数となるように制御される。な
お、バイパス制御弁18への電力供給が停止されるとバ
イバス制御弁18は閉弁状態に保持される。また、バイ
パス制御弁18は電子制御ユニット30からの出力信号
に基づいて制御される。
【0011】さらに図1を参照すると、吸気弁5を駆動
する駆動装置19には、吸気弁5の開弁期間を変更する
ための開弁期間変更装置20が取付けられる。この開弁
期間変更装置20は駆動装置19のカムが吸気弁5を開
弁方向に付勢し始める期間を変更することにより吸気弁
5の開弁期間を図2に示されるようにOP1またはOP
2のいずれか一方に制御する。図2において破線は排気
弁7の開弁期間を示しており、したがって吸気弁5の開
弁期間がOP1に設定されると吸気弁5と排気弁7との
両方が同時に開弁しているオーバラップ期間OLがOL
1とされる。これに対し吸気弁5の開弁期間がOP2に
設定されるとオーバラップ期間OLが零とされる。した
がって開弁期間変更装置20はオーバラップ期間OLを
OL1または零に変更するよう作用する。なお、開弁期
間変更装置20への電力供給が停止されると吸気弁5の
開弁期間がOP2に設定されてオーバラップ期間OLが
零とされる。また、開弁期間変更装置20は電子制御ユ
ニット30からの出力信号に基づいて制御される。
【0012】再び図1を参照すると、電子制御ユニット
30はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス3
1を介して相互に接続されたROM(リードオンリメモ
リ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、C
PU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート55およ
び出力ポート36を具備する。シリンダブロック1には
機関冷却水温THWに比例した出力電圧を発生する水温
センサ28が取付けられ、この水温センサ28の出力電
圧はAD変換器29を介して入力ポート35に入力され
る。吸気枝管10には吸気枝管10内の負圧MVに比例
した出力電圧を発生する負圧センサ37が取付けられ、
この負圧センサ37の出力電圧はAD変換器38を介し
て入力ポート35に入力される。CPU34ではこの出
力電圧に基づいて吸入空気量が算出される。したがって
図1の内燃機関では例えばスロットル弁15とエアクリ
ーナ13間にエアフローメータを設ける必要がないので
機関ポンピングロスが低減されている。また、入力ポー
ト35にはクランクシャフトが例えば30度回転する毎
に出力パルスを発生するクランク角センサ39が接続さ
れる。CPU34ではこの出力パルスに基づいて機関回
転数が算出される。さらに、イグニッションスイッチ4
0およびスタータモータスイッチ41のオン・オフ信号
がそれぞれ入力ポート35に入力される。これらイグニ
ッションスイッチ40およびスタータモータスイッチ4
1はキースイッチ41aを構成し、イグニッションスイ
ッチ40がオンされたときのみスタータモータスイッチ
41がオンとされるようになっている。スタータモータ
スイッチ41がオンとされるとスタータモータ42へ電
力が供給される。一方、出力ポート36はそれぞれ対応
する駆動回路43を介して各点火栓9、各燃料噴射弁1
4、閉弁保持装置16、バイパス制御弁18、および開
弁期間変更装置20にそれぞれ接続される。
【0013】また、電子制御ユニット30はリレー44
およびイグニッションスイッチ40を介して電源45に
接続される。リレー44はリレー接点46と、リレー接
点46を制御するための一対の励磁コイル47,48と
を有する。励磁コイル47はスイッチ49を介して接地
され、このスイッチ49は駆動回路50を介して出力ポ
ート36に接続される。イグニッションスイッチ40が
オンになると励磁コイル48が励磁されるためにリレー
接点46がオンとなり、それによって電子制御ユニット
30に電力が供給される。電子制御ユニット30に電力
が供給されるとスイッチ49をオンにすべきデータが出
力ポート36に出力され、それによって励磁コイル47
も励磁される。一方、イグニッションスイッチ40がオ
フにされると励磁コイル48が消勢されるがこのとき励
磁コイル47は依然として励磁されているのでリレー接
点46はオンのまま保持され、斯くして電子制御ユニッ
ト30へ電力が供給され続ける。次いでスイッチ49を
オフとすべきデータが出力ポート36に出力されると励
磁コイル47は消勢され、その結果リレー接点46がオ
フとなるために電子制御ユニット30への電力の供給が
停止される。
【0014】次に、機関始動時に行われる始動時制御に
ついて説明する。機関始動時、すなわちスタータモータ
スイッチ41がオンにされてから機関回転数Nが予め定
められた設定回転数N1よりも高くなるまでの間におい
て、吸気枝管10内の負圧が大きいとき程噴射燃料の微
粒化が促進され、かつ吸気枝管10および吸気ポート5
壁面に付着する燃料量が低減されるので排気マニホルド
内に排出される未燃HC量が低減される。また、吸気枝
管10内の負圧が大きいときには吸入空気量が少なく、
それに伴って噴射燃料量が低減されるのでこれによって
も排気マニホルド内に排出される未燃HC量が低減され
る。したがって、機関始動時に吸気枝管10内に大きな
負圧を形成することによって排気マニホルド内に排出さ
れる未燃HC量を低減できることになる。そこで、本実
施例では機関始動時に閉弁保持装置16をオンとしてス
ロットル弁15を閉弁状態に保持しかつバイパス制御弁
18を閉弁状態に保持するようにしている。この場合、
機関始動時にはスロットル弁15下流の吸気ダクト12
内、サージタンク11内、各吸気枝管10内、および各
吸気ポート6内の空気が機関に吸入されることになる。
【0015】一方、機関始動時において吸気弁5の開弁
期間がOP1とされてオーバラップ期間OLがOL1と
されていると吸気枝管10内に形成された負圧が燃焼室
4を介して排気マニホルド内に逃げてしまうことにな
り、したがってこの場合にはスロットル弁15およびバ
イパス制御弁18を閉弁状態に保持しても吸気枝管10
内の負圧を大きくすることができない。そこで、図1の
内燃機関では機関始動時において開弁期間変更装置20
によりオーバラップ期間OLを零として吸気弁5および
排気弁7の開弁動作が行われても吸気枝管10内に形成
された負圧が逃げないようにしている。その結果、機関
始動時において吸気枝管10内に大きな負圧を形成する
ことができる。
【0016】しかしながら、機関始動時にスロットル弁
15を閉弁状態に保持しかつバイパス制御弁18を閉弁
状態に保持しかつオーバラップ期間OLを零としてもス
タータモータ42が駆動された後しばらくの間は吸気枝
管10内に噴射燃料を微粒化するのに十分な負圧が形成
されない。そこで、図1の内燃機関ではスタータモータ
スイッチ41がオンとされてスタータモータ42が駆動
された後吸気枝管10内の負圧が噴射燃料を良好に微粒
化できる設定負圧よりも大きくなるまで燃料噴射弁14
による燃料噴射作用を禁止するようにしている。云い換
えると、噴射燃料の微粒化が良好に行われないときには
燃料噴射作用を行わないようにしている。その結果、排
気マニホルド内に排出される未燃HC量を低減すること
ができる。吸気枝管10内の負圧が設定負圧よりも大き
くなったら燃料噴射作用を開始する。
【0017】吸気枝管10内の負圧が設定負圧よりも大
きいか否かを判別するために、例えばスタータモータ4
2が駆動された後吸気枝管10内の負圧が設定負圧より
も大きくなるのに必要な時間を予め求めておき、スター
タモータ42の駆動時間、すなわちクランキング時間が
この時間よりも長くなったときに吸気枝管10内の負圧
が設定負圧よりも大きいと判別するようにしてもよい。
しかしながら、機関始動時において吸気枝管10内に形
成される負圧は空気温や個々の機関のばらつきなどによ
って変動するのでクランキング時間に基づいて吸気枝管
10内の負圧が設定負圧よりも大きいか否かを正確に判
別することができず、したがって排気マニホルド内に排
出される未燃HC量を低減できない恐れがある。そこで
本実施例では負圧センサ37により吸気枝管10内の負
圧MVを検出し、負圧センサ37により検出された吸気
枝管10内の負圧MVが予め定められた設定負圧MV1
よりも大きくなるまで燃料噴射弁14による燃料噴射作
用を禁止し、MV>MV1となったら燃料噴射作用を開
始するようにしている。その結果、噴射燃料を良好に微
粒化できるか否かを正確に判断できることになる。な
お、MV≦MV1の間は点火栓9による点火作用も同様
に禁止される。MV>MV1となったら点火作用も開始
される。
【0018】設定負圧MV1は機関運転状態または環境
状態に依らず一定としてもよいが、本実施例では図3に
示されるように機関冷却水温THWが低いとき程小さく
なるように定められている。機関冷却水温THWが低い
とき程フリクションが大きくなるために機関冷却水温T
HWが低いとき程大きなトルクを発生すべく多くの吸入
空気量が必要となる。そこで図1の内燃機関では機関冷
却水温THWが低いとき程設定負圧MV1を小さく定め
て燃料噴射作用を開始するときの空気量を調節すること
により確実な機関始動を確保するようにしている。ま
た、これによりスタータモータスイッチ41がオンとさ
れてから機関始動完了までの時間が短縮される。なお、
設定負圧MV1は図3に示されるマップの形でROM3
2内に予め記憶されている。
【0019】図4は機関始動時における吸気枝管10内
の圧力変化を示すタイムチャートである。図4において
時間aはスタータモータスイッチ41がオンとされてス
タータモータ42が駆動開始された時間を示している。
図4において実線でもって示されるようにスタータモー
タ42が駆動開始された後しばらくの間は吸気枝管10
内の負圧は比較的小さく、時間bとなると設定負圧MV
1よりも小さくなる。そこで図1の内燃機関では時間b
までは燃料噴射作用を禁止して多量の未燃HCが排気マ
ニホルド内に排出されるのを阻止し、時間bとなったら
燃料噴射作用を開始するようにしている。
【0020】なお、本実施例では機関始動時にサージタ
ンク11上流の吸気ダクト12内に設けられたスロット
ル弁15を閉弁状態に保持するようにしている。このた
め、スタータモータ42が駆動されているときに一つの
気筒、例えば1番気筒の吸気行程が行われても1番気筒
の吸気枝管10内の負圧が急激に増大されることはない
が、図4に示されるように各気筒の吸気行程が行われる
毎に1番気筒の吸気枝管10内の負圧が大きくされる。
したがって、機関始動時における吸気枝管10内の負圧
の変動が低減されることになる。
【0021】一方、冒頭で述べた内燃機関におけるよう
に燃料噴射弁14上流の各吸気枝管10内に、機関始動
時に閉弁される開閉弁を配置した場合、図4において破
線でもって示されるように例えば1番気筒の吸気行程が
行われると1番気筒の吸気枝管10内の負圧が急激に増
大するが、他の気筒の吸気行程時には1番気筒の吸気枝
管10内の負圧は小さくなっている。この現象は特にス
タータモータ42が駆動された直後にみられる。ところ
で、冷間時には燃料噴射量を増量すべく燃料噴射時間が
延長されるが、燃料噴射時間が延長されると吸気行程前
後の行程時、すなわち例えば排気行程時にも燃料噴射が
行われる場合がある。ところが、上述の内燃機関では吸
気行程以外の行程時には吸気枝管10内の負圧は小さ
く、したがってスタータモータ42が駆動されたときか
ら燃料噴射作用を開始した場合に吸気行程以外の行程時
に噴射された燃料は良好に微粒化されず、その結果排気
マニホルドに排出される未燃HC量が増大されることに
なる。
【0022】これに対し本実施例では吸気枝管10内の
負圧の変動が小さく、しかも吸気枝管10内の負圧が設
定負圧MV1よりも大きくなるまで燃料噴射作用が行わ
れないので噴射燃料の良好な微粒化が確保される。した
がって排気マニホルド内に排出される未燃HC量を極め
て少なくすることができる。なお、機関始動時において
機関回転数Nが予め定められた設定回転数N1よりも高
くなって機関始動が完了したときにはまず閉弁保持装置
16がオフとされる。このとき、アクセルペダルが踏み
込まれていなければスロットル弁15はアイドリング開
度にされ、アイドリングが踏み込まれているときにはそ
の踏み込み量に応じて開弁される。したがって機関始動
完了後に吸入空気量を確保することができる。また、N
>N1となったときにはバイパス制御弁18の開度制御
が開始され、かつオーバラップ期間OLの制御が開始さ
れる。
【0023】次に機関停止時に行われる停止時制御につ
いて説明する。機関を停止すべくイグニッションスイッ
チ40がオフとされた場合、図1の内燃機関では燃料噴
射作用および点火作用を継続しつつ閉弁保持装置16を
オンとしてスロットル弁15を閉弁し、かつバイパス制
御弁18を閉弁し、かつオーバラップ期間OLを零とす
る。次いでイグニッションスイッチ40がオフとされて
から予め定められた時間が経過した後に機関停止動作を
行い、すなわち燃料噴射作用を停止しかつ点火作用を停
止する。機関停止中にはスロットル弁15を閉弁状態に
保持し、かつバイパス制御弁18を閉弁状態に保持し、
かつオーバラップ期間OLを零に保持する。その結果、
設定時間の間に行われる機関運転および機関停止後の慣
性による機関回転により吸気行程が行われて各吸気枝管
10内に負圧が形成されることになる。
【0024】次いで機関が停止されるが、機関が停止さ
れると閉弁保持装置16、バイパス制御弁18、および
開弁期間変更装置20への電力供給が停止される。上述
したように電力供給が停止されているときには閉弁保持
装置16はオンに保持されるのでスロットル弁15が閉
弁状態に保持され、かつバイパス制御弁18が閉弁状態
に保持され、かつオーバラップ期間OLが零に保持され
る。したがって、イグニッションスイッチ40がオフと
された後に各吸気枝管10内に形成された負圧が機関が
停止されている間各吸気枝管10内に保持されることに
なり、すなわち次回の機関運転時まで保持されることに
なる。したがって、次回の機関始動を開始すべきときに
は吸気枝管10内にすでに負圧が形成されているので吸
気枝管10内の負圧MVが設定負圧MV1よりも高くな
るのに必要な時間を短縮することができる。したがっ
て、このときの機関始動を速やかに完了することができ
る。
【0025】次に図5および図6を参照して上述の実施
例を実行するためのルーチンを説明する。図5は始動時
制御を行うためのルーチンを示している。このルーチン
はイグニッションスイッチ40またはスタータモータス
イッチ41がオンとされてから機関始動が完了するまで
の間一定時間毎の割込みによって実行される。
【0026】図5を参照すると、まずステップ60では
機関始動時において燃料噴射作用を停止すべきときにセ
ットされるフラグがセットされているか否かが判別され
る。このフラグは後述するように前回の機関停止時にセ
ットされており、したがってイグニッションスイッチ4
0またはスタータモータスイッチ41がオンとされてか
ら初めてステップ60に進んだときには次いでステップ
61に進む。ステップ61では閉弁状態保持装置16が
オンとされる。その結果スロットル弁15が閉弁状態に
保持される。続くステップ62ではバイパス制御弁18
が閉弁される。続くステップ63では開弁期間変更装置
20により吸気弁5の開弁期間が変更されてオーバラッ
プ期間OLが零とされる。次いでステップ64では燃料
噴射作用が停止され、続くステップ65では点火作用が
停止される。次いでステップ66では図3のマップから
設定負圧MV1が算出される。次いでステップ67では
吸気枝管10内の負圧MVが設定負圧MV1よりも大き
いか否かが判別される。MV≦MV1のときにはこのと
き燃料噴射作用を行うと噴射燃料を良好に微粒化できな
いと判断して燃料噴射作用の禁止を継続して処理サイク
ルを終了する。一方MV>MV1のときには噴射燃料の
良好な微粒化が確保できると判断してステップ68に進
み、フラグをリセットする。その結果燃料噴射作用の禁
止が解除される。次いで処理サイクルを終了する。
【0027】ステップ68においてフラグがリセットさ
れたときには次の処理サイクルにおいてステップ60か
らステップ69に進む。ステップ69ではバイパス制御
弁18の開度が最適な開度(零を含む)となるよう制御
される。続くステップ70ではオーバラップ期間OLが
最適なオーバラップ期間(含む零)となるよう制御され
る。次いでステップ71では燃料噴射作用が行われ、続
くステップ72では点火作用が行われる。次いでステッ
プ73では機関回転数Nが設定回転数N1よりも高いか
否かが判別される。N>N1のときには機関始動が完了
したと判断して閉弁状態保持装置20をオフとし、次い
で処理サイクルを終了する。これに対しN≦N1のとき
には閉弁状態保持装置20をオンに維持しつつ処理サイ
クルを終了する。
【0028】次に図6は停止時制御を行うためのルーチ
ンを示している。このルーチンはイグニッションスイッ
チ40がオフとされたときに1回行われる。図6を参照
すると、まずステップ80では閉弁保持装置20がオン
とされる。その結果スロットル弁15が閉弁される。続
くステップ81ではバイパス制御弁18が閉弁される。
続くステップ82では開弁期間変更装置20によりオー
バラップ期間OLが零とされる。続くステップ83では
イグニッションスイッチ40がオフとされてからの時間
を表すタイマカウント値Tが予め定められた設定値T1
よりも大きいか否かが判別される。T≦T1のときには
ステップ84に進み、タイマカウント値Tを1だけイン
クリメントしてステップ83に戻る。これに対しT>T
1のときにはこのとき機関停止動作を行うと各吸気枝管
10内に十分大きな負圧が形成されると判断してステッ
プ85に進んで燃料噴射作用を停止、次いでステップ8
6に進んで点火作用を停止する。次いでステップ87で
は図5のルーチンでリセットされるフラグをセットす
る。したがって次回の機関始動時にフラグがセットされ
ていることになる。次いでステップ88に進み、タイマ
カウント値Tをリセットし、続くステップ89に進んで
スイッチ49をオフとする。その結果電子制御ユニット
30への電力供給が停止され、したがって機関が停止さ
れる。機関が停止されると閉弁保持装置16、バイパス
制御弁18、および開弁期間変更装置20への電力供給
が停止される。
【0029】これまで述べてきた実施例では開閉弁をス
ロットル弁15から構成してスロットル弁15を吸気ダ
クト12内に配置している。しかしながら開閉弁をスロ
ットル弁15と別個に設けて開閉弁を吸気ダクト12ま
たは燃料噴射弁14上流の各吸気枝管10内に配置する
ようにしてもよい。また、上述の実施例では吸気弁5の
開弁期間を変更することによりオーバラップ期間OLを
変更するようにしているが、排気弁7の開弁期間、また
は吸気弁5の開弁期間と排気弁7の開弁期間との両方を
変更することによりオーバラップ期間OLを変更するよ
うにしてもよい。
【0030】さらに、上述の実施例では各吸気枝管10
内に燃料噴射弁14を配置して対応する吸気枝管10内
に燃料を噴射するようにしている。しかしながら、燃料
噴射弁14を各燃焼室4内に臨ませて配置して各燃焼室
4内に直接燃料を噴射するようにしてもよい。さらに、
上述の実施例ではイグニッションスイッチ40がオフと
されてから設定時間T1が経過した後に機関停止動作を
行うようにしている。しかしながら、イグニッションス
イッチ40がオフとされたときに直ちに機関停止動作を
行うようにしてもよい。この場合には各吸気枝管10内
に形成される負圧が上述の実施例の場合に比べて小さく
されることになる。また、イグニッションスイッチ40
がオフとされてからクランクシャフトが予め定められた
設定回転だけ回転した後に機関停止動作を行うようにし
てもよい。
【0031】
【発明の効果】1番目の発明では、噴射燃料を良好に微
粒化することができ、したがって排気通路内に排出され
る未燃HC量を低減することができる。さらに、機関始
動を確実にかつ迅速に行うことができる。2番目の発明
では1番目の発明において、機関始動時において開閉弁
下流の吸気通路内の負圧を速やかに増大させることがで
きる。
【0032】3番目の発明では1番目の発明において、
次回の機関始動を速やかに完了させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】吸気弁の開弁期間を示す線図である。
【図3】設定負圧を示す線図である。
【図4】吸気枝管内の圧力変化を示すタイムチャートで
ある。
【図5】始動時制御を実行するためのフローチャートで
ある。
【図6】停止時制御を実行するためのフローチャートで
ある。
【符号の説明】
10…吸気枝管 12…吸気ダクト 14…燃料噴射弁 15…スロットル弁 16…閉弁保持装置 20…開弁期間変更装置 37…負圧センサ 42…スタータモータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 13/02 F02D 13/02 J 43/00 301 43/00 301J 301K 301L 301V 301Z F02M 69/00 F02M 69/00 310 310U F02N 17/00 F02N 17/00 B F02M 69/00 350W (56)参考文献 特開 昭63−111260(JP,A) 特開 平6−307264(JP,A) 特開 平6−200829(JP,A) 特開 昭61−218742(JP,A) 実開 平1−119874(JP,U) 実開 昭55−152307(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/06 F02D 9/02 F02D 13/02 F02D 43/00 F02M 69/00 F02N 17/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気通路内に燃料を噴射する燃料噴射弁
    と、燃料噴射弁上流の吸気通路内に配置されて機関始動
    時に閉弁される開閉弁とを備えた内燃機関において、開
    閉弁下流の吸気通路内の負圧が予め定められた設定負圧
    よりも大きいか否かを判別する判別手段と、スタータモ
    ータが駆動されてから判別手段により開閉弁下流の吸気
    通路内の負圧が予め定められた設定負圧よりも大きいと
    判別されるまで燃料噴射弁による燃料噴射作用を禁止す
    る燃料噴射制御手段と、機関冷却水温が低いとき程小さ
    くなるように該設定負圧を設定する設定手段とを具備し
    内燃機関の始動制御装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関は吸気弁または排気弁の開弁期
    間を変更する開弁期間変更手段を具備しており、上記制
    御手段により燃料噴射作用が禁止されている間開弁期間
    変更手段を制御して吸気弁と排気弁との両方が同時に開
    弁しているオーバラップ期間をなくすようにした請求項
    1に記載の内燃機関の始動制御装置。
  3. 【請求項3】 機関を停止すべきときに上記開閉弁を閉
    弁した後に機関停止動作を行うと共に機関停止に開
    閉弁を閉弁状態に保持する制御手段を具備した請求項1
    に記載の内燃機関の始動制御装置。
JP13177095A 1995-05-30 1995-05-30 内燃機関の始動制御装置 Expired - Fee Related JP3196573B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13177095A JP3196573B2 (ja) 1995-05-30 1995-05-30 内燃機関の始動制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13177095A JP3196573B2 (ja) 1995-05-30 1995-05-30 内燃機関の始動制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08326584A JPH08326584A (ja) 1996-12-10
JP3196573B2 true JP3196573B2 (ja) 2001-08-06

Family

ID=15065761

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13177095A Expired - Fee Related JP3196573B2 (ja) 1995-05-30 1995-05-30 内燃機関の始動制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3196573B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10176574A (ja) * 1996-12-19 1998-06-30 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃料噴射制御装置
DE50108310D1 (de) * 2000-03-31 2006-01-12 Siemens Ag Verfahren zum starten einer brennkraftmaschine und starteinrichtung für eine brennkraftmaschine
US6769400B1 (en) * 2003-01-24 2004-08-03 General Motors Corporation Method for controlling emissions
JP4826179B2 (ja) * 2005-09-09 2011-11-30 日産自動車株式会社 ディーゼルエンジンのアイドル回転速度制御方法及びアイドル回転速度制御装置
JP4773844B2 (ja) * 2006-02-27 2011-09-14 ダイハツ工業株式会社 アルコールを主成分とする燃料を使用した内燃機関
DE102007005242A1 (de) * 2007-02-02 2008-08-07 Daimler Ag Verbrennungsmotor und Verfahren zum Steuern und/oder Regeln einer Kraftstoffeinspritzung beim Start des Verbrennungsmotors
JP4899956B2 (ja) 2007-03-15 2012-03-21 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP4935777B2 (ja) * 2008-08-19 2012-05-23 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP2010223056A (ja) * 2009-03-23 2010-10-07 Toyota Motor Corp 始動制御装置及び方法
EP2405118A4 (en) * 2009-10-26 2013-09-04 Toyota Motor Co Ltd CONTROL DEVICE FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINE
JP5609132B2 (ja) 2010-02-12 2014-10-22 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08326584A (ja) 1996-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7128053B2 (en) Control apparatus for internal combustion engine
JP3196573B2 (ja) 内燃機関の始動制御装置
JP3119115B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射量制御装置
JPH094491A (ja) 内燃機関の吸気流制御装置
JP3211514B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
US6640763B2 (en) Apparatus for controlling starting of internal combustion engine
JPH0637861B2 (ja) 空燃比制御方法
JP2001304084A (ja) 車両の制御方法及び車両の制御装置
JP3089992B2 (ja) 内燃機関の吸気制御装置
JP2000136737A (ja) 内燃機関の逆回転防止装置
JPH0430358Y2 (ja)
JPH06229353A (ja) 燃料噴射式内燃機関のエアアシスト装置
JP3156545B2 (ja) 内燃機関の吸気制御装置
JP2002317681A (ja) 内燃機関の制御装置
JPH0615829B2 (ja) 内燃機関の電子制御燃料噴射装置
JP3641831B2 (ja) エンジンの燃料噴射装置
JP3329658B2 (ja) エンジンの燃料噴射装置
JP2870607B2 (ja) エンジンの吸気装置
JPH0633814A (ja) 内燃機関の燃料制御装置
JPH089394Y2 (ja) エンジン始動時の回転数制御装置
JPS597750A (ja) 内燃機関の混合気制御装置
JPS6232246A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2987658B2 (ja) 内燃機関のアシストエア供給装置
JP3088539B2 (ja) エンジンの制御装置
JP2000291469A (ja) 内燃機関の始動制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees