JPH1081974A - 被膜の形成方法、及び該被膜の形成装置 - Google Patents
被膜の形成方法、及び該被膜の形成装置Info
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- JPH1081974A JPH1081974A JP10788597A JP10788597A JPH1081974A JP H1081974 A JPH1081974 A JP H1081974A JP 10788597 A JP10788597 A JP 10788597A JP 10788597 A JP10788597 A JP 10788597A JP H1081974 A JPH1081974 A JP H1081974A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来の装置にあっては、基板(28)上に形成さ
れる炭素被膜は一般的に内部応力が高く、膜厚の増加に
伴って、被膜の剥離、ないしは基板の反りが発生してい
た。 【解決手段】 本発明の被膜の形成方法は、被膜を形成
する基板(28)に、自己バイアス電圧を発生させるための
高周波電圧を印加し乍ら、出発ガスをプラズマ分解し
て、上記基板(28)に堆積させる被膜の形成方法におい
て、上記基板(28)上への被膜の形成中に、上記高周波電
圧の波形を変化させることを特徴とする。
れる炭素被膜は一般的に内部応力が高く、膜厚の増加に
伴って、被膜の剥離、ないしは基板の反りが発生してい
た。 【解決手段】 本発明の被膜の形成方法は、被膜を形成
する基板(28)に、自己バイアス電圧を発生させるための
高周波電圧を印加し乍ら、出発ガスをプラズマ分解し
て、上記基板(28)に堆積させる被膜の形成方法におい
て、上記基板(28)上への被膜の形成中に、上記高周波電
圧の波形を変化させることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマCVD
(Chemical Vapour Deposition)装置を用いて、基板上
に被膜を形成する被膜の形成方法、並びに該被膜の形成
装置に関する。
(Chemical Vapour Deposition)装置を用いて、基板上
に被膜を形成する被膜の形成方法、並びに該被膜の形成
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から硬質炭素被膜は、ダイヤモンド
と同様に、硬度、抵抗率、絶縁性、化学的安定性等の点
において優れているため、コンピュータのハードディス
ク(HDD)の情報の読み出し、或るいは書き込みの際
に用いる薄膜ヘッド、或るいは電気シェーバ刃、弾性表
面波素子、コンプレッサー用部品、更にはコーティング
を必要とする部材等の表面改質に使われている。
と同様に、硬度、抵抗率、絶縁性、化学的安定性等の点
において優れているため、コンピュータのハードディス
ク(HDD)の情報の読み出し、或るいは書き込みの際
に用いる薄膜ヘッド、或るいは電気シェーバ刃、弾性表
面波素子、コンプレッサー用部品、更にはコーティング
を必要とする部材等の表面改質に使われている。
【0003】ECR(Electron Cyclotron Resonance;
電子サイクロトロン共鳴)プラズマCVD(Chemical V
apour Deposition)法を用いた硬質炭素被膜を形成する
装置が、特開平2−133573号公報に開示されてお
り、その硬質炭素被膜の形成装置の概略構成図を図5に
示す。同図に示す形成装置を用いて被膜を形成する方法
を以下に説明する。
電子サイクロトロン共鳴)プラズマCVD(Chemical V
apour Deposition)法を用いた硬質炭素被膜を形成する
装置が、特開平2−133573号公報に開示されてお
り、その硬質炭素被膜の形成装置の概略構成図を図5に
示す。同図に示す形成装置を用いて被膜を形成する方法
を以下に説明する。
【0004】図5において、先ず図示しない排気系によ
り、プラズマ室1、及び試料室5を真空状態にする。次
に、プラズマ室1内に反応ガス(CH4)を導入する。
そして、プラズマ室1の周囲に設けられた電磁コイル4
a、4bに通電して、プラズマ室1内に磁束密度が87
5ガウスの領域を形成する。
り、プラズマ室1、及び試料室5を真空状態にする。次
に、プラズマ室1内に反応ガス(CH4)を導入する。
そして、プラズマ室1の周囲に設けられた電磁コイル4
a、4bに通電して、プラズマ室1内に磁束密度が87
5ガウスの領域を形成する。
【0005】次に、導波管2を介して周波数2.45G
Hzのマイクロ波をプラズマ室1に導入する。このよう
な条件により、プラズマ室1においては、875ガウス
の磁場より回転する電子の周波数と、マイクロ波の周波
数2.45GHzとが一致し、電子サイクロトロン共鳴
を起こす。
Hzのマイクロ波をプラズマ室1に導入する。このよう
な条件により、プラズマ室1においては、875ガウス
の磁場より回転する電子の周波数と、マイクロ波の周波
数2.45GHzとが一致し、電子サイクロトロン共鳴
を起こす。
【0006】従って、プラズマ室1内に発生したプラズ
マは、電磁コイル4a、4bによって形成される発散磁
界の磁力線に沿って、プラズマ引出用窓8を介して引き
出され、この状態でシャッタ7を開くと、プラズマ室1
内に発生したプラズマ流は基板6に照射される。
マは、電磁コイル4a、4bによって形成される発散磁
界の磁力線に沿って、プラズマ引出用窓8を介して引き
出され、この状態でシャッタ7を開くと、プラズマ室1
内に発生したプラズマ流は基板6に照射される。
【0007】ここで、基板6には高周波電源10が接続
されているので、周期的に正、負の電位がかかってお
り、一方プラズマ中では電界によるイオンの移動度は電
子に比べて遅いため、この高周波印加中の電位の振れに
対して、電子は追随するが、イオンは追随できない。
されているので、周期的に正、負の電位がかかってお
り、一方プラズマ中では電界によるイオンの移動度は電
子に比べて遅いため、この高周波印加中の電位の振れに
対して、電子は追随するが、イオンは追随できない。
【0008】このため、基板6に電子が多く入射(照
射)され、基板6に負の自己バイアスが発生し、これに
よってプラズマ中の正イオンが引き込まれ、基板6上に
DLC膜の硬質の炭素被膜が形成される。
射)され、基板6に負の自己バイアスが発生し、これに
よってプラズマ中の正イオンが引き込まれ、基板6上に
DLC膜の硬質の炭素被膜が形成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、ECRプラ
ズマCVD法においては、基板上への硬質炭素被膜の成
膜時に入射されるイオンのエネルギ量によって、成長す
る被膜の結合状態が変化するため、高硬度の被膜を形成
するには、基板に印加する高周波電圧を大きく設定して
いた。
ズマCVD法においては、基板上への硬質炭素被膜の成
膜時に入射されるイオンのエネルギ量によって、成長す
る被膜の結合状態が変化するため、高硬度の被膜を形成
するには、基板に印加する高周波電圧を大きく設定して
いた。
【0010】然し乍ら、上述の方法にあっては、基板上
に形成される硬質炭素被膜の硬度が高くなるに従って内
部応力も高くなり、膜厚の増加に伴って、被膜の基板か
らの剥離、ないしは基板の反りが発生していた。
に形成される硬質炭素被膜の硬度が高くなるに従って内
部応力も高くなり、膜厚の増加に伴って、被膜の基板か
らの剥離、ないしは基板の反りが発生していた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の被膜の形成方法
は、被膜を形成する基板に高周波電圧を印加し乍ら、出
発ガスをプラズマ分解して、上記基板に堆積させる被膜
の形成方法において、上記基板上への被膜の形成中に、
上記高周波電圧の波形を変化させることを特徴とする。
は、被膜を形成する基板に高周波電圧を印加し乍ら、出
発ガスをプラズマ分解して、上記基板に堆積させる被膜
の形成方法において、上記基板上への被膜の形成中に、
上記高周波電圧の波形を変化させることを特徴とする。
【0012】具体的には、上記高周波電圧の波形の振幅
を変化させることを特徴とする。
を変化させることを特徴とする。
【0013】具体的には、上記高周波電圧の波形の周波
数を変化させることを特徴とする。
数を変化させることを特徴とする。
【0014】具体的には、上記高周波電圧を周期的、或
るいは連続的に変化させることを特徴とする。
るいは連続的に変化させることを特徴とする。
【0015】具体的には、上記基板に直接、上記被膜を
形成する際に設定された高周波電圧の波形の振幅、或る
いは周波数を該被膜以外の被膜を形成する際に設定され
た高周波電圧の波形の振幅、或るいは周波数より小さく
することを特徴とする。
形成する際に設定された高周波電圧の波形の振幅、或る
いは周波数を該被膜以外の被膜を形成する際に設定され
た高周波電圧の波形の振幅、或るいは周波数より小さく
することを特徴とする。
【0016】また、プラズマを発生するプラズマ発生室
と、基板上に被膜を形成するための反応室と、上記プラ
ズマ発生室にマイクロ波を供給するマイクロ波発生手段
と、上記プラズマ発生室に磁界を印加するプラズマ磁界
発生手段と、上記反応室内の基板に高周波電圧を印加し
乍ら、上記高周波電圧の波形を制御する波形制御手段
と、を備えることを特徴とする。
と、基板上に被膜を形成するための反応室と、上記プラ
ズマ発生室にマイクロ波を供給するマイクロ波発生手段
と、上記プラズマ発生室に磁界を印加するプラズマ磁界
発生手段と、上記反応室内の基板に高周波電圧を印加し
乍ら、上記高周波電圧の波形を制御する波形制御手段
と、を備えることを特徴とする。
【0017】具体的には、上記波形制御手段は、上記基
板に直接、上記被膜を形成する際に予め設定された高周
波電圧の波形の振幅、或るいは周波数を該被膜以外の被
膜を形成する際に設定された高周波電圧の波形の振幅、
或るいは周波数より小さくすることを特徴とする。
板に直接、上記被膜を形成する際に予め設定された高周
波電圧の波形の振幅、或るいは周波数を該被膜以外の被
膜を形成する際に設定された高周波電圧の波形の振幅、
或るいは周波数より小さくすることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1乃至図
4に基づいて説明する。
4に基づいて説明する。
【0019】図1は、本発明に係るプラズマCVD装置
の概略構成図である。
の概略構成図である。
【0020】図1において、真空チャンバ20は、プラ
ズマ発生室24と、基板28上に被膜を形成する反応室
27とから構成されており、そのプラズマ発生室24に
は、マイクロ波を供給する導波管22を介してマイクロ
波発生手段21が接続されている。
ズマ発生室24と、基板28上に被膜を形成する反応室
27とから構成されており、そのプラズマ発生室24に
は、マイクロ波を供給する導波管22を介してマイクロ
波発生手段21が接続されている。
【0021】また、プラズマ発生室24には、アルゴン
(Ar)等の放電ガスを導入するための放電ガス導入管
25が接続されており、更にプラズマ発生室24を包囲
するように、プラズマ磁界発生手段26a、26bが設
けられている。
(Ar)等の放電ガスを導入するための放電ガス導入管
25が接続されており、更にプラズマ発生室24を包囲
するように、プラズマ磁界発生手段26a、26bが設
けられている。
【0022】また、導波管22とプラズマ発生室24の
接続部には、マイクロ波導入窓23が設けられている。
接続部には、マイクロ波導入窓23が設けられている。
【0023】次に、反応室27には、基板ホルダ29が
設置されると共に、反応ガス導入管31が接続されてお
り、基板ホルダ29には、高周波電源31が接続されて
いる。この高周波電源31によって発生される電圧波形
の周波数、振幅、及び周期(サイクル)等は、波形制御
手段32で制御される。
設置されると共に、反応ガス導入管31が接続されてお
り、基板ホルダ29には、高周波電源31が接続されて
いる。この高周波電源31によって発生される電圧波形
の周波数、振幅、及び周期(サイクル)等は、波形制御
手段32で制御される。
【0024】具体的に波形制御手段32は、図2、或る
いは図3に示すように、基板ホルダ29に印加する高周
波電圧の波形を変化させることができる。図2は、高周
波電圧の振幅を1.0secの周期で−10Vと−10
0Vとの間で繰り返し変化させている状態変化図であ
り、また図3においては、高周波電圧の周波数を1.0
secの周期で13.56MHzと30MHzとの間で
繰り返し変化させている状態変化図である。
いは図3に示すように、基板ホルダ29に印加する高周
波電圧の波形を変化させることができる。図2は、高周
波電圧の振幅を1.0secの周期で−10Vと−10
0Vとの間で繰り返し変化させている状態変化図であ
り、また図3においては、高周波電圧の周波数を1.0
secの周期で13.56MHzと30MHzとの間で
繰り返し変化させている状態変化図である。
【0025】上述の形成装置を用いて、基板上に硬質炭
素被膜を形成する方法について、第1の発明の実施の形
態、及び第2の発明の実施の形態に基づいて説明する。 <第1の発明の実施の形態>第1の実施の形態では、波
形制御手段32によって基板28に印加する高周波電圧
の波形の振幅を、周期的に変化させ乍ら基板上に硬質炭
素被膜を形成する。
素被膜を形成する方法について、第1の発明の実施の形
態、及び第2の発明の実施の形態に基づいて説明する。 <第1の発明の実施の形態>第1の実施の形態では、波
形制御手段32によって基板28に印加する高周波電圧
の波形の振幅を、周期的に変化させ乍ら基板上に硬質炭
素被膜を形成する。
【0026】先ず、基板ホルダ29上に、基板28を取
り付け、真空チャンバ20の内部を10-5〜10-7Torr
に排気する。次に、放電ガス導入管25からアルゴン
(Ar)ガスを5.7×10-4Torrで供給すると共に、
マイクロ波発生手段21から2.45GHz、100W
のマイクロ波を供給する。
り付け、真空チャンバ20の内部を10-5〜10-7Torr
に排気する。次に、放電ガス導入管25からアルゴン
(Ar)ガスを5.7×10-4Torrで供給すると共に、
マイクロ波発生手段21から2.45GHz、100W
のマイクロ波を供給する。
【0027】これによって、プラズマ発生室24内に、
アルゴン(Ar)プラズマが発生し、このアルゴン(A
r)プラズマは基板28表面に照射される。
アルゴン(Ar)プラズマが発生し、このアルゴン(A
r)プラズマは基板28表面に照射される。
【0028】次に、高周波電源31の周波数を13.5
6MHzに設定した後、反応ガス導入管30から硬質炭
素被膜の原料ガスであるCH4ガスを1.3×10-3Torr
で供給することによって、原料ガスであるCH4ガスは
プラズマの作用により分解され、これによって生じた炭
素が、反応性の高いイオン、又は中性状態となって、基
板28の表面へ放射される。
6MHzに設定した後、反応ガス導入管30から硬質炭
素被膜の原料ガスであるCH4ガスを1.3×10-3Torr
で供給することによって、原料ガスであるCH4ガスは
プラズマの作用により分解され、これによって生じた炭
素が、反応性の高いイオン、又は中性状態となって、基
板28の表面へ放射される。
【0029】これと共に、基板28に印加される高周波
電圧が、図2に示すように周期的に−10Vと−100
Vとの間で繰り返し変化するよう、波形制御手段32が
その制御を行う。
電圧が、図2に示すように周期的に−10Vと−100
Vとの間で繰り返し変化するよう、波形制御手段32が
その制御を行う。
【0030】最終的に、Si基板28上に約3000Å
の硬質炭素被膜を形成した。
の硬質炭素被膜を形成した。
【0031】しかるに、第1の発明の実施の形態の比較
例として、シリコンからなる基板28に印加する高周波
電圧を、被膜の形成中に終始−100V(比較例1)、
−80V(比較例2)として、膜厚約3000Åの硬質
炭素被膜を形成した。而して、その被膜の内部応力とビ
ッカース硬度の関係を表1に示す。
例として、シリコンからなる基板28に印加する高周波
電圧を、被膜の形成中に終始−100V(比較例1)、
−80V(比較例2)として、膜厚約3000Åの硬質
炭素被膜を形成した。而して、その被膜の内部応力とビ
ッカース硬度の関係を表1に示す。
【0032】尚、被膜の内部応力は、一般に基板の変形
量から測定することができる。具体的には、薄い基板の
上に応力の掛かった状態で被膜を形成すると、基板はそ
の形と弾性定数によって決まるたわみを示すので、この
たわみ量を検出することによって内部応力を評価するこ
とができる。この手法は「たわみ法」と呼ばれている
(応力物理,第66巻,第7号(1987),第923頁〜
第924頁)。
量から測定することができる。具体的には、薄い基板の
上に応力の掛かった状態で被膜を形成すると、基板はそ
の形と弾性定数によって決まるたわみを示すので、この
たわみ量を検出することによって内部応力を評価するこ
とができる。この手法は「たわみ法」と呼ばれている
(応力物理,第66巻,第7号(1987),第923頁〜
第924頁)。
【0033】表1に示す被膜の内部応力はたわみ法で測
定したものである。
定したものである。
【0034】
【表1】
【0035】表1の結果を見ると、硬度の点では略一致
しているが、内部応力の点では、第1の実施の形態は比
較例1に比べて約19%低下し、また第1の実施の形態
は比較例2に比べて約17%低下していることが分か
る。
しているが、内部応力の点では、第1の実施の形態は比
較例1に比べて約19%低下し、また第1の実施の形態
は比較例2に比べて約17%低下していることが分か
る。
【0036】このように、硬質被膜を基板上に形成する
際に、基板に印加する高周波電圧の波形の振幅を周期的
に変化させることによって、被膜の硬度を低下させるこ
となく、被膜の内部応力を低減させることができる。 <第2の発明の実施の形態>第2の実施の形態では、高
周波電源31によって基板28に印加する高周波電圧を
−50Vに設定し、また波形制御手段32によって基板
28に印加する高周波電圧の周波数を、13.56MH
zと30MHzと間で周期的に変化させ乍ら基板上に硬
質炭素被膜を形成する。
際に、基板に印加する高周波電圧の波形の振幅を周期的
に変化させることによって、被膜の硬度を低下させるこ
となく、被膜の内部応力を低減させることができる。 <第2の発明の実施の形態>第2の実施の形態では、高
周波電源31によって基板28に印加する高周波電圧を
−50Vに設定し、また波形制御手段32によって基板
28に印加する高周波電圧の周波数を、13.56MH
zと30MHzと間で周期的に変化させ乍ら基板上に硬
質炭素被膜を形成する。
【0037】先ず、基板ホルダ29上に、基板28を取
り付け、真空チャンバ20の内部を10-5〜10-7Torr
に排気する。次に、放電ガス導入管25からアルゴン
(Ar)ガスを5.7×10-4Torrで供給すると共に、
マイクロ波発生手段21から2.45GHz、100W
のマイクロ波を供給する。
り付け、真空チャンバ20の内部を10-5〜10-7Torr
に排気する。次に、放電ガス導入管25からアルゴン
(Ar)ガスを5.7×10-4Torrで供給すると共に、
マイクロ波発生手段21から2.45GHz、100W
のマイクロ波を供給する。
【0038】これによって、プラズマ発生室24内に、
アルゴン(Ar)プラズマが発生し、このアルゴン(A
r)プラズマは基板28表面に照射される。
アルゴン(Ar)プラズマが発生し、このアルゴン(A
r)プラズマは基板28表面に照射される。
【0039】次に、高周波電源31の周波数を13.5
6MHzに設定した後、反応ガス導入管30から硬質炭
素被膜の原料ガスであるCH4ガスを1.3×10-3Torr
で供給することによって、原料ガスであるCH4ガスは
プラズマの作用により分解される。
6MHzに設定した後、反応ガス導入管30から硬質炭
素被膜の原料ガスであるCH4ガスを1.3×10-3Torr
で供給することによって、原料ガスであるCH4ガスは
プラズマの作用により分解される。
【0040】而して、これによって生じた炭素が、反応
性の高いイオン、又は中性状態となって、基板28の表
面へ放射される。
性の高いイオン、又は中性状態となって、基板28の表
面へ放射される。
【0041】これと共に、基板28に印加される高周波
電圧の周波数を図3に示すように周期的に13.56M
Hzと30MHzとの間で繰り返し変化するよう、波形
制御手段32がその制御を行う。
電圧の周波数を図3に示すように周期的に13.56M
Hzと30MHzとの間で繰り返し変化するよう、波形
制御手段32がその制御を行う。
【0042】最終的に、Si基板28上に約2000Å
の硬質炭素被膜を形成した。
の硬質炭素被膜を形成した。
【0043】しかるに、第2の発明の実施の形態の比較
例として、シリコンからなる基板28に印加する高周波
電圧を、被膜の形成中に13.56MHz(比較例
3)、30MHz(比較例4)として、膜厚約2000
Åの硬質炭素被膜を形成した。而して、その被膜の内部
応力とビッカース硬度の関係を表2に示す。
例として、シリコンからなる基板28に印加する高周波
電圧を、被膜の形成中に13.56MHz(比較例
3)、30MHz(比較例4)として、膜厚約2000
Åの硬質炭素被膜を形成した。而して、その被膜の内部
応力とビッカース硬度の関係を表2に示す。
【0044】表2に示す比較例3、及び比較例4で形成
した被膜の内部応力はたわみ法で測定したものである。
した被膜の内部応力はたわみ法で測定したものである。
【0045】
【表2】
【0046】表2の結果を見ると、比較例4は、第2の
実施の形態に対し、内部応力は低下しているものの硬度
の低下も来している。一方、第2の実施の形態と比較例
3は硬度の点で一致しているが、内部応力の点では、第
2の実施の形態は比較例3に比べて、約12%低下して
いることが分かる。
実施の形態に対し、内部応力は低下しているものの硬度
の低下も来している。一方、第2の実施の形態と比較例
3は硬度の点で一致しているが、内部応力の点では、第
2の実施の形態は比較例3に比べて、約12%低下して
いることが分かる。
【0047】このように、硬質被膜を基板上に形成する
際に、基板に印加する高周波電圧の周波数を周期的に変
化させることによって、被膜の硬度を低下させることな
く、被膜の内部応力を低減させることができる。
際に、基板に印加する高周波電圧の周波数を周期的に変
化させることによって、被膜の硬度を低下させることな
く、被膜の内部応力を低減させることができる。
【0048】上述の第1の発明の実施の形態、及び第2
の発明の実施の形態において形成した被膜の概略断面図
を示すと図4のようになる。
の発明の実施の形態において形成した被膜の概略断面図
を示すと図4のようになる。
【0049】図4は、基板上に直接被膜を形成する際に
は、まず予め設定された高周波電圧の波形の振幅、或る
いは周波数を小さく設定し、この次に高周波電圧の波形
の振幅、或るいは周波数を大きく設定することを連続的
に繰り返して被膜を形成している。
は、まず予め設定された高周波電圧の波形の振幅、或る
いは周波数を小さく設定し、この次に高周波電圧の波形
の振幅、或るいは周波数を大きく設定することを連続的
に繰り返して被膜を形成している。
【0050】図4において示すように、基板に直接、被
膜を形成する際に予め設定された高周波電圧の波形の振
幅、或るいは周波数を小さくすることによって、膜厚の
増加に伴って、被膜の基板からの剥離、ないしは基板の
反りを防止することが可能となる。
膜を形成する際に予め設定された高周波電圧の波形の振
幅、或るいは周波数を小さくすることによって、膜厚の
増加に伴って、被膜の基板からの剥離、ないしは基板の
反りを防止することが可能となる。
【0051】但し、高周波電圧の波形の振幅、或るいは
周波数を変更することによって、基板と被膜との界面以
外の界面は、必ずしも明確に形成されるものではない。
周波数を変更することによって、基板と被膜との界面以
外の界面は、必ずしも明確に形成されるものではない。
【0052】尚、本発明に適用できる基板の種類として
は、シリコン基板、硝子基板があり、特に従来密着性が
問題となっていた、Ni基板、Al基板、ステンレス鋼
基板、セラミックス基板、或るいはNi、Al、ステン
レス鋼等の合金からなる基板に対して有用である。
は、シリコン基板、硝子基板があり、特に従来密着性が
問題となっていた、Ni基板、Al基板、ステンレス鋼
基板、セラミックス基板、或るいはNi、Al、ステン
レス鋼等の合金からなる基板に対して有用である。
【0053】また、上述において、「基板」という用語
は、下地層が形成された基板をも含むものである。従っ
て、Ni等の金属基板等の上にシリコン層を形成したも
のも基板として含まれる。
は、下地層が形成された基板をも含むものである。従っ
て、Ni等の金属基板等の上にシリコン層を形成したも
のも基板として含まれる。
【0054】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、硬質炭
素被膜の内部応力を緩和する層、あるいは基板と被膜界
面に形成される中間層を形成しなくとも、本発明によ
り、被膜の内部応力を低減できると共に、被膜の膜厚の
増加に伴って被膜の基板からの剥離、ないしは基板の反
りを防止することができる。
素被膜の内部応力を緩和する層、あるいは基板と被膜界
面に形成される中間層を形成しなくとも、本発明によ
り、被膜の内部応力を低減できると共に、被膜の膜厚の
増加に伴って被膜の基板からの剥離、ないしは基板の反
りを防止することができる。
【図1】本発明に係るプラズマCVD(Chemical Vapou
r Deposition)装置の概略構成図である。
r Deposition)装置の概略構成図である。
【図2】高周波電圧の振幅を1.0secの周期で−1
0Vと−100Vとの間で繰り返し変化させている状態
変化図である。
0Vと−100Vとの間で繰り返し変化させている状態
変化図である。
【図3】高周波電圧の周波数を1.0secの周期で1
3.56MHzと30MHzとの間で繰り返し変化させ
ている状態変化図である。
3.56MHzと30MHzとの間で繰り返し変化させ
ている状態変化図である。
【図4】本発明で形成した硬質被膜の概略断面図であ
る。
る。
【図5】従来に係るプラズマCVD(Chemical Vapour
Deposition)装置の概略構成図である。
Deposition)装置の概略構成図である。
20・・・真空チャンバ 21・・・プラズマ発生室 22・・・導波管 23・・・導入窓 24・・・プラズマ室 25・・・放電ガス導入管 26・・・プラズマ磁界発生手段 27・・・反応室 28・・・基板 29・・・基板ホルダ 30・・・反応ガス導入管 31・・・高周波電源手段 32・・・波形制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樽井 久樹 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 木山 精一 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内
Claims (7)
- 【請求項1】 被膜を形成する基板に高周波電圧を印加
し乍ら、出発ガスをプラズマ分解して、上記基板に堆積
させる被膜の形成方法において、 上記基板上への被膜の形成中に、上記高周波電圧の波形
を変化させることを特徴とする被膜の形成方法。 - 【請求項2】 上記高周波電圧の波形の振幅を変化させ
ることを特徴とする請求項1記載の被膜の形成方法。 - 【請求項3】 上記高周波電圧の波形の周波数を変化さ
せることを特徴とする請求項1記載の被膜の形成方法。 - 【請求項4】 上記高周波電圧を周期的に変化させるこ
とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の被膜
の形成方法。 - 【請求項5】 上記基板に直接、上記被膜を形成する際
に設定された高周波電圧の波形の振幅、或るいは周波数
を該被膜以外の被膜を形成する際に設定された高周波電
圧の波形の振幅、或るいは周波数より小さくすることを
特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の被膜の形
成方法。 - 【請求項6】 プラズマを発生するプラズマ発生室と、
基板上に被膜を形成するための反応室と、上記プラズマ
発生室にマイクロ波を供給するマイクロ波発生手段と、
上記プラズマ発生室に磁界を印加するプラズマ磁界発生
手段と、上記反応室内の基板に高周波電圧を印加し乍
ら、上記高周波電圧の波形を制御する波形制御手段と、
を備えることを特徴とする被膜の形成装置。 - 【請求項7】 上記波形制御手段は、上記基板に直接、
上記被膜を形成する際に設定された高周波電圧の波形の
振幅、或るいは周波数を該被膜以外の被膜を形成する際
に設定された高周波電圧の波形の振幅、或るいは周波数
より小さくすることを特徴とする請求項6記載の被膜の
形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10788597A JPH1081974A (ja) | 1996-04-26 | 1997-04-24 | 被膜の形成方法、及び該被膜の形成装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10784996 | 1996-04-26 | ||
JP8-107849 | 1996-04-26 | ||
JP10788597A JPH1081974A (ja) | 1996-04-26 | 1997-04-24 | 被膜の形成方法、及び該被膜の形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1081974A true JPH1081974A (ja) | 1998-03-31 |
Family
ID=26447821
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10788597A Pending JPH1081974A (ja) | 1996-04-26 | 1997-04-24 | 被膜の形成方法、及び該被膜の形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1081974A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014009131A (ja) * | 2012-06-29 | 2014-01-20 | Chuo Univ | 湾曲結晶の製造方法および湾曲結晶 |
-
1997
- 1997-04-24 JP JP10788597A patent/JPH1081974A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014009131A (ja) * | 2012-06-29 | 2014-01-20 | Chuo Univ | 湾曲結晶の製造方法および湾曲結晶 |
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