JPH1081848A - フッ素系塗料用組成物 - Google Patents

フッ素系塗料用組成物

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JPH1081848A
JPH1081848A JP25781696A JP25781696A JPH1081848A JP H1081848 A JPH1081848 A JP H1081848A JP 25781696 A JP25781696 A JP 25781696A JP 25781696 A JP25781696 A JP 25781696A JP H1081848 A JPH1081848 A JP H1081848A
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JP
Japan
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group
meth
vinyl ether
acrylate
fluorine
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Application number
JP25781696A
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English (en)
Inventor
Akihito Iida
晃人 飯田
Koshin Maruyama
康臣 丸山
Hiroshi Inukai
宏 犬飼
Etsuzo Marumoto
悦造 丸本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】各種基材への重ね塗り密着性および保存安定性
に優れるフッ素系塗料用組成物を提供する。 【解決手段】下記の(A)〜(C)を必須成分とし、
(A)100重量部あたり(B)が0.1〜30重量部
であり、(A)および(B)の合計100重量部あたり
(C)が0.5〜30重量部であるフッ素系塗料用組成
物。 (A)(a)フルオロオレフィン、(b)(メタ)アク
リル酸エステルまたはビニルエーテルならびに(C)加
水分解性シリル基を有するオレフィン性単量体を必須成
分とし、かつ有機溶剤に可溶な含フッ素共重合体 (B)エポキシ基および加水分解性シリル基を有する化
合物 (C)下記式(1)で表されるオルト酸エステル類 RC(OR1 3 (1) (式中、Rは水素原子、メチル基またはエチル基を示
し、R1 は炭素数が1〜3個のアルキル基を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種基材への重ね
塗り密着性および保存安定性に優れるフッ素系塗料用組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂は、耐熱性、耐薬品性、耐候
性、撥水性、潤滑性および電気特性等に優れており、近
年、高耐候性の建築塗料用樹脂として使用されている。
その中でも、湿気架橋可能な樹脂として加水分解性シリ
ル基を有する樹脂が知られている。その例として、フル
オロオレフィン、ビニルエーテルおよび加水分解性シリ
ル基を有するオレフィン性単量体を共重合させた含フッ
素共重合体(特公平1−16405号公報)等があげら
れる。しかしながら、これらの共重合体を用いて調整し
た塗料用組成物は優れた耐候性を有するものの基材に対
する重ね塗り密着性が劣っているため、リコートできず
使用範囲は限定されていた。ここで重ね塗り密着性と
は、プライマー上に同一塗料を間隔をあけて二度塗りす
る際の密着性のことである。施工検査後の補修等で一部
再塗装する工程および工場で一層目を塗装し施工現場で
二層目を塗装する工程などにおいてはこの性能が重要に
なる。重ね塗り密着性が悪いのは、プライマー/一層
目、または一層目/二層目の層間密着性が悪いことに起
因する。さらに、プライマー/一層目の密着性が悪い場
合には、二層目を塗装する際リフティング現象が生じる
ことがある。上記重ね塗り密着性を向上させる方法とし
て、塗料用組成物中に有機シリケートを配合する方法
(特公昭63−32826号公報)および塗料用組成物
中にある種のエポキシ基を有するシラン化合物を配合す
る方法(特公昭63−25029号公報)等が提案され
ているが、これらの組成物の重ね塗り密着性は十分であ
るとはいえず、また保存安定性が低下するといったデメ
リットも生じた。したがって、重ね塗り密着性および保
存安定性のバランスのとれた塗料用組成物が望まれてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、重ね塗り密
着性に優れ、かつ保存安定性に優れたフッ素系塗料用組
成物を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、フルオロオレフィ
ン、(メタ)アクリル酸アルキルエステルまたはビニル
エーテルならびに加水分解性シリル基を有するオレフィ
ン性単量体を必須成分とする含フッ素共重合体を用いた
塗料組成物を調整する際に、エポキシ基および加水分解
性シリル基を有する化合物ならびにオルト酸エステルを
添加することにより重ね塗り密着性および保存安定性に
優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、下記の(A)〜
(C)を必須成分とし、(A)成分100重量部あたり
(B)成分が0.1〜30重量部であり、(A)成分お
よび(B)成分の合計100重量部あたり(C)成分が
0.5〜30重量部であるフッ素系塗料用組成物であ
る。 (A)(a)フルオロオレフィン、(b)(メタ)アク
リル酸エステルまたはビニルエーテルならびに(c)加
水分解性シリル基を有するオレフィン性単量体を必須成
分とし、かつ有機溶剤に可溶な含フッ素共重合体 (B)エポキシ基および加水分解性シリル基を有する化
合物 (C)下記式(1)で表されるオルト酸エステル類 RC(OR1 3 (1) (式中、Rは水素原子、メチル基またはエチル基を示
し、R1 は炭素数が1〜3個のアルキル基を示す)
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳し
く説明する。本発明における(A)含フッ素共重合体に
おける(a)フルオロオレフィンとしては、テトラフル
オロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフ
ルオロプロピレン、ジクロロジフルオロエチレン、トリ
フルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニルお
よびパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)などが例
示される。これらの中でも、重合性の面よりテトラフル
オロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフ
ルオロプロピレンおよびトリフルオロエチレンが好まし
く、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチ
レンおよびトリフルオロエチレンがより好ましい。ま
た、上記の単量体を複数併用しても良い。
【0007】含フッ素共重合体における(b)(メタ)
アクリル酸アルキルエステルは、エステル鎖として炭素
数が1〜20個であるアルキル基、シクロアルキル基お
よびハロゲン含有アルキル基を有するものが好ましい。
また、物性を損なわない範囲で、エステル鎖に酸素、窒
素および硫黄などの原子を含んでも良い。化合物を具体
的に例示すると(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル
酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メ
タ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸−2
−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、
(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリ
デシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アク
リル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニ
ル、(メタ)アクリル酸トリシクロデシニル、(メタ)
アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル
酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノ
エチル、(メタ)アクリル酸クロロエチル、(メタ)ア
クリル酸トリフルオロエチルおよび(メタ)アクリル酸
ペンタフルオロプロピル等の(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル類が挙げられる。これらの中でも、フルオロ
オレフィンとの重合性および共重合体の柔軟性などによ
りアクリル酸アルキルエステル類の使用が好ましい。ま
た、これらの単量体は単独または数種類混合して使用す
ることができる。
【0008】さらに含フッ素共重合体における(b)成
分として、ビニルエーテル類を用いることもできる。た
だし、フルオロオレフィンとの共重合性から、(メタ)
アクリル酸エステルとビニルエーテルを同時に使用する
ことは困難である。前記ビニルエーテル類の具体例とし
ては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、
n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエー
テル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエ
ーテル、t−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニ
ルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビ
ニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ク
ロロメチルビニルエーテルおよびクロロエチルビニルエ
ーテル等のアルキルビニルエーテル類または置換アルキ
ルビニルエーテル類;シクロペンチルブニルエーテルお
よびシクロヘキシルビニルエーテル等のシクロアルキル
ビニルエーテル類が挙げられる。
【0009】本発明における含フッ素共重合体の(c)
成分である加水分解性シリル基を有するオレフィン性単
量体は、下記式(2)で表される化合物である。 R−SiXn 3-n (2) (式中、Rはオレフィン性不飽和結合を有する基、Xは
炭素数が1〜20個のアルキル基を示し、Yは加水分解
可能な基を示し、nは0、1または2を示す。なお、X
またはYが複数ある場合は、同じでも異なっていても良
い。) 前記式(2)におけるRの具体例としてはビニル基、ア
リル基、ブテニル基、ビニロキシ基、アリロキシ基、ア
クリロイル基、メタアクリロイル基、CH2 =CHO
(CH2 3 −、CH2 =CHCOO(CH2 3 −、
CH2 =CHOCO(CH2 3 −、CH2 =C(CH
3 )COO(CH2 3 −およびCH2 =C(CH3
COO(CH2 2 −O−(CH2 3 −等が挙げられ
る。前記式(2)におけるXの具体例としてはメチル
基、エチル基、プロピル基、オクチル基およびオクタデ
シル基等が挙げられる。前記式(2)におけるYとして
はアルコキシ基、アミノ基、アシロキシ基、フェノキシ
基、メルカプト基およびイミノオキシ基などの加水分解
性基が挙げられ、アルコキシ基が特に好ましい。その具
体例としてメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブ
トキシ基およびメトキシエトキシ基等が挙げられる。こ
れらの中でも、Rがビニル基であるものが好ましく、Y
がメトキシ基およびエトキシ基であるものが好ましい。
【0010】前記加水分解性シリル基を有するオレフィ
ン性単量体の具体例として、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシ
シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチ
ルメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキ
シ)シラン、トリメトキシシリルエチルビニルエーテ
ル、トリメトキシシリルブチルビニルエーテル、メチル
ジメトキシシリルエチルビニルエーテル、トリメトキシ
シリルプロピルビニルエーテル、ビニルトリイソプロペ
ニルオキシシラン、ビニルメチルジイソプロペニルオキ
シシラン、トリイソプロペニルオキシシリルエチルビニ
ルエーテル、トリイソプロペニルオキシシリルプロピル
ビニルエーテル、トリイソプロペニルオキシシリルブチ
ルビニルエーテル、ビニルトリス(ジメチルイミノオキ
シ)シラン、ビニルトリス(メチルエチルイミノオキ
シ)シラン、ビニルメチルビス(ジメチルイミノオキ
シ)シラン、ビニルジメチル(ジメチルイミノオキシ)
シラン、トリス(ジメチルイミノオキシ)シリルエチル
ビニルエーテル、メチルビス(ジメチルイミノオキシ)
シリルエチルビニルエーテル、トリス(ジメチルイミノ
オキシ)シリルブチルビニルエーテル、γ−(メタ)ア
クリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジ
エトキシシランおよびγ−(メタ)アクリロイルオキシ
プロピルトリイソプロペニルオキシシラン等が挙げられ
る。
【0011】本発明における含フッ素共重合体には、物
性を損なわない範囲でその他の単量体を共重合しても良
い。かかる共重合体としては、エチレン、プロピレンお
よびイソブチレンなどのα−オレフィン類、塩化ビニル
および塩化ビニリデンなどのクロロエチレン類ならびに
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、
ピバリン酸ビニル、ヴェオバ−9〔シェル化学(株)
製〕、シクロヘキサンカルボン酸ビニルおよび安息香酸
ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類が例示され
る。
【0012】また、前記含フッ素共重合体は、水酸基、
エポキシ基およびカルボキシル基などの官能基を有する
単量体を共重合することも可能である。水酸基含有単量
体としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メ
タ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ
エチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエ
ーテル、アリルアルコール、ケイ皮アルコール、Nーメ
チロール(メタ)アクリルアミド、クロトン酸2−ヒド
ロキシエチルおよびクロトン酸4−ヒドロキシブチル等
の水酸基含有単量体の他、これらの水酸基を含有する単
量体にε−カプロラクタムおよびエチレンオキシドを開
環付加させた化合物、ならびに(メタ)アクリル酸、マ
レイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等の不飽
和カルボン酸とエチレングリコール、エチレンオキシ
ド、プロピレングリコール、プロピレンオキシド、ブチ
レングリコール、シクロヘキサンジメタノール、グリセ
リンおよびトリメチロールプロパン等の多価アルコール
との反応物などが例示される。エポキシ基を有する単量
体としては、(メタ)アクリル酸グリシジルおよびアリ
ルグリシジルエーテル等が挙げられる。カルボキシル基
を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸およびクロトン酸等が挙げ
られる。
【0013】本発明における含フッ素共重合体は上記必
須構成単量体の合計量を基準とする割合が、(a)フル
オロオレフィン:20〜70モル%、(b)(メタ)ア
クリル酸エステルまたはビニルエーテル:20〜80モ
ル%ならびに(c)加水分解性シリル基を有するオレフ
ィン性単量体:1〜20モル%であることが好ましく、
さらに好ましい範囲は(a):20〜60モルモル%、
(b):30〜75%モル%および(c):2〜10モ
ル%である(但しa+b+c=100である)。また、
その他の単量体は0〜30モル%の範囲で使用すること
が好適である(但しa+b+c+その他の単量体=10
0)。
【0014】(a)が70モル%を越えると含フッ素共
重合体の有機溶剤に対する溶解性が低下する恐れがあ
り、一方、20モル%未満では耐候性が低下する恐れが
ある。(b)が20モル%未満であると重ね塗り密着性
向上の効果が減少する恐れがあり、一方、80モル%を
越えると耐候性が低下する恐れがある。また、(c)が
1モル%未満であると、架橋点が少ないため膜の強度お
よび耐溶剤性が低下する恐れがあり、一方、20モル%
を越えると共重合体の安定性が低下する恐れがある。
【0015】前記含フッ素共重合体の分子量はゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)による数平
均分子量(ポリスチレン換算)として1000〜10万
が好ましい。また、含フッ素共重合体のガラス転移温度
(Tg)は−20℃〜60℃の範囲であることが好まし
い。
【0016】前記含フッ素共重合体を溶解させる有機溶
剤としては、トルエン、キシレンおよびソルベッソ等の
芳香族;酢酸エチル、酢酸ブチルおよび酢酸イソブチル
等のエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトンおよ
びエチルアミルケトン等のケトン類;n−ブタノールお
よびイソプロパノール等のアルコール類;メチルセロソ
ルブ、n−ブチルセロソルブおよびn−ブチルセロソル
ブアセテート等のセロソルブ系、プロピレンブリコール
モノメチルエーテル、プロピレンブリコールモノブチル
エーテルおよびプロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート等のプロピレングリコール系溶剤等が挙げ
られる。これらの有機溶剤は単独あるいは併用して用い
ることができる。
【0017】前記含フッ素共重合体は、ラジカル重合開
始剤の存在下、前記(a)〜(c)単量体等を共重合さ
せることで製造できる。重合方法は、乳化重合および有
機溶剤中での溶液重合など通常の方法が採用可能であ
る。ラジカル重合開始剤としては、ジイソプロピルパー
オキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシピバレ
ート、ベンゾイルパーオキサイドおよびラウロイルパー
オキサイド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル
およびアゾビスイソバレロニトリル等のアゾ化合物なら
びに過硫酸アンモニウムおよび過硫酸カリウム等の無機
過酸化物が使用でき、これらは全単量体量に対し0.0
001〜10モル%使用することが好ましい。乳化重合
で重合させる場合、乳化剤としてはパーフルオロオクタ
ノイックアシドカリウム塩またはアンモニウム塩、パー
フルオロオクタンスルホン酸アンモニウム塩、高級アル
コール硫酸エステルナトリウム塩ならびにポリエチレン
グリコールエーテル等が例示され、これらは全単量体量
100部に対し0.1〜50部使用するのが望ましい。
溶液重合における有機溶媒としては、テトラヒドロフラ
ンおよびジオキサン等の環状エーテル類;n−ヘキサン
およびシクロヘキサン等の炭化水素類;トルエンおよび
キシレン等の芳香族炭化水素化合物;酢酸エチルおよび
酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケ
トンおよびシクロヘキサノン等のケトン類;エタノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノールおよびn−ブチ
ルセロソルブ等のアルコール類;1,1,2−トリクロ
ロ−1,2,2−トリフルオロエチレン等のフロン類等
があげられ、これらの1種または2種以上を用いること
ができ、使用量は全単量体量100部に対し20〜20
0部であることが好ましい。
【0018】重合条件は特に限定されないが、好ましい
反応における好適な重合温度は20〜100℃であり、
好適な圧力は1〜200kg/cm2であり、好適な重合時間
は3〜40時間である。重合に使用する単量体は、その
全量を初期にバッチ仕込みしてもよいし、重合の進行と
共に一部の単量体を逐次添加してもよい。また、必要に
より、PH調整剤として、炭酸カリウム、炭酸水素ナト
リウム、ハイドロタルサイトおよび陰イオン交換樹脂等
を加えてもよい。
【0019】本発明における(B)成分は、エポキシ基
および加水分解性シリル基を有する化合物であり、この
加水分解性シリル基としてはアルコキシシリル基、アシ
ロキシシリル基、フェノキシシリル基、アミノシリル基
およびイミノオキシシリル基等の加水分解され易いシリ
ル基が挙げられる。エポキシ基および加水分解性シリル
基を有する化合物の具体的な化合物としては、γ−グリ
シドキシエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシエチルトリエト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトエメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシエチルトリイソプロペニルオキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロペニルオキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイイミノオキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリエトキシシランおよびγ−グリ
シドキシプロピルトリス(ジメチルイミノオキシ)シラ
ン等のシランカップリング剤が挙げられる。また、1分
子内に加水分解性シリル基とイソシアネート基を有する
化合物とグリシドールの反応物を用いることができる。
(B)成分の使用量は(A)成分100重量部あたり、
0.1〜30重量部である。0.1重量部未満である
と、重ね塗り密着性向上の効果がなく、一方、30重量
部を越えると塗料組成物から形成される膜の耐水性が低
下する。
【0020】本発明の(C)成分であるオルト酸エステ
ル類は、前記式(1)で表される化合物であり、具体的
な化合物としては、オルト蟻酸トリメチル、オルト蟻酸
トリエチル、オルト蟻酸トリプロピル、オルト酢酸トリ
メチル、オルト酢酸トリエチル、オルト酢酸トリプロピ
ル、オルトプロピオン酸トリメチル、オルトプロピオン
酸トリエチルおよびオルトプロピオン酸トリプロピル等
が挙げられる。その添加量は組成物中の(A)成分およ
び(B)成分の合計量100重量部に対し、0.5〜3
0重量部である。0.5重量部未満であると、保存安定
性向上の効果が充分発揮されない恐れがあり、一方、3
0部以上用いても保存安定性向上効果は変わらない。
【0021】本発明の塗料組成物は、上記(A)、
(B)および(C)成分を混合することにより調製する
ことができるが、前記有機溶剤に溶解させた(A)に、
(B)および(C)成分を混合させることが好適であ
る。
【0022】また、前記塗料組成物には、顔料、紫外線
吸収剤、光安定剤、流動調整剤、レベリング剤、スリッ
プ剤、分散剤、色分かれ防止剤、酸化防止剤ならびにア
ルキルシリケートおよびそのオリゴマー等の添加剤を加
えることができる。顔料としては、酸化チタン、べんが
ら、焼成顔料およびパール顔料等の無機顔料、フタロシ
アニンブルー、キナクリドンレッド、イソインドリノン
およびカーボンブラック等の有機顔料、炭酸カルシウム
および硫酸バリウム等の体積顔料、アルミフレークおよ
びステンレスフレーク等のメタリック顔料が挙げられ
る。また、艶消し剤として、ポリエチレンワックス、ポ
リプロピレンワックスおよびシリカ系艶消し剤を添加す
ることもできる。紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン
系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物および蓚酸アニ
リド系化合物等の有機系紫外線吸収剤、超微粒子酸化チ
タンおよび酸化セリウム等の無機系紫外線吸収剤が使用
できる。
【0023】さらに、本発明の塗料組成物は塗装時に硬
化促進剤を配合する2液型塗料の形態をとることが望ま
しい。この硬化促進剤としては、ナフテン酸コバルト、
ナフテン酸鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸鉛、
オクチル酸亜鉛、オクチル酸コバルト、テトラプロピル
チタネート、テトラブチルチタネートや、ジブチル錫ジ
ラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジクロロジブ
チル錫、ジブチル錫ジアセテートおよびトリエチル錫モ
ノステアレートなどの有機錫化合物が例示される。使用
量は含フッ素共重合体に対して20ppm〜5%であ
り、100ppm〜1%が好ましい。前記硬化促進剤は
トルエン等の有機溶剤で希釈した後、塗装時に塗料用組
成物に混合させることが好適である。
【0024】本発明の塗料用組成物は、スプレー塗装、
ロールコーターまたははけ塗り等によって金属、プラス
チック、木材、紙およびセメント系基材等に直接あるい
は下塗り剤を介して塗装することができる。金属として
はSUS、アルミおよび亜鉛鋼板等が挙げられ、プラス
チックとしてはABS、FRP、PC、硬質PVC、ベ
ークライト、エポキシ、ポリアクリルおよびポリウレタ
ン等が挙げられる。また、セメント系基材としては、モ
ルタルおよびコンクリート等が挙げられる。塗装膜厚は
乾燥時10〜50μmであることが好ましい。以下に実
施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
【0025】
【実施例】
(顔料分散液の調製)クロロトリフルオロエチレン(以
下「CTFE」という。)/アクリル酸シクロヘキシル
(以下「CHA」という。)/ビニルトリメトキシシラ
ン(以下「VMS」という。)からなり、その組成割合
が27/63/10(モル%)であり、数平均分子量M
n=8500である含フッ素共重合体(以下「F−1」
という。)の60重量%酢酸ブチル溶液を用いて以下の
配合を行い、ペイントコンディショナーで顔料分散した
後ガラスビーズを濾過し白色分散液(以下「W1」とい
う。)を調製した。 F−1の60重量%酢酸ブチル溶液 62.0g 酸化チタン〔石原産業(株)製:CR95〕 22.8g 分散剤(ビックケミー社製:Disperbyk110) 0.3g キシレン 14.9g ガラスビーズ 80.0g
【0026】含フッ素共重合体として、CTFE/エチ
ルビニルエーテル(以下「EVE」という。)/VMS
からなり、その組成割合が50/40/10(モル%)
であり、Mn=6300である共重合体(以下「F−
2」という。)の60重量%酢酸ブチル溶液を用い、上
記と同じ配合で白色分散(以下「W2」という。)を調
製した。
【0027】(塗料組成物の調製) 実施例1 W1を用い以下の配合で塗料を調製した。 W1 100.0g γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 1.5g オルト酢酸トリメチル 2.0g
【0028】実施例2 W1 100.0g γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン 3.0g オルト蟻酸トリメチル 5.0g
【0029】実施例3 W1をW2に変更した以外は実施例1と同様な配合で塗
料組成物を調製した。
【0030】実施例4 W1をW2に変更した以外は実施例2と同様な配合で塗
料組成物を調製した。
【0031】比較例1 W1を用い以下の配合で塗料を調製した。 W1 100.0g オルト蟻酸トリメチル 2.0g
【0032】比較例2 W1を用い以下の配合で塗料を調製した。 W1 100.0g γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン 3.0g
【0033】比較例3 W1だけを使用した。
【0034】比較例4 W2だけを使用した。
【0035】試験例 実施例1〜4および比較例1〜4について以下の試験を
行った。結果は後記表1に示す。 ・保存安定性試験:上記で調製した塗料組成物を80C
Cのガラス瓶に入れ密栓し50℃中の恒温槽に4週間保
存して、粘度増加比(試験後粘度/試験前粘度)を測定
した。 ・エポキシプライマーへの重ね塗り密着性:アルミ板
(クロメート処理5052P材)上に川上塗料(株)製
エポキシプライマー:エトン2100を塗装した(乾燥
膜厚約30μ)。常温で1週間乾燥後、その上に実施例
1〜4および比較例1〜3の塗料組成物20.0gに硬
化促進剤としてジブチル錫ジラウレートの0.2重量%
トルエン溶液を3.7g添加した混合物を塗装した。常
温で1週間乾燥後、さらに同じ塗料の重ね塗りを行い、
重ね塗りした時のリフティングの有無を観察する。リフ
ティングしなかったものについてはさらに常温で1週間
乾燥後、50℃温水に1週間浸漬して、温水から引き上
げた1時間後に碁盤目(100目)を入れセロテープ剥
離試験を行った。 ・アクリルプライマーへの重ね塗り密着性:アルミ板
(クロメート処理5052P材)上に亜細亜工業(株)
製アクリル塗料:ウレタントップ8000を塗装した
(乾燥膜厚約30μ)以外は、前記エポキシプライマー
の場合と同様に試験を行った。
【0036】
【表1】 1)粘度増加比(試験後粘度/試験前粘度)を示す。 2)50℃温水浸漬後の碁盤目剥離試験結果を示す。
【0037】
【発明の効果】本発明の塗料用組成物は、保存安定性お
よび重ね塗り密着性に優れているので、例えば、高耐候
性の建築用塗料などに使用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸本 悦造 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の(A)〜(C)を必須成分とし、
    (A)成分100重量部あたり(B)成分が0.1〜3
    0重量部であり、(A)成分および(B)成分の合計1
    00重量部あたり(C)成分が0.5〜30重量部であ
    るフッ素系塗料用組成物。 (A)(a)フルオロオレフィン、(b)(メタ)アク
    リル酸エステルまたはビニルエーテルならびに(c)加
    水分解性シリル基を有するオレフィン性単量体を必須成
    分とし、かつ有機溶剤に可溶な含フッ素共重合体 (B)エポキシ基および加水分解性シリル基を有する化
    合物 (C)下記式(1)で表されるオルト酸エステル類 RC(OR1 3 (1) (式中、Rは水素原子、メチル基またはエチル基を示
    し、R1 は炭素数が1〜3個のアルキル基を示す)
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