JPH1080737A - 板材加工機械のワーク搬入出ローラ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 板材加工装置、例えばタレットパンチプレス
における自動倉庫（ＡＳＫ）５対応のワークＷ搬入，搬
出仕様において、ローダ装置やアンローダ装置がワーク
テーブル２内部までの搬送を不要とし、サイズの小さい
ワークＷの搬入，搬出をも可能とするパイプローラ装置
を提供する。 【解決手段】 このため、タレットパンチプレスの固定
テーブル２Ａ上にそれぞれフリーベアリング１０列と交
互に配設された複数の回転駆動可能のパイプローラ１１
列の平行のワーク搬入側及び搬出側の２グループ１１ａ
及び１１ｂをそれぞれテーブル２Ａ上に迫り出し可能に
配設し、自動倉庫５側の各ワーク搬入出置場１７上にそ
れぞれ循環式パイプローラ装置２１を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、板材加工機械のワ
ーク搬入出パイプローラ装置に、また特に、ワークの自
動倉庫への対応に効果的なパイプローラ装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】板材ワークの穴明け，曲げ加工等を行う
従来の板材加工機械、例えば、数値制御式タレットパン
チプレス，レーザ加工機等においては、ワーク素材の機
械への搬入及び加工済みワーク製品の搬出は、従来、そ
れぞれ図４（ａ），（ｂ）に、それぞれその概略平面図
を示すような工程で行っていた。

【０００３】図４において、１は、金型の上型としての
各パンチを備えた上部タレット、２はワークテーブル、
３は上部フレームを示す。Ｗは、板金ワークで素材及び
加工済み製品の双方を表わす。ワークテーブル２の中央
には、ワーク素材ＷのＸ方向位置決め用のロケートピン
４が出没自在に配設されている。

【０００４】一方、ワークＷ素材及び製品をそれぞれ格
納する自動倉庫（ＡＳＲ）５は、それぞれワーク素材置
場６及びワーク製品置場７を有して、それぞれ不図示の
ローディング／アンローディング装置により、ワークＷ
をワークテーブル２上へ搬入、もしくはそれから搬出し
ていた。

【０００５】（ａ）図のワークＷ素材の搬入時には、素
材置場６からのワークＷを把持するＹ方向キャレッジ８
を、Ｙ方向の原点まで移動させ、ワークテーブル３中央
のロケートピン４を上昇させて、自動倉庫５側の不図示
のローディング装置がワーク素材Ｗを吸着把持して、ロ
ケートピン４近くに搬入し、不図示の原点セット装置で
クランプ９及びロケートピン４にワークＷを当接させて
搬入していた。

【０００６】一方、（ｂ）図におけるワーク製品Ｗ搬出
時には、前記Ｙ方向キャレッジ８を前記不図示のアンロ
ーダ装置のクランプが、ワークＷを掴みに来る点を計算
した位置に位置決めし、アンローダクランプがこのワー
クを把持して製品置場７へ搬出するよう構成されてい
た。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような従来方法にあっては、つぎのような問題点があっ
た。すなわち、 （１）タレットパンチプレス側で、センサロケートピン
４が必要となるが、組立時のロケートピン４の設置位置
を測定し、これをワーク素材Ｗ搬入時のＸ方向キャレッ
ジ８位置の位置決め精度に反映させる必要があった。

【０００８】（２）ワーク素材Ｗを搬入する時、自動倉
庫５の前記ローディング装置は、ロケートピン４の近く
までワークＷを運ぶ必要があるため長いストロークが必
要であった。

【０００９】（３）一方、製品ワークＷ搬出時には、自
動倉庫５の前記アンローダ装置のクランプが、ワークＷ
を把持する点を計算して、キャレッジ８の位置決めを行
っているが、ワークＷの寸法が所定サイズ以上の物でな
いと、アンローダクランプは、ワークを掴むことができ
ない、など。

【００１０】本発明は、以上のような従来のこの種の板
材加工機械のワーク搬入出方法の問題点にかんがみてな
されたもので、特に、前記のような自動倉庫のワーク搬
入出仕様において、ワーク素材Ｗの搬入にロケートピン
４までの搬送を不要とし、ワーク搬入，搬出用のローダ
及びアンローダ装置がいちいちワークテーブル２範囲内
まで入って来る大きなストロークの必要をなくすると共
に、サイズの小さいワークＷでも自動倉庫に対応してワ
ークの搬入，搬出を可能とするパイプローラ装置の提供
を目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、板材加工機械の固定テーブル上に、ワーク搬入出
方向にそれぞれ直交して回転駆動可能の複数のローラ列
を、それぞれ各フリーベアリング列と平行の直交列状
に、前記ワーク搬入出方向にそれぞれ並列する２つのグ
ループ別に配設すると共に、前記それぞれのグループの
各ローラを、独立に前記固定テーブル上に迫り出し可能
に構成したことを特徴とする板材加工機械のワーク搬入
出ローラ装置を提供することにより、前記目的を達成し
ようとするものである。

【００１２】

【作用】以上のような本発明構成により、ワークサイズ
に制約されることなく、その搬入，搬出を極めて容易化
することかできる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を一
実施例を用いて詳細に説明する。

【００１４】

【実施例】図１，２に板材加工機械の一例としての数値
制御式タレットパンチプレスに関する本発明に係る一実
施例のそれぞれ要部概略平面図及び概略構成正面図を示
す。

【００１５】両図において、前記従来例の説明図４にお
けると同一（相当）構成要素は、同一符号で表わす。

【００１６】すなわち、１は、タレットパンチプレスの
上部タレット、２Ａは、固定のワークテーブル、３は上
部フレーム、５は自動倉庫（ＡＳＲ）、６はワーク素材
置場、７はワーク製品置場を示す。

【００１７】また、１０は、複数のボール形式のフリー
ベアリング列、１１は複数のパイプローラ、１２は原点
引寄せパッド（例えば実公平７−３１８５６号公報にお
けるワーク保持部材参照）、１４は下部フレーム、１５
はまさつベルト、１６は、このまさつベルト１５循環駆
動モータ、１７は、ＡＳＲ５の各ワーク搬入出置場、１
８はそれぞれのワークＷ載置用昇降式パレット、１９
は、それぞれのローダまたはアンローダ装置を示す。

【００１８】（構成）以上のような構成、配置におい
て、ワーク素材Ｗ搬入時のＸ，Ｙ位置は原点位置とし、
ワーク製品搬出時のＸ，Ｙ位置は、Ｘ軸は任意位置、Ｙ
軸はＹ原点位置とする。

【００１９】タレットパンチプレスのワークテーブル２
Ａは固定テーブルとし、テーブル上面には、Ｙ方向に延
びる複数のパイプローラ１１列が、それぞれフリーベア
リング１０の列と交互にＸ方向に、平行の搬入側及び搬
出側の２グループ１１ａ，１１ｂ別に配設されている。

【００２０】これらの各パイプローラは、固定テーブル
２Ａ上面に全面的に配設され、各キャレッジのＸ，Ｙ軸
の移動時に干渉しない位置に通常は位置しており、ワー
ク搬入側グループ１１ａの各パイプローラ１１は、ワー
ク素材Ｗ搬入時にのみ、リフト装置２０により上方に迫
り出すよう構成され、一方、搬出側の各パイプローラは
搬出時にのみ上方へ迫り出すよう構成されている（図２
参照）。

【００２１】また、これらパイプローラ１１の回転方向
は、図１における下段グループの原点側は図２における
左回転（搬入）、上段グループのタレット１側は図２に
おける右回転（搬出）方向にそれぞれモータ１６がまさ
つベルト１５を介して回転駆動するよう構成されてい
る。

【００２２】さらにまた、ＡＳＲ５側の各ワーク搬入出
置場１７にも、それぞれワーク搬送用の循環パイプロー
ラ装置２１を備えている。

【００２３】（動作／作用）以上の構成におけるそれぞ
れワークの搬入動作及び搬出動作を、図３に示す動作シ
ーケンスフローチャート（ａ），（ｂ）に従って説明す
る。

【００２４】（ａ）搬入動作 まず、ステップＳ１で各キャレッジをそれぞれの原点に
復帰させ、ステップＳ２で搬入側パイプローラグループ
１１ａをリフト装置２０により上昇させる。次いでロケ
ートピン４を上昇させて、ワーククランプを開放させる
（ステップＳ３）。

【００２５】次いで搬入側パイプローラグループ１１ａ
を回転駆動し（ステップＳ４）、ＡＳＲ５のワーク素材
置場のパレット１８上のワークＷを搬入する（ステップ
Ｓ５）。このワークＷが前記原点セット装置まで搬送さ
れたら（ステップＳ６）、搬入側パイプローラグループ
１１ａの回転を停止させ（ステップＳ７）、このグルー
プ１１ａを下降させる（ステップＳ８）。

【００２６】次いで、原点セット装置によるワーク突当
て動作を行い（ステップＳ９）、ロケートピン及びクラ
ンプ突当てが完了したら（ステップＳ１０）、クランプ
を開放してロケートピンを引込め（ステップＳ１１）、
このワーク搬入動作を終了する。

【００２７】（ｂ）搬出動作 まず、不図示のＹ方向キャレッジをＡＳＲの製品置場７
と対応する位置へ位置させ（ステップＳ２０）、搬出側
パイプローラグループ１１ｂを上昇させる（ステップＳ
２１）。次いで、Ｙ方向キャレッジのクランプを開き、
Ｙ軸を例えば２０mm退避させる（ステップＳ２２，Ｓ２
３）。次いで、クランプを閉じて（ステップＳ２４）、
搬出側パイプローラグループ１１ｂを回転駆動し（ステ
ップＳ２５）、搬出が完了したら（ステップＳ２６）、
パイプローラグループ１１ｂの回転を停止してこれを下
降させた（ステップＳ２７，Ｓ２８）後、各Ｘ，Ｙ原点
位置に移動してこのワーク搬出動作を終了する。

【００２８】以上、説明したように、ワーク素材Ｗの搬
入は、搬入用パイプローラグループ１１ａにワークＷを
載置して、ロケートピン４位置まで来るよう各パイプロ
ーラ１１を回転させるため、ローダ装置１９がワークを
ロケートピン４位置まで搬送する位置決めユニットが不
要となる。

【００２９】また、製品ワークＷの搬出は搬出用パイプ
ローラグループ１１ｂにワークを載置して、ＡＳＲ５側
に行くように回転駆動し、さらにＡＳＲ５側にも、図２
に示すように循環式パイプローラ２１を配設し、ワーク
搬入時は、ワークの集積置場１８からこのパイプローラ
２１上に載置するだけでタレットパンチプレスへ搬入す
ることができる。

【００３０】また、ワーク製品搬出時も、タレットパン
チプレスから搬出されたワーク製品を、パイプローラグ
ループ１１ｂで引き寄せれば、ＡＳＲ５側はそれをパイ
プローラ２１に引継ぐだけで済む。

【００３１】以上のように本実施例のタレットパンチプ
レスにおいては、固定テーブル２Ａ上に、ワーク搬入／
搬出用の各パイプローラグループ１１ａ，１１ｂを設け
たため、必ずしもロケートピン４を必要とせず、また、
サイズの小さいワークでも搬入，搬出が可能である。

【００３２】なお、前記各パイプローラ１１には、回転
時にワークＷずれを最小限にするため、例えばゴム等の
材料のコーティングを施しておけば好都合である。

【００３３】

【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、板材加工機械の固定テーブルに、それぞれ上昇可能
のワーク搬入及び搬出用の各パイプローラグループを設
け、さらに自動倉庫側にも循環式パイプローラ装置を設
けるようにしたため、ワークサイズに制約されることな
く、搬入，搬出が極めて容易となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】 タレットパンチプレスにおける一実施例の要
部概略平面図

【図２】 図１の概要構成正面図

【図３】 実施例の動作シーケンスフローチャート

【図４】 従来のタレットパンチプレスへのワーク搬入
／搬出方法例

【符号の説明】

１ 上部タレット ２ ワークテーブル ２Ａ 固定テーブル ３ 上部フレーム ４ ロケートピン ５ 自動倉庫（ＡＳＲ） ６ ワーク素材置場 ７ ワーク製品置場 ８ Ｘ方向キャレッジ ９ クランプ １０ フリーベアリング １１ パイプローラ １１ａ／１１ｂ 搬入側／搬出側パイプローラグループ １２ 原点引寄せパッド（ワーク保持部材） １４ 下部フレーム １５ まさつベルト １６ モータ １７ 各ワーク搬入出装置 １８ パレット １９ ローダ／アンローダ装置 Ｗ ワーク（素材及び製品）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 板材加工機械の固定テーブル上に、ワー
   ク搬入出方向にそれぞれ直交して回転駆動可能の複数の
   ローラ列を、それぞれ各フリーベアリング列と平行の直
   交列状に、前記ワーク搬入出方向にそれぞれ並列する２
   つのグループ別に配設すると共に、前記それぞれのグル
   ープの各ローラを、独立に前記固定テーブル上に迫り出
   し可能に構成したことを特徴とする板材加工機械のワー
   ク搬入出ローラ装置。
2. 【請求項２】 前記ワーク搬入出ローラ装置は、前記ワ
   ーク用自動倉庫に対応し、この自動倉庫におけるワーク
   搬入出置場上にも、ワーク搬送用循環式ローラ装置を備
   えたことを特徴とする請求項１記載の板材加工機械のワ
   ーク搬入出ローラ装置。