JPH1079230A - 画像表示用陰極線管回路 - Google Patents

画像表示用陰極線管回路

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JPH1079230A
JPH1079230A JP8232911A JP23291196A JPH1079230A JP H1079230 A JPH1079230 A JP H1079230A JP 8232911 A JP8232911 A JP 8232911A JP 23291196 A JP23291196 A JP 23291196A JP H1079230 A JPH1079230 A JP H1079230A
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JP
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cathode
voltage
grid
image display
ray tube
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JP8232911A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Miyagawa
均 宮川
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】CRTにおけるカソードカットオフ電圧の調整
を、実施に要されるコストの低減が図られ、しかも、そ
の結果得られるカソードカットオフ電圧の設定を高精度
のものとなすことがきるもとで行えるようにする。 【解決手段】制御ユニット47が、カソード電圧供給部
48〜54がCRT11のカソードに予め設定された所
定の電圧を供給する状態をとるもとで、可変グリッド電
圧発生部60に対するカットオフ検出部59から得られ
る検出出力に応じた制御を行い、CRT11の第2グリ
ッドに供給される可変電圧を、カソード電圧供給部48
〜54からCRT11のカソードに供給される予め設定
された所定の電圧がカソードカットオフ電圧とされるこ
とになるものとすべく動作する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像表示用陰極線
管(以下、単にCRTという)におけるカソード,第1
グリッド及び第2グリッドに、映像信号及び所定の電
圧,基準電位、所定の設定電圧を夫々供給して、CRT
を駆動するCRT回路に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーCRTに、例えば、カラーテレビ
ジョン信号に基づくカラー映像信号が供給されて、カラ
ーCRTにおける表示部に再生カラー画像が得られるに
際しては、カラーCRTとして、例えば、各々がカソー
ド,第1グリッド,第2グリッド等を含んで構成されて
電子ビームを発生する3個の電子銃構体を内蔵したもの
が用いられ、また、カラー映像信号が赤色信号,緑色信
号及び青色信号の3原色信号を含んで成るものとされ
て、赤色信号,緑色信号及び青色信号が3個の電子銃構
体のカソードに夫々供給される。このような場合、カラ
ーCRTが備える3個の電子銃構体が、各々の各種特性
に関して相互間における多少の相違を伴うものとなるこ
とは止むを得ないところである。
【0003】例えば、3個の電子銃構体の夫々が発生す
る電子ビームにより形成されるビーム電流及びそれに伴
うカソード電流は、各電子銃構体における第1グリッド
の電圧を基準としたカソードの電圧(以下、カソード電
圧という)に応じてその値が変化する。即ち、カソード
電圧が所定値以上では、ビーム電流及びそれに伴うカソ
ード電流は得られず、カソード電圧が所定値未満のもと
では、カソード電圧が第1グリッドの電圧に近接する
程、ビーム電流及びそれに伴うカソード電流の値が大と
される。ビーム電流及びそれに伴うカソード電流が得ら
れない状態は、電子ビームカットオフ状態と称され、ビ
ーム電流及びそれに伴うカソード電流が得られる状態か
ら電子ビームカットオフ状態に移行するとき、もしく
は、電子ビームカットオフ状態からビーム電流及びそれ
に伴うカソード電流が得られる状態に移行するときのカ
ソード電圧(以下、カソードカットオフ電圧という)
は、第1グリッドに基準電位が与えられたもとにおける
第2グリッドの電圧に応じて定まる。
【0004】そして、カラーCRTが備える3個の電子
銃構体にあっては、通常、各々についてのカソード電圧
とビーム電流及びそれに伴うカソード電流との関係をあ
らわす特性であるカソード電圧−カソード電流特性が、
相互間において相違するものとされる。例えば、カソー
ドに赤色信号が供給される電子銃構体についてのカソー
ド電圧−カソード電流特性をRK,カソードに緑色信号
が供給される電子銃構体についてのカソード電圧−カソ
ード電流特性をGK、及び、カソードに青色信号が供給
される電子銃構体についてのカソード電圧−カソード電
流特性をBKとすると、図3(横軸:カソード電圧(V
k),縦軸:カソード電流(Ik))に示される如く
に、相互差を有し、夫々におけるカソードカットオフ電
圧RVkc,GVkc及びBVkcも互いに相違するも
のとなる。
【0005】3個の電子銃構体を内蔵したカラーCRT
において、3個の電子銃構体の夫々についてのビーム電
流及びそれに伴うカソード電流の大きさは、表示部にお
いて各電子銃構体からの電子ビームに応じて発せられる
色光の輝度を左右することになる。従って、上述の如く
のカソード電圧−カソード電流特性RK,GK及びBK
の相互間における相違は、表示部においてカラー画像を
再生する赤色光,緑色光及び青色光の夫々に関する信号
レベル−輝度特性における不所望な相違を生じ、その結
果、表示部に得られる再生カラー画像において、各電子
銃構体のカソードに供給される赤色信号,緑色信号及び
青色信号に夫々応じた赤色光,緑色光及び青色光が適正
な輝度を有するものとされず、白色が適正に再現されな
いことになる事態をまねく。
【0006】カラーCRTにおける表示部に再生カラー
画像が得られるに際して、上述の如くの赤色光,緑色光
及び青色光が適正な輝度を有するものとされず、白色が
適正に再現されないことになる事態が生じると、再生カ
ラー画像の画質が著しく損なわれることになるので、斯
かる事態は極力回避されることが望まれる。そこで、従
来より、3個の電子銃構体を内蔵したカラーCRTにつ
いては、3個の電子銃構体の夫々におけるカソード電圧
−カソード電流特性RK,GK及びBKを揃える調整が
行われており、斯かる調整は“ホワイトバランス”調整
と呼ばれている。
【0007】このような“ホワイトバランス”調整にあ
たっては、3個の電子銃構体の夫々についてのカソード
カットオフ電圧RVkc,GVkc及びBVkcが揃え
られ、図4(横軸:カソード電圧(Vk),縦軸:カソ
ード電流(Ik))に示される如く、3個の電子銃構体
の夫々についてのカソード電圧−カソード電流特性R
K,GK及びBKが、カソードカットオフ電圧RVk
c,GVkc及びBVkcを一致させたものとなるよう
にされる。そして、カソードカットオフ電圧RVkc,
GVkc及びBVkcについてのそれらを揃えるための
調整は、3個の電子銃構体の夫々について、第1グリッ
ドに基準電位、例えば、接地電位を与えたもとで、第2
グリッドの電圧を変化させることにより行われる。
【0008】図5は、3個の電子銃構体を内蔵したカラ
ーCRTに接続されて、そのカラーCRTについての、
カソードカットオフ電圧調整を含む“ホワイトバラン
ス”調整を行うことができる、従来の陰極線管回路をカ
ラーCRTと共に示す。図5において、カラーCRT1
1は、アノード12及び3個の電子銃構体を夫々形成す
るカソードKr,第1グリッドG1r及び第2グリッド
G2rの組と、カソードKg,第1グリッドG1g及び
第2グリッドG2gの組と、カソードKb,第1グリッ
ドG1b及び第2グリッドG2bの組とを備えている。
【0009】アノード12には、高電圧発生部13から
の高アノード電圧VAが供給され、また、3個の第1グ
リッドG1r,G1g及びG1bには、基準電位として
の接地電位が与えられる。そして、カソードKr及び第
2グリッドG2rにはカソード及び第2グリッド制御回
路15Rが接続され、カソードKg及び第2グリッドG
2gにはカソード及び第2グリッド制御回路15Gが接
続され、さらに、カソードKb及び第2グリッドG2b
にはカソード及び第2グリッド制御回路15Bが接続さ
れている。
【0010】カソード及び第2グリッド制御回路15R
は、カラー映像信号を形成する3原色信号である赤色信
号R,緑色信号G及び青色信号Bのうちの赤色信号R
を、所定の直流電圧を伴うものとして、カソードKrに
供給するとともに、第2グリッドG2rに所定のグリッ
ド電圧を供給する。同様に、カソード及び第2グリッド
制御回路15Gは、赤色信号R,緑色信号G及び青色信
号Bのうちの緑色信号Gを、所定の直流電圧を伴うもの
として、カソードKgに供給するとともに、第2グリッ
ドG2gに所定のグリッド電圧を供給し、カソード及び
第2グリッド制御回路15Bは、赤色信号R,緑色信号
G及び青色信号Bのうちの青色信号Bを、所定の直流電
圧を伴うものとして、カソードKbに供給するととも
に、第2グリッドG2bに所定のグリッド電圧を供給す
る。
【0011】また、カラーCRT11においては、カソ
ードKr,第1グリッドG1r及び第2グリッドG2r
を含む電子銃構体,カソードKg,第1グリッドG1g
及び第2グリッドG2gを含む電子銃構体、及び、カソ
ードKb,第1グリッドG1b及び第2グリッドG2b
を含む電子銃構体について夫々設定されるカソードカッ
トオフ電圧RVkc,GVkc及びBVkcが、カソー
ド及び第2グリッド制御回路15R,15G及び15B
によって夫々調整される。
【0012】カソード及び第2グリッド制御回路15
R,15G及び15Bの夫々は、同様の構成を有するも
のとされており、図5においては、カソード及び第2グ
リッド制御回路15Rについてのみ、その構成が示され
ていて、カソード及び第2グリッド制御回路15G及び
15Bについてはその構成の表示が省略されている。
【0013】カソード及び第2グリッド制御回路15R
において、カソードカットオフ電圧RVkcについて
の、カソードカットオフ電圧RVkc,GVkc及びB
Vkcを揃えるための調整が行われる際には、NPN型
のトランジスタ16のベースに接続されたスイッチ17
が、一点鎖線により示される如くに、トランジスタ16
のベースを定直流電圧VBを供給する電圧源18に接続
する状態とされるとともに、PNP型のトランジスタ1
9のエミッタに接続されたスイッチ20が、一点鎖線に
より示される如くに、トランジスタ19のエミッタを外
部電圧源接続端子21に接続する状態とされる。それに
より、トランジスタ16のベースに定直流電圧VBが供
給されるとともに、外部直流電圧源22からの基準電圧
VRKが、外部電圧源接続端子21を通じ、さらに、ス
イッチ20を通じてトランジスタ19のエミッタに供給
される。
【0014】トランジスタ16は、そのコレクタが抵抗
素子23A及び23Bを通じて動作電圧源+Bに接続さ
れ、さらに、そのエミッタが抵抗素子24を通じて接地
されている。また、トランジスタ19は、そのベースが
トランジスタ16のコレクタに接続され、そのコレクタ
が抵抗素子25を通じて接地され、さらに、そのエミッ
タが抵抗素子26を通じてカソードKrに接続されてい
る。従って、トランジスタ19のエミッタに供給される
外部直流電圧源22からの基準電圧VRKは、抵抗素子
26を通じてカソードKrに供給される。この基準電圧
VRKは、略カソードカットオフ電圧RVkc,GVk
c及びBVkcとされるべき所定の電圧に設定される。
また、このとき、トランジスタ19はオン状態におか
れ、カソードKrからのカソード電流RIkが、抵抗素
子26,トランジスタ19及び抵抗素子25を通じて流
れる。
【0015】このようなもとで、グリッド電圧発生部2
7から得られる直流電圧VGが供給され、それに基づく
可変グリッド電圧VG2を第2グリッドG2rに供給す
る可変抵抗器28が操作されて、可変グリッド電圧VG
2が変化せしめられる。そして、可変グリッド電圧VG
2が、カラーCRT11の表示部11Dにおいて僅かな
発光が得られる状態、即ち、カソードKr,第1グリッ
ドG1r及び第2グリッドG2rを含む電子銃構体にお
いて僅かなビーム電流及びそれに伴うカソード電流が得
られる状態であって、換言すれば、カソードカットオフ
状態に極めて近い状態が得られるように調整されて、カ
ソードKrに基準電圧VRKが供給されるもとでカソー
ドカットオフ状態に極めて近い状態が得られることにな
る電圧に設定される。それにより、カソードカットオフ
電圧RVkcが基準電圧VRKに略等しい電圧とされる
調整が行われる。その際、カラーCRT11の表示部1
1Dにおいて僅かな発光が得られる状態が得られたか否
かが、視覚的に検出される。
【0016】カソードカットオフ電圧RVkcが基準電
圧VRKに略等しい電圧とされる調整が行われた後に
は、スイッチ17が、実線により示される如くに、トラ
ンジスタ16のベースを輝度基準電圧設定部30に接続
する状態とされるとともに、スイッチ20が、実線によ
り示される如くに、トランジスタ19のエミッタを抵抗
素子23Aと抵抗素子23Bとの間の接続点にアノード
が接続されたダイオード33のカソードに接続する状態
とされる。なお、このとき、外部直流電圧源22からの
基準電圧VRKの供給は停止される。
【0017】輝度基準電圧設定部30は、映像信号出力
部31から送出される赤色信号Rもしくは基準赤色信号
R’が供給され、その赤色信号Rもしくは基準赤色信号
R’を輝度基準電圧を伴うものとして送出する。映像信
号出力部31は、信号入力端子32からの垂直ブランキ
ング期間に対応した垂直ブランキングパルスPVBが供
給され、垂直ブランキング期間以外の期間において赤色
信号Rを送出するとともに、垂直ブランキング期間にお
いては基準赤色信号R’を送出する。従って、トランジ
スタ16のベースには、垂直ブランキング期間以外の期
間において赤色信号Rが輝度基準電圧を伴うものとして
供給されるとともに、垂直ブランキング期間において
は、基準赤色信号R’が輝度基準電圧を伴うものとして
供給される。
【0018】そして、垂直ブランキング期間以外の期間
において、輝度基準電圧を伴った赤色信号Rが、トラン
ジスタ16により増幅され、トランジスタ16のコレク
タに接続された抵抗素子23Aと抵抗素子23Bとの間
の接続点からダイオード33及び抵抗素子26を通じて
カソードKrに供給される。それにより、カラーCRT
11の表示部11Dに、カソードKr,第1グリッドG
1r及び第2グリッドG2rを含む電子銃構体から発せ
られる赤色信号Rに応じた電子ビームに基づく再生赤色
画像が得られる。
【0019】また、垂直ブランキング期間においては、
輝度基準電圧を伴った基準赤色信号R’がトランジスタ
16により増幅され、トランジスタ16のコレクタに接
続された抵抗素子23Aと抵抗素子23Bとの間の接続
点からダイオード33及び抵抗素子26を通じてカソー
ドKrに供給される。このとき、カソードKrからのカ
ソード電流RIkが、抵抗素子26,トランジスタ19
及び抵抗素子25を通じて流れ、トランジスタ19のコ
レクタと抵抗素子25との接続点Qに、カソード電流R
Ikに応じた電圧RVkが得られる。即ち、トランジス
タ19及び抵抗素子25は、カソード電流検出部を形成
しているのであり、電圧RVkはカソード電流について
の検出出力電圧である。
【0020】接続点Qに得られる電圧RVkは、直流遮
断用のコンデンサ34を通じて制御信号形成部35に供
給される。制御信号形成部35は、信号入力端子32か
らの垂直ブランキングパルスPVBが供給されて、それ
により垂直ブランキング期間においてのみ動作するもの
とされる。
【0021】制御信号形成部35は、垂直ブランキング
パルスPVBに応じ、垂直ブランキング期間において、
接続点Qに得られる電圧RVkと予め設定された基準電
圧とを比較し、その比較結果に応じた制御信号CVRを
形成して、それを輝度基準電圧設定部30に供給する。
輝度基準電圧設定部30は、制御信号形成部35からの
制御信号CVRに応じて輝度基準電圧を変化させ、その
結果、制御信号形成部35において比較される接続点Q
に得られる電圧RVkと予め設定された基準電圧とが等
しくなるようにする。それにより、輝度基準電圧設定部
30において設定される輝度基準電圧が、垂直ブランキ
ング期間毎に、カソードカットオフ電圧RVkcが基準
電圧VRKに略等しい電圧とされる状態が維持されるこ
とになる適正な電圧に調整され、“ホワイトバランス”
調整が自動的に行われることになる。
【0022】カソード及び第2グリッド制御回路15G
及び15Bの夫々においても、外部直流電圧源22から
の基準電圧VRKが供給される状態が選択的にとられる
もとで、カソード及び第2グリッド制御回路15Rにお
ける動作と同様な動作が行われる。即ち、カソード及び
第2グリッド制御回路15Gにおいて、カソードカット
オフ電圧GVkcが基準電圧VRKに略等しい電圧とさ
れる調整が行われるとともに、垂直ブランキング期間毎
に、輝度基準電圧が、カソードカットオフ電圧GVkc
が基準電圧VRKに略等しい電圧とされる状態が維持さ
れることになる適正な電圧に調整されて、“ホワイトバ
ランス”調整が自動的に行われることになり、さらに、
カソード及び第2グリッド制御回路15Bにおいて、カ
ソードカットオフ電圧BVkcが基準電圧VRKに略等
しい電圧とされる調整が行われるとともに、垂直ブラン
キング期間毎に、輝度基準電圧が、カソードカットオフ
電圧BVkcが基準電圧VRKに略等しい電圧とされる
状態が維持されることになる適正な電圧に調整されて、
“ホワイトバランス”調整が自動的に行われることにな
る。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】上述の如くにして、カ
ソード及び第2グリッド制御回路15R,15G及び1
5Bの各々において、カラーCRT11におけるカソー
ドカットオフ電圧RVkc,GVkc及びBVkcの夫
々ついての、それらを揃えるための調整が行われるにあ
たっては、外部直流電圧源22が用いられて、カラーC
RT11のカソードKr,Kg及びKbの夫々に基準電
圧VRKが供給される。そして、斯かるもとで、カラー
CRT11の第2グリッドG2r,G2g及びG2bの
夫々に供給されるグリッド電圧の調整が行われ、その
際、カラーCRT11の表示部11Dにおいて僅かな発
光が得られる状態が、例えば、カラーCRT11の表示
部11Dが注視されて直接的に、あるいは、光センサ等
が用いられて間接的に視覚により検出され、その検出結
果に応じてグリッド電圧の調整が制御される。
【0024】このようなもとでは、先ず、基準電圧VR
Kを発生する外部直流電圧源22を備えることが必要と
され、次に、外部直流電圧源22からの基準電圧VRK
をカラーCRT11のカソードKr,Kg及びKbの夫
々に供給するための治工具及び所定の作業が必要とされ
ることになる。また、外部直流電圧源22からの基準電
圧VRKをカラーCRT11のカソードKr,Kg及び
Kbの夫々に供給するための治工具は、例えば、基準電
圧VRKの値に応じた設定及び調整がなされることを要
求し、さらには、確実な保守をも要求するものとなる。
従って、上述の従来行われているカラーCRT11にお
けるカソードカットオフ電圧RVkc,GVkc及びB
Vkcの調整は、その実施にあたってのコストが嵩んで
しまうとともに、作業者による労力が求められることに
なるものとされている。
【0025】また、カラーCRT11の表示部11Dに
おいて僅かな発光が得られる状態の視覚的な検出にあっ
ては、検出される状態を常時一定のもとのなすことが困
難とされ、それに伴ってグリッド電圧の調整状態に“ば
らつき”が生じ易いことになる。従って、上述の従来行
われているカラーCRT11におけるカソードカットオ
フ電圧RVkc,GVkc及びBVkcの調整のもとで
得られるカソードカットオフ電圧RVkc,GVkc及
びBVkcの夫々の設定は、精度に欠けることとなる虞
がある。
【0026】斯かる点に鑑み、本発明は、CRTにおけ
るカソードカットオフ電圧を所定のものに設定する調整
を、CRTにおけるカソードに基準電圧を供給する外部
直流電圧源を必要とすることなく、実施に要されるコス
トの低減が図られ、しかも、その結果得られるカソード
カットオフ電圧の設定を高精度のものとなすことができ
るもとで行うことができるCRT回路を提供する。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明に係るCRT回路
は、CRTのカソードに予め設定された所定の電圧を供
給する状態を選択的にとるカソード電圧供給部と、CR
Tの第1グリッドに基準電位を与える基準電位部と、C
RTの第2グリッドに可変電圧を供給する可変グリッド
電圧発生部と、CRTにおけるカソード電流を検出する
カソード電流検出部と、カソード電流検出部から得られ
る第1の検出出力に基づいて、CRTにおける電子ビー
ムカットオフ状態を検出するカットオフ検出部と、カッ
トオフ検出部から得られる第2の検出出力が供給される
制御部とを備え、制御部が、カソード電圧供給部がCR
Tのカソードに予め設定された所定の電圧を供給する状
態をとるもとで、可変グリッド電圧発生部に対するカッ
トオフ検出部から得られる第2の検出出力に応じた制御
を行い、CRTの第2グリッドに供給される可変電圧
を、カソード電圧供給部からCRTのカソードに供給さ
れる予め設定された所定の電圧がカソードカットオフ電
圧とされることになるものとすべく動作するものとされ
て、構成される。
【0028】このように構成される本発明に係るCRT
回路は、CRTにおけるカソードカットオフ電圧を所定
のものに設定する調整を行う動作状態をとり得ることに
なり、斯かる動作状態がとられる際には、カソード電圧
供給部がCRTのカソードに予め設定された所定の電圧
を供給する状態をとり、基準電位部がCRTの第1グリ
ッドに、例えば、接地電位とされる基準電位を与え、可
変グリッド電圧発生部がCRTの第2グリッドに可変電
圧を供給するもとで、制御部による可変グリッド電圧発
生部に対するカットオフ検出部からの検出出力に応じた
制御が行われ、それにより、CRTの第2グリッドに供
給される可変電圧が、カソード電圧供給部からCRTの
カソードに供給される予め設定された所定の電圧がカソ
ードカットオフ電圧とされることになるものに設定され
る。その結果、CRTにおけるカソードカットオフ電圧
が、カソード電圧供給部からCRTのカソードに供給さ
れる予め設定された所定の電圧に設定される調整が、自
動的に行われることになる。
【0029】それゆえ、本発明に係るCRT回路にあっ
ては、CRTにおけるカソードカットオフ電圧を所定の
ものに設定する調整が、CRTにおけるカソードに基準
電圧を供給する外部直流電圧源を必要とされることな
く、従って、外部直流電圧源からの基準電圧をCRTの
カソードに供給するための治工具及び所定の作業等も必
要とされることなく行われ、また、治工具の調整及び保
守等が不要とされて、その調整の実施に要されるコスト
の低減が図られる。さらに、CRTの第2グリッドに供
給される可変電圧の調整が、例えば、CRTの表示部に
おいて僅かな発光が得られる状態が視覚的に検出されて
制御されるのではなく、カットオフ検出部から得られる
検出出力に応じて制御され、従って、CRTにおけるカ
ソードカットオフ電圧についての予め設定された所定の
電圧とされる設定が、高精度をもって行われることにな
る。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るCRT回路
の一例をそれが適用されたカラーCRTと共に示す。こ
の図1に示される本発明に係るCRT回路の例は、3個
の電子銃構体を内蔵したカラーCRTに接続されて、そ
のカラーCRTについての、カソードカットオフ電圧調
整を含む“ホワイトバランス”調整を行うことができる
ものとされている。
【0031】図1におけるカラーCRT11は、図5に
示されるカラーCRT11と同様のものであり、アノー
ド12及び3個の電子銃構体を夫々形成するカソードK
r,第1グリッドG1r及び第2グリッドG2rの組
と、カソードKg,第1グリッドG1g及び第2グリッ
ドG2gの組と、カソードKb,第1グリッドG1b及
び第2グリッドG2bの組とを備えている。アノード1
2には、高電圧発生部13からの高アノード電圧VAが
供給され、また、3個の第1グリッドG1r,G1g及
びG1bは、それらに接地電位を基準電位として与える
基準電位部に接続されている。
【0032】カソードKr及び第2グリッドG2rには
カソード及び第2グリッド制御回路40Rが接続され、
カソードKg及び第2グリッドG2gにはカソード及び
第2グリッド制御回路40Gが接続され、さらに、カソ
ードKb及び第2グリッドG2bにはカソード及び第2
グリッド制御回路40Bが接続されている。
【0033】カソード及び第2グリッド制御回路40R
は、カラー映像信号を形成する3原色信号である赤色信
号R,緑色信号G及び青色信号Bのうちの赤色信号R
を、所定の直流電圧を伴うものとして、カソードKrに
供給するとともに、第2グリッドG2rに所定のグリッ
ド電圧を供給する。同様に、カソード及び第2グリッド
制御回路40Gは、赤色信号R,緑色信号G及び青色信
号Bのうちの緑色信号Gを、所定の直流電圧を伴うもの
として、カソードKgに供給するとともに、第2グリッ
ドG2gに所定のグリッド電圧を供給し、カソード及び
第2グリッド制御回路40Bは、赤色信号R,緑色信号
G及び青色信号Bのうちの青色信号Bを、所定の直流電
圧を伴うものとして、カソードKbに供給するととも
に、第2グリッドG2bに所定のグリッド電圧を供給す
る。
【0034】また、カソード及び第2グリッド制御回路
40R,40G及び40Bは、カラーCRT11におけ
るカソードKr,第1グリッドG1r及び第2グリッド
G2rを含む電子銃構体,カソードKg,第1グリッド
G1g及び第2グリッドG2gを含む電子銃構体、及
び、カソードKb,第1グリッドG1b及び第2グリッ
ドG2bを含む電子銃構体について夫々設定されるカソ
ードカットオフ電圧RVkc,GVkc及びBVkcを
揃えるべく、それらの各々を所定の電圧に設定する調整
を行う。
【0035】このようなカソード及び第2グリッド制御
回路40R,40G及び40Bの夫々は、同様の構成を
有するものとされており、図1においては、カソード及
び第2グリッド制御回路40Rについてのみ、その構成
が示されていて、カソード及び第2グリッド制御回路4
0G及び40Bについてはその構成の表示が省略されて
いる。
【0036】カソード及び第2グリッド制御回路40R
においては、端子40cを通じて外部に接続された映像
信号出力部42が備えられており、映像信号出力部42
には、信号入力端子41からの、垂直ブランキング期間
に対応する垂直ブランキングパルスPVBが供給され
る。映像信号出力部42は、垂直ブランキングパルスP
VBに応じて、垂直ブランキング期間以外の期間におい
て、赤色信号Rを送出し、また、垂直ブランキング期間
において基準赤色信号R’を送出する。映像信号出力部
42から送出される赤色信号Rもしくは基準赤色信号
R’は、輝度基準電圧設定部43に供給される。
【0037】信号入力端子41からの垂直ブランキング
パルスPVBは、制御信号形成部44にも供給され、制
御信号形成部44は、垂直ブランキングパルスPVBに
応じて垂直ブランキング期間のみ動作状態をとり、垂直
ブランキング期間において制御信号CVRを輝度基準電
圧設定部43に供給する。輝度基準電圧設定部43は、
垂直ブランキング期間において制御信号形成部44から
の制御信号CVRに応じて設定される輝度基準電圧を発
生し、映像信号出力部42からの赤色信号Rもしくは基
準赤色信号R’を輝度基準電圧を伴うものとして、スイ
ッチ45に供給する。
【0038】また、カソード及び第2グリッド制御回路
40Rにあっては、指令信号入力部46からの動作指令
信号CXが供給される制御ユニット47が設けられてい
る。制御ユニット47は、スイッチ制御信号CSを発生
してそれをスイッチ45に供給し、スイッチ45をスイ
ッチ制御信号CSによって制御する。
【0039】スイッチ45は、制御ユニット47からの
スイッチ制御信号CSに応じて、輝度基準電圧設定部4
3からの輝度基準電圧を伴った赤色信号R及び基準赤色
信号R’を、選択的にNPN型のトランジスタ48のベ
ースに供給する。トランジスタ48は、そのエミッタ
が、抵抗素子49を通じて接地されるとともに、定電流
源50,スイッチ51及び負電圧源52の直列接続を通
じて接地されている。スイッチ51には、制御ユニット
47からのスイッチ制御信号CSが供給され、スイッチ
51は、制御ユニット47からのスイッチ制御信号CS
に応じてオン状態をとる。また、トランジスタ48のコ
レクタは、抵抗素子53A及び53Bを通じて動作電圧
源+Bに接続されている。
【0040】トランジスタ48のベースに選択的に供給
される輝度基準電圧を伴った赤色信号R及び基準赤色信
号R’は、トランジスタ48により増幅されてトランジ
スタ48のコレクタ側に導出され、抵抗素子53Aと抵
抗素子53Bとの間の接続点からダイオード54及び抵
抗素子55を通じて、カラーCRT11のカソードKr
に供給される。
【0041】また、トランジスタ48のコレクタには、
PNP型のトランジスタ56のベースが接続されてい
る。トランジスタ56のエミッタは、ダイオード54と
抵抗素子55との間の接続点Q’に接続され、また、ト
ランジスタ56のコレクタは、抵抗素子57を通じて接
地されている。トランジスタ56及び抵抗素子57に
は、カラーCRT11のカソードKrから抵抗素子55
及び接続点Q’を通じたカソード電流RIkが流れ、ト
ランジスタ56のコレクタと抵抗素子57との間の接続
点Q”には、カソード電流RIkに応じた電圧RVkが
得られる。即ち、トランジスタ56及び抵抗素子57
は、カソード電流検出部を形成しているのであり、電圧
RVkはカソード電流RIkについての検出出力電圧で
ある。
【0042】接続点Q”に得られるカソード電流につい
ての検出出力電圧RVkは、直流遮断用のコンデンサ5
8を通じて、制御信号形成部44に供給されるととも
に、カットオフ検出部59に供給される。カットオフ検
出部59からは、電圧RVkに応じた制御電圧CVCを
形成して、それを制御ユニット47に供給する。
【0043】さらに、カソード及び第2グリッド制御回
路40Rにおいては、カラーCRT11の第2グリッド
G2rに可変グリッド電圧VG2を供給する可変グリッ
ド電圧発生部60が設けられている。そして、可変グリ
ッド電圧発生部60には、制御ユニット47からの制御
信号CGが供給される。
【0044】このようなもとで、カソード及び第2グリ
ッド制御回路40Rにおいて、カソードカットオフ電圧
RVkcを、カソードカットオフ電圧RVkc,GVk
c及びBVkcを揃えるべく、所定の電圧に設定する調
整が行われる際には、指令信号入力部46から、カソー
ドカットオフ電圧RVkcの調整を指令する動作指令信
号CXが制御ユニット47に供給される。それにより、
制御ユニット47は、その動作指令信号CXに応じたス
イッチ制御信号CSを送出して、スイッチ45に、図1
において破線により示される如くに、トランジスタ48
のベースに接地電位を与える状態をとらせるとともに、
スイッチ51に、図1において破線により示される如く
に、オン状態をとらせる。
【0045】このとき、トランジスタ48は、そのエミ
ッタに抵抗素子49と定電流源50,オン状態とされた
スイッチ51及び負電圧源52の直列接続とが並列に接
続された状態をもってオン状態に維持される。そして、
動作電圧源+Bの電圧をVcc,トランジスタ48のベ
ース−エミッタ間電圧をVbe,抵抗素子49の抵抗値
をZ49,定電流源50の定電流値をIc、抵抗素子5
3Bの抵抗値をZ53、及び、ダイオード54の順方向
電圧降下をVbeとし、また、斯かる際にトランジスタ
48を流れる電流をI48とするとともに抵抗素子49
を流れる電流をI49とすると、 Ic=I48+I49 =I48+Vbe/Z49 I48=Ic−Vbe/Z49 という関係が成立し、従って、ダイオード54と抵抗素
子55との間の接続点Q’に得られる電圧VKrは、 VKr=Vcc−Z53(Ic−Vbe/Z49)−V
be とあらわされる。
【0046】この電圧VKrは、抵抗素子55を通じて
カラーCRT11のカソードKrに供給される。上述の
動作電圧源+Bの電圧Vcc,抵抗素子49の抵抗値Z
49,定電流源50の定電流値Ic、及び、抵抗素子5
3Bの抵抗値Z53は、上記の式によってあらわされる
電圧VKrが、カソードカットオフ電圧RVkc,GV
kc及びBVkcの夫々とされるべき所定の電圧となる
ように予め設定される。このようなもとで、トランジス
タ48,抵抗素子49,53A及び53B,定電流源5
0,スイッチ51,負電圧源52及びダイオード54
は、動作電圧源+Bに接続され、カラーCRT11のカ
ソードKrに予め設定された所定の電圧を供給する状態
を選択的にとるカソード電圧供給部を形成している。
【0047】電圧VKrはトランジスタ56のエミッタ
にも供給され、トランジスタ56がオン状態におかれ
て、カソードKrからのカソード電流RIkが、抵抗素
子55,接続点Q’,トランジスタ56,接続点Q”及
び抵抗素子57を通じて流れる。
【0048】また、このとき、制御ユニット47は、そ
の動作指令信号CXに応じた制御信号CGを送出して、
可変グリッド電圧発生部60に、それからカラーCRT
11の第2グリッドG2rに供給される可変グリッド電
圧VG2を、比較的低い値から次第に増大していくよう
に変化させる状態、もしくは、比較的高い値から次第に
低減していくように変化させる状態をとらせる。それに
より、カラーCRT11において、カソード電流RIk
が比較的大である状態から次第に低減していってカソー
ド電流RIkが流れなくなる状態への変化、もしくは、
カソード電流RIkが流れていない状態からカソード電
流RIkが流れ始める状態への変化が生じる。
【0049】そして、斯かるもとで、トランジスタ56
のコレクタと抵抗素子57との間の接続点Q”に得られ
る、カソード電流RIkについての検出出力電圧である
電圧RVkが、直流遮断用のコンデンサ58を通じてカ
ットオフ検出部59に供給される。
【0050】カットオフ検出部59は、電圧RVkに基
づいて、カラーCRT11においてカソード電流RIk
が比較的大である状態から次第に低減していってカソー
ド電流RIkが流れなくなる状態への変化が生じる場合
には、カソード電流RIkが次第に低減していって流れ
なくなる状態の検出を行い、また、カラーCRT11に
おいてカソード電流RIkが流れていない状態からカソ
ード電流RIkが流れ始める状態への変化が生じる場合
には、カソード電流RIkが流れ始める状態の検出を行
って、その検出に応じた制御電圧CVCを制御ユニット
47に供給する。従って、カットオフ検出部59は、電
圧RVkに基づいて、カラーCRT11におけるカソー
ドKr,第1グリッドG1r及び第2グリッドG2rを
含む電子銃構体についての、ビーム電流及びそれに伴う
カソード電流が得られる状態から電子ビームカットオフ
状態に移行する時点、もしくは、電子ビームカットオフ
状態からビーム電流及びそれに伴うカソード電流が得ら
れる状態に移行する時点を検出して、検出時点をあらわ
す制御電圧CVCを制御ユニット47に供給することに
なる。
【0051】カットオフ検出部59からの検出時点をあ
らわす制御電圧CVCが供給された制御ユニット47
は、その制御電圧CVCに応じて、可変グリッド電圧発
生部60に供給される制御信号CGを、可変グリッド電
圧発生部60にそれからカラーCRT11の第2グリッ
ドG2rに供給される可変グリッド電圧VG2の変化を
停止させるものとなす。それにより、可変グリッド電圧
発生部60からカラーCRT11の第2グリッドG2r
に供給される可変グリッド電圧VG2が、カラーCRT
11におけるカソードKr,第1グリッドG1r及び第
2グリッドG2rを含む電子銃構体において、ビーム電
流及びそれに伴うカソード電流が得られる状態から電子
ビームカットオフ状態への移行が生じることになるも
の、もしくは、電子ビームカットオフ状態からビーム電
流及びそれに伴うカソード電流が得られる状態への移行
が生じることになるものに設定される。
【0052】その結果、カラーCRT11におけるカソ
ードKrについてのカソードカットオフ電圧RVkc
が、スイッチ45がトランジスタ48のベースに接地電
位を与える状態をとるとともにスイッチ51がオン状態
をとるもとにおいて接続点Q’に得られる電圧VKrに
等しい電圧とされる調整が行われることになる。即ち、
カラーCRT11におけるカソードKr,第1グリッド
G1r及び第2グリッドG2rを含む電子銃構体につい
てのカソード電圧−カソード電流特性RKが、図2(横
軸:カソード電圧(Vk),縦軸:カソード電流(I
k))に示される如く、カソードカットオフ電圧RVk
cを電圧VKrとするもとで得られるものとされるので
ある。
【0053】上述の如くのカソードカットオフ電圧RV
kcの調整が終了した後には、制御ユニット47が、ス
イッチ制御信号CSを変化させて、スイッチ45に、図
1において実線により示される如く、トランジスタ48
のベースに輝度基準電圧設定部43からの輝度基準電圧
を伴った赤色信号R及び基準赤色信号R’を選択的に供
給する状態をとらせるとともに、スイッチ51に、図1
において実線により示される如くに、オフ状態をとらせ
る。映像信号出力部42からの赤色信号Rの送出及び基
準赤色信号R’の送出が、夫々、垂直ブランキング期間
以外の期間及び垂直ブランキング期間においてなされる
ことにより、輝度基準電圧設定部43からの輝度基準電
圧を伴った赤色信号Rのトランジスタ48のベースへの
供給は、垂直ブランキング期間以外の期間において行わ
れ、また、輝度基準電圧設定部43からの輝度基準電圧
を伴った基準赤色信号R’のトランジスタ48のベース
への供給は、垂直ブランキング期間において行われる。
【0054】そして、垂直ブランキング期間以外の期間
において、輝度基準電圧を伴った赤色信号Rが、トラン
ジスタ48により増幅され、トランジスタ48のコレク
タに接続された抵抗素子53Aと抵抗素子53Bとの間
の接続点からダイオード54及び抵抗素子55を通じて
カソードKrに供給される。それにより、カラーCRT
11の表示部11Dに、カソードKr,第1グリッドG
1r及び第2グリッドG2rを含む電子銃構体から発せ
られる赤色信号Rに応じた電子ビームに基づく再生赤色
画像が得られる。
【0055】また、垂直ブランキング期間においては、
輝度基準電圧を伴った基準赤色信号R’がトランジスタ
48により増幅され、トランジスタ48のコレクタに接
続された抵抗素子53Aと抵抗素子53Bとの間の接続
点からダイオード54及び抵抗素子55を通じてカソー
ドKrに供給される。このとき、カソードKrからのカ
ソード電流RIkが、抵抗素子55,接続点Q’,トラ
ンジスタ56,接続点Q”及び抵抗素子57を通じて流
れ、接続点Q”にカソード電流RIkに応じた電圧RV
kが得られる。
【0056】接続点Q”に得られる電圧RVkは、直流
遮断用のコンデンサ58を通じて制御信号形成部44に
供給される。制御信号形成部44は、信号入力端子41
からの垂直ブランキングパルスPVBに応じ、垂直ブラ
ンキング期間において、接続点Q”に得られる電圧RV
kと予め設定された基準電圧とを比較し、その比較結果
に応じた制御信号CVRを形成して、それを輝度基準電
圧設定部43に供給する。輝度基準電圧設定部43は、
制御信号形成部44からの制御信号CVRに応じて輝度
基準電圧を変化させ、その結果、制御信号形成部44に
おいて比較される接続点Q”に得られる電圧RVkと予
め設定された基準電圧とが等しくなるようにする。それ
により、輝度基準電圧設定部43において設定される輝
度基準電圧が、垂直ブランキング期間毎に、カソードカ
ットオフ電圧RVkcが電圧VKrに等しい電圧とされ
る状態が維持されることになる適正な電圧に調整され、
“ホワイトバランス”調整が自動的に行われることにな
る。
【0057】カソード及び第2グリッド制御回路40G
及び40Bの夫々においても、上述されたカソード及び
第2グリッド制御回路40Rにおける動作と同様な動作
が行われる。即ち、カソード及び第2グリッド制御回路
40Gにおいて、カソードカットオフ電圧GVkcが、
上述の電圧VKrに対応する電圧に等しい電圧とされる
調整が行われるとともに、垂直ブランキング期間毎に、
輝度基準電圧が、カソードカットオフ電圧GVkcが上
述の電圧VKrに対応する電圧に等しい電圧とされる状
態が維持されることになる適正な電圧に調整されて、
“ホワイトバランス”調整が自動的に行われることにな
り、さらに、カソード及び第2グリッド制御回路40B
において、カソードカットオフ電圧BVkcが上述の電
圧VKrに対応する電圧に等しい電圧とされる調整が行
われるとともに、垂直ブランキング期間毎に、輝度基準
電圧が、カソードカットオフ電圧BVkcが上述の電圧
VKrに対応する電圧に等しい電圧とされる状態が維持
されることになる適正な電圧に調整されて、“ホワイト
バランス”調整が自動的に行われることになる。
【0058】上述の本発明に係るCRT回路の例は、3
個の電子銃構体を内蔵したカラーCRTに適用されてい
るが、本発明に係るCRT回路は、斯かる例に限られる
ものではなく、例えば、本発明に係るCRT回路を、カ
ラーCRT以外のCRTに、それにおけるカソードカッ
トオフ電圧を調整することができるものとして適用する
こともできる。
【0059】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如く、本発明に
係るCRT回路によれば、CRTにおけるカソードカッ
トオフ電圧を所定のものに設定する調整を、CRTにお
けるカソードに基準電圧を供給する外部直流電圧源を必
要とすることなく、従って、外部直流電圧源からの基準
電圧をCRTのカソードに供給するための治工具及び所
定の作業等をも必要とすることなく行うことができ、ま
た、治工具の調整及び保守等を不要とできて、その調整
の実施に要されるコストの低減を図ることができる。さ
らに、CRTの第2グリッドに供給される可変電圧の調
整を、例えば、CRTの表示部において僅かな発光が得
られる状態を視覚的に検出して制御するのではなく、カ
ットオフ検出部から得られる検出出力に応じて制御する
ことになるので、CRTにおけるカソードカットオフ電
圧を予め設定された所定の電圧となす設定を、高精度を
もって行えることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るCRT回路の一例をそれが適用さ
れたカラーCRTと共に示すブロック接続図である。
【図2】図1に示される例により行われるカラーCRT
におけるカソード電圧−カソード電流特性の調整につい
ての説明に供される特性図である。
【図3】カラーCRTにおけるカソード電圧−カソード
電流特性についての説明に供される特性図である。
【図4】カラーCRTにおけるカソード電圧−カソード
電流特性についての説明に供される特性図である。
【図5】従来提案されているCRT回路の例をそれが適
用されたカラーCRTと共に示すブロック接続図であ
る。
【符号の説明】
11 カラーCRT 11D 表示部 12
アノード 13 高電圧発生部 40R,40
G,40B カソード及び第2グリッド制御回路 41 信号入力端子 42 映像信号出力部
43 輝度基準電圧設定部 44 制御信号形成部
45,51 スイッチ 46指令信号入力部
47 制御ユニット 48 NPN型のトラ
ンジスタ 49,53A,53B,55,57 抵抗素子 5
0 定電流源 52 負電圧源 54 ダイオード 56 P
NP型のトランジスタ 58 コンデンサ 59 カットオフ検出部
60 可変グリッド電圧発生部 Kr,Kg,Kb
カソード G1r,G1g,G1b第1グリッド
G2r,G2g,G2b 第2グリッド

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像表示用陰極線管のカソードに予め設定
    された所定の電圧を供給する状態を選択的にとるカソー
    ド電圧供給部と、 上記画像表示用陰極線管の第1グリッドに基準電位を与
    える基準電位部と、 上記画像表示用陰極線管の第2グリッドに可変電圧を供
    給する可変グリッド電圧発生部と、 上記画像表示用陰極線管におけるカソード電流を検出す
    るカソード電流検出部と、 該カソード電流検出部から得られる第1の検出出力に基
    づいて、上記画像表示用陰極線管における電子ビームカ
    ットオフ状態を検出するカットオフ検出部と、 上記カソード電圧供給部が上記画像表示用陰極線管のカ
    ソードに予め設定された所定の電圧を供給する状態をと
    るもとで、上記可変グリッド電圧発生部に対する上記カ
    ットオフ検出部から得られる第2の検出出力に応じた制
    御を行い、上記画像表示用陰極線管の第2グリッドに供
    給される上記可変電圧を、上記カソード電圧供給部から
    上記画像表示用陰極線管のカソードに供給される上記予
    め設定された所定の電圧がカソードカットオフ電圧とな
    るものとすべく動作する制御部と、を備えて構成される
    画像表示用陰極線管回路。
  2. 【請求項2】制御部が、カソード電圧供給部が画像表示
    用陰極線管のカソードに予め設定された所定の電圧を供
    給する状態をとるもとで、可変グリッド電圧発生部から
    上記画像表示用陰極線管の第2グリッドに供給される可
    変電圧を変化させるとともに、カットオフ検出部から得
    られる第2の検出出力に応じて上記可変電圧の変化を停
    止させるようにして、上記可変電圧を上記カソード電圧
    供給部から上記画像表示用陰極線管のカソードに供給さ
    れる上記予め設定された所定の電圧がカソードカットオ
    フ電圧となるものとすべく動作することを特徴とする請
    求項1記載の画像表示用陰極線管回路。
  3. 【請求項3】制御部が、カソード電圧供給部に対して画
    像表示用陰極線管のカソードに予め設定された所定の電
    圧を供給する状態をとらせる制御を行うことを特徴とす
    る請求項1または2記載の画像表示用陰極線管回路。
  4. 【請求項4】カソード電圧供給部が、映像信号を所定の
    電圧状態のもとで画像表示用陰極線管のカソードに供給
    する状態を選択的にとることを特徴とする請求項1,2
    または3記載の画像表示用陰極線管回路。
  5. 【請求項5】カソード電圧供給部が、電圧源及び画像表
    示用陰極線管のカソードに抵抗素子を介して接続された
    トランジスタを含む回路部分から成り、上記画像表示用
    陰極線管のカソードに予め設定された所定の電圧を供給
    する状態をとるとき、上記トランジスタの入力端に接地
    電位が与えられ、また、映像信号を所定の電圧状態のも
    とで上記画像表示用陰極線管のカソードに供給する状態
    をとるとき、上記トランジスタの入力端に上記映像信号
    が供給されることを特徴とする請求項4記載の画像表示
    用陰極線管回路。
  6. 【請求項6】カソード電流検出部が、画像表示用陰極線
    管のカソードに第1の抵抗素子を介して接続されたトラ
    ンジスタと第2の抵抗素子との直列接続を含んで形成さ
    れ、該トランジスタと抵抗素子との間の接続点から第1
    の検出出力が得られることを特徴とする請求項1記載の
    画像表示用陰極線管回路。
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