JPH107780A - 液晶ポリエステルの製造方法 - Google Patents

液晶ポリエステルの製造方法

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JPH107780A
JPH107780A JP16476996A JP16476996A JPH107780A JP H107780 A JPH107780 A JP H107780A JP 16476996 A JP16476996 A JP 16476996A JP 16476996 A JP16476996 A JP 16476996A JP H107780 A JPH107780 A JP H107780A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明によれば液晶ポリエステルを製造する際
に、缶内の洗浄周期を長くすることができ、生産性が向
上した、耐熱性に優れた高品質の液晶ポリマの製造方法
を提供する。 【解決手段】原料投入口、撹拌装置およびジャケットを
有する重合装置を用いて、脱酢酸重縮合反応によって液
晶ポリエステルを製造する際、重縮合反応を剪断速度が
150〜1000(1/秒)になるように反応物を混合
する工程を含むことを特徴とする液晶ポリエステルの製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶ポリエステルの
製造方法に関する。さらに詳しくは溶融重縮合反応にお
いて効率的な撹拌を行うことにより、高品質とりわけ耐
熱性に優れた液晶ポリエステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年プラスチックスの高性能化に対する
要求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリマ
ーが数多く開発され市場に供されている。中でも、分子
鎖の平行な配列を特徴とする光学異方性の液晶ポリエス
テルが優れた流動性と機械的性質を有する点で注目され
ている。
【0003】液晶ポリエステルの製造方法としては、特
開平1−149825号公報に開示されているように粘
度が上昇すると撹拌数を減少させ、重合反応温度をコン
トロールさせることや、特開平4−225023号公報
に開示されているように、缶壁面での剪断速度が10〜
100(1/秒)で反応物を掻き下げる方向に撹拌しな
がら重合することが知られている。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、従来の
重合方法では品質的に優れた液晶ポリエステルを製造す
ることは出来るが、数バッチ重合すると缶内に残留する
モノマー、オリゴマーが繰り返しバッチ重合を行なうこ
とによる熱履歴を受け、正常ポリマーの融点以上の温度
でも溶融しない異物になり、重合終了後缶内から吐出す
る際にポリマー中に混入し、得られる液晶ポリエステル
の物性に悪影響をおよぼすため定期的に缶内を洗浄せざ
るをえないことがわかった。そこで、本発明は缶内に残
留するモノマー、オリゴマー量を少なくして、缶内の洗
浄周期を長くすることにより生産性を向上させ、高品質
とりわけ耐熱性に優れた液晶ポリエステルの製造方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すな
わち、本発明は原料投入口、撹拌装置およびジャケット
を有する重合装置を用いて、脱酢酸重縮合反応によって
液晶ポリエステルを製造する際、重縮合反応を剪断速度
が150〜1000(1/秒)になるように反応物を混
合する工程を含むことを特徴とする液晶ポリエステルの
製造方法、液晶ポリエステルが下記a〜fから選ばれた
1種以上を原料とし、必要に応じて無水酢酸を原料とと
もに添加して製造されるものである上記液晶ポリエステ
ルの製造方法、 a.ヒドロキシカルボン酸 b.アセトキシカルボン酸 c.ジヒドロキシ化合物 d.ジアセトキシ化合物 e.ジカルボン酸 f.ジオキシ単位およびジカルボニル単位からなるポリ
エステル 撹拌及び昇温を開始してから、理論的に計算される留出
物の全量に対する留出物の割合を百分率で表わした留出
率が90%に達するまでの時間の10%以上の時間を剪
断速度が150〜1000(1/秒)になるように反応
物を混合することを特徴とする上記液晶ポリエステルの
製造方法、留出率が下記式(1)で表わされるものであ
る上記液晶ポリエステルの製造方法、 留出率(%)=留出液量(g)/{[(添加した無水酢酸のモル数−原料中の水 酸基のモル数)×無水酢酸の分子量+(原料中の水酸基のモル数×酢酸の分子量 ×2)+原料中のアセチル基のモル数×酢酸分子量](g)}×100(%)・ ・・(1) (式中、無水酢酸を用いない場合は、“添加した無水酢
酸のモル数−原料中の水酸基のモル数)×無水酢酸の分
子量+(原料中の水酸基のモル数×酢酸の分子量×
2)”を0として計算し、アセトキシカルボン酸、ジア
セトキシ化合物のいずれも用いない場合は原料中の“ア
セチル基のモル数×酢酸分子量”を0として計算する) 撹拌及び昇温を開始してから、留出率が20%に達する
までの時間の80%以上の時間を剪断速度が150〜1
000(1/秒)になるように反応物を混合することを
特徴とする上記液晶ポリエステルの製造方法、撹拌及び
昇温を開始してから、留出率が20%〜50%に達する
までの時間の80%以上の時間を剪断速度が150〜1
000(1/秒)になるように反応物を混合することを
特徴とする上記液晶ポリエステルの製造方法、撹拌及び
昇温を開始してから、留出率が50%〜90%に達する
までの時間の80%以上の時間を剪断速度が150〜1
000(1/秒)になるように反応物を混合することを
特徴とする上記液晶ポリエステルの製造方法、液晶ポリ
エステルがエチレンジオキシ単位を有する液晶ポリエス
テルであることを特徴とする上記液晶ポリエステルの製
造方法、および液晶ポリエステルが下記(I)、(I
I)、(III )、(IV)の構造単位からなる液晶ポリエ
ステルであることを特徴とする上記液晶ポリエステルの
製造方法である。
【0006】
【化4】 (但し式中のR1
【化5】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2
【化6】 から選ばれた1種以上の基を示す。また、式中Xは水素
原子または塩素原子を示し、構造単位(II)および(II
I )の合計と構造単位(IV)は実質的に等モルである)
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で製造する液晶ポリエステ
ルは溶融時異方性を形成し得るポリマーであり、例えば
芳香族オキシカルボニル単位などのオキシカルボニル単
位、芳香族ジオキシ単位、エチレンジオキシ単位などの
ジオキシ単位,芳香族ジカルボニル単位等のジカルボニ
ル単位などから選ばれた単位からなる溶融異方性を示す
ポリエステルが挙げられる。なかでも前記(I)、(I
I)、(III )、(IV)の構造単位からなる液晶ポリエ
ステルであることが好ましく、上記構造単位(I)はp
−ヒドロキシ安息香酸から生成したポリエステルの構造
単位であり、構造単位(II)は4,4’−ジヒドロキシ
ビフェニル、3,3’,5,5´−テトラメチル−4,
4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−
ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、2,
6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナ
フタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパンおよび4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ルから選ばれた芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した
構造単位を、構造単位(III )はエチレングリコールか
ら生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル
酸、イソフタル酸、4,4´−ジフェニルジカルボン
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス
(フェノキシ)エタン−4,4´−ジカルボン酸、1,
2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4´−
ジカルボン酸およびジフェニルエーテルジカルボン酸か
ら選ばれた芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を
各々示す。これらのうち特にR1
【化7】 であるものが構造単位(II)の70モル%以上を、R2
【化8】 であるものが構造単位(IV)の70モル%以上を占める
ものが特に好ましい。
【0008】上記構造単位(I)、(II)、(III )、
(IV)の共重合量は任意である。しかし、流動性の点か
ら次の共重合量であることが好ましい。
【0009】すなわち、耐熱性、難燃性および機械的特
性の点から上記構造単位(I)および(II)の合計は
(I)、(II)、(III )の合計の60〜95モル%が
好ましく、82〜93モル%がより好ましい。また、構
造単位(III )は(I)、(II)および(III )の合計
の40〜5モル%が好ましく、18〜7モル%がより好
ましい。また、構造単位(I)と(II)のモル比
[(I)/(II)]は耐熱性と流動性のバランスの点か
ら好ましくは75/25〜95/5であり、より好まし
くは78/22〜93/7である。また、構造単位(I
V)は構造単位(II)および(III )の合計と実質的に
等モルである。
【0010】なお、上記好ましいポリエステルを重縮合
する際には上記構造単位(I)〜(IV)を構成する成分
以外に3,3´−ジフェニルジカルボン酸、2,2´−
ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン
酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル
酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキノン、
メチルハイドロキノン、4,4´−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスル
フィド、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン等の芳
香族ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シク
ロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ
安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族
ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノフェノール、p
−アミノ安息香酸などを液晶性を損なわない程度の範囲
でさらに共重合せしめることができる。
【0011】本発明で製造する液晶ポリエステルはペン
タフルオロフェノール中で対数粘度を測定することが可
能なものもあり、その際には0.1g/dlの濃度で6
0℃で測定した値で0.3dl/g以上が好ましく、
0.5〜3.0dl/gが特に好ましい。
【0012】また、本発明における液晶ポリエステルの
溶融粘度は10〜20,000ポイズが好ましく、特に
20〜10,000ポイズがより好ましい。
【0013】なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10
℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下で
(株)島津製作所フローテスターCFT−500によっ
て測定した値である。
【0014】ここで、融点(Tm)とは示差走査熱量計
において、重合を完了したポリマーを室温から20℃/
分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度
(Tm1 )の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保
持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却し
た後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測さ
れる吸熱ピーク温度(Tm2 )を指す。
【0015】本発明においては、液晶ポリエステルは脱
酢酸重合反応によって製造される。液晶ポリエステルを
製造するための反応としては脱酢酸重合反応により行う
以外に特に制限はなく、公知の方法を採用することがで
きる。
【0016】大まかに分類すると、ヒドロキシカルボン
酸、ジヒドロキシ化合物などの水酸基含有単量体のアセ
チル化物を原料の一部または全部として用いる方法、水
酸基含有単量体を原料の一部として用い、それとともに
無水酢酸を添加する方法、あるいは後者の方法におい
て、そのヒドロキシル基含有単量体の一部をアセチル化
物に置き換えて行う方法などがある。
【0017】液晶ポリエステルを製造する原料として
は、通常下記a〜fから選ばれた1種以上を選択して用
いることができる a.ヒドロキシカルボン酸 b.アセトキシカルボン酸 c.ジヒドロキシ化合物 d.ジアセトキシ化合物 e.ジカルボン酸 f.ジオキシ単位およびジカルボニル単位からなるポリ
エステル 上記a.ヒドロキシカルボン酸としては、芳香族ヒドロ
キシカルボン酸、脂環式ヒドロキシカルボン酸などが挙
げられ、b.アセトキシカルボン酸としては上記ヒドロ
キシカルボン酸のアセチル化物が挙げられる。c.ジヒ
ドロキシ化合物としては、芳香族ジヒドロキシ化合物、
脂環式ジヒドロキシ化合物および脂肪族ジヒドロキシ化
合物などが挙げられ、d.ジアセトキシ化合物としては
c.ジヒドロキシ化合物のジアセチル化物が挙げられ
る。
【0018】e.ジカルボン酸としては芳香族ジカルボ
ン酸、脂環式ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸な
どが挙げられる。
【0019】f.ジオキシ単位およびジカルボニル単位
からなるポリエステルとしては、アルキレングリコール
と芳香族ジカルボン酸を重合してなるポリエステルなど
が挙げられ、いわゆるオリゴマ、ビス(ヒドロキシアル
キル)エステルであってもよい。
【0020】上記a〜fの原料としては前記構造単位
(I)〜(IV)で示される構造単位を生成するものが
好ましい。
【0021】液晶ポリエステルの製造において、ヒドロ
キシカルボン酸、あるいはジヒドロキシ化合物を用いる
際は、通常無水酢酸を原料とともに添加する。無水酢酸
は通常ヒドロキシカルボン酸、あるいはジヒドロキシ化
合物の水酸基に対し、1〜1.3倍モル量、特に1.0
5〜1.2倍モル量添加することが好ましい。
【0022】具体的には下記(i)および(ii)に示
される方法が好ましく挙げられるが、(ii)の方法が
特に好ましい。
【0023】(i)p−アセトキシ安息香酸および4,
4´−ジアセトキシビフェニル、パラジアセトキシベン
ゼンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアセチル化物
とテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、エチレング
リコールと芳香族ジカルボン酸からのポリエステルやオ
リゴマあるいは芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロ
キシエチル)エステルとを脱酢酸重縮合反応によって製
造する方法。
【0024】(ii)p−ヒドロキシ安息香酸、4,4
´−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳
香族ジヒドロキシ化合物、無水酢酸、テレフタル酸など
の芳香族ジカルボン酸およびエチレングリコ−ルと芳香
族ジカルボン酸からのポリエステルやオリゴマあるいは
芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エ
ステルとを反応させてフェノール性水酸基をアセチル化
した後、脱酢酸重縮合反応によって製造する方法。
【0025】この脱酢酸反応は無触媒系で行っても重合
は進行するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、
酢酸カリウム、三酸化アンチモン、マグネシウム、酢酸
ナトリウムなどの金属化合物を触媒として添加した方が
好ましい場合もある。
【0026】本発明において液晶ポリエステルを脱酢酸
重縮合反応により製造する際には原料投入口、撹拌装お
よびジャケットを有する重合装置を用いる。重合装置は
初期反応から重縮合までを一段の反応槽で行うことも多
段の反応槽で行うことも可能である。
【0027】上記反応(i)の原料を使用する場合、反
応は一段で行うことが多く、常圧あるいは加圧、窒素雰
囲気下250℃〜400℃になるまで昇温後、250℃
〜400℃、減圧下で重縮合を行う。
【0028】上記(ii)の方法で行う場合、アセチル化
剤との接触を常圧あるいは加圧、窒素雰囲気下、80℃
〜300℃で行うが、130℃〜150℃で1時間以上
反応させることが好ましい。130℃〜150℃で反応
後は200℃〜300℃まで昇温し、アセチル化反応の
副生成物である酢酸および未反応の無水酢酸を留出させ
る。その後250℃〜400℃で減圧下重縮合を行う。
【0029】本発明の製造方法においては、重縮合反応
を特定の撹拌条件で行う工程を含むことが、好ましくは
初期重縮合反応を、特定の撹拌条件で行うことが重要で
ある。初期重合反応とは通常、ポリエステルオリゴマー
が生成するまでの間、例えば上記の例でいう減圧下重縮
合を行う前の工程を指す。
【0030】かかる撹拌条件とは、撹拌翼と缶壁面での
剪断速度を下記(2)式より求められた値が150〜1
000(1/秒)になるように行われるものである。
【0031】 剪断速度(1/秒)=2×2×3.14×撹拌数(回転/秒)×缶内径×缶内径 /(缶内径×缶内径−撹拌翼外径×撹拌翼外径)・・・・(2) 液晶ポリエステルの脱酢酸重縮合反応は、上記のような
方法により製造される場合、通常、酢酸のような留出液
が、前記(1)式の分母で計算された量の理論留出量の
85〜90%程度の量留出すると重合度は2〜4程度の
ポリエステルオリゴマーを生成する。本願発明において
は、この初期重縮合反応の際に上記剪断速度となるよう
に反応物を撹拌することが好ましく、撹拌及び昇温を開
始してから留出率が90%に達するまでの時間の10%
以上の時間を上記(2)式より求められた剪断速度が1
50〜1000(1/秒)になるように撹拌されること
がより好ましい。
【0032】ここで留出率は理論的に計算される留出物
の全量に対する留出物の割合を百分率で表わしたものを
いい、具体的には下記(1)式により求めることができ
る。
【0033】 留出率(%)=留出液量(g)/[[(添加した無水酢酸のモル数−原料中の水 酸基のモル数)×無水酢酸の分子量+(原料中の水酸基のモル数×酢酸の分子量 ×2)+原料中のアセチル基のモル数×酢酸分子量](g)}×100(%)・ ・・(1) (式中、無水酢酸を用いない場合は、“添加した無水酢
酸のモル数−原料中の水酸基のモル数)×無水酢酸の分
子量+(原料中の水酸基のモル数×酢酸の分子量×
2)”を0として計算し、アセトキシカルボン酸、ジア
セトキシ化合物のいずれも用いない場合は原料中の“ア
セチル基のモル数×酢酸分子量”を0として計算する) 上記(1)式において、添加した“(無水酢酸のモル数
−原料中の水酸基のモル数)×無水酢酸の分子量”は、
原料中の水酸基のモル数に対し1倍モル量を越える無水
酢酸を添加した場合に、その過剰の無水酢酸が留出する
理論量を表わし、これが留出しない場合は参入しない。
【0034】“原料中の水酸基のモル数×酢酸の分子
量”は、無水酢酸によりアセチル化されたアセチル化物
が、カルボン酸基と反応することにより留出する酢酸の
理論量を表わし、“×2”は上記アセチル化反応を起こ
した後の無水酢酸残基、すなわち酢酸の理論留出量を表
わし、これが留出しない場合は算入しない。
【0035】“原料中のアセチル基のモル数×酢酸分子
量”は原料として添加したアセチル化物が、カルボン酸
基と反応することにより留出する酢酸の理論量を表わ
す。
【0036】例えば上記(ii)で、無水酢酸を使用する
方法においては下記のように留出率を求めることができ
る。
【0037】留出率(%)=留出液量(g)/〔過剰の
無水酢酸量+重合が完全に進行した場合に発生する酢酸
量+アセチル化が完全に進行した場合に発生する酢酸
量〕(g)×100(%) なかでも原料を添加した後、撹拌及び昇温を開始してか
ら留出率が0%〜20%、20%〜50%、及び50%
〜90%に達するまでの時間に分けた場合、少なくとも
いずれかの時間の80%以上の時間を撹拌翼と缶壁面で
の剪断速度を前記(2)式より求めた値が150〜10
00(1/秒)になるように行われることが好ましい。
90%に達するまでの時間すべてを150〜1000
(1/秒)になるように行われることが最も好ましい。
【0038】撹拌翼の形状は良好な混合状態が得られる
ものであればなんでもよいが、混合状態をさらによくす
るために缶内液相部にじゃま板を取り付けることもしば
しば行なわれる。また、反応終了後の缶内に残留するモ
ノマー、オリゴマー量を少なくする目的から撹拌軸に取
り付けた翼は反応中は反応液面内にある方が好ましい。
【0039】本発明に用いる液晶ポリエステル用反応装
置は原料投入口と撹拌装置及び排出口を備えた反応缶と
反応中反応缶から留出する蒸気を凝縮させるためのコン
デンサー、凝縮液受け槽及び、減圧重合時の真空発生装
置からなる竪型反応装置で、反応缶は1缶でも良いが2
個以上有する装置が好ましく、更に反応缶の縦の長さと
横の長さの比が1より大きく3未満の形状のものが好ま
しい。2缶以上で反応する場合は前記計算式で求めた留
出率が少なくとも80%以上に達したところで反応缶を
移し、その後の反応を前記剪断速度が10〜100(1
/秒)で反応物を掻き下げる方向に撹拌することが好ま
しい。
【0040】本発明の液晶ポリエステル製造方法の特徴
は留出率が定められた値に達するまでの一定の時間の撹
拌条件を撹拌翼と缶壁面での剪断速度が150〜100
0(1/秒)、好ましくは200〜700(1/秒)で
混合して反応させることにある。剪断速度が150(1
/秒)未満では仕込原料が十分に混合されず、その結果
均一な反応がなされない事から、反応終了後にも撹拌翼
や軸、缶内壁面に付着して滞留するため缶内の洗浄周期
が短くなる。剪断速度が1000(1/秒)を越えると
撹拌による液面の盛り上がりが激しくなったり飛沫飛散
により反応物が缶内壁面に付着して滞留するため缶内の
洗浄周期が短くなる。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳述す
る。
【0042】実施例1 内容積1.6m3 、缶の内径1.2m、缶内壁面とヘリ
カル翼撹拌機との距離が1cmの反応缶1と内容積0.
8m3 、缶の内径1.1m、缶内壁面と撹拌翼との距離
が2cmのボトム翼を有した中心軸のないダブルヘリカ
ル翼撹拌機の反応缶2の2缶を使い、次のように重合し
た。
【0043】反応缶1にp−ヒドロキシ安息香酸220
kg、4,4’−ジヒドロキシビフェニル27.8k
g、ポリエチレンテレフタレート47.8kg,テレフ
タル酸24.8kgおよび無水酢酸211.8kgを仕
込、30回転/分で5分間撹拌後、昇温を開始し、60
回転/分まで上げ、0.75時間で130℃に到達後、
130℃〜250℃で5時間反応を行い、その後反応缶
2に移行して、撹拌数を30回転/分で撹拌しながら2
時間かけて250℃〜320℃にし、反応缶2を1To
rrまで減圧し、320℃で2時間撹拌を続け重縮合反
応を完了した。その後反応缶2缶内を2kg/cm2
加圧し、口金を経由してポリマをストランド状に吐出し
てペレットにする。留出率は反応缶1での反応終了時に
85%となり、反応缶2へ移行後1時間で90%に到達
し、留出率が90%に達するまでの時間は昇温開始して
から6.75時間であった。また、60回転/分での反
応缶1の撹拌による撹拌翼と缶壁面での剪断速度は38
0(1/秒)であった。このポリマーの理論構造式を下
記する。
【0044】
【化9】 k/l/m/n=80/7.5/12.5/20 上記の方法で、上記組成のポリマーを繰り返しバッチ重
合したところ、20バッチ繰り返し重合した際に正常ポ
リマーの融点以上の物が反応終了後の吐出ポリマー中に
混入して異物となる現象が現れたため繰り返し重合を中
断して缶内を洗浄した。
【0045】比較例1 内容積1.6m3 、缶の内径1.2m、缶内壁面とヘリ
カル翼撹拌機との距離が1cmの反応缶1と実施例1と
同様の反応缶2の2缶を使い、実施例1と同量の原料を
反応缶1に仕込、18回転/分で撹拌し、昇温を開始
し、1時間で130℃に到達後130℃〜250℃で5
時間反応を行いその後、実施例1と同様に重合し、吐出
ペレット化した。留出率は反応缶1での反応終了時83
%となり、反応缶2へ移行後1.5時間で90%に到達
した。なお、18回転/分での反応缶1の撹拌翼と缶壁
面での剪断速度は114(1/秒)であった。
【0046】実施例1と同様のポリマー組成で繰り返し
バッチ重合すると10バッチ目で正常ポリマーの融点以
上の物が反応終了後の吐出ポリマー中に混入して異物と
なる現象が現われたため繰り返し重合を中断して缶内を
洗浄した。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば液晶ポリエステルの生産
性が向上し、耐熱性に優れた高品質のポリマーが得られ
る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料投入口、撹拌装置およびジャケットを
    有する重合装置を用いて、脱酢酸重縮合反応によって液
    晶ポリエステルを製造する際、重縮合反応を剪断速度が
    150〜1000(1/秒)になるように反応物を混合
    する工程を含むことを特徴とする液晶ポリエステルの製
    造方法。
  2. 【請求項2】液晶ポリエステルが下記a〜fから選ばれ
    た1種以上を原料とし、必要に応じて無水酢酸を原料と
    ともに添加して製造されるものである請求項1記載の液
    晶ポリエステルの製造方法。 a.ヒドロキシカルボン酸 b.アセトキシカルボン酸 c.ジヒドロキシ化合物 d.ジアセトキシ化合物 e.ジカルボン酸 f.ジオキシ単位およびジカルボニル単位からなるポリ
    エステル
  3. 【請求項3】撹拌及び昇温を開始してから、理論的に計
    算される留出物の全量に対する留出物の割合を百分率で
    表わした留出率が90%に達するまでの時間の10%以
    上の時間を剪断速度が150〜1000(1/秒)にな
    るように反応物を混合することを特徴とする請求項2記
    載の液晶ポリエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】留出率が下記式(1)で表わされるもので
    ある請求項3記載の液晶ポリエステルの製造方法。 留出率(%)=留出液量(g)/{[(添加した無水酢酸のモル数−原料中の水 酸基のモル数)×無水酢酸の分子量+(原料中の水酸基のモル数×酢酸の分子量 ×2)+原料中のアセチル基のモル数×酢酸分子量](g)}×100(%)・ ・・(1) (式中、無水酢酸を用いない場合は、“添加した無水酢
    酸のモル数−原料中の水酸基のモル数)×無水酢酸の分
    子量+(原料中の水酸基のモル数×酢酸の分子量×
    2)”を0として計算し、アセトキシカルボン酸、ジア
    セトキシ化合物のいずれも用いない場合は原料中の“ア
    セチル基のモル数×酢酸分子量”を0として計算する)
  5. 【請求項5】撹拌及び昇温を開始してから、留出率が2
    0%に達するまでの時間の80%以上の時間を剪断速度
    が150〜1000(1/秒)になるように反応物を混
    合することを特徴とする請求項3記載の液晶ポリエステ
    ルの製造方法。
  6. 【請求項6】撹拌及び昇温を開始してから、留出率が2
    0%〜50%に達するまでの時間の80%以上の時間を
    剪断速度が150〜1000(1/秒)になるように反
    応物を混合することを特徴とする請求項3記載の液晶ポ
    リエステルの製造方法。
  7. 【請求項7】撹拌及び昇温を開始してから、留出率が5
    0%〜90%に達するまでの時間の80%以上の時間を
    剪断速度が150〜1000(1/秒)になるように反
    応物を混合することを特徴とする請求項3記載の液晶ポ
    リエステルの製造方法。
  8. 【請求項8】液晶ポリエステルがエチレンジオキシ単位
    を有する液晶ポリエステルであることを特徴とする請求
    項1記載の液晶ポリエステルの製造方法。
  9. 【請求項9】液晶ポリエステルが下記(I)、(II)、
    (III )、(IV)の構造単位からなる液晶ポリエステル
    であることを特徴とする請求項7記載の液晶ポリエステ
    ルの製造方法。 【化1】 (但し式中のR1 は 【化2】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2 は 【化3】 から選ばれた1種以上の基を示す。また、式中Xは水素
    原子または塩素原子を示し、構造単位(II)および(II
    I )の合計と構造単位(IV)は実質的に等モルであ
    る)。
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