JPH1017659A - 液晶ポリエステルの製造方法 - Google Patents

液晶ポリエステルの製造方法

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JPH1017659A
JPH1017659A JP17691696A JP17691696A JPH1017659A JP H1017659 A JPH1017659 A JP H1017659A JP 17691696 A JP17691696 A JP 17691696A JP 17691696 A JP17691696 A JP 17691696A JP H1017659 A JPH1017659 A JP H1017659A
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liquid crystal
crystal polyester
polyester
acid
polymerization
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JP17691696A
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Osamu Togashi
修 富樫
Tadahiro Sueyoshi
忠弘 末良
Akihiko Kishimoto
彰彦 岸本
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液晶ポリエステル製造用反応缶内の洗浄周期を
長くすることができ、生産性が向上し、耐熱性に優れた
高品質のポリエステルを製造し得る方法を提供する。 【解決手段】芳香族ジカルボン酸およびアルキレングリ
コールを縮合してなる対数粘度0.8dl/g以下、か
つ粒径2000μm以上のポリエステル重合体ペレット
を含む液晶ポリエステル原料を反応させて液晶ポリエス
テルを製造する際、剪断速度が150〜1000(1/
秒)となるように反応混合物を撹拌する工程を含むこと
を特徴とする液晶ポリエステルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶ポリエステルの
製造方法に関する。さらに詳しくは溶融重縮合反応にお
いて効率的な撹拌を行うことにより、高品質とりわけ耐
熱性に優れた液晶ポリエステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年プラスチックスの高性能化に対する
要求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリマ
ーが数多く開発され市場に供されている。中でも特開平
4−72393号公報、特開平2−305818号公報
に開示されているように、p−ヒドロキシ安息香酸にポ
リエチレンテレフタレートを共重合した液晶ポリエステ
ルが優れた流動性と機械的性質を有する点で注目されて
いる。
【0003】このような液晶ポリエステルの製造方法と
しては、特開平2−305818号公報に開示されてい
るようにポリエステルを粉粒体にして用いる方法や、特
開平1−149825号公報に開示されているように粘
度が上昇すると撹拌数を減少させ、重合反応温度をコン
トロールさせることや、特開平4−225023号公報
に開示されているように、缶壁面での剪断速度が10〜
100(1/秒)で反応物を掻き下げる方向に撹拌しな
がら重合することが知られている。
【0004】また、特開平2−305818号公報には
日本工業規格網篩呼び寸法4760μを通過する粒径を
有するポリエチレンテレフタレートを原料として用いた
液晶ポリエステルの製造方法に関する発明が開示されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
4−72393号公報、特開平2−305818号公
報、特開平2−305818号公報、特開平1−149
825号公報および特開平4−225023号公報記載
の重合方法では品質的に優れた液晶ポリエステルを製造
することは出来るが、数バッチ重合すると反応缶内に残
留するモノマー、オリゴマーが滞留し、それが繰り返し
バッチ反応を行なうことにより熱履歴を受け、正常ポリ
マーの融点以上の温度でも溶融しない異物になり、その
異物が重合缶からの吐出物中に混入するため缶内を洗浄
せざるをえないことがわかった。また、特開平2−30
5818号公報記載の方法においても同様の問題を有
し、かつ、該公報で具体的に示されているのは粒径10
00μ以下のポリエチレンテレフタレートを原料として
用いた例であるが、この場合、ポリエチレンテレフタレ
ートが均一溶融する時間が短くなるという利点がある。
しかし、通常、1000μm以下のポリエチレンテレフ
タレートを得る場合、ペレットを粉砕する必要があり、
粒径1000μm以下に粉砕する工程が一工程増えるだ
けではなく、原料仕込ライン(風送)の粉塵爆発を防ぐ
対策などが必要であり、装置も複雑化するなどの問題が
ある。また、粒径が細かいために、撹拌によりポリエチ
レンテレフタレート粉粒体が、反応缶壁あるいは撹拌軸
などに付着しやすく、反応中の撹拌が十分でないと翼や
軸、缶内壁面に付着して滞留し、高融点の異物と化し、
生成ポリマー中に混入するため逆に缶内の洗浄周期を短
くすることがわかった。
【0006】そこで、本発明は缶内とりわけ反応缶に残
留するモノマー、オリゴマーを少なくして、缶内の洗浄
周期を長くすることにより生産性を向上させ、高品質と
りわけ耐熱性に優れた液晶ポリエスルの製造方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すな
わち、本発明は芳香族ジカルボン酸およびアルキレング
リコールを縮合してなる対数粘度0.8dl/g以下、
かつ粒径2000μm以上のポリエステル重合体ペレッ
トを含む液晶ポリエステル原料を反応させて液晶ポリエ
ステルを製造する際、剪断速度が150〜1000(1
/秒)となるように反応混合物を撹拌する工程を含むこ
とを特徴とする液晶ポリエステルの製造方法、アルキレ
ングリコールがエチレングリコールであることを特徴と
する上記液晶ポリエステルの製造方法、液晶ポリエステ
ルがエチレンジオキシ単位を必須成分として含有するこ
とを特徴とする上記液晶ポリエステルの製造方法、およ
び、液晶ポリエステルが下記(I)、(II)、(III
),(IV)の構造単位からなる液晶ポリエステルであ
ることを特徴とする上記液晶ポリエステルの製造方法で
ある。
【0008】
【化4】 (但し式中のR1
【化5】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2
【化6】 から選ばれた1種以上の基を示す。また、式中Xは水素
原子または酸素原子を示し、構造単位(II)および(II
I )の合計と構造単位(IV)は実質的に等モルであ
る。)
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で製造する液晶ポリエステ
ルは芳香族ジカルボン酸およびアルキレングリコールを
縮合してなるポリエステル重合体を原料として含むもの
であって、溶融時異方性を形成し得るポリエステルであ
る。芳香族ジカルボン酸およびアルキレングリコールを
縮合してなるポリエステル重合体以外の原料としては、
例えば芳香族オキシカルボン酸またはその誘導体、芳香
族ジオールまたはその誘導体、芳香族ジカルボン酸また
はその誘導体などが挙げられる。そしてそれらを適宜組
み合わせ、芳香族ジカルボン酸およびアルキレングリコ
ールを縮合してなるポリエステル重合体と共重合するこ
とにより液晶ポリエステルとすることができる。
【0010】本発明で製造する液晶ポリエステルの原料
として用いる芳香族ジカルボン酸およびアルキレングリ
コールを縮合してなるポリエステル重合体における芳香
族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタ
ン−4,4´−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロ
ルフェノキシ)エタン−4,4´−ジカルボン酸および
ジフェニルエーテルジカルボン酸などが好ましく挙げら
れ、なかでもテレフタル酸、イソフタル酸、4,4´−
ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸などが好ましく挙げられ、これらは1種または2種
以上で用いることができる。また、アルキレングリコー
ルとしてはエチレングリコールが好ましく挙げられる。
【0011】本発明で用いる芳香族ジカルボン酸および
アルキレングリコールを縮合してなるポリエステル重合
体は対数粘度0.8dl/g以下のものであり、好まし
くは0.2〜0.8dl/gである。ここで、0.8d
l/gを越える対数粘度のポリエステルを用いると、本
発明の課題である均質性および外観平滑性に優れた液晶
ポリマを得ることが困難になる。ここでポリエステル重
合体ペレットの対数粘度は、粘度溶液としてテトラクロ
ルエタン/フエノール1/1(重量比)の混合溶媒を用
い、0.5g/dlの濃度で30℃で測定した値であ
る。
【0012】また、本発明で用いる芳香族ジカルボン酸
およびアルキレングリコールを縮合してなるポリエステ
ル重合体の粒径は2000μm以上、好ましくは476
0μ以上であり、通常ペレットの形態で用いられる。か
かるペレットはチップとも呼ばれ、一般に縮重合された
ポリエステル重合体を重合缶吐出部から水冷却浴に連続
的にポリマを吐出し、ストランド状にしたのちカッテイ
ングしペレット化することにより製造される。このため
口金の穴径およびストランドの引取り速度などの条件に
よりペレット形状は縦×横×長さが3〜5mm×3〜5
mm×3〜5mmの直方体であったり、長径×短径×長
さが3〜5mm×2〜5mm×3〜5mmの楕円柱であ
ったりする場合が多い。本発明でいうでいうペレット粒
径とはJIS標準篩Z8801-1966 の目の開き〔μ〕(呼
び寸法)をさす。即ち、粒径2000μm以上のポリエ
ステル重合体ペレットとは、振動篩を用いて15秒間振
盪した場合に、このJIS標準篩の目の開き2000
〔μ〕(呼び寸法)を通過しないものを意味し、粒径4
760μm以上のポリエステル重合体ペレットとは、同
様の方法で振盪した場合に、このJIS標準篩の目の開
き4760〔μ〕(呼び寸法)を通過しないものを意味
する。
【0013】芳香族オキシカルボン酸またはその誘導体
としては、p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−
6−ナフトエ酸およびその誘導体などが好ましく挙げら
れ、これらは1種または2種以上で用いることができる
が、なかでもp−ヒドロキシ安息香酸が好ましい。芳香
族ジオールまたはその誘導体としては、4,4’−ジヒ
ドロキシビフェニル、3,3’,5,5´−テトラメチ
ル−4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノ
ン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノ
ン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒド
ロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンおよび4,4´−ジヒドロキシジフェニ
ルエーテルおよびその誘導体が好ましく挙げられ、これ
らは1種または2種以上で用いることができるが、なか
でも4,4’−ジヒドロキシビフェニルが特に好まし
い。芳香族ジカルボン酸としては上述の芳香族ジカルボ
ン酸と同様の例を挙げることができる。
【0014】なお本発明において、液晶ポリエステルを
縮重合するための基本的な反応方法としては特に制限は
なく、例えば液晶ポリエステルを脱酢酸重合を行なうこ
とにより製造することができる。具体的には(i)また
は(ii)の方法があるが(ii)の方法が特に好ましい。
【0015】(i)エチレングリコールなどのアルキレ
ングリコールと芳香族ジカルボン酸からのポリエステル
やオリゴマあるいは芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒ
ドロキシエチル)エステルと、p−アセトキシ安息香酸
などの芳香族オキシカルボン酸のアシル化物および4,
4´−ジアセトキシビフェニル、パラジアセトキシベン
ゼンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と
テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸等から選択され
る一種以上の、その他の液晶ポリエステル原料を脱酢酸
重縮合反応によって製造する方法。
【0016】(ii)エチレングリコールなどのアルキレ
ングリコールと芳香族ジカルボン酸からのポリエステル
やオリゴマあるいは芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒ
ドロキシエチル)エステルおよびp−ヒドロキシ安息香
酸などの芳香族オキシカルボン酸、4,4´−ジヒドロ
キシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロ
キシ化合物、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸か
ら選択される一種以上の、その他の液晶ポリエステル原
料と、無水酢酸とを反応させてフェノール性水酸基をア
シル化した後、脱酢酸重縮合反応によって製造する方
法。
【0017】反応温度などの反応条件は用いる原料の種
類により適宜決定される。例えば上記(i)の原料を使
用する場合、通常、常圧あるいは加圧、窒素雰囲気下で
250℃〜400℃になるまで昇温後、250℃〜40
0℃、減圧下で重縮合することができる。上記(ii)の
原料を使用する場合、通常、アセチル化剤である無水酢
酸との接触を常圧あるいは加圧、窒素雰囲気下、80℃
〜130℃で行なうが、130℃〜150℃で1時間以
上反応させることが好ましい。130℃〜150℃で反
応後は200℃〜300℃になるまで昇温し、アセチル
化反応の副生成物である酢酸および未反応の無水酢酸を
留出させる。その後250℃から400℃で減圧下で重
縮合することができる。
【0018】この脱酢酸反応は無触媒系で行っても重合
は進行するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、
酢酸カリウム、三酸化アンチモン、マグネシウム、酢酸
ナトリウムなどの金属化合物を触媒として添加した方が
好ましい場合もある。
【0019】本発明において、好ましく用いられる液晶
ポリエステルの反応装置は原料投入口と移行口、反応中
に発生する蒸気を凝縮させるコンデンサ、凝縮液受け
槽、撹拌装置およびジャケットを有する反応缶と反応缶
からの受入口、重合体吐出口、撹拌装置およびジャケッ
トをもつ重合缶、反応缶と重合缶をつなぐ移行管および
減圧重合時の真空発生装置を有するものである。反応缶
および重合缶形状は缶の縦の長さ(L)と直径(D)の
長さの比がL/D=1〜3の形状のものが好ましい。
【0020】本発明における液晶ポリエステルの製造方
法の特徴は粒径2000μm以上のポリエステル重合体
を用い、剪断速度が150〜1000(1/秒)、好ま
しくは150〜500(1/秒)の撹拌条件下で反応さ
せた後に重合する工程を含むことにある。特に原料とし
て添加したポリエステル重合体が完全に溶融するまでの
工程を、剪断速度が150〜1000(1/秒)の撹拌
条件下で行なうことにより、洗浄周期を延ばす効果がよ
り顕著に発揮される。
【0021】本発明で言う撹拌条件とは、撹拌翼と缶壁
面での剪断速度を下記(1)式より求められた値が15
0〜1000(1/秒)で行なわれるものである。
【0022】 剪断速度(1/秒)=2×2×3.14×撹拌数(回転/秒)×缶内径×缶内 径/(缶内径×缶内径−撹拌翼外径×撹拌翼外径)・・・(1) 反応缶の撹拌翼の形状は良好な混合状態が得られるもの
であればなんでもよいが、混合状態をさらによくするた
めに缶内液相部にじゃま板を取り付けることもしばしば
行なわれる。また、反応終了後に缶内に残留するモノマ
ー、オリゴマー量を少なくする目的から撹拌軸に取り付
けた翼は反応中は反応液内にある方が好ましい。
【0023】粒径2000μm以上のポリエステル重合
体を用いる場合には、撹拌剪断速度が150(1/秒)
未満である反応缶でポリエステル重合体を反応させると
均一溶融するまでの時間が長くなるため、重合速度が遅
くなり、場合によっては対数粘度も低くなる場合もある
ため好ましくない。また、剪断速度が1000(1/
秒)を越える程に高速にすると、撹拌による液面の盛り
上がりが激しく反応物が缶内壁面に付着して滞留するた
め缶内の洗浄周期が短くなる。
【0024】上記の方法により、粒径の大きいポリエス
テル重合体を用いても効率よく、高品質の液晶ポリエス
テルを製造することができる。特にエチレンジオキシ単
位を有する液晶ポリエステルを製造する際にその効果が
顕著に発揮され、なかでも前記(I)、(II)、(III
)、(IV)の構造単位からなる液晶ポリエステルを製
造する際に特に顕著に発揮される。
【0025】上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息
香酸から生成したポリエステルの構造単位であり、構造
単位(II)は4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,
3’,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジヒドロキ
シビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキ
ノン、フェニルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシ
ナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,
4´−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた芳
香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、構造
単位(III )はエチレングリコールから生成した構造単
位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イソフタル酸、
4,4´−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−
4,4´−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフ
ェノキシ)エタン−4,4´−ジカルボン酸およびジフ
ェニルエーテルジカルボン酸から選ばれた芳香族ジカル
ボン酸から生成した構造単位を各々示す。これらのうち
特にR1
【化7】 であるものが構造単位(II)の70モル%以上を、R2
【化8】 であるものが構造単位(IV)の70モル%以上を占める
ものが特に好ましい。
【0026】上記構造単位(I)、(II)、(III )、
(IV)の共重合量は任意である。しかし、流動性の点か
ら次の共重合量であることが好ましい。
【0027】すなわち、耐熱性、難燃性および機械的特
性の点から上記構造単位[(I)+(II)]は[(I)
+(II)+(III )]の60〜95モル%が好ましく、
82〜93モル%がより好ましい。また、構造単位(II
I )は[(I)+(II)+(III )]の40〜5モル%
が好ましく、18〜7モル%がより好ましい。また、構
造単位(I)/(II)のモル比は耐熱性と流動性のバラ
ンスの点から好ましくは75/25〜95/5であり、
より好ましくは78/22〜93/7である。また、構
造単位(IV)は構造単位(II)および(III )の合計と
実質的に等モルである。
【0028】なお、上記好ましいポリエステルを重縮合
する際には上記構造単位(I)〜(IV)を構成する成分
以外に3,3´−ジフェニルジカルボン酸、2,2´−
ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン
酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル
酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキノン、
メチルハイドロキノン、4,4´−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスル
フィド、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン等の芳
香族ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シク
ロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ
安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族
ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノフェノール、p
−アミノ安息香酸などを本発明の目的を損なわない程度
の少割合の範囲でさらに共重合せしめることができる。
【0029】本発明で製造する液晶ポリマーはペンタフ
ルオロフェノール中で対数粘度を測定することが可能な
ものもあり、その際には0.1g/dlの濃度で60℃
で測定した値で0.3dl/g以上が好ましく、0.5
〜3.0dl/gが特に好ましい。
【0030】また、本発明における液晶ポリマーの溶融
粘度は10〜20,000ポイズが好ましく、特に20
〜10,000ポイズがより好ましい。
【0031】なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10
℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下で
測定したものであり、例えば(株)島津製作所フローテ
スターCFT−500によって測定できる。
【0032】ここで、融点(Tm)とは示差走査熱量計
において、重合を完了したポリマーを室温から20℃/
分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度
(Tm1 )の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保
持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却し
た後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測さ
れる吸熱ピーク温度(Tm2 )を指す。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳述す
る。
【0034】実施例1 内容積1.6m3 、缶の内側の直径1.2m、缶内壁面
とヘリカル翼撹拌機との距離が1cmの反応缶と、内容
積0.8 m3 、ボトム翼を有した中心軸のないダブル
ヘリカル翼撹拌機の重合缶の2缶を使い、次のように重
合した。
【0035】反応缶にp−ヒドロキシ安息香酸220k
g、4,4’−ジヒドロキシビフェニル27.8kg、
対数粘度0.65dl/g、長径4mm×短径3.5m
m×5mmのポリエステル重合体ペレット47.8k
g,テレフタル酸24.8kgおよび無水酢酸211.
8kgを反応缶に仕込、撹拌速度60回転/分で撹拌
し、室温から130℃まで昇温し、130〜150℃で
約1時間反応後、約2時間かけて250℃まで昇温し
た。その後重合缶に移行して、1時間かけて250℃か
ら320℃に昇温し、重合缶を1Torrまで減圧し、
320℃で2時間撹拌を続け重縮合反応を完了した。そ
の後重合缶内を2kg/cm2 に加圧後口金を経由して
ポリマをストランド状に吐出してペレットにする。この
時の反応缶の撹拌による缶内壁面と撹拌翼の剪断速度は
380(1/秒)であった。このポリマーの理論構造式
を下記する。
【0036】
【化9】 k/l/m/n=80/7.5/12.5/20 上記の方法で、上記組成のポリマーを繰り返しバッチ重
合したところ、従来なら数バッチ繰り返しバッチ重合を
重ねると正常ポリマーの融点以上の物が吐出ポリマー中
に混入して異物となる現象が、30バッチ繰り返して重
合した際に現れたため重合を中断して缶内を洗浄した。
【0037】比較例1 内容積1.6m3 、缶の内側の直径1.2m、缶内壁面
とヘリカル翼撹拌機との距離が5cmの反応缶と内容積
0.8m3 、ボトム翼を有した中心軸のないダブルヘリ
カル翼撹拌機の重合缶の2缶を使い、実施例1と同量の
原料を反応缶に仕込み、撹拌速度20回転/分で実施例
1と同様に重合した。なお、この時の缶内壁面と撹拌翼
の剪断速度は26(1/秒)であった。
【0038】実施例1と同様のポリマー組成で繰り返し
バッチ重合すると5バッチ目で正常ポリマーの融点以上
の物が、吐出ポリマー中に混入して異物となる現象が現
われたため、重合を中断して缶内を洗浄した。
【0039】比較例2 対数粘度0.65のポリエステル重合体を粉砕し、JI
S標準篩、目の開き710〔μ〕(呼び寸法)を用い篩
分けした。篩の目を通過したものを用いた以外は比較例
1と同一条件で重合した。撹拌翼の剪断速度が26(1
/秒)と遅いため、撹拌機軸部に多量の粉体が付着し
た。同様の条件で繰り返し重合すると6バッチ目で吐出
ポリマ中に凹凸のある異物が混入してくるようになった
ため重合を中断し缶内を洗浄した。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば液晶ポリエステル製造用
反応缶内の洗浄周期を長くすることができ、液晶ポリエ
ステルの生産性が向上し、耐熱性に優れた高品質の液晶
ポリエステルが得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジカルボン酸およびアルキレングリ
    コールを縮合してなる対数粘度0.8dl/g以下、か
    つ粒径2000μm以上のポリエステル重合体ペレット
    を含む液晶ポリエステル原料を反応させて液晶ポリエス
    テルを製造する際、剪断速度が150〜1000(1/
    秒)となるように反応混合物を撹拌する工程を含むこと
    を特徴とする液晶ポリエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】アルキレングリコールがエチレングリコー
    ルであることを特徴とする請求項1項記載の液晶ポリエ
    ステルの製造方法。
  3. 【請求項3】液晶ポリエステルがエチレンジオキシ単位
    を必須成分として含有することを特徴とする請求項1項
    記載の液晶ポリエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】液晶ポリエステルが下記(I)、(II)、
    (III ),(IV)の構造単位からなる液晶ポリエステル
    であることを特徴とする請求項3項記載の液晶ポリエス
    テルの製造方法。 【化1】 (但し式中のR1 は 【化2】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2 は 【化3】 から選ばれた1種以上の基を示す。また、式中Xは水素
    原子または酸素原子を示し、構造単位(II)および(II
    I )の合計と構造単位(IV)は実質的に等モルであ
    る。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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