JPH11130855A - ポリエーテルエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエーテルエステルの製造方法

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JPH11130855A
JPH11130855A JP29377697A JP29377697A JPH11130855A JP H11130855 A JPH11130855 A JP H11130855A JP 29377697 A JP29377697 A JP 29377697A JP 29377697 A JP29377697 A JP 29377697A JP H11130855 A JPH11130855 A JP H11130855A
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JP
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molecular weight
horizontal
kneading
reaction
polyetherester
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JP29377697A
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English (en)
Inventor
Yukihiko Kawarada
雪彦 川原田
Tetsuya Yamazaki
哲也 山崎
Akira Konishi
明 小西
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子量分布が狭く、機械的強度に優れ、か
つ、色相に優れたポリエーテルエステルの製造方法を提
供する。 【解決手段】 ポリ(エチレンオキシド)グリコール付
加物、テレフタル酸ジメチル、エチレングリコールを、
マックスブレンド翼を有する堅型攪拌反応槽(第1工程
槽)内で数平均分子量5,000〜2,000,000
となるまで重合し、次いで、図2で示される、内部に2
軸の多段攪拌翼を有し、かつ、各攪拌翼の先端部にスク
レーパーが配設された横型混練反応装置に、連続的に導
入し、低分子量成分の脱気を行い乍ら重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、それ単独で、ある
いは種々の添加剤を配合して繊維、成型品、シートやフ
ィルム等の用途において有用な高分子量ポリエーテルエ
ステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエーテルエステルを製造
する方法としては、ジカルボン酸と、グリコール成分と
を直接エステル化させるか、又は、ジカルボン酸のアル
キルエステルとグリコール成分とをエステル交換させて
グリコールエステル及び/又はその低重合体を得、次い
でこれを例えば、ダブルヘリカル型攪拌翼の付いたバッ
チ式反応装置等で高真空下に長時間加熱撹拌して重縮合
させる方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高真空
下に長時間重縮合するというこれらの方法は、エステル
化反応で生成する水やエステル交換反応で生成するアル
コール類はもとより、長い時間にわたって高温高真空に
保つため、副生成物および解重合による低分子化合物が
多量に生成し、得られる成型物の機械的強度や色相を著
しく低下させるものであった。さらに、反応の進行に伴
って粘度が高くなるため、攪拌効率が低下し、反応時間
が著しく長くなることによって所定の分子量まで到達せ
ず、その結果、物性が低下するなどの課題があった。
【0004】本発明が解決しようとする課題は、目的と
する分子量のものを容易に製造でき、かつ、分子量分布
が狭く、機械的強度に優れ、色相に優れたポリマーとな
るポリエーテルエステルの製造方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、鋭意検
討を重ねた結果、第1工程として攪拌式反応機内で中間
生成物を製造した後、第2工程として、特定構造の横型
混練反応装置に連続的に導入し脱気し乍ら重合させるこ
とにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、多価カルボン酸、多価カ
ルボン酸塩又はその多価カルボン酸エステル(A)と、
ポリアルキレングリコール(B)と、アルキレングリコ
ール(C)とを、 第1工程:触媒の存在下、攪拌式反応機内で、数平均分
子量5,000〜2,000,000となるまで重合さ
せ、次いで、 第2工程:得られた重合液を、内部に2軸の多段攪拌翼
を有し、かつ、各攪拌翼の先端部にスクレーパーが配設
された横型混練反応装置に、連続的に導入し、低分子量
成分の脱気を行い乍ら重合させることを特徴とするポリ
エーテルエステルの重合方法に関する。
【0007】第1工程において、攪拌式反応機に導入さ
れる、多価カルボン酸、多価カルボン酸塩又はその多価
カルボン酸エステル(A)における多価カルボン酸と
は、二価以上のカルボン酸またはそのカルボン酸無水物
であり、特に限定されるものではないが、具体例として
は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ヘプタン二
酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸等の飽和脂
肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸等の不飽和脂
肪酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ペンタ
レン−1,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジ
カルボン酸、アズレン−2,4,5−トリカルボン酸、
フェナレン−2,4,8−トリカルボン酸、クリセン−
1,4,8−トリカルボン酸、フルオランテン−4,
5,6,7−テトラカルボン酸、[14]−アヌレン−
1,3,8、10−テトラカルボン酸等の芳香族多価カ
ルボン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水シトラコ
ン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、二無水ピロ
メリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水
物、無水マレイン酸単独重合体、無水マレイン酸−酢酸
ビニル共重合体、無水マレイン酸−エチレン共重合体、
無水マレイン酸−イソブチレン共重合体、無水マレイン
酸−イソブチルビニルエーテル共重合体、無水マレイン
酸−アクリロニトリル共重合体、無水マレイン酸−スチ
レン共重合体等の酸無水物等、およびこれらのハロゲン
化多価カルボン酸、スルホン化多価カルボン酸、リン酸
化多価カルボン酸、アルキル核置換多価カルボン酸等が
挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、また、2
種以上を併用してもよい。これらのなかでも特に重合
性、色調および物性の点から、テレフタル酸、ナフタレ
ン−2,6−ジカルボン酸、アジピン酸が好ましい。
【0008】次に、多価カルボン酸塩とは、上記多価カ
ルボン酸のカルボキシル基の水素原子が一部または全部
が金属原子またはアンモニアなどの陽性原子団で置換し
た構造を有するものであり何れも使用できる。具体的に
は、コハク酸ジナトリウム、グルタル酸ジカリウム、ア
ジピン酸モノナトリウム、ヘプタン二酸モノリチウム、
オクタン二酸マグネシウム、ノナン二酸モノメチルカル
シウム、デカン二酸モノエチルアンモニウム、フマル酸
カルシウム、マレイン酸ジナトリウム、フタル酸ジナト
リウム、イソフタル酸モノリチウム、テレフタル酸マグ
ネシウム、ペンタレン−1,6−ジカルボン酸モノオク
チルカリウム、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸モノ
ナトリウム、アズレン−2,4,5−トリカルボン酸ジ
エチルナトリウム、フェナレン−2,4,8−トリカル
ボン酸モノヘプチルカリウム、クリセン−1,4,8−
トリカルボン酸カルシウム、フルオランテン−4,5,
6,7−テトラカルボン酸ジリチウム、[14]−アヌ
レン−1,3,8、10−テトラカルボン酸マグネシウ
ム等、およびこれらのハロゲン化多価カルボン酸塩、ス
ルホン化多価カルボン酸塩、リン酸化多価カルボン酸
塩、アルキル核置換多価カルボン酸塩等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、また、2種以上を併用
してもよい。これらのなかでも特に色調および物性の点
から、リン酸化テレフタル酸ナトリウムが好ましい。
【0009】次に多価カルボン酸エステルとは、モノエ
ステル体、ジエステル体およりトリ、テトラエステル体
などの多価カルボン酸の一部または全部がエステル化さ
れた化合物であり何れも使用できる。具体的には、コハ
ク酸ジメチル、グルタル酸オクチルメチル、アジピン酸
ジブチル、ヘプタン二酸モノトリデシル、オクタン二酸
ノナデシル、ノナン二酸ジブチル、デカン二酸プロピル
テトラデシル、フマル酸ジドコシル、マレイン酸ジヘプ
タデシル、フタル酸ジヘキシル、イソフタル酸モノヘプ
タデシル、テレフタル酸ジメチル、ペンタレン−1,6
−ジカルボン酸モノオクチル、ナフタレン−2,6−ジ
カルボン酸ジメチル、アズレン−2,4,5−トリカル
ボン酸ジエチルナトリウム、フェナレン−2,4,8−
トリカルボン酸ジヘプチル、クリセン−1,4,8−ト
リカルボン酸トリノニル、フルオランテン−4,5,
6,7−テトラカルボン酸ジウンデシル、[14]−ア
ヌレン−1,3,8、10−テトラカルボン酸テトラプ
ロピル等、およびこれらのハロゲン化多価カルボン酸エ
ステル、スルホン化多価カルボン酸エステル、リン酸化
多価カルボン酸エステル、アルキル核置換多価カルボン
酸エステル等が挙げられる。また、上記した多価カルボ
ン酸のエステルにおいては、メチルエステルやエチルエ
ステルなどの炭素原子数が6以下の低級アルキルエステ
ルが好ましい。これらは単独で用いてもよいし、また、
2種以上を併用してもよい。これらのなかでも特に重合
性、色調および物性の点から、テレフタル酸ジメチル、
ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチル、アジピン
酸ジブチルが好ましい。
【0010】次に、ポリアルキレングリコール(B)と
しては、ポリ(アルキレンオキシド)グリコール、ビス
フェノール類のポリ(アルキレンオキシド)グリコール
付加物等が挙げられ、具体的には、前者として、ポリエ
チレングリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコ
ール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポ
リ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオ
キシドとプロピレンオキシドのブロックまたはランダム
共重合構造を持つグリコール、及び、エチレンオキシド
とテトラヒドロフランのブロックまたはランダム共重合
構造単位を持つグリコール等が挙げられ、一方、後者と
してはビスフェノール類に上記したポリ(アルキレンオ
キシド)グリコールが付加した構造が挙げられる。
【0011】ここで用いるビスフェノール類としては、
特に制限されるものではなく、例えばビスフェノール
A、ビスフェノールS、臭素化ビスフェノールA、4,
4−ビス(ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
アミンなどが挙げられる。
【0012】第1工程における反応は、上記(A)〜
(C)の各成分をアルカリ金属又はアルカリ土類金属の
酢酸塩等のエステル交換触媒の存在下に反応することに
よって得られる。反応は、回分式または連続式或いは半
連続式のいずれでも良いが、分子量設定が容易である点
から回分式、または半連続式が好ましい。
【0013】以下に、図1に基づき第1工程を更に詳述
する。上記(A)〜(C)の各成分、エステル交換触媒
及び必要に応じその他の成分を原料導入配管1〜5から
槽型撹拌装置である混合槽Aへ導入し、溶融、混合を行
なう。或いは、原料の溶融を比較的低温で容易に行なう
ために、予め、配管1を通じて40℃〜120℃、好ま
しくは60℃〜90℃で溶融、保温したポリアルキレン
グリコール(B)を供給しておき、撹拌下にてその他の
原料成分を供給しても良い。
【0014】混合槽Aの雰囲気は、特に限定されない
が、酸素による原料モノマーの劣化を防ぐため、窒素ガ
ス等の不活性ガスで充填されていることが好ましい。混
合槽Aの温度は、ポリアルキレングリコールの凍結防止
のため40℃以上が好ましいが、他原料の熱劣化、ま
た、脂肪族グリコールの蒸気発生によるロス、或いはベ
ントラインの閉塞を防止するため、40℃〜120℃、
好ましくは50℃〜80℃の範囲が好ましい。
【0015】混合溶解された原料混合物は、ポンプBに
より配管6を通って、攪拌式反応機(以下、「第1工程
槽C」と略記)に連続供給される。また混合槽Aが、次
の第1工程槽Cと兼用される場合には、ポンプB及び配
管6は省略され、各原料成分、エステル交換触媒及びそ
の他の成分は、それぞれ1´、2´、3´、4´、5´
の配管にて第1工程槽Cへ直接導入すればよい。
【0016】第1工程槽Cは、特に混合装置は特定され
るものではないが、タービン翼、傾斜タービン翼、ファ
ウドラー翼、ブルマージン翼、ダブルヘリカル翼、ドラ
フトチューブ付スクリュー翼、アンカー翼、邪魔板付傾
斜多段翼、マックスブレンド翼等が挙げられるが、なか
でも垂直回転軸上にマックスブレンド翼を有する槽型撹
拌装置が好ましい。
【0017】第1工程槽Cは、真空度を上げ、最終的に
6Pa〜7000Pa、好ましくは10Pa〜1300
Paの範囲になる様に調整することが好ましい。
【0018】該導管7を介して吸引された水もしくはア
ルコール、一部の未反応モノマーはそれぞれ精留され
て、系外へ排出され、未反応モノマーは系内へ還流され
る。
【0019】第1工程槽Cは一つのみ使用してもよい
が、複数並列に又は直列に設けてもよい。中でも2〜4
つ直列に並べたものを数系列設けることが好ましく、こ
の場合、反応槽1つ当たりのグリコール類の蒸発潜熱及
び反応液の昇温に必要な熱量を、緩和することもでき、
また系列ごとに品質の違ったプレポリマーを製造するこ
とにより品質グレードに対する汎用性を向上させること
ができる。
【0020】第1工程槽Cにおける反応条件としては、
特に制限されるものではないが、反応温度50℃〜30
0℃、減圧度は上記の通り真空度を上げ、6Pa〜70
00Pa、好ましくは10Pa〜1300Paの範囲が
好ましい。
【0021】反応槽を直列に並べた場合は、各槽での平
均滞留時間を一定に保ちながら、順次反応液を連続送液
することが好ましく、その場合の各槽の温度圧力条件
は、第1の反応槽は、50℃〜300℃、なかでも15
0℃〜260℃の範囲であることが好ましく、また圧力
は常圧から1Paの範囲であることが好ましく、第2及
びそれ以降の第1工程槽における反応温度は、通常18
0℃〜300℃、なかでも200℃〜280℃の範囲で
あり、また、圧力は6Pa〜7000Pa、なかでも1
0Pa〜700Paの範囲であることが好ましい。
【0022】容器間の移液は、液の流動を促すためにギ
アポンプ等の高粘度用のポンプを用いることが好ましい
が、容器内の圧力に差がある場合、流量制御の為に、圧
力差に応じた垂直管を設けるか、或いはコントロールバ
ルブ等による調整を施すことが好ましい。
【0023】移液配管は一定温度に加熱、保温されてい
ることが好ましく、その温度は150℃〜320℃、2
00℃〜260℃の範囲が好ましい。
【0024】第1工程槽Cに設ける精留塔は、原料及び
エステル交換触媒等を分離するために、1段以上ある事
が好ましく、具体的には棚段塔、充填塔等が挙げられ
る。
【0025】反応槽の材質としては、原料の腐食性に耐
え得るもの、すなわち耐酸性及び耐溶剤性物質、及び樹
脂を着色させない材料、例えばニッケル、チタン、ジル
コニウム、モリブデン、タンタル製のもの又はライニン
グ或いはそれらの合金、さらにフッ素化樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂等が好ましい。
【0026】或いは材質自体に耐腐食性が無くても、例
えばグラスライニングのような耐酸性及び耐溶剤性物質
及び樹脂を着色させない材料でプロセス側がコーティン
グされているものであれば良い。
【0027】また、当該反応槽には、充填塔が配設され
ていることがこのましく、当該充填塔を使用する場合、
使用する充填物としてはマクマホンパッキング、ディク
ソンパッキング、キャノンパッキング、シングルターン
ヘリックス、インタロックサドル、ポールリング(磁
性、金属、プラスチック)、テラレット、グッドローパ
ッキング、スルザーパッキング、ラシヒリング、レッシ
ングリング、ベルサドル、等があり、ポールリングもし
くはスルザーパッキングを使用することが好ましい。
【0028】さらに混合槽A及び第1工程槽C並びにそ
れらに付随するポンプや配管などの、原料と接触する可
能性のある装置、配管の材質についても、原料の腐食性
に耐え得るもの、すなわち耐酸性及び耐溶剤性物質、例
えばニッケル、チタン、ジルコニウム、モリブデン、タ
ンタル製のもの又はライニング或いはそれらの合金、さ
らにフッ素化樹脂、ポリオレフィン系樹脂等、或いは、
例えばグラスライニングのような、耐酸性及び耐溶剤性
物質でコーティングされているものが好ましい。
【0029】また、第1工程槽C及びそれ以降の配管の
内部表面は、表面粗さが10μ以下であることが樹脂の
付着を防止できる点から好ましい。
【0030】この様な第1工程を経て得られる生成物
は、数平均分子量5,000〜2,000,000であ
り、本発明においては、次いで、第2工程として、得ら
れた重合液を、内部に2軸の多段攪拌翼を有し、かつ、
各攪拌翼の先端部にスクレーパーが配設された横型混練
装置反応装置に、連続的に導入し、低分子量成分の脱気
を行い乍ら重合させるものである。
【0031】第2工程で使用される触媒としては、特に
限定はなく、通常のポリエステルを重縮合する際に用い
るものを用い、テトラメトキシチタン、テトラエトキシ
チタン、テトラ−iso-プロポキシチタン、テトラ−iso
−ブトキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テト
ラ−t−ブトキシチタン、テトラメトキシジルコニウ
ム、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−iso-プロポ
キシジルコニウム、テトラ−iso−ブトキシジルコニウ
ム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−t−
ブトキシジルコニウム、トリエトキシアルミニウム、ト
リ−iso-プロポキシアルミニウム、トリ−iso−ブトキ
シアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、ト
リ−t−ブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシ
アルミニウム、モノ−sec−ブトキシ−iso−プロポキシ
アルミニウム、テトラメトキシゲルマニウム、テトラエ
トキシゲルマニウム、テトラ−iso-プロポキシゲルマニ
ウム、テトラ−iso−ブトキシゲルマニウム、テトラ−
n−ブトキシゲルマニウム、テトラ−t−ブトキシゲル
マニウム、トリ−iso−ガリウムなどの金属アルコキ
ド、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸ス
ズ、酢酸ゲルミニウム、酢酸スズ、酢酸アンチモンなど
の酢酸金属塩、しゅう酸亜鉛、しゅう酸マンガン、しゅ
う酸コバルト、しゅう酸スズ、しゅう酸ゲルミニウム、
しゅう酸スズ、しゅう酸アンチモンなどのしゅう酸金属
塩、酸化アンチモン、酸化ゲルマニウムなどの酸化物、
等が挙げられる。これらの中でも特にエステル交換反応
や重縮合反応等の全てに有効な点からテトラアルコキシ
チタンが好ましい。
【0032】触媒は通常ポリエーテルエステルの全反応
原料に対し0.005〜1.0重量%の範囲であること
が好ましい。
【0033】ここで、使用する2軸の多段攪拌翼を有
し、かつ、各攪拌翼の先端部にスクレーパーが配設され
た横型混練反応装置としては、例えば、(1)変形翼を
連ねた攪拌軸を並べて配置した横型2軸混練装置、例え
ば、三菱重工業(株)社製「SCR」もしくは「HV
R」(2)並べて配置された2本の攪拌軸と、前記各攪
拌軸に位相を変化させて組み込まれた凸レンズ形状のパ
ドルとを有するセルフクリーニング型の横型2軸混練装
置、例えば、(株)栗本鐵工所製、商品名「KRCニー
ダ」、(3)格子状の翼を連ねた軸無し構造の攪拌部を
並べて配置した横型2軸混練装置、例えば、(株)日立
製作所製、商品名「日立格子翼重合機」、(4)メガネ
状の翼を連ねた攪拌軸を並べて配置した横型2軸混練装
置、例えば(株)日立製作所製、商品名「日立メガネ翼
重合機」、(5)複数の水平回転軸とこの各々の水平回
転軸に取り付けられた多段状の攪拌翼と、この攪拌翼を
連続に結ぶ掻き取り棒とを有し、各々の水平回転軸の回
転速度が異なる横型2軸混練装置、住友重機械工業(株)
製、商品名「BIVOLAK」、等が挙げられる。
【0034】これらの横型混練反応装置は、液のホール
ドアップ率が10〜90%、なかでも30〜70%とな
るように設計された物が、滞留時間を十分にとることの
でき、好ましい。また、攪拌翼に配設されたスクレーパ
ーは、この混練時セルフクリーニング性を効果的に実現
させるものである。
【0035】更に、これらの横型混練反応装置は、装置
内を流れる液が部分的に滞留してしまい、局所的な加熱
を受け、熱履歴増大による製品ポリエーテルエステルの
着色を防止するため、デッドスペースが30%以下、好
ましくは18%以下であることが好ましい。
【0036】この様な条件を満足し、かつ、顕著な液面
更新性を発現する点から、(5)複数の水平回転軸とこ
の各々の水平回転軸に取り付けられた多段状の攪拌翼
と、この攪拌翼を連続に結ぶ掻き取り棒とを有し、各々
の水平回転軸の回転速度が異なる横型2軸混練装置、及
び、(2)メガネ状の翼を連ねた攪拌軸を並べて配置し
た横型2軸混練装置が好ましい。特に当該横型2軸混練
機内部の二つの軸は、外向異方向に回転させて混練を行
うものであることが、液面更新性が極めて良好なものと
なり好ましい。その二つの軸の回転比は、液面更新性の
点から1/5〜1/1となる範囲が好ましい。
【0037】この様な横型2軸混練反応装置を用いる第
2工程を第1図に基づいて詳述すると、第1工程を経て
得られた数平均分子量が5,000〜2,000,00
0の重合液は、続いて2軸の多段攪拌翼を有し、かつ、
各攪拌翼の先端部にスクレーパーが配設された横型混練
反応装置(以下、「第2工程槽J」と略記)に供給され
る。
【0038】重合液は溶融状態のままギアポンプで定量
的に第2工程槽Jに供給してもよいし、一般のストラン
ド形成装置及びペレタイザーFを用いてペレット化した
後、第2工程槽Jに導入してもよい。
【0039】後者の方法においてペレットホッパーGに
充填されたペレットは、定量フィーダーHにて、または
ホッパーのロードセル等の充填量検知器と連動し、フィ
ーダーの送り量を制御しながら定量的に、ペレット溶融
槽Iへ供給される。ペレットホッパ−Gは、固体用であ
れば、公知のいかなる形式のものであってもよい。ペレ
ット定量フィーダーHは、1本又は2本の水平軸を持っ
た押出機型のもので、内容液の熱履歴の低減のため、槽
の温度は150℃〜350℃、なかでも200℃〜30
0℃の範囲が好ましく、槽内の平均滞留時間を1分〜3
0分、好ましくは2分〜10分の範囲に制限することが
望ましい。また、液の流れが停滞してしまい、熱履歴を
局所的に大きく受けるデッドスペースを、最大ホールド
アップ量に対して30%以下、好ましくは15%以下に
設計されたものが望ましい。
【0040】溶融されたペレットは、第2工程槽Jに供
給する。第2工程槽Jは、少なくとも1つであってもよ
いが、2つ以上を直列に設けることが好ましい。
【0041】第2工程槽Jにおける反応温度は通常15
0℃〜350℃、好ましくは200℃〜300℃の範囲
であり、また圧力は1000Pa以下、好ましくは10
0Pa以下であることが好ましい。第2工程槽Jが2つ
連結している場合(一つ目を第2工程槽J1、二つ目を
第2工程槽J2とする)には、第2工程槽J1における
反応温度は通常150℃〜350℃、好ましくは200
℃〜300℃の範囲であり、また圧力は1000Pa以
下、好ましくは100Pa以下が、第2工程槽J2にお
ける反応温度は通常150℃〜350℃、好ましくは2
00℃〜300℃の範囲であり、また圧力は500Pa
以下、好ましくは80Pa以下が好ましい。
【0042】第2工程槽Jは樹脂付着防止の点から鏡面
仕上げされていることが望ましい。また材質については
反応混合物の腐食性に対する耐酸性及び耐溶剤性物質で
製造されたもの或いはライニングされたものが望まし
い。
【0043】腐食性物質濃度が低く、腐食性が低いと判
断された場合にはステンレス鋼のような耐腐食性の少な
い材質のものも使用してもよい。
【0044】最後は第2工程槽Jの底部からギアポンプ
により粘稠なポリマーが取り出され、数平均分子量が、
10,000〜10,000,000のポリエーテルエ
ステルを得る。
【0045】また、上記ポリエーテルエステルの製造方
法においては、第1工程及び第2工程の任意の段階、或
は、ポリエーテルエステル製造後の任意の時期おいて酸
化防止剤を加えることができる。特に、第2工程の重縮
合工程に入る時点でポリエーテルエステルの酸化劣化を
防止するため重縮合反応を阻害しない酸化防止剤を加え
てもよい。
【0046】これらの酸化防止剤としては、リン酸、亜
リン酸の脂肪族、芳香族エステルまたはフェノール系誘
導体特に高度に立体障害を示す基をもつ、所謂ヒンダー
ドフェノール類が挙げられる。更に数種の酸化防止剤や
紫外線吸収剤等の安定剤を併用するのも好ましい。
【0047】このようにして得られた高分子量ポリエー
テルエステルは、上記の通り、数平均分子量(Mn)
が、10,000〜10,000,000のものであ
る。数平均分子量(Mn)が、10,000以上におい
て、成型物の機械物性が向上する。数平均分子量は2
5,000以上が好ましく、中でも熱的劣化防止の点か
ら80,000以上が更に好ましい。また、長時間反応
することにより生成揮発分が多くなるので、数平均分子
量は10,000,000以下であることが好ましい
が、なかでも4,000,000以下が好ましく、1,
000,000以下が更に好ましい。
【0048】また、本発明の製造方法によって得られた
ポリエーテルエステルは、従来法に比べ、分子量分布が
狭く、成型品の機械的強度に非常に優れたものとなる。
具体的には、重量平均分子量(Mw)は11,000〜
18,000,000の範囲となり、重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比、(Mw)/
(Mn)は1.1〜1.8の範囲となる。
【0049】また、当該ポリエーテルエステル中のエス
テル構造の含有量が、例えば、原料成分重量比率で、カ
ルボキシル基含有化合物が3〜80重量%となる割合で
用いられることが好ましい。3重量%以上によりポリエ
ーテルエステルの機械的性質が良好となり、一方、80
重量%以下の場合には得られるポリエーテルエステルの
耐熱性が良好となる。特にこれらのバランスに優れる点
から10〜60重量%の範囲が好ましい。
【0050】第2工程を経て得られた高分子量ポリエー
テルエステルは、押し出し成形、射出成形、中空成形、
真空成形等の通常の成型方法に適用することができ、各
種部品、容器、資材、器具、フィルム、シート、繊維等
の成型品とすることができる。さらにこのポリエーテル
エステルには、必要に応じて他の成分、例えば結晶核
剤、顔料、染料、耐熱剤、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、
帯電防止剤、安定剤、充填剤、強化材、難燃剤、可塑
剤、他の重合体を諸物性を損なわない範囲で添加するこ
とができる。
【0051】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらによって限定されるもので
はない。なお、例中の部は重量部を表わす。実施例で実
施した評価方法は以下の通りである。
【0052】[数平均分子量Mn、重量平均分子量M
w、分子量分布測定Mw/Mn]ゲルパーミッションク
ロマトグラフ(移動相:0.05mol/dm3トリフ
ルオロ酢酸ナトリウム HFIP(ヘキサフルオロイソ
プロパノール)溶液、カラム:Shodex GPC
HFIP−807+HFIP−805+HFIP−80
3、カラム温度:40℃、検出器:UV)を用いて、P
MMA(ポリメチルメタクリレート)換算の重量平均分
子量Mwおよび数平均分子量Mnを測定した。
【0053】(2)色相 30×30×3mmの平板を試験板として濁度・色差計
(日本電色工業(株)製 型式ND−1001DP)を
用いて、黄色度指標であるYIを測定した。
【0054】実施例1(第1工程) 窒素ガス雰囲気下、65℃に溶融・保温された数平均分
子量2000のポリ(エチレンオキシド)グリコール付
加物6.06kgを縦型攪拌反応槽の底壁および側壁の
内面に沿った形状のマックスブレンド翼を具備し、11
0℃に制御した20リットル堅型攪拌反応槽(第1工程
の反応装置)内に供給し、撹拌下にテレフタル酸ジメチ
ル3.75kg、エチレングリコール5.00kg、エ
ステル交換触媒として酢酸カルシウム0.03kgをそ
れぞれ反応混合物の凝固に注意しながら、徐々に供給し
た。原料の添加により下降した反応液の温度を、180
℃まで1時間かけて昇温した。引き続き180℃で2時
間かけて、メタノールを除去しながら攪拌を続けた。次
いで20000Paの減圧下で過剰のエチレングリコー
ル等の留出物を除去しながら、210℃にて2時間反応
を進行させた。更に、触媒としてテトラ−n−ブトキシ
チタン0.02kgを加え、250℃まで昇温した。加
熱を続けつつ、減圧を開始し、前段重縮合の初期条件を
温度250℃、真空度20000Paに調整した。反応
終了までの操作条件は以下の通りである。20000P
aから5000Paまでは1分間に150Paずつ真空
度を上げた。6000Paから100Paまでは、1分
間に70Paずつ真空度を上げた。加熱操作は、第1工
程反応槽の、精留塔の塔頂温度が、各操作圧力における
エチレングリコールの沸点以下となるように管理した。
最終的に255℃まで昇温した。反応時間は減圧開始か
ら4時間であった。反応終了後、ペレット化したプレポ
リマーの品質は、Mnは140,000、Mw/Mnは
1.1、色相(YI)は1.3であった。
【0055】実施例2(第1工程) 反応時間を3.5時間とした以外は実施例1と同様にし
てプレポリマーを製造した。得られたプレポリマーの品
質は、Mnは110,000、Mw/Mnは1.2、色
相(YI)は1.0であった。
【0056】実施例3(第1工程) 反応時間を3.0時間とした以外は実施例1と同様にし
てプレポリマーを製造した。得られたプレポリマーの品
質は、Mnは80,000、Mw/Mnは1.2、色相
(YI)は1.0であった。
【0057】実施例4(第1工程) 酸化防止剤としてIrgnox1330を、テトラ−n−ブトキシ
チタンと同時に添加した以外は、実施例1と同様にして
プレポリマーを製造した。得られたプレポリマーの品質
は、Mnは130,000、Mw/Mnは1.3、色相
(YI)は1.0であった。
【0058】実施例5(第2工程) 実施例1で製造したプレポリマーを、熱風乾燥機にて乾
燥し、第2工程を行った。第2工程反応装置は、幾何容
量7.7リットルの横型2軸反応装置((株)住友重機
械工業(株)製、商品名「BIVOLAK」、回転比1
/2)を2つ使用した(一つ目をJ1、二つ目をJ2と
した)。ホッパーより、定量フィーダーにてプレポリマ
ーペレットを、ペレット溶融槽に連続的に供給(供給速
度0.7kg/Hr)した。各々の装置における操作条
件を以下のように設定し、ポリエーテルエステルを製造
した。ペレット溶融槽の圧力は窒素下、温度は225
℃、平均滞留時間が0.1時間、第2工程反応槽J1の
圧力は50Pa、温度は230℃、平均滞留時間が0.
5時間、第2工程反応槽J2の圧力は20Pa、温度は
230℃、平均滞留時間が1時間。得られたポリエーテ
ルエステルの品質は、Mnは250,000、色相(Y
I)は1.4であった。
【0059】実施例6(第2工程) 第2工程反応槽J2の平均滞留時間を、40分とした以
外は、実施例5と同様にしてポリエーテルエステルを製
造した。得られたポリエーテルエステルの品質は、Mn
は220,000、Mw/Mnは1.4、色相(YI)
は1.4であった。
【0060】実施例7(第1工程及び第2工程) 実施例1と同様にプレポリマーを製造し、反応終了後、
直ちにギアポンプにより定量的に第2工程反応槽J1に
供給した以外は、実施例5と同様にしてポリエーテルエ
ステルを製造した。得られたポリエーテルエステルの品
質は、Mnは250,000、Mw/Mnは1.3、色
相(YI)は1.2であった。 実施例8(第2工程) 実施例2で製造したプレポリマーを使用した以外は、実
施例5と同様にしてポリエーテルエステルを製造した。
得られたポリエーテルエステルの品質は、Mnは22
0,000、Mw/Mnは1.4、色相(YI)は1.
3であった。
【0061】実施例9(第2工程) 実施例3で製造したプレポリマーを使用した以外は、実
施例7と同様にしてポリエーテルエステルを製造した。
得られたポリエーテルエステルの品質は、Mnは18
0,000、Mw/Mnは1.4、色相(YI)は1.
2であった。
【0062】実施例10(第2工程) 実施例4で製造したプレポリマーを使用した以外は、実
施例5と同様にしてポリエーテルエステルを製造した。
得られたポリエーテルエステルの品質は、Mnは26
0,000、Mw/Mnは1.4、色相(YI)は1.
2であった。
【0063】実施例11(第2工程) 実施例1で製造したプレポリマーをペレット溶融槽に連
続供給する際に、同時にIrgnox1330(供給速度30g/
Hr) を供給した以外は、実施例7と同様にポリエー
テルエステルを製造した。得られたポリエーテルエステ
ルの品質はMn210,000、Mw/Mnは1.4、
色相(YI)は1.2であった。
【0064】実施例12(第2工程) 実施例1で製造したプレポリマーを、熱風乾燥機にて乾
燥し、第2工程を行った。第2工程反応装置は、幾何容量
6リットルの横型2軸反応装置((株)日立製作所メガ
ネ翼)を2つ使用した(一つ目をJ’1、二つ目をJ’
2とした)。ホッパーより、定量フィーダーにてプレポ
リマーペレットを、ペレット溶融槽に連続的に供給(供
給速度0.7kg/Hr)した。各々の装置における操
作条件を以下のように設定し、ポリエーテルエステルを
製造した。ペレット溶融槽の圧力は窒素下、温度は22
5℃、平均滞留時間が0.1時間、第2工程反応槽J1
の圧力は50Pa、温度は230℃、平均滞留時間が
0.5時間、第2工程反応槽J2の圧力は20Pa、温
度は230℃、平均滞留時間が1時間。得られたポリエ
ーテルエステルの品質は、Mnは245,000、色相
(YI)は1.3であった。
【0065】実施例13(第2工程) 第2工程反応槽J’2の平均滞留時間を、45分とした
以外は、実施例12と同様にしてポリエーテルエステル
を製造した。得られたポリエーテルエステルの品質は、
Mnは220,000、Mw/Mnは1.4、色相(Y
I)は1.4であった。
【0066】実施例14(第1工程及び第2工程) 実施例1と同様にプレポリマーを製造し、反応終了後、
直ちにギアポンプにより定量的に第2工程反応槽Iに供
給した以外は、実施例12と同様にしてポリエーテルエ
ステルを製造した。得られたポリエーテルエステルの品
質は、Mnは290,000、Mw/Mnは1.3、色
相(YI)は1.2であった。
【0067】実施例15(第2工程) 実施例2で製造したプレポリマーを使用した以外は、実
施例12と同様にしてポリエーテルエステルを製造し
た。得られたポリエーテルエステルの品質は、Mnは2
30,000、Mw/Mnは1.3、色相(YI)は
1.3であった。
【0068】実施例16(第2工程) 実施例3で製造したプレポリマーを使用した以外は、実
施例14と同様にしてポリエーテルエステルを製造し
た。得られたポリエーテルエステルの品質は、Mnは1
90,000、Mw/Mnは1.3、色相(YI)は
1.2であった。
【0069】実施例17(第2工程) 実施例4で製造したプレポリマーを使用した以外は、実
施例12と同様にしてポリエーテルエステルを製造し
た。得られたポリエーテルエステルの品質は、Mnは2
70,000、Mw/Mnは1.3、色相(YI)は
1.2であった。
【0070】実施例18(第2工程) 実施例1で製造したプレポリマーをペレット溶融槽に連
続供給する際に、同時にIrgnox1330(供給速度30g/
Hr) を供給した以外は、実施例14と同様にポリエ
ーテルエステルを製造した。得られたポリエーテルエス
テルの品質はMn215,000、Mw/Mnは1.
3、色相(YI)は1.2であった。
【0071】比較例1 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置(ダブルヘリカル
翼)を備え付けた20リットル反応装置に数平均分子量
2014のポリエチレングリコール6.08kg、テレ
フタル酸ジメチル4.29kg、エチレングリコール
4.2kgおよび触媒として酢酸カルシウム0.03k
gを仕込み、窒素流入下180℃で2時間かけて、メタ
ノールを除去しながら攪拌を続けた。次いで1000P
aの減圧下で過剰のエチレングリコール等の留出物を除
去しながら、210℃にて2時間反応を進行させた。更
に、触媒としてテトラ−n−ブトキシチタン0.02k
gを加え、250℃まで昇温した。次いで20Paの減
圧下で4時間反応させた後、窒素加圧下ストランド状に
取り出し、ペレタイズを行うことによって、ペレット状
のポリエーテルエステルを得た。得られたポリエーテル
エステルの品質は、Mnは150,000、Mw/Mn
は2.9、色相(YI)は3.2であった。
【0072】比較例2 20Paの減圧下で6時間反応させた以外は、比較例1
と同様にしてポリエーテルエステルを製造した。得られ
たポリエーテルエステルの品質は、Mnは160,00
0、Mw/Mnは3.0、色相(YI)は4.5であっ
た。(比較例3)酸化防止剤としてIrgnox1330を、テト
ラ−n−ブトキシチタンと同時に添加した以外は、比較
例1と同様にしてプレポリマーを製造した。得られたプ
レポリマーの品質は、Mnは145,000、Mw/M
nは3.0、色相(YI)は3.0であった。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、目的とする分子量のも
のを容易に製造でき、さらに得られるポリマーは、分子
量分布が狭く、機械的強度に優れ、かつ、色相に優れた
ものとなるポリエーテルエステルの製造方法を提供でき
る。
【0074】従って、本発明の製造方法は、あらゆる品
質グレード(分子量)に対して、汎用性を持つことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の製造方法の工程図である。
【符号の説明】
1 原料導入配管 A 混合槽 2 原料導入配管 B 原料混合物
排出ポンプ 3 原料導入配管 C 第1工程槽 4 原料導入配管 D プレポリマ
ー排出ポンプ 5 原料導入配管 E ストランド
冷却槽 6 原料移液配管 F ペレタイザ
ー 8 プレポリマー移液配管 G ペレットホ
ッパー 10 溶融ペレット移液配管 H ペレット定
量フィーダー 12 樹脂排出配管 I ペレット溶
融槽 1´ 原料導入配管 J 第2工程槽 2´ 原料導入配管 K 樹脂排出ポ
ンプ 3´ 原料導入配管 a 分岐配管 4´ 原料導入配管 b 分岐配管 5´ 原料導入配管 c 分岐配管 7 ベント用導管 11 ベント用導管 9 プレポリマー流通経路
【図2】図2は、本発明で用いる横型2軸混練装置(複
数の水平回転軸とこの各々の水平回転軸に取り付けられ
た多段状の攪拌翼と、この攪拌翼を連続に結ぶ掻き取り
棒とを有し、かつ各々の水平回転軸の回転速度が異な
り、それぞれの軸が異なる様異方向に回転させて混練を
行うもの)の断面斜視図である。
【図3】図3は、図2の混練装置の正面断面図である。
【符号の説明】
d 3枚翼高速軸 e 6枚翼低速軸 f スクレーパピン
【図4】図4は、メガネ状の翼を連ねた攪拌軸を並べて
配置した横型2軸混練装置の側面断面図である。
【図5】図5は、図4の横型2軸混練装置を上方からみ
た断面図である。
【符号の説明】
g メガネ状の攪拌翼 h 液面 i 蒸気出口

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多価カルボン酸、多価カルボン酸塩又は
    その多価カルボン酸エステル(A)と、ポリアルキレン
    グリコール(B)と、アルキレングリコール(C)と
    を、 第1工程:触媒の存在下、攪拌式反応機内で、数平均分
    子量5,000〜2,000,000となるまで重合さ
    せ、次いで、 第2工程:得られた重合液を、内部に2軸の多段攪拌翼
    を有し、かつ、各攪拌翼の先端部にスクレーパーが配設
    された横型混練反応装置に、連続的に導入し、低分子量
    成分の脱気を行い乍ら重合させることを特徴とするポリ
    エーテルエステルの重合方法。
  2. 【請求項2】 第2工程で使用する横型混練反応装置
    が、複数の水平回転軸とこの各々の水平回転軸に取り付
    けられた多段状の攪拌翼と、この攪拌翼を連続に結ぶ掻
    き取り棒とを有し、かつ各々の水平回転軸の回転速度が
    異なり、それぞれの軸が異なる様異方向に回転させて混
    練を行うものである請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 第2工程で使用する横型混練反応装置
    が、メガネ状の翼を連ねた攪拌軸を並べて配置した横型
    2軸混練装置であって、かつ、それぞれの軸が異なる様
    異方向に回転させて混練を行うものである請求項1記載
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 第2工程で使用する反応装置が、攪拌翼
    の先端部にスクレーパーを有する横型2軸混練機であ
    り、それぞれの軸を、回転比1/5〜1/1となる様に
    外向異方向に回転させて混練を行う請求項2又は3記載
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 第1工程の反応を、50〜300℃の条
    件で行う請求項1〜4の何れか1つに記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 第2工程の反応を、150〜350℃の
    条件で行う請求項1〜5の何れか1つに記載の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 第2工程における混練機内の圧力100
    0Pa以下である請求項6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 第2工程終了後、得られるポリエーテル
    エステルの数平均分子量が10,000〜10,00
    0,000である請求項1〜7の何れか1つに記載の製
    造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101013584B1 (ko) 2007-12-28 2011-02-14 주식회사 삼양사 변성 폴리에테르에스테르 엘라스토머 수지
WO2011062600A1 (en) * 2009-11-19 2011-05-26 E. I. Du Pont De Nemours And Company Polycondensation with a kneader reactor
WO2013092273A1 (de) * 2011-12-19 2013-06-27 Evonik Industries Ag Verfahren zur herstellung von polyestern
JP2016222802A (ja) * 2015-05-29 2016-12-28 東レ株式会社 末端変性共重合ポリエステル樹脂およびその製造方法

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