JPH1077582A - 表面平滑性に富むシート状物の製造方法 - Google Patents
表面平滑性に富むシート状物の製造方法Info
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- JPH1077582A JPH1077582A JP23418196A JP23418196A JPH1077582A JP H1077582 A JPH1077582 A JP H1077582A JP 23418196 A JP23418196 A JP 23418196A JP 23418196 A JP23418196 A JP 23418196A JP H1077582 A JPH1077582 A JP H1077582A
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- polyurethane elastomer
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 表面平滑性に優れ、剥離強力が高いシート状
物を提供すること。 【解決手段】 スライスされた不織布に、ポリウレタン
エラストマー溶液を含浸し、更に含浸ポリウレタンエラ
ストマー溶液よりも濃度の高いポリウレタンエラストマ
ー溶液をスライス面にコートすることを特徴とするシー
ト状物の製造方法。
物を提供すること。 【解決手段】 スライスされた不織布に、ポリウレタン
エラストマー溶液を含浸し、更に含浸ポリウレタンエラ
ストマー溶液よりも濃度の高いポリウレタンエラストマ
ー溶液をスライス面にコートすることを特徴とするシー
ト状物の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、靴、カバン等の表
面平滑性が要求されかつ含浸不織布層と仕上げ層との剥
離強力が必要とされる分野に用いられるシート状物を製
造する方法に関するものである。
面平滑性が要求されかつ含浸不織布層と仕上げ層との剥
離強力が必要とされる分野に用いられるシート状物を製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、天然皮革に類似した表面の平滑な
外観を持つシート状物、特に銀付調人工皮革を製造する
ことに関して、使用される不織布を絡合させるためのニ
ードル条件を適正化したり、不織布にポリウレタンエラ
ストマー等を含浸した後ミクロポーラスを有するコート
層をもうけ表面層を均一化する努力がなされてきた。し
かし、ニードルパンチでは、針の植え込みパターンがあ
り、そのパターン斑が発生すると共に、さらに断面方向
の表層部に密度斑が発生する。また、コート層は、凝固
時ポリウレタンエラストマーの収縮等により細かな表面
の斑が発生し十分なものとはなっていなっかった。
外観を持つシート状物、特に銀付調人工皮革を製造する
ことに関して、使用される不織布を絡合させるためのニ
ードル条件を適正化したり、不織布にポリウレタンエラ
ストマー等を含浸した後ミクロポーラスを有するコート
層をもうけ表面層を均一化する努力がなされてきた。し
かし、ニードルパンチでは、針の植え込みパターンがあ
り、そのパターン斑が発生すると共に、さらに断面方向
の表層部に密度斑が発生する。また、コート層は、凝固
時ポリウレタンエラストマーの収縮等により細かな表面
の斑が発生し十分なものとはなっていなっかった。
【0003】そして、それらの改良策として、例えば、
特開平3−294555号公報、特公平60−4304
号公報において、使用する繊維の選択と不織布の加工方
法とを工夫してでその改善が計られているが、使用する
繊維に限定があり、極細繊維では難しく、また、不織布
をプレスする方法では、ニードルによる不織布の表面の
密度斑は、内層に押し込まれた状態になり、靴などに使
用した場合つり込みにおいて引っ張られ、内層の密度斑
が表面に浮き出るため、靴のトウ部分等つり込みの大き
な部分では、満足される状態にはなっていない。
特開平3−294555号公報、特公平60−4304
号公報において、使用する繊維の選択と不織布の加工方
法とを工夫してでその改善が計られているが、使用する
繊維に限定があり、極細繊維では難しく、また、不織布
をプレスする方法では、ニードルによる不織布の表面の
密度斑は、内層に押し込まれた状態になり、靴などに使
用した場合つり込みにおいて引っ張られ、内層の密度斑
が表面に浮き出るため、靴のトウ部分等つり込みの大き
な部分では、満足される状態にはなっていない。
【0004】また、特公昭51−21041号公報には
熱固定された不織布の片面又は両面をスライスすること
で後工程の取り扱い性を容易にし、ポリウレタンエラス
トマーの含浸が均一になるとされているが、スライスし
た後の面は均一化するが、繊維密度が低くなくなるため
ポリウレタンエラストマーによる繊維拘束力が低く、表
面仕上げをした場合この繊維拘束力の弱い部分より表面
層が剥離し、靴などの剥離強力が要求される用途には、
問題が発生する。更に繊維密度が低い事により、ポリウ
レタンエラストマーの沈み込みが大きくなるため表面層
が凹凸化する。
熱固定された不織布の片面又は両面をスライスすること
で後工程の取り扱い性を容易にし、ポリウレタンエラス
トマーの含浸が均一になるとされているが、スライスし
た後の面は均一化するが、繊維密度が低くなくなるため
ポリウレタンエラストマーによる繊維拘束力が低く、表
面仕上げをした場合この繊維拘束力の弱い部分より表面
層が剥離し、靴などの剥離強力が要求される用途には、
問題が発生する。更に繊維密度が低い事により、ポリウ
レタンエラストマーの沈み込みが大きくなるため表面層
が凹凸化する。
【0005】更に、特開昭57−139576号公報に
は、極細繊維層をふくむ積層体に、弾性重合体を充填さ
せ、得られた極細繊維層を2枚にスライスすることによ
り、表面平滑性に富むシート材料が得られることが開示
されている。しかしながら、一般に弾性重合体を含浸し
たものはマイグレーレーションにより内層の重合体の密
度が低くなり、極細繊維及びスライス加工により従来よ
りも均一化しやすいが、ピンホール等が発生しやすいも
のとなる。更に、極細繊維を拘束するポリウレタンエラ
ストマーが少ないため靴などに使用した場合、仕上げ層
とポリウレタンエラストマー含浸不織布層との剥離強力
が低く、実用に供し得ない。
は、極細繊維層をふくむ積層体に、弾性重合体を充填さ
せ、得られた極細繊維層を2枚にスライスすることによ
り、表面平滑性に富むシート材料が得られることが開示
されている。しかしながら、一般に弾性重合体を含浸し
たものはマイグレーレーションにより内層の重合体の密
度が低くなり、極細繊維及びスライス加工により従来よ
りも均一化しやすいが、ピンホール等が発生しやすいも
のとなる。更に、極細繊維を拘束するポリウレタンエラ
ストマーが少ないため靴などに使用した場合、仕上げ層
とポリウレタンエラストマー含浸不織布層との剥離強力
が低く、実用に供し得ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、上記欠点を解消し、靴、カバンなどのつり込み工程
を有する用途に使用する際の表面平滑性を大幅に改善
し、仕上げ層とポリウレタンエラストマー含浸不織布層
との剥離強力が高く接着性に優れたシート状物、殊に銀
付調人工皮革を製造する方法を提供することにある。
は、上記欠点を解消し、靴、カバンなどのつり込み工程
を有する用途に使用する際の表面平滑性を大幅に改善
し、仕上げ層とポリウレタンエラストマー含浸不織布層
との剥離強力が高く接着性に優れたシート状物、殊に銀
付調人工皮革を製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、形
態固定された不織布の片面または両面をスライスした不
織布に、ポリウレタンエラストマー溶液を含浸した後、
該不織布のスライス表面のポリウレタンエラストマー溶
液を取り除き、更に、該ポリウレタンエラストマー溶液
よりも濃度の高いポリウレタンエラストマー溶液を該ス
ライス表面にコートし、その後、形態固定を解除するこ
とを特徴とする表面平滑性に富むシート状物の製造方法
である。
態固定された不織布の片面または両面をスライスした不
織布に、ポリウレタンエラストマー溶液を含浸した後、
該不織布のスライス表面のポリウレタンエラストマー溶
液を取り除き、更に、該ポリウレタンエラストマー溶液
よりも濃度の高いポリウレタンエラストマー溶液を該ス
ライス表面にコートし、その後、形態固定を解除するこ
とを特徴とする表面平滑性に富むシート状物の製造方法
である。
【0008】以下、本発明について、詳細に説明する。
【0009】本発明において用いられる不織布は、ナイ
ロン6、ナイロン66、ナイロン12等のポリアミド、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート等のポリエステル等の繊維よりなる不織布である。
ロン6、ナイロン66、ナイロン12等のポリアミド、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート等のポリエステル等の繊維よりなる不織布である。
【0010】該不織布は、形態固定されていることが必
要である。ここで、形態固定とは該不織布が接着固化さ
れている状態をいう。形態固定しない場合は、スライス
を実施する際に、取り扱いが難しくなり、更に、目的の
厚みを精度良く作成することができない。
要である。ここで、形態固定とは該不織布が接着固化さ
れている状態をいう。形態固定しない場合は、スライス
を実施する際に、取り扱いが難しくなり、更に、目的の
厚みを精度良く作成することができない。
【0011】該形態固定の方法としては、例えば、不織
布をポリビニールアルコール等の形態固定剤を水溶液に
したものにディプ・ニップし、その後、用いた形態固定
剤として用いられる高分子重合体の軟化温度以上で乾熱
処理して乾燥させ、繊維同士を接合することによって形
態固定する方法、あるいは上記ポリアミドまたはポリエ
ステルとポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィンとからなる複合繊維を用いて不織布を作成し、その
後熱処理してポリオレフィンを融着することによって形
態固定する方法等が挙げられる。
布をポリビニールアルコール等の形態固定剤を水溶液に
したものにディプ・ニップし、その後、用いた形態固定
剤として用いられる高分子重合体の軟化温度以上で乾熱
処理して乾燥させ、繊維同士を接合することによって形
態固定する方法、あるいは上記ポリアミドまたはポリエ
ステルとポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィンとからなる複合繊維を用いて不織布を作成し、その
後熱処理してポリオレフィンを融着することによって形
態固定する方法等が挙げられる。
【0012】該不織布を構成する繊維の太さ(繊度)とし
ては、不織布を構成することができればとくに規定はな
いが、一般に50デニール以下、好ましくは0.1〜1
0デニールである。繊度が大き過ぎると得られるシート
状物が硬いものとなり風合いが悪くなり、繊度が小さ過
ぎると不織布作成上、カードによる引き揃えが困難とな
り、好ましくない。
ては、不織布を構成することができればとくに規定はな
いが、一般に50デニール以下、好ましくは0.1〜1
0デニールである。繊度が大き過ぎると得られるシート
状物が硬いものとなり風合いが悪くなり、繊度が小さ過
ぎると不織布作成上、カードによる引き揃えが困難とな
り、好ましくない。
【0013】更に、最終的に得られたシート状物の繊度
を1デニール以下の極細繊維からなるものとし、ソフト
な風合いを付与するため、前記不織布を作成するための
繊維として複合繊維を用いることが好ましい。
を1デニール以下の極細繊維からなるものとし、ソフト
な風合いを付与するため、前記不織布を作成するための
繊維として複合繊維を用いることが好ましい。
【0014】形態固定された不織布は、必要に応じて熱
または冷却ロールを用いてプレスする。
または冷却ロールを用いてプレスする。
【0015】なお、使用する繊維は、公知のカード、ラ
ンダムウエッバー、クロスレイヤー等にかけて、ウェブ
を形成する。その後、該ウエブにニードルパンチングを
施して、不織布を作成する。
ンダムウエッバー、クロスレイヤー等にかけて、ウェブ
を形成する。その後、該ウエブにニードルパンチングを
施して、不織布を作成する。
【0016】本発明においては、前記形態固定された不
織布の厚さ方向の断面に対して片面または両面をスライ
ス加工することが必要である。また、該不織布の断面に
対して中央を長さ方向にスライスし、該スライス面を使
用することもできる。
織布の厚さ方向の断面に対して片面または両面をスライ
ス加工することが必要である。また、該不織布の断面に
対して中央を長さ方向にスライスし、該スライス面を使
用することもできる。
【0017】このようにして得られた不織布(以下、
「基材」と言う。)は、表面が非常に均一であり、かつ表
面に生じたニードルパンチング等による密度斑の部分が
除去されている。また、表面層の繊維が少ないため、ポ
リウレタンエラストマーが均一に含浸されるのである。
「基材」と言う。)は、表面が非常に均一であり、かつ表
面に生じたニードルパンチング等による密度斑の部分が
除去されている。また、表面層の繊維が少ないため、ポ
リウレタンエラストマーが均一に含浸されるのである。
【0018】次いで、該基材は、第1のポリウレタンエ
ラストマー溶液(以下、「含浸PU」という。)を含浸さ
れる。ポリウレタンエラストマーは、一般にジメチルホ
ルムアミド等の有機極性溶媒に溶解して付与される。こ
こで、含浸PUの濃度は、一般的に5%以上であり、5
〜25%であることが好ましく、8〜18%であること
が特に好ましい。
ラストマー溶液(以下、「含浸PU」という。)を含浸さ
れる。ポリウレタンエラストマーは、一般にジメチルホ
ルムアミド等の有機極性溶媒に溶解して付与される。こ
こで、含浸PUの濃度は、一般的に5%以上であり、5
〜25%であることが好ましく、8〜18%であること
が特に好ましい。
【0019】含浸PUを含浸された基材は、該基材のス
ライス表面に付着した余分な含浸PUを取り除くため、
該基材をその厚さの60%〜90%に圧縮スクイズし、
その直後、圧縮が回復する前に、第2のポリウレタンエ
ラストマー溶液(以下、「コートPU」という。)を付与
し、圧縮を回復させながらコートすることが必要であ
る。コートPUの濃度は、含浸PUの濃度よりも高く、
かつ10%以上、好ましくは10〜25%である。コー
トPUの濃度は、含浸PUの濃度よりも高いため、表層
の凝固速度が速くなり、一方、表層にさらにコートPU
がコートされることにより、含浸層の凝固速度が遅くな
るため、表層が均一化し、かつ繊維の拘束力も向上する
ため、得られたシート状物がソフトな風合いとなり、更
に、仕上げ加工したのちの表面の剥離強力が高いものと
なる。
ライス表面に付着した余分な含浸PUを取り除くため、
該基材をその厚さの60%〜90%に圧縮スクイズし、
その直後、圧縮が回復する前に、第2のポリウレタンエ
ラストマー溶液(以下、「コートPU」という。)を付与
し、圧縮を回復させながらコートすることが必要であ
る。コートPUの濃度は、含浸PUの濃度よりも高く、
かつ10%以上、好ましくは10〜25%である。コー
トPUの濃度は、含浸PUの濃度よりも高いため、表層
の凝固速度が速くなり、一方、表層にさらにコートPU
がコートされることにより、含浸層の凝固速度が遅くな
るため、表層が均一化し、かつ繊維の拘束力も向上する
ため、得られたシート状物がソフトな風合いとなり、更
に、仕上げ加工したのちの表面の剥離強力が高いものと
なる。
【0020】このようにポリウレタンエラストマー溶液
の付与を二段階とすることにより、ポリウレタンエラス
トマー溶液が基材内にしみ込み易くなり、含浸PUとコ
ートPUとが部分的に混合され、得られるシート状物が
一体感があり、剥離強力も高い物となると考えられる。
の付与を二段階とすることにより、ポリウレタンエラス
トマー溶液が基材内にしみ込み易くなり、含浸PUとコ
ートPUとが部分的に混合され、得られるシート状物が
一体感があり、剥離強力も高い物となると考えられる。
【0021】得られたシート状物の好ましい剥離強力
は、2.0Kg/cm以上である。
は、2.0Kg/cm以上である。
【0022】次に、得られた含浸基材を、水を主体とす
る凝固浴中に浸析し、有機極性溶媒を抽出することによ
り、ポリウレタンエラストマーを凝固させる。
る凝固浴中に浸析し、有機極性溶媒を抽出することによ
り、ポリウレタンエラストマーを凝固させる。
【0023】その後、形態固定を解除する。これは、水
などにより形態固定剤を除去するか、または、複合繊維
を用いた場合は少なくとも1種の高分子重合体の溶解除
去を公知の方法で行うことによって達成することができ
る。
などにより形態固定剤を除去するか、または、複合繊維
を用いた場合は少なくとも1種の高分子重合体の溶解除
去を公知の方法で行うことによって達成することができ
る。
【0024】特に、複合繊維を用いて不織布を作成した
場合、溶解除去剤としては、ポリオレフィンを溶解し、
ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンエラストマー
を溶解しないものであればどのようなものでも使用でき
るが、例えば、トルエン、キシレン、トリクレン等が用
いられる。複合繊維の一方の成分を溶解除去して得られ
た極細繊維の平均繊度は、ソフトな風合いをを得るうえ
で、0.1デニール以下が好ましく、0.001〜0.
1デニールであることが特に好ましい。
場合、溶解除去剤としては、ポリオレフィンを溶解し、
ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンエラストマー
を溶解しないものであればどのようなものでも使用でき
るが、例えば、トルエン、キシレン、トリクレン等が用
いられる。複合繊維の一方の成分を溶解除去して得られ
た極細繊維の平均繊度は、ソフトな風合いをを得るうえ
で、0.1デニール以下が好ましく、0.001〜0.
1デニールであることが特に好ましい。
【0025】更に、必要に応じて仕上げ加工等を行うこ
とができる。これは従来公知の方法で行うことができ
る。例えば、顔料トーナーをポリウレタンエラストマー
に混ぜグラビアメッシュロールを使用して塗布し、その
後、天然皮革調の柄の入った熱エンボスロールを用いて
柄入れをおこなう方法、あるいは、柄の入った紙の上に
ポリウレタンエラストマーをコーティングし、乾燥した
後、基材に張り合わせ、エージングした後、紙を剥離す
ることにより仕上げる方法等がある。
とができる。これは従来公知の方法で行うことができ
る。例えば、顔料トーナーをポリウレタンエラストマー
に混ぜグラビアメッシュロールを使用して塗布し、その
後、天然皮革調の柄の入った熱エンボスロールを用いて
柄入れをおこなう方法、あるいは、柄の入った紙の上に
ポリウレタンエラストマーをコーティングし、乾燥した
後、基材に張り合わせ、エージングした後、紙を剥離す
ることにより仕上げる方法等がある。
【0026】以上説明した通り、本発明により得られた
シート状物は、不織布のスライス表面にポリウレタンエ
ラストマー溶液を二回に分けて含浸およびコートするこ
とにより、含浸層とコート層とのポリウレタンエラスト
マー溶液の凝固速度をコントロールし、含浸PUとコー
トPUとが部分的に混合されるため、両者の接着性が向
上し、剥離強力が高くなる。また、それによって表層が
均一化しかつ繊維の拘束力が向上するため、得られたシ
ート状物の表面平滑性に優れたものとなると推察され
る。
シート状物は、不織布のスライス表面にポリウレタンエ
ラストマー溶液を二回に分けて含浸およびコートするこ
とにより、含浸層とコート層とのポリウレタンエラスト
マー溶液の凝固速度をコントロールし、含浸PUとコー
トPUとが部分的に混合されるため、両者の接着性が向
上し、剥離強力が高くなる。また、それによって表層が
均一化しかつ繊維の拘束力が向上するため、得られたシ
ート状物の表面平滑性に優れたものとなると推察され
る。
【0027】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0028】剥離強力の測定方法は、以下のとうりであ
る。
る。
【0029】得られたシート状物の試験片(25×90
mm)と、該試験片よりも少し幅広の塩ビシートとを準
備する。それぞれの表面にプライマーを塗布した後、接
着剤を塗布する。それらを張り合わせローラーで圧着す
る。張り合わせたシートに5Kgの重りをのせて約80
℃の恒温器内で3時間加圧加温する。その後、室温で1
6時間以上放置する。得られた張り合わせシートをオー
トグラフ(島津製作所製)にセットし、引っ張り速度50
mm/分で引っ張り、表一層が破壊した時の値をグラフ
から読み取りその平均値を測定する。その値を試験巾で
割り、cm当たりの値としたものを剥離強力とした。
mm)と、該試験片よりも少し幅広の塩ビシートとを準
備する。それぞれの表面にプライマーを塗布した後、接
着剤を塗布する。それらを張り合わせローラーで圧着す
る。張り合わせたシートに5Kgの重りをのせて約80
℃の恒温器内で3時間加圧加温する。その後、室温で1
6時間以上放置する。得られた張り合わせシートをオー
トグラフ(島津製作所製)にセットし、引っ張り速度50
mm/分で引っ張り、表一層が破壊した時の値をグラフ
から読み取りその平均値を測定する。その値を試験巾で
割り、cm当たりの値としたものを剥離強力とした。
【0030】[実施例1]ナイロン6と低密度ポリエチ
レンを配合比50:50でチップブレンドし、混合紡糸
により繊度6デニール、繊維長51mmの複合繊維を得
た。得られた複合繊維を、カードとクロスレイヤーによ
ってウエッブとした。該ウエッブにニードルパンチング
を行い、150℃の熱風オーブン中で4分間加熱した
後、冷却し、見かけ密度0.22g/cm3、厚さ2.3m
m、目付500g/m2の熱固定された不織布を得た。
レンを配合比50:50でチップブレンドし、混合紡糸
により繊度6デニール、繊維長51mmの複合繊維を得
た。得られた複合繊維を、カードとクロスレイヤーによ
ってウエッブとした。該ウエッブにニードルパンチング
を行い、150℃の熱風オーブン中で4分間加熱した
後、冷却し、見かけ密度0.22g/cm3、厚さ2.3m
m、目付500g/m2の熱固定された不織布を得た。
【0031】次に、スライス機により、断面方向に対し
て上層と下層とをそれぞれ0.04mm取り除き、厚み
1.5mmの不織布を得た。
て上層と下層とをそれぞれ0.04mm取り除き、厚み
1.5mmの不織布を得た。
【0032】次に、ポリウレタンエラストマーのジメチ
ルホルムアミド溶液(濃度15%)を調整し、これに着
色用の黒色トーナーを添加した。この溶液に、上記のス
ライスした基材を浸漬してポリウレタンエラストマー溶
液を含浸させ、厚さ0.2mmのスエーデン鋼で作成した
ドクターブレードと金属回転ロールとの間で、繊維質基
材の厚さの70%まで圧縮スクイーズした。
ルホルムアミド溶液(濃度15%)を調整し、これに着
色用の黒色トーナーを添加した。この溶液に、上記のス
ライスした基材を浸漬してポリウレタンエラストマー溶
液を含浸させ、厚さ0.2mmのスエーデン鋼で作成した
ドクターブレードと金属回転ロールとの間で、繊維質基
材の厚さの70%まで圧縮スクイーズした。
【0033】ついで、繊維質基材の圧縮が回復する前
に、上記第一と同一ポリウレタンエラストマー(濃度1
7%)ジメチルホルムアミド溶液を供給し、圧縮を回復
させながら第2のポリウレタンエラストマー溶液を、基
材と同様の厚みコートナイフでコートした。コート目付
は、150g/m2であった。
に、上記第一と同一ポリウレタンエラストマー(濃度1
7%)ジメチルホルムアミド溶液を供給し、圧縮を回復
させながら第2のポリウレタンエラストマー溶液を、基
材と同様の厚みコートナイフでコートした。コート目付
は、150g/m2であった。
【0034】その後、10%ジメチルホルムアミド水溶
液に浸積して、ポリウレタンエラストマーを凝固させ
た。ついで、40℃の温水中で十分洗浄し、120℃の
熱風オーブンで乾燥して、繊維とポリウレタンエラスト
マーとの比が75:25の弾性重合体含浸基材を得た。
液に浸積して、ポリウレタンエラストマーを凝固させ
た。ついで、40℃の温水中で十分洗浄し、120℃の
熱風オーブンで乾燥して、繊維とポリウレタンエラスト
マーとの比が75:25の弾性重合体含浸基材を得た。
【0035】ついで80℃のトルエン中で、この基材を
ディプとニップとをくりかえして、ポリエチレンを溶解
除去し、複合繊維の極細化を行った。その後、90℃の
温水中で基材に含まれているトルエンを共沸除去し、1
10℃の熱風乾燥機中で繊維の平行水分率に乾燥した。
得られたナイロン6極細繊維の平均繊度は、0.03デ
ニールであった。
ディプとニップとをくりかえして、ポリエチレンを溶解
除去し、複合繊維の極細化を行った。その後、90℃の
温水中で基材に含まれているトルエンを共沸除去し、1
10℃の熱風乾燥機中で繊維の平行水分率に乾燥した。
得られたナイロン6極細繊維の平均繊度は、0.03デ
ニールであった。
【0036】その後、柄の入った紙に黒トーナーを混ぜ
た一液タイプのポリウレタンエラストマー溶液をコート
し、更にその上に黒トーナーを混ぜた2液タイプのポリ
ウレタンエラストマー溶液をコートし、得られた基材と
張り合わせした。エージングした後、基材より紙をはが
した。
た一液タイプのポリウレタンエラストマー溶液をコート
し、更にその上に黒トーナーを混ぜた2液タイプのポリ
ウレタンエラストマー溶液をコートし、得られた基材と
張り合わせした。エージングした後、基材より紙をはが
した。
【0037】得られた銀付調人工皮革の特性を表1に示
す。
す。
【0038】[実施例2]実施例1と同様に熱固定され
た不織布を用い、次に、ポリウレタンエラストマーのジ
メチルホルムアミド溶液(濃度15%)を調整し、これ
に着色用の茶色トーナーを添加した。
た不織布を用い、次に、ポリウレタンエラストマーのジ
メチルホルムアミド溶液(濃度15%)を調整し、これ
に着色用の茶色トーナーを添加した。
【0039】この溶液に、上記のスライスした基材を浸
漬してポリウレタンエラストマー溶液を含浸させ、厚さ
0.2mmのスエーデン鋼で作成したドクターブレード
と金属回転ロールとの間で繊維質基材の厚さの70%ま
で圧縮スクイーズした。
漬してポリウレタンエラストマー溶液を含浸させ、厚さ
0.2mmのスエーデン鋼で作成したドクターブレード
と金属回転ロールとの間で繊維質基材の厚さの70%ま
で圧縮スクイーズした。
【0040】ついで、繊維質基材の圧縮が回復する前
に、上記第一の弾性重合体と同一ポリウレタンエラスト
マー(濃度20%)ジメチルホルムアミド溶液を供給
し、圧縮を回復させながら第2のポリウレタンエラスト
マー溶液を上記と同様にして、基材よりも0.7mm加
えた厚みでコートナイフによりコートした。コート目付
は550g/m2であった。
に、上記第一の弾性重合体と同一ポリウレタンエラスト
マー(濃度20%)ジメチルホルムアミド溶液を供給
し、圧縮を回復させながら第2のポリウレタンエラスト
マー溶液を上記と同様にして、基材よりも0.7mm加
えた厚みでコートナイフによりコートした。コート目付
は550g/m2であった。
【0041】その後、10%ジメチルホルムアミド水溶
液に浸積して、ポリウレタンエラストマーを凝固させ
た。ついで、40℃の温水注で十分洗浄し、120℃の
熱風オーブンで乾燥して、繊維とポリウレタンエラスト
マーとの比が70:30の弾性重合体含浸基材を得た。
液に浸積して、ポリウレタンエラストマーを凝固させ
た。ついで、40℃の温水注で十分洗浄し、120℃の
熱風オーブンで乾燥して、繊維とポリウレタンエラスト
マーとの比が70:30の弾性重合体含浸基材を得た。
【0042】ついで80℃のトルエン中でこの基材にデ
ィプとニップをくりかえして、ポリエチレンを溶解除去
し、複合繊維の極細化を行った。その後、90℃の温水
注で基材に含まれているトルエンを共沸除去し、110
℃の熱風乾燥機中で繊維の平行水分率に乾燥した。得ら
れたナイロン6極細繊維の平均繊度は、0.03デニー
ルであった。
ィプとニップをくりかえして、ポリエチレンを溶解除去
し、複合繊維の極細化を行った。その後、90℃の温水
注で基材に含まれているトルエンを共沸除去し、110
℃の熱風乾燥機中で繊維の平行水分率に乾燥した。得ら
れたナイロン6極細繊維の平均繊度は、0.03デニー
ルであった。
【0043】その後、基材上に茶色トーナーを混ぜた一
液タイプのポリウレタンエラストマー溶液を110メッ
シュのグラビアロールにて4ロール塗布した。その後、
熱エンボスロールにて柄入れをおこなった。
液タイプのポリウレタンエラストマー溶液を110メッ
シュのグラビアロールにて4ロール塗布した。その後、
熱エンボスロールにて柄入れをおこなった。
【0044】得られた銀付調人工皮革の特性を表1に示
す。
す。
【0045】[比較例1]スライス工程を行なわない以
外は実施例1と同様の方法によりシート状物を作成し
た。
外は実施例1と同様の方法によりシート状物を作成し
た。
【0046】得られた銀付き人工皮革の特性を表1に示
す。
す。
【0047】[比較例2]第2のポリウレタンエラスト
マーをコートしない以外は実施例1と同様の方法により
シート状物を作成した。
マーをコートしない以外は実施例1と同様の方法により
シート状物を作成した。
【0048】得られた銀付調人工皮革の特性を表1に示
す。
す。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、靴、カバンなどのつり
込み工程を有する用途に用いられるシート状物の表面平
滑性を大幅に改善し、剥離強力が高く、接着性に優れた
銀付調人工皮革が得られる。
込み工程を有する用途に用いられるシート状物の表面平
滑性を大幅に改善し、剥離強力が高く、接着性に優れた
銀付調人工皮革が得られる。
【0050】
【表1】
【0051】*靴の凹凸:○は凹凸は見られなかった
△はやや凹凸見える ×は凹凸がひどい
△はやや凹凸見える ×は凹凸がひどい
Claims (3)
- 【請求項1】 形態固定された不織布の片面または両面
をスライスした不織布に、ポリウレタンエラストマー溶
液を含浸した後、該不織布のスライス表面のポリウレタ
ンエラストマー溶液を取り除き、更に、該ポリウレタン
エラストマー溶液よりも濃度の高いポリウレタンエラス
トマー溶液を該スライス表面にコートし、その後、形態
固定を解除することを特徴とする表面平滑性に富むシー
ト状物の製造方法。 - 【請求項2】 形態固定された不織布の見かけ密度が、
0.15〜0.40g/cm3である請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 含浸ポリウレタンエラストマー溶液濃度
が5%以上であり、かつコートポリウレタンエラストマ
ー溶液濃度が含浸ポリウレタンエラストマー溶液濃度よ
りも高く、濃度が10%以上である請求項1記載の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23418196A JPH1077582A (ja) | 1996-09-04 | 1996-09-04 | 表面平滑性に富むシート状物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23418196A JPH1077582A (ja) | 1996-09-04 | 1996-09-04 | 表面平滑性に富むシート状物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1077582A true JPH1077582A (ja) | 1998-03-24 |
Family
ID=16966951
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23418196A Pending JPH1077582A (ja) | 1996-09-04 | 1996-09-04 | 表面平滑性に富むシート状物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1077582A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100448698B1 (ko) * | 2001-07-06 | 2004-09-16 | 씨엔이티 주식회사 | 인조피혁의 제조방법 |
JP2007084973A (ja) * | 2005-09-26 | 2007-04-05 | Teijin Cordley Ltd | 銀付調人工皮革およびその製造方法 |
-
1996
- 1996-09-04 JP JP23418196A patent/JPH1077582A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100448698B1 (ko) * | 2001-07-06 | 2004-09-16 | 씨엔이티 주식회사 | 인조피혁의 제조방법 |
JP2007084973A (ja) * | 2005-09-26 | 2007-04-05 | Teijin Cordley Ltd | 銀付調人工皮革およびその製造方法 |
JP4624895B2 (ja) * | 2005-09-26 | 2011-02-02 | 帝人コードレ株式会社 | 銀付調人工皮革の製造方法 |
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