JPH107722A - ポリマー分散液の製造方法 - Google Patents
ポリマー分散液の製造方法Info
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- JPH107722A JPH107722A JP16749496A JP16749496A JPH107722A JP H107722 A JPH107722 A JP H107722A JP 16749496 A JP16749496 A JP 16749496A JP 16749496 A JP16749496 A JP 16749496A JP H107722 A JPH107722 A JP H107722A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 都市下水、屎尿、一般産業排水の生汚泥、余
剰汚泥、凝集汚泥、消化汚泥、あるいはこれらの混合汚
泥などの凝集剤、製紙用添加剤などとして有用で、取り
扱い易く、かつ安定なポリマー分散液の製造方法を開発
する。 【解決手段】 N−ビニルホルムアミドとアクリロニト
リルの共重合体の酸加水分解物を溶解させるのに十分な
高温にて硝酸ソーダ水溶液に溶解した液を、冷却して該
共重合体を析出させるにあたり、攪拌下該共重合体を微
細粒子状に析出させ、液中に分散させることを特徴とす
る。
剰汚泥、凝集汚泥、消化汚泥、あるいはこれらの混合汚
泥などの凝集剤、製紙用添加剤などとして有用で、取り
扱い易く、かつ安定なポリマー分散液の製造方法を開発
する。 【解決手段】 N−ビニルホルムアミドとアクリロニト
リルの共重合体の酸加水分解物を溶解させるのに十分な
高温にて硝酸ソーダ水溶液に溶解した液を、冷却して該
共重合体を析出させるにあたり、攪拌下該共重合体を微
細粒子状に析出させ、液中に分散させることを特徴とす
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリマー分散液の製
造方法に関するものであり、さらに詳しくは、都市下
水、屎尿、一般産業排水の生汚泥、余剰汚泥、凝集汚
泥、消化汚泥あるいはこれらの混合汚泥などの有機汚泥
を凝集処理する際、またはデカンター、ベルトプレス、
フィルタープレス、スクリュウプレス脱水機などで脱水
する際に添加する脱水剤、製紙用添加剤などとして有用
なポリマー分散液の製造方法に関するものである。
造方法に関するものであり、さらに詳しくは、都市下
水、屎尿、一般産業排水の生汚泥、余剰汚泥、凝集汚
泥、消化汚泥あるいはこれらの混合汚泥などの有機汚泥
を凝集処理する際、またはデカンター、ベルトプレス、
フィルタープレス、スクリュウプレス脱水機などで脱水
する際に添加する脱水剤、製紙用添加剤などとして有用
なポリマー分散液の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、都市下水、屎尿、一般産業排水の
生汚泥、余剰汚泥、凝集汚泥、消化汚泥あるいはこれら
の混合汚泥の凝集処理、脱水処理、製紙用薬剤などの用
途にはカチオン性高分子が使用されてきた。また、近
年、カチオン性高分子として、N−ビニルホルムアミド
の単独重合体あるいは共重合体を部分変性したポリビニ
ルアミン(米国特許第4,421,602号、米国特許
第4,774,258号、米国特許第4,957,97
7号)、N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルの
共重合体の加水分解物からなるアミノ基とニトリル基を
含有する水溶性高分子(特開昭63−218718号公
報、特開昭63−165412号公報)、N−ビニルホ
ルムアミドとアクリロニトリルの共重合体の加水分解物
からなるアミジン基を含有する水溶性高分子(特開平5
−192513号公報)が提案されており、また本出願
人はN−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルの共重
合体の分散液の製法(特願平7−93258号明細書)
を提案している。
生汚泥、余剰汚泥、凝集汚泥、消化汚泥あるいはこれら
の混合汚泥の凝集処理、脱水処理、製紙用薬剤などの用
途にはカチオン性高分子が使用されてきた。また、近
年、カチオン性高分子として、N−ビニルホルムアミド
の単独重合体あるいは共重合体を部分変性したポリビニ
ルアミン(米国特許第4,421,602号、米国特許
第4,774,258号、米国特許第4,957,97
7号)、N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルの
共重合体の加水分解物からなるアミノ基とニトリル基を
含有する水溶性高分子(特開昭63−218718号公
報、特開昭63−165412号公報)、N−ビニルホ
ルムアミドとアクリロニトリルの共重合体の加水分解物
からなるアミジン基を含有する水溶性高分子(特開平5
−192513号公報)が提案されており、また本出願
人はN−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルの共重
合体の分散液の製法(特願平7−93258号明細書)
を提案している。
【0003】しかし、N−ビニルホルムアミドとアクリ
ロニトリルの共重合体の加水分解物などのカチオン性高
分子は通常加水分解後、乾燥して粉末化されて使用され
るので、乾燥などのために大型の装置を要する、コスト
アップになる、取り扱い難いなどの欠点があり、また、
上記加水分解物の水溶液は粘度が高く取り扱い難い欠点
がある。
ロニトリルの共重合体の加水分解物などのカチオン性高
分子は通常加水分解後、乾燥して粉末化されて使用され
るので、乾燥などのために大型の装置を要する、コスト
アップになる、取り扱い難いなどの欠点があり、また、
上記加水分解物の水溶液は粘度が高く取り扱い難い欠点
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、都市
下水、屎尿、一般産業排水の生汚泥、余剰汚泥、凝集汚
泥、消化汚泥、あるいはこれらの混合汚泥などの有機汚
泥を凝集処理する際、またはデカンター、ベルトプレ
ス、フィルタープレス、スクリュウプレス脱水機などで
脱水する際に使用できる脱水剤、製紙用添加剤などとし
て使用できるような取り扱い易いポリマー分散液を、煩
雑な操作を必要とせず、かつ大掛かりな装置を用いない
で容易にかつ経済的に製造する方法を提供することであ
る。
下水、屎尿、一般産業排水の生汚泥、余剰汚泥、凝集汚
泥、消化汚泥、あるいはこれらの混合汚泥などの有機汚
泥を凝集処理する際、またはデカンター、ベルトプレ
ス、フィルタープレス、スクリュウプレス脱水機などで
脱水する際に使用できる脱水剤、製紙用添加剤などとし
て使用できるような取り扱い易いポリマー分散液を、煩
雑な操作を必要とせず、かつ大掛かりな装置を用いない
で容易にかつ経済的に製造する方法を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の課題
を解決すべく鋭意研究した結果、N−ビニルホルムアミ
ドとアクリロニトリルの共重合体の水溶性酸加水分解物
は、70℃程度の温度の硝酸ソーダ水溶液には溶解する
が、この共重合体を溶解させた硝酸ソーダ水溶液を30
℃程度未満の温度に冷却するとこの共重合体は硝酸ソー
ダ水溶液には溶けず、析出することを見いだし、また、
この共重合体を硝酸ソーダ水溶液から析出させる時に十
分な攪拌を行うことにより微細粒子状に析出させ、液中
に安定に分散できることを見いだし、本発明に到達し
た。
を解決すべく鋭意研究した結果、N−ビニルホルムアミ
ドとアクリロニトリルの共重合体の水溶性酸加水分解物
は、70℃程度の温度の硝酸ソーダ水溶液には溶解する
が、この共重合体を溶解させた硝酸ソーダ水溶液を30
℃程度未満の温度に冷却するとこの共重合体は硝酸ソー
ダ水溶液には溶けず、析出することを見いだし、また、
この共重合体を硝酸ソーダ水溶液から析出させる時に十
分な攪拌を行うことにより微細粒子状に析出させ、液中
に安定に分散できることを見いだし、本発明に到達し
た。
【0006】本発明の請求項1の発明は、N−ビニルホ
ルムアミドとアクリロニトリルの共重合体の酸加水分解
物を溶解させるのに十分な高温にて硝酸ソーダ水溶液に
溶解した液を、冷却して該共重合体を析出させるにあた
り、攪拌下該共重合体を微細粒子状に析出させ、液中に
分散させることを特徴とするポリマー分散液の製造方法
である。
ルムアミドとアクリロニトリルの共重合体の酸加水分解
物を溶解させるのに十分な高温にて硝酸ソーダ水溶液に
溶解した液を、冷却して該共重合体を析出させるにあた
り、攪拌下該共重合体を微細粒子状に析出させ、液中に
分散させることを特徴とするポリマー分散液の製造方法
である。
【0007】本発明の請求項2の発明は、請求項1記載
のポリマー分散液の製造方法において、N−ビニルホル
ムアミドとアクリロニトリルの共重合体の酸加水分解物
を溶解させるのに十分な高温にて硝酸ソーダ水溶液に溶
解した液を冷却するにあたり、予め製造した請求項1記
載のポリマー分散液の冷却物から成る低温の該ポリマー
分散液を混合して温度を低下させ、N−ビニルホルムア
ミドとアクリロニトリルの共重合体の酸加水分解物を析
出させることを特徴とする。
のポリマー分散液の製造方法において、N−ビニルホル
ムアミドとアクリロニトリルの共重合体の酸加水分解物
を溶解させるのに十分な高温にて硝酸ソーダ水溶液に溶
解した液を冷却するにあたり、予め製造した請求項1記
載のポリマー分散液の冷却物から成る低温の該ポリマー
分散液を混合して温度を低下させ、N−ビニルホルムア
ミドとアクリロニトリルの共重合体の酸加水分解物を析
出させることを特徴とする。
【0008】本発明の請求項3の発明は、請求項1ある
いは請求項2記載のポリマー分散液の製造方法におい
て、硝酸ソーダ水溶液中の硝酸ソーダ濃度が15〜45
重量%であることを特徴とする。
いは請求項2記載のポリマー分散液の製造方法におい
て、硝酸ソーダ水溶液中の硝酸ソーダ濃度が15〜45
重量%であることを特徴とする。
【0009】本発明の請求項4の発明は、請求項1ある
いは請求項2記載のポリマー分散液の製造方法におい
て、硝酸ソーダ水溶液中の硝酸ソーダ濃度が20〜45
重量%であることを特徴とする。
いは請求項2記載のポリマー分散液の製造方法におい
て、硝酸ソーダ水溶液中の硝酸ソーダ濃度が20〜45
重量%であることを特徴とする。
【0010】本発明の請求項5の発明は、請求項1ない
し請求項4記載のポリマー分散液の製造方法において、
N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルの共重合モ
ル比が40:60〜60:40であることを特徴とす
る。
し請求項4記載のポリマー分散液の製造方法において、
N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルの共重合モ
ル比が40:60〜60:40であることを特徴とす
る。
【0011】本発明の請求項6の発明は、請求項1ない
し請求項5記載のポリマー分散液の製造方法において、
ポリマー分散液に硫酸ナトリウムなどの水溶性硫酸塩を
対液0.1〜1.0重量%添加溶解することを特徴とす
る。
し請求項5記載のポリマー分散液の製造方法において、
ポリマー分散液に硫酸ナトリウムなどの水溶性硫酸塩を
対液0.1〜1.0重量%添加溶解することを特徴とす
る。
【0012】本発明の請求項7の発明は、請求項1ない
し請求項6記載のポリマー分散液の製造方法において、
ポリマー分散液に非イオン界面活性剤を対液0.05〜
1重量%、油性液体を対液2〜10重量%併用添加する
ことを特徴とする。
し請求項6記載のポリマー分散液の製造方法において、
ポリマー分散液に非イオン界面活性剤を対液0.05〜
1重量%、油性液体を対液2〜10重量%併用添加する
ことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の態様】本発明で使用するN−ビニルホル
ムアミドとアクリロニトリルとの共重合の方法として
は、通常のラジカル重合法が用いられ、水溶液重合、塊
状重合、水溶液沈殿重合、懸濁重合、乳化重合などのい
ずれも用いることができる。溶媒中で重合させる場合、
原料モノマー濃度が通常5〜80重量%、好ましくは2
0〜60重量%で実施される。重合開始剤には一般的な
ラジカル重合開始剤を用いることができるが、アゾ化合
物が好ましく、2,2′−アゾビス−2−アミジノプロ
パンの塩酸塩などが例示される。そして、共重合に供す
るN−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルとのモル
比、および共重合体のアミジン化条件を選択することに
より、各種の組成のカチオン性高分子を製造することが
できる。
ムアミドとアクリロニトリルとの共重合の方法として
は、通常のラジカル重合法が用いられ、水溶液重合、塊
状重合、水溶液沈殿重合、懸濁重合、乳化重合などのい
ずれも用いることができる。溶媒中で重合させる場合、
原料モノマー濃度が通常5〜80重量%、好ましくは2
0〜60重量%で実施される。重合開始剤には一般的な
ラジカル重合開始剤を用いることができるが、アゾ化合
物が好ましく、2,2′−アゾビス−2−アミジノプロ
パンの塩酸塩などが例示される。そして、共重合に供す
るN−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルとのモル
比、および共重合体のアミジン化条件を選択することに
より、各種の組成のカチオン性高分子を製造することが
できる。
【0014】N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリ
ルとの共重合において、水溶性非イオン性ビニル単量体
などの他の単量体を共重合してもよい。水溶性非イオン
性ビニル単量体の具体例としては(メタ)アクリルアミ
ド、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなど
を挙げることができる。
ルとの共重合において、水溶性非イオン性ビニル単量体
などの他の単量体を共重合してもよい。水溶性非イオン
性ビニル単量体の具体例としては(メタ)アクリルアミ
ド、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなど
を挙げることができる。
【0015】また、重合反応は、一般に、不活性ガス気
流下、30〜100℃の温度で実施される。得られた共
重合体は、そのままの状態あるいは希釈して、即ち、溶
液状もしくは懸濁状で加水分解反応やアミジン化反応に
供することができる。また、公知の方法で脱溶媒、乾燥
し、共重合体を固体として分離した後、固体状でアミジ
ン化反応に供することもできる。
流下、30〜100℃の温度で実施される。得られた共
重合体は、そのままの状態あるいは希釈して、即ち、溶
液状もしくは懸濁状で加水分解反応やアミジン化反応に
供することができる。また、公知の方法で脱溶媒、乾燥
し、共重合体を固体として分離した後、固体状でアミジ
ン化反応に供することもできる。
【0016】アミジン化反応は、まず加水分解によりN
−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルとの共重合体
の置換アミノ基を一級アミノ基に変換し、次いで、生成
した一級アミノ基と隣接するシアノ基と反応させてアミ
ジン構造を生成させるという2段階反応により行われ
る。そして、好ましくは、該共重合体を、強酸の存在
下、水またはアルコール溶液中で加温して、一段階でア
ミジン構造を生成させる。この場合においても、先ず、
一級アミノ基が中間構造として生成しているものと考え
られる。
−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルとの共重合体
の置換アミノ基を一級アミノ基に変換し、次いで、生成
した一級アミノ基と隣接するシアノ基と反応させてアミ
ジン構造を生成させるという2段階反応により行われ
る。そして、好ましくは、該共重合体を、強酸の存在
下、水またはアルコール溶液中で加温して、一段階でア
ミジン構造を生成させる。この場合においても、先ず、
一級アミノ基が中間構造として生成しているものと考え
られる。
【0017】該反応の具体的条件としては、例えば、共
重合体に対し、その置換アミノ基に対して通常0.9〜
5.0倍、好ましくは1.0〜3.0倍当量の強酸、好
ましくは塩酸を加え、通常80〜150℃、好ましくは
90〜100℃の温度で、通常0.5〜20時間加熱す
ることによりアミジン単位を有するカチオン化高分子と
することができる。一般に置換アミノ基に対する強酸の
当量比が大きいほど、かつ、反応温度が高いほど、アミ
ジン化が例えば約10%〜約90%の範囲で進行する。
重合体に対し、その置換アミノ基に対して通常0.9〜
5.0倍、好ましくは1.0〜3.0倍当量の強酸、好
ましくは塩酸を加え、通常80〜150℃、好ましくは
90〜100℃の温度で、通常0.5〜20時間加熱す
ることによりアミジン単位を有するカチオン化高分子と
することができる。一般に置換アミノ基に対する強酸の
当量比が大きいほど、かつ、反応温度が高いほど、アミ
ジン化が例えば約10%〜約90%の範囲で進行する。
【0018】本発明で使用するN−ビニルホルムアミド
とアクリロニトリルの共重合体の酸加水分解物の製造方
法はアミジン化反応をしない状態でもよく、上記の製法
に限定されるものではない。また、排水処理や汚泥の脱
水剤として大量に販売されている市販品を用いることが
できる。
とアクリロニトリルの共重合体の酸加水分解物の製造方
法はアミジン化反応をしない状態でもよく、上記の製法
に限定されるものではない。また、排水処理や汚泥の脱
水剤として大量に販売されている市販品を用いることが
できる。
【0019】本発明で使用するN−ビニルホルムアミド
とアクリロニトリルの共重合体の酸加水分解物は水溶性
を維持しながら、70℃〜100℃の温度範囲で硝酸ソ
ーダ水溶液に溶解するが、30℃未満では硝酸ソーダ水
溶液に溶解せず、また一旦上記温度範囲内で溶解させた
共重合体は析出する。
とアクリロニトリルの共重合体の酸加水分解物は水溶性
を維持しながら、70℃〜100℃の温度範囲で硝酸ソ
ーダ水溶液に溶解するが、30℃未満では硝酸ソーダ水
溶液に溶解せず、また一旦上記温度範囲内で溶解させた
共重合体は析出する。
【0020】上記のように硝酸ソーダ水溶液へ一旦溶解
させた共重合体は30℃未満の温度に冷却すると、硝酸
ソーダ水溶液から微細な粒子(例えば粒径約数μm〜約
100μm程度の粒子)になって析出する。析出させる
とき適度に攪拌すると粒径がより小さな粒子になって析
出する。攪拌条件は特に限定されず、しかし攪拌冷却条
件により粒径がかわるので適宜適当な攪拌冷却条件を選
定して析出させることが好ましい。
させた共重合体は30℃未満の温度に冷却すると、硝酸
ソーダ水溶液から微細な粒子(例えば粒径約数μm〜約
100μm程度の粒子)になって析出する。析出させる
とき適度に攪拌すると粒径がより小さな粒子になって析
出する。攪拌条件は特に限定されず、しかし攪拌冷却条
件により粒径がかわるので適宜適当な攪拌冷却条件を選
定して析出させることが好ましい。
【0021】硝酸ソーダ水溶液へ一旦共重合体を溶解さ
せた液を冷却する方法も特に限定されない。冷却する方
法の具体例としては例えば、予め製造した本発明のポリ
マー分散液をブラインなどで0℃程度に冷却した冷却物
を混合する方法を挙げることができる。この冷却方法に
より容易に30℃未満の温度に急冷させてN−ビニルホ
ルムアミドとアクリロニトリルの共重合体の酸加水分解
物を析出させることができる。
せた液を冷却する方法も特に限定されない。冷却する方
法の具体例としては例えば、予め製造した本発明のポリ
マー分散液をブラインなどで0℃程度に冷却した冷却物
を混合する方法を挙げることができる。この冷却方法に
より容易に30℃未満の温度に急冷させてN−ビニルホ
ルムアミドとアクリロニトリルの共重合体の酸加水分解
物を析出させることができる。
【0022】本発明において硝酸ソーダ水溶液中の硝酸
ソーダ濃度は特に限定されるものではないが、好ましく
は15〜45重量%、さらに好ましくは20〜45重量
%である。15〜45重量%の硝酸ソーダの適度な濃度
範囲で硝酸ソーダ水溶液の比重と前記共重合体の粒子の
比重とがほぼ同じになるので、粒子の分離がなくなり、
安定性のあるポリマー分散液が得られる。15重量%未
満では硝酸ソーダ水溶液へ一旦共重合体を溶解させた液
を冷却しても溶解した共重合体が塩析しない。一方、硝
酸ソーダの水に対する飽和溶解度は凡そ46重量%であ
るので45重量%を超えると硝酸ソーダが析出するので
好ましくない。
ソーダ濃度は特に限定されるものではないが、好ましく
は15〜45重量%、さらに好ましくは20〜45重量
%である。15〜45重量%の硝酸ソーダの適度な濃度
範囲で硝酸ソーダ水溶液の比重と前記共重合体の粒子の
比重とがほぼ同じになるので、粒子の分離がなくなり、
安定性のあるポリマー分散液が得られる。15重量%未
満では硝酸ソーダ水溶液へ一旦共重合体を溶解させた液
を冷却しても溶解した共重合体が塩析しない。一方、硝
酸ソーダの水に対する飽和溶解度は凡そ46重量%であ
るので45重量%を超えると硝酸ソーダが析出するので
好ましくない。
【0023】N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリ
ルとの共重合モル比は、上記のように好ましくは40:
60〜60:40である。アクリロニトリルが60モル
%を超えると水溶性が悪くなる。一方、N−ビニルホル
ムアミドが60モル%を超えると硝酸ソーダ水溶液へ一
旦共重合体を溶解させた液を冷却しても溶解した共重合
体が塩析しなくなる。
ルとの共重合モル比は、上記のように好ましくは40:
60〜60:40である。アクリロニトリルが60モル
%を超えると水溶性が悪くなる。一方、N−ビニルホル
ムアミドが60モル%を超えると硝酸ソーダ水溶液へ一
旦共重合体を溶解させた液を冷却しても溶解した共重合
体が塩析しなくなる。
【0024】本発明において、N−ビニルホルムアミド
とアクリロニトリルの共重合体を酸で加水分解した状態
では通常例えば、温度70〜100℃のポリマー水溶液
として得られるが、該ポリマー水溶液に硝酸ソーダを溶
解することにより容易に均一なポリマー・硝酸ソーダ水
溶液を得ることができ、得られたこのポリマー・硝酸ソ
ーダ水溶液を攪拌下、30℃未満の温度に冷却すること
によりポリマーは析出して微細粒子の分散液となる。
とアクリロニトリルの共重合体を酸で加水分解した状態
では通常例えば、温度70〜100℃のポリマー水溶液
として得られるが、該ポリマー水溶液に硝酸ソーダを溶
解することにより容易に均一なポリマー・硝酸ソーダ水
溶液を得ることができ、得られたこのポリマー・硝酸ソ
ーダ水溶液を攪拌下、30℃未満の温度に冷却すること
によりポリマーは析出して微細粒子の分散液となる。
【0025】N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリ
ルの共重合体の酸加水分解物と硝酸ソーダの水溶液中に
水溶性カチオン性多価電解質を添加して析出粒子の微細
安定化を図ることもできる。この水溶性カチオン性多価
電解質としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)ア
クリレートの塩または四級化物の(共)重合体、ジアル
キルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩または
四級化物の(共)重合体、あるいは、ジアルキルジ(メ
タ)アクリルアンモニウムの塩の(共)重合体などを挙
げることができる。
ルの共重合体の酸加水分解物と硝酸ソーダの水溶液中に
水溶性カチオン性多価電解質を添加して析出粒子の微細
安定化を図ることもできる。この水溶性カチオン性多価
電解質としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)ア
クリレートの塩または四級化物の(共)重合体、ジアル
キルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩または
四級化物の(共)重合体、あるいは、ジアルキルジ(メ
タ)アクリルアンモニウムの塩の(共)重合体などを挙
げることができる。
【0026】本発明において、ポリマー分散液に硫酸ナ
トリウムなどの水溶性硫酸塩を対液0.1〜1重量%添
加することが好ましい。N−ビニルホルムアミドとアク
リロニトリルの共重合体の酸加水分解物の析出粒子は粘
着性があり、凝集して塊になるおそれがある。ポリマー
分散液に硫酸ナトリウムなどの水溶性硫酸塩を添加する
ことにより、N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリ
ルの共重合体の酸加水分解物の析出粒子の水溶性は維持
しながら、粒子表面のみを不溶化して、凝集して塊にな
るのを抑制できる。硫酸ナトリウムなどの水溶性硫酸塩
が0.1重量%未満では粒子に未だ粘着性があり、凝集
して塊になるのを抑制できない。1重量%を超えると粒
子は水に対して不溶性となる。
トリウムなどの水溶性硫酸塩を対液0.1〜1重量%添
加することが好ましい。N−ビニルホルムアミドとアク
リロニトリルの共重合体の酸加水分解物の析出粒子は粘
着性があり、凝集して塊になるおそれがある。ポリマー
分散液に硫酸ナトリウムなどの水溶性硫酸塩を添加する
ことにより、N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリ
ルの共重合体の酸加水分解物の析出粒子の水溶性は維持
しながら、粒子表面のみを不溶化して、凝集して塊にな
るのを抑制できる。硫酸ナトリウムなどの水溶性硫酸塩
が0.1重量%未満では粒子に未だ粘着性があり、凝集
して塊になるのを抑制できない。1重量%を超えると粒
子は水に対して不溶性となる。
【0027】本発明においてポリマー分散液に非イオン
界面活性剤を対液0.05〜1重量%、好ましくは0.
1〜0.5重量%、特に好ましくは0.2〜0.3重量
%、油性液体を対液2〜10重量%、好ましくは4〜8
重量%、併用添加することが好ましい。N−ビニルホル
ムアミドとアクリロニトリルの共重合体の加水分解物の
析出粒子は凝集して豆腐状に固まり易く、これを防止す
るために粒子表面を非イオン界面活性剤を含有する油性
液体で表面をコートすることが有効である。ここにいう
油性液体としては動植物油なども使用可能ではあるが、
灯油、軽油、A重油、流動パラフィンなどの石油類、中
油などのコールタール留分などが安価であり実用的であ
る。本発明において使用し得る界面活性剤は上述の油性
液体に溶解する非イオン界面活性剤であればよく、HL
B8〜12の範囲の非イオン界面活性剤は有効であり好
ましく使用できる。非イオン界面活性剤が対液0.05
重量%未満では油性液体がポリマー分散液中に分散せ
ず、1重量%を超えるとコストアップになる。一方、油
性液体が対液2重量%未満では粒子表面を十分にコート
できず、10重量%を超えるとコストアップになる。
界面活性剤を対液0.05〜1重量%、好ましくは0.
1〜0.5重量%、特に好ましくは0.2〜0.3重量
%、油性液体を対液2〜10重量%、好ましくは4〜8
重量%、併用添加することが好ましい。N−ビニルホル
ムアミドとアクリロニトリルの共重合体の加水分解物の
析出粒子は凝集して豆腐状に固まり易く、これを防止す
るために粒子表面を非イオン界面活性剤を含有する油性
液体で表面をコートすることが有効である。ここにいう
油性液体としては動植物油なども使用可能ではあるが、
灯油、軽油、A重油、流動パラフィンなどの石油類、中
油などのコールタール留分などが安価であり実用的であ
る。本発明において使用し得る界面活性剤は上述の油性
液体に溶解する非イオン界面活性剤であればよく、HL
B8〜12の範囲の非イオン界面活性剤は有効であり好
ましく使用できる。非イオン界面活性剤が対液0.05
重量%未満では油性液体がポリマー分散液中に分散せ
ず、1重量%を超えるとコストアップになる。一方、油
性液体が対液2重量%未満では粒子表面を十分にコート
できず、10重量%を超えるとコストアップになる。
【0028】本発明に係わるポリマー分散液は安定であ
り、取り扱いが容易であり、水溶性であるので、都市下
水、屎尿、一般産業排水の生汚泥、余剰汚泥、凝集汚
泥、消化汚泥、あるいはこれらの混合汚泥などの有機汚
泥を凝集処理する際、またはデカンター、ベルトプレ
ス、フィルタープレス、スクリュウプレス脱水機などで
脱水する際に使用できる脱水剤、製紙用添加剤などとし
て使用できる。このポリマー分散液を有機性汚泥に添加
し、攪拌混合すると比較的小さいが絡まった硬いフロッ
クが得られる。このポリマー分散液を汚泥に添加、攪
拌、混合する方法は、処理する有機性汚泥の条件によっ
て変わるので特定されない。
り、取り扱いが容易であり、水溶性であるので、都市下
水、屎尿、一般産業排水の生汚泥、余剰汚泥、凝集汚
泥、消化汚泥、あるいはこれらの混合汚泥などの有機汚
泥を凝集処理する際、またはデカンター、ベルトプレ
ス、フィルタープレス、スクリュウプレス脱水機などで
脱水する際に使用できる脱水剤、製紙用添加剤などとし
て使用できる。このポリマー分散液を有機性汚泥に添加
し、攪拌混合すると比較的小さいが絡まった硬いフロッ
クが得られる。このポリマー分散液を汚泥に添加、攪
拌、混合する方法は、処理する有機性汚泥の条件によっ
て変わるので特定されない。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。なお、実施例において
「%」は、特に断らない限り、「重量%」を意味する。
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。なお、実施例において
「%」は、特に断らない限り、「重量%」を意味する。
【0030】[N−ビニルホルムアミドとアクリロニト
リルの共重合体の酸加水分解物の製造例]攪拌機、窒素
導入管、冷却管を備えた50リットルの反応器に、等モ
ルのアクリロニトリルとN−ビニルホルムアミドの混合
物6kgおよび34kgの脱塩水を入れた。窒素ガス気
流中、攪拌しつつ60℃に昇温したのち、10%の2,
2′−アゾビス−2−アミジノプロパン・2塩酸塩水溶
液120gを添加した。45℃で4時間、攪拌保持した
後、60℃に昇温し、更に3時間保持し、水中に重合体
が析出した懸濁物を得た。次いで、重合体中のホルミル
基に対して1当量の濃塩酸を添加して攪拌しつつ70〜
100℃に4時間保持し、重合体を加水分解した。得ら
れた重合体の溶液を一部アセトン中に添加し、析出せし
め、これを真空乾燥して固体状の試料A〜Cを得、分析
に供した。該重合体A〜Cにつき、以下に示す方法によ
り組成と還元粘度を測定した。結果を表1にまとめて示
す。
リルの共重合体の酸加水分解物の製造例]攪拌機、窒素
導入管、冷却管を備えた50リットルの反応器に、等モ
ルのアクリロニトリルとN−ビニルホルムアミドの混合
物6kgおよび34kgの脱塩水を入れた。窒素ガス気
流中、攪拌しつつ60℃に昇温したのち、10%の2,
2′−アゾビス−2−アミジノプロパン・2塩酸塩水溶
液120gを添加した。45℃で4時間、攪拌保持した
後、60℃に昇温し、更に3時間保持し、水中に重合体
が析出した懸濁物を得た。次いで、重合体中のホルミル
基に対して1当量の濃塩酸を添加して攪拌しつつ70〜
100℃に4時間保持し、重合体を加水分解した。得ら
れた重合体の溶液を一部アセトン中に添加し、析出せし
め、これを真空乾燥して固体状の試料A〜Cを得、分析
に供した。該重合体A〜Cにつき、以下に示す方法によ
り組成と還元粘度を測定した。結果を表1にまとめて示
す。
【0031】
【表1】
【0032】[組成の分析法]アミジン化を行う前の各
原料重合体の組成は、13C−NMRスペクトル(13C−
該磁気共鳴スペクトル)の各モノマー単位に対応した吸
収ピークの積分値より算出した。アミジン化後の重合体
A〜Cの組成は、13C−NMRスペクトルの各繰り返し
単位に対応した吸収ピークの積分値より算出した。
原料重合体の組成は、13C−NMRスペクトル(13C−
該磁気共鳴スペクトル)の各モノマー単位に対応した吸
収ピークの積分値より算出した。アミジン化後の重合体
A〜Cの組成は、13C−NMRスペクトルの各繰り返し
単位に対応した吸収ピークの積分値より算出した。
【0033】また、繰り返し単位のアミジン基、アミド
基およびラクタム基の吸収ピークは170〜185pp
m付近の非常に近接した位置に認められるため、以下の
ような方法により各吸収ピークに対応する構造を帰属し
た。即ち、重合体の元素分析、水分量の測定により重量
収支を確認し、更に、重合体の13C−NMRスペクトル
の他にIRスペクトルも測定し、重合体のスペクトルと
アミジン基、アミド基およびラクタム基などを有する既
知化合物でのスペクトルとを詳細に比較検討する方法を
採用したものである。
基およびラクタム基の吸収ピークは170〜185pp
m付近の非常に近接した位置に認められるため、以下の
ような方法により各吸収ピークに対応する構造を帰属し
た。即ち、重合体の元素分析、水分量の測定により重量
収支を確認し、更に、重合体の13C−NMRスペクトル
の他にIRスペクトルも測定し、重合体のスペクトルと
アミジン基、アミド基およびラクタム基などを有する既
知化合物でのスペクトルとを詳細に比較検討する方法を
採用したものである。
【0034】[還元粘度の測定]重合体A〜Cにつき、
1規定の食塩水中0.1g/100ミリリットルの溶液
として25℃でオストワルドの粘度計を用いて測定し
た。
1規定の食塩水中0.1g/100ミリリットルの溶液
として25℃でオストワルドの粘度計を用いて測定し
た。
【0035】(実施例1)N−ビニルホルムアミドとア
クリロニトリル共重合体の塩酸加水分解物の水溶液に、
その水100重量部に対し硝酸ソーダ25重量部を温度
70℃にて溶解して水溶液を作った。該水溶液1重量部
に対し0℃に冷却した硝酸ソーダ20重量%水溶液1.
5重量部をホモジナイザーにて混合した。試料A〜Cの
全てについてポリマーの析出が起こり、粒径5〜10μ
mのポリマー粒子が分散した本発明のポリマー分散液が
得られた。
クリロニトリル共重合体の塩酸加水分解物の水溶液に、
その水100重量部に対し硝酸ソーダ25重量部を温度
70℃にて溶解して水溶液を作った。該水溶液1重量部
に対し0℃に冷却した硝酸ソーダ20重量%水溶液1.
5重量部をホモジナイザーにて混合した。試料A〜Cの
全てについてポリマーの析出が起こり、粒径5〜10μ
mのポリマー粒子が分散した本発明のポリマー分散液が
得られた。
【0036】(実施例2)実施例1と同様にしてN−ビ
ニルホルムアミドとアクリロニトリル共重合体の塩酸加
水分解物の水溶液に、その水100重量部に対し硝酸ソ
ーダ25重量部を温度70℃にて溶解した水溶液1重量
部に対し、実施例1で得られたポリマー分散液を0℃に
冷却したポリマー分散液1.5重量部をホモジナイザー
にて混合した。試料A〜Cの全てについてポリマーの析
出が起こり、粒径5〜10μmのポリマー粒子が分散し
た本発明のポリマー分散液が得られた。
ニルホルムアミドとアクリロニトリル共重合体の塩酸加
水分解物の水溶液に、その水100重量部に対し硝酸ソ
ーダ25重量部を温度70℃にて溶解した水溶液1重量
部に対し、実施例1で得られたポリマー分散液を0℃に
冷却したポリマー分散液1.5重量部をホモジナイザー
にて混合した。試料A〜Cの全てについてポリマーの析
出が起こり、粒径5〜10μmのポリマー粒子が分散し
た本発明のポリマー分散液が得られた。
【0037】(実施例3)実施例2で得られたポリマー
分散液に、その水100重量部に対し硝酸ソーダ40重
量部をさらに追加し、硫酸ナトリウム1重量部を添加溶
解して本発明のポリマー分散液を作った。このポリマー
分散液は一夜放置してもポリマー粒子の沈降分離が起こ
らず安定に分散状態を維持した。このポリマー分散液を
攪拌下、水中に滴下したところママコを作らず短時間で
均一に溶解し、有機汚泥の凝集処理を行う凝集試験に供
した結果、良好な結果が得られた。
分散液に、その水100重量部に対し硝酸ソーダ40重
量部をさらに追加し、硫酸ナトリウム1重量部を添加溶
解して本発明のポリマー分散液を作った。このポリマー
分散液は一夜放置してもポリマー粒子の沈降分離が起こ
らず安定に分散状態を維持した。このポリマー分散液を
攪拌下、水中に滴下したところママコを作らず短時間で
均一に溶解し、有機汚泥の凝集処理を行う凝集試験に供
した結果、良好な結果が得られた。
【0038】(実施例4)実施例2で得られたポリマー
分散液に、その水100重量部に対しポリオキシエチレ
ンソルビタンモノオレート(HLB10.0)0.3重
量部を灯油6重量部に溶解した液を添加混合して本発明
のポリマー分散液を作った。このポリマー分散液は一夜
放置してもポリマー粒子の沈降分離は起こらず安定に分
散状態を維持した。このポリマー分散液を攪拌下、水中
に滴下したところママコを作らず短時間で均一に溶解
し、有機汚泥の凝集処理を行う凝集試験に供した結果、
良好な結果が得られた。
分散液に、その水100重量部に対しポリオキシエチレ
ンソルビタンモノオレート(HLB10.0)0.3重
量部を灯油6重量部に溶解した液を添加混合して本発明
のポリマー分散液を作った。このポリマー分散液は一夜
放置してもポリマー粒子の沈降分離は起こらず安定に分
散状態を維持した。このポリマー分散液を攪拌下、水中
に滴下したところママコを作らず短時間で均一に溶解
し、有機汚泥の凝集処理を行う凝集試験に供した結果、
良好な結果が得られた。
【0039】(比較例1)N−ビニルホルムアミドとア
クリロニトリル共重合体の塩酸加水分解物の水溶液に、
その水100重量部に対し硝酸ソーダ25重量部を温度
70℃にて溶解した水溶液を作った。この水溶液を攪拌
せず、0℃に冷却したところポリマーは豆腐状の固まり
に成り、液相と分離した。
クリロニトリル共重合体の塩酸加水分解物の水溶液に、
その水100重量部に対し硝酸ソーダ25重量部を温度
70℃にて溶解した水溶液を作った。この水溶液を攪拌
せず、0℃に冷却したところポリマーは豆腐状の固まり
に成り、液相と分離した。
【0040】
【発明の効果】本発明のポリマー分散液の製造方法によ
り、煩雑な操作を必要とせず、かつ大掛かりな装置を用
いないで容易にかつ経済的に、ポリマーを微細粒子状に
析出させたポリマー分散液を製造することができ、析出
させたポリマー微細粒子は液中に安定に分散状態を維持
される。本発明に係わるポリマー分散液は、取り扱い易
く、都市下水、屎尿、一般産業排水の生汚泥、余剰汚
泥、凝集汚泥、消化汚泥、あるいはこれらの混合汚泥な
どの有機汚泥を凝集処理する際、またはデカンター、ベ
ルトプレス、フィルタープレス、スクリュウプレス脱水
機などで脱水する際に使用する脱水剤、製紙用添加剤な
どとして使用できるので産業上の利用価値が高い。
り、煩雑な操作を必要とせず、かつ大掛かりな装置を用
いないで容易にかつ経済的に、ポリマーを微細粒子状に
析出させたポリマー分散液を製造することができ、析出
させたポリマー微細粒子は液中に安定に分散状態を維持
される。本発明に係わるポリマー分散液は、取り扱い易
く、都市下水、屎尿、一般産業排水の生汚泥、余剰汚
泥、凝集汚泥、消化汚泥、あるいはこれらの混合汚泥な
どの有機汚泥を凝集処理する際、またはデカンター、ベ
ルトプレス、フィルタープレス、スクリュウプレス脱水
機などで脱水する際に使用する脱水剤、製紙用添加剤な
どとして使用できるので産業上の利用価値が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 3/075 CEY // C08L 33:24
Claims (7)
- 【請求項1】 N−ビニルホルムアミドとアクリロニト
リルの共重合体の酸加水分解物を溶解させるのに十分な
高温にて硝酸ソーダ水溶液に溶解した液を、冷却して該
共重合体を析出させるにあたり、攪拌下該共重合体を微
細粒子状に析出させ、液中に分散させることを特徴とす
るポリマー分散液の製造方法。 - 【請求項2】 N−ビニルホルムアミドとアクリロニト
リルの共重合体の酸加水分解物を溶解させるのに十分な
高温にて硝酸ソーダ水溶液に溶解した液を冷却するにあ
たり、予め製造した請求項1記載のポリマー分散液の冷
却物から成る低温の該ポリマー分散液を混合して温度を
低下させ、N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリル
の共重合体の酸加水分解物を析出させることを特徴とす
る請求項1記載のポリマー分散液の製造方法。 - 【請求項3】 硝酸ソーダ水溶液中の硝酸ソーダ濃度が
15〜45重量%であることを特徴とする請求項1ある
いは請求項2記載のポリマー分散液の製造方法。 - 【請求項4】 硝酸ソーダ水溶液中の硝酸ソーダ濃度が
20〜45重量%であることを特徴とする請求項1ある
いは請求項2記載のポリマー分散液の製造方法。 - 【請求項5】 N−ビニルホルムアミドとアクリロニト
リルの共重合モル比が40:60〜60:40であるこ
とを特徴とする請求項1ないし請求項4記載のポリマー
分散液の製造方法。 - 【請求項6】 ポリマー分散液に硫酸塩を対液0.1〜
1.0重量%添加溶解することを特徴とする請求項1な
いし請求項5記載のポリマー分散液の製造方法。 - 【請求項7】 ポリマー分散液に非イオン界面活性剤を
対液0.05〜1重量%、油性液体を対液2〜10重量
%併用添加することを特徴とする請求項1ないし請求項
6記載のポリマー分散液の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16749496A JPH107722A (ja) | 1996-06-27 | 1996-06-27 | ポリマー分散液の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16749496A JPH107722A (ja) | 1996-06-27 | 1996-06-27 | ポリマー分散液の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH107722A true JPH107722A (ja) | 1998-01-13 |
Family
ID=15850727
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16749496A Pending JPH107722A (ja) | 1996-06-27 | 1996-06-27 | ポリマー分散液の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH107722A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4726276A (en) * | 1985-06-28 | 1988-02-23 | Nippon Gakki Seizo Kabushiki Kaisha | Slur effect pitch control in an electronic musical instrument |
WO2000027893A1 (de) * | 1998-11-05 | 2000-05-18 | Basf Aktiengesellschaft | Wässrige dispersionen von wasserlöslichen polymerisaten von n-vinylcarbonsäureamiden, verfahren zu ihrer herstellung und ihre verwendung |
-
1996
- 1996-06-27 JP JP16749496A patent/JPH107722A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4726276A (en) * | 1985-06-28 | 1988-02-23 | Nippon Gakki Seizo Kabushiki Kaisha | Slur effect pitch control in an electronic musical instrument |
WO2000027893A1 (de) * | 1998-11-05 | 2000-05-18 | Basf Aktiengesellschaft | Wässrige dispersionen von wasserlöslichen polymerisaten von n-vinylcarbonsäureamiden, verfahren zu ihrer herstellung und ihre verwendung |
US7297733B2 (en) | 1998-11-05 | 2007-11-20 | Basf Aktiengesellschaft | Aqueous dispersions of water-soluble polymers of N-vinylcarboxamides, their preparation and their use |
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