JPH107714A - エチレン系重合体の製造法 - Google Patents

エチレン系重合体の製造法

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JPH107714A
JPH107714A JP15984596A JP15984596A JPH107714A JP H107714 A JPH107714 A JP H107714A JP 15984596 A JP15984596 A JP 15984596A JP 15984596 A JP15984596 A JP 15984596A JP H107714 A JPH107714 A JP H107714A
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titanium
ethylene
solid
catalyst
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JP15984596A
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Inventor
Masaaki Ito
正顕 伊藤
Katsumi Hirakawa
勝己 平川
Hajime Takahashi
肇 高橋
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高活性で広い分子量分布を有するエチレン重
合体を工業的規模で安定して製造することができ、繊維
やテープのみならずパイプなどの中空成形品の製造にも
適したエチレン系重合体を得る方法。 【解決手段】 触媒成分(A)および(B)からなる触
媒に、エチレン、またはエチレンと炭素数3〜12のα
−オレフィンを接触させて重合させることを特徴とする
エチレン系重合体の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広い分子量分布を
有するエチレン系重合体を提供する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン系重合体は、その分子量分布に
より使用される用途が異なり、分子量分布の広いものは
パイプなどの中空成形品に使用され、中程度の広さの分
子量分布のものは繊維やテープなどに、分子量分布の狭
いものはボトルキャップやバケツ等の射出成形品に使用
されることが多い。
【0003】従来、高活性の固体触媒成分として知られ
ているハロゲン化マグネシウムおよびチタンハロゲン化
物からなる固体触媒成分は、一般に分子量分布の狭いエ
チレン重合体を与えるので、ボトルキャップやバケツ等
の射出成形品の製造には適するが、上記のようなその他
の用途品の製造には適しない問題があった。近年、用途
の拡大を図る為に分子量分布の広いポリマーを与える触
媒の開発が必要とされ、遷移金属化合物を多種類使用し
たり、無機の酸化物担体に触媒成分を担持させる方法等
の技術が多く開発させている。
【0004】(例えば、特公昭52−37037号、同
53−8588号、同55−8006号、同57−45
247号、同58−13084号および同62−583
64号公報等)。本発明者等は、すでに粒子形態の極め
て優れた、スラリー重合や気相重合に特に好適な固体触
媒成分として、ジハロゲン化マグネシウム、チタンアル
コキシド及びポリマー状ケイ素化合物を主成分とする固
体成分を(1)ハロゲン化ケイ素あるいは(2)ハロゲ
ン化チタンあるいは(3)ハロゲン化チタンおよびハイ
ドロポリシロキサン等で処理することによって製造する
方法を提案した(例えば、特開昭58−127706
号、同61−285203号、同61−285204
号、同61−285205号、同57−180612
号、同58−5309号、同58−5311号各公
報)。これらの触媒はそれなりに有用なものであるが、
生成重合体の分子量分布は狭いものであった。
【0005】また、前記固体成分を(1)ハロゲン化ア
ルミニウムあるいは(2)ハロゲン化アルミニウムおよ
びチタンもしくはケイ素のハロゲン化物あるいは(3)
有機アルミニウム化合物またはハイドロポリシロキサ
ン、およびハロゲン化アルミニウム等で処理することに
よる触媒も提案している(例えば、特開昭59−129
03号および同59−43007号各公報参照)。これ
らは、比較的高い活性と広い分子量分布を持つ重合体を
与えるが、ハロゲン化アルミニウム反応時に固体粒子が
塊化することがあり、そのため触媒の活性が振れたり、
粒子の形成が不均一になることがあるという問題があっ
た。
【0006】さらにまた、前記固体成分をハロゲン化ケ
イ素、ハロゲン化炭化水素、有機アルミニウム化合物で
処理する触媒も提案している(例えば、特開平4−28
5605、特開平4−323206、特開平4−348
109、特開平5−17520号各公報)。これらによ
り、中程度に広い分子量分布のものが高活性で得られる
までになっが、まださらに広い分布のものが望まれてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は活性
が高く、安定した特性の触媒によって広い分子量分布を
有するエチレン系重合体を製造することを目的とするも
のであり、特に特定の触媒を使用することによってこの
目的を達成しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記触媒成分
(A)および(B)からなる触媒に、エチレン、または
エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンを接触させ
て重合させることを特徴とするエチレン系重合体の製造
法を提供するものである。 成分(A):下記の成分(A−1)、(A−2)を接触
させて得られるチタン含量が20重量%以上である固体
触媒成分 (A−1):下記成分(A−1−a),(A−1−b)
および(A−1−c)を接触させて得られる固体成分。 (A−1−a):ジハロゲン化マグネシウム (A−1−b):チタンアルコキシド (A−1−c):下記一般式で示される構造を繰返し単
位とするポリマー状ケイ素化合物
【化2】 (ここで、R1 は炭素数1〜10の炭化水素残基を示
す。) (A−2):チタンのハロゲン化物 成分(B):有機アルミニウム化合物
【0009】
【発明の実施の形態】
[触媒] 本発明において用いられる触媒は、下記の成
分(A)および成分(B)からなるものである。ここ
で、「からなる」とは、成分が挙示のもの(すなわち、
(A)および(B)のみであるということではなく、合
目的的な他の成分の共存を排除しない。 <成分(A)固体触媒成分>成分(A)は、下記の成分
(A−1)、成分(A−2)を接触させて得られるTi
含量20重量%以上のチーグラー型固体触媒成分であ
る。ここで、「接触させて得られる」とは、挙示の成分
のみの接触生成物の外に、合目的的な他の成分との接触
による生成物をも包含する。
【0010】(成分(A−1)固体成分) 1)構成成分 成分(A−1)は、下記の成分(A−1−a)、成分
(A−1−b)および成分(A−1−c)を用いて得ら
れる固体成分である。 (1)成分(A−1−a) これは、ジハロゲン化マグネシウムであり、具体的に
は、たとえば、MgF2、MgCl2 およびMgBr2
等がある。
【0011】(2)成分(A−1−b) これは、チタンテトラアルコキシドである。チタンテト
ラアルコキシドとしては、たとえば、Ti(OC
2 5 4 、Ti(O−iC3 7 4 、Ti(O−n
3 7 4 、Ti(O−nC4 9 4 、Ti(O−
iC4 9 4 、Ti(O−tC4 9 4 、Ti(O
−C5 114 、Ti(O−C6 134 、Ti(O−
7 154 、Ti(O−C8 174 、Ti(O−C
10214 、等がある。
【0012】(3)成分(A−1−c) このポリマーケイ素化合物は、式
【0013】
【化3】
【0014】で示される構造を繰返し単位として有する
ものである。ここで、R1 は炭化水素残基、好ましくは
炭素数1〜10程度、特に1〜6程度、の炭化水素残
基、好ましくは、アルキル基、フェニル基およびアルキ
ル置換フェニル基、である。したがって、このような構
造単位を有するポリマーケイ素化合物の具体例として
は、メチルヒドロポリシロキサン、エチルヒドロポリシ
ロキサン、フェニルヒドロポリシロキサン、シクロヘキ
シルヒドロポリシロキサン等があげられる。
【0015】このポリマーケイ素化合物の重合度は特に
限定されるものではないが、取り扱いを考えれば、粘度
が10センチストークスから100センチストークス程
度となるものが好ましい。またヒドロポリシロキサンの
末端構造は大きな影響をおよぼさないが、不活性基、た
とえばトリアルキルシリル基で封鎖されることが好まし
い。
【0016】2)製造 成分(A−1)は、上記の各成分(A−1−a)〜(A
−1−c)を接触させることによって得られる。 (1)量比 各成分の使用量は、本発明の効果が認められるかぎり任
意のものでありうるが、一般的には、次の範囲内が好ま
しい。チタンテトラアルコキシドおよび(または)ポリ
チタン酸エステル(成分(A−1−b))の使用量(併
用の場合は合計量)は、ジハロゲン化マグネシウム(成
分(A−1−a))に対して、モル比で、0.1〜10
の範囲内がよく、好ましくは1〜4の範囲内である。ポ
リマーケイ素化合物(成分(A−1−c))の使用量
は、ジハロゲン化マグネシウム(成分(A−1−a))
に対して、モル比で1×10-2〜100の範囲内がよ
く、好ましくは0.1〜10の範囲内である。
【0017】(2)接触方法 本発明の固体成分(A−1)は、前述の三成分を接触さ
せて得られるものである。三成分の接触は、一般に知ら
れている任意の方法で行うことができる。一般に、−1
00℃〜200℃の温度範囲で接触させればよい。接触
時間は、通常10分から20時間程度である。
【0018】上記の三成分の接触は、攪拌下に行なうこ
とが好ましく、またボールミル、振動ミル、等による機
械的な粉砕によって接触させることもできる。三成分の
接触の順序は、本発明の効果が認められるかぎり任意の
ものでありうるが、ジハロゲン化マグネシウムとチタン
テトラアルコキシドを接触させて、次いでポリマーケイ
素化合物を接触さるのが一般的である。
【0019】三成分の接触は、分散媒の存在下に行なう
こともできる。その場合の分散媒としては、炭化水素、
ハロゲン化炭化水素、ジアルキルポリシロキサン等があ
げられる。炭化水素の具体例としては、ヘキサン、ヘプ
タン、トルエン、シクロヘキサン等があり、ハロゲン化
炭化水素の具体例としては、塩化n−ブチル、1,2−
ジクロロエチレン、四塩化炭素、クロルベンゼン等があ
り、ジアルキルポリシロキサンの具体例としては、ジメ
チルポリシロキサン、メチル−フェニルポリシロキサン
等がある。また、この際、特開昭59−80406号公
報に示されるように、触媒性状の制御を目的にアルコー
ルまたは有機酸エステルを共存させることもできる。
【0020】特に好ましくは、炭化水素、ハロゲン化炭
化水素等の溶媒ないし分散媒を使用して又は使用せずジ
ハロゲン化マグネシウムとチタンテトラアルコキシドを
接触させて一旦液状とした後ポリマーケイ素化合物と接
触せしめて固体成分(A−1)とすることが好ましい。
【0021】固体成分(A−1)は、チタンのハロゲン
化物(A−2)と接触させる前に、不要成分、たとえば
成分(A−1−b)および(A−1−c)の未反応分、
を洗浄除去することが好ましい。使用する洗浄用溶媒
は、上記の分散媒の中から適当なものを選ぶことができ
る。従って、成分(A−1−a)〜(A−1−c)の接
触を分散媒中で行なえば、洗浄操作を軽減することがで
きる。
【0022】(成分(A−2)チタンのハロゲン化物)
成分(A−2)としては、一般式Ti(OR6 4-p
p (ここでR6 は炭素数1から10の炭化水素残基を示
し、Xはハロゲン、pは1≦p≦4の数を示す。)で表
される化合物を用いることができる。具体例としては、
TiCl4 、TiBr4 、Ti(OC2 5 )Cl3
Ti(OC2 5 2 Cl2 、Ti(OC2 5 3
l、Ti(O−iC3 7 )Cl3 、Ti(O−nC4
9 )Cl3 、Ti(O−nC4 9 2 Cl2 、Ti
(OC2 5 )Br3 、Ti(OC2 5 )(OC4
9 2 Cl、Ti(O−nC4 9 3 Cl、Ti(O
−C6 5 )Cl2 、Ti(O−iC4 9 2
2 、Ti(OC5 11)Cl3 、Ti(OC6 13
Cl3 、などが挙げられる。
【0023】また、一般式Ti(OR7 3-q q (こ
こでR7 は炭素数1から10の炭化水素残基を示し、X
はハロゲン、qは1≦q≦3の数を示す。)で表される
化合物も使用可能である。そのようなチタン化合物の具
体例としては、TiCl3 、TiBr3 、Ti(OCH
3 )Cl2 、Ti(OC2 5 )Cl2 等がある。さら
に、ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロライド、
ビスインデニルチタニウムジクロライド等のチタノセン
化合物の使用も可能である。これらの中で好ましくはト
リハロゲン化チタン、およびテトラハロゲン化チタンで
ある。さらに好ましくはテトラハロゲン化チタンであ
る。
【0024】(固体触媒成分(A)の製造)固体触媒成
分(A)は上記成分(A−1)、(A−2)を接触させ
ることにより得られる。 (1)量比 各成分の使用量は、本発明の効果が認められる限り任意
のものであるが、一般に成分(A−2)の使用量は成分
(A−1)中のTiに対してモル比で0.1〜10、好
ましくは0.2〜5である。
【0025】(2)接触方法 成分(A−1)および成分(A−2)との接触は、攪拌
下に行うことが好ましく、そして分散媒の存在下に行う
ことが好ましい。その時の分散媒は、成分(A−1)を
製造する際に例示したものを使用することができる。中
でも好ましくは炭素数7以上の炭化水素溶媒であり、さ
らに好ましくはオクタン、デカン、N−パラフィンであ
る。成分(A−1)、(A−2)の接触温度は100℃
から200℃、好ましくは110℃から150℃であ
る。また、接触時間は5分から20時間程度で行うのが
普通である。
【0026】かかる反応で生成物のチタン含量は増大
し、生成する固体触媒成分(A)中のチタン含量が20
重量%以上、好ましくは25重量%から35重量%の範
囲とすることができる。その際に、アルキルハライドが
生成する。好ましくは成分(A−1)に含まれるTi原
子当たり5モル%以上、さらに好ましくは10モル%か
ら30モル%の量を生成させる。アルキルハライドの生
成メカニズムの詳細はよく判っていないが、成分(A−
1−b)のアルコキシチタンと成分(A−2)のハロゲ
ン化チタンが反応に関与し、チタン含量の増加およびア
ルキルハライドの生成を生じさせるものと推定する。ア
ルキルハライドの生成量は成分(A−1)と成分(A−
2)を接触して反応せしめた後の反応液をガスクロマト
グラフィー等で分析することによって知ることができ
る。
【0027】<成分(B)有機アルミニウム化合物>成
分(B)として使用するのに適した有機アルミニウム化
合物の具体例としては、R6 3-p AlXp またはR7
3-q Al(OR8 q (ここで、R6 およびR 7 は各々
同一または異なってもよい炭素数1〜20程度の炭化水
素残基または水素原子、R8 は炭化水素残基、Xはハロ
ゲン、pおよびqはそれぞれ0≦p<3、0<q<3の
数、である)で表されるものがある。具体的には(イ)
トリアルキルアルミニウム、たとえば、トリメチルアル
ミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチル
アルミニウムおよびトリデシルアルミニウムなど、
(ロ)アルキルアルミニウムハライド、たとえば、ジエ
チルアルミニウムモノクロライド、ジイソブチルアルミ
ニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロ
ライドおよびエチルアルミニウムジクロライドなど、
(ハ)ジアルキルアルミニウムハイドライド、たとえ
ば、ジエチルアルミニウムハイドライドおよびジブチル
アルミニウムハイドライドなど、(ニ)アルミニウムア
ルコキシド、たとえば、ジエチルアルミニウムエトキシ
ドおよびジエチルアルミニウムフェノキシドなど、があ
げられる。中でもトリアルキルアルミニウムが好まし
く、特に炭素数1〜4の炭化水素残基を有するものが好
ましい。
【0028】これらの有機アルミニウム化合物は、各群
内および(または)各群間で2種以上併用することがで
きる。たとえば、トリエチルアルミニウムとジエチルア
ルミニウムアルコキシドの併用、ジエチルアルミニウム
モノクロライドとジエチルアルミニウムエトキシドの併
用、エチルアルミニウムジクロライドとジエチルアルミ
ニウムエトキシドの併用、トリエチルアルミニウムとジ
エチルアルミニウムエトキシドとジエチルアルミニウム
モノクロライドの併用等、があげられる。
【0029】<成分(A)と成分(B)の接触>成分
(A)と成分(B)は常法に従って接触させて用いるこ
とができ、重合槽に供給する前に予じめ接触させること
もでき、また、重合槽に夫々を供給することもできる。
成分(A)と成分(B)の割合は、成分(A)中のTi
原子当り成分(B)のAl原子の原子比が1〜200
0、好ましくは5〜500程度用いられる。
【0030】[エチレンの重合]エチレンまたはエチレ
ンとα−オレフィンとの共重合は、スラリー重合法、気
相重合法又は溶液重合法を使用して行われ、連続重合に
も回分重合にもあるいは予備重合を行う方式にも適用さ
れる。スラリー重合の場合の溶媒としては、ブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン等の炭化水素が用いられる。重合温度は、
室温から200℃、好ましくは50〜120℃、であ
る。分子量の調節は周知のように、一般に水素を用いて
行われる。
【0031】重合圧力は、常圧から250kg/c
2 、好ましくは2〜50kg/cm2である。エチレ
ンと共重合させるα−オレフィンは、炭素数3〜10の
ものが好ましい。このようなα−オレフィンは、最終目
的重合体の10モル%程度を占める迄の量を使用するの
が普通である。
【0032】このようにして得られた本発明のエチレン
重合体は、広い分子量分布を有するものである。すなわ
ち、本発明によるエチレン重合体の荷重10kgおよび
荷重2.16kgでのメルトインデックス(ASTM
D−1238−73)の比FRは:単独重合体では11
以上、好ましくは12以上である。
【0033】
【作用】本発明の固体触媒成分(A)を用いることによ
ってエチレン重合体の分子量分布が広くなる機構は必ず
しも明らかではないが、固体触媒成分(A)中のTi含
量が20重量%以上となる条件で固体成分(A−1)と
チタンのハロゲン化物(A−2)とを接触するときは、
マグネシウム化合物に担持されたチタン化合物によって
生じる活性点とは異種の活性点が生じる結果エチレン重
合体の分子量分布が広くなるものと推定される。
【0034】特にアルキルハライドが固体成分(A−
1)に含有されるTi原子当り5モル%以上が生じる条
件で固体成分(A−1)とチタンのハロゲン化物(A−
2)を接触するときは、異種の活性点が質的に又は数的
に多く発生し、しかもそれらの重合活性が高いものであ
る結果、エチレン重合体の分子量分布が広くなると共に
高活性の重合を可能とするものと考えられる。
【0035】
【実施例】
実施例1 1)成分(A)の合成 (1)成分(A−1)の合成 充分に窒素置換した内径10cmのフラスコに脱水およ
び脱酸素したn−ヘプタン100ミリリットルを導入
し、次いでMgCl2 を0.1モル、Ti(O−nC4
9 4 を0.2モル導入し、95℃にて1時間反応さ
せた。そのとき使用した攪拌翼の径は6cmであった。
反応終了後、40℃に温度を下げ、メチルハイドロジェ
ンポリシロキサン15ミリリットル導入し、攪拌回転数
20rpmにして3時間反応させた。反応終了後、生成
した固体成分をn−ヘプタンで洗浄し、乾燥した。この
もののTi担持率は15.0wt%であった。
【0036】(2)成分(A−1)と成分(A−2)の
反応 充分に窒素置換した500mlフラスコに上記(A−
1)成分30gをいれ、デカンを200mlを加えた。
90℃でテトラクロルチタン25ml(対Tiモル比
2.4)を30分かけて滴下し、温度を130℃に上げ
て3時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロ分
析することにより、ブチルクロリドの生成が、固体成分
(A−1)のTi原子に対して17.9モル%確認され
た。生成物をヘプタンで十分洗浄し、固体触媒成分
(A)を得た。このもののTi担持率は26.5wt%
であった。
【0037】(3)エチレンの重合 攪拌及び温度制御装置を有する内容積1.51のステン
レス鋼製オートクレーブに、充分に脱水及び脱酸素をし
たn−ヘプタンを800ミリリットル導入し、続いてト
リエチルアルミニウム270ミリグラム及び前述で合成
した触媒成分10ミリグラム導入した。80℃に水素
3.5kg/cm2 、さらにエチレンを3.5kg/c
2 導入して、全圧で7kg/cm2 とした。2時間重
合を行った。重合中はこれらの諸条件を一定に保った。
重合終了後エチレン及び水素をパージしてオートクレー
ブより内容物を取り出し、このポリマースラリーを濾過
して減圧で乾燥した。17.3gのポリマーが得られ
た。(固体触媒収率PY=1730g−PE/g固体触
媒)MI0.162,FR15.3であった。また、G
PCによりMw=1.95×105 Mw/Mn=7.6
5であった。
【0038】実施例2 実施例1と同様に合成した固体触媒成分を使用し、水素
エチレン分圧を表のように変えた以外は実施例1と同様
にエチレンの重合を行った。結果を表1に示す。
【0039】実施例3,4 成分(A−1)と成分(A−2)の反応時間を6.9時
間にする以外は、実施例1と同様に固体触媒成分を合成
し、同様にエチレンの重合を行った。結果を表1に示
す。
【0040】比較例 成分(A−1)と成分(A−2)の反応温度と時間を3
0℃で3時間、引き続き90℃で3時間にする以外は、
実施例1と同様に固体触媒成分を合成した。このとき、
ブチルクロリドの生成は成分(A−1)中のTi原子当
り1.92モル%であった。同様にエチレンの重合を行
った。結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、高活性で広い分子量分
布を有するエチレン重合体を工業的規模で安定して製造
することができる。本発明のエチレン重合体は繊維やテ
ープのみならずパイプなどの中空成形品の製造にも有用
なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の理解を助けるためのフローチャート図で
ある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記触媒成分(A)および(B)からな
    る触媒に、エチレン、またはエチレンと炭素数3〜12
    のα−オレフィンを接触させて重合させることを特徴と
    するエチレン系重合体の製造法。 成分(A):下記の成分(A−1)、(A−2)を接触
    させて得られるチタン含量が20重量%以上である固体
    触媒成分。 (A−1):下記成分(A−1−a),(A−1−b)
    および(A−1−c)を接触させて得られる固体成分。 (A−1−a):ジハロゲン化マグネシウム (A−1−b):チタンアルコキシド (A−1−c):下記一般式で示される構造を繰返し単
    位とするポリマー状ケイ素化合物 【化1】 (ここで、R1 は炭素数1〜10の炭化水素残基を示
    す。) (A−2):チタンのハロゲン化物 成分(B):有機アルミニウム化合物
  2. 【請求項2】 固体成分(A−1)とチタンのハロゲン
    化物(A−2)とを、固体成分(A−1)に含有されて
    いるTi原子当り5モル%以上のアルキルハライドが生
    成する条件で接触させて得られた固体触媒成分(A)を
    用いる請求項1記載のエチレン系重合体の製造法。
  3. 【請求項3】 ジハロゲン化マグネシウム(A−1−
    a)とチタンアルコキシド(A−1−b)を予じめ接触
    させて溶液とした後、ポリマー状ケイ素化合物(A−1
    −c)を接触して固体とした固体成分(A−1)を用い
    る請求項1記載のエチレン系重合体の製造法。
  4. 【請求項4】 固体成分(A−1)とチタンのハロゲン
    化物(A−2)とを100〜200℃の温度下に接触し
    て得られた固体接触成分(A)を用いる請求項1記載の
    エチレン系重合体の製造法。
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