JP4037931B2 - オレフィン(共)重合触媒用固体触媒成分、オレフィン(共)重合触媒及びオレフィン(共)重合体の製造法 - Google Patents

オレフィン(共)重合触媒用固体触媒成分、オレフィン(共)重合触媒及びオレフィン(共)重合体の製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン(共)重合触媒用固体触媒成分、オレフィン(共)重合触媒およびオレフィン(共)重合体の製造法に関する。更に詳しくは、遷移金属当たりの活性が極めて高い固体触媒成分、該固体触媒成分を含有するオレフィン(共)重合触媒、および該触媒を用いた低分子量成分の少ないオレフィン(共)重合体を製造する方法に関するものである。また固体触媒成分の粒子形状を極めて良好に制御し、嵩密度が高く、微粉の少ない流動性良好なオレフィン(共)重合体を製造する方法に関するものである。
尚、本発明におけるオレフィン(共)重合体とは、オレフィンの単独重合体および/またはオレフィンと他のオレフィンとの共重合体を指す。
【0002】
【従来の技術】
オレフィン(共)重合体を製造する場合に使用する触媒の活性(単位触媒当りの重合量)、特に遷移金属当りの活性が高いことは、重合後に得られた重合体から触媒残渣を除去する必要がなく、重合体の製造工程を簡略化し得るので工業的に極めて利用価値が高いことは言うまでもない。
【0003】
一方、重合槽への付着が多いことは、操業上種々の障害を生じ操業効率を低下させる原因となる為、重合槽への付着はできる限り少ないことが望ましい。操業の安定性、操業効率の面から重合体粉末の嵩密度が高く、粒度分布が狭く、流動性が良好なことが望ましい。又、低分子量成分の有無はフィルムの透明性、耐衝撃性、ブロッキング性などを支配する因子であり、低分子量成分の少ないオレフィン(共)重合体を製造することが望ましい。
【0004】
近年、オレフィン(共)重合用触媒の分野においてマグネシウム化合物とチタン化合物の組み合わせにより、重合活性については飛躍的に向上している(特公昭46−34092号公報、特公昭47−41676号公報、特公昭55−23561号公報、特公昭57−24361号公報等)。しかしながら、これらの触媒系により生成するオレフィン(共)重合体は、粒子性状、ブロッキング性の点で満足のいくものではない。
【0005】
また、プロピレンの立体規則性重合において、内部ドナーとしてエステル等の酸素含有電子供与体等で処理することにより、高結晶性ポリマーを高活性で得ることができることが開示されている(特公昭52−39431号公報、特公昭52−36786号公報、特公平1−28049号公報、特公平3−43283号公報等)。しかしながら、これらの触媒系を用いてエチレンとα−オレフィンの共重合を行うことにより生成するオレフィン(共)重合体は、上記と同様、粒子性状、ブロッキング性の点で満足のいくものではない。
【0006】
一方、エチレンの重合において、低分子量成分を削減させる方法として、ハロゲン化マグネシウム化合物とチタンアミド化合物の反応により得られる固体成分と、有機アルミニウム化合物からなる触媒系が開示されている(特公昭47−42037号公報、特公昭54−9154号公報、特公昭56−14686号公報、EP320169号公報、特開平6−228223号公報等)。しかしながら、これらの触媒系を用いてエチレンとα−オレフィンの共重合を行った場合でも、重合活性、粒子性状という点で未だ不十分である。
【0007】
また、エチレンの重合において、低分子量成分を削減させる他の方法として、マグネシウム化合物とチタン化合物からなる固体成分を用いて重合する際に、有機アルミニウム化合物と、外部ドナーとして環状窒素含有化合物を添加する重合方法が開示されている(特開昭60−212408号公報、特公平6−53777号公報、特公平6−70107号公報、特開平6−220118号公報等)。しかしながら、これらの方法により、エチレンとα−オレフィンの共重合を行った場合においても、粒子性状、ブロッキング性の点で必ずしも満足のいくものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
かかる現状において、本発明が解決しようとする課題、即ち本発明の目的は、触媒残査の除去が不必要となるほど、遷移金属あたりの触媒活性が十分高い固体触媒成分および該固体触媒成分を含有する触媒を提供し、該触媒を用いて、低分子量成分が少ないオレフィン(共)重合体を製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはかかる課題につき鋭意検討を続けた結果、環状有機窒素化合物を含有する特定の固体触媒成分を見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち本発明は、Mg、Ti、OR基(Rは炭素原子数が1〜20の炭化水素基を表す。)を含有し、かつ、アルコキシチタン化合物を一般式R 9 MgX(式中、R 9 は炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を表わす。)で表わされる有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物である固体触媒成分前駆体(D)を、環状有機窒素化合物(C)及び少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)を含有する混合物、または、環状有機窒素化合物(C)、少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)及び電子供与性化合物を含有する混合物、のいずれかで処理して得られるオレフィン(共)重合触媒用固体触媒成分、ならびに、Mg、Ti、OR基(Rは炭素原子数が1〜20の炭化水素基を表す。)を含有し、かつ、アルコキシチタン化合物を一般式R 9 MgX(式中、R 9 は炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を表わす。)で表わされる有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物である固体触媒成分前駆体(D)を、環状有機窒素化合物(C)と少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)とで逐次的に、または、環状有機窒素化合物(C)と、少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)及び電子供与性化合物を含有する混合物とで逐次的に処理して得られるオレフィン(共)重合触媒用固体触媒成分にかかるものである。さらに本発明は、該オレフィン(共)重合触媒用固体触媒成分を含有するオレフィン(共)重合触媒、及び該オレフィン(共)重合触媒を用いるオレフィン(共)重合体の製造法にかかるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
(A)固体触媒成分
本発明の固体触媒成分(A)は、 Mg、Ti、OR基(Rは炭素原子数が1〜20の炭化水素基を表す。)を含有し、かつ、アルコキシチタン化合物を一般式R 9 MgX(式中、R 9 は炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を表わす。)で表わされる有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物である固体触媒成分前駆体(D)を、環状有機窒素化合物(C)及び少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)を含有する混合物、または、環状有機窒素化合物(C)、少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)及び電子供与性化合物を含有する混合物、のいずれかで処理して得られるか、あるいは、Mg、Ti、OR基(Rは炭素原子数が1〜20の炭化水素基を表す。)を含有し、かつ、アルコキシチタン化合物を一般式R 9 MgX(式中、R 9 は炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を表わす。)で表わされる有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物である固体触媒成分前駆体(D)を、環状有機窒素化合物(C)と少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)とで逐次的に、または、環状有機窒素化合物(C)と、少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)及び電子供与性化合物を含有する混合物とで逐次的に処理して得られる。
【0012】
(1)環状有機窒素化合物(C)
本発明で使用する環状有機窒素化合物(C)としては、3〜8員環の環状有機窒素化合物が好ましく用いられる。さらに好ましくは5〜6員環の脂肪族環状有機窒素化合物であり、中でもピペリジン、ピペリジン誘導体、ピロリジン、ピロリジン誘導体が好ましい。特に好ましくはピペリジンもしくはピペリジン誘導体である。ピペリジン誘導体の具体例としては、N−メチルピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、3,5−ジメチルピペリジン、N−メチル−2,6−ジメチルピペリジン、N−メチル−3,5−ジメチルピペリジン、2,2,6−トリメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2,2,4,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−アセチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、及び下記構造式の化合物等が挙げられる。
Figure 0004037931
【0013】
ピロリジン誘導体の具体例としては、N−メチルピロリジン、2,5−ジメチルピロリジン、N−メチル−2,5−ジメチルピロリジン、3,4−ジメチルピロリジン、N−メチル−3,4−ジメチルピロリジン、2,2,5−トリメチルピロリジン、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン、N−メチル−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン及び下記構造式の化合物等が挙げられる。
Figure 0004037931
【0014】
(2)固体触媒成分前駆体(D)
固体触媒成分前駆体(D)は、Mg、Ti、OR基(Rは炭素数が1〜20の炭化水素基を表す。)を含有する固体成分であり、製造する方法としては、例えば特公平3−43283号公報等に開示されたアルコキシチタン化合物を一般式R 9 MgX(式中、R 9 は炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を表わす。)で表わされる有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物の製造方法を挙げることができる。以降においては、この固体生成物よりなる固体触媒成分前駆体(D)及び固体触媒成分(A)の製造の具体例について説明する。
【0015】
(a)アルコキシチタン化合物
アルコキシチタン化合物は一般式Ti(OR1)a 4-a (式中、R1 は炭素原子数が1〜20の炭化水素基、Xはハロゲン原子、aは0<a≦4の数字を表わす。)で表わされる。
【0016】
1 の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、ブチル基、iso−ブチル基、アミル基、iso−アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等のシクロアルキル基、プロペニル基等のアリル基、ベンジル基等のアラルキル基等が例示される。
【0017】
これらの化合物のうち炭素原子数2〜18のアルキル基及び炭素原子数6〜18のアリール基が好ましい。特に炭素原子数2〜18の直鎖状アルキル基が好ましい。最も好ましくはn−ブチル基である。2種以上の異なるOR1 基を有するチタン化合物を用いることも可能である。
【0018】
Xで表わされるハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素が例示できる。特に塩素が好ましい結果を与える。
【0019】
一般式Ti(OR1)a 4-a で表わされるチタン化合物のaの値としては0<a≦4、好ましくは2≦a≦4、特に好ましくはa=4である。
【0020】
一般式Ti(OR1)a 4-a で表わされるチタン化合物の合成方法としては公知の方法が使用できる。例えばTi(OR1)4 とTiX4 を所定の割合で反応させる方法、あるいはTiX4 と対応するアルコール類を所定量反応させる方法が使用できる。
【0021】
(b)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物
アルコキシチタン化合物を有機マグネシウム化合物で還元する際には、Si−O結合を有する有機ケイ素化合物を共存させることが好ましくされる。かかるSi−O結合を有する有機ケイ素化合物としては、下記の一般式で表わされるものが挙げられる。
Si(OR3)b 4 4-b
5(R6 2SiO)c SiR7 3、または、
(R8 2SiO)d
ここにR3 は炭素原子数が1〜20の炭化水素基、R4 、R5 、R6 、R7 およびR8 は炭素原子数が1〜20の炭化水素基または水素原子であり、bは0<b≦4の数字であり、cは1〜1000の整数であり、dは2〜1000の整数である。
【0022】
かかる有機ケイ素化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリエトキシエチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、エトキシトリエチルシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、ジ−iso−プロポキシ−ジ−iso−プロピルシラン、テトラプロポキシシラン、ジプロポキシジプロピルシラン、テトラブトキシシラン、ジブトキシジブチルシラン、ジシクロペントキシジエチルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、シクロヘキシロキシトリメチルシラン、フェノキシトリメチルシラン、テトラフェノキシシラン、トリエトキシフェニルシラン、ヘキサメチルジシロヘキサン、ヘキサエチルジシロヘキサン、ヘキサプロピルジシロキサン、オクタエチルトリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルヒドロポリシロキサン、フェニルヒドロポリシロキサン等を例示することができる。
【0023】
これらの有機ケイ素化合物のうち好ましいものは一般式Si(OR3)b 4 4-bで表わされるアルコキシシラン化合物であり、好ましくは1≦b≦4であり、特にb=4のテトラアルコキシシラン化合物が好ましい。
【0024】
(c)有機マグネシウム化合物
次に、有機マグネシウム化合物は、一般式R9 MgX(式中、R9 は炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を表わす。)で表わされるグリニャール化合物が使用される。 9 具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−アミル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、フェニル基、ベンジル基等の炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基が挙げられる。特にR9 MgXで表されるグリニャール化合物をエーテル溶液で使用することが触媒性能の点から好ましい。
炭化水素に該有機マグネシウム化合物を可溶化する有機金属化合物との炭化水素可溶性錯体を使用することもできる。かかる有機金属化合物の例としては、Li、Be、B、AlまたはZnの有機金属化合物が挙げられる。
【0025】
(d)固体触媒成分前駆体(D)の合成
有機マグネシウム化合物によるチタン化合物の還元反応の方法としては、チタン化合物(a)および有機ケイ素化合物(b)の混合物に、有機マグネシウム化合物(c)を添加する方法、または逆の方法が挙げられる。
【0026】
チタン化合物(a)および有機ケイ素化合物(b)は適当な溶媒に溶解もしくは希釈して使用するのが好ましい。
かかる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭化水素、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル化合物が挙げられる。
【0027】
還元反応温度は、通常−50〜70℃、好ましくは−30〜50℃、特に好ましくは−25〜35℃の温度範囲である。
適下時間は特に制限はないが、通常30分〜6時間程度である。還元反応終了後、さらに20〜120℃の温度で後反応を行ってもよい。
【0028】
有機ケイ素化合物(b)の使用量は、チタン化合物(a)中のチタン原子に対するケイ素化合物の原子比で、通常Si/Ti=1〜500、好ましくは、1〜300、特に好ましくは3〜100の範囲である。
また、有機マグネシウム化合物(c)の使用量は、チタン原子とケイ素原子の和とマグネシウム原子の原子比で、通常Ti+Si/Mg=0.1〜10、好ましくは0.2〜5.0、特に好ましくは0.5〜2.0の範囲である。
【0029】
還元反応で得られる固体生成物は、固液分離し、ヘキサン、ヘプタン等の不活性炭化水素溶媒で数回洗浄を行う。
このようにして得られた固体触媒成分前駆体(D)は三価のチタン、マグネシウムおよびハイドロカルビルオキシ基を含有し、一般に非晶性もしくは極めて弱い結晶性を示す。触媒性能の点から、特に非晶性の構造が好ましい。
【0030】
(3)少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)
少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)としては、少なくとも1つのTi−Cl結合を有するチタン化合物が好ましい。具体的には、ハロゲン化チタン、ハロゲン化チタンアルコキシド、ハロゲン化チタンアミド等が挙げられるが、特に四塩化チタンが触媒活性の点から好ましい。
【0031】
(4)電子供与性化合物
また電子供与性化合物とは、酸素、窒素のような非共有電子対を有する原子を含有する化合物(但し、環状有機窒素化合物(C)を除く。)であり、具体的にはエーテル化合物、ケトン化合物、エステル化合物、カルボン酸化合物、アミン化合物、アミド化合物などが挙げられる。好ましくはエーテル化合物である。
化合物の具体例を挙げると、例えば、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジネオペンチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジ−n−オクチルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチル−n−ブチルエーテル、メチルイソアミルエーテル、メチルイソブチルエーテル等である。中でも、ジ−n−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテルが特に好ましい。
【0032】
(5)固体触媒成分(A)の合成
本発明の固体触媒成分(A)は、上記Mg、Ti、OR基(Rは炭素原子数が1〜20の炭化水素基を表す。)を含有し、かつ、アルコキシチタン化合物を一般式R 9 MgX(式中、R 9 は炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を表わす。)で表わされる有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物である固体触媒成分前駆体(D)を、環状有機窒素化合物(C)及び少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)を含有する混合物、または、環状有機窒素化合物(C)、少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)及び電子供与性化合物を含有する混合物、のいずれかで処理して得られるか、あるいは、上記Mg、Ti、OR基(Rは炭素原子数が1〜20の炭化水素基を表す。)を含有し、かつ、アルコキシチタン化合物を一般式R 9 MgX(式中、R 9 は炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を表わす。)で表わされる有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物である固体触媒成分前駆体(D)を、環状有機窒素化合物(C)と少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)とで逐次的に、または、環状有機窒素化合物(C)と、少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)及び電子供与性化合物を含有する混合物とで逐次的に処理して得られる。
また、以上の処理を2回以上繰り返してもかまわない。
【0033】
固体触媒成分前駆体(D)を、環状有機窒素化合物(C)とチタン化合物(E)とで逐次的に処理する場合、処理の順序は、環状有機窒素化合物(C)で先に処理しても、チタン化合物(E)で先に処理してもかまわないが、環状有機窒素化合物(C)で先に処理する方がより好ましい。固体触媒成分前駆体(D)を、環状有機窒素化合物(C)と、チタン化合物(E)及び電子供与性化合物を含有する混合物とで逐次的に処理する場合も同様である。
【0034】
以下では、固体触媒成分前駆体(D)を、環状有機窒素化合物(C)で先に処理する逐次処理法を例にとって説明する。
【0035】
環状有機窒素化合物(C)の使用量は、固体触媒成分前駆体(D)1gに対し、通常0.1〜1000ミリモル、好ましくは0.3〜500ミリモル、特に好ましくは0.5〜300ミリモルである。
【0036】
環状有機窒素化合物(C)による固体触媒成分前駆体(D)の処理は、スラリー法やボールミルなどによる機械的粉砕手段など両者を接触させうる公知のいかなる方法によっても行なうことができるが、機械的粉砕を行なうと固体触媒成分に微粉が多量に発生し、粒度分布が広くなり、工業的観点から好ましくない。希釈剤の存在下で両者を接触させるのが好ましい。
【0037】
希釈剤としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペンタンなどの脂環式炭化水素、1,2−ジクロルエタン、モノクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素が使用できる。
【0038】
希釈剤の使用量は固体触媒成分前駆体(D)1g当たり通常0.1ml〜1000mlである。好ましくは1g当たり1ml〜100mlである。処理温度は通常−50〜150℃であるが好ましくは0〜120℃である。処理時間は特に制限はないが、好ましくは1分〜3時間である。処理終了後、環状有機窒素化合物処理固体が得られる。この段階で環状有機窒素化合物処理固体を単離してもよいし、単離せずにスラリ−状態のまま次の処理に用いてもよい。
【0039】
次に上記方法で得られた環状有機窒素化合物処理固体を、少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)で処理する。この際、電子供与性化合物を共存させて処理することもできる。
【0040】
チタン化合物(E)での処理は、スラリー状態で行うのが好ましい。スラリー化するのに用いる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、デカリン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ジクロルエタン、トリクロルエタン、トリクロルエチレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
【0041】
スラリー濃度は通常0.05〜0.5g固体/ml溶媒、特に0.1〜0.4g固体/ml溶媒が好ましい。
処理温度は通常30〜150℃、好ましくは45〜120℃、特に好ましくは60〜100℃である。
処理時間は特に制限は無いが、通常30分〜20時間が好適である。
環状有機窒素化合物処理固体のチタン化合物(E)での処理は2回以上繰返し行ってもよい。
【0042】
環状有機窒素化合物処理固体、チタン化合物(E)を接触させる方法としては、環状有機窒素化合物処理固体にチタン化合物(E)を加える方法、逆に、チタン化合物(E)の溶液中に環状有機窒素化合物処理固体を加えるいずれの方法でもよい。あるいは、固体触媒成分前駆体(D)に環状有機窒素化合物(C)及びチタン化合物(E)を逐次的に加える方法でもよい。
【0043】
環状有機窒素化合物処理固体に電子供与性化合物およびチタン化合物(E)を加える方法においては、予め電子供与性化合物とチタン化合物(E)を混合した後加える方法、電子供与性化合物とチタン化合物(E)を同時に添加する方法が特に好ましい。
【0044】
チタン化合物(E)の添加量は、環状有機窒素化合物処理固体1gに対し、通常0.1〜1000ミリモル、好ましくは0.3〜500ミリモル、特に好ましくは0.5〜300ミリモルである。
【0045】
上記方法で得られた固体触媒成分(A)は、固液分離したのち、ヘキサン、ヘプタン等の不活性炭化水素溶媒で数回洗浄したのち重合に用いる。
固液分離後、多量のモノクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒或いはトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等を用いて50〜120℃の温度で1回以上洗浄し、更にヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒で数回洗浄を繰返したのち、重合に用いてもよい。
【0046】
他の逐次処理法や混合物処理法による固体触媒成分(A)の合成も、同様にして実施される。
以上のようにして得られた固体を固体触媒成分(A)として用いる。
【0047】
(B)有機アルミニウム化合物
本発明において、上述した固体触媒成分(A)と組み合せて使用する有機アルミニウム化合物(B)は、少なくとも分子内に1個のAl−炭素結合を有するものである。
代表的なものを一般式で下記に示す。
12 eAlY3-e
1314Al−(O−AlR15f 16
ここで、R12、R13、R14、R15およびR16は炭素原子数が1〜8個の炭化水素基、Yはハロゲン原子、水素原子またはアルコキシ基を表す。eは2≦e≦3で表される数字である。fは1≦f≦30で表される数字である。
【0048】
有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムハライド、トリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドの混合物、テトラエチルジアルモキサン、テトラブチルジアルモキサン、ポリメチルアルモキサン、ポリエチルアルモキサン等のアルキルアルモキサンが例示できる。
【0049】
これら有機アルミニウム化合物のうち、トリアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドの混合物、アルキルアルモキサンが好ましく、とりわけトリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロリドの混合物およびテトラエチルジアルモキサンが好ましい。
【0050】
有機アルミニウム化合物(B)の使用量は、固体触媒成分(A)中のチタン原子1モル当り通常1〜1000モルのごとく広範囲に選ぶことができるが、特に5〜600モルの範囲が好ましい。
【0051】
〔予備重合〕
本発明の固体触媒成分(A)はその使用前に予備重合することが好ましく行なわれる。予備重合する方法は上述の有機アルミニウム化合物(B)及びオレフィンを接触させて行なう。
オレフィンとしてはエチレン、プロピレン、ブテン−1などがあげられる。予備重合は単独重合でも共重合でもいずれでも可能である。
高結晶性の予備重合体を得る為に、公知の電子供与体や水素などを共存させてもよい。かかる電子供与体として、好ましくは、Si−OR結合(Rは炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)を有する有機化合物を用いることができる。
【0052】
本発明の固体触媒成分(A)を予備重合する際に、(A)をスラリー化することも好ましくされるが、その際の溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンとの脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等があげられる。
スラリー濃度は、通常0.001〜0.5g固体/ml溶媒、特に0.01〜0.3g固体/ml溶媒が好ましい。また、有機アルミニウム化合物をAl/Tiモル比が通常0.1〜100、特に1〜10となるような割合で用いるのが好ましい。
【0053】
予備重合温度は、通常−30〜80℃、特に−10℃〜50℃が好ましい。
予備重合量は固体触媒成分(A)1g当り通常0.1〜100g、特に0.5〜50gの範囲で行うことが好ましい。
【0054】
〔オレフィン(共)重合体の製造〕
本発明においては、上述の固体触媒成分または予備重合した固体触媒成分、及び有機アルミニウム化合物を用いて1種または2種以上のオレフィンを(共)重合することができる。
更に具体的な重合の態様を以下に示す。
【0055】
固体触媒成分及び有機アルミニウム化合物を重合槽に供給する方法としては、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、オレフィン等で水分のない状態で供給する以外は、特に制限すべき条件はない。
固体触媒成分、有機アルミニウム化合物は個別に供給してもよいし、あらかじめ接触させて供給してもよい。
【0056】
重合反応は通常の気相重合、スラリー重合等公知の方法により行うことができる。
重合の条件は通常重合体が溶融する温度以下、好ましくは20〜100℃、特に好ましくは40〜90℃の温度範囲、常圧〜40kg/cm2 の圧力の範囲で実施するのが好ましい。更に該(共)重合では最終製品の溶融流動性を調節する目的で、水素を分子量調節剤として添加して重合することができる。また、重合法は連続式でも回分式でもいずれでも可能である。
【0057】
本発明に適用できるオレフィンは、炭素原子数が2以上のものであり、具体例としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、3−メチル−ペンテン−1、4−メチルペンテン−1などが挙げられる。
【0058】
本発明による重合は、オレフィンの単独重合、または2種以上のオレフィンの共重合が可能である。特に、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンの1種または2種以上の共重合が好ましい。この場合、エチレンと1種またはそれ以上のα−オレフィンを混合した状態で接触させることによりエチレン共重合体を製造することができる。
【0059】
【実施例】
本発明の方法を以下に実施例をあげて、更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によってのみ限定されるものではない。
実施例における重合体の性質は下記の方法によって測定した。
【0060】
(1)密度はJIS K−6760に従って求めた。
【0061】
(2)フロウレート(FR)はASTM D1238に従い190℃で測定した。
【0062】
(3)溶融流動性の尺度として、流出量比(FRR)を採用した。FRRはASTM D1238におけるフロウレート(FR)の測定法において、21.60kgの荷重をかけたときの流出量(FR)との比として表される。
FRR=(荷重21.60kgのときの流出量)÷(荷重2.160kgのときの流出量)
一般に、重合体の分子量分布が広いほどFRRの値が大きくなることが知られている。
【0063】
(4)低分子量成分量については、25℃の冷キシレン抽出分量(以下CXSと略す。)によって評価できる。
【0064】
(5)組成分析は、Mg、Ti、Clについてはパーキンエルマー社製Optima3000を用い、ICP発光分析法により、アルコ−ルについては、島津製ガスクロマトグラフィ−GC−7A(PEG 6000 10% シマライト TPA 60/80)により、ピペリジン誘導体については島津製ガスクロマトグラフィ−GC−7A(アミパック 141)により行った。
【0065】
実施例1
(1)固体触媒成分前駆体(D)の合成
撹拌機、滴下ロートを備えた内容積500mlのフラスコを窒素で置換した後、ヘキサン160ml、テトラエトキシシラン44ml(196.4モル)、テトラブトキシチタン4.4ml(12.9モル)を投入し30℃で30分間撹拌した。
次に有機合成薬品工業(株)社製のブチルマグネシウムクロリド(ジブチルエーテル溶媒2.1モル/リットル)100mlをフラスコの温度を5℃に保ちながら滴下ロートから1時間かけて滴下した。滴下終了後、5℃で1時間、更に20℃で1時間撹拌した後、濾過、ヘキサン200mlで3回洗浄を繰り返し減圧乾燥して茶色の固体生成物(固体触媒成分前駆体(D))31.2gを得た。
【0066】
(2)固体触媒成分(A)の合成
撹拌機、滴下ロートを備えた内容積100mlのフラスコを窒素で置換した後、トルエン20ml、上記(1)において合成した、固体触媒成分前駆体(D)3.95g、2,6−ジメチルピペリジン(以下、2,6−DMPと略す。)2.4mlを室温にて投入した後、30分かけて70℃まで昇温した。70℃で30分間処理した後、TiCl4 2.0mlを加え95℃で3時間処理した。その後、95℃で固液分離し後、トルエン30mlで6回洗浄を行った。
更にヘキサン30mlで3回洗浄を繰り返した後、減圧乾燥して茶色の固体触媒成分3.90gを得た。
【0067】
(3)重合
内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブをアルゴンで十分置換した後、ブタン620g、ブテン−1 130g、水素650mmHgを加え、70℃に昇温した。次にエチレン6.0kg/cm2 を加えた。上記(2)で得られた固体触媒成分(A)25.4mg、トリエチルアルミニウム5.7ミリモルをアルゴンにより圧入して重合を開始した。その後エチレンを連続して供給しつつ全圧を一定に保ちながら70℃で3時間重合を行った。
重合終了後、未反応モノマーをパージしパウダー性状の良好なポリマー130gを得た。また、オートクレーブの内壁及び撹拌機には重合体が全く付着していなかった。
チタン原子1g当たりの重合体の生成量(触媒活性)は、197,000g重合体/gチタンであり、触媒活性は非常に高いものであった。また、この重合体について密度は0.9183、FRは0.72、FRRは27.6、CXSは10.6%であり、低分子量成分が少ないものであった。
【0068】
比較例1
実施例1(3)において、固体触媒成分(A)の代わりに実施例1(1)で合成した固体触媒成分前駆体(D)を100mg用いた以外は、実施例1と同様な方法で重合を実施した。
その結果少量のポリマーしか得られなかった。
【0069】
比較例2
実施例1(2)において、2,6−DMPを用いなかった以外は、実施例1と同様な方法で固体触媒成分の調製を行い、重合を実施した。その結果を表1に示す。触媒活性は実施例1と同様に高いものであったが、得られた重合体の低分子量成分は非常に多かった。
【0070】
実施例2
実施例1(2)において、固体触媒成分前駆体(D)を6.09g、2,6−DMPを2.7mlに変更した以外は、実施例1と同様な方法で固体触媒成分の調製を行い、重合を実施した。その結果を表1に示す。触媒活性は非常に高く、また得られた重合体の低分子量成分は少ないものであった。
【0071】
実施例3
【0072】
(1)固体触媒成分(A)の合成
内容積100mlのフラスコを窒素で置換した後、トルエン21ml、TiCl4 2.0ml、2,6−DMP 1.9mlを投入して室温で1時間処理した。撹拌機、滴下ロートを備えた内容積100mlのフラスコを窒素で置換した後、トルエン14ml、実施例1(1)において合成した、固体触媒成分前駆体(D)7.55gを投入し70℃まで昇温した。70℃になった後、先に調製した混合溶液を加え95℃に昇温し、8時間処理した。その後、95℃で固液分離し、トルエン38mで3回洗浄を行った。次に、トルエン40mlを投入し70℃に昇温し、TiCl4(1.89ml)を加え95℃に昇温し1時間処理した。反応後、95℃で固液分離後、トルエン(38ml)で5回洗浄を行った。更に室温でヘキサン28mlで2回洗浄を繰り返した後、減圧乾燥して固体触媒成分8.05gを得た。
【0073】
(2)重合
内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブをアルゴンで十分置換した後、ブタン610g、ブテン−1 140g、水素840mmHgを加え、70℃に昇温した。次にエチレン6.0kg/cm2 を加えた。上記(1)で得られた固体触媒成分(A)4.8mg、トリノルマルブチルアルミニウム5.7ミリモルをアルゴンにより圧入して重合を開始した。その後エチレンを連続して供給しつつ全圧を一定に保ちながら70℃で3時間重合を行った。
重合終了後、未反応モノマーをパージしパウダー性状の良好なポリマー82gを得た。また、オートクレーブの内壁及び撹拌機には重合体が全く付着していなかった。
チタン原子1g当たりの重合体の生成量(触媒活性)は、389,000g重合体/gチタンであり、触媒活性は非常に高いものであった。また、この重合体について密度は0.9198、FRは0.68、FRRは30.7、CXSは4.9%であり、低分子量成分が少ないものであった。
【0074】
【表1】
Figure 0004037931
【0075】
【発明の効果】
以上のごとく、本発明の触媒を使用することにより、遷移金属当たりの活性が極めて高く且つ低分子量成分の少ないオレフィン(共)重合体の製造が可能となる。また固体触媒成分の粒子形状を極めて良好に制御し、微粉の少ない流動性良好なオレフィン(共)重合体の製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の理解を助けるためのフローチャート図である。本フローチャート図は、本発明の実施態様の代表例であり、本発明は何等これに限定されるものではない。

Claims (5)

  1. 一般式Ti(OR 1 a 4-a (式中、R 1 は炭素原子数が1〜20の炭化水素基、Xはハロゲン原子、aは0<a≦4の数字を表す。)で表わされるチタン化合物を、一般式Si(OR 3 b 4 4-b (式中、R 3 は炭素原子数が1〜20の炭化水素基、R 4 は炭素原子数が1〜20の炭化水素基または水素原子であり、bは0<b≦4の数字を表す。)で表されるSi−O結合を有する有機ケイ素化合物の存在下に、一般式R 9 MgX(式中、R 9 は炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を表わす。)で表わされる有機マグネシウム化合物のエーテル溶液で還元して得られる固体生成物である固体触媒成分前駆体(D)を、ピペリジンもしくはピペリジン誘導体(C)及び少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)を含有する混合物、または、ピペリジンもしくはピペリジン誘導体(C)、少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)及び電子供与性化合物を含有する混合物、のいずれかで処理して得られることを特徴とするオレフィン(共)重合触媒用固体触媒成分。
  2. 一般式Ti(OR 1 a 4-a (式中、R 1 は炭素原子数が1〜20の炭化水素基、Xはハロゲン原子、aは0<a≦4の数字を表す。)で表わされるチタン化合物を、一般式Si(OR 3 b 4 4-b (式中、R 3 は炭素原子数が1〜20の炭化水素基、R 4 は炭素原子数が1〜20の炭化水素基または水素原子であり、bは0<b≦4の数字を表す。)で表されるSi−O結合を有する有機ケイ素化合物の存在下に、一般式R 9 MgX(式中、R 9 は炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン原子を表わす。)で表わされる有機マグネシウム化合物のエーテル溶液で還元して得られる固体生成物である固体触媒成分前駆体(D)を、ピペリジンもしくはピペリジン誘導体(C)と少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)とで逐次的に、または、ピペリジンもしくはピペリジン誘導体(C)と、少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)及び電子供与性化合物を含有する混合物とで逐次的に処理して得られることを特徴とするオレフィン(共)重合触媒用固体触媒成分。
  3. (A)請求項1または2に記載のオレフィン(共)重合触媒用固体触媒成分、及び(B)有機アルミニウム化合物からなることを特徴とするオレフィン(共)重合触媒。
  4. 請求項3記載のオレフィン(共)重合触媒を用いてオレフィンを(共)重合することを特徴とするオレフィン(共)重合体の製造法。
  5. オレフィン(共)重合体がエチレンと炭素数3以上のα−オレフィンの1種又は2種以上との共重合体であることを特徴とする、請求項4記載のオレフィン(共)重合体の製造法。
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