JPH09169810A - オレフィン(共)重合触媒用固体触媒成分、オレフィン(共)重合触媒及びオレフィン(共)重合体の製造法 - Google Patents

オレフィン(共)重合触媒用固体触媒成分、オレフィン(共)重合触媒及びオレフィン(共)重合体の製造法

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JPH09169810A
JPH09169810A JP27205496A JP27205496A JPH09169810A JP H09169810 A JPH09169810 A JP H09169810A JP 27205496 A JP27205496 A JP 27205496A JP 27205496 A JP27205496 A JP 27205496A JP H09169810 A JPH09169810 A JP H09169810A
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olefin
compound
catalyst component
solid catalyst
solid
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JP27205496A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Shiraishi
寛之 白石
Eiji Nakaishi
英二 中石
Takahiro Hino
高広 日野
Akio Imai
昭夫 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 触媒残査の除去が不必要となるほど、遷移金
属あたりの触媒活性が十分高い固体触媒成分および該固
体触媒成分を含有する触媒と低分子量成分が少なく、ま
た嵩密度が高く微粉の少ない流動性良好なオレフィン
(共)重合体を製造する方法。 【解決手段】 有機多孔質ポリマーに固定化された、M
g、Ti、OR基(Rは炭素原子数が1〜20の炭化水
素基を表す。)を含有する固体触媒成分前駆体(D)
を、環状有機窒素化合物(C)及び少なくとも1つのT
i−ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)を含有す
る混合物、または、(C)、(E)及び電子供与性化合
物を含有する混合物、のいずれかで処理して得られるオ
レフィン(共)重合触媒用固体触媒成分、ならびに、
(D)を、(C)と(E)とで逐次的に、または、
(C)と、(E)及び電子供与性化合物を含有する混合
物とで逐次的に処理して得られるオレフィン(共)重合
触媒用固体触媒成分。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン(共)
重合触媒用固体触媒成分、オレフィン(共)重合触媒お
よびオレフィン(共)重合体の製造法に関する。更に詳
しくは、遷移金属当たりの活性が極めて高い固体触媒成
分、該固体触媒成分を含有するオレフィン(共)重合触
媒、および該触媒を用いた低分子量成分の少ないオレフ
ィン(共)重合体を製造する方法に関するものである。
また固体触媒成分の粒子形状を極めて良好に制御し、嵩
密度が高く、微粉の少ない流動性良好なオレフィン
(共)重合体を製造する方法に関するものである。尚、
本発明におけるオレフィン(共)重合体とは、オレフィ
ンの単独重合体および/またはオレフィンと他のオレフ
ィンとの共重合体を指す。
【0002】
【従来の技術】オレフィン(共)重合体を製造する場合
に使用する触媒の活性(単位触媒当りの重合量)、特に
遷移金属当りの活性が高いことは、重合後に得られた重
合体から触媒残渣を除去する必要がなく、重合体の製造
工程を簡略化し得るので工業的に極めて利用価値が高い
ことは言うまでもない。
【0003】一方、重合槽への付着が多いことは、操業
上種々の障害を生じ操業効率を低下させる原因となる
為、重合槽への付着はできる限り少ないことが望まし
い。操業の安定性、操業効率の面から重合体粉末の嵩密
度が高く、粒度分布が狭く、流動性が良好なことが望ま
しい。又、低分子量成分の有無はフィルムの透明性、耐
衝撃性、ブロッキング性などを支配する因子であり、低
分子量成分の少ないオレフィン(共)重合体を製造する
ことが望ましい。
【0004】近年、オレフィン(共)重合用触媒の分野
においてマグネシウム化合物とチタン化合物の組み合わ
せにより、重合活性については飛躍的に向上している
(特公昭46−34092号公報、特公昭47−416
76号公報、特公昭55−23561号公報、特公昭5
7−24361号公報等)。しかしながら、これらの触
媒系により生成するオレフィン(共)重合体は、粒子性
状、ブロッキング性の点で満足のいくものではない。
【0005】また、プロピレンの立体規則性重合におい
て、内部ドナーとしてエステル等の酸素含有電子供与体
等で処理することにより、高結晶性ポリマーを高活性で
得ることができることが開示されている(特公昭52−
39431号公報、特公昭52−36786号公報、特
公平1−28049号公報、特公平3−43283号公
報等)。しかしながら、これらの触媒系を用いてエチレ
ンとα−オレフィンの共重合を行うことにより生成する
オレフィン(共)重合体は、上記と同様、粒子性状、ブ
ロッキング性の点で満足のいくものではない。
【0006】一方、エチレンの重合において、低分子量
成分を削減させる方法として、ハロゲン化マグネシウム
化合物とチタンアミド化合物の反応により得られる固体
成分と、有機アルミニウム化合物からなる触媒系が開示
されている(特公昭47−42037号公報、特公昭5
4−9154号公報、特公昭56−14686号公報、
EP320169号公報、特開平6−228223号公
報等)。しかしながら、これらの触媒系を用いてエチレ
ンとα−オレフィンの共重合を行った場合でも、重合活
性、粒子性状という点で未だ不十分である。
【0007】また、エチレンの重合において、低分子量
成分を削減させる他の方法として、マグネシウム化合物
とチタン化合物からなる固体成分を用いて重合する際
に、有機アルミニウム化合物と、外部ドナーとして環状
窒素含有化合物を添加する重合方法が開示されている
(特開昭60−212408号公報、特公平6−537
77号公報、特公平6−70107号公報、特開平6−
220118号公報等)。しかしながら、これらの方法
により、エチレンとα−オレフィンの共重合を行った場
合においても、粒子性状、ブロッキング性の点で必ずし
も満足のいくものではない。
【0008】一方、触媒の粒子性状を改良することを目
的として、多孔質無機担体に担持された触媒成分がいく
つか開示されているが(特開昭54−148093号公
報、特開昭56−24409号公報、特開昭58−17
9209号公報、GB2184448号公報、GB20
90841号公報等)、触媒活性、重合槽への付着、ブ
ロッキング性という点で未だ不十分である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状において、
本発明が解決しようとする課題、即ち本発明の目的は、
触媒残査の除去が不必要となるほど、遷移金属あたりの
触媒活性が十分高い固体触媒成分および該固体触媒成分
を含有する触媒を提供し、該触媒を用いて、低分子量成
分が少なく、また嵩密度が高く微粉の少ない流動性良好
なオレフィン(共)重合体を製造する方法を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる課題
につき鋭意検討を続けた結果、環状有機窒素化合物を含
有する特定の固体触媒成分を見出し、本発明を完成する
に至った。
【0011】即ち本発明は、有機多孔質ポリマーに固定
化された、Mg、Ti、OR基(Rは炭素原子数が1〜
20の炭化水素基を表す。)を含有する固体触媒成分前
駆体(D)を、環状有機窒素化合物(C)及び少なくと
も1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合物
(E)を含有する混合物、または、環状有機窒素化合物
(C)、少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有する
チタン化合物(E)及び電子供与性化合物を含有する混
合物、のいずれかで処理して得られるオレフィン(共)
重合触媒用固体触媒成分、ならびに、有機多孔質ポリマ
ーに固定化された、Mg、Ti、OR基(Rは炭素原子
数が1〜20の炭化水素基を表す。)を含有する固体触
媒成分前駆体(D)を、環状有機窒素化合物(C)と少
なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合
物(E)とで逐次的に、または、環状有機窒素化合物
(C)と、少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有す
るチタン化合物(E)及び電子供与性化合物を含有する
混合物とで逐次的に処理して得られるオレフィン(共)
重合触媒用固体触媒成分にかかるものである。さらに本
発明は、該オレフィン(共)重合触媒用固体触媒成分を
含有するオレフィン(共)重合触媒、及び該オレフィン
(共)重合触媒を用いるオレフィン(共)重合体の製造
法にかかるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。 (A)固体触媒成分 本発明の固体触媒成分(A)は、有機多孔質ポリマーに
固定化された、Mg、Ti、OR基(Rは炭素原子数が
1〜20の炭化水素基を表す。)を含有する固体触媒成
分前駆体(D)を、環状有機窒素化合物(C)及び少な
くとも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合物
(E)を含有する混合物、または、環状有機窒素化合物
(C)、少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有する
チタン化合物(E)及び電子供与性化合物を含有する混
合物、のいずれかで処理して得られるか、あるいは、有
機多孔質ポリマーに固定化された、Mg、Ti、OR基
(Rは炭素原子数が1〜20の炭化水素基を表す。)を
含有する固体触媒成分前駆体(D)を、環状有機窒素化
合物(C)と少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有
するチタン化合物(E)とで逐次的に、または、環状有
機窒素化合物(C)と、少なくとも1つのTi−ハロゲ
ン結合を有するチタン化合物(E)及び電子供与性化合
物を含有する混合物とで逐次的に処理して得られる。
【0013】(1)環状有機窒素化合物(C) 本発明で使用する環状有機窒素化合物(C)としては、
3〜8員環の環状有機窒素化合物が好ましく用いられ
る。さらに好ましくは5〜6員環の脂肪族環状有機窒素
化合物であり、中でもピペリジン、ピペリジン誘導体、
ピロリジン、ピロリジン誘導体が好ましい。特に好まし
くはピペリジンもしくはピペリジン誘導体である。ピペ
リジン誘導体の具体例としては、N−メチルピペリジ
ン、2,6−ジメチルピペリジン、3,5−ジメチルピ
ペリジン、N−メチル−2,6−ジメチルピペリジン、
N−メチル−3,5−ジメチルピペリジン、2,2,6
−トリメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン、N−メチル−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン、2,2,4,6,6−ペンタメチルピ
ペリジン、4−アセチルオキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン、及び下記構造式の化合物等が挙げ
られる。
【0014】ピロリジン誘導体の具体例としては、N−
メチルピロリジン、2,5−ジメチルピロリジン、N−
メチル−2,5−ジメチルピロリジン、3,4−ジメチ
ルピロリジン、N−メチル−3,4−ジメチルピロリジ
ン、2,2,5−トリメチルピロリジン、2,2,5,
5−テトラメチルピロリジン、N−メチル−2,2,
5,5−テトラメチルピロリジン及び下記構造式の化合
物等が挙げられる。
【0015】(2)固体触媒成分前駆体(D) 固体触媒成分前駆体(D)は、有機多孔質ポリマーに固
定化された、Mg、Ti、OR基(Rは炭素数が1〜2
0の炭化水素基を表す。)を含有する固体成分であり、
製造する方法としては、例えば、有機多孔質ポリマーの
存在下に、特公平3−43283号公報等に開示された
アルコキシチタン化合物を有機マグネシウム化合物で還
元して得られる固体生成物の製造方法を挙げることがで
きる。以降においては、この固体生成物よりなる固体触
媒成分前駆体(D)及び固体触媒成分(A)の製造の具
体例について説明する。
【0016】(a)アルコキシチタン化合物 アルコキシチタン化合物は一般式Ti(OR1)a 4-a
(式中、R1 は炭素原子数が1〜20の炭化水素基、X
はハロゲン原子、aは0<a≦4の数字を表わす。)で
表わされる。
【0017】R1 の具体例としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、iso−プロピル基、ブチル基、is
o−ブチル基、アミル基、iso−アミル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等
のアルキル基、フェニル基、クレジル基、キシリル基、
ナフチル基等のアリール基、シクロヘキシル基、シクロ
ペンチル基等のシクロアルキル基、プロペニル基等のア
リル基、ベンジル基等のアラルキル基等が例示される。
【0018】これらの化合物のうち炭素原子数2〜18
のアルキル基及び炭素原子数6〜18のアリール基が好
ましい。特に炭素原子数2〜18の直鎖状アルキル基が
好ましい。最も好ましくはn−ブチル基である。2種以
上の異なるOR1 基を有するチタン化合物を用いること
も可能である。
【0019】Xで表わされるハロゲン原子としては、塩
素、臭素、ヨウ素が例示できる。特に塩素が好ましい結
果を与える。
【0020】一般式Ti(OR1)a 4-a で表わされる
チタン化合物のaの値としては0<a≦4、好ましくは
2≦a≦4、特に好ましくはa=4である。
【0021】一般式Ti(OR1)a 4-a で表わされる
チタン化合物の合成方法としては公知の方法が使用でき
る。例えばTi(OR1)4 とTiX4 を所定の割合で反
応させる方法、あるいはTiX4 と対応するアルコール
類を所定量反応させる方法が使用できる。
【0022】(b)Si−O結合を有する有機ケイ素化
合物 アルコキシチタン化合物を有機マグネシウム化合物で還
元する際には、Si−O結合を有する有機ケイ素化合物
を共存させることが好ましくされる。かかるSi−O結
合を有する有機ケイ素化合物としては、下記の一般式で
表わされるものが挙げられる。 Si(OR3)b 4 4-b5(R6 2SiO)c SiR7 3、または、 (R8 2SiO)d ここにR3 は炭素原子数が1〜20の炭化水素基、
4 、R5 、R6 、R7 およびR8 は炭素原子数が1〜
20の炭化水素基または水素原子であり、bは0<b≦
4の数字であり、cは1〜1000の整数であり、dは
2〜1000の整数である。
【0023】かかる有機ケイ素化合物の具体例として
は、テトラメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、トリエトキシエチルシラ
ン、ジエトキシジエチルシラン、エトキシトリエチルシ
ラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、ジ−iso
−プロポキシ−ジ−iso−プロピルシラン、テトラプ
ロポキシシラン、ジプロポキシジプロピルシラン、テト
ラブトキシシラン、ジブトキシジブチルシラン、ジシク
ロペントキシジエチルシラン、ジエトキシジフェニルシ
ラン、シクロヘキシロキシトリメチルシラン、フェノキ
シトリメチルシラン、テトラフェノキシシラン、トリエ
トキシフェニルシラン、ヘキサメチルジシロヘキサン、
ヘキサエチルジシロヘキサン、ヘキサプロピルジシロキ
サン、オクタエチルトリシロキサン、ジメチルポリシロ
キサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルヒドロポリ
シロキサン、フェニルヒドロポリシロキサン等を例示す
ることができる。
【0024】これらの有機ケイ素化合物のうち好ましい
ものは一般式Si(OR3)b 4 4-bで表わされるアルコ
キシシラン化合物であり、好ましくは1≦b≦4であ
り、特にb=4のテトラアルコキシシラン化合物が好ま
しい。
【0025】(c)有機マグネシウム化合物 次に、有機マグネシウム化合物は、マグネシウム−炭素
の結合を有する任意の型の有機マグネシウム化合物を使
用することができる。特に一般式R9 MgX(式中、R
9 は炭素原子数1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン
原子を表わす。)で表わされるグリニャール化合物およ
び一般式R1011Mg(式中、R10およびR11は炭素原
子数1〜20の炭化水素基を表わす。)で表わされるジ
アルキルマグネシウム化合物やジアリールマグネシウム
化合物が好適に使用される。ここでR10、R11は同一で
も異なっていてもよい。R9 〜R11の具体例としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル
基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、iso−アミル基、ヘキシル基、オクチル基、2−
エチルヘキシル基、フェニル基、ベンジル基等の炭素数
1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ア
ルケニル基が挙げられる。特にR9 MgXで表されるグ
リニャール化合物をエーテル溶液で使用することが触媒
性能の点から好ましい。炭化水素に該有機マグネシウム
化合物を可溶化する有機金属化合物との炭化水素可溶性
錯体を使用することもできる。かかる有機金属化合物の
例としては、Li、Be、B、AlまたはZnの有機金
属化合物が挙げられる。
【0026】(d)有機多孔質ポリマー 本発明において使用される有機多孔質ポリマーの例とし
てはポリスチレン系、ポリアクリル酸エステル系、ポリ
メタクリル酸エステル系、ポリアクリロニトリル系、ポ
リ塩化ビニル系、ポリオレフィン系の多孔質ポリマービ
ーズ等が挙げられる。具体的にはポリスチレン、スチレ
ン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−N,N’−
アルキレンジメタクリルアミド共重合体、スチレン−エ
チレングリコールジメタクリレート共重合体、ポリアク
リル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、アクリル酸メチ
ル−ジビニルベンゼン共重合体、アクリル酸エチル−ジ
ビニルベンゼン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メ
タクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体、ポリエ
チレングリコールジメタクリレート、ポリアクリロニト
リル、アクリロニトリル−ジビニルベンゼン共重合体、
ポリ塩化ビニル、ポリビニルピロリジン、ポリビニルピ
リジン、エチルビニルベンゼン−ジビニルベンゼン共重
合体、ポリエチレン、エチレン−アクリル酸メチル共重
合体、ポリプロピレン等を挙げることができる。
【0027】これらの有機多孔質ポリマー担体のうち、
好ましくはポリスチレン系、ポリ塩化ビニル系、ポリオ
レフィン系、ポリアクリロニトリル系の多孔質ポリマー
ビーズが用いられ、更に好ましくはポリスチレン、スチ
レン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリ塩化ビニルが用
いられる。
【0028】有機多孔質ポリマー担体の平均粒径は通常
5〜1,000μm、好ましくは10〜500μm、特
に好ましくは15〜200μmである。そして細孔半径
100〜5,000Åにおける細孔容量が通常0.1c
c/g以上、好ましくは0.2cc/g以上、特に好ま
しくは0.3cc/g以上である。有機多孔質ポリマー
担体の細孔容量が小さいと、触媒成分を有効に含浸する
ことができないことがある。又、有機多孔質ポリマー担
体の細孔容量が0.1cc/g以上であっても、それが
100〜5,000Åの細孔半径に存在するものでなけ
れば触媒成分を有効に含浸することができないことがあ
る。
【0029】(e)固体触媒成分前駆体(D)の合成 有機マグネシウム化合物によるチタン化合物の還元反応
の方法としては、有機多孔質ポリマー(d)の存在下、
チタン化合物(a)および有機ケイ素化合物(b)の混
合物に、有機マグネシウム化合物(c)を添加する方
法、または逆の方法が挙げられる。その際、還元反応に
よる固体の析出は有機多孔質ポリマー粒子上で生じ、固
体生成物は有機多孔質ポリマーの形状を保持しており、
微粉が生成しないことが好ましい。
【0030】チタン化合物(a)、有機ケイ素化合物
(b)および有機多孔質ポリマー(d)は適当な溶媒に
溶解もしくは希釈して使用するのが好ましい。かかる溶
媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等
の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリ
ン等の脂環式炭化水素、ジエチルエーテル、ジブチルエ
ーテル、ジイソアミルエーテル、テトラヒドロフラン等
のエーテル化合物が挙げられる。
【0031】還元反応温度は、通常−50〜70℃、好
ましくは−30〜50℃、特に好ましくは−25〜35
℃の温度範囲である。適下時間は特に制限はないが、通
常30分〜6時間程度である。還元反応終了後、さらに
20〜120℃の温度で後反応を行ってもよい。
【0032】有機ケイ素化合物(b)の使用量は、チタ
ン化合物(a)中のチタン原子に対するケイ素化合物の
原子比で、通常Si/Ti=1〜500、好ましくは、
1〜300、特に好ましくは3〜100の範囲である。
また、有機マグネシウム化合物(c)の使用量は、チタ
ン原子とケイ素原子の和とマグネシウム原子の原子比
で、通常Ti+Si/Mg=0.1〜10、好ましくは
0.2〜5.0、特に好ましくは0.5〜2.0の範囲
である。有機多孔質ポリマー(d)の使用量は通常、固
体生成物中におけるその重量が20〜90重量%、好ま
しくは30〜80重量%の範囲である。
【0033】還元反応で得られる固体生成物は、固液分
離し、ヘキサン、ヘプタン等の不活性炭化水素溶媒で数
回洗浄を行う。このようにして得られた固体触媒成分前
駆体(D)は三価のチタン、マグネシウムおよびハイド
ロカルビルオキシ基を含有し、一般に非晶性もしくは極
めて弱い結晶性を示す。触媒性能の点から、特に非晶性
の構造が好ましい。
【0034】(3)少なくとも1つのTi−ハロゲン結
合を有するチタン化合物(E) 少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化
合物(E)としては、少なくとも1つのTi−Cl結合
を有するチタン化合物が好ましい。具体的には、ハロゲ
ン化チタン、ハロゲン化チタンアルコキシド、ハロゲン
化チタンアミド等が挙げられるが、特に四塩化チタンが
触媒活性の点から好ましい。
【0035】(4)電子供与性化合物 また電子供与性化合物とは、酸素、窒素のような非共有
電子対を有する原子を含有する化合物(但し、環状有機
窒素化合物(C)を除く。)であり、具体的にはエーテ
ル化合物、ケトン化合物、エステル化合物、カルボン酸
化合物、アミン化合物、アミド化合物などが挙げられ
る。好ましくはエーテル化合物である。化合物の具体例
を挙げると、例えば、ジエチルエーテル、ジ−n−プロ
ピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチ
ルエーテル、ジネオペンチルエーテル、ジ−n−ヘキシ
ルエーテル、ジ−n−オクチルエーテル、ジイソアミル
エーテル、メチル−n−ブチルエーテル、メチルイソア
ミルエーテル、メチルイソブチルエーテル等である。中
でも、ジ−n−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル
が特に好ましい。
【0036】(5)固体触媒成分(A)の合成 本発明の固体触媒成分(A)は、上記有機多孔質ポリマ
ーに固定化された、Mg、Ti、OR基(Rは炭素原子
数が1〜20の炭化水素基を表す。)を含有する固体触
媒成分前駆体(D)を、環状有機窒素化合物(C)及び
少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化
合物(E)を含有する混合物、または、環状有機窒素化
合物(C)、少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を有
するチタン化合物(E)及び電子供与性化合物を含有す
る混合物、のいずれかで処理して得られるか、あるい
は、上記有機多孔質ポリマーに固定化された、Mg、T
i、OR基(Rは炭素原子数が1〜20の炭化水素基を
表す。)を含有する固体触媒成分前駆体(D)を、環状
有機窒素化合物(C)と少なくとも1つのTi−ハロゲ
ン結合を有するチタン化合物(E)とで逐次的に、また
は、環状有機窒素化合物(C)と、少なくとも1つのT
i−ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)及び電子
供与性化合物を含有する混合物とで逐次的に処理して得
られる。また、以上の処理を2回以上繰り返してもかま
わない。
【0037】固体触媒成分前駆体(D)を、環状有機窒
素化合物(C)とチタン化合物(E)とで逐次的に処理
する場合、処理の順序は、環状有機窒素化合物(C)で
先に処理しても、チタン化合物(E)で先に処理しても
かまわないが、環状有機窒素化合物(C)で先に処理す
る方がより好ましい。固体触媒成分前駆体(D)を、環
状有機窒素化合物(C)と、チタン化合物(E)及び電
子供与性化合物を含有する混合物とで逐次的に処理する
場合も同様である。
【0038】以下では、固体触媒成分前駆体(D)を、
環状有機窒素化合物(C)で先に処理する逐次処理法を
例にとって説明する。
【0039】環状有機窒素化合物(C)の使用量は、固
体触媒成分前駆体(D)1gに対し、通常0.1〜10
00ミリモル、好ましくは0.3〜500ミリモル、特
に好ましくは0.5〜300ミリモルである。
【0040】環状有機窒素化合物(C)による固体触媒
成分前駆体(D)の処理は、スラリー法やボールミルな
どによる機械的粉砕手段など両者を接触させうる公知の
いかなる方法によっても行なうことができるが、機械的
粉砕を行なうと固体触媒成分に微粉が多量に発生し、粒
度分布が広くなり、工業的観点から好ましくない。希釈
剤の存在下で両者を接触させるのが好ましい。
【0041】希釈剤としては、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、シクロヘキサ
ン、シクロペンタンなどの脂環式炭化水素、1,2−ジ
クロルエタン、モノクロルベンゼン等のハロゲン化炭化
水素が使用できる。
【0042】希釈剤の使用量は固体触媒成分前駆体
(D)1g当たり通常0.1ml〜1000mlであ
る。好ましくは1g当たり1ml〜100mlである。
処理温度は通常−50〜150℃であるが好ましくは0
〜120℃である。処理時間は特に制限はないが、好ま
しくは1分〜3時間である。処理終了後、環状有機窒素
化合物処理固体が得られる。この段階で環状有機窒素化
合物処理固体を単離してもよいし、単離せずにスラリ−
状態のまま次の処理に用いてもよい。
【0043】次に上記方法で得られた環状有機窒素化合
物処理固体を、少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を
有するチタン化合物(E)で処理する。この際、電子供
与性化合物を共存させて処理することもできる。
【0044】チタン化合物(E)での処理は、スラリー
状態で行うのが好ましい。スラリー化するのに用いる溶
媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素、デカリン、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ジクロルエタン、
トリクロルエタン、トリクロルエチレン、モノクロルベ
ンゼン、ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼン等のハ
ロゲン化炭化水素が挙げられる。
【0045】スラリー濃度は通常0.05〜0.5g固
体/ml溶媒、特に0.1〜0.4g固体/ml溶媒が
好ましい。処理温度は通常30〜150℃、好ましくは
45〜120℃、特に好ましくは60〜100℃であ
る。処理時間は特に制限は無いが、通常30分〜20時
間が好適である。環状有機窒素化合物処理固体のチタン
化合物(E)での処理は2回以上繰返し行ってもよい。
【0046】環状有機窒素化合物処理固体、チタン化合
物(E)を接触させる方法としては、環状有機窒素化合
物処理固体にチタン化合物(E)を加える方法、逆に、
チタン化合物(E)の溶液中に環状有機窒素化合物処理
固体を加えるいずれの方法でもよい。あるいは、固体触
媒成分前駆体(D)に環状有機窒素化合物(C)及びチ
タン化合物(E)を逐次的に加える方法でもよい。
【0047】環状有機窒素化合物処理固体に電子供与性
化合物およびチタン化合物(E)を加える方法において
は、予め電子供与性化合物とチタン化合物(E)を混合
した後加える方法、電子供与性化合物とチタン化合物
(E)を同時に添加する方法が特に好ましい。
【0048】チタン化合物(E)の添加量は、環状有機
窒素化合物処理固体1gに対し、通常0.1〜1000
ミリモル、好ましくは0.3〜500ミリモル、特に好
ましくは0.5〜300ミリモルである。
【0049】上記方法で得られた固体触媒成分(A)
は、固液分離したのち、ヘキサン、ヘプタン等の不活性
炭化水素溶媒で数回洗浄したのち重合に用いる。固液分
離後、多量のモノクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水
素溶媒或いはトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等
を用いて50〜120℃の温度で1回以上洗浄し、更に
ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒で数回洗浄を繰返した
のち、重合に用いてもよい。
【0050】他の逐次処理法や混合物処理法による固体
触媒成分(A)の合成も、同様にして実施される。以上
のようにして得られた固体を固体触媒成分(A)として
用いる。
【0051】(B)有機アルミニウム化合物 本発明において、上述した固体触媒成分(A)と組み合
せて使用する有機アルミニウム化合物(B)は、少なく
とも分子内に1個のAl−炭素結合を有するものであ
る。代表的なものを一般式で下記に示す。 R12 eAlY3-e1314Al−(O−AlR15f 16 ここで、R12、R13、R14、R15およびR16は炭素原子
数が1〜8個の炭化水素基、Yはハロゲン原子、水素原
子またはアルコキシ基を表す。eは2≦e≦3で表され
る数字である。fは1≦f≦30で表される数字であ
る。
【0052】有機アルミニウム化合物の具体例として
は、トリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミ
ニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキ
シルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエ
チルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミ
ニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイド
ライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド、ジエ
チルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウ
ムハライド、トリアルキルアルミニウムとジアルキルア
ルミニウムハライドの混合物、テトラエチルジアルモキ
サン、テトラブチルジアルモキサン、ポリメチルアルモ
キサン、ポリエチルアルモキサン等のアルキルアルモキ
サンが例示できる。
【0053】これら有機アルミニウム化合物のうち、ト
リアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウムと
ジアルキルアルミニウムハライドの混合物、アルキルア
ルモキサンが好ましく、とりわけトリエチルアルミニウ
ム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウムとジエチルアルミニウムクロリドの混合物お
よびテトラエチルジアルモキサンが好ましい。
【0054】有機アルミニウム化合物(B)の使用量
は、固体触媒成分(A)中のチタン原子1モル当り通常
1〜1000モルのごとく広範囲に選ぶことができる
が、特に5〜600モルの範囲が好ましい。
【0055】〔予備重合〕本発明の固体触媒成分(A)
はその使用前に予備重合することが好ましく行なわれ
る。予備重合する方法は上述の有機アルミニウム化合物
(B)及びオレフィンを接触させて行なう。オレフィン
としてはエチレン、プロピレン、ブテン−1などがあげ
られる。予備重合は単独重合でも共重合でもいずれでも
可能である。高結晶性の予備重合体を得る為に、公知の
電子供与体や水素などを共存させてもよい。かかる電子
供与体として、好ましくは、Si−OR結合(Rは炭素
数1〜20の炭化水素基を表す。)を有する有機化合物
を用いることができる。
【0056】本発明の固体触媒成分(A)を予備重合す
る際に、(A)をスラリー化することも好ましくされる
が、その際の溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタンとの脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素等があげられる。スラリー濃度は、通常0.00
1〜0.5g固体/ml溶媒、特に0.01〜0.3g
固体/ml溶媒が好ましい。また、有機アルミニウム化
合物をAl/Tiモル比が通常0.1〜100、特に1
〜10となるような割合で用いるのが好ましい。
【0057】予備重合温度は、通常−30〜80℃、特
に−10℃〜50℃が好ましい。予備重合量は固体触媒
成分(A)1g当り通常0.1〜100g、特に0.5
〜50gの範囲で行うことが好ましい。
【0058】〔オレフィン(共)重合体の製造〕本発明
においては、上述の固体触媒成分または予備重合した固
体触媒成分、及び有機アルミニウム化合物を用いて1種
または2種以上のオレフィンを(共)重合することがで
きる。更に具体的な重合の態様を以下に示す。
【0059】固体触媒成分及び有機アルミニウム化合物
を重合槽に供給する方法としては、窒素、アルゴン等の
不活性ガス、水素、オレフィン等で水分のない状態で供
給する以外は、特に制限すべき条件はない。固体触媒成
分、有機アルミニウム化合物は個別に供給してもよい
し、あらかじめ接触させて供給してもよい。
【0060】重合反応は通常の気相重合、スラリー重合
等公知の方法により行うことができる。重合の条件は通
常重合体が溶融する温度以下、好ましくは20〜100
℃、特に好ましくは40〜90℃の温度範囲、常圧〜4
0kg/cm2 の圧力の範囲で実施するのが好ましい。
更に該(共)重合では最終製品の溶融流動性を調節する
目的で、水素を分子量調節剤として添加して重合するこ
とができる。また、重合法は連続式でも回分式でもいず
れでも可能である。
【0061】本発明に適用できるオレフィンは、炭素原
子数が2以上のものであり、具体例としては、エチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン
−1、3−メチル−ペンテン−1、4−メチルペンテン
−1などが挙げられる。
【0062】本発明による重合は、オレフィンの単独重
合、または2種以上のオレフィンの共重合が可能であ
る。特に、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンの
1種または2種以上の共重合が好ましい。この場合、エ
チレンと1種またはそれ以上のα−オレフィンを混合し
た状態で接触させることによりエチレン共重合体を製造
することができる。
【0063】
【実施例】本発明の方法を以下に実施例をあげて、更に
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によってのみ
限定されるものではない。実施例における重合体の性質
は下記の方法によって測定した。
【0064】(1)密度はJIS K−6760に従っ
て求めた。
【0065】(2)フロウレート(FR)はASTM
D1238に従い190℃で測定した。
【0066】(3)溶融流動性の尺度として、流出量比
(FRR)を採用した。FRRはASTM D1238
におけるフロウレート(FR)の測定法において、2
1.60kgの荷重をかけたときの流出量(FR)との
比として表される。 FRR=(荷重21.60kgのときの流出量)÷(荷
重2.160kgのときの流出量) 一般に、重合体の分子量分布が広いほどFRRの値が大
きくなることが知られている。
【0067】(4)低分子量成分量については、25℃
の冷キシレン抽出分量(以下CXSと略す。)によって
評価できる。
【0068】(5)組成分析は、Mg、Ti、Clにつ
いてはパーキンエルマー社製Optima3000を用
い、ICP発光分析法により、アルコ−ルについては、
島津製ガスクロマトグラフィ−GC−7A(PEG 6
000 10% シマライトTPA 60/80)によ
り、ピペリジン誘導体については島津製ガスクロマトグ
ラフィ−GC−7A(アミパック 141)により行っ
た。
【0069】実施例1 (1)固体触媒成分前駆体(D)の合成 撹拌機、滴下ロートを備えた内容積1,000mlのフ
ラスコを窒素で置換した後、スチレン−ジビニルベンゼ
ン共重合体(平均粒径が37μmであり、ポロシメータ
ー測定の結果細孔半径100〜5,000Å間における
細孔容量(cc/g)(以下dVpと略す。)がdVp
=1.05cc/gであった。)を80℃で5時間乾燥
したもの51.0gとヘプタン250ml、テトラエト
キシシラン47.5ml(228ミリモル)、テトラブ
トキシチタン4.5g(13.2ミリモル)を投入し3
0℃で30分間撹拌した。次に有機合成薬品工業(株)
社製のブチルマグネシウムクロリド(ジブチルエーテル
溶媒2.1モル/リットル)114mlをフラスコの温
度を5℃に保ちながら滴下ロートから1時間かけて滴下
した。滴下終了後、5℃で1時間、更に20℃で1時間
撹拌した後、濾過、ヘキサン300mlで3回洗浄を繰
り返し減圧乾燥して茶色の固体生成物(固体触媒成分前
駆体(D))85.2gを得た。
【0070】(2)固体触媒成分(A)の合成 撹拌機、滴下ロートを備えた内容積100mlのフラス
コを窒素で置換した後、トルエン29ml、上記(1)
において合成した、固体触媒成分前駆体(D)5.7g
を室温にて投入した後、30分かけて95℃まで昇温し
た。それから2,6−ジメチルピペリジン(以下、2,
6−DMPと略す。)2.6mlを投入し95℃で30
分間処理した後、TiCl4 2.9mlを加え95℃で
3時間処理した。その後、95℃で固液分離し、トルエ
ン30mlで6回洗浄を行った。更にヘキサン30ml
で3回洗浄を繰り返した後、減圧乾燥して茶色の固体触
媒成分(A)5.43gを得た。
【0071】(3)重合 内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブをアルゴ
ンで十分置換した後、ブタン650g、1−ブテン15
0g、水素650mmHgを加え、70℃に昇温した。
次にエチレン6.0kg/cm2 を加えた。上記(2)
で得られた固体触媒成分(A)29.4mg、トリエチ
ルアルミニウム5.7ミリモルをアルゴンにより圧入し
て重合を開始した。その後エチレンを連続して供給しつ
つ全圧を一定に保ちながら70℃で3時間重合を行っ
た。重合終了後、未反応モノマーをパージし、嵩密度が
0.35g/cm3 と高く、パウダー性状の良好なポリ
マー76gを得た。また、オートクレーブの内壁及び撹
拌機には重合体が全く付着していなかった。チタン原子
1g当たりの重合体の生成量(触媒活性)は、132,
000g重合体/gチタンであり、触媒活性は非常に高
いものであった。また、この重合体について密度は0.
9179、FRは1.19、FRRは26.4、CXS
は9.4%であり、低分子量成分が少ないものであっ
た。
【0072】比較例1 実施例1(3)重合において、固体触媒成分(A)の代
わりに実施例1(1)で合成した固体触媒成分前駆体
(D)を100mg用いた以外は、実施例1と同様な方
法で重合を実施した。その結果少量のポリマーしか得ら
れなかった。
【0073】比較例2 実施例1(2)固体触媒成分(A)の合成において、
2,6−DMPを用いなかった以外は、実施例1と同様
な方法で固体触媒成分の調整を行い、重合を実施した。
その結果を表1に示す。触媒活性は実施例1と同様に高
いものであったが、得られた重合体のCXSは高く、低
分子量成分が非常に多かった。嵩密度は0.21g/c
3 と低かった。
【0074】実施例2 (1)固体触媒成分(A)の合成 撹拌機、滴下ロートを備えた内容積100mlのフラス
コを窒素で置換した後、トルエン34ml、実施例1
(1)において合成した固体触媒成分前駆体(D)6.
7g、2,6−DMP3.1mlを室温にて投入した
後、30分かけて70℃まで昇温した。70℃で30分
間処理した後、TiCl4 3.4mlを加え95℃で3
時間処理した。その後、95℃で固液分離し後、トルエ
ン40mlで6回洗浄を行った。更にヘキサン40ml
で3回洗浄を繰り返した後、減圧乾燥して茶色の固体触
媒成分(A)8.21gを得た。
【0075】(2)重合 上記(1)で合成した固体触媒成分(A)を用いて、実
施例1と同様な方法で重合を実施した。その結果を表1
に示す。触媒活性は非常に高く、また得られた重合体の
低分子量成分は少ないものであった。嵩密度は0.35
g/cm3 と高かった。
【0076】実施例3 実施例2(2)重合において、トリエチルアルミニウム
の代わりにトリイソブチルアルミニウムを用いた以外
は、実施例2と同様な方法で重合を行った。その結果を
表1に示す。触媒活性は非常に高く、また得られた重合
体の低分子量成分は少ないものであった。嵩密度は0.
40g/cm3 と高かった。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】以上のごとく、本発明の触媒を使用する
ことにより、遷移金属当たりの活性が極めて高く且つ低
分子量成分の少ないオレフィン(共)重合体の製造が可
能となる。また固体触媒成分の粒子形状を極めて良好に
制御し、微粉の少ない流動性良好なオレフィン(共)重
合体の製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の理解を助けるためのフローチャ
ート図である。本フローチャート図は、本発明の実施態
様の代表例であり、本発明は何等これに限定されるもの
ではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 昭夫 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機多孔質ポリマーに固定化された、M
    g、Ti、OR基(Rは炭素原子数が1〜20の炭化水
    素基を表す。)を含有する固体触媒成分前駆体(D)
    を、環状有機窒素化合物(C)及び少なくとも1つのT
    i−ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)を含有す
    る混合物、または、環状有機窒素化合物(C)、少なく
    とも1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合物
    (E)及び電子供与性化合物を含有する混合物、のいず
    れかで処理して得られることを特徴とするオレフィン
    (共)重合触媒用固体触媒成分。
  2. 【請求項2】有機多孔質ポリマーに固定化された、M
    g、Ti、OR基(Rは炭素原子数が1〜20の炭化水
    素基を表す。)を含有する固体触媒成分前駆体(D)
    を、環状有機窒素化合物(C)と少なくとも1つのTi
    −ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)とで逐次的
    に、または、環状有機窒素化合物(C)と、少なくとも
    1つのTi−ハロゲン結合を有するチタン化合物(E)
    及び電子供与性化合物を含有する混合物とで逐次的に処
    理して得られることを特徴とするオレフィン(共)重合
    触媒用固体触媒成分。
  3. 【請求項3】固体触媒成分前駆体(D)が、アルコキシ
    チタン化合物を有機マグネシウム化合物で還元して得ら
    れる固体生成物であることを特徴とする請求項1または
    2記載のオレフィン(共)重合触媒用固体触媒成分。
  4. 【請求項4】固体触媒成分前駆体(D)が、一般式Ti
    (OR1)a 4-a (式中、R1 は炭素原子数が1〜20
    の炭化水素基、Xはハロゲン原子、aは0<a≦4の数
    字を表す。)で表わされるチタン化合物を、Si−O結
    合を有する有機ケイ素化合物および有機多孔質ポリマー
    の存在下に、有機マグネシウム化合物で還元して得られ
    る固体生成物であることを特徴とする請求項1または2
    記載のオレフィン(共)重合触媒用固体触媒成分。
  5. 【請求項5】環状有機窒素化合物(C)が、3〜8員環
    化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載のオレフィン(共)重合触媒用固体触媒成分。
  6. 【請求項6】環状有機窒素化合物(C)が、5〜6員環
    脂肪族環状有機窒素化合物であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載のオレフィン(共)重合触媒
    用固体触媒成分。
  7. 【請求項7】環状有機窒素化合物(C)が、ピペリジン
    もしくはピペリジン誘導体であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載のオレフィン(共)重合触媒
    用固体触媒成分。
  8. 【請求項8】(A)請求項1〜7のいずれかに記載のオ
    レフィン(共)重合触媒用固体触媒成分、及び(B)有
    機アルミニウム化合物からなることを特徴とするオレフ
    ィン(共)重合触媒。
  9. 【請求項9】請求項8記載のオレフィン(共)重合触媒
    を用いてオレフィンを(共)重合することを特徴とする
    オレフィン(共)重合体の製造法。
  10. 【請求項10】オレフィン(共)重合体がエチレンと炭
    素数3以上のα−オレフィンの1種又は2種以上との共
    重合体であることを特徴とする請求項9記載のオレフィ
    ン(共)重合体の製造法。
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