JPH1077130A - シート給送装置及び画像形成装置 - Google Patents

シート給送装置及び画像形成装置

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JPH1077130A
JPH1077130A JP8233848A JP23384896A JPH1077130A JP H1077130 A JPH1077130 A JP H1077130A JP 8233848 A JP8233848 A JP 8233848A JP 23384896 A JP23384896 A JP 23384896A JP H1077130 A JPH1077130 A JP H1077130A
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JP
Japan
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sheet
suction
sheet feeding
feeding device
cam
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JP8233848A
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English (en)
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Hiroshi Sugiyama
浩 杉山
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、部品点数を削減して装置の小型化
及びコストダウンを図り、シート吸着手段の吸着力の制
御を簡便にすると共に、該吸着力の値の調整を容易に行
うことが出来るシート給送装置及びこれを備えた画像形
成装置を提供することを可能にすることを目的としてい
る。 【解決手段】 駆動源により回転駆動される回転駆動軸
45にカム46,50,59が固定され、カム46により移動台42
がシート給送方向に移動し、カム50により吸着パッド51
を設けた回動アーム48が上下動し、カム59により吸着パ
ッド51に負圧を発生する吸引ポンプ53が作動するように
構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ、複写機
等の画像形成装置に装備されるシート給送装置に係り、
詳しくは、積層されたシートを吸着することによって一
枚ずつ分離,給送するシート給送装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来からプリンタ、複写機等のシート給
送装置の一手段として、シート載置手段上に積載された
シートを吸着することによって一枚ずつ分離,給送する
エア吸着方式が用いられている。
【0003】その構成は、吸着力発生手段により付与さ
れた吸着力によりシート載置手段上に載置されたシート
を吸着するシート吸着手段と、該シート吸着手段を移動
させて、該シート吸着手段により吸着されたシートを前
記シート載置手段よりもシート給送方向下流側に配置し
たシート給送手段に導く移動手段とを備え、一枚ずつ分
離されたシートを前記シート給送手段に受け渡して記録
部へと給送するようになっている。
【0004】前記吸着力発生手段は、通常、専用のモー
タを装備した比較的大型の負圧発生ポンプにより構成さ
れる。そして、負圧発生ポンプに接続されたシート吸着
手段によりシートを吸着し、シート給送手段に受け渡し
た後は、次のシートを吸着するまでの間は吸着力が不要
となり、むしろ、シートを確実にシート給送手段に受け
渡す際にシート吸着手段による吸着力が弊害となるので
負圧発生ポンプからシート吸着手段までのエア通路の間
で外気に連通させてシート吸着手段に作用する吸着力を
略零にするように制御される。
【0005】また、吸着力発生手段の発生する負圧値或
いは吸引容量は被吸着物であるシートの通気性により影
響を受けるため、例えば、普通紙等の比較的通気性の大
きいシートを使用する場合には、その通気性に対応して
所定の吸着力が得られるように負圧発生ポンプの負圧を
設定している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来の技術では、吸着力発生手段が専用のモータを装備
した比較的大型の負圧発生ポンプにより構成されるの
で、装置が大型化して省スペースの障害となり、更に
は、独立した駆動源を複数設けるために部品点数が増大
してコストアップになる。
【0007】また、独立した駆動源を複数設けて連携し
た制御を行う必要があるため、シート吸着手段によりシ
ートを吸着し、下流側に設けられたシート給送手段に受
け渡した後、シート吸着手段の吸着力を略零にするよう
に制御するための構成が複雑となる。
【0008】また、負圧発生ポンプにより発生する負圧
値或いは吸引容量を、普通紙等の比較的通気性の大きい
シートに対応させて設定した場合、樹脂フィルム等の比
較的通気性の小さいシートを使用する場合にシート吸着
手段の吸着力が必要以上に大きく作用し、シートを変形
させたり、シート吸着手段及び負圧発生ポンプに過負荷
となって耐久性の障害となり、無駄なエネルギーの消費
にもなるという問題がある。
【0009】本発明は前記課題を解決するものであり、
その目的とするところは、部品点数を削減して装置の小
型化及びコストダウンを図り、シート吸着手段の吸着力
の制御を簡便にすると共に、該吸着力の値の調整を容易
に行うことが出来るシート給送装置及びこれを備えた画
像形成装置を提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明に係る代表的な構成は、シートを載置するシー
ト載置手段と、吸着力発生手段により付与された吸着力
により前記シート載置手段に載置されたシートを吸着す
るシート吸着手段と、前記シート吸着手段を移動させ
て、該シート吸着手段により吸着されたシートを前記シ
ート載置手段よりもシート給送方向下流側に配置したシ
ート給送手段に導く移動手段とを備え、前記吸着力発生
手段が前記移動手段と連動して動作するように構成した
ことを特徴とするシート給送装置である。
【0011】上記構成によれば、シート載置手段上に載
置されたシートがシート吸着手段により吸着され、移動
手段によってシート給送手段に導かれる。また、前記吸
着力発生手段を、容器の内部体積を変化させる隔壁が往
復動作し、該隔壁の一方向動作の間に負圧を発生するよ
うに構成した場合には、シート吸着手段がシート載置手
段上に載置されたシートを吸着して分離し、シート給送
手段に受け渡すまでの間のみシート吸着手段に負圧を発
生させることが出来、シートがシート給送手段に確実に
受け渡された後は、シート吸着手段に負圧を発生させな
いようになっており、これによって、シートをシート給
送手段に受け渡す際に支障がない。
【0012】また、移動手段と吸着力発生手段とが共通
の駆動源から動力を得るように構成したことで、駆動源
を共通化して部品点数を削減し、コストダウンを図ると
共に、装置の小型化を図ることが出来る。
【0013】また、前記シート吸着手段よりもシート搬
送方向上流側に、前記シート載置手段に載置されたシー
トを押圧するシート押さえ手段を設け、更に、該シート
押さえ手段は前記移動手段に設けられ、前記移動手段に
より前記シート吸着手段が移動して該シート吸着手段に
より吸着されたシートが前記シート載置手段上のシート
載置部位から離間した後、前記シート押さえ手段が前記
シート載置部位から離間するように構成たことで、シー
ト載置手段上に積載されたシートを一枚のみに分離し易
く、シートがシート給送手段に受け渡される際に支障が
なく、安定した給送を行うことが出来る。
【0014】また、前記シート吸着手段の吸着力を調整
する吸着力調整手段を有する場合には、吸着力調整手段
によりシート吸着手段に所定値以上の吸着力を付与しな
いように構成され、普通紙等の比較的通気性の大きいシ
ートの場合には所定の吸着力が得られ、樹脂フィルム等
の比較的通気性の小さいシートの場合には吸着力調整手
段の作用により必要以上の吸着力がシートに作用しな
い。
【0015】これによって、シートを変形させたり、吸
着力発生手段等に負担をかけることもなく、シートの品
質を維持すると共に、吸着力発生手段等の保全を維持
し、無駄なエネルギーの消費を防止することが出来る。
【0016】
【発明の実施の形態】図により本発明に係るシート給送
装置及びこれを備えた画像形成装置の一例として複写機
に適用した場合の一実施形態を具体的に説明する。図1
は本発明に係るシート給送装置を備えた画像形成装置の
第1実施形態の全体構成を示す断面説明図、図2は第1
実施形態の構成を示す斜視図、図3〜図6は第1実施形
態の図2中のA−A断面図であり、シートを給送する際
の動作説明図である。
【0017】先ず、図1を用いて本発明に係るシート給
送装置を備えた画像形成装置の一例である複写機の全体
構成を説明する。図1において、複写機1の下部には、
紙や合成樹脂等で構成されるシートPを収容するシート
載置手段となるシートカセット2が配置されており、該
シートカセット2内に載置収容されたシートPは、該シ
ートカセット2の上部に配置されたシート吸着手段とな
る吸着パッド51により吸着されて持ち上げられ、シート
カセット2のシート給送方向下流側上部に配置された分
離爪2aに先端角隅部が係止された最上位のシートP′
のみが下位のシートPから一枚だけ分離されてシート給
送手段である給送ローラ対4a,4bに受け渡される
(図6参照)。
【0018】給送ローラ対4a,4bは、複写機1本体
のメインフレーム41に回転可能に軸支され、図示しない
付勢手段によって互いに接近する方向に付勢されてお
り、図示しない駆動源であるモータから回転駆動力が伝
達されて回転し、シートPを給送ローラ対4a,4bの
ニップ部に挟持して給送する。
【0019】給送ローラ対4a,4bにより給送された
シートPは、レジストローラ対5a,5bにより斜行が
矯正されると共に、更にシート給送方向下流側(以下、
単に「下流側」という)に配置された画像形成手段とな
るプロセスカートリッジ6に設けられた電子写真感光体
ドラム7の回転に同期して感光体ドラム7とこれに対向
する転写帯電器8の間に送り込まれて画像が形成され
る。
【0020】プロセスカートリッジ6内には、帯電した
表面に画像情報が露光されて潜像を形成する感光体ドラ
ム7と、感光体ドラム7に形成された潜像にトナー画像
を形成する現像スリーブ9と、感光体ドラム7に形成さ
れたトナー画像が転写帯電器8の作用によってシートP
に転写された後の感光体ドラム7表面に付着したトナー
を清掃するクリーニングブレード10が設けてあり、更に
は、図示しないトナーの攪拌機構及び廃トナー容器等に
より構成されている。
【0021】プロセスカートリッジ6の下流側には、ロ
ーラ11a,11bにより張架された搬送ベルト12が配置さ
れており、ローラ11bに設けられた図示しないテンショ
ナーによって適度な張力が付与されている。そして、ロ
ーラ11bが図示しない駆動手段により駆動されることで
搬送ベルト12が回転し、感光体ドラム7と転写帯電器8
との間を通過して画像が形成されたシートPを載置して
更に下流に搬送する。
【0022】搬送ベルト12により搬送されたシートPは
定着前ガイド13により定着器14に導かれる。定着器14は
ヒータを内蔵した熱ローラ15と、これに対向する加圧ロ
ーラ16を有しており、加圧ローラ16は図示しないバネに
よって熱ローラ15に加圧当接している。そして、このロ
ーラ対15,16のニップ部にシートPを挟持して加熱、加
圧することで、シートPに形成されたトナー画像の熱定
着を行う。
【0023】定着器14によりトナー画像が定着されたシ
ートPは排出口17から排出され、フェイスアップで排出
トレイ18上に載置される。
【0024】また、19は手差し給送口であり、シートカ
セット2からの給送が困難な厚紙や薄紙等のシートPを
用いる場合に使用される。手差し給送口19から手差しさ
れたシートPは、給送ローラ対20a,20bにより給送さ
れ、感光体ドラム7と転写帯電器8との間に送られ、前
述と同様に画像が形成される。
【0025】複写機1の上部には、原稿の画像情報を読
み取る画像読取手段が配置されており、その構成は、原
稿面を下向きにして原稿を載置する原稿台ガラス21と、
該原稿台ガラス21の下方に該原稿台ガラス21に沿って図
1の左右方向に移動可能に設けられた照明ランプ22、ミ
ラー23,24,25、結像レンズ26及びミラー27等を有する
光学系からなる。
【0026】原稿を載置する原稿台ガラス21上には、原
稿を背面から適度に押圧する適当な硬度を有するスポン
ジ状部材からなる圧接シート28を備え、複写機1本体に
対して開閉自在に配置された圧板29が設けられている。
【0027】上記構成により、原稿を下向きにして原稿
台ガラス21上に載置して圧板29によって原稿の背面を圧
接し、原稿面を原稿台ガラス21に密接させる。そして、
ースタートボタンが押されると、照明ランプ22、ミラー
23,24,25及び結像レンズ26が図1の左から右方向に移
動して照明ランプ22により照射された光が原稿面に反射
し、画像情報に対応する反射光30がミラー23,24,25に
反射した後、結像レンズ26を通過し、ミラー27に反射し
て帯電した感光体ドラム7の表面に露光され、原稿の画
像情報に対応する潜像が形成されて前述したように、シ
ートPにトナー画像が形成される。
【0028】次に、本発明の特徴であるシート給送装置
の第1実施形態の構成について図2〜図6を用いて詳細
に説明する。本実施形態では、シート載置手段となるシ
ートカセット2に収容されたシートPを最上位のシート
Pから順次給送する上側給送のシート給送装置として構
成された場合の一例である。
【0029】図2において、シートカセット2の上部
で、複写機1本体のメインフレーム41には、シートカセ
ット2内に収容されるシートPのシート給送方向の端部
(以下、「シートPの側端部」という)よりも所定寸法
だけ内側に配置され、所定の長さと幅を有する一対の切
欠部41aが形成されている。
【0030】一対の切欠部41aには、該切欠部41aの幅
寸法に対応する幅を有する一対の移動台42が該切欠部41
aに沿って図2の矢印a,b方向に移動できるように構
成されており、その具体的な構成は、移動台42の移動方
向の側端部の所定位置に固定された4個のブラケット43
の溝部43aが切欠部41aの端片41bに嵌合して摺動自在
に係合している。
【0031】また、両切欠部41aのシート給送方向下流
側のメインフレーム41と、両移動台42のシート給送方向
下流側の端部との間には、夫々引張りコイルバネ44が係
合されており、該引張りコイルバネ44の引っ張り力によ
り、一対の移動台42はシート給送方向である図2の矢印
a方向に常時付勢されている。
【0032】一方、一対の移動台42のシート給送方向上
流側の端部の夫々には、該移動台42の長手方向と直交し
て下方向に伸びたカム当接部42aが設けてあり、メイン
フレーム41に対して回転可能に軸支された回転駆動軸45
に固定され、該回転駆動軸45と一体的に回転する一対の
カム46に前記カム当接部42aが当接係合して一対の移動
台42を図2の矢印a,b方向に移動するように構成され
ている。
【0033】上記一対の移動台42及びカム46により、後
述するシート吸着手段となる一対の吸着パッド51を移動
させて該吸着パッド51により吸着されたシートPをシー
ト給送手段である給送ローラ対4a,4bに導く移動手
段を構成する。
【0034】前記一対の移動台42の夫々の4箇所に設け
たブラケット43の間で、該移動台42の略中央部には、下
方に突出した支持台42bが設けてあり、該支持台42bに
設けられた支軸47により一対の移動台42に対して一対の
回動アーム48が図3の矢印c,d方向に回動可能に夫々
軸支されている。
【0035】一対の移動台42と回動アーム48との間に
は、支軸47よりもシート給送方向上流側で、且つ回転駆
動軸45よりもシート給送方向下流側に配置された引張り
コイルバネ49が夫々係合されており、該引張りコイルバ
ネ49の引っ張り力により回動アーム48は図3の矢印d方
向に常時付勢されている。
【0036】一方、一対の回動アーム48のシート給送方
向上流側の端部には、夫々カム当接部48aが設けてあ
り、前記回転駆動軸45に固定され、該回転駆動軸45と一
体的に回転する一対のカム50に前記カム当接部48aが当
接係合して一対の回動アーム48を図3の矢印c,d方向
に回動するように構成されている。
【0037】また、一対の回動アーム48のシート給送方
向下流側の端部には、シート吸着手段となる一対の吸着
パッド51が設けてあり、一対のカム50の回転により一対
の回動アーム48が夫々支軸47を中心に回動することで、
夫々の回動アーム48の先端部に取り付けられた吸着パッ
ド51が所定の範囲内で支軸47を中心に図3の矢印c,d
方向に回動する。
【0038】前記吸着パッド51はゴム製であり、チュー
ブ52を介してメインフレーム41に固定された吸着力発生
手段となる吸引ポンプ53に接続されている。そして、吸
着パッド51の内部がチューブ52を介して吸引ポンプ53に
より吸引されて負圧になることにより、予め定形寸法に
裁断され、シートカセット2上に載置されたシートPを
吸着することが出来るようになっている。
【0039】回動アーム48の吸着パッド51よりもシート
給送方向上流側で、且つ支軸47よりもシート給送方向下
流側には、支軸47の近傍下流側の回動アーム48に設けら
れた支軸54により該回動アーム48に対して回動可能に軸
支されたシート押さえ手段となる一対のシート押さえ55
が設けられている。
【0040】前記一対のシート押さえ55は、断面クラン
ク形状で構成されており、シートカセット2に載置収容
されたシートPの上面に当接して該シートPを規制する
シート当接部55aの上端部に設けられたストッパ56の端
部56aが回動アーム48に設けられた溝部48bに嵌合され
て係止され、ストッパ56に嵌合すると共に、シート当接
部55aの上面と回動アーム48の下面との間に配置された
圧縮バネ57が設けられている。
【0041】この圧縮バネ57の伸長力により、一対のシ
ート押さえ55は回動アーム48に対して支軸54を中心に常
時図3の矢印e方向に付勢され、更にストッパ56により
所定の位置に設定されている。
【0042】前記吸引ポンプ53は、そのブラケット53a
によりメインフレーム41に固定されており、該吸引ポン
プ53の容器の内部体積を変化させる隔壁が往復動作し、
該隔壁の一方向動作の間に容器と隔壁とにより形成され
る負圧室に負圧を発生することでチューブ52を介して吸
着パッド51に負圧を発生させるように構成される。
【0043】前記隔壁に固定された可動部53bには、メ
インフレーム41に対して支点58aを中心に回動可能に設
けられたL字状のリンク部材58の一端が連結されてお
り、該リンク部材58の他端には、カム当接部58bが設け
てある。そして、前記回転駆動軸45に固定され、該回転
駆動軸45と一体的に回転するカム59に前記カム当接部58
bが当接係合してリンク部材58を支点58aを中心として
図3の矢印f,g方向に回動してリンク部材58に連結さ
れた可動部53bを介して吸引ポンプ53内の隔壁が往復動
作し、該吸引ポンプ53の容器の内部体積を変化させて該
隔壁の一方向動作の間に負圧を発生させるように構成さ
れている。
【0044】回転駆動軸45は、図示しない駆動源となる
モータに接続されて回転駆動され、前述のカム46,50,
59を同時に図3の矢印h方向に回転させる。そして、一
対のカム46は、一対の移動台42を図3の矢印a,b方向
に移動させることが出来、また、他の一対のカム50は、
一対の回動アーム48を図3の矢印c,d方向に回動させ
ることが出来、更にカム59はリンク部材58を介して吸引
ポンプ53を駆動することが出来るようになっている。
【0045】前記回転駆動軸45に一体的に固定されたカ
ム46,50,59は、図3に示すように、カム46の大径部に
対してカム50の大径部が図3の矢印hの回転方向に略9
0°進んだ位相差を有して配置されており、カム59の大
径部はカム46の大径部と同じ位相差(同方向)で配置さ
れている。そして、カム46,50は、略180°の角度領
域を有する大径部と、該大径部に滑らかに接続される小
径部とからなり、カム59は、一方向にのみ所定幅の大径
部を有して構成されている。
【0046】上記構成により、共通の駆動源から回転駆
動軸45を介して移動手段となる移動台42と、吸着力発生
手段となる吸引ポンプ53とが動力を得ることが出来るも
のであり、更には、移動台42と吸引ポンプ53とが連携し
て動作するようになっている。
【0047】本実施形態では、吸着パッド51、回動アー
ム48、シート押さえ55、移動台42等を夫々2組ずつ装備
して所定の間隔を隔てて配置し、比較的幅の大きなシー
トPに好適に対応できるものである。
【0048】上記のように構成したシート給送装置の動
作について図3〜図6を用いて詳細に説明する。先ず、
図3はシートPの給送を行う前の待機状態を示す。この
状態では、カム46の大径部の始端部が移動台42のカム当
接部42aに当接係合しており、これによって移動台42は
引張りコイルバネ44の引っ張り力に抗して、その可動範
囲の図3の左端部位置に設定され、吸着パッド51はシー
トカセット2に載置収容されたシートPの上部所定高さ
位置に設定されている。
【0049】この時、カム50の大径部の終端部が回動ア
ーム48のカム当接部48aに当接係合しており、これによ
って回動アーム48は引張りコイルバネ49の引っ張り力に
抗して図3の矢印c方向に押し上げられて、該回動アー
ム48は略水平状態を保持しており、吸着パッド51はシー
トカセット2に載置収容されたシートPから離間してい
る。
【0050】また、この時、シート押さえ55は、圧縮バ
ネ57により図3の矢印e方向に付勢され、ストッパ56に
より所定の位置に抑止されて同じくシートカセット2に
載置収容されたシートPから離間している。
【0051】また、この時、カム59の小径部がリンク部
材58のカム当接部58bに当接係合しており、吸引ポンプ
53の可動部53bを図3の矢印f方向に引き上げる前の状
態で停止しており、この時吸引ポンプ53は負圧を発生し
ていない状態で保持されている。
【0052】次に、図示しないコピースタートボタンが
押下されると、図示しない駆動源から回転駆動力が伝達
されて回転駆動軸45が図3の矢印h方向に回転し、該回
転駆動軸45と一体的に固定されたカム46,50,59が同じ
く図3の矢印h方向に回転する。
【0053】カム46は大径部が移動台42のカム当接部42
aに当接摺動して移動台42を可動範囲の図3の左端部に
規制した状態を回転駆動軸45が略180°回転する範囲
まで維持しており、一方、回動アーム48のカム当接部48
aに当接摺動するカム50は大径部から小径部に移行して
回動アーム48は引張りコイルバネ49の引っ張り力によっ
て支軸47を中心に図4の矢印d方向に回動し、これによ
って吸着パッド51が下降してシートカセット2に載置収
容されたシートPに圧接する。
【0054】この時、シート押さえ55のシート当接部55
aも吸着パッド51の上流側でシートカセット2に載置収
容されたシートPに当接しており、圧縮バネ57の伸長力
により、シートPに対して所定の押圧力で図4の矢印e
方向に押圧している。
【0055】また、この時、カム59は大径部がリンク部
材58のカム当接部58bに当接摺動してリンク部材58を支
点58aを中心に図4の矢印f方向に回動し、リンク部材
58の他端部に連結された可動部53bを引き上げて吸引ポ
ンプ53に負圧を発生させる。そして吸引ポンプ53にチュ
ーブ52を介して接続された吸着パッド51に負圧が発生
し、吸着パッド51に対向する位置でシートPが吸着され
る。
【0056】更に回転駆動軸45が図4の矢印h方向に回
転すると、図5に示すように、カム50の小径部から大径
部の始端部に滑らかに移行する中間的な径を有する移行
部が回動アーム48のカム当接部48aに当接摺動して回動
アーム48を支軸47を中心に図5の矢印c方向に僅かに回
動し、吸着パッド51をシートカセット2のシート載置部
位から離間する。ここで、前記シート載置部位とは、分
離爪2aにより規制された最上位のシートP′のシート
面高さ位置である。
【0057】この時、カム46,59は、夫々の大径部が移
動台42のカム当接部42a及びリンク部材58のカム当接部
58bに夫々当接摺動しており、従前の状態を維持してい
る。一方、シート押さえ55のシート当接部55aは圧縮バ
ネ57の伸長力により依然図5の矢印e方向に押圧されて
シートPを規制している。そして、吸着パッド51に吸着
されて持ち上げられ、分離爪2aに係止された最上位の
シートP′の先端角隅部が撓んで該分離爪2aを乗り越
えて分離爪2aによる係止が解除される。
【0058】ここで、吸着パッド51から受ける吸着力
は、最上位のシートP′に作用する吸着力に比べて、そ
れよりも下位のシートPに作用する吸着力が弱い。従っ
て、分離爪2aにより先端角隅部が係止されると共に、
シート押さえ55により押さえられて規制されている間の
シートPにおいて、最上位のシートP′は吸着パッド51
から受ける吸着力が該最上位のシートP′の剛性に勝っ
て先端角隅部が分離爪2aから外れ、それよりも下位の
シートPでは、シートPの剛性が吸着パッド51から受け
る弱い吸着力に勝り、先端角隅部が分離爪2aに係止さ
れたままで保持される。これにより、最上位のシート
P′とそれよりも下位のシートPとが分離される。
【0059】更に、回転駆動軸45が図5の矢印h方向に
回転すると、図6に示すように、カム50の大径部が回動
アーム48のカム当接部48aに当接摺動し、該回動アーム
48が更に図6の矢印c方向に回動して吸着パッド51を上
昇させ、回動アーム48は略水平状態に保持される。
【0060】この時、シート押さえ55は回動アーム48と
一体的に持ち上げられ、シート当接部55aがシートカセ
ット2に載置収容された下位のシートP(シート載置部
位)から離間し、圧縮バネ57の伸長力により、図6の矢
印e方向に付勢され、更にストッパ56により所定の位置
に設定される。ここで、シート当接部55aが最上位のシ
ートP′に対して若干の接触はあるものの、押圧力は作
用しないので摩擦力は極めて小さくシートPの給送には
支障を及ぼさない。
【0061】また、この時、図6に示すように、移動台
42のカム当接部42aに当接摺動するカム46が大径部から
小径部に移行し、引張りコイルバネ44の引っ張り力によ
り一対の移動台42が切欠部41aに沿って図6の矢印a方
向に移動することで水平状態に保持された回動アーム48
が移動台42と一体的に図6の矢印a方向に移動して、吸
着パッド51により吸着された最上位のシートP′の先端
が給送ローラ対4a,4bのニップ部に導かれて該給送
ローラ対4a,4bに挟持されて給送される。
【0062】また、この時、リンク部材58のカム当接部
58bに当接摺動するカム59が大径部から小径部に移行
し、リンク部材58が支点58aを中心に図6の矢印g方向
に回動してリンク部材58に連結された可動部53bが押し
下げられて吸引ポンプ53は負圧の発生しない状態に遷移
する。ここで、可動部53bが押し下げられると、吸引ポ
ンプ53内では、図示しない弁機構により負圧の反対の圧
力(正圧)が発生することを防止している。
【0063】尚、吸着パッド51により吸着されて持ち上
げられた最上位のシートP′の先端部が給送ローラ対4
a,4bに確実に挟持されるように、吸着パッド51と給
送ローラ対4a,4bとの間隔及び高さや吸着パッド51
に作用する吸着力のタイミング等が適宜設定されてい
る。
【0064】次に、本発明に係るシート給送装置の第2
実施形態について図7を用いて説明する。図7は本発明
に係るシート給送装置の第2実施形態の構成を示す斜視
図である。尚、前記第1実施形態と同様に構成したもの
は同一の符号を付して説明を省略する。
【0065】本実施形態では、前記第1実施形態におけ
る移動台42がシートカセット2に載置収容されたシート
Pの幅方向中央部に一つのみ配置され、該移動台42の支
持台42bに支軸47により回動アーム61が回動可能に軸支
されている。
【0066】前記回動アーム61は、図7に示すように、
移動台42の下部に該移動台42に沿って配置され、端部に
カム当接部61aを有する直線部61bと、該直線部61bに
接続され、端部に一対の吸着パッド51を有するコの字型
部61cとにより構成され、直線部61bとコの字型部61c
との接続部に対応する位置で支軸47により移動台42に対
して回動可能に軸支されている。
【0067】前述の第1実施形態と同様に、移動台42と
回動アーム61との間には、支軸47よりもシート給送方向
上流側で、且つ回転駆動軸45よりもシート給送方向下流
側に配置された引張りコイルバネ49が係合されており、
該引張りコイルバネ49の引っ張り力により回動アーム61
は図7の矢印d方向に常時付勢されている。
【0068】一方、回動アーム61の直線部61bのシート
給送方向上流側の端部には、カム当接部61aが設けてあ
り、回転駆動軸45に固定され、該回転駆動軸45と一体的
に回転するカム50に前記カム当接部61aが当接係合して
回動アーム61を図7の矢印c,d方向に回動するように
構成されている。
【0069】また、回動アーム61のコの字型部61cのシ
ート給送方向下流側の端部には、シート吸着手段となる
一対の吸着パッド51が設けてあり、カム50の回転により
回動アーム61が支軸47を中心に回動することで、回動ア
ーム61の先端部に取り付けられた吸着パッド51が所定の
範囲内で支軸47を中心に図7の矢印c,d方向に回動す
る。
【0070】前述と同様に、吸着パッド51はチューブ52
を介してメインフレーム41に固定された吸着力発生手段
となる吸引ポンプ53に接続されている。そして、吸着パ
ッド51の内部がチューブ52を介して吸引ポンプ53により
吸引されて負圧になることによりシートカセット2に載
置収容されたシートPを吸着することが出来るようにな
っている。
【0071】回動アーム61のコの字型部61cに配置され
た一対の吸着パッド51よりもシート給送方向上流側で、
且つ支軸47よりもシート給送方向下流側には、支軸47の
近傍下流側の回動アーム61に設けられた支軸62により該
回動アーム61に対して回動可能に軸支されたシート押さ
え手段となるシート押さえ63が設けられている。
【0072】前記シート押さえ63は、回動アーム61のコ
の字型部61cと略同じ幅を有して断面クランク形状で構
成されており、シートカセット2に載置収容されたシー
トPの上面に当接して該シートPを規制する一対のシー
ト当接部63aが一対の吸着パッド51に対応して設けられ
ている。
【0073】また、図示しないが、シート当接部63aの
上端部には、前記第1実施形態と略同様に設けられたス
トッパの端部が回動アーム61のコの字型部61cに設けら
れた溝部に嵌合されて係止され、該ストッパに嵌合する
と共に、シート当接部63aの上面と回動アーム61の下面
との間に配置された圧縮バネが設けられており、この圧
縮バネの伸長力により、シート押さえ63は回動アーム61
に対して支軸62を中心に常時図7の矢印e方向に付勢さ
れ、更に前記ストッパにより所定の位置に設定されてい
る。
【0074】また、本実施形態の場合、カム46,50は夫
々一つずつ回転駆動軸45の所定の位置に固定して設けら
れており、他の構成は前記第1実施形態と同様に構成さ
れて同様の効果を得ることが出来る。
【0075】本実施形態では、シートPの幅寸法が比較
的小さい場合に好適に対応できるものであり、前記第1
実施形態と比較して部品点数を削減してコストダウンを
図ることが出来るものである。
【0076】次に、本発明に係るシート給送装置の第3
実施形態について図8〜図12を用いて説明する。図8は
本発明に係るシート給送装置の第3実施形態の構成を示
す斜視図、図9〜図12は第3実施形態の図8中のB−B
断面図であり、シートを給送する際の動作説明図であ
る。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一
の符号を付して説明を省略する。
【0077】本実施形態では、図8に示すように、シー
ト載置手段となるシートトレイ71上に載置されたシート
Pを最下位のシートPから順次給送する下側給送のシー
ト給送装置として構成された場合の一例を示す。図1に
示す複写機1の下部には、第1実施形態のシートカセッ
ト2の代わりに、シートPを載置収容するシート載置手
段となるシートトレイ71が配置されており、該シートト
レイ71上に載置されたシートPは、該シートトレイ71の
下部に配置されたシート吸着手段となる一対の吸着パッ
ド51により吸着されて引き下げられ、シートトレイ71の
シート給送方向下流側下部に配置された分離爪71aに先
端角隅部が係止された最下位のシートP″のみがそれよ
りも上位のシートPから一枚だけ分離されてシート給送
手段である給送ローラ対4a,4bに受け渡される。
【0078】図8に示すように、シートトレイ71の下側
に配置された複写機1のメインフレーム41に前述の第1
実施形態と同様な一対の切欠部41aが形成されており、
該一対の切欠部41aの夫々には、該切欠部41aに沿って
図8の矢印a,b方向に移動可能に構成された一対の移
動台42が設けられている。
【0079】その具体的な構成は、前記第1実施形態と
同様に、一対の移動台42の移動方向の側端部の所定位置
に固定された4個のブラケット43の溝部43aが一対の切
欠部41aの端片41bに嵌合して摺動自在に係合してい
る。
【0080】また、一対の切欠部41aのシート給送方向
下流側のメインフレーム41と、一対の移動台42のシート
給送方向下流側の端部との間には、夫々引張りコイルバ
ネ44が係合されており、該引張りコイルバネ44の引っ張
り力により、一対の移動台42はシート給送方向である図
8の矢印a方向に常時付勢されている。
【0081】一方、一対の移動台42のシート給送方向上
流側の端部には、該移動台42の長手方向と直交して上方
向に伸びたカム当接部42aが夫々設けてあり、メインフ
レーム41に対して回転可能に軸支された回転駆動軸45に
固定され、該回転駆動軸45と一体的に回転する一対のカ
ム46に前記カム当接部42aが当接係合して一対の移動台
42を図8の矢印a,b方向に移動するように構成されて
いる。上記一対の移動台42及びカム46により、移動手段
が構成される。
【0082】前記一対の移動台42の夫々の4箇所に設け
たブラケット43の間で、該移動台42の夫々の略中央部に
は、上方に突出した支持台42bが設けてあり、該支持台
42bに設けられた支軸47により一対の移動台42に対して
一対の回動アーム48が図9の矢印c,d方向に回動可能
に夫々軸支されている。
【0083】一対の移動台42と回動アーム48との間に
は、支軸47よりもシート給送方向上流側で、且つ回転駆
動軸45よりもシート給送方向下流側に配置された引張り
コイルバネ49が夫々係合されており、該引張りコイルバ
ネ49の引っ張り力により一対の回動アーム48は図9の矢
印c方向に常時付勢されている。
【0084】一方、一対の回動アーム48のシート給送方
向上流側の端部には、夫々カム当接部48aが設けてあ
り、前記回転駆動軸45に固定され、該回転駆動軸45と一
体的に回転する一対のカム50に前記カム当接部48aが当
接係合して一対の回動アーム48を図9の矢印c,d方向
に回動するように構成されている。
【0085】また、一対の回動アーム48のシート給送方
向下流側の端部には、一対の吸着パッド51が設けてあ
り、一対のカム50の回転により一対の回動アーム48が支
軸47を中心に回動することで、一対の回動アーム48の先
端部に取り付けられた一対の吸着パッド51が所定の範囲
内で支軸47を中心に図9の矢印c,d方向に回動する。
【0086】前記一対の吸着パッド51はチューブ52を介
してメインフレーム41に固定された吸着力発生手段とな
る吸引ポンプ53に接続されている。そして、吸着パッド
51の内部がチューブ52を介して吸引ポンプ53により吸引
されて負圧になることにより、シートトレイ71上に載置
されたシートPを吸着することが出来るようになってい
る。
【0087】吸引ポンプ53の可動部53bには、メインフ
レーム41に対して支点58aを中心に回動可能に設けられ
たL字状のリンク部材58の一端が連結されており、該リ
ンク部材58の他端には、カム当接部58bが設けてあり、
前記回転駆動軸45に固定され、該回転駆動軸45と一体的
に回転するカム59に前記カム当接部58bが当接係合して
リンク部材58を支点58aを中心として図9の矢印f,g
方向に回動してリンク部材58に連結された可動部53bを
介して吸引ポンプ53内の隔壁が往復動作し、該吸引ポン
プ53の容器の内部体積を変化させて該隔壁の一方向動作
の間に負圧を発生させるように構成されている。
【0088】回転駆動軸45は、図示しない駆動源となる
モータに接続されて回転駆動され、前述のカム46,50,
59を同時に図9の矢印i方向に回転させる。そして、一
対のカム46は、一対の移動台42を図9の矢印a,b方向
に移動させることが出来、また、他の一対のカム50は、
一対の回動アーム48を図9の矢印c,d方向に回動させ
ることが出来、更にカム59はリンク部材58を介して吸引
ポンプ53を駆動することが出来るようになっている。
【0089】前記回転駆動軸45に一体的に固定されたカ
ム46,50,59は、図9に示すように、カム46の大径部に
対してカム50の大径部が図3の矢印iの回転方向に略9
0°進んだ位相差を有して配置されており、カム59の大
径部はカム46の大径部と同じ位相差(同方向)で配置さ
れている。そして、カム46,50は、略180°の角度領
域を有する大径部と、該大径部に滑らかに接続される小
径部とからなり、カム59は、一方向にのみ所定幅の大径
部を有して構成されている。
【0090】上記構成により、前記第1実施形態と同様
に共通の駆動源から回転駆動軸45を介して移動手段とな
る移動台42と、吸着力発生手段となる吸引ポンプ53とが
動力を得ることが出来るものであり、更には、移動台42
と吸引ポンプ53とが連携して動作するようになってい
る。
【0091】図9に示すように、回動アーム48の吸着パ
ッド51よりもシート給送方向上流側で、且つ支軸47より
もシート給送方向下流側に対応する位置には、シートト
レイ71よりも上部に配置されたメインフレーム41に設け
られた支軸72により該メインフレーム41に対して回動可
能に軸支されたシート押さえ手段となるシート押さえ73
が設けられている。
【0092】前記シート押さえ73は、断面クランク形状
で構成されており、該シート押さえ73の水平片上部所定
位置には圧縮バネ57を嵌合して係止する係止部材74が設
けられている。そして、この圧縮バネ57の上端部はメイ
ンフレーム41の下面に当接しており、この圧縮バネ57の
伸長力により、シート押さえ73はメインフレーム41に対
して支軸72を中心に常時図9の矢印e方向に付勢され、
シートトレイ71に載置された最上位のシートPの上面に
シート当接部73aが当接して該シートPを下方向に押圧
して規制する。
【0093】本実施形態でも前記第1実施形態と同様
に、吸着パッド51、回動アーム48、シート押さえ73、移
動台42等を夫々2組ずつ装備して所定の間隔を隔てて配
置し、比較的幅の大きなシートPに好適に対応できるも
のである。
【0094】上記のように構成したシート給送装置の動
作について図9〜図12を用いて詳細に説明する。先ず、
図9はシートPの給送を行う前の待機状態を示す。この
状態では、カム46の大径部の始端部が移動台42のカム当
接部42aに当接係合しており、これによって移動台42は
引張りコイルバネ44の引っ張り力に抗して、その可動範
囲の図9の左端部位置に設定され、吸着パッド51はシー
トトレイ71上のシートPの下部所定高さ位置に設定され
ている。
【0095】この時、カム50の大径部の終端部が回動ア
ーム48のカム当接部48aに当接係合しており、これによ
って回動アーム48は引張りコイルバネ49の引っ張り力に
抗して図9の矢印d方向に押し下げられて、該回動アー
ム48は略水平状態を保持しており、吸着パッド51はシー
トトレイ71上に載置されたシートPから離間している。
【0096】また、この時、カム59の小径部がリンク部
材58のカム当接部58bに当接係合しており、吸引ポンプ
53の可動部53bを図9の矢印g方向に引き下げる前の状
態で停止しており、この時吸引ポンプ53は負圧を発生し
ていない状態で保持されている。
【0097】また、シート押さえ73は、常時圧縮バネ57
により図9の矢印e方向に付勢され、シートトレイ71上
に載置された最上位のシートPに当接してシートトレイ
71上のシートPを下方向に常時付勢している。
【0098】次に、図示しないコピースタートボタンが
押下されると、図示しない駆動源から回転駆動力が伝達
されて回転駆動軸45が図9の矢印i方向に回転し、該回
転駆動軸45と一体的に固定されたカム46,50,59が同じ
く図9の矢印i方向に回転する。
【0099】カム46は大径部が移動台42のカム当接部42
aに当接摺動して移動台42を可動範囲の図9の左端部に
規制した状態を回転駆動軸45が略180°回転する範囲
まで維持しており、一方、回動アーム48のカム当接部48
aに当接摺動するカム50は大径部から小径部に移行して
回動アーム48は引張りコイルバネ49の引っ張り力によっ
て支軸47を中心に図10の矢印c方向に回動し、これによ
って吸着パッド51が上昇してシートトレイ71上に載置さ
れた最下位のシートP″に圧接する。
【0100】また、この時、カム59は大径部がリンク部
材58のカム当接部58bに当接摺動してリンク部材58を支
点58aを中心に図10の矢印g方向に回動し、リンク部材
58の他端部に連結された可動部53bを引き下げて吸引ポ
ンプ53に負圧を発生させる。そして吸引ポンプ53にチュ
ーブ52を介して接続された吸着パッド51に負圧が発生
し、吸着パッド51に対向する位置で最下位のシートP″
が吸着される。
【0101】更に回転駆動軸45が図10の矢印i方向に回
転すると、図11に示すように、カム50の小径部から大径
部の始端部に滑らかに移行する中間的な径を有する移行
部が回動アーム48のカム当接部48aに当接摺動して回動
アーム48を支軸47を中心に図11の矢印d方向に僅かに回
動し、最下位のシートP″を吸着した状態で吸着パッド
51をシートトレイ71上に載置された最下位のシートP″
のシート面位置(シート載置部位)から僅かに引き下げ
て離間させる。
【0102】この時、カム46,59は、夫々の大径部が移
動台42のカム当接部42a及びリンク部材58のカム当接部
58bに夫々当接摺動しており、従前の状態を維持してい
る。一方、シート押さえ73のシート当接部73aは圧縮バ
ネ57の伸長力により依然図11の矢印e方向に押圧されて
シートPを規制している。そして、吸着パッド51に吸着
されて引き下げられ、分離爪2aに係止された最下位の
シートP″の先端角隅部が撓んで該分離爪2aを乗り越
えて分離爪2aによる係止が解除される。
【0103】ここで、吸着パッド51によりシートトレイ
71上に載置されたシートPに作用する吸着力において、
最下位のシートP″に作用する吸着力に比べて、それよ
りも上位のシートPに作用する吸着力は弱くなる。従っ
て、分離爪2aにより先端角隅部が係止されると共に、
シート押さえ73により押さえられて規制されている間の
最下位のシートP″は、その剛性よりも吸着パッド51に
よる吸着力が勝り、分離爪2aから外れる。一方、最下
位のシートP″よりも上位のシートPでは、その剛性が
吸着パッド51から受ける弱い吸着力よりも勝り、分離爪
2aに係止された状態で保持される。これによって、最
下位のシートP″とそれよりも上位のシートPとが分離
される。
【0104】更に、回転駆動軸45が図11の矢印i方向に
回転すると、図12に示すように、カム50の大径部が回動
アーム48のカム当接部48aに当接摺動し、該回動アーム
48が更に図12の矢印d方向に回動して最下位のシート
P″を吸着したまま吸着パッド51を下降させ、回動アー
ム48は略水平状態に保持される。
【0105】この時、図12に示すように、移動台42のカ
ム当接部42aに当接摺動するカム46が大径部から小径部
に移行し、引張りコイルバネ44の引っ張り力によって一
対の移動台42が切欠部41aに沿って図12の矢印a方向に
移動することで水平状態に保持された回動アーム48が移
動台42と一体的に図12の矢印a方向に移動して、吸着パ
ッド51により吸着された最下位のシートP″の先端が給
送ローラ対4a,4bのニップ部に導かれて該給送ロー
ラ対4a,4bに挟持されて給送される。
【0106】また、この時、リンク部材58のカム当接部
58bに当接摺動するカム59が大径部から小径部に移行
し、リンク部材58が支点58aを中心に図12の矢印f方向
に回動してリンク部材58に連結された可動部53bが押し
上げられて吸引ポンプ53は負圧の発生しない状態に遷移
する。ここで、可動部53bが押し上げられると、吸引ポ
ンプ53内では、図示しない弁機構により負圧の反対の圧
力(正圧)が発生することを防止している。
【0107】尚、吸着パッド51により吸着されて引き下
げられた最下位のシートP″の先端部が給送ローラ対4
a,4bに確実に挟持されるように、吸着パッド51と給
送ローラ対4a,4bとの間隔及び高さや吸着パッド51
に作用する吸着力のタイミング等が設定されている。
【0108】本実施形態も前述の第1実施形態と同様
に、比較的幅の大きな寸法のシートPに対応することが
出来るものである。
【0109】次に、本発明に係るシート給送装置の第4
実施形態について図13〜図17を用いて説明する。図13は
第4実施形態の構成を示す斜視図、図14〜図17は第4実
施形態の図13中のC−C断面図であり、シートを給送す
る際の動作説明図である。尚、前記第1実施形態と同様
に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0110】本実施形態における吸着力発生手段となる
吸引ポンプ53は、比較的通気性の大きい普通紙等のシー
トPを使用しても所定の吸着力が得られる負圧を確保す
る能力を有しており、図13に示すように、吸引ポンプ53
の可動部53bには、支点81aを中心にメインフレーム41
に対して回動自在に軸支された直線状の第1のリンク部
材81が設けられている。
【0111】また、第1のリンク部材81に隣設し、該第
1のリンク部材81の支点81aと同軸上には支点82aを中
心にメインフレーム41に対して回動自在に軸支されたL
字形状の第2のリンク部材82が設けられている。
【0112】第2のリンク部材82の一端には、カム当接
部82bが設けてあり、回転駆動軸45に固定され、該回転
駆動軸45と一体的に回転するカム59に前記カム当接部82
bが当接係合して第2のリンク部材82を支点82aを中心
として図14の矢印f,g方向に回動する。
【0113】第2のリンク部材82の第1のリンク部材81
に対応する位置には、該第1のリンク部材81の上面に当
接係合する突当部82cが設けられており、更に第1のリ
ンク部材81と第2のリンク部材82との間には、弾性部材
としての引張りコイルバネ83が係合されている。
【0114】この引張りコイルバネ83の引っ張り力によ
り、第1のリンク部材81は第2のリンク部材82に対して
近接する方向に常時付勢され、第1のリンク部材81の上
面が第2のリンク部材82の突当部82cの下面に当接して
係止される。
【0115】前記第1、第2のリンク部材81,82及び引
張りコイルバネ83により本発明の特徴である吸着力調整
手段を構成しており、カム59により第2のリンク部材82
が回動されない場合には、図14に示す状態で待機してい
る。
【0116】そして、回転駆動軸45が図14の矢印h方向
に回転駆動されて、回転駆動軸45と一体的に回転するカ
ム59が第2のリンク部材82のカム当接部82bに当接係合
して第2のリンク部材82を支点82aを中心として図15の
矢印f方向に回動すると、引張りコイルバネ83を介して
第1のリンク部材81が支点81aを中心として図15の矢印
f方向に所定角度だけ回動して第1のリンク部材81の一
端に連結された可動部53bが引き上げられ、吸引ポンプ
53に所定圧の負圧を発生させる。
【0117】ここで、引張りコイルバネ83は吸引ポンプ
53が予め設定された所定以上の負圧を発生しないように
適度の引張り力を有するように構成されている。
【0118】本実施形態の場合には、例えば、樹脂フィ
ルム製等の比較的通気性の小さなシートPを用いる場合
に好適であり、上記吸着力調整手段により吸引ポンプ53
の可動部53bの引き上げ量を抑制して吸引ポンプ53が発
生する負圧を低減させることで、吸着パッド51が樹脂フ
ィルム製等の比較的通気性の小さなシートPを吸着する
際に、シートPを変形させたり、吸着パッド51や吸引ポ
ンプ53に過負荷となって耐久性の障害となることも無
く、無駄なエネルギーの消費も防止することが出来るも
のである。
【0119】従って、吸引ポンプ53の発生する負圧値或
いは吸引容量を、普通紙等の比較的通気性の大きいシー
トPに対応させて設定し、樹脂フィルム等の比較的通気
性の小さいシートを使用する場合等に、シートPの通気
性に対応させて引張りコイルバネ44の弾性係数を適宜選
択的に変化させて構成することで、通気性の異なる各種
のシートPに対応して吸着パッド51の吸着力の制御を簡
便にすると共に、該吸着力の値の調整を容易に行うこと
が出来るものである。
【0120】即ち、図15に示すように、カム59の大径部
が第2のリンク部材82のカム当接部82bに当接摺動して
該第2のリンク部材82が支点82aを中心にして図15の矢
印f方向に回動し、引張りコイルバネ83を介して第1の
リンク部材81を支点81aを中心にして図15の矢印f方向
に回動して吸引ポンプ53の可動部53bを上方向に引き上
げて吸引ポンプ53は負圧を発生してゆくが、シートPの
通気性が比較的小さいときは吸着パッド51からの外気流
入量が小さいため、吸引ポンプ53内の負圧値は比較的早
い時点でシートPを吸着するのに十分な値に到達する。
【0121】更に、第2のリンク部材82が図15の矢印f
方向に回動することにより引張りコイルバネ83を介して
第1のリンク部材81が同じく図15の矢印f方向に回動し
て可動部53bが上方向に引かれると、吸引ポンプ53内の
負圧が必要以上に増大し、これによって吸引ポンプ53内
の隔壁が吸引ポンプ53内の負圧の作用により図15の下方
向に移動し、該隔壁に連結された可動部53bも下方向に
引っ張られる。
【0122】そして、引張りコイルバネ83を引き下げて
吸引ポンプ53内の負圧と引張りコイルバネ83との引っ張
り力とが釣り合った位置で、第2のリンク部材82の回動
量が図15の矢印f方向に更に増加しても引張りコイルバ
ネ83が伸長することによって第2のリンク部材82の図15
の矢印f方向の回動量を吸収し、第1のリンク部材81が
必要以上に図15の矢印f方向に回動することがなく、こ
れによって吸引ポンプ53の負圧値が必要以上に上昇する
ことがない。その結果、吸着パッド51は大きすぎない適
正な所定の負圧値でシートPを吸着できる。
【0123】また、図16に示すように、最上位のシート
P′が吸着パッド51により吸着された状態で回動アーム
48が持ち上げられた時、カム59は依然大径部が第2のリ
ンク部材82のカム当接部82bと当接しており、第2のリ
ンク部材82、引張りコイルバネ83、第1のリンク部材81
を介して吸引ポンプ53の可動部53bを図16の上方向に引
き上げようとしているが、前述したように、第2のリン
ク部材82のみが図16の矢印f方向に回動し、第1のリン
ク部材81は引張りコイルバネ83の伸長作用により必要以
上に回動しないので、吸着パッド51からシートPを介し
て微量に流入する空気の分だけ引張りコイルバネ83が蓄
えたエネルギーにより第1のリンク部材81を図16の矢印
f方向に回動できるので吸引ポンプ53は所定の負圧を維
持し、その結果、吸着パッド51は最上位のシートP′を
吸着している状態で保持される。
【0124】他の構成は、前記第1実施形態と同様に構
成され、本実施形態の動作を示す図14〜図17は夫々前記
第1実施形態の動作を説明した図3〜図6に対応して吸
引ポンプ53の可動部53bが、前述したように、第1のリ
ンク部材81と引張りコイルバネ83と第2のリンク部材82
を介して回転駆動軸45に設けられたカム59の回転動作に
よって動作する構成が一部異なる他は前記第1実施形態
と略同様に動作するものであり、前記第1実施形態と略
同様な効果を得ることが出来るものである。
【0125】次に、本発明に係るシート給送装置の第5
実施形態について図18〜図22を用いて説明する。図18は
第5実施形態の構成を示す斜視図、図19〜図22は第5実
施形態の図18中のD−D断面図であり、シートを給送す
る際の動作説明図である。尚、前記第1、第4実施形態
と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略
する。
【0126】本実施形態における吸着力発生手段となる
吸引ポンプ53は、前述の第4実施形態と同様に、比較的
通気性の大きい普通紙等のシートPを使用しても所定の
吸着力が得られる負圧を確保する能力を有しており、図
18に示すように、吸引ポンプ53の吸引口近傍でチューブ
52の分岐点91には吸着力調整手段となるチェックバルブ
92が設けられている。
【0127】前記チェックバルブ92は、図19に示すよう
に、吸引ポンプ53の容器内部の負圧室53cを外気に連通
する穴92aと、該穴92aに連通する気流通路を開閉し得
る弁手段92bと、該弁手段92bを穴92a側方向に付勢す
る圧縮コイルバネ92cを有して構成される。
【0128】弁手段92bは、圧縮コイルバネ92cの伸長
力により常時図19の左方向に付勢されており、弁手段92
bによって穴92aが閉鎖されている。そして、吸着パッ
ド51及びチューブ52内部の負圧が所定値となった際に外
気の大気圧により弁手段92bが押圧されて図19の右方向
に移動し、穴92aを介して外気が吸引ポンプ53の容器内
部の負圧室53cに連通するようになっており、これによ
り、吸引ポンプ53が所定以上の負圧を発生しないように
構成されている。
【0129】本実施形態の場合も前記第4実施形態と同
様に、例えば、樹脂フィルム製等の比較的通気性の小さ
なシートPを用いる場合に好適であり、吸引ポンプ53が
発生する負圧を前述したチェックバルブ92の作用により
抑制して吸引ポンプ53が発生する負圧を低減させること
で、吸着パッド51が樹脂フィルム製等の比較的通気性の
小さなシートPを吸着する際に、シートPを変形させた
り、吸着パッド51や吸引ポンプ53に過負荷となって耐久
性の障害となることも無く、無駄なエネルギーの消費も
防止することが出来るものである。
【0130】従って、吸引ポンプ53の発生する負圧値或
いは吸引容量を、普通紙等の比較的通気性の大きいシー
トPに対応させて設定し、樹脂フィルム等の比較的通気
性の小さいシートを使用する場合等に、シートPの通気
性に対応させて圧縮コイルバネ92cの弾性係数を適宜選
択的に変化させて構成することで、通気性の異なる各種
のシートPに対応して吸着パッド51の吸着力の制御を簡
便にすると共に、該吸着力の値の調整を容易に行うこと
が出来るものである。
【0131】図19において、チェックバルブ92の穴92a
は圧縮コイルバネ92cにより付勢された弁手段92bによ
り閉じられている。そして、図20に示すように、カム59
が回転駆動軸45と一体的に図20の矢印h方向に回転して
カム59の大径部がリンク部材58のカム当接部58bに当接
摺動して該リンク部材58が支点58aを中心に図20の矢印
f方向に回動して吸引ポンプ53の可動部53bを引き上げ
る。
【0132】これによって、吸引ポンプ53は負圧を発生
してゆくが、シートPの通気性が比較的小さい場合に
は、シートPを介して吸着パッド51に流れ込む外気の流
入量が比較的小さいため、吸引ポンプ53内の負圧値はシ
ートPを吸着するのに十分な値を超えて更に増大しよう
とする。
【0133】そして、吸着パッド51及びチューブ52内の
負圧が所定値となった際に、大気圧が弁手段92bを付勢
する圧縮コイルバネ92cの伸長力に勝り、弁手段92bが
図20の右方向に移動して穴92aを開放し、該穴92aを介
して外気(空気)が図20の矢印j方向に流入して吸引ポ
ンプ53の負圧室53c内の圧力を昇圧して吸引ポンプ53内
の負圧値を必要以上に上昇することがない。その結果、
吸着パッド51は大きすぎない適正な所定の負圧値でシー
トPを吸着することが出来る。
【0134】また、図21に示すように、最上位のシート
P′が吸着パッド51により吸着された状態で回動アーム
48が持ち上げられた時、カム59は依然大径部が第2のリ
ンク部材82のカム当接部82bと当接しており、この時の
チェックバルブ92は図20に示した状態と略同じ状態を維
持しており、吸着パッド51からシートPを介して微量に
流入する空気の分だけ弁手段92bが図21の左方向に移動
して吸引ポンプ53は所定の負圧を維持し、その結果、吸
着パッド51は最上位のシートP′を吸着している状態で
保持される。
【0135】また、図22に示すように、シートPの先端
が給送ローラ対4a,4bに挟持されて受け渡された時
には、前記第1実施形態と同様に吸引ポンプ53は負圧を
発生していない状態に復帰しており、この時、チェック
バルブ92の穴92aは圧縮コイルバネ92cにより付勢され
る弁手段92bにより閉鎖されている。
【0136】他の構成は、前記第1実施形態と同様に構
成され、本実施形態の動作を示す図19〜図22は夫々前記
第1実施形態の動作を説明した図3〜図6に対応して前
記第1実施形態と略同様に動作するものであり、前記第
1実施形態と略同様な効果を得ることが出来るものであ
る。
【0137】次に、本発明に係るシート給送装置の第6
実施形態について図23を用いて説明する。図23は第6実
施形態の構成を示す斜視図である。尚、前記第1、第5
実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説
明を省略する。
【0138】本実施形態では、前記第5実施形態のチェ
ックバルブ92を、一対の吸着パッド51の近傍上部に夫々
一つずつ配置したものである。この場合、個々の吸着パ
ッド51の近傍に負圧値の調整手段があるのでチューブ52
内の流体抵抗等の影響を少なくすることが出来る。他の
構成は、前記第1、第5実施形態と同様に構成し、同様
の効果を得ることが出来る。
【0139】また、前記各実施形態では、吸引ポンプ53
は移動台42及び回動アーム48を駆動するカムの回転駆動
軸45からその動力を得ているが、回動アーム48と吸引ポ
ンプ53との可動部を連結手段を介する等して連結し、回
動アーム48から直接吸引ポンプ53に動力を与えるように
構成しても良い。
【0140】また、前記各実施形態では、一つの吸引ポ
ンプ53を用いて構成したが、他の構成として、複数の吸
引ポンプ53を配置し、一つの吸着パッド51毎に一つの吸
引ポンプ53を対応させて構成することでも良い。
【0141】また、吸着パッド51を3個以上配置して構
成することも出来る。
【0142】また、負圧を所定の値に維持する他の手段
として、チェックバルブ92の構造を、負圧の値をセンサ
により電気的に検知し、制御手段を介してソレノイドま
たはモータ等で弁手段92bを動作させ穴92aの開閉を行
うように構成することも出来る。
【0143】
【発明の効果】本発明は、上述の如き構成と作用とを有
するので、吸着力発生手段が移動手段と共通の駆動源か
ら動力を得るように構成したことで、吸着力発生手段専
用の駆動源を別途に設ける必要がなく、部品点数を削減
してコストダウンが図れる。また、駆動源から発する騒
音も低減できる。
【0144】移動手段と吸着力発生手段とが共通の駆動
源により駆動される一つの回転軸からその動力を得るこ
とが出来るので、吸着力発生手段専用の駆動用の回転軸
を別途に設ける必要がなく、部品点数を削減してコスト
ダウンが図れる。
【0145】また、シート吸着手段よりもシート搬送方
向上流側にシートを押圧するシート押さえ手段を設けた
ことにより、シートの分離を容易にし、安定した分離,
給送が可能となる。
【0146】また、吸着力調整手段を設けた場合には、
シート吸着手段の吸着力の制御を簡便にすると共に、該
吸着力の値の調整を容易に行うことが出来、シートの通
気性の大小にかかわらず、確実に吸着出来る。
【0147】従って、吸着力発生手段の発生する負圧値
或いは吸引容量を、普通紙等の比較的通気性の大きいシ
ートに対応させて設定した場合でも、吸着力調整手段の
作用によって樹脂フィルム等の比較的通気性の小さいシ
ートを使用する場合にシート吸着手段の吸着力が必要以
上に大きく作用することがなく、これによって、シート
を変形させたり、シート吸着手段及び負圧発生ポンプに
過負荷となって耐久性の障害となることもなく、無駄な
エネルギーの消費になることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシート給送装置を備えた画像形成
装置の第1実施形態の全体構成を示す断面説明図であ
る。
【図2】第1実施形態の構成を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態の図2中のA−A断面図であり、
シートを給送する際の動作説明図である。
【図4】第1実施形態の図2中のA−A断面図であり、
シートを給送する際の動作説明図である。
【図5】第1実施形態の図2中のA−A断面図であり、
シートを給送する際の動作説明図である。
【図6】第1実施形態の図2中のA−A断面図であり、
シートを給送する際の動作説明図である。
【図7】本発明に係るシート給送装置の第2実施形態の
構成を示す斜視図である。
【図8】本発明に係るシート給送装置の第3実施形態の
構成を示す斜視図である。
【図9】第3実施形態の図8中のB−B断面図であり、
シートを給送する際の動作説明図である。
【図10】第3実施形態の図8中のB−B断面図であり、
シートを給送する際の動作説明図である。
【図11】第3実施形態の図8中のB−B断面図であり、
シートを給送する際の動作説明図である。
【図12】第3実施形態の図8中のB−B断面図であり、
シートを給送する際の動作説明図である。
【図13】本発明に係るシート給送装置の第4実施形態の
構成を示す斜視図である。
【図14】第4実施形態の図13中のC−C断面図であり、
シートを給送する際の動作説明図である。
【図15】第4実施形態の図13中のC−C断面図であり、
シートを給送する際の動作説明図である。
【図16】第4実施形態の図13中のC−C断面図であり、
シートを給送する際の動作説明図である。
【図17】第4実施形態の図13中のC−C断面図であり、
シートを給送する際の動作説明図である。
【図18】本発明に係るシート給送装置の第5実施形態の
構成を示す斜視図である。
【図19】第5実施形態の図18中のD−D断面図であり、
シートを給送する際の動作説明図である。
【図20】第5実施形態の図18中のD−D断面図であり、
シートを給送する際の動作説明図である。
【図21】第5実施形態の図18中のD−D断面図であり、
シートを給送する際の動作説明図である。
【図22】第5実施形態の図18中のD−D断面図であり、
シートを給送する際の動作説明図である。
【図23】本発明に係るシート給送装置の第6実施形態の
構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…複写機、2…シートカセット、2a…分離爪、3…
吸着パッド、4a,4b…給送ローラ対、5a,5b…
レジストローラ対、6…プロセスカートリッジ、7…感
光体ドラム、8…転写帯電器、9…現像スリーブ、10…
クリーニングブレード、11a,11b…ローラ、12…搬送
ベルト、13…定着前ガイド、14…定着器、15…熱ロー
ラ、16…加圧ローラ、17…排出口、18…排出トレイ、19
…手差し給送口、20a,20b…給送ローラ対、21…原稿
台ガラス、22…照明ランプ、23,24,25…ミラー、26…
結像レンズ、27…ミラー、28…圧接シート、29…圧板、
30…反射光、41…メインフレーム、41a…切欠部、41b
…端片、42…移動台、42a…カム当接部、42b…支持
台、43…ブラケット、43a…溝部、44…引張りコイルバ
ネ、45…回転駆動軸、46…カム、47…支軸、48…回動ア
ーム、48a…カム当接部、49…引張りコイルバネ、50…
カム、51…吸着パッド、52…チューブ、53…吸引ポン
プ、53a…ブラケット、53b…可動部、53c…負圧室、
54…支軸、55…シート押さえ、55a…シート当接部、56
…ストッパ、57…圧縮バネ、58…リンク部材、58a…支
点、58b…カム当接部、59…カム、61…回動アーム、61
a…カム当接部、61b…直線部、61c…コの字型部、62
…支軸、63…シート押さえ、63a…シート当接部、71…
シートトレイ、71a…分離爪、72…支軸、73…シート押
さえ、73a…シート当接部、74…係止部材、81…第1の
リンク部材、81a…支点、82…第2のリンク部材、82a
…支点、82b…カム当接部、82c…突当部、83…引張り
コイルバネ、91…分岐点、92…チェックバルブ、92a…
穴、92b…弁手段、92c…圧縮コイルバネ、P,P′,
P″…シート

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートを載置するシート載置手段と、 吸着力発生手段により付与された吸着力により前記シー
    ト載置手段に載置されたシートを吸着するシート吸着手
    段と、 前記シート吸着手段を移動させて、該シート吸着手段に
    より吸着されたシートを前記シート載置手段よりもシー
    ト給送方向下流側に配置したシート給送手段に導く移動
    手段とを備え、 前記吸着力発生手段が前記移動手段と連動して動作する
    ように構成したことを特徴とするシート給送装置。
  2. 【請求項2】 前記移動手段と前記吸着力発生手段とが
    共通の駆動源から動力を得るように構成したことを特徴
    とする請求項1に記載のシート給送装置。
  3. 【請求項3】 前記移動手段と前記吸着力発生手段とが
    共通の駆動源により駆動される一つの回転軸を介して動
    力を得るように構成したことを特徴とする請求項2に記
    載のシート給送装置。
  4. 【請求項4】 前記シート吸着手段よりもシート搬送方
    向上流側に、前記シート載置手段に載置されたシートを
    押圧するシート押さえ手段を有することを特徴とする請
    求項1に記載のシート給送装置。
  5. 【請求項5】 前記シート押さえ手段は前記移動手段に
    設けられ、前記移動手段により前記シート吸着手段が移
    動して該シート吸着手段により吸着されたシートが前記
    シート載置手段上のシート載置部位から離間した後、前
    記シート押さえ手段が前記シート載置部位から離間する
    ように構成したことを特徴とする請求項4に記載のシー
    ト給送装置。
  6. 【請求項6】 前記吸着力発生手段は、容器の内部体積
    を変化させる隔壁が往復動作し、該隔壁の一方向動作の
    間に負圧を発生するように構成したことを特徴とする請
    求項1に記載のシート給送装置。
  7. 【請求項7】 前記シート吸着手段の吸着力を調整する
    吸着力調整手段を有することを特徴とする請求項1に記
    載のシート給送装置。
  8. 【請求項8】 前記吸着力調整手段は、請求項6に記載
    の吸着力発生手段の隔壁に連結された第1のリンク部材
    と、前記吸着力発生手段を駆動する駆動源に連結された
    第2のリンク部材との間に弾性部材を介して連結したこ
    とを特徴とする請求項7に記載のシート給送装置。
  9. 【請求項9】 前記吸着力調整手段は、請求項6に記載
    の吸着力発生手段が発生する負圧が所定値以上になった
    時、該吸着力発生手段の負圧室を外気に連通する弁手段
    を有して構成したことを特徴とする請求項7に記載のシ
    ート給送装置。
  10. 【請求項10】 シートを載置するシート載置手段と、 吸着力発生手段により付与された吸着力により前記シー
    ト載置手段に載置されたシートを吸着するシート吸着手
    段と、 前記シート吸着手段を移動させて、該シート吸着手段に
    より吸着されたシートを前記シート載置手段よりもシー
    ト給送方向下流側に配置したシート給送手段に導く移動
    手段と、 前記シート吸着手段の吸着力を調整する吸着力調整手段
    と、 を有することを特徴とするシート給送装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載のシ
    ート給送装置を備え、該シート給送装置により給送され
    たシートに画像情報に応じて画像を形成する画像形成手
    段を有することを特徴とする画像形成装置。
JP8233848A 1996-09-04 1996-09-04 シート給送装置及び画像形成装置 Pending JPH1077130A (ja)

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