JPH1077062A - 貯蔵容器用の通気アセンブリ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 極端な温度状態下で貯蔵用容器を使用する際
に、シールと通気アセンブリとの間の膨張度と収縮度を
許容する。 【解決手段】 食料用容器のシールの上パネル用の通気
アセンブリは、シールの上パネルに形成された通気孔を
備えている。この通気孔は上向きに開口した凹部に少な
くともその一部が囲まれ、通気孔と凹部はシールの上パ
ネル下面の下方に位置している。通気カバーは、通気孔
内に選択的に受け入れ可能なプラグを備え、ヒンジアセ
ンブリにより回転可能に取り付けられている。ヒンジア
センブリは、カバー上に形成されたヒンジピンを有し、
通気孔に隣接した凹部内の離間したトラニオンボアによ
り受け入れられる。トラニオンボアは、横方向にピン直
径より大きく形成されほぼ卵形状となっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、貯蔵容器用の通気
アセンブリに関する。

【０００２】

【従来の技術】食料貯蔵容器は、従来からポリプロピレ
ンのような適当なプラスチックや合成樹脂材料により作
られており、冷凍庫内に食料を貯蔵するときには極度な
低温にさらされ、さらに、電子レンジ内で食料を加熱す
るときには高温状態にさらされることが頻繁にある。、
特に加熱時の内部に生じる圧力を開放するために、容器
は、通常、シールの一部を剥がすか又は容器かシールの
何れかに設けられた通気項により通気が行われている。
通気シールの例が、米国特許第５，３６３，９７８号明
細書に記載されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】冷凍時及びその後の加
熱時の両者を通して食料を貯蔵するための容器の大部分
において、容器をこのような２つの極端な温度状態にさ
らすと、種々の部品と容器との間の膨張度と収縮度が異
なることが生じる。これは、シールと容器自体との間に
おいて問題とはならないが、通気孔がシールに設けられ
且つ通気孔のための別のカバーが枢軸動作により選択的
に通気孔を開閉するためにシールに取り付けられている
場合に問題となる。このような構造で冷凍や加熱のよう
な極端な温度状態にさらされた場合、通気カバーが通気
孔から移動したり、離れて固定されたヒンジ手段とプラ
グ部との間で破損が生じることがあった。カバーが開い
ており、容器が何れかの極端な温度状態にさらされてい
るときにカバーを閉じたいと思った場合、膨張度と収縮
度が異なるため、プラブや通気孔のようなカバーのシー
ル要素を調整することができなくなる傾向がある。極端
な温度状態で通気孔を頻繁に開閉する必要があるが、上
述した理由により困難である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、極端な温度状
態の下で使用される食料用の貯蔵容器のための通気孔付
きシールの改良に関する。例えば、最近の合成樹脂の食
料容器は、家庭用の冷凍庫内で食料を貯蔵し、さらにそ
の後に冷凍庫から直接電子レンジに入れて使用すること
が頻繁に行われている。シールの上パネル内に一体的に
通気孔を形成して、特に極端な温度領域で容器内の圧力
変動を許容できるようにしたので、シールを部分的に開
いたり剥がしたりしてシールを裂く必要がない。次に、
このような構成としたことにより、シールを容器の回り
にきっちりと取り付けることができ、さらに、人為的に
シールを取り外すまでシールと容器の弾性力によりきっ
ちりと取り付けられている。

【０００５】通気孔は、シールの上パネル内の凹部に設
けられている。通気孔の開閉を制御するために、通気カ
バーが通気孔の上に設けられており、通気孔が閉じられ
ているときは、この通気カバーは、シールの上パネルと
同一面内に位置し、貯蔵や積み重ね等ができるように、
実質的に面一の連続上面を形成している。このように通
気カバーが面一に配置されているが、通気カバーは、便
利なロック動作により操作され、カバーに取り付けられ
たプラグが通気孔に選択的に係合されまた通気孔から開
放される。通気カバーは、このようなロック動作を許容
するために、通常は、剛性がありシールや容器のベース
よりも曲げ難い材料から作られている。このため、極端
な温度状態の下では、通気カバーと通気孔又はシールの
上面から一体的に形成されたカバー以外の通気孔構造物
との間に異なる膨張度及び収縮度が生じる傾向がある。
本発明は、この異なる膨張度及び収縮度を吸収して通気
カバーの開閉操作を容易にするためになされたものであ
り、特に、カバーが閉位置にあるとき、カバーと通気孔
との間に生じる過度の応力やカバーの破損を防止するも
のである。換言すれば、充填された容器が冷凍されてい
るときに、材料の異なる収縮を許容することにより、カ
バーの孔用プラグがそのシールに保持される。

【０００６】より具体的に説明すれば、通気孔は、一対
の離れて配置されたトラニオンにより形成された凹部の
略中心線の一方側に対してシールパネルの凹部内に設け
られている。カバーは、その中心線上に、その下側端部
に沿って一体的な突起を有し、この突起には細長い軸で
あるヒンジピンが取り付けられており、このヒンジピン
の両端部は時を越えて長手方向に延び更に２つのトラニ
オンに下向きにパチンと入れられその中で自由に回転で
きるようになっている。軸の両端部は、円柱状であり、
一方、これらの両端部を受け入れるトラニオンのボアは
取り付けられた軸の両端部に対して横方向に長くなって
おり、閉位置の通気カバーとほぼ平行になっている。こ
のように構成されているので、通気カバーは、通気孔か
ら離接して自己調整可能であり、この結果、通気カバ
ー、シールの上パネル及びそれから形成された通気用部
品との間の異なる膨張度と収縮度が許容され、プラグが
通気孔内に応力が無く係合し且つ保持される。同様に、
トラニオンのボア内で軸両端部が自由に回転可能に受け
入れられているので、異なる膨張度と収縮度を更に許容
するためにトラニオン内で軸が少し長手方向に調整可能
となっている。軸支持用の受台が、凹部の底に一体的に
形成され且つトラニオンの間に延びており、膨張度と収
縮度の差異が最小又は零となる通常の位置に軸を安定化
させている。

【０００７】本発明の他の特徴、詳細及び利点は以下の
説明により明らかになろう。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１は、貯蔵容器１０を示してお
り、この貯蔵容器１０は、ベース１２と、シール１４
と、通気孔アセンブリ１６を備え、これらの全ては、食
品に影響のない電子レンジで使用可能で適切なプラスチ
ック又は合成樹脂の材料で作られている。シールとベー
スは、図示し易いように、ほぼ矩形状のものとして示さ
れている。従来から、シール１４の周囲形状は、ベース
１２の口の形状と一致するようになっている。シール１
４は、ベースを覆う上パネル１８を有し、この上パネル
１８は、一体的に周囲に取り付けられたフランジ２０を
備えている。このフランジ２０は、通常の方法で、ベー
ス１２の上縁に取り外し可能なようにパチンと止められ
る（スナップロックされる）。このとき、フランジ２０
は、ベースの口の周囲と直接接触している。シールの上
パネル１８は、多段に貯蔵容器を積み重ねられるように
平面状の又はほぼ平面状の上側又は外側面２２を有し、
さらに、下側又は内側面２４も同様に平面状又はほぼ平
面状となっている。

【０００９】容器は、冷凍用容器としての用途から電子
レンジ等で食料品の加熱する用途まで広範囲の温度状態
の下で使用されるように意図されているので、通気孔ア
センブリ１６及びその極端な温度状態への適応性は、特
に重要である。通気孔アセンブリ１６は、上向きに開口
した窪みである凹部２６を有している。この凹部２６
は、好ましくは図示されているように環状で、パネル１
８内で好ましくはシールの一端に近くで貯蔵容器のほぼ
中心線上に形成されている。凹部２６は、パネル１８の
平面状の外側面２２の下側にその全部が形成されてお
り、一体的に上向きに延びた細長いヒンジ要素３０によ
り横方向である直径方向に分割された傾斜した底部２８
を備えている。このヒンジ要素３０は、その詳細は後で
説明するが、凹部２６を２つのほぼ等しい区分である第
１上側セクション３２と第２下側セクション３４に分割
している。

【００１０】ほぼ円錐形の上向きの中空ステム３６が凹
部２６の第１セクション内に底部と一体的に形成されて
おり、この中空ステム３６は、その上端が切断されてシ
ールパネル１８を直接貫通するようになっている。開口
部３８は、その周囲が内側を向いたロック用リップを備
えており、このリップはパネル１８の上側面２２の面よ
り下側である内側となっている。凹部２６の底部２８と
一体のヒンジ要素３０は、一対の長手方向に離間したト
ラニオン４０を有し、これらのトラニオン４０はそれぞ
れ一対の対向したトラニオンセクタ４２，４４から形成
されている。各トラニオン４０の一方のセクタ４２は、
弓形のシート４６を備えており、このシート４６は、そ
れに円又は円柱の円弧が続き且つ相手方のトラニオンセ
クタ４４の方に横方向内側に向いている。次に、各トラ
ニオンセクタ４４は、横方向内側に向いた凹状のシート
４８を備え、このシート４８の下部は、相手方のシート
４６の下部と並び且つ横方向に離間し、シート４６の下
部と連続して弓形となっている。シート４８も、同様に
弓形であり、シート４６より大きな曲率半径を有し且つ
シート４６よりも高く延びている。同様に、トラニオン
４４も相手方よりも高く延びている。各トラニオンの対
向するシート４６，４８は、横方向に伸びたトラニオン
用ボア５０を形成しており、このボア５０の形状は、長
円形であり、より具体的に言えば卵形である。各トラニ
オンの対向するセクタ４２，４４の上部により、トラニ
オンボアに対して絞られたアクセス開口５２が形成され
る。この開口５２は、２つのセクタの高さが異なるため
に、２つのセクタの間の垂直中心線に対して所定の角度
の平面内にある。

【００１１】長手方向に離間したトラニオン４０は一体
的に伸びた受台５４により相互に接続されており、この
受台５４は、対向するシート４６，４８の下部により形
成されたボア５０の下部の弓形と一致する凹部上面をそ
の全長に有し、さらに、高さも同じである。通気孔アセ
ンブリ１６は、更に通気孔カバー５６を備えている。こ
の通気孔カバー５６は、ほぼ平面的な上部部材である外
側部材５７を形成しており、この外側部材５７は、後で
詳細に説明するように、凹部２６の開口端部の形状とほ
ぼ一致し、カバー５６が垂直なロック動作が出来るよう
に凹部に関して少し小さくその凹部内に形成されてい
る。カバー５６は、凹部２６と同様に、その上面に現れ
ている適当な溝である印５８により好ましく示されてい
るように、中心で又は直径により区切られている。

【００１２】細長い円柱状の枢軸又はピン６０が、中心
線５８と平行に且つカバー部材５７の下面と離れて設け
られている。このピン６０の中心部分は突起であるブロ
ック６２によりカバーの下面に一体的に結合され、ヒン
ジアセンブリの第２要素を形成している。ヒンジ軸であ
るピン６０の対向する端部６４が、これらの端部６４を
トラニオン開口５２を通ってボア５０内にパチンと入れ
ることにより、対向するトラニオン４０と係合する。軸
端部は円柱状で且つトラニオン４２内のシート４６と適
合し、回転可能である。軸６０の中間部は、トラニオン
の間にある受台５４の上に回転可能に着座している。特
に図６に示すように、軸６０がトラニオン内にその全部
が着座し且つトラニオンセクタ４２，４４の上端部によ
り形成された絞られたトラニオン開口５２により閉じ込
められた状態で、カバー５６が軸とフリーロック係合す
るように取り付けられており、このとき、軸は、受台５
４の凹部上面上及びより小さなシート４６内に通常は着
座している。一方、より大きなシート４８は、軸端部の
通気孔開口３８に向いた前方部に一定の空間を形成する
ように配置されている。ここで、軸６０は、それがより
大きなシート４８に向かって前方に移動することによ
り、トラニオンセクタの上端部により形成された絞られ
た開口５２によりその動きが規制されるまで、凹部の底
部から上方に移動いて調整することができ、こうして閉
じ込められる。

【００１３】カバー部材５７の周囲は、一体的に形成さ
れた端部６４により剛性が大となっている。カバー５６
の凹部２６の通気孔部分を上にある部分には、一体形成
されたプラグ６６が設けられており、このプラグ６６
は、その下側端部の回りにシールビードであるリップ６
８を有する。カバーが閉じられた位置にあるとき、図３
に示すように、カバー外側部材５７は、平面的な積み重
ね面を保持するために実質的にシールパネル１８の平面
内にある。このように配置されているため、閉鎖プラグ
６６は、プラグの周縁のビード６８が通気孔３８の回り
の環状のリップの下方にパチンとロックされて係合した
状態で、通気孔３８と密にシールされる。閉じられた位
置にあるとき、通気孔３８の周縁はカバーの上部材の下
面をシールし、このとき、プラグ６６の直ぐ上のカバー
の上面には、わずかの窪み７０が形成され、この窪み７
０により、プラグにしっかりと係合するために圧力が加
えられていることが示される。

【００１４】図４に最も良く示されているように、通気
カバー５６の一部がヒンジアセンブリの他の側の部分に
あり、この通気カバー５６の一部は、凹部２６の傾斜し
た底面２８により形成された凹部２６のより深い部分３
４の上にある。この通気カバー５６の一部には、一体的
なドーム７２が形成され、このドーム７２が通気孔３８
を開くためにシール用プラグ６６を上方にロックする際
の圧力を加える望ましい位置を示している。貯蔵容器１
０は、極端な温度状態の下で使用されることが意図され
ているので、特に、シールとこのシールと一体的に形成
された通気アセンブリ、及び適切なロック動作を行うた
めにより剛性のある通気カバーの間である程度の異なる
膨張度と収縮度が必要となる。この条件を満たし且つシ
ール時と開動作時に通気カバーを確実に連続的に適切に
作動させるために、本発明は、加熱時に膨張度が異なっ
たり、冷凍時に収縮度が異なったりする場合でも、プラ
グの中心を自動的に位置決めすることができるヒンジア
センブリを提供する。このようにして、本発明による貯
蔵容器は、従来の貯蔵容器を好ましい全ての特徴を保持
しつつ、極端な温度状態の下で使用される容器の融通性
を増大させている。シールは、極端な温度状態では通常
は開閉されず、大きな領域が関係しており、さらにシー
ルとベースとの間には認められるほどの膨張度と収縮度
の差異がないので、シールとベースの間のシール性は、
通気孔と通気カバーとの間のシール性と異なり、極端な
温度状態下でも容易に保持される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による通気アセンブリを備えたシール
を有する貯蔵容器の斜視図

【図２】 通気アセンブリとシールの調整部分を示す部
分平面図

【図３】 図１の３−３線に沿って見た拡大断面図であ
りカバーの閉じられた通気アセンブリを示す拡大断面図

【図４】 通気カバーが開いた位置にある図３と同様な
部分断面図

【図５】 通気カバーを備えた通気アセンブリを展開し
て示す斜視図

【図６】 図２の６−６線に沿って見た拡大断面図であ
りカバーのロック取り付け状態を示す拡大断面図

【符号の説明】

１０ 貯蔵容器 １２ ベース １４ シール １６ 通気アセンブリ １８ 上パネル ２６ 凹部 ３０ ヒンジ要素 ３８ 通気孔 ４０ トラニオン ４２ トラニオンセクタ ５０ トラニオンボア ５４ 受台 ６０ ヒジンピン（ヒンジ軸） ６６ プラグ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ディー スコット ミラー アメリカ合衆国 フロリダ州 32837 オ ーランド オースプリー ネスト レーン 13814 アパートメント 32

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 貯蔵容器用の通気アセンブリであって、
   この貯蔵容器がシールを有し、この貯蔵容器がほぼ平面
   状のパネルを形成する部分を有し、このパネルが外側面
   と内側面を有する通気アセンブリにおいて、 上記通気アセンブリは、 上記外側面に対して内側に凹み外側に開口する凹部を形
   成する上記パネルの一体部分を有し、上記凹部は底部を
   有する上記パネルの一体部分と、 上記凹部の底部上に形成されその底部の実質的な部分に
   沿って延びる第１ヒンジ要素であって、この第１ヒンジ
   要素の対向する両側に対して上記凹部内で第１及び第２
   のほぼ等しいサイズのセクションを形成する第１ヒンジ
   要素を有し、 上記通気アセンブリは、この第１セクション内の底部を
   連通するように形成された通気孔と、 上記凹部の上にあり且つ上記通気カバーが閉位置のとき
   に選択的に上記通気孔内に係合し且つ通気孔を閉じる通
   気プラグを備えた通気カバーと、を有し、 上記通気カバーは、上記閉位置で、上記凹部の回りで上
   記パネルとほぼ共通の面内にあり、 上記通気カバーは、上記第１ヒンジ要素と係合し、通気
   プラグが通気孔に受け入れられた閉位置と通気プラグが
   通気孔から外側に向けて引っ込められた開位置との間を
   相対的に回動する第２ヒンジ要素を有し、 上記第１及び第２のヒンジ要素は、上記通気カバーの閉
   位置において、上記通気プラグと上記通気孔との係合関
   係を保持しつつ、上記通気孔に離接する方向に互いに対
   して相対的に横方向に移動可能であり、 上記カバーと上記プラグとの間の異なる膨張度と収縮度
   が、プラグが通気孔内に保持され且つカバーが凹部を取
   り囲むパネルとほぼ同一平面に保持された状態で許容さ
   れることを特徴とする貯蔵容器用の通気アセンブリ。