JPH1076148A - ポリテトラフルオロエチレン膜を有するエアフィルタ用ろ材の加工方法 - Google Patents

ポリテトラフルオロエチレン膜を有するエアフィルタ用ろ材の加工方法

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JPH1076148A
JPH1076148A JP25102096A JP25102096A JPH1076148A JP H1076148 A JPH1076148 A JP H1076148A JP 25102096 A JP25102096 A JP 25102096A JP 25102096 A JP25102096 A JP 25102096A JP H1076148 A JPH1076148 A JP H1076148A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工工程におけるダメージによる効率低下が
より少ないポリテトラフルオロエチレン膜を有するエア
フィルタ用ろ材の加工方法を提供すること、また反発力
の強い有機繊維の不織布で補強したものであっても折り
壁が湾曲しないポリテトラフルオロエチレン膜を有する
エアフィルタ用ろ材の加工方法を提供することを目的と
する。 【解決手段】 ポリテトラフルオロエチレン膜を有する
ろ材の表面に、線状にスペーサを付設し、前記ろ材をジ
グザグ状に一定幅に折り込んでフィルタパックを製造す
る際のエアフィルタ用ろ材の加工方法において、線状ス
ペーサの付設工程の前工程で前記ろ材を一旦一定の巾に
折り込む際に、前記ろ材をあらかじめ加熱しておくこと
を特徴とする

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体関連産業な
どのクリーンルーム中において、空気中の微粒子を捕集
するフィルタ及び酸、アルカリ、溶剤等の薬剤雰囲気中
の微粒子を除去するフィルタに関し、ポリテトラフルオ
ロエチレン膜を有するエアフィルタろ材の加工方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のろ材の加工方法を図2に
示す装置構成に基づいて説明する。まず帯状のろ材10
は、筋付け装置11に送られ、折り曲げ巾の間隔で筋付
けが行われる。そして、筋付けが行われた後に、ホット
メルト樹脂塗布装置12により、ろ材10の両面に線状
スペーサのホットメルト樹脂を塗布する。そして、ホッ
トメルト樹脂を塗布した後、ろ材折込装置13によりろ
材をジグザグ状に折り込んで、フィルタパックを製造し
ている。また、上記従来のろ材の加工方法で加工するろ
材としては、一般的にはガラス繊維ろ材が用いられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなろ材を用いたフィルタからは、ホウ素が発生すると
いう報告があり、ホウ素濃度を低減する必要のある集積
度の高い半導体を製造するクリーンルームでは問題とな
っている。又は、このろ材は、ウエハのエッチング工程
などで使用されるHFを含んだ空気により侵食される問
題がある。そのため、ホウ素を含有しておらず空気透過
性と塵埃捕捉性と各種薬剤に対する安定性に優れたろ材
として、ポリテトラフルオロエチレン膜が注目を集めて
いる。このポリテトラフルオロエチレン膜は、筋付け加
工や折加工等において機械的な損傷等のダメージを受け
易く、これらの加工において受けるダメージは、フィル
タとしての捕集効率の低下を招き、膜の切断等の重度の
損傷はピンホールを生じ、フィルタ用ろ材として使用で
きなくなる。従って、ポリテトラフルオロエチレン膜を
有するろ材を上記従来の加工方法によって加工すると、
ダメージを受けてしまいフィルタとしての捕集効率が低
下してしまう。一方、ポリテトラフルオロエチレン膜単
体では、取扱いや加工性等に問題があり、強度や取扱性
の向上や膜へのダメージを軽減するために有機繊維の不
織布を貼り合わせることが必要である。しかし有機繊維
の不織布はガラス繊維ろ材と比較すると反発力が極めて
強く、上記従来の加工方法によって加工すると出来上が
るフィルタパックは、図3に示すようになる。すなわち
フィルタパックは、ろ材表面が湾曲し、折り壁間の隙間
Aは一定ではなく、また隣り合う折り壁同士が接触する
接触部Bを有している。このように、ろ材の折り壁間の
隙間Aが不均一でまた接触部Bを有すると、空気の流通
抵抗が増加し、圧力損失が高くなってしまうという課題
を有する。そこで本発明は、加工工程におけるダメージ
による効率低下がより少ないポリテトラフルオロエチレ
ン膜を有するエアフィルタ用ろ材の加工方法を提供する
こと、また反発力の強い有機繊維の不織布で補強したも
のであっても折り壁が湾曲しないポリテトラフルオロエ
チレン膜を有するエアフィルタ用ろ材の加工方法を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のエアフィルタ用ろ材の加工方法は、ポリテト
ラフルオロエチレン膜を有するろ材の表面に、線状にス
ペーサを付設し、前記ろ材をジグザグ状に一定幅に折り
込んでフィルタパックを製造する際のエアフィルタ用ろ
材の加工方法において、線状スペーサの付設工程の前工
程で前記ろ材を一旦一定の巾に折り込む際に、前記ろ材
をあらかじめ加熱しておくことを特徴とする。
【0005】また請求項2記載の本発明のエアフィルタ
用ろ材の加工方法は、ポリテトラフルオロエチレン膜を
有するろ材の表面に、線状にスペーサを付設し、前記ろ
材をジグザグ状に一定幅に折り込んでフィルタパックを
製造する際のエアフィルタ用ろ材の加工方法において、
ろ材をポリテトラフルオロエチレン膜の延伸温度に加熱
する工程と、前記工程で加熱された状態にあるろ材を一
定の巾に折り込む工程と、折り込んだろ材の相互の折り
壁が密着するように圧縮し、この圧縮状態でろ材を加熱
処理する工程と、前記工程で折り込んだろ材を引き延ば
してろ材表面に線状スペーサを付設する工程と、前記工
程で線状スペーサを付設したろ材を再び折り込む工程を
有することを特徴とする。
【0006】また請求項3記載の本発明のエアフィルタ
用ろ材の加工方法は、前記ろ材として、ポリテトラフル
オロエチレン膜両面に有機繊維の不織布を貼り合わせた
ものを用いることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いるろ材は、ポリテト
ラフルオロエチレン膜を用いたものである。なお、ポリ
テトラフルオロエチレン膜は0.1〜50μmの極薄で
自己形状保持性がないので、補強のため片方の面に熱可
塑性樹脂製の有機繊維不織布を積層し、プリーツ加工時
のポリテトラフルオロエチレン膜のダメージ防止のため
他方の面に同様な有機繊維不織布を積層するものであ
る。また有機繊維不織布の材質としては、ポリオレフィ
ン、ナイロン、ポリエステル、アラミド、またはこれら
を組み合わせたものを使用できる。ポリテトラフルオロ
エチレン膜と有機繊維不織布の積層方法は、不織布の一
部を溶融したり粉末接着剤を介したり、ホットメルト樹
脂を用いて熱圧着する既知のものを採用する。また線状
スペーサは、ポリオレフィン系、ポリアミド系等の熱溶
融型接着剤(ホットメルト樹脂)を単独で、あるいはこ
れらの熱溶融型接着剤を芯材に被覆したものを用い、ひ
も、糸、リボン、テープ形状のものを連続、不連続に形
成したものである。そして、このようなろ材をジグザグ
状に折り込むための装置として、本発明のエアフィルタ
用ろ材の加工装置は、ろ材を折り込む折り込み部と、折
り込んだろ材の折り壁が密着するように圧縮する圧縮部
と、折り込んだろ材の折り曲げ部を加熱する加熱部を備
えている。そしてこの装置を用いて、ろ材を折り込んだ
状態で加熱処理することにより、ろ材の強い反発力にか
かわらずろ材の表面が湾曲することなく、シャープに折
り込むことができる。従って、折り壁間の隙間が不均一
になったり接触部を有することがない。
【0008】本発明は、ろ材とジグザグ状に折り込む際
に、あらかじめろ材をポリテトラフルオロエチレン膜の
延伸温度に加熱しておくことで、折加工におけるダメー
ジによる捕集効率の低下を防止することができる。本発
明の延伸温度とは、通常ポリテトラフルオロエチレン膜
の微孔を形成する際の延伸のための温度ではなく、膜が
熱により変形可能な熱変形温度以上であって形成された
微孔サイズを変えない温度以下の領域を示すものであ
る。また本発明は、線状スペーサの付設工程の前工程
で、この加熱処理を行うことにより、付設した線状スペ
ーサを溶かすことがなく、線状スペーサの機能に影響を
及ぼさず、また付設した線状スペーサによって所定の折
り込みができなくなるという不都合も生じない。また本
発明は、この加熱処理を行うときに、折り込んだろ材の
相互の折り壁が密着するように圧縮することによって、
よりシャープに折り込むことができる。以上のようにし
て加工された本発明のエアフィルタ用フィルタパック
は、ろ材の折り曲げ部が加熱処理されており、ろ材表面
が湾曲することなくシャープな折り込みとなっている。
【0009】
【実施例】まず、本実施例で用いるろ材について説明す
る。本実施例で用いるろ材は、ポリテトラフルオロエチ
レン膜の片面にポリエステル製不織布目付100g/m
2 を補強材として積層し他方の面にプリーツ加工時のダ
メージ防止としてポリエステル製不織布15g/m2
積層したものを用いている。以下本発明のエアフィルタ
用ろ材の加工方法の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は同加工方法を行うための装置の構成図である。同
図に示すように、ろ材1をあらかじめ加熱する加熱装置
2と折り曲げ部を加熱処理する折込処理装置3と、線状
スペーサであるホットメルト樹脂を塗布するホットメル
ト樹脂塗布装置4と、フィルタパックを形成するための
ろ材折込装置5とを有している。そしてろ材1は、複数
のロール6a〜6kによって、それぞれの装置に導かれ
る構成になっている。そして加熱装置2は、上下2枚の
ヒータ2a,2bよりなり、ポリテトラフルオロエチレ
ン膜の延伸温度である約80℃に温度設定がなされてい
る。また折込処理装置3は、ろ材1をジグザグ状に折り
込む折込部3aと、折り込んだろ材1の折り壁が密着す
るように圧縮する圧縮部3bと、折り込んだろ材1の折
り曲げ部を加熱する加熱部3cとを備えている。ここで
加熱部3cは、対向する上下2枚の加熱板によって構成
し、この加熱板に折り曲げ部が当接するようにろ材1は
配置されている。また圧縮部3bは、この加熱部3cの
出口側に設けた衝立板より構成している。またホットメ
ルト樹脂塗布装置4は、ホットメルト樹脂を加熱溶融さ
せたタンク4aと、このタンク4aの溶融されたホット
メルト樹脂を適量ずつ排出するノズル4b、4cによっ
て構成している。なお、ホットメルト樹脂は、ろ材1の
表面に複数本所定間隔を開けて塗布される。
【0010】次に上記装置を用いたときのろ材の加工方
法について説明する。まず帯状のろ材1は、ロール6a
により加熱装置2に送られて、約80℃に加熱された状
態で折込処理装置3に送られる。この折込処理装置3に
送られたろ材1は、折込部3aによってジグザグ状に一
定の巾に折り込まれるがあらかじめポリテトラフルオロ
エチレン膜の延伸温度に加熱されているのでダメージを
受けることはない。この折込部3aによって折り込まれ
たろ材1は、上下一対の加熱板からなる加熱部3cの間
にジグザグ状の状態で連続的に送り込まれる。従って、
折り込まれたろ材1は、押し込まれるに従って、加熱部
3cの間を移動し、加熱部3cの出口側へ送られる。こ
の加熱部3cの出口側に送られたジグザグ状のろ材1
は、衝立板あるいは圧縮棒からなる圧縮部3bによって
堰き止められるため、折り込んだろ材1の相互の折り壁
が密着するように圧縮される。このとき、加熱部3cは
約60℃〜80℃の温度で加熱している。このようにろ
材1は、圧縮状態で折り曲げ部を加熱するために、折り
曲げ部において熱変形を生じる。このように、折込処理
装置3で折り曲げ処理されたろ材1は、衝立板により一
定量堰き止められて加熱処理された後、衝立板を取り除
き開放することで再び引き延ばされ、ロール6b〜6i
を介してホットメルト樹脂塗布装置4にて、ホットメル
ト樹脂を塗布される。まず、ロール6b、6cによって
所定のテンションをかけた状態で、ノズル4bからホッ
トメルト樹脂をろ材1の一方の面に塗布する。その後ロ
ール6d、6eによってろ材1の上下面を入れ替え、ロ
ール6e、6fによって所定のテンションをかけた状態
で、ノズル4cからホットメルト樹脂をろ材1の他方の
面に塗布する。その後、ロール6g、6h、6iを介し
てろ材折込装置5にてろ材1の最終の折り込みがなされ
る。なお本実施例では、加熱装置2として上下2枚のヒ
ータ2a、2bで構成したが、一方のみをヒータとし他
方を反射板としてもよい。またこのヒーター部は、遠赤
外線、熱風等ろ材を一定中に折り込む工程までろ材の温
度を延伸温度に維持させることができる方法であれば何
れでもよい。また本実施例ではポリテトラフルオロエチ
レン膜の両面にポリエステル製不織布を積層したものを
ろ材として用いたため、加熱温度を60℃〜80℃とし
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、加熱温
度は、ろ材を構成する熱可塑性樹脂製の融点よりも低く
かつ熱変形温度以上であればよい。また、ホットメルト
樹脂の塗布方法は、本実施例に限定されるものではな
く、線状スペーサの機能を果たすものであればよい。ま
た本実施例では、折込処理装置で初めて折り込みがされ
るが、あらかじめ折込処理装置に導かれる前に筋を付け
ておくことにより折り込みやすくすることもできる。
【0011】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、ポリテトラフルオロエチレン膜にダメージを与
えることなく加工を行うことができるのでフィルタとし
ての捕集効率を低下させることがない。また、反発力の
強い有機繊維の不織布で補強したものであっても折り壁
の湾曲を防止することができるので圧力損失を高めるこ
とがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による装置構成図
【図2】従来例による装置構成図
【図3】従来例によるフィルタパックの要部拡大側面図
【符号の説明】
1 ろ材 2 加熱装置 3 折込処理装置 3a 折込部 3b 圧縮部 3c 加熱部 4 ホットメルト樹脂塗布装置 5 ろ材折込装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリテトラフルオロエチレン膜を有する
    ろ材の表面に、線状にスペーサを付設し、前記ろ材をジ
    グザグ状に一定幅に折り込んでフィルタパックを製造す
    る際のエアフィルタ用ろ材の加工方法において、線状ス
    ペーサの付設工程の前工程で前記ろ材を一旦一定の巾に
    折り込む際に、前記ろ材をあらかじめ加熱しておくこと
    を特徴とするポリテトラフルオロエチレン膜を有するエ
    アフィルタ用ろ材の加工方法。
  2. 【請求項2】 ポリテトラフルオロエチレン膜を有する
    ろ材の表面に、線状にスペーサを付設し、前記ろ材をジ
    グザグ状に一定幅に折り込んでフィルタパックを製造す
    る際のエアフィルタ用ろ材の加工方法において、ろ材を
    ポリテトラフルオロエチレン膜の延伸温度に加熱する工
    程と、前記工程で加熱された状態にあるろ材を一定の巾
    に折り込む工程と、折り込んだろ材の相互の折り壁が密
    着するように圧縮し、この圧縮状態でろ材を加熱処理す
    る工程と、前記工程で折り込んだろ材を引き延ばしてろ
    材表面に線状スペーサを付設する工程と、前記工程で線
    状スペーサを付設したろ材を再び折り込む工程を有する
    ことを特徴とするポリテトラフルオロエチレン膜を有す
    るエアフィルタ用ろ材の加工方法。
  3. 【請求項3】 前記ろ材として、ポリテトラフルオロエ
    チレン膜両面に有機繊維の不織布を貼り合わせたものを
    用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    ポリテトラフルオロエチレン膜を有するエアフィルタ用
    ろ材の加工方法。
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