JP2002346317A - 濾材ロールの芯材、この芯材を備えた濾材ロール及びこの濾材ロールを備えた濾材折りシステム - Google Patents

濾材ロールの芯材、この芯材を備えた濾材ロール及びこの濾材ロールを備えた濾材折りシステム

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JP2002346317A
JP2002346317A JP2001155284A JP2001155284A JP2002346317A JP 2002346317 A JP2002346317 A JP 2002346317A JP 2001155284 A JP2001155284 A JP 2001155284A JP 2001155284 A JP2001155284 A JP 2001155284A JP 2002346317 A JP2002346317 A JP 2002346317A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙管に巻き取られたフィルタ濾材に対する有
機物の付着を抑えることにある。 【解決手段】 この濾材ロール1の芯材3は、空気清浄
に使用されるフィルタ濾材9をロール状に巻き取るため
のものであって、紙管5とフィルム7とを備えている。
フィルム7は、紙管5の外周面を被覆し、有機物の透過
を抑制可能なものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、濾材ロールの芯
材、特に、空気清浄に使用されるシート状のフィルタ濾
材を巻き取るための芯材に関する。
【0002】
【従来の技術】空気清浄のために用いられるエアフィル
タユニットは、一般に、空気中の浮遊微粒子を捕集する
ためのフィルタ濾材と、このフィルタ濾材を保持するた
めの枠体とから構成されている。従来のこの種のエアフ
ィルタユニットとして、ポリテトラフルオロエチレン
(以下、PTFE)からなる多孔膜と、このPTFE多
孔膜の両側を狭持するよう熱ラミネートされる通気性支
持材とからなるフィルタ濾材を備えたものがある。
【0003】このようなフィルタ濾材を製造する工程で
は、通常、PTFE多孔膜と通気性支持材とを熱ラミネ
ートする工程の後、この工程に連続してフィルタ濾材を
ロール状に巻き取る工程に移る。フィルタ濾材の巻き取
りに用いられる芯材としては、一般に、汎用性の高い紙
製の筒状部材(紙管)が用いられる。そして、ロール状
にされたフィルタ濾材は、中心に紙管が配置された状態
で、梱包されて出荷されるか、あるいは、エアフィルタ
ユニット製造のために所定の形状に加工する工程に移さ
れる。
【0004】このような構成のエアフィルタユニット
は、PTFE多孔膜の微細な繊維構造により高い捕集効
率を有しており、この性質を利用して、清浄度の高い空
間が要求されるクリーンルーム、半導体製造装置等に設
置されている。
【0005】このような半導体製造が行われるクリーン
ルームには、浮遊微粒子のみでなく、ジオクチルフタレ
ート、ジブチルフタレート(以下、DOP、DBP)等
のガス状の有機物も浮遊している。このような有機物
は、製品の品質低下を招く原因となるため、その発生量
が抑えられることが望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、DOP、D
BP等の有機物は、使用が開始される前のフィルタ濾材
からも発生しており、これらの有機物の発生量は、前述
のロール状に巻き取られる前のフィルタ濾材よりも巻き
取られた後のフィルタ濾材の方が多くなっていることが
本発明者らの研究により明らかとなった。そして、さら
に研究が進められた結果、これらの有機物は、ロールの
芯材である紙管から発生してフィルタ濾材に吸着されて
いることが明らかにされた。
【0007】また、より高度の清浄度が要求されるクリ
ーンルームでは、HEPA(:HighEfficiency Particu
late Air)フィルタ、ULPA(:Ultra Low Penetrat
ionAir)フィルタ等の高捕集型のエアフィルタユニット
が設置されているが、PTFE多孔膜を利用したこれら
のフィルタは、フィルタ濾材の繊維径が非常に小さいた
め、特に、このような有機物を吸着しやすい性質を有し
ている。
【0008】本発明の目的は、紙管等の軸材に巻き取ら
れたフィルタ濾材に対する有機物の付着を抑えることに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の芯材
は、空気清浄に使用されるフィルタ濾材をロール状に巻
き取るためのものであって、軸材とフィルムとを備えて
いる。フィルムは、軸材の外周面を被覆し、有機物の透
過を抑制可能なものである。
【0010】フィルタ濾材からの有機物の発生量は、前
述のように、芯材に巻き取られる前に比べ芯材に巻き取
られた後の方が増えており、これらの有機物は、芯材と
して用いられる軸材(紙管)から発生してフィルタ濾材
に吸着されることが明らかとなった。また、このような
有機物は紙製の軸材に限らず、樹脂製の軸材等の他の材
質のものであっても発生しうる。
【0011】そこで、この芯材では、有機物の透過を抑
制可能なフィルムで軸材を被覆することとし、これによ
り、これらの有機物がフィルタ濾材に付着するのが抑え
られるようにしている。
【0012】請求項2に記載の芯材は、請求項1の芯材
において、軸材は紙からなる。前述のように、紙管は、
汎用性があるために、濾材を巻き取るための軸材として
一般的に使用される。そこで、ここでは、特に、紙管に
フィルタ濾材を巻き取る場合を前提とし、このような場
合において、有機物のフィルタ濾材への付着を抑えるこ
ととしている。
【0013】請求項3に記載の芯材は、請求項1または
2の芯材において、フィルムは、少なくとも一部に酸素
透過度が20000ml/(m2・day・Mpa)未
満である層を含んでいる。
【0014】この芯材では、軸材を被覆するフィルムと
して、酸素透過度が所定の値より小さい層が設けられた
ものが用いられており、これにより、ガス状の有機物が
フィルムを透過するのが抑えられている。したがって、
ここでも、芯材に巻き付けられたフィルタ濾材に有機物
が付着するのを抑えられる請求項4に記載の芯材は、請
求項1から3のいずれかに記載の芯材において、フィル
ムは、少なくとも一部にポリエステル層を含んでいる。
【0015】ポリエステルは、高いガスバリア性を有し
ており、DOP、DBP等のガス状の有機物の透過を有
効に抑えることができる。そこで、この芯材では、フィ
ルムの少なくとも一部にポリエステル層を設けることと
し、これにより、軸材から発生した有機物がフィルタ濾
材に付着するのが抑えられるようにしている。
【0016】請求項5に記載の芯材は、請求項1から3
のいずれかの芯材において、フィルムは、少なくとも一
部にエチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EV
OH)層を含んでいる。
【0017】EVOHも、ポリエステルと同様に、高い
ガスバリア性を有しており、有機物の透過を有効に抑え
ることができる。そこで、この芯材では、フィルムの一
部の少なくとも一部にEVOH層を設けることとし、こ
れにより、フィルタ濾材への有機物の付着を抑えること
としている。
【0018】請求項6に記載の芯材は、請求項1から3
のいずれかの芯材において、フィルムは、少なくとも一
部にナイロン層を含んでいる。ナイロンも、ポリエステ
ル及びEVOHと同様に、高いガスバリア性を有してお
り、有機物の透過を有効に抑えることができる。そこ
で、この芯材では、フィルムの一部の少なくとも一部に
ナイロン層を設けることとし、これにより、フィルタ濾
材への有機物の付着を抑えることとしている。
【0019】請求項7に記載の芯材は、請求項1から6
のいずれかの芯材において、フィルタ濾材は、PTFE
からなる多孔膜を有している。前述のように、PTFE
多孔膜を利用したフィルタ濾材は、微細な繊維構造を有
し高い捕集効率を有しているため、一般に、半導体製造
工業のクリーンルーム等の高い清浄度が要求される空間
に設置されるエアフィルタユニットとして利用される。
【0020】しかし、PTFE多孔膜は従来のガラス濾
材等に比べ繊維径が小さいため、クリーンルーム内のD
OP、DBP等の有機部物を吸着しやすい性質を有して
いる。また、クリーンルーム内で扱われる半導体製品
は、これらの有機物による悪影響を受けやすいため、使
用前にフィルタ濾材に有機物が付着するのを回避するこ
とは特に要求されることである。
【0021】そこで、この芯材では、フィルタ濾材とし
てPTFE多孔膜を利用したものを対象とし、このよう
なフィルタ濾材において、特に、有機物の付着を抑える
こととしている。
【0022】請求項8に記載の芯材は、請求項1から7
のいずれかの芯材において、フィルタ濾材は、濾材透過
風速が1.4cm/秒の場合における粒子径が0.3μ
m以上の粒子の捕集効率が99.97%以上でありかつ
濾材透過風速が1.4cm/秒の場合における圧力損失
が50Pa以上500Pa以下であるエアフィルタユニ
ットに用いられる。
【0023】HEPAフィルタは、濾材透過風速が1.
4cm/秒の場合における粒子径が0.3μm以上の粒
子の捕集効率が99.97%以上かつ濾材透過風速が
1.4cm/秒の場合における圧力損失が50Pa以上
500Pa以下であるの性能を有しているが、PTFE
多孔膜を備えたHEPAフィルタでは、濾材の繊維径が
小さく、DOP、DBP等の有機物が付着しやすい。
【0024】また、HEPAフィルタは、高い清浄度が
要求されるクリーンルームに設置されることとなるた
め、これらの有機物がフィルタ濾材に付着するのを回避
することは、他のフィルタに比べ特に要求されることで
ある。
【0025】そこで、このエアフィルタユニットでは、
特に、HEPAフィルタに用いられるフィルタ濾材に対
する有機物の付着が抑えられるようにしている。請求項
9に記載の芯材は、請求項1から7のいずれかの芯材に
おいて、フィルタ濾材は、濾材透過風速が1.4cm/
秒の場合における粒子径が0.1μm以上の粒子の捕集
効率が99.9999%以上でありかつ濾材透過風速が
1.4cm/秒の場合における圧力損失が50Pa以上
500Pa以下であるエアフィルタユニットに用いられ
る。
【0026】ULPAフィルタは、1.4cm/秒の場
合における粒子径が0.1μm以上の粒子の捕集効率が
99.9999%以上かつ濾材透過風速が1.4cm/
秒の場合における圧力損失が50Pa以上500Pa以
下であるの性能を有しているが、PTFE多孔膜を備え
たULPAフィルタでは、濾材の繊維径が非常に小さ
く、DOP、DBP等の有機物が特に付着しやすい。
【0027】また、ULPAフィルタは、HEPAフィ
ルタにも増して高い清浄度が要求されるクリーンルーム
に設置されることとなるため、DOP、DBP等の有機
物がフィルタ濾材に付着するのを回避することはHEP
Aフィルタに比べより一層要求されることである。
【0028】そこで、このエアフィルタユニットでは、
特に、ULPAフィルタとして機能するエアフィルタユ
ニットに用いられるフィルタ濾材に対し、特に、有機物
の付着を抑えるようにしている。
【0029】請求項10に記載の芯材は、請求項1から
9のいずれかの芯材において、軸材は、フィルムが巻き
付けられることにより被覆されている。この芯材では、
簡単な方法で、有機物の付着を抑え得る芯材を得ること
ができる。
【0030】請求項11に記載の濾材ロールは、芯材と
フィルタ濾材とを備えている。芯材は請求項1から10
のいずれかに記載のものである。フィルタ濾材は、芯材
に巻き付けられた、空気清浄に使用されるものである。
【0031】従来の濾材ロールは、フィルタ濾材と紙管
とが直に接触していたため、紙管から発生した有機物が
フィルタ濾材に容易に付着しうる状況にあった。そこ
で、この濾材ロールでは、フィルタ濾材と軸材との間に
有機物の透過を抑制可能なフィルムを介在させることに
より、軸材から発生する有機物がフィルタ濾材に付着す
るのを抑えられるようにしている。
【0032】請求項11に記載の濾材折りシステムは、
濾材ロールと、濾材引き出し部と濾材折り手段とを備え
ている。濾材ロールは請求項10に記載のものである。
濾材折り手段は、濾材ロールからフィルタ濾材を引き出
してフィルタ濾材に所定の折り目を形成する。
【0033】フィルタ濾材は、エアフィルタユニットと
して用いるために、例えば交互に折り返して波型形状に
形成される(この状態のフィルタ濾材をフィルタパック
という)。そして、フィルタ濾材は、フィルタパックに
加工される際に、予め波型形状の折り目が形成される
が、この工程は、通常、濾材ロールからフィルタ濾材を
引き出す工程と連続して行われる。
【0034】したがって、濾材ロールに有機物が付着し
ていると、有機物で汚染されたフィルタパックが形成さ
れることとなり、さらには、有機物で汚染されたエアフ
ィルタユニットが製造されることとなる。
【0035】そこで、この濾材折りシステムでは、有機
物の付着が抑えられた濾材ロールを用いて、フィルタ濾
材に所定の形状を施すことにより、有機物で汚染された
エアフィルタユニットが製造されるのを防止している。
【0036】
【発明の実施の形態】[濾材ロール]図1に、本発明の
一実施形態が採用された濾材ロール1を示す。
【0037】濾材ロール1は、芯材3とフィルタ濾材9
とを備えている。芯材3は、図2に示すように、フィル
タ濾材9を巻き取るためのものであって、紙管5とフィ
ルム7とを有している。
【0038】紙管5は、紙製の筒状部材であり、フィル
タ濾材9の幅方向長さと同程度の長手方向長さを有して
いる。フィルム7は、紙管5の外周面を被覆する樹脂製
部材である。フィルム7としては、本実施形態ではPE
Tフィルムが用いられるが、他のポリエステルフィル
ム、EVOHフィルム、ナイロンフィルム等のガスバリ
ア性の高いフィルム、これらの組み合わせからなるフィ
ルム、或いはこれらのフィルムと他の種類のフィルムと
の組み合わせからなるフィルムであってもよい。
【0039】また、フィルム7は、酸素透過度が200
00ml/(m2・day・Mpa)未満であるフィル
ム、またはこれと他のフィルムとの組み合わせからなる
フィルムであってもよい。この場合の酸素透過度は、1
0000ml/(m2・day・Mpa)未満であるの
が好ましく、5000ml/(m2・day・Mpa)
未満であるのがより好ましい。なお、酸素透過度は、J
IS規格による測定方法(JIS−Z−1707)によ
り測定される値である。
【0040】フィルム7は、本実施形態では、紙管5に
巻き付けられることにより紙管5を被覆するが、後述す
るように熱収縮させることにより紙管5を被覆するよう
にしてもよい。
【0041】フィルタ濾材9は、PTFE多孔膜と、P
TFE多孔膜の両面を狭持するよう熱ラミネートされた
2枚の通気性支持材とからなる。ここで、フィルタ濾材
9は、HEPAフィルタに用いることができるもの、す
なわち、濾材透過風速が1.4cm/秒の場合における
粒子径が0.3μm以上の粒子の捕集効率が99.97
%以上であるエアフィルタユニットに用いられるもので
あるのが好ましく、また、ULPAフィルタに用いるこ
とができるもの、すなわち、濾材透過風速が1.4cm
/秒の場合における粒子径が0.1μm以上の粒子の捕
集効率が99.9999%以上であるエアフィルタユニ
ットに用いられるものであるのが好ましい。
【0042】[濾材折りシステム]図3に、本発明の一
実施形態が採用された濾材折りシステム11を示す。濾
材折りシステム11は、上述の濾材ロール1と、折り込
み部13と、加熱部15とを備えている。
【0043】濾材折り部13は、フィルタ濾材9を挟ん
で上下に配置された2つの歯13aで構成されており、
これらの歯13aの先端部が上流側(濾材ロール1側)
に交互に繰り出されることにより、濾材ロール1からフ
ィルタ濾材9が引き出されてフィルタ濾材9に波型形状
の折り目が形成される。
【0044】加熱部15は、折り目が形成されたフィル
タ濾材9を加熱するためのヒータであり、濾材折り部1
3の下流側に配置されている。ここではフィルタ濾材9
は80℃程度に加熱される
【0045】
【実施例】<フィルタ濾材の製造>まず、数平均分子量
620万のPTFEファインパウダー(ダイキン工業社
製「ポリフロンファインパウダーF−104U」)10
0重量部に、押出助剤としての炭化水素(エッソ石油株
式会社製「アイソパー」)25重量部を加えて混合し
た。
【0046】次に、この混合物をペースト押出により丸
棒状に成形した。そして、この丸棒状成形体を70℃に
加熱したカレンダーロールによりフィルム状に成形し、
PTFEフィルムを得た。このPTFEフィルムを25
0℃の熱風乾燥路に通して押出助剤を蒸発除去し、平均
厚み200μm、平均幅150mmの未焼成フィルムを
得た。
【0047】次に、このPTFE未焼成フィルムを、図
4に示す装置を用いて長手方向に延伸倍率5倍で延伸し
た。未焼成フィルムはロール21にセットし、延伸した
フィルムは巻き取りロール22に巻き取った。また、延
伸温度は、250℃で行った。なお、図4において、2
3から25はロール、26,27はヒートロール、28
から32はロールをそれぞれ示す。
【0048】次に、得られた長手方向延伸フィルムを、
連続クリップで挟むことのできる図5の左半分に示す装
置(テンター)を用いて幅方向に延伸倍率30倍で延伸
し、熱固定を行った。このときの延伸温度は290℃、
熱固定温度は360℃、また延伸速度は330%/秒で
あった。
【0049】得られたPTFE多孔膜の両面に、下記の
不織布A、Bを、図5の右半分に示す装置によって熱融
着することにより、フィルタ濾材9を得た。 不織布A:ユニチカ株式会社製「エルベスS0403W
DO」 PET/PE芯/鞘不織布、目付40g/m2 不織布B:ユニチカ株式会社製「エルベスT0403W
DO」 PET/PE芯/鞘不織布、目付40g/m2 なお、図5において、34は巻き出しロール、35は予
熱ゾーン、36は延伸ゾ−ン、37は熱固定ゾーン、3
9はラミネートロール、41は巻き取りロールをそれぞ
れ示す。
【0050】<芯材の製造>まず、PETフィルムか
ら、幅方向長さが紙管5の長手方向長さより約1cm長
くなるようフィルム7を切り取った。次に、紙管5外周
面の全面にフィルム7を巻き付け、両面テープで固定し
た。
【0051】なお、芯材3は、このように巻き付けによ
って製造される他に、以下に説明するように熱収縮させ
ることにより製造してもよい。この方法の概要を図6に
示す。ここでは、まず、長手方向長さ770mm、内径
3インチの紙管5と、長手方向長さ782mm、内径1
55mm、厚み60μmの筒状フィルム10とを用意す
る。そして、筒状フィルム10の内周側に紙管5を挿入
したものを、所定の台41に載置し、この台41をコン
ベア45上で振動させながら電気炉43の内周側を通過
させる。このとき、電気炉43内では、長手方向の収縮
率が10%になるよう、以下の条件で加熱する。
【0052】加熱温度:110℃(夏期)、120℃
(冬季) 加熱時間:6秒(夏期)、8〜9秒(冬季) このような方法により、紙管5の外周面に径方向厚みが
6mm程度のフィルム7が形成される。
【0053】<濾材ロールの製造>紙管5をPETフィ
ルムで被覆した芯材3を図5の巻き取りロール41に装
着し、この芯材3に上記フィルタ濾材9を巻き取った
(実施例1)。
【0054】紙管5をEVOH層を含むフィルムで被覆
した芯材3を巻き取りロール41に装着し、この芯材3
に上記フィルタ濾材9を巻き取った(実施例2)紙管5
をナイロン層を含むフィルムで被覆した芯材3を巻き取
りロール41にセットし、この芯材3に上記フィルタ濾
材9を巻き取った(実施例3)。
【0055】紙管5をロール21にセットし、この紙管
5に上記フィルタ濾材9を巻き取った(比較例)。 <DOP、DBP含有量の測定>実施例及び比較例の濾
材ロール1を外気中の有機物から遮断するためにPET
袋に入れ密封し、50時間放置後開封し、フィルタ濾材
9のDOP、DBP含有量を測定した。一方、芯材3に
巻き取る前後でのフィルタ濾材9のDOP、DBP含有
量を比較するために、芯材3に巻き取る前のフィルタ濾
材9のDOP、DBP含有量も測定した。
【0056】フィルタ濾材9に含まれるDOP、DBP
含有量は、以下に説明するヘキサン抽出法により行っ
た。フィルタ濾材9からフィルタ濾材片2.0gを切り
出し、サンプル瓶に入れた。次に、サンプル瓶にヘキサ
ン30mlを入れ、超音波洗浄器により10分間超音波
洗浄を行った。超音波洗浄終了後、サンプル瓶からサン
プルを取り出し、サンプル瓶に残ったヘキサンを窒素雰
囲気中、常温で蒸発させた後、新たにヘキサン100μ
lを加えた。ヘキサン溶液から2μlをサンプリング
し、ガスクロマトフラフィーによりDOP、DBPの含
有量を測定した。この測定結果を表1に示す。
【0057】
【表1】 表1に示すように、実施例1〜3の、芯材3に巻き取ら
れる前のDOP、DBP含有量の増加の程度は、比較例
の芯材3に巻き取られる前のDOP、DBP含有量の増
加の程度に比べ小さい。特にDBPについては顕著であ
る。したがって、紙管5をフィルム7で被覆した芯材3
にフィルタ濾材9を巻き取った場合は、紙管5のみから
なる芯材3にフィルタ濾材9を巻き取った場合に比べ、
フィルタ濾材9への有機物の付着が抑えられていること
が分かる。
【0058】[他の実施形態] (a)軸材の形状は、筒状のものに限定されるものでは
なく、中心部が中空でない円筒形状等の部材であっても
よい。
【0059】(b)フィルム7の紙管5に対する被覆の
方法は、巻き付け及び熱収縮によるものに限定されな
い。 (c)軸材は、紙製のものに限定されず、樹脂等の他の
材質からなるものであってものよい。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、軸材は、有機物の透過
を抑制可能なフィルムにより覆われているため、芯材に
巻き付けられたフィルタ濾材に有機物が付着するのが抑
えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が採用された濾材ロールを
示す斜視図。
【図2】前記濾材ロールの芯材を示す縦断面図。
【図3】本発明の一実施形態が採用された濾材折りシス
テムの説明図。
【図4】PTFEフィルムの長手方向への延伸に用いる
装置の模式図。
【図5】PTFEフィルムの幅方向への延伸に用いる装
置(左半分)及びPTFEフィルムへの通気性支持材の
ラミネートに用いる装置(右半分)の模式図。
【図6】フィルムを熱収縮させて芯材を得る工程の説明
図。
【符号の説明】
1 濾材ロール 3 芯材 5 紙管 7 フィルム 9 フィルタ濾材 11 濾材折りシステム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大野 真二 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 田中 修 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 Fターム(参考) 4D019 AA01 BA13 BB03 BB08 BB10 BD01 CA02 CB04 CB06 CB07

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気清浄に使用されるフィルタ濾材をロー
    ル状に巻き取るための芯材であって、 軸材と、 前記軸材の外周面を被覆し、有機物の透過を抑制可能な
    フィルムと、を備えた濾材ロールの芯材。
  2. 【請求項2】前記軸材は紙からなる、請求項1に記載の
    濾材ロールの芯材。
  3. 【請求項3】前記フィルムは、少なくとも一部に酸素透
    過度が20000ml/(m2・day・Mpa)未満
    である層を含んでいる、請求項1または2に記載の濾材
    ロールの芯材。
  4. 【請求項4】前記フィルムは、少なくとも一部にポリエ
    ステル層を含んでいる、請求項1から3のいずれかに記
    載の濾材ロールの芯材。
  5. 【請求項5】前記フィルムは、少なくとも一部にエチレ
    ン−ビニルアルコール共重合体層を含んでいる、請求項
    1から3のいずれかに記載の濾材ロールの芯材。
  6. 【請求項6】前記フィルムは、少なくとも一部にナイロ
    ン層を含んでいる、請求項1から3のいずれかに記載の
    濾材ロールの芯材。
  7. 【請求項7】前記フィルタ濾材は、ポリテトラフルオロ
    エチレンからなる多孔膜を有している、請求項1から6
    のいずれかに記載の濾材ロールの芯材。
  8. 【請求項8】前記フィルタ濾材は、濾材透過風速が1.
    4cm/秒の場合における粒子径が0.3μm以上の粒
    子の捕集効率が99.97%以上でありかつ濾材透過風
    速が1.4cm/秒の場合における圧力損失が50Pa
    以上500Pa以下であるエアフィルタユニットに用い
    られる、請求項1から7のいずれかに記載の濾材ロール
    の芯材。
  9. 【請求項9】前記フィルタ濾材は、濾材透過風速が1.
    4cm/秒の場合における粒子径が0.1μm以上の粒
    子の捕集効率が99.9999%以上でありかつ濾材透
    過風速が1.4cm/秒の場合における圧力損失が50
    Pa以上500Pa以下であるエアフィルタユニットに
    用いられる、請求項1から7のいずれかに記載の濾材ロ
    ールの芯材。
  10. 【請求項10】前記軸材は、前記フィルムが巻き付けら
    れることにより被覆されている、請求項1から9のいず
    れかに記載の濾材ロールの芯材。
  11. 【請求項11】請求項1から10のいずれかに記載の芯
    材と、 前記芯材に巻き付けられた、空気清浄に使用されるフィ
    ルタ濾材と、を備えた濾材ロール。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の濾材ロールと、 前記濾材ロールからフィルタ濾材を引き出して前記フィ
    ルタ濾材に所定の折り目を形成する濾材折り手段と、を
    備えた濾材折りシステム。
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