JPH05253415A - エレクトレットフィルターの製造方法 - Google Patents

エレクトレットフィルターの製造方法

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JPH05253415A
JPH05253415A JP5522092A JP5522092A JPH05253415A JP H05253415 A JPH05253415 A JP H05253415A JP 5522092 A JP5522092 A JP 5522092A JP 5522092 A JP5522092 A JP 5522092A JP H05253415 A JPH05253415 A JP H05253415A
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electret filter
film
polymer film
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roll
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JP5522092A
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Akira Yokoyama
山 昭 横
Satoshi Matsuura
浦 智 松
Yoshio Shinagawa
川 好 雄 品
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】優れた捕集効率を有するエレクトレットフィル
ターを高収率で製造することができる方法。 【構成】高分子フィルム(A)を解繊して平板状の解繊
糸集合体を形成し、該解繊糸集合体の上面および下面の
少なくとも一方の面に高分子フィルム(B)を重ねた状
態で荷電処理を施し、次に荷電処理された解繊糸をエレ
クトレットフィルターに成形する工程を有する、エレク
トレットフィルターの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエレクトレットフィルタ
ーの製造方法に関し、特に、優れた捕集効率を有するエ
レクトレットフィルターを高収率で製造することができ
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原料樹脂を繊維状に成形した後、この繊
維に針状、ワイヤー状、または板状の電極を用いて荷電
処理を施し、得られたエレクトレット化繊維状物を収集
し、所望のフィルター形状に成形する工程によってエレ
クトレットフィルターを製造する方法が知られている。
また、溶融紡糸した繊維を延伸し、得られた延伸糸を緊
張状態でコロナ放電を施す方法(特開昭60−1999
70号公報)、誘電性材料からなるウェブの少なくとも
1面を誘電体フィルムで覆い、コロナ放電を施す方法
(特開昭60−500658号公報)、不織布とアース
電極の間に高誘電率の絶縁フィルムを配置し、コロナ放
電を施す方法(特公昭59−15167号公報)などが
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法で
は、繊維と繊維の空隙に電流が大量に流れることによ
り、電圧が上昇せず、荷電しようとする繊維が有効に荷
電されない、また電圧を上げると放電が生じ十分なフィ
ルター性能を得ることが困難であった。さらに、ウェブ
のように厚みのあるものの場合、その表面は効率良く荷
電されるが、内部は表面と比べて荷電され難く、フィル
ターとしての性能が十分発揮されなかった。フィルムに
荷電処理を施した後繊維状にする方法もあるが、フィル
ムの荷電時にフィルムの電極への密着性が増し、フィル
ム切れの原因となる。このフィルム切れが発生すると、
フィルムが荷電されているため、フィルムがロール等に
巻き付き易く、製造上のトラブルの原因となる。
【0004】そこで本発明の目的は、エレクトレットフ
ィルターを形成するための繊維一本一本に効率的に荷電
処理が可能であり、捕集効率等の各種性能に優れたエレ
クトレットフィルターを、製造上のトラブルがなく、安
定して高収率で迅速に得ることができる方法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、高分子フィルム(A)を解繊して平板状
の解繊糸集合体を形成し、該解繊糸集合体の上面および
下面の少なくとも一方の面に高分子フィルム(B)を重
ねた状態で荷電処理を施し、次に荷電処理された解繊糸
をエレクトレットフィルターに成形する工程を有する、
エレクトレットフィルターの製造方法を提供するもので
ある。
【0006】前記荷電処理を、高分子フィルム(B)側
を接地し、かつ解繊糸集合体側に正または負の高電圧を
印加して施すと、好ましい。
【0007】以下、本発明のエレクトレットフィルター
の製造方法(以下、「本発明の方法」という)について
詳細に説明する。
【0008】本発明の方法で用いられる高分子フィルム
(A)を構成する高分子化合物は、極性高分子化合物、
無極性高分子化合物のいずれのものでもよく、また、結
晶性高分子化合物、無定形高分子化合物のいずれのもの
でもよい。また、1種単独の高分子化合物を使用しても
よいし、2種以上の高分子化合物を混合して使用しても
よい。
【0009】無極性高分子化合物としては、例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ
スチレン、ポリ四フッ化エチレン、四フッ化エチレン・
六フッ化プロピレン共重合体などが挙げられる。
【0010】また、極性高分子化合物は、例えば、分子
中に、カルボキシル基、エステル基、アミド基、水酸
基、エーテル基、ニトリル基、カルボニル基、あるいは
塩素原子等のハロゲン原子などの極性基を有するものが
挙げられる。この極性高分子化合物の具体例としては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレ
フタレート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン12等のポリアミド;ポリカーボネート、
ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のア
クリル系樹脂;アクリル−スチレン共重合体系樹脂(A
S樹脂)、アクリル−ブタジエン−スチレン共重合体系
樹脂(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリ塩化三フッ化エチレン、ポリアセタール、ポ
リアクリルニトリルなどが挙げられる。
【0011】また、無極性高分子化合物に極性基を有す
るモノマーをグラフト共重合させた変性無極性高分子化
合物も極性高分子化合物として使用できる。このような
変性無極性高分子化合物は、前記無極性高分子化合物
に、不飽和カルボン酸およびその誘導体から選ばれる少
なくとも1種を、例えば、有機過酸化物等のラジカル重
合開始剤の存在下に、グラフト共重合させて得られるも
の等が挙げられる。
【0012】グラフト共重合に用いられる不飽和カルボ
ン酸およびその誘導体としては、例えば、アクリル酸、
メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、フ
マール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフ
タル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドシス−ビ
シクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカ
ルボン酸(ナジック酸)、メチル−エンドシス−ビシク
ロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボ
ン酸(メチルナジック酸)等の不飽和ジカルボン酸、お
よびこれらの不飽和ジカルボン酸の酸ハライド、アミ
ド、イミド、酸無水物、エステル等の不飽和ジカルボン
酸の誘導体などが挙げられる。この不飽和ジカルボン酸
の誘導体の具体例としては、塩化マレニル、マレイミ
ド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モ
ノメチル、マレイン酸ジメチル等が挙げられる。これら
の不飽和カルボン酸およびその誘導体は、1種単独でも
2種以上を組合せても用いられる。本発明において、こ
れらの中でも、不飽和ジカルボン酸およびその酸無水物
が好ましく、特にマレイン酸、ナジック酸およびこれら
の酸無水物が好ましい。
【0013】変性無極性高分子化合物において、これら
の不飽和カルボン酸およびその誘導体の含有量、すなわ
ち、変性無極性高分子化合物のグラフト変性量は、通
常、0.05〜15重量%程度、好ましくは0.5〜5
重量%程度である。
【0014】本発明の方法においては、高分子フィルム
(A)は前記高分子化合物の1種単独あるいは2種以上
混合してなる混合物を使用することができる。2種以上
混合して使用する場合には、極性高分子化合物同士また
は無極性高分子化合物同士あるいは極性高分子化合物と
無極性高分子化合物とを混合する方法がある。また、極
性高分子化合物の一部として変性無極性高分子化合物を
使用する方法もある。
【0015】無極性高分子化合物と極性高分子化合物を
混合して用いる場合、その無極性高分子化合物/極性高
分子化合物の混合割合は、重量比で60〜99/0.5
〜39.5、好ましくは80〜95/1〜10である。
また、極性高分子化合物の一部として変性無極性高分子
化合物を用いる場合、その含有割合は、通常、混合物全
量に対して0.5〜20重量%程度であり、好ましくは
4〜10重量%程度である。
【0016】また、この高分子化合物とともに、必要に
応じて、例えば、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止
剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、滑剤、無機あ
るいは有機の充填剤、染料、顔料等を使用してもよい。
【0017】本発明の方法は、以上の高分子化合物から
なる高分子フィルム(A)を、既知の方法により、解繊
して解繊糸集合体を得た後、この解繊糸集合体を高分子
フィルム(B)で覆って荷電処理し、得られるエレクト
レット化繊維をさらにフィルターに成形しエレクトレッ
トフィルターを製造する方法である。
【0018】解繊糸集合体の原料である高分子フィルム
(A)の製造する方法は、特に制限されず、通常、前記
高分子化合物等の樹脂からフィルムを成形する方法とし
て利用されるいずれの方法も適用可能である。例えば、
インフレーションフィルム成形法、T−ダイを用いる押
出成形法、ロール圧延による方法などが挙げられる。
【0019】また、成形して得られる高分子フィルム
(A)の厚さは、製品であるエレクトレットフィルター
の目付量、圧損等が所望の値になるように、予め適宜選
択することができる。通常、厚さが10〜100μm程
度であり、延伸倍率を6〜10倍とするためには、20
〜50μm程度の厚さであるのが好ましい。
【0020】この高分子フィルム(A)を解繊して解繊
糸集合体を製造する方法は、特に制限されず、フィルム
を延伸しまたは延伸せずに、例えば、針山状ロール等の
解繊機を使用して解繊して行うことができる。
【0021】高分子フィルム(A)の解繊において、フ
ィルムを延伸する場合、延伸は、通常、高分子フィルム
(A)を構成する高分子化合物の軟化点以上融点以下、
例えば、110〜150℃程度に加熱してロール、熱
板、オーブン等を用いて、フィルムの縦方向に行なわれ
る。このとき、延伸倍率は、通常、5〜10倍程度であ
り、成形安定性が良好でその後の解繊が容易である点
で、6〜8倍程度が好ましい。
【0022】高分子フィルム(A)を解繊して得られる
解繊糸集合体は、紙管、ドラム等に巻き取ってから次工
程に移送してもよいし、また、そのまま連続的に次工程
に供給してもよい。ここで、本発明の方法でいう解繊糸
集合体とは、解繊条件によって、解繊糸が疎らな状態で
平面状に分散している状態から、解繊糸が密に集積して
シート状に形成されている状態までの、いずれの集合状
態であるものを含む。また、解繊糸集合体を構成する繊
維が、略四角形の断面形状をなす繊維であると、例え
ば、後段の荷電処理において解繊糸が効率的に荷電され
るため、好ましい。
【0023】本発明の方法においては、以上のようにし
て得られる解繊糸集合体の上面および下面の少なくとも
1面に高分子フィルム(B)を重ねた状態で荷電処理が
施される。
【0024】また、この解繊糸集合体に重ねられる高分
子フィルム(B)の材質としては、前述した極性高分子
化合物、無極性高分子化合物のいずれのものでもよい
し、また、無定型、結晶性のいずれのものでもよい。特
に、高分子フィルム(B)として好ましいものは、滑り
易さおよび高絶縁性という点からフッ素系樹脂フィルム
である。
【0025】また、この高分子フィルム(B)の厚み
は、荷電効率が良好である点で、1〜1000μm、好
ましくは5〜50μmの範囲である。
【0026】本発明の方法において、解繊糸集合体と高
分子フィルム(B)とを重ね合わせた状態で荷電処理を
施す方法、および装置は、所定のエレクトレット化が可
能な方法および装置であれば特に制限されない。
【0027】前記荷電装置において、荷電電極は針状、
ワイヤー状等の電極が用いられ、また、荷電方法は、解
繊糸集合体にコロナ荷電を連続的または間欠的に加える
方法などが用いられる。また、接地電極としては、針
状、ワイヤー状、板状、ロール状等の電極が用いられ
る。
【0028】この方法および装置の好適な態様として、
例えば、図1(a)〜(d)に示す装置が挙げられる。
以下、この図1(a)〜(d)に示す装置について説明
する。なお、図1(a)〜(d)において、同一の部材
または箇所には同一の符号を付した。
【0029】図1(a)に示す荷電装置においては、解
繊工程から移送されてきた解繊糸集合体1の上面に、ロ
ール2aおよび2bにおいて、フィルムロール3から供
給される高分子フィルム(B)4を重ね合わされる。重
ねあわされた解繊糸集合体1と高分子フィルム(B)4
とは、ロール5aおよび5bにより所定の速度で引き取
られながら、接地電極6と該接地電極6に対して所定の
電圧Vに保持された荷電電極7との間を通過し、荷電処
理が施される。荷電処理後、ロール5aおよび5bにお
いて、高分子フィルム(B)4とエレクトレット化され
た解繊糸集合体1とは、分離され、高分子フィルム
(B)4は、巻取りロール8によって巻き取られるとと
もに、エレクトレット化された解繊糸集合体1は、次の
工程に移送される。
【0030】図1(b)に示す荷電装置においては、解
繊工程から移送されてきた解繊糸集合体1の下面に、ロ
ール2aおよび2bにおいて、フィルムロール3から供
給される高分子フィルム(B)4を重ね合わされる。重
ねあわされた解繊糸集合体1と高分子フィルム(B)4
とは、ロール5aおよび5bにより所定の速度で引き取
られながら、接地電極6と該接地電極6に対して所定の
電圧Vに保持された荷電電極7との間を通過し、荷電処
理が施される。荷電処理後、ロール5aおよび5bにお
いて、高分子フィルム(B)4とエレクトレット化され
た解繊糸集合体1とは、分離され、高分子フィルム
(B)4は、巻取りロール8によって巻き取られるとと
もに、エレクトレット化された解繊糸集合体1は、次の
工程に移送される。
【0031】図1(c)に示す荷電装置においては、解
繊工程から移送されてきた解繊糸集合体1は、ロール9
aおよび9bによって荷電装置内に導入し、ロール10
aおよび10bによって引き取られる。この解繊糸集合
体1は、ロール状の接地電極11と該接地電極11に対
して所定の電圧Vに保持された、タングステン、ステン
レス等からなる針状の荷電電極12との間を通過し、荷
電処理が施される。このとき、ロール状の接地電極11
と、該接地電極11に対応して配設されたロール13と
は、連動して回転し、該接地電極11とロール13の間
に巻架された高分子フィルム(B)4が、移送されてく
る解繊糸集合体1の下面に重ね合わせられて状態で荷電
処理が行われる。荷電処理後、ロール10aおよび10
bによって、エレクトレット化された解繊糸集合体1
は、次の工程に移送される。
【0032】図1(d)に示す荷電装置においては、解
繊工程から移送されてきた解繊糸集合体1は、ロール9
aおよび9bによって荷電装置内に導入し、ロール10
aおよび10bによって引き取られる。この解繊糸集合
体1は、ロール状の接地電極11と該接地電極11に対
して所定の電圧Vに保持されたタングステン、ステンレ
ス等からなるワイヤ状の荷電電極12との間を通過し、
荷電処理が施される。このとき、ロール状の接地電極1
1と、該接地電極11に対応して配設されたロール13
とは、連動して回転し、該接地電極11とロール13の
間に巻架された高分子フィルム(B)4が、移送されて
くる解繊糸集合体1の下面に重ね合わせらて荷電処理が
行われる。荷電処理後、ロール10aおよび10bによ
って、エレクトレット化された解繊糸集合体1は、次の
工程に移送される。
【0033】本発明の方法において、荷電処理を施すた
めに、荷電電極と接地電極の間に印加される電圧は、通
常、3〜30kV程度であり、好ましくは5〜15kV
程度である。また、荷電電極と接地電極の間隙は、通
常、3〜30mm程度であり、好ましくは5〜15mm
程度である。さらに、両電極間における解繊糸集合体の
滞留時間は、通常、0.01〜1秒程度である。
【0034】本発明の方法においては、以上のようにし
て荷電処理された解繊糸集合体を、例えば、カッターで
90mm程度に切断し開綿機にかけて、エレクトレット
化繊維を得ることができる。得られるエレクトレット化
繊維は、解繊に供したフィルムの厚さ、延伸倍率、解繊
の程度等を予め選択することにより、所望の太さにする
ことができる。また、用いられる開綿機は、特に限定さ
れず、通常、この種の開綿工程に使用されるものでよ
い。
【0035】次に、得られるエレクトレット化繊維を収
集し、所望の形状に成形して、エレクトレットフィルタ
ーを得ることができる。
【0036】エレクトレット化繊維の成形は、例えば、
前記のようにして得られたエレクトレット化繊維を、常
法にしたがって織成、編成、タフト化したり、あるいは
不織布に成形することにより、行うことができる。例え
ば、ニードルパンチング、熱ボンディング、超音波ボン
ディング等の方法に従って不織布を製造することができ
る。
【0037】本発明の方法によって製造されるエレクト
レットフィルターは、所定の寸法に裁断し、またはプリ
ーツ状に折り込んだ形態で用いられる。このとき、エレ
クトレットフィルターは、単独で、または常用の不織布
を常法にしたがって貼り合わせて用いることもできる。
【0038】本発明の製造方法によって得られるエレク
トレットフィルターは、例えば、1μm以下の微粒子を
効率よく捕集できる特長を生かして、エアフィルター、
空気清浄材、掃除機用フィルター、エアコン用フィルタ
ー、マスク等の用途に好適である。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を挙げて
本発明を具体的に説明する。
【0040】(実施例1)ポリプロピレン(三井石油化
学工業株式会社製、ハイポールB200、MFR:0.
5g/10分)9000g、ポリカーボネート(ゼネラ
ルエレクトリック社製、レキサン101)500gおよ
び無水マレイン酸変性ポリプロピレン(無水マレイン酸
グラフト変性量:3重量%)500gを混合して樹脂組
成物を調製した。
【0041】得られた樹脂組成物を、インフレーション
フィルム成形機(東芝機械(株)製)に供給して、24
0℃で、厚さ30μmのフィルムに成形した。次に、こ
のフィルムを135℃で、長手方向に6.6倍の延伸倍
率で熱板にて延伸しながら、針山状ロールに掛けて、網
目状に解繊し、得られた解繊糸集合体の下面に厚さ25
μmのフッ素樹脂フィルム(FEP、ダイキン工業
(株)製、ネオクロンNF−0025)を重ね、これを
図1(c)に示す構成の荷電装置の荷電電極と接地電極
との間(電極間隔:8mm)に滞留時間:0.5秒で通
して、印加電圧9kV(直流)を印加してコロナ放電を
供給して室温で荷電処理を施した後、紙管に巻き取っ
た。次に、紙管からエレクトレット化された解繊糸を巻
きだし、カッターで90mmにカットした後、開綿機に
掛けてエレクトレット化原綿を得た。
【0042】得られたエレクトレット化原綿をウェッブ
・フォーミング・マシンに供給してウェッブに成形し、
ニードルパンチングして、目付量:100g/m2 、厚
み:2mmのエレクトレットフィルターを製造した。こ
の時の成形性を解繊糸の切れる回数および放電の発生回
数で評価し、表1に示す。また、得られたエレクトレッ
トフィルターの捕集効率を、下記の方法にしたがって測
定した。結果を表1に示す。
【0043】捕集効率 図2に概略を示す測定装置を使用して捕集効率を測定し
た。まず、エアロゾル発生機(日本科学工業社製)21
からNaCl粒子(粒径:0.3μm)を供給するとと
もに、エアーフィルター22を通した清浄空気をチャン
バー23に供給した。チャンバー23内のNaCl粒子
濃度が一定濃度(2〜6×106 個)となった後、ブロ
ワー24を作動させてチャンバー23内の気体を流通経
路25を通じて流量調整バルブ26で流量を調整しなが
ら吸引した。流速計27によって測定される流通速度が
一定速度(0.5m/sec)となった時に、流通経路
25に配設した、測定対称であるエレクトレットフィル
ター28の上流側および下流側におけるNaCl粒子濃
度CinおよびCout を、パーティクルカウンター(リオ
ン社製、KC−01A)29aおよび29bによって、
それぞれ測定した。下記式に基づいて捕集効率を算出し
た。 捕集効率=〔1−(Cout /Cin)〕×100(%)
【0044】(実施例2)解繊糸集合体の上面にFEP
フィルムを重ねた以外は実施例1と同様にしてエレクト
レットフィルターを成形した。得られたエレクトレット
フィルターの成形性および捕集効率を評価または測定し
た。結果を表1に示す。
【0045】(実施例3)FEPフィルムの代わりに、
厚さ30μmのポリプロピレンフィルムを用いた他は実
施例1と同様にして、エレクトレットフィルターを製造
した。得られたエレクトレットフィルターの成形性およ
び捕集効率を評価または測定した。結果を表1に示す。
【0046】(実施例4)FEPフィルムの代わりに、
厚さ50μmのカプトンフィルムを用いた他は実施例1
と同様にして、エレクトレットフィルターを製造した。
得られたエレクトレットフィルターの成形性および捕集
効率を評価または測定した。結果を表1に示す。
【0047】(比較例1)実施例1において製造された
延伸フィルムを解繊した後、そのまま電極に供給して荷
電処理を施した以外は、実施例1と同様にして、エレク
トレットフィルターを製造した。得られたエレクトレッ
トフィルターの成形性および捕集効率を評価または測定
した。結果を表1に示す。
【0048】
【0049】
【発明の効果】本発明の方法によれば、従来法では達成
し得ないレベルの捕集効率等の各種性能に優れたエレク
トレットフィルターを、従来法におけるような製造上の
トラブルを生じることなく、安定して高効率で迅速に製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)、(b)、(c)および(d)はそれ
ぞれ、荷電処理に用いられる装置の具体的構成を説明す
る図。
【図2】 捕集効率の測定に用いた装置の構成を示す概
略図。
【符号の説明】
1 解繊糸集合体 2a,2b ロール 3 フィルムロール 4 高分子フィルム(B) 5a,5b ロール 6 接地電極 7 荷電電極 8 巻取りロール 9a、9b ロール 10a,10b ロール 11 接地電極 12 荷電電極 13 ロール 21 エアロゾル発生機 22 エアーフィルター 23 チャンバー 24 ブロワー 25 流通経路 26 流量調整バルブ 27 流速計 28 エレクトレットフィルター 29a,29b パーティクルカウンター

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子フィルム(A)を解繊して平板状の
    解繊糸集合体を形成し、該解繊糸集合体の上面および下
    面の少なくとも一方の面に高分子フィルム(B)を重ね
    た状態で荷電処理を施し、次に荷電処理された解繊糸を
    エレクトレットフィルターに成形する工程を有する、エ
    レクトレットフィルターの製造方法。
  2. 【請求項2】前記荷電処理を、高分子フィルム(B)側
    を接地し、かつ解繊糸集合体側に正または負の高電圧を
    印加して施す請求項1に記載のエレクトレットフィルタ
    ーの製造方法。
  3. 【請求項3】前記荷電処理を室温で行う請求項1または
    2に記載のエレクトレットフィルターの製造方法。
JP5522092A 1992-03-13 1992-03-13 エレクトレットフィルターの製造方法 Withdrawn JPH05253415A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN112921708A (zh) * 2019-12-05 2021-06-08 广州华创化工材料科技开发有限公司 一种高效低阻表面过滤材料及其制备方法

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