JPH0714446B2 - エレクトレツト化不織布フイルタ− - Google Patents

エレクトレツト化不織布フイルタ−

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JPH0714446B2
JPH0714446B2 JP60239559A JP23955985A JPH0714446B2 JP H0714446 B2 JPH0714446 B2 JP H0714446B2 JP 60239559 A JP60239559 A JP 60239559A JP 23955985 A JP23955985 A JP 23955985A JP H0714446 B2 JPH0714446 B2 JP H0714446B2
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智 松浦
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三井石油化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はエレクトレツト化された不織布よりなり、とく
にエアーフイルターとして好適な不織布フイルターに関
する。
〔従来の技術〕 高分子をエレクトレツト化し、フイルターに利用するこ
とは知られている。
すなわち、特公昭59−25612には、エレクトレツト化さ
れた高分子フイルムを導電性シートを介して厚さ方向に
積層し、フイルターとして利用する技術が示されてい
る。特公昭59−25613には、エレクトレツト化された高
分子フイルムを紙や合成樹脂等のスペーサーを介して厚
さ方向に積層し、フイルターとして利用する技術が示さ
れている。特公昭59−25614には、連続的に折曲げてひ
だを形成させたエレクトレツト化高分子フイルムを平担
なエレクトレツト化高分子フイルムを介して厚さ方向に
積層し、フイルターとして利用する技術が示されてい
る。特公昭59−51323には、エレクトレツト化高分子フ
イルムを連続的に折曲げてひだを形成させ、これらを厚
さ方向に積層しフイルターとして利用する技術が示され
ている。特公昭60−17235には、エレクトレツト化プラ
スチツク薄板を該薄板の面方向に間隔をあけて多数配列
した板状フイルターユニツトについて示されている。
しかし、これらはいずれもエレクトレツト化した高分子
フイルムまたは薄板を用いたフイルターであり、本発明
のフイルターのようにエレクトレツト化された不織布状
物とは異なる。
特開昭55−132615には、エレクトレツト化されたあるい
はエレクトレツト化されていない繊維ウエブの間にニー
ドルパンチングにより穿設された細孔を有するエレクト
レツト化フイルムが積層されたフイルターが示されてい
る。特開昭55−134621には、部分的にエンボス化され、
それが全体的に分布している合成繊維ウエブのエレクト
レツト化物よりなるフイルターが示されている。また、
特公昭56−47299には、エレクトレツト化した高分子フ
イルムを解繊し不織布状に形成し、フイルターとして利
用する技術が示されている。
しかし、これらにはフイルターを構成するエレクトレツ
ト化繊維の分布については何ら記載がない。
実公昭54−44303、同55−23614、実開昭56−102615の各
公報には、密度勾配を持たせた不織布フイルターが示さ
れている。
しかし、これらには不織布を構成する繊維をエレクトレ
ツト化する点については何ら記載がない。
〔従来技術の問題点〕
ところで、エレクトレツト化不織布よりなるフイルター
の一般的傾向として、初期捕集効率が時間の経過ととも
に低下することを挙げることができる。より具体的に
は、エレクトレツト化不織布の製造直後にダストの捕集
効率を測定すると非常に高い効率を示すものも、そのま
ま暫く放置したのち再度捕集効率を測定すると、製造直
後に比べてその効率が低下する現象がしばしば見受けら
れる。
この原因は不明であるが、本発明者らが推察するに、エ
レクトレツト化物が放置されると、チヤージされた電荷
が空気中あるいは空気中に存在する水分等に逃げ、徐々
にエレクトレツトの性能が低下して行くのも一つの原因
と考えられる。しかし、これだけの理由だけであるな
ら、チヤージされた電荷が逃げ難いように内部奥深くま
でエレクトレツト化する方法たとえば特公昭56−47299
の方法でエレクトレツト化したり、また、一度電荷がチ
ヤージされたなら電荷が表面に移動して放出されないよ
うに、海成分が無極性高分子となるような高分子組成物
を用いてエレクトレツト化する方法などで対応が可能で
あると考えられる。しかし、本発明者らの実験によれ
ば、これらの方法をもつてしても前記の現象を解決でき
ないことが判つた。したがつて、エレクトレツト化不織
布のこの独特の傾向は、上記の理由のほかに複雑な原因
が存在し、これらが複雑に影響しあつて現象をひき出す
ものと考えられる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、かかる現状に鑑みて鋭意研究、検討を重
ねた結果、不織布を構成する繊維に特定の分布を持たせ
ると、捕集効率の経時安定性に優れたエレクトレツト化
不織布フイルターが得られることが判り、本発明に到達
した。
すなわち、本発明の目的は、捕集効率の経時安定性に優
れたエレクトレツト化不織布フイルターを提供すること
にある。本発明の他の目的は電荷密度が高くエレクトレ
ツトとしての性能の優れた不織布フイルターを提供する
ことにある。本発明のさらに他の目的は、フイルターと
して用いると捕集効率が優れるエレクトレツト化不織布
を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち、本発明は 平均繊維径または平均繊維巾が60μ以下、 20〜40μの繊維径または繊維巾を有する繊維の数
(A)が全繊維中35%以上、 60〜80μの繊維径または繊維巾を有する繊維の数
(B)が全繊維中30%以下、 AとBの両者の比(A/B)が1.3以上 である熱可塑性高分子繊維よりなるエレクトレツト化不
織布フイルターである。
〔作用および効果〕
本発明のエレクトレツト化不織布フイルターを構成する
繊維は、 平均繊維径または繊維巾が60μ以下、とくに約50μ
以下、 繊維径または繊維巾が20〜40μの範囲にある繊維の
数(A)が全繊維数中35%以上、とくに45%以上 繊維径または繊維巾が60〜80μの範囲にある繊維の
数(B)が全繊維数中30%以下、とくに25%以下 AとBの両者の比(A/B)が1.3以上、好ましくは1.
7以上、とくに1.3〜3.5さらに1.7〜3.5の範囲の特定の
分布を有することが、初期捕集効率の向上および経時安
定性の改善をもたらす。
また、不織布としての目付が150g/m2以上、とくに200g/
m2以上のものを用いると、さらに捕集効率が良好であ
る。
尚、ここで平均繊維径(巾)は、適当量の繊維を採取
し、30倍の顕微鏡写真をとり、該写真中の繊維を1本ず
つものさしで測定して次のようにして算出した。
d;繊維径(巾)、n;総繊維数 不織布を構成する繊維の原料は、熱可塑性高分子であれ
ばとくに制限はないが、好ましくは無極性高分子を主体
にするものすなわち無極性高分子単独あるいは無極性高
分子と極性高分子とのブレンド物が好ましい。中でもと
くに好ましいものは、無極性高分子60〜99重量%、極性
高分子0.5〜39.5重量%、不飽和カルボン酸またはその
誘導体(a)、不飽和エポキシ単量体(b)およびオレ
フイン性不飽和結合を有するシラン単量体(c)よりな
る群から選ばれるモノマーにより変性された無極性高分
子0.5〜20重量%とからなるブレンド物である。すなわ
ち、無極性高分子と極性高分子の2成分ではなく、さら
に前記の変性された無極性高分子の第3成分が加わつた
ことにより、無極性高分子のマトリツクス中に分散され
る極性高分子のドメイン粒径が微小化して、通常の溶融
ブレンド法でも1μ以下のドメイン粒径が可能となる。
さらに2成分系に比べてトラップされる電荷量も多くな
り、表面電荷密度の高いエレクトレツトが得られる。
無極性高分子は、通常無極性高分子と言われるものであ
るなら如何様のものでもよく、その多くは誘導損失(誘
電正接;tan δ)が0.0005以下(ASTM D150、60Hz)、体
積固有抵抗(ASTM D257、23℃、相対湿度50%)が1016
〜1020Ωcmの範囲にある。無極性高分子の具体的な例と
しては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレ
フイン、ポリスチレン、ポリ四ふつ化エチレン、四ふつ
化エチレン・六ふつ化プロピレン共重合体などを挙げる
ことができる。
極性高分子は、通常極性高分子と言われる熱可塑性高分
子ならば如何様のものでもよく、その多くは誘電損失が
0.0005を越え、また体積固有抵抗も多くが1012〜1016Ω
cmの範囲にある。このような極性高分子の具体例として
は、溶融成形可能で、且つカルボン酸基、エステル基、
アミド基、水酸基、エーテル基、ニトリル基、カルボニ
ル基或いは塩素原子等の極性基の少なくとも1種を含む
熱可塑性樹脂、特にポリエチレンテレフタレート、ポリ
テトラメチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナ
イロン6、ナイロン66、ナイロン12などのポリアミド、
ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリアク
リル酸エチル等のアクリル系樹脂、アクリル−スチレン
系樹脂(AS樹脂)、アクリル−ブタジエン−スチレン系
樹脂(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリ塩化三ふつ化エチレン、ポリアセタール、ポリ
アクリルニトリル等が挙げられるが、勿論これらに限定
されない。
第3成分として利用する成分は、前述の(a)〜(c)
のいずれか1種のモノマーにより変性された無極性高分
子である。尚ここで「変性」という語は変性剤を無極性
高分子に結合させることを意味する。
不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性された無極性
高分子は、無極性高分子を構成するモノマーに対して不
飽和カルボン酸モノマー類をランダム共重合体またはブ
ロツク共重合したものあるいは無極性高分子に不飽和カ
ルボン酸類をグラフト共重合させたものである。
不飽和カルボン酸またはその誘導体成分単位(a)とし
ては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチ
ルアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、
シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒ
ドロフタル酸、エンドシス−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト
−5−エン−2,3−ジカルボン酸(ナジツク酸 )、メ
チル−エンドシス−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エ
ン−2.3−ジカルボン酸(メチルナジツク酸 )などの
不飽和ジカルボン酸、該不飽和ジカルボン酸の酸ハライ
ド、アミド、イミド、酸無水物、エステルなどの不飽和
ジカルボン酸の誘導体が挙げられ、具体的には、塩化マ
レニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン
酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチルなどが
例示される。これらの中では、不飽和ジカルボン酸また
はその酸無水物が好適であり、とくにマレイン酸、ナジ
ツク酸またはこれらの酸無水物が好適である。
不飽和エポキシ単量体で変性された無極性高分子も同じ
ように該単量体をランダム共重合、ブロツク共重合、グ
ラフト共重合したものであつて、不飽和エポキシ単量体
としては1分子中に重合可能な不飽和結合およびエポキ
シ基を各1個以上有した単量体を表わす。このような不
飽和エポキシ単量体(b)としては、たとえば一般式、 (ここで、Rは重合可能なエチレン性不飽和結合を有す
る炭化水素基である)で示される不飽和グリシジルエス
テル類および一般式、 (ここで、Rは〔I〕式のものと同じ、Xは−CH2−O
−または で表わされる2価の基である)で示される不飽和グリシ
ジルエーテル類および一般式、 (ここで、Rは〔I〕式のものと同じ、R1は水素または
メチル基である)で表わされるエポキシアルケン類など
を挙げることができる。
具体的には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタ
クリレート、イタコン酸のモノおよびジグリシジルエス
テル、ブテントリカルボン酸のモノ、ジおよびトリグリ
シジルエステル、シトラコン酸のモノおよびジグリシジ
ルエステル、エンド−シス−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト
−5−エン−2,3−ジカルボン酸(ナジツク酸 )のモ
ノおよびジグリシジルエステル、エンド−シス−ビシク
ロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2−メチル−2,3−ジカ
ルボン酸(メチルナジツク酸 )のモノおよびジグリシ
ジルエステル、アリルコハク酸のモノおよびジグリシジ
ルエステル、p−スチレンカルボン酸のグリシジルエス
テル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグ
リシジルエーテル、スチレン−p−グリジジルエーテ
ル、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−
メチル−1−ブテン、3,4−エポキシ−1−ペンテン、
3,4−エポキシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−エポ
キシ−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキセンモノオキシ
ドなどを例示することができる。これらの中ではグリシ
ジルアクリレート、グリシジルメタクリレートが好まし
い。
オレフイン性不飽和結合を有するシラン単量体で変性さ
れた無極性高分子も同じように該単量体をランダム共重
合、ブロツク共重合、グラフト共重合させたものであ
る。オレフイン性不飽和結合を有するシラン単量体
(c)としては如何なるものでもよいが、とくにオレフ
イン性不飽和結合と共に加水分解可能な有機基をもつシ
ラン単量体がよく、一般式R1R2SiY1Y2、R1XSiY1Y2また
はR1SiY1Y2Y3で示されるものが例示できる。式中R1、R2
はオレフイン性不飽和結合を有し、炭素、水素および任
意に酸素からなる1価の基であり、各同一または相異な
つてもよい。
このような基の例としては、ビニル、アリル、ブテニ
ル、シクロヘキセニル、シクロペンタジエニルがあり、
とくに末端オレフイン性不飽和基が好ましい。その他の
好ましい例には末端不飽和酸のエステル結合を有する。
CH2=C(CH2)COO(CH2)3−、 CH2=C(CH3)COO(CH2)2−O−(CH2)3−、 CH2=C(CH3)COOCH2OCH2CH(OH)CH2O(CH2)3− などの基を挙げることができる。これらのうちビニル基
が最適である。Xはオレフイン性不飽和結合を有しない
有機基であり、例えば2価の炭化水素基であるメチル、
エチル、プロピル、テトラデジル、オクタデシル、フエ
ニル、ベンジル、トリルなどの基があり、またこれらの
基は、ハロゲン置換炭化水素基でもよい。基Y1、Y2、Y3
は各々同一または相異なる加水分解可能な基であり、例
えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、メトキシエトキシ
のようなアルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、ホル
ミロキシ、アセトキシ、プロピオノキシのようなアシロ
キシ基、オキシム、例えば−ON=C(CH3)2、−ON=CHCH2
C2H5および−ON=C(C6H5)2または置換アミノ基およびア
リールアミノ基、例えば−NHCH3、−NHC2H5およびNH(C6
H5)などがあり、その他任意の加水分解し得る有機基で
ある。
好ましく使用される有機珪素化合物一般式 R1SiY1Y2Y3 で表わされる化合物であり、とくに基Y1、Y2、Y3が等し
い有機珪素化合物が適している。これらのうちでもビニ
ルトリスアルコキシシランが好適であり、例えばビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキ
シ)シランなどが例示できる。しかしビニルメチルジエ
トキシシラン、ビニルフエニルジメトキシシランなども
同様に用いることができる。
以上述べてきた変性無極性高分子の中では、とくに変性
単量体をグラフトさせたものが好ましい。グラフト共重
合体を製造するには公知の種々の方法が採用でき、たと
えば無極性高分子を溶融させ変性単量体を添加してグラ
フト共重合させる方法あるいは溶媒に溶解させ変性単量
体を添加して共重合させる方法がある。いずれの場合に
も効率よくグラフト共重合させるためには、ラジカル開
始剤の存在下に反応を実施することが好ましい。ラジカ
ル開始剤としては有機ペルオキシド、有機ペルエステ
ル、アゾ化合物などがあるが、電離性放射線、紫外線等
もラジカル発生に用い得る。またグラフト率は無極性高
分子100重量部に対して変性単量体が1〜15重量部が好
ましい。
本発明の好ましい態様として、不織布繊維が3成分(こ
こで3成分の一つである変性無極性高分子は、前述の3
種のうちの1種以上をまとめて1成分と考える)で構成
される場合は、無極性高分子60〜99重量%、とくに80〜
95重量%、極性高分子0.5〜39.5重量%、とくに1〜10
重量%および前述の(A)〜(C)から選ばれる少なく
とも1種以上の変性無極性高分子0.5〜20重量%、とく
に4〜10重量%である。無極性高分子が60重量%末満で
は、3成分複合系において無極性高分子がマトリツクス
にならなくなる虞れがあり、トラツプされた電荷が逆げ
易くなつて電荷安定性に劣つたものしか得られなくなる
虞がある。極性高分子は少なくとも0.5重量%の存在が
好ましく、0.5重量%未満ではトラツプされる電荷量の
増加はそれほど大きくなく、電荷密度の小さいエレクト
レツトとしての能力が劣るものしか得られなくなる虞が
ある。また上限を39.5重量%までとしたのは、それを越
えて配合しても得られる電荷密度はそれほど変わらない
し、また無極性高分子のマトリツクス中にうまくドメイ
ンとして分散することが難しくなる虞があるからであ
る。変性無極性高分子は、無極性高分子のマトリツクス
中に極性高分子のドメインをミクロ分散させるためには
少なくとも0.5重量%以上の存在が好ましく、20重量%
を越えて配合してもそれほど著しい効果は期待できな
い。またマトリツクスとして使用した無極性高分子を主
鎖とした変性物を用いるのが望ましい。
エレクトレツト化不織布を得るには公知の種々の方法を
用いることができる。たとえば、前記熱可塑性高分子に
より紡糸して得られる繊維状物を単独であるいは不織布
状にしたのち公知の方法によりエレクトレツト化する方
法がある。とくに好ましい方法は、前記高分子をフイル
ム状に成形したのち、1軸または2軸の延伸を行うか行
わずして熱をかけながらコロナ放電を間欠的に行うかあ
るいはフイルム両面に針状電極対を近付けてコロナ放電
を行い、その後解繊して板状繊維を得、不織布状とする
方法である。これらの方法で不織布状とされたものは、
多くは補強のためニードルパンチング処理や接着剤ある
いは熱融着によつて繊維間結合が強化される。しかし、
接着剤や熱融着を行なうと、接着剤と接触させられた部
分あるいは溶融時に、トラツプされた電荷が逃げエレク
トレツト性能を低下させるので、好ましくはニードルパ
ンチング処理による機械的絡合方法が適用される。この
際、本発明の如く平均繊維径(巾)が細くても比較的繊
維径(巾)の大きい繊維群Bが存在するものであれば、
全体として見れば腰の強い繊維群となり、ニードルパン
チング処理が行なわれても空隙率が大きく嵩高な不織布
が得られる。一方、繊維径(巾)の小さいものだけで出
来ている不織布の場合は、ニードルパンチング処理によ
りへたつた密の不織布となり、エレクトレツト化不織布
フイルターとして良好な性能を発揮でき難い。
〔実施例〕
以下本発明の好ましい例を実施例として示すが、本発明
はとくにことわりのない限り何らこれらの例に制限され
るものではない。
実施例1〜5および比較例1〜4 (フイルター材の製法) 以下の例において、フイルター材の製造は次の通り行つ
た。
各樹脂組成物を、フイルム厚みが30〜40μm及び折巾35
0mmとなるように、インフレーシヨン製膜法で製膜し
た。
折合せたチユーブの両端を連続的に切断し、フイルム巾
300mmの2枚のフイルムとした。
この各フイルムを、印加電圧12KV(直流)、電極間隔27
mm、コロナ放電極の滞留時間0.8秒での条件でエレクト
レツト化を行つた。
このエレクトレツト化フイルムを、加熱ロール温度110
〜120℃で、長手方向に約6〜8倍の延伸倍率でロール
延伸し、厚味10〜20μmの延伸フイルムとした。
この延伸エレクトレツトフイルムを、針山状ロールで種
々の解繊比で網目状に解繊し、ドラムに巻取つた。
この解繊維をカツターにて繊維長90mmに切断し開綿機に
て綿状とした。
得られた綿をウエツブ・フオーミング・マシンに供給し
て、ウエツブに成形し、ニードルパンチングして、フイ
ルター材を得た。
各フイルター材を直径300mmの円板に切り取り、以下に
示す方法でタバコの煙の捕集効率の測定を行つた。
(捕集効率の測定) 第3図の測定装置を使用して捕集効率の測定を行う。先
ず、測定すべきフイルター材17をセツトし、調節バルブ
12を開け、チヤンバー15(1m×1m×高さ1.3m)内に煙草
14の煙を導入する。送風機18を駆動し、チヤンバー15内
の煙を含んだ空気をフイルター材17を通して吸い出す。
調節弁12で風速を0.8m/secとし、フイルター材17の導入
側19と排出側19′とで粉塵濃度を測定する。
粉塵計としては、リオン社製パテイクルカウンターKC−
O1A型を用い、光散乱方式に基づき個数濃度を求める。
捕集効率は下記式により算出する。
式中、Cin:フイルター導入側粉塵濃度 (個/l) Cout:フイルター排出側粉塵濃度 (個/l) この方法により、60℃×80%RHのエアオーブン中に放置
したフイルター材を一定時間毎に取り出し、捕集効率を
測定し、エアオーブンに放置する前の捕集効率を100と
してその経時変化を見た。
得られた結果を第1表および第1図に示す。
第1表を見ても判るとおり、本発明のエレクトレツト化
不織布フイルターは高捕集効率を示し、捕集効率の経時
変化も小さいことが判る。第1図は、繊維を構成する原
料樹脂が同一の実施例5と比較例1,3を同一グラフ上に
示したものである。この図を見ても判るとおり、実施例
5と比較例1とは近似した平均繊維巾であるが、A/B値
が異なるため捕集効率保持率に差がでており、実施例5
は48時間経過後ではほぼ一定になるのに対し、比較例1
ではさらに減少傾向が続いているのが判る。また比較例
3はA/B値は本発明のクレーム内であるが平均繊維巾が
大きいので保持率の非常に劣つたものとなつているのも
判る。
また、平均繊維径が55μ以下、A/Bが1.7以上のものは48
時間後でも初期捕集効率の約9割を保持していることも
判る。
実施例6 第1表中に示す実施例2の繊維を原料に目付の異なる不
織布を製作し、初期捕集効率を測定した。結果を第2図
に示す。
第2図を見ても判るように、約150g/m2を境界域として
それ以上の目付を示すものは捕集効率が高く、とくに20
0g/m2以上であると90%以上の捕集効率を示す。
【図面の簡単な説明】
第1図はエレクトレツト不織布フイルターの初期捕集効
率保持率の経時変化を示す図であり、第2図はフイルタ
ー目付と初期捕集効率を示す図であり、第3図は捕集効
率の測定方法を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均繊維径または平均繊維巾が60μ以
    下、 20〜40μの繊維径または繊維巾を有する繊維の数
    (A)が全繊維中35%以上、 60〜80μの繊維径または繊維巾を有する繊維の数
    (B)が全繊維中30%以下、 AとBの両者の比(A/B)が1.3以上 である熱可塑性高分子繊維よりなるエレクトレツト化不
    織布フイルター。
  2. 【請求項2】繊維がエレクトレツトフイルムを解繊して
    得られる解繊維である特許請求の範囲第1項記載のエレ
    クトレツト化不織布フイルター。
  3. 【請求項3】熱可塑性高分子が、 無極性高分子:60〜99重量%、 極性高分子:0.5〜39.5重量%、 不飽和カルボン酸又はその誘導体(a)、不飽和エポキ
    シ単量体(b)及びオレフイン性不飽和結合を有するシ
    ラン単量体(c)よりなる群から選ばれるモノマーによ
    り変性された無極性高分子:0.5〜20重量%、 とからなる熱可塑性高分子組成物である特許請求の範囲
    第1項記載のエレクトレツト化不織布フイルター。
  4. 【請求項4】A/Bが1.3〜3.5の範囲にある特許請求の範
    囲第1項記載のエレクトレツト化不織布フイルター。
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