JP3057610B2 - エレクトレット化樹脂フィルムおよびエレクトレットフィルター - Google Patents
エレクトレット化樹脂フィルムおよびエレクトレットフィルターInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエレクトレット化樹脂フ
ィルムおよびエレクトレットフィルターに関し、特に高
い電荷密度で表面電荷を有するとともに、その表面電荷
の保持性に優れたエレクトレット化樹脂フィルムおよび
それを用いてなるエレクトレット化フィルターに関す
る。
ィルムおよびエレクトレットフィルターに関し、特に高
い電荷密度で表面電荷を有するとともに、その表面電荷
の保持性に優れたエレクトレット化樹脂フィルムおよび
それを用いてなるエレクトレット化フィルターに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、エレクトレット化樹脂フィルム
は、マイクロホン、スピーカー、カートリッジ等の音響
素子、振動計、ひずみ計等の計測器の素子、無接点スイ
ッチなどの広範囲の用途に用いられ、また、メモリー素
子、医療用分野などの用途にも応用が試みられている。
さらに、このエレクトレット化樹脂フィルムに解繊等の
適当な加工処理を施し、得られる繊維状物を、不織布ま
たは織布として、家庭用エアコン、空気清浄材、掃除機
等の吸塵フィルター、あるいは一般空調用フィルターな
どの用途に用いられるエレクトレットフィルターが製造
されている。
は、マイクロホン、スピーカー、カートリッジ等の音響
素子、振動計、ひずみ計等の計測器の素子、無接点スイ
ッチなどの広範囲の用途に用いられ、また、メモリー素
子、医療用分野などの用途にも応用が試みられている。
さらに、このエレクトレット化樹脂フィルムに解繊等の
適当な加工処理を施し、得られる繊維状物を、不織布ま
たは織布として、家庭用エアコン、空気清浄材、掃除機
等の吸塵フィルター、あるいは一般空調用フィルターな
どの用途に用いられるエレクトレットフィルターが製造
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のエレク
トレット化樹脂フィルムやそれらから得られるエレクト
レットフィルターは、表面電荷の保持性の面で改良の余
地があった。
トレット化樹脂フィルムやそれらから得られるエレクト
レットフィルターは、表面電荷の保持性の面で改良の余
地があった。
【0004】そこで、本発明の目的は、高い電荷密度で
表面電荷を有するとともに、その表面電荷の保持性に優
れたエレクトレット化樹脂フィルムおよび該エレクトレ
ット化樹脂フィルムを利用したエレクトレットフィルタ
ーを提供することにある。
表面電荷を有するとともに、その表面電荷の保持性に優
れたエレクトレット化樹脂フィルムおよび該エレクトレ
ット化樹脂フィルムを利用したエレクトレットフィルタ
ーを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、極性高分子化合物を含有するフィルムであ
って、TSDC曲線のホモチャージピーク温度が95℃
以上であり、かつヘテロチャージピーク温度が80℃以
上であるエレクトレット化樹脂フィルムを提供するもの
である。
するために、極性高分子化合物を含有するフィルムであ
って、TSDC曲線のホモチャージピーク温度が95℃
以上であり、かつヘテロチャージピーク温度が80℃以
上であるエレクトレット化樹脂フィルムを提供するもの
である。
【0006】また本発明は、前記エレクトレット化樹脂
フィルムを解繊して得られる繊維からなるエレクトレッ
トフィルターをも提供するものである。以下、本発明を
詳細に説明する。
フィルムを解繊して得られる繊維からなるエレクトレッ
トフィルターをも提供するものである。以下、本発明を
詳細に説明する。
【0007】本発明のエレクトレット化樹脂フィルムの
素材であるフィルムは、極性高分子化合物を含有するも
のであり、極性高分子化合物単独、無極性高分子化合物
と極性高分子化合物の組合わせ、極性高分子化合物、無
極性高分子化合物および無極性高分子化合物の変性物の
組合わせを含有する組成物からなるものが挙げられ、好
ましくは極性高分子化合物、無極性高分子化合物および
無極性高分子化合物の変性物の組合わせからなる3成分
系組成物である。
素材であるフィルムは、極性高分子化合物を含有するも
のであり、極性高分子化合物単独、無極性高分子化合物
と極性高分子化合物の組合わせ、極性高分子化合物、無
極性高分子化合物および無極性高分子化合物の変性物の
組合わせを含有する組成物からなるものが挙げられ、好
ましくは極性高分子化合物、無極性高分子化合物および
無極性高分子化合物の変性物の組合わせからなる3成分
系組成物である。
【0008】本発明のフィルムを構成する極性高分子化
合物は、極性を有する高分子化合物であれば、いずれの
ものでもよい。この極性高分子化合物としては、溶融成
形可能で、かつカルボン酸基、エステル基、アミド基、
水酸基、エーテル基、ニトリル基、カルボニル基、ハロ
ゲン原子等の極性基を分子中に含む高分子化合物からな
る熱可塑性樹脂が挙げられ、その具体例として、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレ
ート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン12等のポリアミド;ポリカーボネート、ポリ
(メタ)クリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のア
クリル系樹脂;アクリル−スチレン系樹脂(AS樹
脂)、アクリル−ブタジエン−スチレン系樹脂(ABS
樹脂)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩
化三フッ化エチレン、ポリアセタール、ポリアクリロニ
トリルなどが挙げられる。これらは1種単独でも2種以
上を組合せても用いられる。
合物は、極性を有する高分子化合物であれば、いずれの
ものでもよい。この極性高分子化合物としては、溶融成
形可能で、かつカルボン酸基、エステル基、アミド基、
水酸基、エーテル基、ニトリル基、カルボニル基、ハロ
ゲン原子等の極性基を分子中に含む高分子化合物からな
る熱可塑性樹脂が挙げられ、その具体例として、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレ
ート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン12等のポリアミド;ポリカーボネート、ポリ
(メタ)クリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のア
クリル系樹脂;アクリル−スチレン系樹脂(AS樹
脂)、アクリル−ブタジエン−スチレン系樹脂(ABS
樹脂)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩
化三フッ化エチレン、ポリアセタール、ポリアクリロニ
トリルなどが挙げられる。これらは1種単独でも2種以
上を組合せても用いられる。
【0009】また、無極性高分子化合物は、極性を有し
ない高分子化合物であれば、いずれのものでもよい。こ
の無極性高分子化合物の具体例として、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1
−ペンテン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ四
フッ化エチレン、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレ
ン共重合体などが挙げられる。これらは1種単独でも2
種以上を組合せても用いられる。
ない高分子化合物であれば、いずれのものでもよい。こ
の無極性高分子化合物の具体例として、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1
−ペンテン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ四
フッ化エチレン、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレ
ン共重合体などが挙げられる。これらは1種単独でも2
種以上を組合せても用いられる。
【0010】さらにまた、無極性高分子化合物の変性物
としては、例えば、(A)不飽和カルボン酸またはその
誘導体で変性された無極性高分子化合物、(B)不飽和
エポキシ化合物で変性された無極性高分子化合物、
(C)オレフィン性不飽和結合を有する有機ケイ素化合
物で変性された無極性高分子化合物等を挙げることがで
き、これらは1種単独でも2種以上を組合せても用いら
れる。
としては、例えば、(A)不飽和カルボン酸またはその
誘導体で変性された無極性高分子化合物、(B)不飽和
エポキシ化合物で変性された無極性高分子化合物、
(C)オレフィン性不飽和結合を有する有機ケイ素化合
物で変性された無極性高分子化合物等を挙げることがで
き、これらは1種単独でも2種以上を組合せても用いら
れる。
【0011】不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性
された無極性高分子化合物(A)は、前記第1の成分で
ある無極性高分子化合物を構成する単量体と不飽和カル
ボン酸またはその誘導体をランダム共重合あるいはブロ
ック共重合してなるもの;該無極性高分子化合物に不飽
和カルボン酸またはその誘導体をグラフト共重合させて
なるものなどである。
された無極性高分子化合物(A)は、前記第1の成分で
ある無極性高分子化合物を構成する単量体と不飽和カル
ボン酸またはその誘導体をランダム共重合あるいはブロ
ック共重合してなるもの;該無極性高分子化合物に不飽
和カルボン酸またはその誘導体をグラフト共重合させて
なるものなどである。
【0012】この不飽和カルボン酸またはその誘導体と
しては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチ
ルアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、
シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒ
ドロフタル酸、エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘ
プト−5−エン−2,3−ジカルボン酸(ナジック
酸)、メチル−エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘ
プト−5−エン−2,3−ジカルボン酸(メチルナジッ
ク酸)等の不飽和ジカルボン酸;該不飽和ジカルボン酸
の酸ハライド、アミド化物、イミド化物、酸無水物、エ
ステル化物等の不飽和ジカルボン酸の誘導体が挙げられ
る。これらの誘導体の具体例として、塩化マレイル、マ
レイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイ
ン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル等が挙げられる。
これらの中では、無水マレイン酸が好ましい。
しては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチ
ルアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、
シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒ
ドロフタル酸、エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘ
プト−5−エン−2,3−ジカルボン酸(ナジック
酸)、メチル−エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘ
プト−5−エン−2,3−ジカルボン酸(メチルナジッ
ク酸)等の不飽和ジカルボン酸;該不飽和ジカルボン酸
の酸ハライド、アミド化物、イミド化物、酸無水物、エ
ステル化物等の不飽和ジカルボン酸の誘導体が挙げられ
る。これらの誘導体の具体例として、塩化マレイル、マ
レイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイ
ン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル等が挙げられる。
これらの中では、無水マレイン酸が好ましい。
【0013】また、不飽和エポキシ化合物で変性された
無極性高分子化合物(B)は、前記(A)と同様に、エ
ポキシ化合物と無極性高分子化合物を構成する単量体と
をランダム共重合あるいはブロック共重合してなるも
の;該無極性高分子化合物にエポキシ化合物をグラフト
共重合してなるものなどである。
無極性高分子化合物(B)は、前記(A)と同様に、エ
ポキシ化合物と無極性高分子化合物を構成する単量体と
をランダム共重合あるいはブロック共重合してなるも
の;該無極性高分子化合物にエポキシ化合物をグラフト
共重合してなるものなどである。
【0014】このエポキシ化合物は、1分子中に重合可
能な不飽和結合およびエポキシ基をそれぞれ少なくとも
1個有する化合物である。 例えば、一般式(I):
能な不飽和結合およびエポキシ基をそれぞれ少なくとも
1個有する化合物である。 例えば、一般式(I):
【0015】
【化1】 (ここで、R1 は重合可能なエチレン性不飽和結合を有
する炭化水素基である)で表される不飽和グリシジルエ
ステル類;一般式(II):
する炭化水素基である)で表される不飽和グリシジルエ
ステル類;一般式(II):
【0016】
【化2】 (ここで、R1 は(I)式のものと同じ、R2 は水素ま
たはメチル基である)で表されるエポキシアルケン類な
どが挙げられる。
たはメチル基である)で表されるエポキシアルケン類な
どが挙げられる。
【0017】このエポキシ化合物の具体例としして、グ
リシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イ
タコン酸のモノおよびジグリシジルエステル、ブテント
リカルボン酸のモノ、ジおよびトリグリシジルエステ
ル、シトラコン酸のモノおよびジグリシジルエステル、
エンド−シス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エ
ン−2,3−ジカルボン酸(ナジック酸R )のモノおよ
びジクリシジルエステル、エンド−シス−ビシクロ
[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2,3
−ジカルボン酸(メチルナジック酸R )のモノおよびジ
グリシジルエステル、アリルコハク酸のモノおよびジグ
リシジルエステル、p−ステレンカルボン酸のグリシジ
ルエステル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルア
リルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエ
ーテル、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポ
キシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−エポキシ−1
−ペンテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ペン
テン、5,6−エポキシ−1−ヘキセン、ビニルシクロ
ヘキセンモノオキシドなどが挙げられる。これらの中で
はグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート
が好ましい。
リシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イ
タコン酸のモノおよびジグリシジルエステル、ブテント
リカルボン酸のモノ、ジおよびトリグリシジルエステ
ル、シトラコン酸のモノおよびジグリシジルエステル、
エンド−シス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エ
ン−2,3−ジカルボン酸(ナジック酸R )のモノおよ
びジクリシジルエステル、エンド−シス−ビシクロ
[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2,3
−ジカルボン酸(メチルナジック酸R )のモノおよびジ
グリシジルエステル、アリルコハク酸のモノおよびジグ
リシジルエステル、p−ステレンカルボン酸のグリシジ
ルエステル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルア
リルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエ
ーテル、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポ
キシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−エポキシ−1
−ペンテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ペン
テン、5,6−エポキシ−1−ヘキセン、ビニルシクロ
ヘキセンモノオキシドなどが挙げられる。これらの中で
はグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート
が好ましい。
【0018】さらに、オレフィン性不飽和結合を有する
有機ケイ素化合物で変性された無極性高分子化合物
(C)は、前記の(A)および(B)と同様に、該有機
ケイ素化合物をランダム共重合、ブロック共重合、ある
いはグラフト共重合させたものなどである。
有機ケイ素化合物で変性された無極性高分子化合物
(C)は、前記の(A)および(B)と同様に、該有機
ケイ素化合物をランダム共重合、ブロック共重合、ある
いはグラフト共重合させたものなどである。
【0019】オレフィン性不飽和結合を有する有機ケイ
素化合物は、特に制限されず、例えば、オレフィン性不
飽和結合とともに、加水分解可能な有機基を有する有機
ケイ素化合物が挙げられる。 例えば、一般式(IV)
(V)(VI): R3 R4 Si Y1 Y2 (IV) R3 XSi Y1 Y2 (V) R3 Si Y1 Y2 Y3 (VI) で表されるものが挙げられる。ここで、R3 およびR4
は同一でも異なってもよく、オレフィン性不飽和結合を
有し、炭素原子、水素原子および酸素原子から選ばれる
少なくとも1種を含む1価の基であり、例えば、ビニル
基、アリル基、ブテニル、シクロヘキセニル、シクロペ
ンタジエニル基が挙げられ、特に末端オレフィン性不飽
和基が好ましい。その他の好ましい例には末端不飽和酸
のエステル結合を有する CH2=C(CH2)COO(CH2)2-、 CH2=C(CH2)COO(CH2)2-O-(CH2)2- 、 CH2=C(CH2)COOCH2OCH2CH2(OH)CH2O(CH2)2-、 などの基を挙げることができる。これらのうちビニル基
が最適である。Xはオレフィン性不飽和結合を有しない
有機基であり、例えば1価の炭化水素基であるメチル、
エチル、プロピル、テトラデシル、オクタデシル、フェ
ニル、ベンジル、トリルなどの基が挙げられ、またこれ
らの基は、ハロゲン置換炭化水素基でもよい。基Y1 、
Y2 、Y3 は各々同一または相異なる加水分解可能な基
であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、メトキ
シエトキシのようなアルコキシ基、アルコキシアルコキ
シ基、ホルミロキシ、アセトキシ、プロピオノキシのよ
うなアシロキシ基、オキシム、例えば-ON=C(CH2)2 、-O
N=CHCH2C2H2 および -ON=C(C2H2)2または置換アミノ基
およびアリールアミノ基、例えば-NHCH2、-NHC2H2 およ
び-NH(C2H2) などが挙げられる。
素化合物は、特に制限されず、例えば、オレフィン性不
飽和結合とともに、加水分解可能な有機基を有する有機
ケイ素化合物が挙げられる。 例えば、一般式(IV)
(V)(VI): R3 R4 Si Y1 Y2 (IV) R3 XSi Y1 Y2 (V) R3 Si Y1 Y2 Y3 (VI) で表されるものが挙げられる。ここで、R3 およびR4
は同一でも異なってもよく、オレフィン性不飽和結合を
有し、炭素原子、水素原子および酸素原子から選ばれる
少なくとも1種を含む1価の基であり、例えば、ビニル
基、アリル基、ブテニル、シクロヘキセニル、シクロペ
ンタジエニル基が挙げられ、特に末端オレフィン性不飽
和基が好ましい。その他の好ましい例には末端不飽和酸
のエステル結合を有する CH2=C(CH2)COO(CH2)2-、 CH2=C(CH2)COO(CH2)2-O-(CH2)2- 、 CH2=C(CH2)COOCH2OCH2CH2(OH)CH2O(CH2)2-、 などの基を挙げることができる。これらのうちビニル基
が最適である。Xはオレフィン性不飽和結合を有しない
有機基であり、例えば1価の炭化水素基であるメチル、
エチル、プロピル、テトラデシル、オクタデシル、フェ
ニル、ベンジル、トリルなどの基が挙げられ、またこれ
らの基は、ハロゲン置換炭化水素基でもよい。基Y1 、
Y2 、Y3 は各々同一または相異なる加水分解可能な基
であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、メトキ
シエトキシのようなアルコキシ基、アルコキシアルコキ
シ基、ホルミロキシ、アセトキシ、プロピオノキシのよ
うなアシロキシ基、オキシム、例えば-ON=C(CH2)2 、-O
N=CHCH2C2H2 および -ON=C(C2H2)2または置換アミノ基
およびアリールアミノ基、例えば-NHCH2、-NHC2H2 およ
び-NH(C2H2) などが挙げられる。
【0020】この有機ケイ素化合物の具体例として、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン等のビニルト
リスアルコキシシラン;ビニルメチルジエトキシシラ
ン、ビニルフェニルジメトキシシランなどが挙げられ
る。
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン等のビニルト
リスアルコキシシラン;ビニルメチルジエトキシシラ
ン、ビニルフェニルジメトキシシランなどが挙げられ
る。
【0021】前記の(A)、(B)および(C)の無極
性高分子化合物の変性物のうち、グラフト共重合による
変性物を製造する方法としては、公知の種々の方法が採
用できる。例えば、無極性高分子化合物を溶融させ、前
記の不飽和カルボル酸またはその誘導体、エポキシ化合
物および/または有機ケイ素化合物(以下、「変性化合
物」と略す)を添加してグラフト共重合させる方法;無
極性高分子化合物を溶媒に溶解せしめた後、変性化合物
を添加してグラフト共重合させる方法などが挙げられ
る。これらの方法のいずれにおいてもラジカル発生剤の
存在下に反応を行わせると、効率よくグラフト共重合を
行うことができるため、好ましい。用いられるラジカル
発生剤としては、例えば、有機パーオキシド化合物、有
機パーエステル化合物、アゾ化合物等が挙げられる。ま
た、電離放射線、紫外線等を照射してラジカルを発生さ
せることもできる。グラフト共重合による変性における
グラフト共重合による変性におけるグラフト率は、通
常、無極性高分子化合物100重量部に対して変性化合
物1〜15重量部程度である。
性高分子化合物の変性物のうち、グラフト共重合による
変性物を製造する方法としては、公知の種々の方法が採
用できる。例えば、無極性高分子化合物を溶融させ、前
記の不飽和カルボル酸またはその誘導体、エポキシ化合
物および/または有機ケイ素化合物(以下、「変性化合
物」と略す)を添加してグラフト共重合させる方法;無
極性高分子化合物を溶媒に溶解せしめた後、変性化合物
を添加してグラフト共重合させる方法などが挙げられ
る。これらの方法のいずれにおいてもラジカル発生剤の
存在下に反応を行わせると、効率よくグラフト共重合を
行うことができるため、好ましい。用いられるラジカル
発生剤としては、例えば、有機パーオキシド化合物、有
機パーエステル化合物、アゾ化合物等が挙げられる。ま
た、電離放射線、紫外線等を照射してラジカルを発生さ
せることもできる。グラフト共重合による変性における
グラフト共重合による変性におけるグラフト率は、通
常、無極性高分子化合物100重量部に対して変性化合
物1〜15重量部程度である。
【0022】本発明において好ましく用いられる3成分
系組成物中における前記の無極性高分子化合物/極性高
分子化合物/無極性高分子化合物の変性物の含有割合
は、重量比で60〜99/0.5〜39.5/0.5〜
20、好ましくは80〜95/1〜10/4〜10であ
る。
系組成物中における前記の無極性高分子化合物/極性高
分子化合物/無極性高分子化合物の変性物の含有割合
は、重量比で60〜99/0.5〜39.5/0.5〜
20、好ましくは80〜95/1〜10/4〜10であ
る。
【0023】以上の3成分を含有する組成物において、
特に、ポリプロピレン/ポリカーボネート/無水マレイ
ン酸変性ポリプロピレンの組合せが、エレクトレット化
した時の初期表面電荷が高く、その保持性が良好である
点で、好ましい。
特に、ポリプロピレン/ポリカーボネート/無水マレイ
ン酸変性ポリプロピレンの組合せが、エレクトレット化
した時の初期表面電荷が高く、その保持性が良好である
点で、好ましい。
【0024】また、組成物には、前記3成分以外に、必
要に応じて、この種の組成物に通常添加される添加剤、
例えば、耐熱安定剤、耐候安定剤、無機または有機の充
填剤、染料、顔料などを配合してもよい。
要に応じて、この種の組成物に通常添加される添加剤、
例えば、耐熱安定剤、耐候安定剤、無機または有機の充
填剤、染料、顔料などを配合してもよい。
【0025】本発明のエレクトレット化樹脂フィルム
は、上述の通り、極性高分子化合物を含有するフィル
ム、好ましくは前記組成物からなるフィルムであって、
TSDC(熱刺激電流)曲線の測定における、ホモチャ
ージのピーク温度が95℃以上、好ましくは120℃以
上のものであり、かつヘテロチャージピーク温度が80
℃以上であるのものである。
は、上述の通り、極性高分子化合物を含有するフィル
ム、好ましくは前記組成物からなるフィルムであって、
TSDC(熱刺激電流)曲線の測定における、ホモチャ
ージのピーク温度が95℃以上、好ましくは120℃以
上のものであり、かつヘテロチャージピーク温度が80
℃以上であるのものである。
【0026】ここで、本発明において、TSDC(熱刺
激電流)曲線とは、エレクトレットフィルムの片面に電
極をつけ、高感度の電流計に接続し、電極とエレクトレ
ットフィルムの表面との間に一定の空隙を設けたまま一
定の昇温速度で加熱した時、分子運動に伴なう電荷の移
動や配向分極状態の変化により生じる電流をいい、種々
の温度域で電流のピークが現れる。また、ホモチャージ
とは、電極から試料フィルムに注入された電荷、および
電極と試料フィルム間の空気がコロナ放電によりイオン
化されフィルム中に注入された電荷のことである。した
がって、陽極に面した表面には+、陰極に面した表面に
は−の電荷がフィルム中に存在する。ヘテロチャージと
は、ホモチャージとは逆に印加電極と反対の符号を持っ
た電荷のことであり、永久双極子の配向およびイオンの
微視的、巨視的な変位等により生ずる電荷である。
激電流)曲線とは、エレクトレットフィルムの片面に電
極をつけ、高感度の電流計に接続し、電極とエレクトレ
ットフィルムの表面との間に一定の空隙を設けたまま一
定の昇温速度で加熱した時、分子運動に伴なう電荷の移
動や配向分極状態の変化により生じる電流をいい、種々
の温度域で電流のピークが現れる。また、ホモチャージ
とは、電極から試料フィルムに注入された電荷、および
電極と試料フィルム間の空気がコロナ放電によりイオン
化されフィルム中に注入された電荷のことである。した
がって、陽極に面した表面には+、陰極に面した表面に
は−の電荷がフィルム中に存在する。ヘテロチャージと
は、ホモチャージとは逆に印加電極と反対の符号を持っ
た電荷のことであり、永久双極子の配向およびイオンの
微視的、巨視的な変位等により生ずる電荷である。
【0027】本発明のエレクトレット化樹脂フィルムの
製造は、例えば、前記3成分系組成物等からなる素材を
常法に従ってフィルム状に成形し、未延伸または延伸し
てなるフィルムに、電荷を印加する処理と、加熱する処
理を交互に2回以上、好ましくは3回繰返して施すこと
により行うことができる。
製造は、例えば、前記3成分系組成物等からなる素材を
常法に従ってフィルム状に成形し、未延伸または延伸し
てなるフィルムに、電荷を印加する処理と、加熱する処
理を交互に2回以上、好ましくは3回繰返して施すこと
により行うことができる。
【0028】組成物をフィルム状に成形する方法として
は、例えば、組成物を押出機にて溶融・押出成形する方
法;インフレーション成形法により成形する方法;Tダ
イ成形法等の方法が挙げられる。
は、例えば、組成物を押出機にて溶融・押出成形する方
法;インフレーション成形法により成形する方法;Tダ
イ成形法等の方法が挙げられる。
【0029】電荷の印加は、フィルムの材質、厚さ、電
極形状、電極間距離等により異なるが、例えば、電極間
距離が10mmの場合、少なくとも5kV、好ましくは
10〜15kVの電圧をフィルムに印加して行なうこと
ができる。
極形状、電極間距離等により異なるが、例えば、電極間
距離が10mmの場合、少なくとも5kV、好ましくは
10〜15kVの電圧をフィルムに印加して行なうこと
ができる。
【0030】この電荷の印加は、例えば、フィルムを直
流電圧を印加した一対の電極間に通して行う方法;フィ
ルムの表面にコロナ放電やパルス状高電圧を加える方
法;フィルム両面を他の誘電体で保持し両面に直流高電
圧を加える方法;光照射しながら電圧を加える方法など
のいずれの方法によって行ってもよい。
流電圧を印加した一対の電極間に通して行う方法;フィ
ルムの表面にコロナ放電やパルス状高電圧を加える方
法;フィルム両面を他の誘電体で保持し両面に直流高電
圧を加える方法;光照射しながら電圧を加える方法など
のいずれの方法によって行ってもよい。
【0031】また加熱処理は、60〜200℃程度に加
熱して行われ、特に、フィルムを構成する組成物の融点
より50℃低い温度から融点までの範囲の温度で行え
ば、トラップされた電荷がより安定なトラップ源へ移行
し易くなり、非常に安定なエレクトレットを得ることが
できる点で、好ましい。
熱して行われ、特に、フィルムを構成する組成物の融点
より50℃低い温度から融点までの範囲の温度で行え
ば、トラップされた電荷がより安定なトラップ源へ移行
し易くなり、非常に安定なエレクトレットを得ることが
できる点で、好ましい。
【0032】この加熱処理は、例えば、フィルムを所定
の温度に調節した加熱ロール、オーブン等に通して行え
ばよい。
の温度に調節した加熱ロール、オーブン等に通して行え
ばよい。
【0033】本発明のエレクトレット化樹脂フィルムの
厚さは、用途等によって適宜選択すればよく、特に限定
されないが、通常、5〜100μm程度であり、好まし
くは10〜30μmである。
厚さは、用途等によって適宜選択すればよく、特に限定
されないが、通常、5〜100μm程度であり、好まし
くは10〜30μmである。
【0034】本発明のエレクトレット化樹脂フィルム
は、そのままで、種々の用途、例えば、マイクロホン、
ピックアップ、スピーカーなどの音響機器の材料とし
て、電子複写や印刷用の用途に、さらには医療用材料、
特に血液と接触する医療器具用材料等の用途にも使用で
きる。
は、そのままで、種々の用途、例えば、マイクロホン、
ピックアップ、スピーカーなどの音響機器の材料とし
て、電子複写や印刷用の用途に、さらには医療用材料、
特に血液と接触する医療器具用材料等の用途にも使用で
きる。
【0035】また本発明は、前記エレクトレット化樹脂
フィルムを成形加工してなるエレクトレットフィルター
を提供するものである。
フィルムを成形加工してなるエレクトレットフィルター
を提供するものである。
【0036】このフィルターは、前記エレクトレット化
樹脂フィルムを解繊処理し、必要により切断して繊維に
形成する。次に、この繊維を開綿、カーディング処理等
の公知の方法に従ってシート状に成形して得ることがで
きる。
樹脂フィルムを解繊処理し、必要により切断して繊維に
形成する。次に、この繊維を開綿、カーディング処理等
の公知の方法に従ってシート状に成形して得ることがで
きる。
【0037】本発明のエレクトレットフィルターを構成
する繊維の太さは、通常、2〜15デニール程度、好ま
しくは4〜6デニール程度である。
する繊維の太さは、通常、2〜15デニール程度、好ま
しくは4〜6デニール程度である。
【0038】また、このエレクトレットフィルターの目
付量は、用途、要求される集塵性能等に応じて適宜選択
されるが、通常、10〜30g/m2 程度であり、好ま
しくは20〜100g/m2 程度である。
付量は、用途、要求される集塵性能等に応じて適宜選択
されるが、通常、10〜30g/m2 程度であり、好ま
しくは20〜100g/m2 程度である。
【0039】本発明のエレクトレットフィルターは、家
庭用および業務用エアコン、空気清浄器、掃除機、ファ
ンヒーター等のフィルター、また、一般空調用フィルタ
ー等の各種用途に利用できる。
庭用および業務用エアコン、空気清浄器、掃除機、ファ
ンヒーター等のフィルター、また、一般空調用フィルタ
ー等の各種用途に利用できる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例に従って
本発明をより具体的に説明する。
本発明をより具体的に説明する。
【0041】(実施例1) 下記配合処方: ポリプロピレン(MFR(ASTM D 1238) :
0.5g/10min、 密度:0.91g/ccのホモポリプロピレン) 9
0% 無水マレイン酸変性ポリプロピレン 5% ポリカーボネート 5% からなる組成物のペレットを押出機(スクリュー径:4
0mmφ)に供給して、250℃で、厚さ30μmのフ
ィルムに成形した。
0.5g/10min、 密度:0.91g/ccのホモポリプロピレン) 9
0% 無水マレイン酸変性ポリプロピレン 5% ポリカーボネート 5% からなる組成物のペレットを押出機(スクリュー径:4
0mmφ)に供給して、250℃で、厚さ30μmのフ
ィルムに成形した。
【0042】得られたフィルムに、−9kVの直流電圧
を印加した一対の電極を用いて電荷を印加し、次いで加
熱オーブン中で120℃で10分間加熱処理する操作を
5回繰返して施し、エレクトレット化樹脂フィルムを得
た。
を印加した一対の電極を用いて電荷を印加し、次いで加
熱オーブン中で120℃で10分間加熱処理する操作を
5回繰返して施し、エレクトレット化樹脂フィルムを得
た。
【0043】得られたエレクトレット化樹脂フィルムに
ついて、下記の方法でTSDC曲線を測定したところ、
第1図の通りとなり、ホモチャージのピーク温度は13
5℃、ヘテロチャージのピーク温度は85℃であった。
ついて、下記の方法でTSDC曲線を測定したところ、
第1図の通りとなり、ホモチャージのピーク温度は13
5℃、ヘテロチャージのピーク温度は85℃であった。
【0044】また同様にして得られたエレクトレット化
樹脂フィルムについて、下記の方法に従って、初期表面
電荷密度および表面電荷の保持性を評価したところ、初
期表面電荷密度σは25.6×10-9C/cm2 であ
り、60℃、80%RH、24hr後の表面電荷の保持
率は80%であった。
樹脂フィルムについて、下記の方法に従って、初期表面
電荷密度および表面電荷の保持性を評価したところ、初
期表面電荷密度σは25.6×10-9C/cm2 であ
り、60℃、80%RH、24hr後の表面電荷の保持
率は80%であった。
【0045】TSDC曲線の測定 試料フィルム(厚さ30μm)の片面に金を蒸着し、東
洋精機(株)製TSDC測定装置の電極上に載せ、他の
片面に厚さ1mmのテフロンリングを載せ、さらにその
上にもう一方の電極を載せた。(コンタクトレス法)そ
の両極を高感度電流計に接続し、3℃/minの昇温速
度で加熱した時の脱分極電流を測定した。
洋精機(株)製TSDC測定装置の電極上に載せ、他の
片面に厚さ1mmのテフロンリングを載せ、さらにその
上にもう一方の電極を載せた。(コンタクトレス法)そ
の両極を高感度電流計に接続し、3℃/minの昇温速
度で加熱した時の脱分極電流を測定した。
【0046】表面電荷の保持性 荷電したフィルムを、60℃、80%RHに保った恒温
槽に入れ、その表面電荷密度の初期値と、24時間経過
後の表面電荷密度を測定した。測定された初期表面電荷
密度σおよび24時間後の表面電荷密度から、下記式に
従って、表面電荷の保持率を求めた。表面電荷の保持率
=24時間後の表面電荷密度/初期表面電荷密度×10
0(%)
槽に入れ、その表面電荷密度の初期値と、24時間経過
後の表面電荷密度を測定した。測定された初期表面電荷
密度σおよび24時間後の表面電荷密度から、下記式に
従って、表面電荷の保持率を求めた。表面電荷の保持率
=24時間後の表面電荷密度/初期表面電荷密度×10
0(%)
【0047】なお、表面電荷密度は、理化学研究所製、
静電誘導方式表面電荷測定機により測定した。
静電誘導方式表面電荷測定機により測定した。
【0048】(実施例2) 実施例1で得られたエレクトレットフィルムを、一軸方
向に6.6%延伸し、針が植えられた解繊ロールにより
解繊し、これを巻き取り機で巻き取った。 次に、カッ
ターにて90mmの繊維長に切断し、開綿機により綿状
とした後、ニードルパンチ成形して、厚さ:2mm、目
付量:100g/m2 のエレクトレットフィルターを得
た。得られたエレクトレットフィルターの捕集性能およ
び圧力損失を評価したところ、捕集効率E=70.6
%、圧力損失△P=2.3mmAqであった。
向に6.6%延伸し、針が植えられた解繊ロールにより
解繊し、これを巻き取り機で巻き取った。 次に、カッ
ターにて90mmの繊維長に切断し、開綿機により綿状
とした後、ニードルパンチ成形して、厚さ:2mm、目
付量:100g/m2 のエレクトレットフィルターを得
た。得られたエレクトレットフィルターの捕集性能およ
び圧力損失を評価したところ、捕集効率E=70.6
%、圧力損失△P=2.3mmAqであった。
【0049】(比較例1) 組成物の代わりにポリプロピレン(MFR:0.5g/
10min、密度:0.91g/cc)を用いた以外
は、実施例1と同様にしてエレクトレット化フィルムを
得た。得られたエレクトレット化フィルムについて実施
例1と同様にしてTSDC曲線を測定したところ、第2
図の通りとなり、ホモチャージのピーク温度は80℃で
あり、ヘテロチャージのピークは認められなかった。ま
た、その初期表面電荷密度σは20.3×10-9C/c
m2 、表面電荷の保持率は16%であった。
10min、密度:0.91g/cc)を用いた以外
は、実施例1と同様にしてエレクトレット化フィルムを
得た。得られたエレクトレット化フィルムについて実施
例1と同様にしてTSDC曲線を測定したところ、第2
図の通りとなり、ホモチャージのピーク温度は80℃で
あり、ヘテロチャージのピークは認められなかった。ま
た、その初期表面電荷密度σは20.3×10-9C/c
m2 、表面電荷の保持率は16%であった。
【0050】(比較例2) 比較例1と同じポリプロピレンを用いた以外は、実施例
2と同様にしてエレクトレットフィルターを作成し、そ
の捕集性能および圧力損失を評価したところ、捕集効率
E=48%、圧力損失△P=3.1mmAqであった。
2と同様にしてエレクトレットフィルターを作成し、そ
の捕集性能および圧力損失を評価したところ、捕集効率
E=48%、圧力損失△P=3.1mmAqであった。
【0051】
【発明の効果】本発明のエレクトレット化樹脂フィルム
は、高い表面電荷の電荷密度を有するとともに、その表
面電荷の保持性が優れるものである。そのため、本発明
のエレクトレット化樹脂フィルムは、従来のエレクトレ
ット化樹脂フィルムに比して、より長期間に亘って安定
してその性能を発揮できる。また、このエレクトレット
化樹脂フィルムから得られる本発明のエレクトレットフ
ィルターは、表面電荷の保持性に優れるため、長期間に
亘って安定して高い集塵効率等の性能を発揮することが
できる。
は、高い表面電荷の電荷密度を有するとともに、その表
面電荷の保持性が優れるものである。そのため、本発明
のエレクトレット化樹脂フィルムは、従来のエレクトレ
ット化樹脂フィルムに比して、より長期間に亘って安定
してその性能を発揮できる。また、このエレクトレット
化樹脂フィルムから得られる本発明のエレクトレットフ
ィルターは、表面電荷の保持性に優れるため、長期間に
亘って安定して高い集塵効率等の性能を発揮することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施例において作成したエレク
トレット化樹脂フィルムのTSDC曲線を示す図であ
る。
トレット化樹脂フィルムのTSDC曲線を示す図であ
る。
【図2】図2は比較例1において作成したエレクトレッ
ト化樹脂フィルムのTSDC曲線を示す図である。
ト化樹脂フィルムのTSDC曲線を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−225416(JP,A) 特開 昭51−9452(JP,A) 特開 昭50−25677(JP,A) 特開 昭56−100409(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18 B01D 39/14
Claims (2)
- 【請求項1】 極性高分子化合物を含有するフィルムで
あって、該フィルムに電荷を印加する処理と60〜20
0℃の温度範囲で加熱する処理を交互に2回以上施して
得られ、下記方法によって測定されるTSDC曲線のホ
モチャージピーク温度が95℃以上であり、かつヘテロ
チャージピーク温度が80℃以上であるエレクトレット
化樹脂フィルム。<TSDC曲線の測定方法> 厚さ30μmの試料フィルムの片面に金を蒸着してこれ
をTSDC測定装置の電極上に載せ、他の片面に厚さ1
mmのテフロンリングを載せ、さらにその上にもう一方
の電極を載せ、その両極を高感度電流計に接続し、3℃
/minの昇温速度で加熱したときの脱分極電流を測定
してTSDC曲線を求める。 - 【請求項2】 請求項1のエレクトレット化樹脂フィル
ムを解繊して得られる繊維からなるエレクトレットフィ
ルター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3046494A JP3057610B2 (ja) | 1990-11-19 | 1991-03-12 | エレクトレット化樹脂フィルムおよびエレクトレットフィルター |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31318290 | 1990-11-19 | ||
JP2-313182 | 1990-11-19 | ||
JP3046494A JP3057610B2 (ja) | 1990-11-19 | 1991-03-12 | エレクトレット化樹脂フィルムおよびエレクトレットフィルター |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04213335A JPH04213335A (ja) | 1992-08-04 |
JP3057610B2 true JP3057610B2 (ja) | 2000-07-04 |
Family
ID=26386589
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3046494A Expired - Fee Related JP3057610B2 (ja) | 1990-11-19 | 1991-03-12 | エレクトレット化樹脂フィルムおよびエレクトレットフィルター |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3057610B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003001028A (ja) | 2001-06-22 | 2003-01-07 | Bridgestone Corp | フィルター材 |
JP2013075946A (ja) * | 2011-09-29 | 2013-04-25 | Sekisui Chem Co Ltd | エレクトレットシート |
JP6200799B2 (ja) * | 2012-12-27 | 2017-09-20 | 積水化学工業株式会社 | エレクトレットシート |
-
1991
- 1991-03-12 JP JP3046494A patent/JP3057610B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04213335A (ja) | 1992-08-04 |
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