JPH04213335A - エレクトレット化樹脂フィルムおよびエレクトレットフィルター - Google Patents

エレクトレット化樹脂フィルムおよびエレクトレットフィルター

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JPH04213335A
JPH04213335A JP4649491A JP4649491A JPH04213335A JP H04213335 A JPH04213335 A JP H04213335A JP 4649491 A JP4649491 A JP 4649491A JP 4649491 A JP4649491 A JP 4649491A JP H04213335 A JPH04213335 A JP H04213335A
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electret
resin film
film
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acid
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Satoshi Matsuura
松 浦   智
Yoshio Shinagawa
品 川 好 雄
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエレクトレット化樹脂フ
ィルムおよびエレクトレットフィルターに関し、特に高
い電荷密度で表面電荷を有するとともに、その表面電荷
の保持性に優れたエレクトレット化樹脂フィルムおよび
それを用いてなるエレクトレット化フィルターに関する
【0002】
【従来の技術】従来、エレクトレット化樹脂フィルムは
、マイクロホン、スピーカー、カートリッジ等の音響素
子、振動計、ひずみ計等の計測器の素子、無接点スイッ
チなどの広範囲の用途に用いられ、また、メモリー素子
、医療用分野などの用途にも応用が試みられている。 さらに、このエレクトレット化樹脂フィルムに解繊等の
適当な加工処理を施し、得られる繊維状物を、不織布ま
たは織布として、家庭用エアコン、空気清浄材、掃除機
等の吸塵フィルター、あるいは一般空調用フィルターな
どの用途に用いられるエレクトレットフィルターが製造
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のエレク
トレット化樹脂フィルムやそれらから得られるエレクト
レットフィルターは、表面電荷の保持性の面で改良の余
地があった。
【0004】そこで、本発明の目的は、高い電荷密度で
表面電荷を有するとともに、その表面電荷の保持性に優
れたエレクトレット化樹脂フィルムおよび該エレクトレ
ット化樹脂フィルムを利用したエレクトレットフィルタ
ーを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、極性高分子化合物を含有するフィルムであ
って、TSDC曲線のホモチャージピーク温度が95℃
以上であり、かつヘテロチャージピーク温度が80℃以
上であるエレクトレット化樹脂フィルムを提供するもの
である。
【0006】また本発明は、前記エレクトレット化樹脂
フィルムを解繊して得られる繊維からなるエレクトレッ
トフィルターをも提供するものである。以下、本発明を
詳細に説明する。
【0007】本発明のエレクトレット化樹脂フィルムの
素材であるフィルムは、極性高分子化合物を含有するも
のであり、極性高分子化合物単独、無極性高分子化合物
と極性高分子化合物の組合わせ、極性高分子化合物、無
極性高分子化合物および無極性高分子化合物の変性物の
組合わせを含有する組成物からなるものが挙げられ、好
ましくは極性高分子化合物、無極性高分子化合物および
無極性高分子化合物の変性物の組合わせからなる3成分
系組成物である。
【0008】本発明のフィルムを構成する極性高分子化
合物は、極性を有する高分子化合物であれば、いずれの
ものでもよい。この極性高分子化合物としては、溶融成
形可能で、かつカルボン酸基、エステル基、アミド基、
水酸基、エーテル基、ニトリル基、カルボニル基、ハロ
ゲン原子等の極性基を分子中に含む高分子化合物からな
る熱可塑性樹脂が挙げられ、その具体例として、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレ
ート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン12等のポリアミド;ポリカーボネート、ポリ(
メタ)クリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアク
リル系樹脂;アクリル−スチレン系樹脂(AS樹脂)、
アクリル−ブタジエン−スチレン系樹脂(ABS樹脂)
、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化三フ
ッ化エチレン、ポリアセタール、ポリアクリロニトリル
などが挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組
合せても用いられる。
【0009】また、無極性高分子化合物は、極性を有し
ない高分子化合物であれば、いずれのものでもよい。こ
の無極性高分子化合物の具体例として、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1
−ペンテン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ四
フッ化エチレン、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレ
ン共重合体などが挙げられる。これらは1種単独でも2
種以上を組合せても用いられる。
【0010】さらにまた、無極性高分子化合物の変性物
としては、例えば、(A)不飽和カルボン酸またはその
誘導体で変性された無極性高分子化合物、(B)不飽和
エポキシ化合物で変性された無極性高分子化合物、(C
)オレフィン性不飽和結合を有する有機ケイ素化合物で
変性された無極性高分子化合物等を挙げることができ、
これらは1種単独でも2種以上を組合せても用いられる
【0011】不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性
された無極性高分子化合物(A)は、前記第1の成分で
ある無極性高分子化合物を構成する単量体と不飽和カル
ボン酸またはその誘導体をランダム共重合あるいはブロ
ック共重合してなるもの;該無極性高分子化合物に不飽
和カルボン酸またはその誘導体をグラフト共重合させて
なるものなどである。
【0012】この不飽和カルボン酸またはその誘導体と
しては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチ
ルアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、
シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒ
ドロフタル酸、エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘ
プト−5−エン−2,3−ジカルボン酸(ナジック酸)
、メチル−エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト
−5−エン−2,3−ジカルボン酸(メチルナジック酸
)等の不飽和ジカルボン酸;該不飽和ジカルボン酸の酸
ハライド、アミド化物、イミド化物、酸無水物、エステ
ル化物等の不飽和ジカルボン酸の誘導体が挙げられる。 これらの誘導体の具体例として、塩化マレイル、マレイ
ミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸
モノメチル、マレイン酸ジメチル等が挙げられる。 これらの中では、無水マレイン酸が好ましい。
【0013】また、不飽和エポキシ化合物で変性された
無極性高分子化合物(B)は、前記(A)と同様に、エ
ポキシ化合物と無極性高分子化合物を構成する単量体と
をランダム共重合あるいはブロック共重合してなるもの
;該無極性高分子化合物にエポキシ化合物をグラフト共
重合してなるものなどである。
【0014】このエポキシ化合物は、1分子中に重合可
能な不飽和結合およびエポキシ基をそれぞれ少なくとも
1個有する化合物である。  例えば、一般式(I):
【0015】
【化1】 (ここで、R1 は重合可能なエチレン性不飽和結合を
有する炭化水素基である)で表される不飽和グリシジル
エステル類;一般式(II):
【0016】
【化2】 (ここで、R1 は(I)式のものと同じ、R2 は水
素またはメチル基である)で表されるエポキシアルケン
類などが挙げられる。
【0017】このエポキシ化合物の具体例としして、グ
リシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イ
タコン酸のモノおよびジグリシジルエステル、ブテント
リカルボン酸のモノ、ジおよびトリグリシジルエステル
、シトラコン酸のモノおよびジグリシジルエステル、エ
ンド−シス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン
−2,3−ジカルボン酸(ナジック酸R )のモノおよ
びジクリシジルエステル、エンド−シス−ビシクロ[2
,2,1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2,3−ジ
カルボン酸(メチルナジック酸R )のモノおよびジグ
リシジルエステル、アリルコハク酸のモノおよびジグリ
シジルエステル、p−ステレンカルボン酸のグリシジル
エステル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリ
ルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエー
テル、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキ
シ−3−メチル−1−ブテン、3,4−エポキシ−1−
ペンテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ペンテ
ン、5,6−エポキシ−1−ヘキセン、ビニルシクロヘ
キセンモノオキシドなどが挙げられる。これらの中では
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートが
好ましい。
【0018】さらに、オレフィン性不飽和結合を有する
有機ケイ素化合物で変性された無極性高分子化合物(C
)は、前記の(A)および(B)と同様に、該有機ケイ
素化合物をランダム共重合、ブロック共重合、あるいは
グラフト共重合させたものなどである。
【0019】オレフィン性不飽和結合を有する有機ケイ
素化合物は、特に制限されず、例えば、オレフィン性不
飽和結合とともに、加水分解可能な有機基を有する有機
ケイ素化合物が挙げられる。  例えば、一般式(IV
)(V)(VI): R3 R4 Si Y1 Y2     (IV)R3
 XSi Y1 Y2       (V)R3 Si
 Y1 Y2 Y3     (VI)で表されるもの
が挙げられる。ここで、R3 およびR4 は同一でも
異なってもよく、オレフィン性不飽和結合を有し、炭素
原子、水素原子および酸素原子から選ばれる少なくとも
1種を含む1価の基であり、例えば、ビニル基、アリル
基、ブテニル、シクロヘキセニル、シクロペンタジエニ
ル基が挙げられ、特に末端オレフィン性不飽和基が好ま
しい。その他の好ましい例には末端不飽和酸のエステル
結合を有する CH2=C(CH2)COO(CH2)2−、CH2=
C(CH2)COO(CH2)2−O−(CH2)2−
 、CH2=C(CH2)COOCH2OCH2CH2
(OH)CH2O(CH2)2−、などの基を挙げるこ
とができる。これらのうちビニル基が最適である。Xは
オレフィン性不飽和結合を有しない有機基であり、例え
ば1価の炭化水素基であるメチル、エチル、プロピル、
テトラデシル、オクタデシル、フェニル、ベンジル、ト
リルなどの基が挙げられ、またこれらの基は、ハロゲン
置換炭化水素基でもよい。基Y1 、Y2 、Y3 は
各々同一または相異なる加水分解可能な基であり、例え
ばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、メトキシエトキシの
ようなアルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、ホルミ
ロキシ、アセトキシ、プロピオノキシのようなアシロキ
シ基、オキシム、例えば−ON=C(CH2)2 、−
ON=CHCH2C2H2 および  −ON=C(C
2H2)2または置換アミノ基およびアリールアミノ基
、例えば−NHCH2、−NHC2H2 および−NH
(C2H2) などが挙げられる。
【0020】この有機ケイ素化合物の具体例として、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン等のビニルト
リスアルコキシシラン;ビニルメチルジエトキシシラン
、ビニルフェニルジメトキシシランなどが挙げられる。
【0021】前記の(A)、(B)および(C)の無極
性高分子化合物の変性物のうち、グラフト共重合による
変性物を製造する方法としては、公知の種々の方法が採
用できる。例えば、無極性高分子化合物を溶融させ、前
記の不飽和カルボル酸またはその誘導体、エポキシ化合
物および/または有機ケイ素化合物(以下、「変性化合
物」と略す)を添加してグラフト共重合させる方法;無
極性高分子化合物を溶媒に溶解せしめた後、変性化合物
を添加してグラフト共重合させる方法などが挙げられる
。これらの方法のいずれにおいてもラジカル発生剤の存
在下に反応を行わせると、効率よくグラフト共重合を行
うことができるため、好ましい。用いられるラジカル発
生剤としては、例えば、有機パーオキシド化合物、有機
パーエステル化合物、アゾ化合物等が挙げられる。また
、電離放射線、紫外線等を照射してラジカルを発生させ
ることもできる。グラフト共重合による変性におけるグ
ラフト共重合による変性におけるグラフト率は、通常、
無極性高分子化合物100重量部に対して変性化合物1
〜15重量部程度である。
【0022】本発明において好ましく用いられる3成分
系組成物中における前記の無極性高分子化合物/極性高
分子化合物/無極性高分子化合物の変性物の含有割合は
、重量比で60〜99/0.5〜39.5/0.5〜2
0、好ましくは80〜95/1〜10/4〜10である
【0023】以上の3成分を含有する組成物において、
特に、ポリプロピレン/ポリカーボネート/無水マレイ
ン酸変性ポリプロピレンの組合せが、エレクトレット化
した時の初期表面電荷が高く、その保持性が良好である
点で、好ましい。
【0024】また、組成物には、前記3成分以外に、必
要に応じて、この種の組成物に通常添加される添加剤、
例えば、耐熱安定剤、耐候安定剤、無機または有機の充
填剤、染料、顔料などを配合してもよい。
【0025】本発明のエレクトレット化樹脂フィルムは
、上述の通り、極性高分子化合物を含有するフィルム、
好ましくは前記組成物からなるフィルムであって、TS
DC(熱刺激電流)曲線の測定における、ホモチャージ
のピーク温度が95℃以上、好ましくは120℃以上の
ものであり、かつヘテロチャージピーク温度が80℃以
上であるのものである。
【0026】ここで、本発明において、TSDC(熱刺
激電流)曲線とは、エレクトレットフィルムの片面に電
極をつけ、高感度の電流計に接続し、電極とエレクトレ
ットフィルムの表面との間に一定の空隙を設けたまま一
定の昇温速度で加熱した時、分子運動に伴なう電荷の移
動や配向分極状態の変化により生じる電流をいい、種々
の温度域で電流のピークが現れる。また、ホモチャージ
とは、電極から試料フィルムに注入された電荷、および
電極と試料フィルム間の空気がコロナ放電によりイオン
化されフィルム中に注入された電荷のことである。した
がって、陽極に面した表面には+、陰極に面した表面に
は−の電荷がフィルム中に存在する。ヘテロチャージと
は、ホモチャージとは逆に印加電極と反対の符号を持っ
た電荷のことであり、永久双極子の配向およびイオンの
微視的、巨視的な変位等により生ずる電荷である。
【0027】本発明のエレクトレット化樹脂フィルムの
製造は、例えば、前記3成分系組成物等からなる素材を
常法に従ってフィルム状に成形し、未延伸または延伸し
てなるフィルムに、電荷を印加する処理と、加熱する処
理を交互に2回以上、好ましくは3回繰返して施すこと
により行うことができる。
【0028】組成物をフィルム状に成形する方法として
は、例えば、組成物を押出機にて溶融・押出成形する方
法;インフレーション成形法により成形する方法;Tダ
イ成形法等の方法が挙げられる。
【0029】電荷の印加は、フィルムの材質、厚さ、電
極形状、電極間距離等により異なるが、例えば、電極間
距離が10mmの場合、少なくとも5kV、好ましくは
10〜15kVの電圧をフィルムに印加して行なうこと
ができる。
【0030】この電荷の印加は、例えば、フィルムを直
流電圧を印加した一対の電極間に通して行う方法;フィ
ルムの表面にコロナ放電やパルス状高電圧を加える方法
;フィルム両面を他の誘電体で保持し両面に直流高電圧
を加える方法;光照射しながら電圧を加える方法などの
いずれの方法によって行ってもよい。
【0031】また加熱処理は、60〜200℃程度に加
熱して行われ、特に、フィルムを構成する組成物の融点
より50℃低い温度から融点までの範囲の温度で行えば
、トラップされた電荷がより安定なトラップ源へ移行し
易くなり、非常に安定なエレクトレットを得ることがで
きる点で、好ましい。
【0032】この加熱処理は、例えば、フィルムを所定
の温度に調節した加熱ロール、オーブン等に通して行え
ばよい。
【0033】本発明のエレクトレット化樹脂フィルムの
厚さは、用途等によって適宜選択すればよく、特に限定
されないが、通常、5〜100μm程度であり、好まし
くは10〜30μmである。
【0034】本発明のエレクトレット化樹脂フィルムは
、そのままで、種々の用途、例えば、マイクロホン、ピ
ックアップ、スピーカーなどの音響機器の材料として、
電子複写や印刷用の用途に、さらには医療用材料、特に
血液と接触する医療器具用材料等の用途にも使用できる
【0035】また本発明は、前記エレクトレット化樹脂
フィルムを成形加工してなるエレクトレットフィルター
を提供するものである。
【0036】このフィルターは、前記エレクトレット化
樹脂フィルムを解繊処理し、必要により切断して繊維に
形成する。次に、この繊維を開綿、カーディング処理等
の公知の方法に従ってシート状に成形して得ることがで
きる。
【0037】本発明のエレクトレットフィルターを構成
する繊維の太さは、通常、2〜15デニール程度、好ま
しくは4〜6デニール程度である。
【0038】また、このエレクトレットフィルターの目
付量は、用途、要求される集塵性能等に応じて適宜選択
されるが、通常、10〜30g/m2 程度であり、好
ましくは20〜100g/m2 程度である。
【0039】本発明のエレクトレットフィルターは、家
庭用および業務用エアコン、空気清浄器、掃除機、ファ
ンヒーター等のフィルター、また、一般空調用フィルタ
ー等の各種用途に利用できる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例に従って
本発明をより具体的に説明する。
【0041】(実施例1) 下記配合処方: ポリプロピレン(MFR(ASTM D 1238) 
     :0.5g/10min、 密度:0.91g/ccのホモポリプロピレン)   
 90% 無水マレイン酸変性ポリプロピレン    5%ポリカ
ーボネート                    
5%からなる組成物のペレットを押出機(スクリュー径
:40mmφ)に供給して、250℃で、厚さ30μm
のフィルムに成形した。
【0042】得られたフィルムに、−9kVの直流電圧
を印加した一対の電極を用いて電荷を印加し、次いで加
熱オーブン中で120℃で10分間加熱処理する操作を
5回繰返して施し、エレクトレット化樹脂フィルムを得
た。
【0043】得られたエレクトレット化樹脂フィルムに
ついて、下記の方法でTSDC曲線を測定したところ、
第1図の通りとなり、ホモチャージのピーク温度は13
5℃、ヘテロチャージのピーク温度は85℃であった。
【0044】また同様にして得られたエレクトレット化
樹脂フィルムについて、下記の方法に従って、初期表面
電荷密度および表面電荷の保持性を評価したところ、初
期表面電荷密度σは25.6×10−9C/cm2 で
あり、60℃、80%RH、24hr後の表面電荷の保
持率は80%であった。
【0045】TSDC曲線の測定 試料フィルム(厚さ30μm)の片面に金を蒸着し、東
洋精機(株)製TSDC測定装置の電極上に載せ、他の
片面に厚さ1mmのテフロンリングを載せ、さらにその
上にもう一方の電極を載せた。(コンタクトレス法)そ
の両極を高感度電流計に接続し、3℃/minの昇温速
度で加熱した時の脱分極電流を測定した。
【0046】表面電荷の保持性 荷電したフィルムを、60℃、80%RHに保った恒温
槽に入れ、その表面電荷密度の初期値と、24時間経過
後の表面電荷密度を測定した。測定された初期表面電荷
密度σおよび24時間後の表面電荷密度から、下記式に
従って、表面電荷の保持率を求めた。表面電荷の保持率
=24時間後の表面電荷密度/初期表面電荷密度×10
0(%)
【0047】なお、表面電荷密度は、理化学研究所製、
静電誘導方式表面電荷測定機により測定した。
【0048】(実施例2) 実施例1で得られたエレクトレットフィルムを、一軸方
向に6.6%延伸し、針が植えられた解繊ロールにより
解繊し、これを巻き取り機で巻き取った。  次に、カ
ッターにて90mmの繊維長に切断し、開綿機により綿
状とした後、ニードルパンチ成形して、厚さ:2mm、
目付量:100g/m2 のエレクトレットフィルター
を得た。得られたエレクトレットフィルターの捕集性能
および圧力損失を評価したところ、捕集効率E=70.
6%、圧力損失△P=2.3mmAqであった。
【0049】(比較例1) 組成物の代わりにポリプロピレン(MFR:0.5g/
10min、密度:0.91g/cc)を用いた以外は
、実施例1と同様にしてエレクトレット化フィルムを得
た。得られたエレクトレット化フィルムについて実施例
1と同様にしてTSDC曲線を測定したところ、第2図
の通りとなり、ホモチャージのピーク温度は80℃であ
り、ヘテロチャージのピークは認められなかった。また
、その初期表面電荷密度σは20.3×10−9C/c
m2 、表面電荷の保持率は16%であった。
【0050】(比較例2) 比較例1と同じポリプロピレンを用いた以外は、実施例
2と同様にしてエレクトレットフィルターを作成し、そ
の捕集性能および圧力損失を評価したところ、捕集効率
E=48%、圧力損失△P=3.1mmAqであった。
【0051】
【発明の効果】本発明のエレクトレット化樹脂フィルム
は、高い表面電荷の電荷密度を有するとともに、その表
面電荷の保持性が優れるものである。そのため、本発明
のエレクトレット化樹脂フィルムは、従来のエレクトレ
ット化樹脂フィルムに比して、より長期間に亘って安定
してその性能を発揮できる。また、このエレクトレット
化樹脂フィルムから得られる本発明のエレクトレットフ
ィルターは、表面電荷の保持性に優れるため、長期間に
亘って安定して高い集塵効率等の性能を発揮することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施例において作成したエレク
トレット化樹脂フィルムのTSDC曲線を示す図である
【図2】図2は比較例1において作成したエレクトレッ
ト化樹脂フィルムのTSDC曲線を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  極性高分子化合物を含有するフィルム
    であって、TSDC曲線のホモチャージピーク温度が9
    5℃以上であり、かつヘテロチャージピーク温度が80
    ℃以上であるエレクトレット化樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】  請求項1のエレクトレット化樹脂フィ
    ルムを解繊して得られる繊維からなるエレクトレットフ
    ィルター。
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US7063733B2 (en) 2001-06-22 2006-06-20 Bridgestone Corporation Filter member
JP2013075946A (ja) * 2011-09-29 2013-04-25 Sekisui Chem Co Ltd エレクトレットシート
JP2014141651A (ja) * 2012-12-27 2014-08-07 Sekisui Chem Co Ltd エレクトレットシート

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