JP2812570B2 - エレクトレットおよびエレクトレットフィルターの製造方法 - Google Patents

エレクトレットおよびエレクトレットフィルターの製造方法

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JP2812570B2 JP3100753A JP10075391A JP2812570B2 JP 2812570 B2 JP2812570 B2 JP 2812570B2 JP 3100753 A JP3100753 A JP 3100753A JP 10075391 A JP10075391 A JP 10075391A JP 2812570 B2 JP2812570 B2 JP 2812570B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエレクトレットの製造方
法およびエレクトレットフィルターの製造方法に関し、
特に、エレクトレットを構成する無極性高分子化合物
と、極性高分子化合物との相溶性を改善することによ
り、繊維毎の電荷のバラツキが少なくなり、成形加工時
の均一性および成形性が向上し、高表面電荷密度を有す
る等の各種性能が良好なエレクトレットを得ることがで
きる方法、および該エレクトレットを用いて集塵効率等
の性能に優れたエレクトレットフィルターを得ることが
できる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトレットおよびそれを成形加工し
てなるエレクトレットフィルターは、各種の用途に用い
られている。例えば、エレクトレットはマイクロホン、
ピックアップ、スピーカー等の音響機器の材料;電子複
写や印刷の用途;医療用材料などの各種用途に利用が広
がってきている。特に、このエレクトレットを成形加工
してなるエレクトレットフィルターは、エアーフィルタ
ー等の用途に広く使用されている。
【0003】このエレクトレットの原料として、ポリプ
ロピレン等の無極性高分子化合物、ポリカーボネート等
の極性高分子化合物、さらに無水マレイン酸等の極性基
含有ポリマーによりグラフト変性された変性無極性高分
子化合物を配合してなる樹脂組成物が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の樹脂組
成物においては、使用される変性無極性高分子化合物
は、変性によって分子量が低下し、他の未変性高分子化
合物との分子量の均一性を保持することができにくくな
るおそれがあるため、この樹脂組成物の成形加工時の均
一性および成形性に問題が生じるおそれがあった。
【0005】そこで本発明の目的は、上記のような組成
物における成形加工時の成形性が向上し、電荷の均一性
等の各種性能が良好なエレクトレットを得ることができ
る方法、および該エレクトレットを用いて集塵効率がよ
く、フィルター毎のバラツキが少ないなど、各種性能に
優れたエレクトレットフィルターを得ることができる方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、第1の態様として、無極性高分子化合物
と極性高分子化合物を含む樹脂組成物を、不飽和カルボ
ン酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも1種でグ
ラフト変性してなる変性樹脂組成物を、原料として用い
ることを特徴とするエレクトレットの製造方法を提供す
るものである。
【0007】また、本発明は、第2の態様として、無極
性高分子化合物を不飽和カルボン酸およびその誘導体か
ら選ばれる少なくとも1種でグラフト変性してなる変性
高分子化合物と、当該変性高分子化合物以外の極性高分
子化合物とを含む原料樹脂組成物を、原料として用いる
ことを特徴とするエレクトレットの製造方法を提供する
ものである。
【0008】さらに、本発明は、前記のエレクトレット
を用いることを特徴とするエレクトレットフィルターの
製造方法を提供するものである。
【0009】以下、本発明のエレクトレットおよびエレ
クトレットフィルターの製造方法を詳細に説明する。
【0010】本発明の第1の態様において、エレクトレ
ットの原料として用いられる樹脂組成物の構成成分であ
る無極性高分子化合物の具体例としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ4−メチル
−1−ペンテン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポ
リ四フッ化エチレン、四フッ化エチレン・六フッ化プロ
ピレン共重合体などが挙げられる。本発明において、無
極性高分子化合物は1種単独でも2種以上を組合せて用
いてもよい。
【0011】また、本発明の第1の態様において、エレ
クトレットの原料として用いられる樹脂組成物のもう1
つの構成成分である極性高分子化合物は、分子中に極性
基を有するものである。
【0012】極性高分子化合物が有する極性基として
は、例えば、カルボキシル基、エステル基、アミド基、
水酸基、エーテル基、ニトリル基、カルボニル基、ある
いは塩素原子等のハロゲン原子などが挙げられる。
【0013】前記極性高分子化合物は、極性基を1種単
独でも2種以上を組合せて含有していてもよい。
【0014】この極性高分子化合物の具体例としては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレ
フタレート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン12等のポリアミド;ポリカーボネート、
ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のア
クリル系樹脂;アクリル−スチレン共重合体系樹脂(A
S樹脂)、アクリル−ブタジエン−スチレン共重合体系
樹脂(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリ塩化三フッ化エチレン、ポリアセタール、ポ
リアクリルニトリルなどが挙げられる。本発明におい
て、極性高分子化合物は1種単独でも2種以上を組合せ
て用いてもよい。
【0015】樹脂組成物中の無極性高分子化合物/極性
高分子化合物の含有割合は、通常、重量比で60〜99
/0.5〜39.5、好ましくは80〜95/1〜10
である。また、この樹脂組成物のMFR(ASTM D
1238L)は、通常、0.1〜10g/10min程
度である。
【0016】本発明の第1の態様は、前記無極性高分子
化合物と極性高分子化合物とを含む樹脂組成物を、不飽
和カルボン酸およびその誘導体から選ばれる少なくとも
1種で変性してなる変性樹脂組成物を原料として用いる
方法である。
【0017】グラフト変性に用いられる不飽和カルボン
酸およびその誘導体としては、例えば、アクリル酸、メ
タクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、フマ
ール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタ
ル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドシス−ビシ
クロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカル
ボン酸(ナジック酸)、メチル−エンドシス−ビシクロ
[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン
酸(メチルナジック酸)等の不飽和ジカルボン酸、およ
びこれらの不飽和ジカルボン酸の誘導体として、これら
の不飽和ジカルボン酸の酸ハライド、アミド、イミド、
酸無水物、エステルなどが挙げられる。この不飽和ジカ
ルボン酸の誘導体の具体例としては、塩化マレニル、マ
レイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイ
ン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル等が挙げられる。
これらの不飽和カルボン酸およびその誘導体は、1種単
独でも2種以上を組合せても用いられる。本発明におい
て、これらの中でも、不飽和ジカルボン酸およびその酸
無水物が好ましく、特にマレイン酸、ナジック酸および
これらの酸無水物が好ましい。
【0018】変性樹脂組成物において、これらの不飽和
カルボン酸およびその誘導体の含有量、すなわち、変性
樹脂組成物のグラフト量は、通常、0.05〜15重量
%程度、好ましくは0.5〜3重量%程度である。
【0019】本発明の第1の態様において、樹脂組成物
を不飽和カルボン酸でグラフト変性して、変性樹脂組成
物を製造する方法は、例えば、前記無極性高分子化合
物、極性高分子化合物および必要に応じて他の成分を含
む樹脂組成物、ならびに前記不飽和カルボン酸およびそ
の誘導体から選ばれる少なくとも1種とラジカル重合開
始剤とを、押出機に供給し加熱溶融しながら混練してグ
ラフト共重合反応させることにより行なうことができ
る。
【0020】用いられるラジカル重合開始剤としては、
例えば、有機パーオキシド化合物、有機パーエステル化
合物、アゾ化合物などが挙げられる。
【0021】このラジカル重合開始剤の使用量は、樹脂
組成物100重量部に対して、通常、0.01〜1重量
部程度、好ましくは0.05〜0.5重量部程度であ
る。
【0022】加熱の温度は、通常、200〜280℃程
度である。
【0023】また、使用する押出機は、単軸または複数
軸のいずれの形式のものでもよく、特に制限されない。
【0024】また、変性樹脂組成物は、前記無極性高分
子化合物、極性高分子化合物ならびに不飽和カルボン酸
およびその誘導体から選ばれる少なくとも1種以外に、
必要に応じて、例えば、耐熱安定剤、耐候安定剤、スリ
ップ剤、アンチブロッキング剤、滑剤、無機あるいは有
機の充填剤、染料、顔料等を含んでいてもよい。
【0025】また、この変性樹脂組成物は、通常、MF
R(ASTM D1238L)が、0.1〜50g/1
0min程度のものである。
【0026】本発明の第1の態様においては、以上のよ
うにして得られた変性樹脂組成物を、原料として用い、
エレクトレット化処理して、種々の形態のエレクトレッ
トを得ることができる。
【0027】エレクトレット化処理は、特に制限され
ず、公知の種々の方法にしたがって行なうことができ
る。例えば、前記変性樹脂組成物を溶融または軟化する
まで加熱し、直流高電圧を加えながら冷却してエレクト
レット化する方法(熱エレクトレット化法);変性樹脂
組成物をフィルム状に成形した後、フィルムの表面にコ
ロナ放電やパルス状高電圧を加えたり、フィルムの両面
を誘電体で保持し、両面に直流高電圧を加えてエレクト
レット化する方法(エレクトロエレクトレット化法);
γ線や電子線を照射してエレクトレット化する方法(ラ
ジオエレクトレット化法);変性樹脂組成物を溶融して
強磁場を作用させながら、徐冷してエレクトレット化す
る方法(マグネエレクトレット化法);加圧塑性変形さ
せてエレクトレット化する方法(メカノエレクトレット
化法);光照射しながら電圧を加えてエレクトレット化
する方法(オートエレクトレット化法)などが挙げられ
る。より具体的には、前記変性樹脂組成物をフィルム状
に成形した後、必要に応じて延伸しながら、加熱し、コ
ロナ放電を間欠的に加える方法、フィルムを針状電極対
で挟み、コロナ放電を行なう方法などが挙げられる。延
伸を行なう場合、1軸延伸でも2軸延伸でもよい。
【0028】本発明の方法で得られるエレクトレットの
表面電荷密度は、コロナ放電を行った場合、通常、20
〜50×10-9C/cm2 程度である。
【0029】本発明の方法においては、種々の形態のエ
レクトレットを得ることができ、得られるエレクトレッ
トの用途等に応じて、その形態を適宜、選択することが
できる。例えば、フィルム、シート、繊維等の形態で得
ることができる。
【0030】次に、本発明の第2の態様は、無極性高分
子化合物を不飽和カルボン酸およびその誘導体から選ば
れる少なくとも1種でグラフト変性してなる変性高分子
化合物と、この変性高分子化合物以外の極性高分子化合
物とを含む原料樹脂組成物を、原料として用いることを
特徴とするエレクトレットの製造方法である。
【0031】この第2の態様において、使用する無極性
高分子化合物、極性高分子化合物、および不飽和カルボ
ン酸およびその誘導体については、前記第1の態様で使
用したものと同様であるので、説明を省略する。
【0032】この第2の態様において、変性高分子化合
物の製造は、無極性高分子化合物を、不飽和カルボン酸
およびその誘導体から選ばれる少なくとも1種でグラフ
ト変性して得ることができる。得られる高分子化合物
は、変性の結果、極性高分子化合物となるが、この変性
高分子化合物中の不飽和カルボン酸およびその誘導体か
ら選ばれる少なくとも1種の含有量、すなわち、変性高
分子化合物のグラフト量は、通常、0.05〜15重量
%程度であり、好ましくは0.5〜3重量%程度であ
る。
【0033】この変性高分子化合物の製造は、特に制限
されず、例えば、押出機により製造する方法、無極性高
分子化合物を溶媒に溶解し、加熱して製造する方法等の
方法によって行なうことができる。
【0034】本発明の第2の態様は、前記のようにして
得られた変性高分子化合物と、この変性高分子化合物以
外の前記極性高分子化合物とを含む原料樹脂組成物を調
製し、これを原料としてエレクトレットを製造するもの
である。
【0035】原料樹脂組成物中における変性高分子化合
物/変性高分子化合物以外の極性高分子化合物の含有割
合は、重量比で0.5〜20/0.5〜39.5、好ま
しくは4〜10/1〜10である。
【0036】この原料樹脂組成物のMFR(ASTMD
1238L)は、通常、0.1〜50g/10min程
度、好ましくは0.2〜10g/10min程度であ
る。
【0037】さらに、この原料樹脂組成物を前記第1の
態様において詳細に述べた工程にしたがって処理するこ
とにより、繊維状、フィルム状、シート状等の種々の形
態のエレクトレットを得ることができる。
【0038】以上の本発明の第1の態様または第2の態
様によって得られるエレクトレットは、マイクロホン、
ピックアップ、スピーカー等の音響機器の材料;電子複
写や印刷の用途;医療用材料、特に血液と接触する医療
器具用材料などに好適である。特に、エアーフィルター
等に用いられるエレクトレットフィルターの製造原料と
して好適である。
【0039】前記第1および第2の態様によって得られ
たエレクトレットを用いてなるエレクトレットフィルタ
ーの製造方法は、前記第1の態様または第2の態様によ
って得られたエレクトレットを公知の方法にしたがっ
て、成形して所要の形状のフィルターを得ることができ
る。
【0040】フィルター成形は、例えば、前記の方法に
よって得られたフィルム状のエレクトレットを解繊機で
解繊したり、場合によっては叩解して、繊維状のエレク
トレットを製造し、この繊維状のエレクトレットを、常
法にしたがって織成、編成、タフト化したり、あるいは
不織布に成形することにより、製造することができる。
また、繊維をヒートエンボス等の手段により固定して強
度に優れた不織布を得ることができる。このエレクトレ
ットフィルターの製造方法によって得られるエレクトレ
ットフィルターは、例えば、微粒子の集塵性に優れ、圧
力損失が小さいことを生かして、エアフィルター等の用
途に好適である。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を挙げて
本発明を具体的に説明する。
【0042】(実施例1)ポリプロピレン(MFR:
0.5g/10min)9500gおよびポリカーボネ
ート(ゼネラルエレクトリック社製、レキサン101)
500gと、2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)−
ヘキシン−3 2gおよび無水マレイン酸10gとを、
タンブラーブレンダーにて混合して樹脂組成物を調製し
た。得られた樹脂組成物を口径:40mmφの押出機
(日本製鋼所製、L/D=40)に、窒素置換されたホ
ッパーから供給して、250℃で加熱溶融して、スクリ
ュー回転数:50rpmで混練し、グラフト共重合反応
させてペレット状の変性樹脂組成物を得た。
【0043】得られたペレット状の変性樹脂組成物を、
インフレーションフィルム成形機(東芝機械(株)製、
30mmφ押出機、80mmφダイ)を用いて、成形温
度:240℃、押出機スクリュー回転数:54rpmの
成形条件で成形し、折径:110mm、厚さ:30μm
のフィルムを製造した。このフィルムを23cm×13
cmの大きさに切断し、下記条件でコロナ放電によりエ
レクトレット化した。 エレクトレット化条件 温度:23℃ 印加電圧:直流13kV 印加時間:30秒 電極間距離:20mm 得られたエレクトレットの表面電荷密度、その表面電荷
密度の標準偏差、フィルム表面の均一性、成形性を、下
記の方法にしたがって測定および評価した。結果を表1
に示す。
【0044】(a)表面電荷密度 理化学研究所製の表面電荷密度測定装置(測定範囲:1
-7〜10-10 C/cm2 )を用いて測定した。
【0045】(b)フィルムの表面の均一性 外観を目視により観察して良否を判定した。
【0046】(c)成形性 インフレーションフィルム成形時のバブルのゆれの大小
により、良否を判定した。
【0047】(実施例2)ポリプロピレン(MFR:
0.5g/10min)9500g、2,5−ジ(tert
−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−32gおよび無水マ
レイン酸10gを、タンブラーブレンダーにて混合して
樹脂混合物を調製した。この樹脂混合物9500gと、
ポリカーボネート(ゼネラルエレクトリック社製、レキ
サン101)500gとを、タンブラーミキサーで混合
して、樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を口
径:40mmφの押出機(日本製鋼所製、L/D=4
0)に、窒素置換されたホッパーから供給して、250
℃で加熱溶融して、スクリュー回転数:50rpmで混
練し、グラフト共重合反応させてペレット状の変性樹脂
組成物を得た。得られたペレット状の変性樹脂組成物
を、インフレーションフィルム成形機(東芝機械(株)
製、30mmφ押出機、80mmφダイ)を用いて、成
形温度:240℃、押出機スクリュー回転数:54rp
mの成形条件で成形し、折径:110mm、厚さ:70
μmのフィルムを製造した。このフィルムを23cm×
13cmの大きさに切断し、実施例1と同様にしてエレ
クトレット化し、得られたエレクトレットの表面電荷密
度、その表面電荷密度の標準偏差、ならびにフィルムの
表面の均一性および成形性を測定および評価した。結果
を表1に示す。
【0048】(比較例1)変性樹脂組成物の代わりに、
ポリプロピレン(MFR:0.5g/10min)を用
いてフィルムを製造した以外は実施例1と同様にしてエ
レクトレットを製造した。得られたエレクトレットの表
面電荷密度、その表面電荷密度の標準偏差、ならびにフ
ィルムの表面の均一性および成形性を実施例1と同様に
して測定および評価した。結果を表1に示す。
【0049】(比較例2)変性樹脂組成物の代わりに、
実施例1で用いたものと同じポリプロピレン9000g
と、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン(マレ
イン化率:3重量%)500gとを混合してなる樹脂組
成物を用いた以外は、実施例2と同様にして、エレクト
レットを製造した。得られたエレクトレットの表面電荷
密度、その表面電荷密度の標準偏差、ならびにフィルム
の表面の均一性および成形性を実施例1と同様にして測
定および評価した。結果を表1に示す。
【0050】
【0051】(実施例3)実施例1で得られたエレクト
レットを、加熱温度:135℃で、長手方向に6.6倍
の延伸倍率でロール延伸し、厚さ:12μmの延伸エレ
クトレットフィルムを製造した。得られた延伸エレクト
レットフィルムを、針山状ロールに掛けて、網目状に解
繊し、紙管に巻き取った。次に、解繊されたフィルム
を、カッターで長さ90mmに切断し、次に開綿機に掛
けて、エレクトレット化原綿を製造した。得られたエレ
クトレット化原綿をウェッブ・フォーミング・マシンに
供給して、ウェッブに成形し、ニードルパンチングし
て、目付量:100g/m2 、厚み:2mmのエレクト
レットフィルターを製造した。得られたエレクトレット
フィルターの集塵効率を、下記の方法にしたがって測定
した。結果を表2に示す。
【0052】集塵効率 図1に概略を示す測定装置を使用して集塵効率を測定し
た。まず、エアロゾル発生機(日本科学工業社製)1か
らNaCl粒子(粒径:0.3μm)を供給するととも
に、エアーフィルター2を通して清浄空気をチャンバー
3に供給した。チャンバー3内のNaCl粒子濃度が一
定濃度(2〜6×106 個)となった後、ブロワー4を
作動させてチャンバー3内の気体を流通経路5を通じて
流量調整バルブ6で流量を調整しながら吸引した。流速
計7によって測定される流通速度が一定速度(0.5m
/sec)となった時に、流通経路5に配設した、測定
対称であるエレクトレットフィルター8の上流側および
下流側におけるNaCl粒子濃度CinおよびCout を、
パーティクルカウンター(リオン社製、KC−01A)
9aおよび9bによって、それぞれ測定した。下記式に
基づいて集塵効率を算出した。 捕集効率=〔1−(Cout /Cin)〕×100(%)
【0053】(実施例4)実施例2で得られたエレクト
レットを用いて実施例3と同様にしてエレクトレットフ
ィルターを製造し、得られたエレクトレットフィルター
の集塵効率を測定した。結果を表2に示す。
【0054】(比較例3)比較例1で得られたエレクト
レットを用いて実施例3と同様にしてエレクトレットフ
ィルターを製造し、得られたエレクトレットフィルター
の集塵効率を測定した。結果を表2に示す。
【0055】(比較例4)比較例2で得られたエレクト
レットを用いて実施例3と同様にしてエレクトレットフ
ィルターを製造し、得られたエレクトレットフィルター
の集塵効率を測定した。結果を表2に示す。
【0056】
【0057】
【発明の効果】本発明の方法によれば、成形加工時の成
形性が向上し、繊維毎の電荷のバラツキが少なくなる等
の各種性能が良好なエレクトレットを得ることができ
る。また、本発明のエレクトレットフィルターの製造方
法によれば、このエレクトレットを用いて集塵効率等の
性能に優れたエレクトレットフィルターを得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】集塵効率の測定に用いた装置の構成を示す概略
図。
【符号の説明】
1 エアロゾル発生機 2 エアーフィルター 3 チャンバー 4 ブロワー 5 流通経路 6 流量調整バルブ 7 流速計 8 エレクトレットフィルター 9a、9b パーティクルカウンター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 39/00 - 39/20 H01G 7/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無極性高分子化合物と極性高分子化合物
    を含む樹脂組成物を、不飽和カルボン酸およびその誘導
    体から選ばれる少なくとも1種でグラフト変性してなる
    変性樹脂組成物を、原料として用いることを特徴とする
    エレクトレットの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項の方法で得られたエレクトレッ
    トを用いることを特徴とするエレクトレットフィルター
    の製造方法。
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