JP3579738B2 - エレクトレットフィルター - Google Patents
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- H01G7/02—Electrets, i.e. having a permanently-polarised dielectric
- H01G7/021—Electrets, i.e. having a permanently-polarised dielectric having an organic dielectric
Description
【発明の技術分野】
本発明は低圧力損失でかつ高粒子除去効率を有するエレクトレットフィルターに関する。
【0002】
【産業上の利用分野】
本発明は掃除機、空気清浄機、OM機器、空調用機器等に用いることのできる濾材に関する。
【0003】
【従来の技術】
エレクトレットの静電気を利用して空気中の塵埃を除去するエレクトレットフィルターは特公昭56−47299号公報、特公昭57−14467号公報に開示されている。
前者はエレクトレット化された無極性ポリマーフィルムをスプリットして小繊維化し、その各小繊維のすべてがホモ荷電された電荷を有する不織布からなるエレクトレットフィルターである。後者はエレクトレット化されたフィルムが異なる収縮率を示す少なくとも2種類の無極性ポリマーの積層体からなり、このフィルムをスプリットして小繊維化し、捲縮させた不織布からなるエレクトレットフィルターである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記開示技術によるエレクトレットフィルターはフィルムを小繊維状にスプリットして得られる不織布であって、各繊維が連続したフィラメントではなく有限長のたとえば30〜90mmの小繊維であるため、打抜加工、溶着加工、プリーツ加工などのフィルターの二次加工時にスプリットされた小繊維が不織布層から脱落したり、フィルター使用時に飛散するという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達したものであり、溶融紡糸により得られる捲縮を有するエレクトレット化されたフィラメントからなる不織布であり、該不織布の繊維充填密度が0.01〜0.05cc/ccであることを特徴とするエレクトレットフィルターに関するものである。本発明におけるフィラメントはそのフィラメントの断面が円型、三角型、星型、矩型などであり、一成分のポリマーあるいはサイドバイサイド型やシースコア型、偏心シースコア型などの二成分以上のポリマー成分からなり、機械的にあるいは熱的に捲縮を発現しうるものであり、加えてそのフィラメント長は無限長の繊維であるか、少なくとも100mmを有する有限長の繊維であってもよい。かかるフィラメントは溶融紡糸法、メルトブロー法、静電場紡糸法、ジェット紡糸法、フラッシュ紡糸法などの製糸技術でもって作られ、コンベアー上にシート状に振り落されて不織布となる。
【0006】
本発明におけるフィラメントから成る不織布は必要により不織布の機械的強度を高めたり、剛性を上げるためにフィラメント間の熱融着加工やニードルパンチング加工や捲縮加工を付与し、エレクトレット加工される。又、この場合、捲縮加工とエレクトレット加工の順序はいずれが先であっても後であってもかまわない。エレクトレット加工の手段は特に限定するものではないが、コロナ荷電、電界荷電、電子線照射などの方法が挙げられる。
本発明において、フィラメントの捲縮の形状はコイル状、ループ状、ジグザグ状などの規則的なものや、それら二種以上の不規則的なものがあり、その捲縮数はフィラメント1mあたり200〜5000個が好ましく、より好ましくは300〜1000個である。
フィラメントへの捲縮の付与法は空気噴射法、擦過法、歯車による賦型法や潜在的な構造捲縮法、複合繊維捲縮法があり、中でも好ましい方法には潜在的な構造捲縮法や複合繊維捲縮法が挙げられる。
【0007】
本発明においてフィラメントの成分はエレクトレットポリマーである。二種類以上のポリマーからなるフィラメントにあっては少なくとも一成分はエレクトレットポリマーであり、他の成分はエレクトレットポリマーでも非エレクトレットポリマーでもいずれでもよい。これらエレクトレットポリマーは無極性ポリマーからなり、ポリエチレン、、ポリプロピレン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリテトラフロロエチレンなどや、これらポリマーの混合物が挙げられる。他の成分は上記無極性ポリマーに加えて、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリ塩化ビニリデンなどの極性ポリマーやそれらの混合物が挙げられる。
【0008】
本発明において、一種類のポリマーからなる二成分のフィラメントにあってはポリマーの分子量、分子量分布や有機、無機の添加剤の混入によって物性的な差違をつくり込むことによって、全成分をエレクトレットすることもできる。この場合の添加剤としては難燃剤、抗菌剤、防び剤、芳香剤結晶造核剤、ポリマー安定剤などが挙げられる。
本発明におけるフィラメントの繊維は8デニール以下であり、好ましくは1デニール以下、より好ましくは0.1デニール以下であり、全てのフィラメントが同じ繊度であっても、複数の繊度の混合であってもよい。
【0009】
本発明におけるエレクトレットフィルターの繊維充填密度は0.01〜0.05cc/ccであることが重要である。
繊維充填密度がこの範囲を越えると、フィルターとしての圧力損失が高くなりすぎ、又この範囲を下まわると、フィルターの二次加工性や取扱い上で問題が生じるため好ましくない。
本発明において繊維充填密度をより低くするためにはフィラメントの繊度は2種類以上の混合した方が好ましく、その好ましい条件としては細繊度に対する太繊度の混合重量の比が0.5〜5倍であることが挙げられる。
【0010】
本発明における繊維充填密度とは圧縮弾性試験機(東洋精器)にて試料に負荷する荷重を1.25g/cm2 とした時の試料の厚さをTとすると、次式から求められる値である。
繊維充填密度(cc/cc)=W÷(ρ×T×104 )
W=試料の目付(g/m2 )
ρ=試料を構成する繊維材料の密度(g/cc)
T=試料の厚さ(cm)
一般に繊維充填密度を小さくすると、圧力損失、粒子除去効率共に小さくなることはよく知られているが、本発明における繊維充填密度の範囲においては圧力損失の低下は顕著なるも、除去効率の低下は大きくないという現象を見い出したものである。つまり、エレクトレットフィルターを構成する繊維の繊維間距離が大きくなってもエレクトレットの静電気作用力がそこを通過する粒子に働くということは驚くべきことである。
本発明を次に実施例で詳しく説明する。
【0011】
(実施例1)
繊度が0.5デニールのサイドバイサイド型フィラメント(成分はアイソタクテックポリプロピレンとポリカーボネート)をノズルから紡糸しエアジェットで引取りながらシートとし、点状のエンボス溶着加工をして目付100g/m2 の不織布とした。次いで、140℃の熱風オーブン中で該不織布を加熱して捲縮を発現させ、その後コロナ放電による荷電処理をして、エレクトレットフィルター、実施例1を得た。
エンボス溶着加工後の不織布の繊維充填密度は0.10cc/ccであり、捲縮発現後のそれは0.05cc/ccであった。
次いで、大気塵0.3μm粒子による粒子除去効率と圧力損失とを濾材通過線速10cm/秒で粒子計測器(リオン製KC−14)およびマノスターゲージでもって測定した。又繊維の濾材からの脱落性については一辺10cmに鋏で切った正方形状の濾材を黒色台紙上に置き、5分間振動を加えて後、濾材からの繊維の脱落本数を測定した。
【表1】
これらの結果を表1に示した。
【0012】
(比較例1)
厚さ50μmのアイソタクテックポリプロピレンの未延伸フィルムを140℃の熱ロール上で8倍延伸と同時にコロナ放電による荷電処理をし、次いでニードルロールで平均繊維幅40μmにスプリットしてエレクトレットファイバー濾材、比較例1を得た。この比較例1について実施例1と同様に除去効率、圧力損失、繊維充填密度と繊維の脱落性を測定した結果を表2に示した。
【表2】
実施例1と比較例1を比較すると、繊維の脱落本数が実施例1で皆無であるのに対し、比較例1は振動によって繊維の脱落が認められた。濾材特性については捲縮フィラメントを用いた実施例1が同じ繊維充填密度にもかかわらず、高除去効率で低圧力損失であった。
【0013】
(実施例2)
繊度が0.1デニールのサイドバイサイド型フィラメント(成分はメルトフローインデックスが500のアイソタクテックポリプロピレンとメルトフローインデックスが300のアイソタクテックポリプロピレン)をメルトブロー方式で紡糸し、金網上で受け目付30g/m2 の不織布とした。次に、コロナ放電により15KV/cmの電界強度で荷電しエレクトレット化後、この不織布を熱処理して捲縮を発現させ、実施例2の濾材を得た。実施例2の濾材を実施例1と同様に除去効率、圧力損失、繊維充填密度と繊維の脱落本数を測定した。その結果を表3に示した。
【表3】
実施例2においても、比較例1に比べて繊維の脱落性、濾材特性いずれにおいてもすぐれていた。
【0014】
(実施例3)
繊度が1デニールのアイソタクテックポリプロピレンを溶融紡糸し、エアジェットで引き取りながら弱エンボス加工後目付150g/m2 のスパンボンド不織布を得た。次いでコロナ放電により20KV/cmの電界強度で荷電しエレクトレット化後、この不織布を長手方向に200%伸長して嵩高加工をして、捲縮発現を行い実施例3の濾材を得た。実施例3の濾材を、実施例1と同様に除去効率、圧力損失、繊維充填密度と繊維の脱落本数を測定した。その結果を表4に示した。
【表4】
実施例3は比較例1と比べると繊維の脱落性、濾過特性共にすぐれていた。
【0015】
【発明の効果】
本発明によるとき、繊維材料が捲縮のある、フィラメントであることにより二次加工時の濾材を構成する繊維の脱落や、使用時の繊維の飛散がない低圧損フィルターを提供する。
Claims (1)
- 溶融紡糸により得られる捲縮を有するエレクトレット化されたフィラメントからなる不織布であり、該不織布の繊維充填密度が0.01〜0.05cc/ccであることを特徴とするエレクトレットフィルター。
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