JP2006104589A - エレクトレットフェルトの製造方法 - Google Patents

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【課題】
汎用フィルタやクリーニング材などとして好適なエレクトレットフェルトを製造するに際し、特別な製造設備を必要とせずにエレクトレットフェルトを低コストで効率良く製造する。
【解決手段】
少なくともアミノ基を有する帯電促進剤を0.1〜10重量%配合して紡糸した非導電性合成繊維を用い、この合成繊維は平均繊維長が約75mm以下および繊維径が10〜50μmである短繊維であり、この短繊維を主体としてカード機やエアレイなどのウェブ形成装置に送り込み、例えば、カード機のシリンダで短繊維を開繊してウェブを形成する際に十分に帯電させ、さらにニードルパンチングなどによってフェルト化する。
【選択図】図1

Description

本発明は、汎用フィルタやクリーニング材などとして好適なエレクトレットフェルトの製造方法に関し、特別な製造設備を必要とせずにエレクトレットフェルトを低コストで効率良く製造する方法に関する。
エアフィルタ用材料は、低い圧力損失で高い濾過効率を有することが望ましく、市販の多くのフィルタでは、エレクトレット加工つまり該材料を静電気的に帯電させることにより、圧力損失を増やすことなく、その濾過効率を向上させている。従来のエレクトレット加工として、特公昭57−14467号では、フィルムシートにワイヤ電極で高電圧を印加してコロナ放電でエレクトレット化した後に、該フィルムシートを繊維化してフェルトを形成する。
また、特開昭60−196922号では、ポリプロピレンなどの絶縁性ポリマーにステアリン酸マグネシウムを配合して溶融紡糸し、得た延伸糸をコロナ放電によってエレクトレット化してからエアジェットでネットに吹き付けてマットを形成する。特開昭61−102476号では、合成繊維フェルトのような繊維シートに高電圧を印加し、該シートをコロナ放電によってエレクトレット化する。特開昭63−280408号では、ヒンダードアミン系添加剤を配合したポリプロピレンをメルトブロー紡糸し、得た不織布を針状電極で高電圧を印加してエレクトレット化する。また、特開2002−249978号では、ヒンダードアミン系添加剤を配合したポリプロピレンをメルトブロー紡糸し、得た不織布を水に浸漬または塗布してから吸引することにより、不織布全面に水を浸透させてエレクトレット化し、この方法は、水を噴射または衝突させてから乾燥する特表平11−510862号とほぼ同様である。
特公昭57−14467号公報 特開昭60−196922号公報 特開昭61−102476号公報 特開昭63−280408号公報 特開2002−249978号公報 特表平11−510862号公報
公知のエレクトレット加工は、特公昭57−14467号、特開昭60−196922号、特開昭61−102476号、特開昭63−280408号に開示するように、ポリマーシートをアース電極の上に載せてから、その表面に針状またはワイヤー電極から高電圧を印加し、コロナ放電によってエレクトレット化している。コロナ放電を発生させる高電圧設備は、特殊部品が必要となって高価であり、しかも設備の安全管理のための費用が掛かることにより、得た繊維シート類は相当にコスト高になってしまう。また、高電圧設備では、印加電圧にむらが生じることによって繊維シート類に帯電むらが発生したり、該シート類が火花放電で熱損傷する事態が生じることもあった。
一方、特開2002−249978号および特表平11−510862号では、コロナ放電を必要としないけれども、水を付与する装置を設置することが必要であり、この装置には、水への浸漬、水の塗布、噴射または衝突を行うための部品を配備しなければならない。繊維シート類を水で濡らしてしまうと、その後で乾燥する装置を設置することを要し、一般の繊維シートの製造に比べて水の付与と乾燥という2工程が加算されることになり、製品のコストアップにつながっている。
本発明は、従来のエレクトレット加工法に関する前記の問題点を改善するために提案されたものであり、繊維の紡糸からフェルト化するまでにエレクトレット化のための特別な設備を必要とせず、エレクトレットフェルトを安価に製造する方法を提供することを目的としている。本発明の他の目的は、繊維の紡糸からフェルト化するまでに加工工程が増えることがなく、エレクトレットフェルトを迅速に製造する方法を提供することである。
本発明に係るエレクトレットフェルトの製造方法では、少なくともアミノ基を有する帯電促進剤を0.1〜10重量%配合して紡糸した非導電性合成繊維を用いる。この合成繊維は平均繊維長が約75mm以下および繊維径が10〜50μmである短繊維であり、この短繊維を主体としてカード機やエアレイなどのウェブ形成装置に送り込み、該ウェブ形成装置で短繊維を開繊してウェブを形成する際に十分に帯電させ、さらにニードルパンチングなどによってフェルト化する。
本発明方法において、非導電性合成繊維がオレフィン系繊維またはポリ乳酸系繊維であり、特にオレフィン系繊維がポリプロピレンを主体に構成されていると好ましい。非導電性合成繊維に配合する帯電促進剤は、ヒンダードアミン系またはトリアジン系化合物であり、特にヒンダードアミン系化合物であると好ましい。
本発明方法において、非導電性合成繊維の短繊維は、ウェブ形成装置としてカード機を用い、該カード機において針布シリンダのワイヤと隣接ローラまたはフラットカードのワイヤとの間で単繊維状まで開繊され、得た開繊繊維をドッファに受け渡し、カードウェブとしてエプロンへ送り出す。この開繊の際に、各短繊維がワイヤとの間の強い摩擦によって帯電する。
本発明を詳細に説明すると、本発明で用いる非導電性合成繊維は、熱可塑性で非導電性を有していればよく、その体積抵抗率が1012・Ω・cm以上であると好ましく、1014・Ω・cm以上であるとさらに好ましい。この非導電性合成繊維はフェルトにおいて全量でなくてもよく、該合成繊維を主体としてカーディングすればよい。この非導電性合成繊維として、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ−1−ブテン,ポリ−2−ブテン,ポリ−1−ペンテン,ポリ−2−ペンテン,ポリ−1−メチル−1−ペンテン,ポリ−3−メチル−1−ペンテン,ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート,ポリ乳酸エステルなどのポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイト、フッ素系樹脂およびこれらの混合繊維を例示できる。エレクトレット性能の点から、ポリオレフィンまたはポリ乳酸エステルを使用するのが好ましく、ポリオレフィンとしてはポリプロピレン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリプロピレン/ポリブチレン配合物、ポリプロピレン/ポリ−1−メチルペンテン配合物が好適である。
本発明で用いる非導電性合成繊維には、帯電促進剤を0.1〜10重量%含有する。この帯電促進剤が少なくともアミノ基を有することにより、カーディングなどの摩擦荷電によって非導電性合成繊維が高いエレクトレット性を発揮できる。好ましい帯電促進剤はヒンダードアミン系化合物であり、ポリ〔((6−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)〕(商品名:キマソープ944、チバスペシャリティケミカルズ製)、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物(商品名:チヌピン622、チバスペシャリティケミカルズ製)、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)(商品名:チヌピン144、チバスペシャリティケミカルズ製)などが例示できる。
また、帯電促進剤としてトリアジン系化合物も使用可能であり、前記のキマソープ944(商品名)のほかに、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−((ヘキシル)オキシ)−フェノール(商品名:チヌピン1577FF、チバスペシャリティケミカルズ製)などが例示できる。本発明において、本発明で用いる帯電促進剤には、特にヒンダードアミン系化合物が好適である。
非導電性合成繊維には、前記の帯電促進剤のほかに、酸化防止剤、熱安定剤、耐候剤、重合禁止剤などを必要に応じて添加する。これらの添加剤は、一般に、得たエレクトレットフェルトの品質をより一定化させるために用いる。
帯電促進剤であるヒンダードアミン系化合物の添加量は、例えば0.5〜10重量%であり、好ましくは0.7〜5重量%である。この添加量が0.5重量%未満では、目的とする高性能のエレクトレットフェルトを得ることが困難になる。この添加量が10重量%を超えると、得た非導電性合成繊維に関して製糸性および製膜性などが悪くなり、高価な帯電促進剤を多量に配合すれば製造コスト的にも不利である。
非導電性合成繊維の短繊維は、溶融紡糸、湿式紡糸、溶液紡糸やゲル紡糸によって得るのが一般的であり、押出成形や吹込み成形でフィルムを形成した後に裁断によって製造することも可能である。この短繊維は、平均繊維長が約75mm以下であることを要し、平均繊維長が75mmを超えるとウェブの生産能率が低下し、カード機または短繊維の種類によってはカード不能になる場合がある。所望に応じて、この短繊維には、用途に応じてカーディングする前に、他の有機繊維、耐熱繊維、ガラス繊維などを一部混綿してもよい。
これらの非導電性合成繊維の短繊維において、その油剤量はなるべく少なく、可能ならば付与しないのが好ましいが、多くとも0.5%未満であることが望ましい。この油剤量が多くなると、電荷が消失しやすくなるので好ましくない。
本発明方法において、非導電性合成繊維の短繊維は、カード機やエアレイなどのウェブ形成装置を用いて開繊することによって、ウェブを形成する際に十分帯電させることが重要である。カード機のシリンダとの接触、エアレイの空気流あるいは繊維同士における摩擦帯電が重要である。ウェブ形成装置としては、カード機を用いることが帯電性および生産性などの点から好ましい。
非導電性合成繊維の短繊維を送り込むカード機1は市販品でよく、図1に例示するように、針布シリンダ2の回りに一連の小型隣接ローラ3を配設し、該シリンダおよびローラが針布を有することによって短繊維を開繊してウェブを形成する際に帯電させる。小型ローラは、代わりにフラットカードであってもよい。シリンダ2および各ローラ3の周面には、側面が「く」字形状に湾曲したワイヤを密に植設し、各ローラの内の最終ローラ3aはワイヤ形状および/または回転速度が異なり、シリンダ2に巻き付いた開繊繊維をシリンダ表面に浮かす。開繊繊維は、最終ローラ3aでシリンダ表面に浮いてドッファ5へ容易に移行し、該ドッファから薄いカードウェブ6としてコンベアベルト7などのエプロンへ送り出される。カードウェブ6は、通常、5〜30g/mである。
このカード機が図示のような針布シリンダ2を有してさえいれば、図示したカード機1以外にも種々の構造のものが使用可能である。例えば、このカード機が2個以上の針布シリンダを備えていたり、または2個以上のドッファを設置していてもよい。また、開繊繊維を排気ファンによって1対のケージシリンダに吹き付けて圧着し、50〜400g/mの厚いウェブとして送り出すことも可能である。針布シリンダ2については、ワイヤの代わりにガーネット、ブレードなどが植設されていたり、またはビータでもよい。
カード機1として、針布シリンダ2は、直径500〜1500mmおよび横幅1000〜2500mmであり、該シリンダの回転速度は100〜200回転/分であると好ましい。また、植設ワイヤは、直径が0.05〜0.3mm、長さが2〜10mmであり、植設本数が50〜400本/cmに定めて各ワイヤの間隔は0.5〜1.5mmであると好ましい。
本発明方法でカードウェブを経由する場合には、フェルト用として所定の厚みに積層する必要があり、この積層にはクロスラッパ8などを用いる。クロスラッパ8は、クロスレイドウェブ機またはクロスレヤーとも称し、2台のカード機1を直角に配置し、両カード機から出るカードウェブ6をコンベアベルト7上に直角方向に配置し、該ウェブをコンベアベルト7の進行とともに幅方向に往復させて折り重ねる。ウェブ10を厚くするには、コンベアベルト7の送りを小さくして積層数を多くすればよい。
このクロスラッパに関して、カード機3台以上使用して生産性を高めることも可能である。カードウェブ6を左右に折り畳む装置には、キャメルバック機やホリゾンタル機などがあり、クロスラッパ8の代わりにパラレルラッパを使用したり、パラレルとクロスラッパを併用するコンビネーション方式でもよい。積み重ねたウェブは、近接エプロン11で挟んで搬送し、さらに1対のプレスローラ12に通して1枚のウェブ10とする。ウェブ10の目付は、一般に50〜1000g/mであればよい。
厚いウェブ10は、図2に示すように、次の工程においてパンチング機14などによってニードルパンチングまたはニードルロッキングを行い、全体をシート状にフェルト化する。ウェブ10のフェルト化には、有棘状ニードルによるニードルパンチングを行っても、ウォータージェット法によって繊維を絡合してもよい。このニードルパンチにおける針本数は、200〜350本/cm程度である。このフェルト化に際して、補強用の基布を介在させるため、該基布とウェブ10とを同時に面結合してもよい。
得たエレクトレットフェルト16は、一般に、厚み0.5〜20mmおよび密度0.04〜0.4g/mである。
本発明方法によるエレクトレットフェルト16は、汎用フィルタまたは複写機のクリーニング部材などとして使用するのに適している。エレクトレットフェルト16は、汎用フィルタとして、空気やガス濾過媒質、例えばHVACフィルタ、掃除機バッグ,人工呼吸装置,エンジンのエアフィルタ、キャビン空気濾過用のエアフィルタ、加熱機,エアコンディショナのフィルタなどに適用できる。このエレクトレットフェルトは、伝染病管理製品、例えばフェースマスク、傷用包帯、殺菌ラップなどの医療用物品においても利用できる。さらに、エレクトレットフェルト16は、布巾用途およびその他の類似した用途において利用でき、この点に関して、特に糸屑、塵およびその他の細かい微粒子をピックアップするのに適用可能である。
本発明の製造方法は、既存のフェルト製造工程に対して、非導電性合成繊維を紡糸する前の原料ペレットに帯電促進剤を0.1〜10重量%混練するだけであり、特別な設備や部材および余分の加工工程を全く必要としない。本発明の製造方法では、エレクトレットフェルトを製造するに際して、全製造設備について、コロナ放電を発生させる高電圧設備は必要なく、さらに水付与・吸引設備および乾燥設備も設置不要であるので、従来のエレクトレット加工法に比べて製造コストが非常に低廉であり、且つ安全管理も低コストで実施できるのは当然である。
本発明の製造方法を適用すると、既存のフェルト製造工程と比較して使用繊維の紡糸からフェルト化するまでに加工工程が増えることがなく、所定の条件でカーディングを行うだけでよい。この結果、本発明の製造方法では、従来のエレクトレット加工法に比べてエレクトレット不織布を迅速に製造することができる。
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。用いる非導電性合成繊維はポリプロピレンであり、これにヒンダードアミン系帯電促進剤(商品名:キマソープ944)1重量%および通常の酸化防止剤を適量配合して公知の方法で溶融紡糸する。ポリプロピレン短繊維は、平均繊維長が約75mm以下および繊維径が20μmであり、油剤付着量が0.5%未満であった。
図1に示すように、ポリプロピレン短繊維をカード機1に送り込む。カード機1には、直径1000mmおよび横幅1500mmの針布シリンダ2の回りに一連の小型隣接ローラ3を配設し、該シリンダおよび各ローラ3の周面には、側面が「く」字形状に湾曲したワイヤを密に植設している。植設ワイヤは、直径が0.1mmおよび長さが5mmであり、植設本数が100本/cmである。針布シリンダ2の回転速度を130回転/分に定めてポリプロピレン短繊維を開繊する。
ポリプロピレン短繊維は、カード機1において開繊して薄いカードウェブ6を形成する際に強く帯電し、開繊繊維をドッファ5へ移行してから、目付20g/mのカードウェブ6を400m/分の速度でコンベアベルト7へ送り出す。カードウェブ6は、クロスラッパ8によってコンベアベルト7の進行とともに折り重ねられて厚いウェブ10になる。ウェブ10の目付は、300g/mである。
厚いウェブ10は、図2に示すように、次の工程においてパンチング機14によってニードルパンチングを行い、全体をシート状にフェルト化して目付200g/mのエレクトレットフェルト16を得る。このニードルパンチにおける針本数は250本/cmである。
得たエレクトレットフェルト16について、その帯電状態を帯電判定粉によって調べると、帯電判定粉がフェルトに強く付着し、強いプラス帯電が観察された。このエレクトレットフェルトは、ビル空調用などの汎用フィルタまたは複写機のクリーニング部材として好適である。
比較例1
実施例1と同様にポリプロピレン短繊維を製造するが、ポリプロピレンにヒンダードアミン系帯電促進剤(商品名:キマソーブ944)を添加していない。溶融紡糸したポリプロピレン短繊維をカード機1に送り込み、実施例1と同様に処理してカードウェブを得る。このカードウェブから厚いウェブに積層し、さらに実施例1と同様にパンチング機14によってニードルパンチングし、全体をシート状にフェルト化させる。
比較例1で得たフェルトの帯電状態を帯電判定粉で調べると、帯電判定粉がフェルトに付着せず、該フェルトが殆ど帯電していないことが判明した。
比較例2
実施例1と同様にポリプロピレン短繊維を製造するが、溶融紡糸したポリプロピレン短繊維の繊維径は2μmである。ポリプロピレン短繊維をカード機1に送り込んで開繊させても、該カード機においてポリプロピレン短繊維がつながらず、カードウェブを得ることができなかった。
用いる非導電性合成繊維としてポリ乳酸エステルであり、これにヒンダードアミン系帯電促進剤(商品名:キマソープ944)1重量%および通常の酸化防止剤を適量配合して紡糸する。得たポリ乳酸エステル短繊維は、実施例1と同様に平均繊維長が約75mm以下および繊維径が20μmであり、油剤付着量が0.5%未満であった。
ポリ乳酸エステル短繊維は、実施例1とほぼ同様にカーディングおよびニードルパンチングを行い、全体をシート状にフェルト化して目付200g/mのエレクトレットフェルトを得る。得たエレクトレットフェルトについて、その帯電状態を帯電判定粉によって調べると、帯電判定粉がフェルトに強く付着し、強いプラス帯電が観察された。
本発明で用いるカード機を例示する概略側面図である。 フェルト化するためのニードルマシンを例示する概略側面図である。
符号の説明
1 カード機
2 針布シリンダ
3 隣接ローラ
5 ドッファ
6 カードウェブ
8 クロスラッパ
10 ウェブ

Claims (4)

  1. 少なくともアミノ基を有する帯電促進剤を0.1〜10重量%配合して紡糸した非導電性合成繊維を用い、この合成繊維は平均繊維長が約75mm以下および繊維径が10〜50μmである短繊維であり、この短繊維を主体としてカード機やエアレイなどのウェブ形成装置に送り込み、該ウェブ形成装置で短繊維を開繊してウェブを形成する際に十分に帯電させ、さらにニードルパンチングなどによってフェルト化するエレクトレットフェルトの製造方法。
  2. 非導電性合成繊維がオレフィン系繊維またはポリ乳酸系繊維であり、オレフィン系繊維がポリプロピレンを主体に構成されている請求項1に記載の製造方法。
  3. 帯電促進剤がヒンダードアミン系またはトリアジン系化合物である請求項1に記載の製造方法。
  4. ウェブ形成装置としてカード機を用い、非導電性合成繊維の短繊維は、該カード機において針布シリンダのワイヤと隣接ローラまたはフラットカードのワイヤとの間で単繊維状まで開繊され、得た開繊繊維をドッファに受け渡し、カードウェブとしてエプロンへ送り出し、この開繊の際に各繊維がワイヤとの間で強い摩擦によって帯電する請求項1に記載の製造方法。
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