JP4066913B2 - エアフィルターパックおよびエアフィルターユニット - Google Patents

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Description

本発明は、エアフィルターパックおよびエアフィルターユニットに関し、さらに詳しくは、圧力損失が小さく、かつ粒子捕集効率が高い、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)多孔膜を含んでなるエアフィルター濾材を用いたエアフィルターパックおよびエアフィルターユニットに関する。
半導体の集積度や液晶の性能が高くなるにつれ、クリーンルームの清浄度は、近年益々高いレベルが要求され、粒子捕集効率のより高いエアフィルターユニットが求められている。
これまで、そのようなエアフィルターユニットに用いられる高性能エアフィルター、特にHEPA、ULPAは、ガラス繊維を湿式抄紙した濾材を折って作られていた。
しかし、送風動力費を更に低減するためのエアフィルターユニットの圧力損失の低減、より高い清浄空間を実現するための捕集効率の向上が望まれ、ガラス繊維からなるエアフィルターユニットにより高性能(同一圧力損失なら、捕集効率がより高く、同一捕集効率なら圧力損失がより低い。)を実現することは非常に困難になっている。
そこで、より高性能のエアフィルターユニットを製造するために、ガラス繊維濾材よりも高性能であるPTFE多孔膜を用いたエアフィルターユニットが提案されており、PTFE多孔膜を用いれば、ガラス繊維濾材を用いたULPAに比べて同一捕集効率で2/3の圧力損失になることが報告されている(特開平5−202217号公報、WO94/16802、WO98/26860)。
また、PTFE多孔膜を用いたエアフィルターユニットは、製造方法や加工方法によりその性能を更に向上させることができ、より高性能なPTFE多孔膜が提案されている。(フィルター濾材とするための通気性支持材料をラミネートしていない)単体での性能が高いPTFE多孔膜単体は、特表平9−504737号公報、特開平10−30031号公報、特開平10−287759号公報およびWO98/26860に提案されており、これらの公報には、エアフィルター濾材の性能の指標であるPF(Performance Factor)値が高いPTFE多孔膜が開示されている。
しかし、PTFE多孔膜をエアフィルター濾材として使用するためには通気性支持材料をラミネートすることが実質的に必要となっている。これは、取り扱い性の点からPTFE多孔膜単体の強度を向上させるとともに、濾材を所望の形状に加工するときに受ける損傷を防ぐ必要があるからである。
ところが、前記のとおり、PTFE多孔膜単体ではPF値の高いものが知られている(例えば、特開平10−30031号公報にはPF値が30のPTFE多孔膜が記載されている。)。しかし、PTFE多孔膜と通気性支持材料がラミネートされたエアフィルター濾材においては、特開平10―30031号公報でPF値19.8のものが、またWO98/26860でPF値21.8のものが知られているものの、PF値が22を越えるものは知られていなかった。
また、プリーツ状に折り曲げたPTFE多孔膜に通気性支持材料をラミネートしたエアフィルター濾材を有してなるエアフィルターユニットについては、WO98/26860が(どのように作製されたかは明らかでないが)計算上PF値が90.6のものを記載しているが、90.6を越えるものおよびその詳細な製法は知られていなかった。
特開平5−202217号公報 WO94/16802 WO98/26860 特表平9−504737号公報 特開平10−30031号公報、 特開平10−287759号公報
本発明の第1の目的は、圧力損失が小さくかつ捕集効率が高い、通気性支持材料をPTFE多孔膜の少なくとも片面にラミネートしてなる高性能のエアフィルター濾材をプリーツ加工してなる、圧力損失が小さくかつ捕集効率が高いエアフィルターパックを提供することである。
本発明の第2の目的は、通気性支持材料をPTFE多孔膜にラミネートしたエアフィルター濾材をプリーツ加工してなるエアフィルターパックを枠体内に収納した、圧力損失が小さくかつ捕集効率が高いエアフィルターユニットを提供することである。
本発明の第3の目的は、通気性支持材料をPTFE多孔膜にラミネートしたエアフィルター濾材をプリーツ加工してなるエアフィルターパックを枠体内に収納し、高性能を維持したままでかつコンパクト(エアフィルター濾材をプリーツ状に折り曲げたエアフィルターパックにおいて、折り高さが低い)なエアフィルターユニットを提供することである。
本発明によれば、上記目的は、
(1)ポリテトラフルオロエチレン多孔膜およびその少なくとも片面にラミネートされた通気性支持材料を有してなるエアフィルター濾材をプリーツ加工してなるエアフィルターパックであって、
該エアフィルター濾材に5.3cm/秒の流速で空気を透過させたときの圧力損失(単位:mmH2O)および粒子径0.10〜0.12μmのジオクチルフタレートを用いて測定した捕集効率(単位:%)から下記式:
Figure 0004066913
(ここで、透過率(%)=100−捕集効率(%)である。)
に従って計算される該濾材のPF1値が22を越え、
該エアフィルターパックに1.4cm/秒の濾材透過風速で空気を透過させたときの圧力損失(単位:mmH2O)および粒子径0.10〜0.12μmのジオクチルフタレートを用いて測定した捕集効率(単位:%)から下記式:
Figure 0004066913
(ここで、透過率(%)=100−捕集効率(%)である。)
に従って計算される該パックのPF2値が90.6を越えることを特徴とするエアフィルターパック、並びに
(2)枠体、および該枠体内に収納されたプリーツ状に折り曲げたエアフィルター濾材からなるエアフィルターパックを有してなるエアフィルターユニットであって、該エアフィルター濾材は、ポリテトラフルオロエチレン多孔膜およびその少なくとも片面にラミネートされた通気性支持材料を有してなり、
該エアフィルター濾材に5.3cm/秒の流速で空気を透過させたときの圧力損失(単位:mmH2O)および粒子径0.10〜0.12μmのジオクチルフタレートを用いて測定した捕集効率(単位:%)から下記式:
Figure 0004066913
(ここで、透過率(%)=100−捕集効率(%)である。)
に従って計算される該濾材のPF1値が22を越え、
該エアフィルターユニットに1.4cm/秒の濾材透過風速で空気を透過させたときの圧力損失(単位:mmH2O)および粒子径0.10〜0.12μmのジオクチルフタレートを用いて測定した捕集効率(単位:%)から下記式:
Figure 0004066913
(ここで、透過率(%)=100−捕集効率(%)である。)
に従って計算される該ユニットのPF3値が90.6を越えることを特徴とするエアフィルターユニット
により達成される。
「エアフィルター濾材」
本発明のエアフィルターパックおよびエアフィルターユニットに用いられるエアフィルター濾材をまず説明する。このエアフィルター濾材は、PTFE多孔膜およびその少なくとも片面にラミネートされた通気性支持材料を有してなるエアフィルター濾材であって、上記で定義したPF値が22を越える。
本発明で用いられるエアフィルター濾材は、通気性支持材料がPTFE多孔膜の少なくとも片面にラミネートされていればよく、通気性支持材料/PTFE多孔膜からなる2層構造、通気性支持材料/PTFE多孔膜/通気性支持材料からなる3層構造、通気性支持材料/PTFE多孔膜/通気性支持材料/PTFE多孔膜/通気性支持材料からなる5層構造であってもよい。好ましくは,通気性支持材料がPTFE多孔膜の両面にラミネートされている。この場合、PTFE多孔膜の取り扱いが容易になるとともに、取り扱い時のPTFE多孔膜の損傷を限りなく押さえることができる。
PTFE多孔膜は、単層でも、必要に応じて複層からなる構成であってよい。複層構造にすることにより、各単層に仮にピンホール等の損傷が発生した場合にも互いにこれを補うことができるし、求められる濾材性能に応じて容易に設計することが可能となる。例えば、同じ性能のPTFE多孔膜を2層とすれば、計算上圧力損失は2倍になるが、捕集効率を向上させることができる。
本発明で用いられるエアフィルター濾材は、5.3cm/秒の流速で空気を透過させたときの圧力損失が4mmHO以上であることが好ましく、更に好ましくは、5〜100mmHOであり、更に好ましくは10〜50mmHOである。該圧力損失が4mmHO未満の場合、作製されたエアフィルターユニットの捕集効率を99%以上とすることが困難になる場合があり、また100mmHOを越えると作製したエアフィルターユニットの圧力損失値が非常に大きくなりエアフィルターとして使用が制限される場合がある。
本発明で用いられるエアフィルター濾材では、上記で定義したPF値が22を越えるが、好ましくは、PF値は少なくとも23であり、更に好ましくは少なくとも24であり、更に好ましくは少なくとも25である。
より高いPF値、例えば少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25のエアフィルター濾材であれば、より高性能(高PF値、PF値)のエアフィルターパック、エアフィルターユニットが得られるとともに、後述するように、エアフィルターユニットの高性能を維持したままで、エアフィルターユニットをよりコンパクト(極めて薄型のエアフィルターユニット)にすることができる。
本発明で用いられるエアフィルター濾材におけるPF値においては、たとえPF値自体の絶対値の差が1であっても、PF値の絶対値の差は4以上となる。これはPF値の計算で、風速が5.3cm/秒から1.4cm/秒になったとき圧力損失は1.4/5.3になるため、たとえ捕集効率が変化しなくともPF値は5.3/1.4=3.79倍になると計算される。また捕集効率は風速が小さくなると向上するため、更にPF値は向上し、絶対値の値は4以上となるのである。
具体的に言えば、エアフィルター濾材のPF値が1向上することでエアフィルターユニットでのPF値は4以上向上し、エアフィルターユニットの圧力損失が同じであれば捕集効率は向上し、またエアフィルターユニットの捕集効率が同じであれば圧力損失は低下する。例えばエアフィルターユニットのPF値が92から96に向上すると、エアフィルターユニットの圧力損失値が5.4mmHOと同じ場合、 捕集効率は99.9989%から99.99935%に向上するという効果が得られるものであり、非常に意義があるといえる。
本発明で用いられるエアフィルター濾材の捕集効率は、99.9%以上が好ましく、99.99%以上が更に好ましい。99.9%以上の捕集効率を持つエアフィルター濾材からはHEPAレベルの捕集効率を持つエアフィルターユニットを得ることができ、99.99%以上の捕集効率を持つエアフィルター濾材からはULPAレベルの捕集効率を持つエアフィルターユニットを得ることができる。
ここで、本発明で用いられるエアフィルター濾材を構成するPTFE多孔膜および通気性支持材料について説明する。
本発明で使用可能なPTFE多孔膜は、そのPF値が22を越えるものであればよく、公知のPTFE多孔膜が使用できる。このようなPTFE多孔膜は、特開平10−30031号公報、特開平10−287759号公報、特表平9−504737号公報に記載されている。
好ましく使用されるPTFE多孔膜のPF値は少なくとも27、更には少なくとも28である。
PTFE多孔膜の厚みは、5μm以上が好ましく、更に好ましくは8μm以上である。同じPF値のPTFE多孔膜において厚みが厚いものは、浮遊微粒子を捕獲できる量が多くなり、即ち高寿命のエアフィルター濾材を得ることができる。また、PTFE多孔膜の厚みが厚ければ、PTFE多孔膜製造時、PTFE多孔膜と通気性支持材料とのラミネート時及び/又はエアフィルター濾材をプリーツ加工する際に、ピンホールの発生を少なくすることができる。
好ましいPTFE多孔膜の平均繊維径は、0.14μm以下、より好ましくは0.05〜0.1μmである。単一繊維捕集理論によれば、濾材の繊維径が大きくなると、繊維自体への粒子の吸着性能が下がってしまい、平均繊維径が0.14μm以上になると、高いPF値を持つ多孔膜が得られにくくなる。また平均繊維径が0.05μm以下になると高いPF値を持つ多孔膜を達成できるが、多孔膜構造の強度が弱くなり、後述するがラミネートによるPF値低下が顕著になり、エアフィルター濾材として高いPF値を持つ物を得にくくなる。
PTFE多孔膜の充填率は、12%以下、好ましくは10%以下、更に好ましくは8%以下である。充填率は、空間に対する繊維のつまりぐあいを表しており、充填率が低いほど多孔膜の空間が大きく、繊維間距離も大きくなるため多孔膜繊維に粒子が吸着しやすくなり、よりPF値は高く、保塵量が多くなり好ましい。
本発明において好ましく使用できるPTFE多孔膜は、例えば次のような方法で製造することができる。
<好ましいPTFE多孔膜の製造方法>
PTFE多孔膜は、延伸多孔膜が好ましい。
PTFE延伸多孔膜を製造するには、まずPTFE乳化重合水性分散液を凝析して得られたファインパウダーに、ソルベントナフサ、ホワイトオイルなどの液状潤滑剤を添加し、棒状にペースト押出を行う。その後、この棒状のペースト押出物を圧延してPTFE未焼成体を得る。この時の未焼成テープの厚みは、通常100〜500μmである。
次に、この未焼成テープを長手方向(MD方向)に倍率2〜10倍未満で延伸し、その後、長手方向延伸テープを幅方向(TD方向)に延伸する。このとき、幅方向の延伸速度を少なくとも200%/秒で延伸することが好ましい。幅方向の延伸速度が速くなるほどPTFE多孔膜の繊維径が小さくなり、より高PF値のPTFE多孔膜を得ることが可能となる。尚、幅方向の延伸倍率はトータルの面積倍率が100〜300倍となるように設定することが好ましい。
長手方向の延伸は、PTFE焼成体の融点以下の温度で行う。また幅方向の延伸は200〜420℃の温度で行う。
上記未焼成テープの延伸は、必要に応じて2枚以上のテープを重ねた状態で行ってもよい。
幅方向に延伸したPTFE多孔膜は必要に応じて収縮を防ぐために熱処理をしてもよい。
また、PTFE多孔膜の厚みを増し、更に低充填率にするために、作製する未焼成テープに非繊維化物(例えば、低分子量PTFE)をPTFEファインパウダー100重量部あたり10〜50重量部添加して延伸してもよい。
このようにして得られるPTFE多孔膜のPF値は22を越え、PF値が少なくとも27のPTFE多孔膜も容易に得られる。長手方向、幅方向のトータル延伸倍率がさほど高く無いため、比較的厚い(5μm以上)のPTFE多孔膜が得られ、且つ充填率が低い、例えば12%以下、好ましくは10%以下、更に好ましくは、8%以下の充填率を有するものが得られる。
本発明で用いられるエアフィルター濾材で使用される通気性支持材料は、エアフィルター濾材の圧力損失に影響を与えないもの(PTFE多孔膜の圧力損失よりかなり低い圧力損失のもの)であれば、従来PTFE多孔膜の補強の目的で使用される公知のものが使用できる。
好ましくは、少なくとも表面に熱融着性を有する不織布が使用でき、更に好ましくは、芯鞘構造繊維(例えば、芯がポリエステルで鞘がポリエチレン、芯が高融点ポリエステルで鞘が低融点ポリエステルである繊維)からなる不織布である。この芯鞘構造繊維からなる不織布は、芯より低融点である鞘の融点を少し越える程度の低い温度でラミネートすることが可能であるため、PTFE多孔膜と通気性支持材料とのラミネート時の熱履歴を小さくできるので、後述するPTFE多孔膜と通気性支持材料とのラミネートにおいて、よりPF値の低下を押さえることができる。
「PTFE多孔膜と通気性支持材料とのラミネート方法」
本発明で用いられるエアフィルター濾材は、PTFE多孔膜と通気性支持材料とを次ぎの方法でラミネートして得るのが好ましい。
出願人:ダイキン工業株式会社は、既にPTFE多孔膜と通気性支持材料とがラミネートされたエアフィルター濾材、それを用いたエアフィルターパックおよびエアフィルターユニットを製造販売しているが、そのエアフィルター濾材の製造において、PTFE多孔膜に通気性支持材料をラミネートすると、一般に圧力損失が上昇することは知られていたが、更に圧力損失の上昇に加えて捕集効率の低下をも招き、結果としてPF値が低下するという問題が起こることを見い出した。そして、より高PF値のエアフィルター濾材を得るには、従来知られていない、より良いラミネート条件を見い出すことが極めて重要であることがわかった。
実際、特開平10−30031号公報においては特別なラミネート方法(条件)が記載されていないことから従来の方法でラミネートしているものと推察できるが、PF値が26.6のPTFE多孔膜に通気性支持材料をラミネートした場合、エアフィルター濾材のPF値は19.8に低下している。そして、その他、前記先行技術文献においても、PTFE多孔膜に通気性支持材料をラミネートしたものでPF値が22を越えるエアフィルター濾材は得られていない。
ところで、PTFE多孔膜に通気性支持材料をラミネートする方法については、例えば本出願人によりPTFE多孔膜の厚さ方向に直接的に加圧しないでラミネートすることにより、PTFE多孔膜の圧力損失をできるだけ維持させることが可能な方法を既に提案している(特開平6−218899号公報)。しかしながら、ここで開示されたラミネート方法で種々のPF値を有するPTFE多孔膜と通気性支持材料とのラミネートを試みたところ、PF値が22以下のPTFE多孔膜ではラミネート後のPF値の低下をある程度は防げるものの、これより高いPF値(例えば、特開平10―30031号公報に記載されたPF値が30)のPTFE多孔膜ではPF値が低下してしまい、即ちラミネート後のPF値が22以下のものしか得られないことが判明した。
特開平6−218899号公報に開示されたラミネート方法(条件)によってこのような傾向となる理由は以下のように推測できる。
PTFE多孔膜単体のPF値が22を越えてさらに高くなってくると、PTFE多孔膜の平均繊維径はより細くなり、充填率もより小さくなっていく。また、通常は高寿命を狙って、浮遊微粒子の捕獲できる量を大きくするためにPTFE多孔膜の厚みを5μm以上のものが好ましく使用される。
このような高PF値のPTFE多孔膜は、ラミネート時の巻出し、巻取りテンションによる厚み方向の圧縮や、熱による収縮によってPTFE多孔膜繊維の熱凝集が起こりやすくなる。この点を更に推察すると、圧縮によりPTFE多孔膜の繊維間距離、特に厚み方向の繊維間距離が小さくなり、一本一本の繊維が粒子を捕集する効果が低下してしまい、特にPTFE多孔膜内部での捕集効果の低下が全体の捕集効率の低下を招いているものと考えられる。また、熱凝集によりPTFE多孔膜繊維数が減少し、一本一本の繊維径が増大することが捕集効率の低下を招いているものと考えられる。それ故、特開平6−218899号に開示された比較的緩やかな条件であっても前記現象が生じてしまい、その結果、捕集効率は低下してしまうものと考えられる。
尚、特開平6−218899号公報には、加圧することなく自重のみでPTFE多孔膜と通気性支持材料とを重ねてラミネートする方法も開示しているが、自重のみでラミネートするためにラミネート温度を高く設定しており、このためPTFE多孔膜が熱収縮してPF値が低下する原因になっていると思われる。また、この方法では、実際にフィルターユニットを作製するために必要な長さ(20m以上)に渡ってラミネートすることは困難である。
したがって、以上のような考察に基づいて鋭意ラミネート方法(条件)を検討したところ、次のような条件によれば本発明の所望のエアフィルター濾材を得ることができることが明らかとなった。
(1)ラミネート時の熱履歴を極めて小さくすること、
(2)巻き取り、巻き出しテンションを極めて小さくすること、
(3)好ましくは、ラミネート直後に冷風等をあてることにより強制的に冷却すること。
具体的には、次のようにラミネートを行うことが好ましい。
本発明の好ましい一態様において、PTFE多孔膜と通気性支持材料とのラミネートは、図2の右半分に示すように、通気性支持材料22、23、好ましくは熱可塑性不織布、例えば、芯がポリエステルで鞘がポリエチレンからなる芯鞘構造繊維からなる不織布を、図2の左半分に示すテンターから送られてくる二軸延伸PTFE多孔膜の両面に重ね、ヒートロール19に接触させることにより行うことができる。
ここで、ヒートロール19の加熱温度は、好ましくは130〜220℃、より好ましくは140〜170℃である。ヒートロール19に、ラミネートされた通気性支持材料およびPTFE多孔膜を接触させる際、ロール19に対する圧縮力は通気性支持材料22の巻出しテンションによって調整でき、本発明では好ましくは10〜90g/cm、より好ましくは30〜70g/cmである。
更に好ましくは、(a)加熱温度が130℃以上140℃未満の時は、巻出しテンション70〜90g/cm、ライン速度5m/分以上で行い、(b)加熱温度が140℃以上170℃未満の時は、巻出しテンション30〜70g/cm、ライン速度10m/分以上で行い、(c)加熱温度が170℃以上220℃未満の時は、巻出しテンション10〜30g/cm、ライン速度15m/分以上で行うことができる。
巻取りテンションは、通常380g/cm以下、好ましくは300g/cm以下に設定することが好ましい。高テンションでロール21に巻取ると、PTFE多孔膜が厚み方向に圧縮され、PF値が低下する恐れがある。
また、ラミネートされたPTFE多孔膜および通気性支持材料は、ラミネート直後に冷却することが好ましい。冷却は、送風ノズル24をヒートロール19の直後に設置し、ノズルの中にブロアにより室内の空気(好ましくは50℃以下、更に好ましくは40℃以下)を強制的に導入し、もしくは強制冷却した空気をノズル中に導入し、ノズルから空気を強制的にラミネートされたエアフィルター濾材全体に当てることにより行うことができる。
「本発明のエアフィルターパック及びエアフィルターユニット」
一般に、エアフィルターユニットは、エアフィルター濾材をプリーツ状に加工してエアフィルターパックを得、これを枠体に組み込んで作製することができるが、具体的には次のとおりである。
エアフィルターユニットには、ミニプリーツタイプとセパレートタイプのユニットがある。
ミニプリーツタイプユニット
ミニプリーツタイプの製造工程には、エアフィルター濾材をひだ状にプリーツ加工する工程、ひだ状にプリーツ加工したエアフィルター濾材を開き、例えばひも状のスペーサーをエアフィルター濾材に塗布する工程、スペーサーを塗布したエアフィルター濾材を再度ひだ状にプリーツ加工する工程、プリーツ加工したエアフィルター濾材を指定の大きさに切断する工程(本発明でいうエアフィルターパックの完成)、エアフィルターパックの四方をフレームで囲い、エアフィルターパックとフレームをシールする工程からなる。
エアフィルター濾材をひだ状にプリーツ加工する方法は、図4に示すように、レシプロ式の櫛刃で折り込んでいく方法が一般的である。
またスペーサーを塗布したエアフィルター濾材を再度ひだ状にプリーツ加工する方法は、図6のようにエアフィルター濾材を2つのロールで送り、出口に重りを置いて立ち上げるロール立ち上げ法や、図5のようにレシプロ式の櫛刃で立ち上げる方法がある。
一般的には、図4に示すように、エアフィルター濾材41をニップロールを用いて繰り出し(2つの駆動ロール間にエアフィルター濾材を挟みロールを駆動することで繰り出す)、レシプロ式の櫛刃でひだ状にプリーツ加工し、図5のように展開、スペーサー塗布を行い、図6のロールを用いて再度ひだ状にプリーツ加工を行う。
ミニプリーツタイプに用いられるスペーサーは、プリーツ状の形状保持と気体の流路を確保するために用いられるものであり、特にスペーサーの材質は特に制限されず、従来から知られているポリエチレン共重合体、ポリプロピレン共重合体、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)、ポリアミド等のホットメルト樹脂やガラスヤーン等が使用できる。
しかしながら、本発明のエアフィルターパックおよびエアフィルターユニットにポリアミドホットメルト樹脂をスペーサーとして用いた場合には、所望の高PF値が達成されることはもちろん、TOC(Total Organic Carbon)として表される有機物の発生量が極めて少ないという付加価値を同時に有するエアフィルターパックおよびエアフィルターユニットが得られる。
ミニプリーツタイプのユニットは、半導体製造装置等に好ましく用いられているが、半導体製造において前記TOCと表される有機物が発生すると、シリコンウエハー表面に有機物が付着し、熱がかかる工程では有機物が炭化し、電気特性を悪化させてしまう。前記したエアフィルターパックおよびエアフィルターユニットにポリアミドホットメルト樹脂をスペーサーとして用いたものは、高PF値化によるエネルギー効率の改善とともに、半導体製造の歩留まりの向上に寄与できる。
セパレータータイプユニット
セパレータタイプユニットの製造工程は、エアフィルター濾材をひだ状にプリーツ加工する工程、ひだ状にプリーツ加工したエアフィルター濾材の間にコルゲート状に加工したセパレーターを挿入する工程、プリーツ加工したエアフィルター濾材を指定の大きさに切断する工程(本発明でいうエアフィルターパックの完成)、エアフィルターパックの四方をフレームで囲い、エアフィルターパックとフレームをシールする工程からなる。
本発明のPTFE多孔膜及び通気性支持材料を有するエアフィルター濾材のもつPF値をより効率よく、エアフィルターパック及びエアフィルターユニットに反映させるためには、次のような製造方法が好ましい。
即ち、下記の少なくとも1つを実施してエアフィルターユニットを作製することが好ましい。
(1)エアフィルター濾材をひだ状にプリーツ加工する工程において、エアフィルター濾材を繰り出すときにニップロールを使わずに軸にモーターをつけ強制的に繰り出し、エアフィルター濾材の厚み方向に力を加えないこと。
(2)またエアフィルター濾材をひだ状にプリーツ加工する工程において、プリーツ加工した後、例えば図4に示す加熱手段42,42’により、加熱(通常60〜110℃)を行って折り癖をしっかりと付けること。
(3)プリーツ状に加工したエアフィルター濾材を展開しひも状のスペーサーを塗布後、再びプリーツ状に加工する時に、レシプロ式の様な櫛刃で強制的に行い折り目をきれいにすること。
(4)全体の工程で、エアフィルター濾材を搬送するとき、ニップロールを使用しないように行い、エアフィルター濾材を圧縮させないようにすること。
本発明のエアフィルターパックまたはエアフィルターユニットのPF値またはPF値は、90.6を越え、好ましくは92以上、更に好ましくは95以上である。
一般にPF値が高くなればなるほど、同一捕集効率を達成するためのユニットの圧力損失値を低く設定することが可能となる。また同一圧力損失のユニットであればPF値が高くなるほど捕集効率を高く設定できる。本発明に従ってPF値またはPF値が90.6を越える場合、これまで達成が不可能であったと考えられていたほど低い圧力損失のULPA、HEPAを得ることができる。
本発明のエアフィルターパック及びエアフィルターユニットの捕集効率は、濾材透過風速が1.4cm/秒の時、好ましくは99.9%以上、より好ましくは99.999%以上である。
本発明のエアフィルターパック及びエアフィルターユニットの圧力損失値は通常低ければ低い程良く、濾材透過風速が1.4cm/秒の時、好ましくは1〜25.4mmHO、更に好ましくは1〜15mmHOである。
ここで、本発明のエアフィルターユニットの性能評価方法について説明する。
エアフィルターユニットの形状は使用用途によって様々である。例えばエアフィルター濾材を袋状に構成する吹き流しの様な形態、エアフィルター濾材をひだ状にプリーツ加工し、その間に風の流路を保つためにひだ状のコルゲート加工したスペーサーを挿入した形態、エアフィルター濾材をひだ状にプリーツ加工し、風の流路を保つためにエアフィルター濾材の長手方向にホットメルトのひも状スペーサーを塗布した形態等がある。また、ひだ状にプリーツ加工するときの高さ(1つの折り目から次の折り目までのエアフィルター濾材の長さ)も様々である。
一般にエアフィルターユニットの性能測定の際の風速は、エアフィルターユニットの面速で0.5m/秒である。しかしながら、エアフィルターユニットの形態は上記のように折り込み高さや折り込みピッチが個々に異なるため、エアフィルターユニットの開口面積が同じであってもその中に折り込まれているエアフィルター濾材面積は異なっている。このため、同じエアフィルター濾材を用いていても圧力損失値や捕集効率値は異なってしまう。
この原因は、エアフィルターユニットの性能は折り込まれたエアフィルター濾材を透過する風速によって決まるため、同一ユニット開口面積に対する折込量が異なればエアフィルター濾材を透過する風速が異なってしまい、圧力損失値や捕集効率が異なる値を示すからである。
すなわち折込量が多いと濾材透過風速が小さくなり、このため圧力損失値が小さく、捕集効率が上がるのである。また折込量が少ないと逆に濾材透過風速が大きくなり、このため圧力損失値は大きく、捕集効率は低下するのである。
このことから個々のエアフィルターユニットの性能を相対比較する場合、エアフィルターユニットの面の風速を一定にするよりはエアフィルターユニットに折り込まれたエアフィルター濾材を透過する風速を一定にする必要がある。本発明ではこの様な理由から、エアフィルターユニットに折り込まれたエアフィルター濾材内を透過する風速を1.4cm/秒として相対評価を行う。
具体的には、濾材透過風速が1.4cm/秒の時のエアフィルターユニット面速(吹き出し風速)の設定の方法は以下の通りである。
エアフィルターユニットの開口面積をSm2、エアフィルター濾材の折り込み面積をsm2(折り込み高さ、プリーツ数から求められる)とすると、エアフィルターユニット面速Vは、
V=1.4×s/S (cm/秒)=(1.4/100)×s/S(m/秒)
となる。
本発明によれば、PTFE多孔膜およびその少なくとも片面にラミネートされた通気性支持材料を有してなるエアフィルター濾材であって、先に定義したPF値が22を越えることを特徴とするエアフィルター濾材を使用することにより、ULPAとしての性能を維持したまま、コンパクトなエアフィルターユニットを得ることができる。
ULPAとしての性能とは一般に、ユーザーが使用するエアフィルターユニットの面風速で、捕集効率が99.9995%以上、好ましくは99.9999%以上で、圧力損失が15mmHO以下を言う。
前記のような本発明で用いられるエアフィルター濾材を使用すれば、30mm以下、好ましくは27mm以下、更に好ましくは20mm以下の折り高さのエアフィルターパックを有するエアフィルターユニットが得られる。
例えば、折り高さが30mmのエアフィルターパックを有するエアフィルターユニットの場合、通常ユーザーが使用するエアフィルターユニットの面風速である0.5m/秒で使用した時、捕集効率を99.9999%と設定すると、圧力損失は15mmHO以下となり、また折り高さが20mmのエアフィルターパックを有するエアフィルターユニットの場合、エアフィルターユニットの面風速が0.35m/秒で使用した時(特に薄いエアフィルターユニットの場合には、通常0.35m/秒の面風速で使用される)、捕集効率を99.9999%と設定すると、圧力損失は15mmHO以下となる。このように、ULPAとしての高性能を維持したままで折り高さが30mm以下の薄いエアフィルターユニットが得られる。
これは、本発明で用いられるエアフィルター濾材によれば、圧力損失と捕集効率の性能指標であるPF値が22を越え、好ましくは少なくとも23、更に好ましくは少なくとも24、更に好もしくは少なくとも25とすることができた故に可能となるものである。すなわち、従来のPF値が22以下のものであれば、折り高さが30mmのエアフィルターユニットの場合、エアフィルターユニットの面風速0.5m/秒で使用した時、捕集効率を99.9999%と設定すると、圧力損失は15mmHO以上となってしまう。また圧力損失を15mmHO以下に設定すれば捕集効率は99.9999%より小さくなってしまう。折り高さが20mmのエアフィルターユニットの場合、エアフィルターユニットの面風速0.35m/秒で使用した時、捕集効率を99.9999%と設定すると、圧力損失はやはり15mmHO以上となってしまう。また圧力損失を15mmHO以下と設定すれば捕集効率は99.9999%より小さくなってしまう。
更に驚くべきことに、エアフィルター濾材の折り高さを小さくすれば、エアフィルターユニットの構造抵抗が急激に小さくなり、本来のエアフィルター濾材の性能がエアフィルターユニットの性能により反映されることが解った。
構造抵抗とは、プリーツの間隙を空気が通過するときに生じる空気と、エアフィルター濾材との摩擦抵抗であり、エアフィルターユニットの圧力損失は、エアフィルター濾材を空気が透過するときの圧力損失と構造抵抗の和として表される。
具体的には、折り高さが55mmのミニプリーツタイプのエアフィルターユニットではエアフィルターユニットの面風速が0.5m/秒の時、構造抵抗が約1mmHO程度発生するが、折り高さが35mm以下になれば構造抵抗は急激に減少し、折り高さが30mm以下になると構造抵抗はほぼ無くなり、エアフィルターユニットの性能はエアフィルター濾材が本来持っている性能に匹敵するようになる。
本発明で用いられるエアフィルター濾材は、特に前記本発明のエアフィルターパックおよびエアフィルターユニットの用途に使用できるが、その他適宜形態に加工されて例えば、空気清浄器用フィルター、掃除機用フィルター、空調用フィルター、自動車の空気取り入れ用フィルター、脱臭装置用フィルター、原子力用排気フィルター、バイオクリーンルーム用フィルター、医薬製造クリーンルーム用フィルター、病院の手術室空気取り入れ用フィルター、精密機器・機械用フィルター、防花粉用マスク、ガス(N、Air、SiCl等)インラインフィルター、水・薬品等の液用フィルターの用途にも使用できる。
また、本発明のエアフィルターユニットは、半導体工業、液晶工業、医療、食品工業、バイオテクノロジー等のクリーンルーム、拡散炉、コーターデベロッパー、ウェットステーション、化学蒸着(CVD)、ステッパー、ストッカー、ドライエッチング装置、プラズマエッチング装置、クリーンブース、クリーンチャンバー、ウェハー検査装置(サーフスキャン、プローバー)、FFU(ファンフィルターユニット)、CMP等の半導体製造装置等の用途に使用できる。特に薄型のエアフィルターユニットは、FFUを薄くできたり、半導体製造装置に組み込んだ場合、設置スペースを狭くできその結果装置の小型化につながり、また軽いため簡単に施工できる等の点で画期的なエアフィルターユニットである。
以下、参考例および実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
参考例および実施例中、PTFE多孔膜の膜厚、充填率、平均繊維径、圧力損失、捕集効率、PF値ならびにリークの有無;エアフィルター濾材の圧力損失、透過率、捕集効率、PF値ならびにリークの有無;およびエアフィルターユニットの圧力損失、透過率、捕集効率、PF値、リークの有無ならびにTOC発生量は以下のようにして測定した。
尚、本発明において上記濾材およびエアフィルターユニットの捕集効率、濾材のリーク検査の測定はジオクチルフタレート(DOP)を検査粒子として使用したが、TOC発生を低減させる観点から、従来TOC発生が少ないものとして提案されている検査粒子(例えば、シリカ粒子、ポリスチレンラテックス粒子等)を用いることもできる。
PTFE多孔膜の膜厚
膜厚計(1D−110MH型、ミツトヨ社製)を使用し、PTFE多孔膜を5枚重ねて全体の膜厚を測定し、その値を5で割った数値を1枚の膜厚とした。
PTFE多孔膜の充填率
膜厚を測定したPTFE多孔膜を20×20cmに切り出し、重量を測定し、下記式より充填率を求めた。
Figure 0004066913
PTFE多孔膜の平均繊維径
走査型電子顕微鏡(S−40000型 日立製作所製)を用いて、PTFE多孔膜の拡大写真(7000倍)を撮影する。この写真を4つ切り大に拡大し、写真上に縦、横それぞれ4本の同一長さ(長さ:縦24.5cm、横29.5cm)の直線を5cm間隔に引き、その直線上にあるPTFE繊維の直径を測定し、その平均をPTFE繊維の平均繊維径とした。
PTFE多孔膜及びエアフィルター濾材の圧力損失(mmH O)
PTFE多孔膜及びエアフィルター濾材の測定サンプルを直径100mmのフィルターホルダーにセットし、コンプレッサーで入口側を加圧し、流量計で空気の透過する流量を5.3cm/秒に調整した。そしてこの時の圧力損失をマノメーターで測定した。
PTFE多孔膜及びエアフィルター濾材の捕集効率(%)
PTFE多孔膜及びエアフィルター濾材の測定サンプルを直径100mmのフィルターホルダーにセットし、コンプレッサーで入口側を加圧し、流量計で空気の透過する流量を5.3cm/秒に調整した。この状態で上流側から粒子径0.1〜0.12μmの多分散DOPを粒子濃度10個/300mlで流し、下流側に設置したパーティクルカウンター(PMS LAS−X−CRT PARTICLE MEASURING SYSTEM INC.(PMS)社製、以下同じ)によって、粒子径0.10〜0.12μmのDOPの透過粒子数を求め、上流の粒子濃度をCi、下流粒子濃度をCoとして下記式により測定サンプルの捕集効率を計算した。
Figure 0004066913
捕集効率が非常に高いエアフィルター濾材については、吸引時間を長くしサンプリング空気量を多くして測定を行った。例えば吸引時間を10倍にすると下流側のカウント粒子数が10倍に上がり、即ち測定感度が10倍になる。
PTFE多孔膜及びエアフィルター濾材の透過率(%)
PTFE多孔膜及びエアフィルター濾材の透過率は下記式により求めた。
Figure 0004066913
PTFE多孔膜及びエアフィルター濾材のPF値
PTFE多孔膜のPF値は、
Figure 0004066913
(ここで、透過率(%)=100−捕集効率(%)である。)
により求めた。
一方、エアフィルター濾材のPF1値は先に記載した式に従って求めた。
PTFE多孔膜及びエアフィルター濾材のリークの有無
PTFE多孔膜及びエアフィルター濾材の測定サンプルを直径100mmのフィルターホルダーにセットし、コンプレッサーで入口側を加圧し、流量計で空気の透過する流量を5.3cm/秒に調整した。この状態で上流側から多分散DOPを粒子濃度10個/300mlで流し、下流側に設置したパーティクルカウンターによって、粒径別の透過粒子数を求め、上流、下流の粒子数の比率から粒径0.10〜0.12μm及び0.25〜0.35μmのDOP粒子の捕集効率を求め、粒径0.25〜0.35μmのDOPの捕集効率が粒径0.10〜0.12μmのDOPの捕集効率より100倍以上高ければリーク無しと判定した。
エアフィルターユニットの圧力損失(mmH O)
図3に示した装置を用い、エアフィルターユニットを装着後エアフィルター濾材を透過する風速が1.4cm/秒になるように調整し、その時のエアフィルターユニット前後の圧力損失をマノメーターで測定した。
なお、図3中の符号の説明は以下のとおりである。
31:送風機、32,32':HEPAフィルター、33:試験用粒子導入管、34,34':整流板、35:上流側試験用粒子採取管、36:静圧測定孔、37:供試フィルターユニット、38:下流側試験用粒子採取管、39:層流型流量計
エアフィルターユニットの捕集効率(%)
図3示した装置を用い、エアフィルターユニットを装着後エアフィルター濾材を透過する風速が1.4cm/秒になるように調整し、この状態で上流側に粒子径が0.1〜0.12μmのDOP粒子を濃度1×10/ftで流し、下流側の粒子径0.1〜0.12μmの粒子数をパーティクルカウンターで測定し、上流の粒子濃度をCi、下流粒子濃度をCoとして下記式により測定サンプルの捕集効率を計算した。
Figure 0004066913
エアフィルターユニットの透過率(%)
エアフィルターユニットの透過率は下記式より求めた。
Figure 0004066913
エアフィルターパック及びエアフィルターユニットのPF値
エアフィルターパック及びエアフィルターユニットのPF値及びPF値は先に記載した式に従って求めた。
ところで、エアフィルターパックの性能の測定は、それ自身では測定できないため、測定を行うためエアフィルターパックの四方にフレームを付け、エアフィルターパックとフレームとをシールしたエアフィルターユニットとして測定する。その結果、エアフィルターパックとエアフィルターユニットのPF値とPF値は同じ値となる。
エアフィルターユニットのリークの有無
エアフィルターユニットのリーク箇所の測定は、JACA No.10C 4.5.4に準拠して行った(日本空気清浄協会発行1979年「空気清浄装置性能試験方法基準」)。
ラスキンノズルより発生させたシリカ粒子を清浄空気に混合して粒径が0.1μm以上の粒子を濃度10個/ft3以上で含む検査流体を調製する。次に、エアフィルターユニットの上流から検査流体をエアフィルターユニット面の風速が0.5m/秒になるようにしてエアフィルターユニットに通す。その後、エアフィルターユニットの下流側25mmの位置で、捜査プローブを1秒間に5cmの速度で走査させながら、下流側空気を28.3リットル/分で吸引し、パーティクルカウンターで下流側のシリカ粒子濃度を測定する。但し、この走査はエアフィルターユニットの濾材および濾材とフレームとの結合部の全面にわたって行い、そのストロークはわずかに重なり合うようにする。エアフィルターユニットにリークが存在する場合は、下流側のシリカ粒子の粒径分布が、上流側の粒径分布と同じようになるため判別が可能である。
エアフィルターユニットからのTOC発生量の測定
エアフィルターユニットからのTOC発生量の測定は、HEPAフィルター及び有機物除去ケミカルフィルターを通して、パーティクル及び有機物処理を行った空気を、試験を行うエアフィルターユニットに通し、エアフィルターユニット下流側空気を多孔質高分子吸着剤(TENAX GR)を用いて吸引サンプリングを行い、有機物を吸着させる。この時の条件は次の通りである。
・試験エアフィルターユニット透過風速:0.35m/秒
・下流側空気サンプリング量:2L/分×100分間
次に、多TENAX管内の孔質高分子吸着剤に吸着した有機物を、キューリーポイントパージアンドトラップサンプラ(日本分析工業社製 JHS−100A)を用いて分析した。すなわち、下流側空気の有機物を吸着させたTENAX管を230℃に加熱し、そこに高純度ヘリウムガスを流し、吸着物をガスとして追い出し(パージ)、トラップ管に導入する。このトラップ管において−40℃に冷却した吸着剤(石英ウール)に蓄積濃縮させる。その後、前記吸着剤を358℃に瞬間加熱し、20秒間吸着剤に吸着した吸着物をガスとして放出する。そして、前記放出ガスをガスクロマトグラフィーに導入し、その量を有機物総量として測定する。有機物総量と、下流側サンプリング空気量とから、発生有機物量をng/mとして表した。ガスクロマトグラフィーの測定条件は以下の通りである。
・ガスクロマトグラフィー:GC14A(島津製作所社製)
・カラム:FRONTIER LAB ULTRA ALLOY Capillary Column UA−5
・カラム温度:50℃→280℃(10分ホールド)、昇温速度10℃/分
参考例1
数平均分子量620万のPTFEファインパウダー(ダイキン工業株式会社製ポリフロンファインパウダーF−104U)100重量部に、押出助剤としての炭化水素油(エッソ石油株式会社製アイソパー)25重量部を加えて混合した。
この混合物をペースト押出により丸棒状に成形した。この丸棒状成形体を70℃に加熱したカレンダーロールによりフィルム状に成形し、PTFEフィルムを得た。このフィルムを250℃の熱風乾燥炉に通して押出助剤を蒸発除去し、平均厚み200μm、平均幅150mmの未焼成フィルムを得た。
次に、この未焼成PTFEフィルムを図1に示す装置を用いて長手方向に延伸倍率5倍で延伸した。未焼成フィルムはロール1にセットし、延伸したフィルムは巻取ロール2に巻き取った。また、延伸温度は250℃で行った。
得られた長手方向延伸フィルムを連続的にクリップで挟むことのできる図2の左半分に示す装置(テンター)を用いて幅方向に延伸倍率30倍で延伸し、熱固定を行った。この時の延伸温度は290℃、熱固定温度は360℃、また延伸速度は330%/秒であった。
参考例2
参考例1で得た長手方向延伸フィルムを図2の左半分に示す装置を用いて幅方向に延伸倍率40倍で延伸し、熱固定を行った。この時の延伸温度は290℃、熱固定温度は350℃、また延伸速度は440%/秒であった。
参考例3
参考例1で得た長手方向延伸フィルムを図2の左半分に示す装置を用いて幅方向に延伸倍率25倍で延伸し、熱固定を行った。この時の延伸温度は290℃、熱固定温度は380℃、また延伸速度は275%/秒であった。
参考例1〜3で得たPTFE多孔膜の物性は以下の通りである。
Figure 0004066913
参考例4
参考例1で作製したPTFE多孔膜の両面にポリエチレン/ポリエステル製熱融着性不織布(上面:商品名エルベスT0703WDO(ユニチカ製);下部:商品名エルフィットE0353WTO(ユニチカ製))を図2に示す装置を用いて熱融着し、エアフィルター濾材を得た。この時の熱融着条件は以下の通りであった。
ロール19 加熱温度160℃
ライン速度 15m/分
巻出しテンション 50g/cm(不織布22の巻出しテンション)
巻取テンション 280g/cm
参考例5
参考例1で作製したPTFE多孔膜の両面にポリエチレン/ポリエステル製熱融着性不織布(上面:商品名エルベスT0703WDO(ユニチカ製);下部:商品名エルフィットE0353WTO(ユニチカ製))を図2に示す装置を用いて熱融着し、エアフィルター濾材を得た。この時の熱融着条件は以下の通りであった。
ロール19 加熱温度180℃
ライン速度 15m/分
巻出しテンション 20g/cm(不織布22の巻出しテンション)
巻取テンション 280g/cm
参考例6
加熱ロール19の直後に冷風吹き出し装置を設け、ロール19から出たエアフィルター濾材に20℃の空気を吹き付けて冷却した以外は参考例4と同様にして、エアフィルター濾材を得た。
参考例7
実施例2で作製したPTFE多孔膜を使用した以外は参考例4と同様にしてエアフィルター濾材を作製した。
参考例8
実施例2で作製したPTFE多孔膜を使用した以外は実施例6と同様にしてエアフィルター濾材を作製した。
参考例9
参考例1で作製したPTFE多孔膜を用い、特開平6−218899号公報に記載された実施例7の条件(加熱温度160℃、ライン速度10m/分、巻出しテンション90g/cm)で、図2に示す装置を用いてPTFE多孔膜の両面にポリエチレン/ポリエステル製熱融着性不織布(上面:商品名エルベスT0703WDO(ユニチカ製);下部:商品名エルフィットE0353WTO(ユニチカ製))を熱融着してエアフィルター濾材を得た。巻取りは、巻取テンション280g/cmで行った。
参考例10
参考例2で作製したPTFE多孔膜を用いた以外は参考例9と同様にしてエアフィルター濾材を得た。
参考例4〜10で製造したエアフィルター濾材の物性は以下の通りである。
Figure 0004066913
この様に、本発明によれば、PTFE多孔膜単体に比べてPF値の低下が極めて少なく、通気性支持材料のラミネート後にも22以上のPF値が達成できた。
さらに参考例6および8の結果から、ラミネート直後に冷却すると、PF値は更に向上することが解った。
一方、前記参考例9〜10から理解できるように、特開平6−218899公報に記載された程度の緩やかなラミネート条件では、圧力損失の上昇は抑えられるものの捕集効率の低下は防ぐことはできず、PTFE多孔膜単体のPF値が高い場合にも、通気性支持材料をラミネートしたエアフィルター濾材のPF1値は22以下に低下してしまうことが解った。
実施例1
参考例4で製造したエアフィルター濾材を、レシプロ折り機で高さ5.5cmにプリーツ加工し、プリーツ後90℃の温度をかけて折りくせをつけた。この後、プリーツされたエアフィルター濾材を一旦開き、ポリアミドホットメルト樹脂製のスペーサーを塗布し、再度プリーツ状にレシプロ立ち上げ機で立ち上げ、大きさ58cm×58cmに切断して、エアフィルターパックを得た。この時のプリーツ間隔は3.125mm/プリーツであった。
ここまでの工程で、エアフィルター濾材を繰り出すときには軸にモーターをつけ強制的に繰り出し、エアフィルター濾材の厚み方向に力を加えないようにした。またエアフィルター濾材を搬送するときには、ニップロールを使用しないようにして、エアフィルター濾材に圧縮力をかけないようにした。
次に、外寸61cm×61cm、内寸58cm×58cm、厚さ6.5cmのアルマイト加工アルミニウム製枠を用意し、この枠内にプリーツ加工されたエアフィルターパックを入れ、ウレタン接着剤でエアフィルターパック周囲とアルミニウム枠とをシールしてエアフィルターユニットを作製した。
実施例2
再立ち上げをロール立ち上げ機を用いて行った以外は実施例1と同様にしてエアフィルターユニットを作製した。
実施例3
参考例8のエアフィルター濾材を使用した以外は実施例1と同様にしてエアフィルターユニットを作製した。
参考例11
エアフィルター濾材をレシプロ機で折った後に熱をかけず、折り目にくせをつけなかった以外は実施例1と同様にしてエアフィルターユニットを作製した。
参考例12
エアフィルター濾材をロールから繰り出す際にニップロールを用いた以外は実施例1と同様にしてエアフィルターユニットを作製した。
実施例1〜3および参考例11〜12で作製したエアフィルターユニットについて、濾材透過風速が1.4cm/秒になるように風速を設定してエアフィルターユニットの圧力損失及び捕集効率を測定した。
尚、これらのエアフィルターユニットで濾材透過風速が1.4cm/秒である時のエアフィルターユニットの面速は以下の通りである。
各エアフィルターユニットの内寸は58cm×58cmであるから、エアフィルターユニットの開口面積は58cm×58cm=3364cm2=0.3364mとなる。一方、折り込まれたエアフィルター濾材の面積については、まずプリーツ数を計算すると、580mm÷3.125mm/プリーツ=185プリーツとなり、これから、エアフィルター濾材の長さは5.5cm×185×2=2035cm=20.35mとなる。またエアフィルター濾材の幅は58cm=0.58mであるので、エアフィルター濾材の面積は20.35×0.58=11.803mとなる。エアフィルターユニットの開口面積とエアフィルター濾材の面積から、濾材透過風速1.4cm/秒の時のエアフィルターユニットの面速は1.4cm/秒×11.803m÷0.3364m=49.12cm/秒=0.4912m/秒となる。実際のエアフィルターユニットの圧力損失等の測定は、この面速で行った。
実施例1〜3および参考11〜12で作製したエアフィルターユニットの性能は以下の通りである。
Figure 0004066913
表3に示される結果から理解できるように、通常行われている方法(ニップロールを使用し、濾材をレシプロ機で折った後に熱をかけない)では、90.6を越えるPF値は達成できないが、ニップロールを使用せず、濾材をレシプロ機で折った後に熱をかけて折り目にくせを付けたものは所望の高PF3値のエアフィルターユニットを得ることができた。
また、再度プリーツ状に立ち上げる場合、ロール立ち上げ機よりもレシプロ立ち上げ機を用いた方がより高いPF値を得るのに好ましいことがわかる。
実施例4
参考例4で作製したエアフィルター濾材を、レシプロ折り機により高さ13cmでプリーツ加工し、プリーツ後80℃の温度をかけて折りくせをつけた。この後、プリーツ加工されたエアフィルター濾材の間に、厚み35μmのアルミ箔を高さ2.4mmにコルゲート加工したセパレーターを上下流側それぞれに挿入し、大きさ58cm×58cmに切断した。この時のプリーツ間隔は5.0mm/プリーツであった。
ここまでの工程で、エアフィルター濾材を繰り出すときには軸にモーターをつけ強制的に繰り出し、エアフィルター濾材の厚み方向に力を加えないようにした。またエアフィルター濾材を搬送するときには、ニップロールを使用しないようにして、エアフィルター濾材に圧縮力をかけないようにした。
次に、外寸61cm×61cm、内寸58cm×58cm、厚さ15cmのアルマイト加工アルミニウム製枠を用意し、この枠内にプリーツ加工されたエアフィルターパックを入れ、ウレタン接着剤でエアフィルターパック周囲とアルミニウム枠とをシールしてエアフィルターユニットを作製した。
このエアフィルターユニットについて濾材透過風速が1.4cm/秒になるように風速を設定してエアフィルターユニットの圧力損失及び捕集効率を測定した。尚、このエアフィルターユニットで濾材透過風速が1.4cm/秒となる時のエアフィルターユニットの面速は、実施例1〜3および参考例11〜12と同様に計算すると0.7279m/秒となる。実際のエアフィルターユニットの圧力損失等の測定は、この面速で行った。
実施例4で作製したエアフィルターユニットの性能は以下の通りである。
Figure 0004066913
上記のように形状が違うエアフィルターユニットであっても、エアフィルター濾材の劣化がない状態でエアフィルターユニットを作製すれば、ほぼ同じ性能のエアフィルターユニットが得られることが解った。
実施例5
参考例4で作製したエアフィルター濾材をレシプロ折り機で高さ3.0cmにプリーツ加工した以外は実施例1と同様にしてエアフィルターユニットを作製した。
実施例6
参考例8で作製したエアフィルター濾材をレシプロ折り機で高さ3.0cmにプリーツ加工した以外は実施例1と同様にしてエアフィルターユニットを作製した。
実施例7
参考例4で作製したエアフィルター濾材をレシプロ折り機で高さ2.0cmにプリーツ加工した以外は実施例1と同様にしてエアフィルターユニットを作製した。
実施例8
実施例8で作製したエアフィルター濾材をレシプロ折り機で高さ2.0cmにプリーツ加工した以外は実施例1と同様にしてエアフィルターユニットを作製した。
参考例13
参考例9で作製したエアフィルター濾材をレシプロ折り機で高さ3.0cmにプリーツ加工した以外は実施例1と同様にしてエアフィルターユニットを作製した。
参考例14
参考例10で作製したエアフィルター濾材をレシプロ折り機で高さ3.0cmにプリーツ加工した以外は実施例1と同様にしてエアフィルターユニットを作製した。
参考例15
参考例9で作製したエアフィルター濾材をレシプロ折り機で高さ2.0cmにプリーツ加工した以外は実施例1と同様にしてエアフィルターユニットを作製した。
参考例16
参考例10で作製したエアフィルター濾材をレシプロ折り機で高さ2.0cmにプリーツ加工した以外は実施例1と同様にしてエアフィルターユニットを作製した。
これらのエアフィルターユニットについて、濾材透過風速が1.4cm/秒になるように風速を設定してエアフィルターユニットの圧力損失及び捕集効率を測定した。尚、これらのエアフィルターユニットで濾材透過風速が1.4cm/秒となる時のエアフィルターユニットの面風速は、実施例1〜3および参考例11〜12と同様に計算すると、折り高さが30mmのエアフィルターユニットは0.2679m/秒、折り高さが20mmのエアフィルターユニットは0.1786m/秒となる。実際のエアフィルターユニットの圧力損失等の測定は、この面速で行った。
実施例5〜8及び参考例13〜16で作製したエアフィルターユニットの性能は以下の通りである。
Figure 0004066913
次に実施例5〜8及び参考例13〜16で作製したエアフィルターユニットについて折り高さが30mmのエアフィルターユニットは面風速0.5m/秒で圧力損失及び捕集効率を測定した。その結果を表6に示す。また折り高さが20mmのエアフィルターユニットは面風速0.35m/秒で圧力損失及び捕集効率を測定した。その結果を表7に示す。
Figure 0004066913
Figure 0004066913
表5に示される結果より、エアフィルターユニットの圧力損失値はエアフィルター濾材の圧力損失値から計算される圧力損失値とほぼ合致しており構造抵抗はほとんど無いことが解る。すなわち実施例5及び7では使用エアフィルター濾材の5.3cm/秒の圧力損失値は26mmHOであり、ここから1.4cm/秒の時の計算上の圧力損失値は、26mmHO×1.4/5.3=6.87mmHOとなり、実際のエアフィルターユニットの圧力損失値とほぼ同じ値となっている。また同様に実施例6及び8では、使用エアフィルター濾材の5.3cm/秒の圧力損失値は23mmHOであり、ここから1.4cm/秒の時の計算上の圧力損失値は、23mmHO×1.4/5.3=6.08mmHOとなり、実際のエアフィルターユニットの圧力損失値とほぼ同じ値となっている。
また表6および表7に示された結果より、PF値が22以下のエアフィルター濾材では、折り高さが30mm以下とした場合、実際にユーザーが使用する風速では捕集効率が低く、99.9999%はおろかULPAとしての一般性能である99.9995%も実現できないが、PF値が22を越えるエアフィルター濾材を用いたときには、折り高さが30mm以下であってもULPAとしての性能が実現できることが解った。
表6、表7に示されるエアフィルターユニットの圧力損失もまた、エアフィルター濾材の圧力損失値から計算される圧力損失値とほぼ合致しており構造抵抗はほとんど無いことが解った。具体的にエアフィルター濾材の圧力損失値から計算されるエアフィルターユニットの圧力損失は、表6の実施例5及び参考例13では12.82mmHO、実施例6及び参考例14では11.34mmHOである。また表7の実施例7及び参考例15では13.46mmHOであり、実施例8及び参考例16では11.91mmHOである。
実施例9
スペーサーにEVA製ホットメルト樹脂を用いた以外は実施例1と同様にしてエアフィルターユニットを作製した。またスペーサーの塗布量は実施例1と同じ量にした。さらにエアフィルターパックとアルミニウム枠とのシール剤も同じ物を用いた。
実施例1および実施例9で作製したエアフィルターユニットについて、エアフィルターユニットから発生するTOCの量を測定した。その結果は以下の通りである。
Figure 0004066913
表8に示される結果より、ポリアミドホットメルト樹脂をスペーサーに用いた本発明で用いられるエアフィルター濾材からなるエアフィルターパックを有するエアフィルターユニットは、EVA製ホットメルト樹脂をスペーサーに用いたものに比べ、TOC発生量が飛躍的に減少し、約1/20になることが解った。
PTFEフィルムの長手方向への延伸に用いた装置の模式図である。 PTFEフィルムの幅方向への延伸に用いた装置(左半分)およびPTFEフィルムに通気性支持材料をラミネートする装置(右半分)を模式的に示す図である。 フィルターユニットの圧力損失の測定装置の模式図である。 レシプロ折り機の模式図である。 スペーサ塗布工程を示す模式図である。 ロール立ち上げ機の模式図である。
符号の説明
1:巻出しロール、2:巻取りロール、3,4,6,7,10:ロール、
15:予熱オーブン、16:延伸オーブン、17:熱固定オーブン
31:送風機、32,32':HEPAフィルター、33:試験用粒子導入管、34,34':整流板、35:上流側試験用粒子採取管、36:静圧測定孔、37:供試フィルターユニット、38:下流側試験用粒子採取管、39:層流型流量

Claims (14)

  1. ポリテトラフルオロエチレン多孔膜およびその少なくとも片面にラミネートされた通気性支持材料を有してなるエアフィルター濾材をプリーツ加工してなるエアフィルターパックであって、
    該エアフィルター濾材に5.3cm/秒の流速で空気を透過させたときの圧力損失(単位:mmH2O)および粒子径0.10〜0.12μmのジオクチルフタレートを用いて測定した捕集効率(単位:%)から下記式:
    Figure 0004066913
    (ここで、透過率(%)=100−捕集効率(%)である。)
    に従って計算される該濾材のPF1値が22を越え、
    該エアフィルターパックに1.4cm/秒の濾材透過風速で空気を透過させたときの圧力損失(単位:mmH2O)および粒子径0.10〜0.12μmのジオクチルフタレートを用いて測定した捕集効率(単位:%)から下記式:
    Figure 0004066913
    (ここで、透過率(%)=100−捕集効率(%)である。)
    に従って計算される該パックのPF2値が90.6を越えることを特徴とするエアフィルターパック。
  2. 5.3cm/秒の流速で空気を透過させたときのエアフィルター濾材の圧力損失が4mmH2O以上である請求項1に記載のエアフィルターパック。
  3. エアフィルターパックのPF2値が少なくとも92である請求項1または2に記載のエアフィルターパック。
  4. 1.4cm/秒の濾材透過風速で空気を透過させたときの粒子径0.10〜0.12μmのジオクチルフタレートを用いて測定した捕集効率が99.9%以上である請求項1〜3のいずれかに記載のエアフィルターパック。
  5. 前記捕集効率が99.999%以上である請求項4に記載のエアフィルターパック。
  6. 前記エアフィルターパックは、ポリアミドホットメルト樹脂からなるスペーサーを有するミニプリーツタイプである請求項1〜5のいずれかに記載のエアフィルターパック。
  7. 折り高さが30mm以下であり、1.4cm/秒の濾材透過風速で空気を透過させたときのエアフィルターパックの圧力損失が1〜25.4mmH2Oである請求項1〜6のいずれかに記載のエアフィルターパック。
  8. 枠体、および該枠体内に収納されたプリーツ状に折り曲げたエアフィルター濾材からなるエアフィルターパックを有してなるエアフィルターユニットであって、該エアフィルター濾材は、ポリテトラフルオロエチレン多孔膜およびその少なくとも片面にラミネートされた通気性支持材料を有してなり、
    該エアフィルター濾材に5.3cm/秒の流速で空気を透過させたときの圧力損失(単位:mmH2O)および粒子径0.10〜0.12μmのジオクチルフタレートを用いて測定した捕集効率(単位:%)から下記式:
    Figure 0004066913
    (ここで、透過率(%)=100−捕集効率(%)である。)
    に従って計算される該濾材のPF1値が22を越え、
    該エアフィルターユニットに1.4cm/秒の濾材透過風速で空気を透過させたときの圧力損失(単位:mmH2O)および粒子径0.10〜0.12μmのジオクチルフタレートを用いて測定した捕集効率(単位:%)から下記式:
    Figure 0004066913
    (ここで、透過率(%)=100−捕集効率(%)である。)
    に従って計算される該ユニットのPF3値が90.6を越えることを特徴とするエアフィルターユニット。
  9. 5.3cm/秒の流速で空気を透過させたときのエアフィルター濾材の圧力損失が 4mmH2O以上である請求項8に記載のエアフィルターユニット。
  10. エアフィルターユニットのPF3値が少なくとも92である請求項8または9に記載のエアフィルターユニット。
  11. 1.4cm/秒の濾材透過風速で空気を透過させたときの粒子径0.10〜0.12μmのジオクチルフタレートを用いて測定した捕集効率が99.9%以上である請求項8〜10のいずれかに記載のエアフィルターユニット。
  12. 前記捕集効率が99.999%以上である請求項11に記載のエアフィルターユニット。
  13. 枠体内に収納されたプリーツ状に折り曲げたエアフィルター濾材からなるエアフィルターパックが、ポリアミドホットメルト樹脂からなるスペーサーを有するミニプリーツタイプである請求項8〜12のいずれかに記載のエアフィルターユニット。
  14. エアフィルターパックの折り高さが30mm以下であり、1.4cm/秒の濾材透過風速で空気を透過させたときのエアフィルターユニットの圧力損失が1〜25.4mmH2Oであることを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載のエアフィルターユニット。
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