JP2940166B2 - ポリテトラフルオロエチレン多孔膜およびその製造方法 - Google Patents

ポリテトラフルオロエチレン多孔膜およびその製造方法

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修 田中
智男 楠見
純 浅野
勝年 山本
治 井上
伸一 茶圓
伸樹 浦岡
眞司 田丸
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、ポリテトラフルオロエチレン(以下、「PT
FE」という)多孔膜およびその製法に関し、さらに詳し
くは半導体工業などのクリーンルームや精密電子機器、
各種薬品、生化学的物品の製造設備等の内部雰囲気を清
浄化するためのエアフィルター濾材、特にULPAフィルタ
ー用濾材及び液体用フィルターとして優れた新規なPTFE
多孔膜およびその製法に関する。
背景技術 最近の半導体工業、精密工業、バイオテクノロジーな
どその製造工程において完全清浄空気や高度に清浄化さ
れた薬液の必要性が強くなっている。特に半導体工業に
おいて近来の高集積化に伴い微細な粒子の除去等、装置
内部の雰囲気を高度に清浄化することが要請される。清
浄空気については今日エアフィルターを用い空気などを
循環させ濾過することで得られている。又特に半導体工
業分野で使用される薬液についても同様に高度に清浄化
することが要請され、フィルターを用い循環させ濾過す
ることで行われている。
この目的で使用されるフィルターは従来から種々のも
のが提案され実用化されている。特にエアフィルターに
ついて今日最も多く使用されているものとしてガラス繊
維にバインダーを加えて抄紙した濾材がある。しかし、
このような濾材にはいくつかの欠点がある。例えば濾材
中の付着小繊維の存在、又は加工による折り曲げ時の自
己発塵の発生、フッ酸などのある種の化学薬品と接触す
るとガラス及びバインダーの劣化により発塵することな
どである。
これらの問題を解決するために合成繊維のエレクトレ
ット濾材(特開昭54−53365号公報参照)を用いること
が提案されているがエレクトレット濾材は微粒子が濾材
に捕集されると静電気力が隠蔽されその効果がなくなり
捕集効果が悪化することが示されている(第11回空気清
浄とコンタミネーションコントロール研究大会153〜156
頁)。そこで、これらの欠点を防ぎ、清浄空間を得るた
めの手段としてポリテトラフルオロエチレン(以下PTFE
と略す)の延伸多孔膜を補助手段として用いることが提
案されている(特公平4−10364号公報及び特開平2−2
84614号公報)。
これらの提案では、圧力損失の増大を防ぐために孔径
1μm以上のPTFE多孔膜を使用している。なお、この提
案などで見られる孔径よりも小さな浮遊粒子を捕集でき
るとされる理由は次の様な理論である。
流体中の粒子の除去メカニズムには次の主要メカニズ
ムがあるとされている(ドムニク・ハンター・フィルタ
ーズ・リミテッド(Domnick Hunter Filters Limited)
カタログ参照): 1)直接遮断:比較的大きな粒子はマイクロ・ファイバ
ーによって遮断され、あたかもふるいにかけられたよう
に除去されるメカニズム。
2)慣性衝突:粒子がマイクロ・ファイバーの間の曲り
くねった通り道を通過する際、気体ほどには迅速に方向
転換できず、結局マイクロ・ファイバーに衝突し付着す
るメカニズム。
3)拡散/ブラウン運動:非常に小さい粒子は分子間力
や静電気に支配され、気体中を螺旋状に回転運動する結
果、見掛けの径が大きくなり、慣性衝突と同様に、マイ
クロ・ファイバーに付着するメカニズム。
4)エレクトレット繊維の電荷捕集のメカニズムで除去
される。
しかし、特開平2−284614号公報に記載されたデータ
が示すように、1μm以下の粒子を完全に除去できるも
のでないことがわかる。
一般に微細粒子を捕集して捕集効率を高めるには孔径
の小さい微細孔組織とすることが必要であるが、微細孔
組織とすると必然的に圧力損失が大きくなり運転操業費
が高価なものとなる。圧力損失を大きくしないためには
濾材の厚みを薄くすることが考えられる。
PTFE延伸多孔膜において薄い膜を作製する方法は大き
く2つある。1つは延伸する前のフィルムの厚みを薄く
する。もう1つは延伸倍率を大きくすることである。延
伸する前のフィルムは一般にペースト押出し、圧延で作
製するため工業的に利用できるフィルムの厚みはせいぜ
い30μm〜50μmまでで品質及び歩留りを考えると100
μm〜200μmの厚みのフィルムを使わざるを得ない。
したがって延伸する前のフィルムの厚みを薄くすること
は困難でフィルムの厚みを薄くするには延伸倍率を大き
くするしかない。
延伸したPTFE多孔膜を用いて微細粒子を捕集する試み
は、特公昭56−17216号公報に開示されている。しかし
ながら同公報第6頁第11欄第23行以下によれば「第1図
には単軸方向の伸張効果が示されているが、二軸方向に
おける伸張でまた全方向における伸張で、同じような小
繊維形成が前記方向に生じ、くもの巣様の或は交さ結合
された形状が生成され、それに付随して強さが増大され
る。重合体の結節と小繊維との間の空所が数と大きさを
増大するので多孔率もまた増大する」と記述されている
ように延伸倍率を大きくするとフィルムの厚みが小さく
なるのに伴って孔径が大きくなってしまい、圧力損失は
小さくなっても同時に捕集効率も低下する。
以上のように孔径が小さく、従って、捕集効率が高
く、かつ圧力損失の小さいフィルターを製造するのは従
来の技術では困難と考えられていた。
発明の概要 本発明は、微小孔径で、しかも圧力損失の小さいPTFE
多孔膜を提供することを目的とする。
本発明はまた、微少孔径で、しかも圧力損失の小さい
PTFE多孔膜の製造方法を提供することをも目的とする。
さらには本発明は、超微粒子の捕集性能の向上したフ
ィルター濾材を提供することをも目的とする。
本発明は、ポリテトラフルオロエチレン未焼成体を二
軸方向に延伸してなるポリテトラフルオロエチレン多孔
膜であって、平均孔径が0.2〜0.4μmであり、かつ5.3c
m/秒の流速で空気を透過させる時の圧力損失が20〜50mm
H2Oであることを特徴とするPTFE多孔膜を要旨とする。
本発明をエアフィルターとして用いると気体中に浮遊す
る0.1μm以上のダストを99.9999%以上捕集することが
できる。
本発明はまた、ポリテトラフルオロエチレンパウダー
をペースト押出し、圧延することにより得られるポリテ
トラフルオロエチレン未焼成テープを、長手方向に250
〜320℃の温度で延伸し、その後幅方向に100〜200℃の
温度で延伸することを特徴とするポリテトラフルオロエ
チレン多孔膜の製造方法をも要旨とする。
本発明のPTFE多孔膜はそのままでも使用できるが他の
低圧力損失多孔質材(補強材)とラミネートして補強す
ることが好ましい。ラミネートしたPTFE多孔膜は取扱い
性が向上し、プリーツ状等に加工して使用することが容
易となる。以下本発明を製造例を含めて詳細に説明す
る。
図面の簡単な説明 図1はPTFE膜の長手方向の延伸装置の模式図を示す。
図1において1はフィルム巻出ロールを、2は巻取ロー
ルを、3,4,5,6,7,8,9はロールを、10はヒートセットロ
ールを、11は冷却ロールを、および12はロールをそれぞ
れ示す。
図2はPTFE膜の巾方向の延伸装置およびラミネート装
置の模式図を示す。図2において13はフィルム巻出ドラ
ムを、14は巻出制御機構を、15は予熱オーブンを、16は
幅方向延伸オーブンを、17は熱固定オーブンを、18,19
はラミネートロールを、19は加熱ロールを、20は巻取制
御機構を、21はフィルム幅方向延伸フィルム巻取ドラム
を、および22,23は不織布取付ドラムをそれぞれ示す。
発明の詳細な記述 PTFE延伸多孔膜の製造にはまずPTFE乳化重合水性分散
体を凝析して製造したファインパウダーにソルベントナ
フサ、ホワイトオイルなどの液状潤滑剤を添加し棒状に
ペースト押出しを行う。その後このペースト押出物を圧
延し、PTFE未焼成テープを得る。このような方法で製造
したテープの厚みは最小でも30〜50μmであり、品質及
び歩留りを考えると100〜200mmの厚みとなる。本発明の
特徴の一つは工業的に生産性に支障のない厚み200mm程
度の延伸前フィルムを用いることができることである。
次にこのテープをまずテープの長手方向に延伸し次に
幅方向へ延伸する。この様にPTFE未焼成テープの延伸は
2工程で行われる。この2工程の延伸条件を検討した結
果延伸倍率が大きくなっても孔径は大きくならないとい
う従来とは異なる現象を驚くべきことに見出したのであ
る。
長手方向の延伸については延伸温度が重要である。長
手方向の延伸温度が低いと次の幅方向延伸によって延伸
倍率とともに孔径が大きくなりエアフィルター濾材とし
て良好なものが得られない。長手方向の延伸温度につい
ては250℃〜320℃、好ましくは300℃近傍で行えば次の
幅方向延伸工程で延伸倍率が大きくなっても孔径は大き
くならない。
幅方向の延伸についても延伸温度が重要である。幅方
向の延伸温度が高いと孔径が大きくなってしまう。その
ため幅方向の延伸温度としては100℃〜200℃、好ましく
は150℃〜200℃で行うと孔径が小さいものができる。延
伸温度が低すぎると延伸性が悪くなり圧力損失を低くす
るまで延伸ができなくなってしまう。
延伸倍率については、延伸倍率が低ければ小孔径、高
捕集効率の濾材が容易に提供できるが圧力損失が高く実
用的ではない。すなわち一般に高性能エアフィルターと
して用いられるULPAフィルターを例にとるとその定格風
量は初期圧温25.4mmH2Oで17m3/分であり、この時濾材の
圧力損失を考えると5.3cm/秒の透過速度で50mmH2O以下
にしないと折込み等考慮しないかぎり達成はむずかし
い。
本発明では延伸倍率が少なくとも長手方向、幅方向を
トータルして100倍以上であれば実用的に使用できる圧
力損失となること、すなわち濾材の圧力損失が5.3cm/秒
の透過速度で50mmH2O以下となることがわかった。
延伸後の熱固定処理はPTFEの融点以上で行うと孔径が
大きくなり目的とする濾材が得られないためPTFEの融点
以上での熱固定処理は行わない。
熱固定処理が行われていないPTFE延伸多孔膜はそのま
までも使用できるが張力がかからないフリーな状態では
すぐに収縮してしまい取扱性が悪い。この問題は補強用
多孔質材料をラミネートすることで解決できる。
補強用多孔質材料としては不織布、織布、メッシュ、
その他の多孔質材が使用できる。補強材の材質としては
オレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレンな
ど)、ナイロン、ポリエステル、アラミド、又はこれら
を複合したもの(例えば芯/鞘構造の繊維からなる不織
布、低融点材料と高融点材料の2層不織布など)更にフ
ッ素系多孔質材が例示できる。とりわけ芯/鞘構造の繊
維からなる不織布、低融点材料と高融点材料の2層不織
布などが好ましい。この様な補強材はラミネート時に収
縮しない。またこの様な補強材をラミネートしたPTFE多
孔膜は特にULPA/HEPAフィルターとして加工しやすく、
フィルターエレメントにする際に折込みピッチが増やせ
る。粒子捕集メカニズムは前述したが粒子を確実に捕集
する為には平均孔径の小さいものが好ましいことは言う
までもない。
ラミネートの態様は、PTFE多孔膜の片面又は両面にラ
ミネートしてよいが、片面ラミネートではPTFEに機械的
な損傷を受けやすく両面にラミネートする方がより好ま
しい。ラミネートの方法は既知の方法の中から適宜選択
すればよく補強材の一部を溶融して行う熱圧着、ポリエ
チレン、ポリエステル、PFAなどの粉末を接着材として
用いる熱圧着、ホットメルト樹脂を用いる熱圧着などが
好ましい。補強用多孔質材をラミネートする場合、一度
PTFE延伸多孔膜を巻取ってから行うのは、低強度や収縮
のため困難であるため、幅方向に延伸し、巻取るまでに
ラミネートすることが好ましい。
本発明のPTFE多孔膜は、エアフィルターとして使用で
きるだけでなく、液体用フィルターとしても使用でき
る。液体用フィルターとして使用する場合、現在一般に
使用されている同じ孔径のPTFE多孔膜濾材に比べ透過流
量が10倍以上大きくなりしたがって液体の大量濾過処理
もしくは動力費を低減させて濾過処理を行うことが可能
となる。さらに本発明のPTFE多孔膜を隔壁として液体を
気化させた場合、液体中の微粒子を除去した清澄なガス
体を得ることができる。そのような具体的な用途の一例
はクリーンな加湿器の隔膜である。
さらに本発明によれば、非常に薄いPTFE多孔膜を工業
的に生産することができ、本発明のPTFE多孔膜は撥水性
を必要とする用途や通気性を必要とする用途に使用でき
る。
実施例 実施例1 数平均分子量が580万で、示差走査熱量計(DSC)の昇
温速度が10℃/分のときの結晶融解図上の吸熱ピークが
345℃で330℃付近にショルダーを示さず、コーモノマー
を含まないPTFEファインパウダーをまず準備した。上記
PTFEファインパウダー100重量部に押出し助剤として炭
化水素油(エッソ石油社製「アイソパーM」)25重量部
を加えシリンダー内径130mm、押出金型ダイス内径16mm
の押出機により丸棒のペースト押出しを行い、これを70
℃に加熱したカレンダーロールにより28m/分の速度でカ
レンダー掛けしてテープとした。このテープを250℃の
熱風乾燥炉に通し押出し助剤を乾燥除去し、平均厚み20
0μm、平均幅180mmのPTFE未焼成テープを作製した。こ
の未焼成テープを第1図に示す装置により延伸した。す
なわちテープ巻出しロール1から未焼成テープをロール
3,4を介してロール6,7に送り、ここでカレンダーと同方
向(長手方向と呼ぶ)へ10倍に延伸した。幅方向の収縮
があり正味の面積はほぼ9倍に拡大された。延伸された
フィルムはロール8,9,10,11及びロール12を介して巻取
りロール2に巻取った。この時の延伸条件は次の通りで
あった。
ロール6:ロール表面温度300℃,周速度1.1m/分 ロール7:ロール表面温度300℃,周速度11m/分 ロール6とロール7の接点間距離:70mm 延伸速度:238%/秒 続いてこの長手方向延伸フィルムをフィルムの両端を
連続的にクリップではさむことのできる第2図に示す装
置により幅方向に15倍,20倍,30倍,40倍に延伸した。
この幅方向の延伸条件は次の通りであった。
予熱オーブンの温度:200℃ 幅方向延伸オーブンの温度:200℃ 熱固定オーブンの温度:200℃ 延伸速度:45%/秒 実施例2 実施例1と同様に長手方向の延伸速度を変えずに3倍
に延伸しフィルムを実施例1の条件で幅方向に40倍に延
伸した。
実施例3 実施例1の幅方向に40倍に延伸したフィルムの両面に
第2図のラミネート装置を用いて不織布をインラインで
ラミネートした。
このラミネート条件は次の通りであった。
上側不織布:エルベスT1003WDO(ユニチカ株式会社製
品) 下側不織布:エルフイットE0303WDO(ユニチカ株式会社
製品) 加熱ロール温度:190℃ 比較例1 実施例1の長手方向延伸においてロール表面温度を20
0℃にした以外は同条件で長手方向へ10倍に延伸した。
この延伸フィルムを実施例1と同様に幅方向へ5倍,10
倍,15倍,20倍,30倍,40倍に延伸した。
比較例2 実施例1と同条件で長手方向に10倍延伸したフィルム
を、実施例1と同じ幅方向に延伸する装置を用いて5
倍,10倍,15倍,20倍,30倍,40倍に延伸した。この時の幅
方向の延伸条件は次の通りであった。
予熱オーブンの温度:300℃ 幅方向延伸オーブンの温度:320℃ 熱固定オーブンの温度:320℃ 延伸速度:45%/秒 比較例3 実施例1の幅方向に40倍に延伸したフィルムを収縮し
ない様に枠で固定し、雰囲気温度350℃のオーブンに3
分間入れて熱固定を行った。
実施例1〜3、比較例1〜3で得たフィルムについて
平均孔径、圧力損失、0.1μm以上のダストの捕集効率
を測定した。測定方法は後記の通りである。結果を表1
に示す。
実施例4 実施例1と同条件で長手方向に10倍に延伸したフィル
ムを実施例1と同じ幅方向に延伸する装置を用いて、幅
方向に10倍、20倍に延伸した。この時の幅方向の延伸条
件は次の通りであった。
予熱オーブンの温度 150℃ 幅方向延伸オーブンの温度 150℃ 熱固定オーブンの温度 150℃ 延伸速度 45%/秒 得られたフィルムの平均孔径、圧力損失および捕集効
率を延伸条件と共に表2に示した。
比較例4 実施例1と同条件で長手方向に10倍に延伸したフィル
ムを実施例1と同じ幅方向に延伸する装置を用いて、幅
方向に5倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍に延伸し
た。この時の幅方向の延伸条件は次の通りであった。
予熱オーブンの温度 220℃ 幅方向延伸オーブンの温度 220℃ 熱固定オーブンの温度 220℃ 延伸速度 45%/秒 得られたフィルムの平均孔径、圧力損失および捕集効
率を延伸条件と共に表3に示した。
比較例5 幅方向延伸の各オーブンの温度を90℃とした以外は、
比較例4と同様に延伸した。得られたフィルムの平均孔
径、圧力損失および捕集効率を延伸条件と共に表3に示
した。
実施例1のフィルムについての結果からわかるように
延伸倍率が大きくなっても孔径の増大は小さく長手方向
10倍、幅方向40倍トータル400倍となっても孔径は0.4μ
m以下であり十分にエアフィルター濾材として使用でき
る。又実施例2のフィルムについての結果より長手方向
の延伸倍率が小さくても幅方向に十分に延伸し、延伸倍
率がトータルで100倍を超えれば圧力損失も低くなり十
分にエアフィルター濾材として使用できることがわか
る。
実施例3より不織布とラミネートを行っても孔径、圧
力損失に影響はないことがわかる。又、不織布とラミネ
ートすることでフィルムを張力がかからないフリーな状
態にしても収縮などは生じなかった。
比較例1のフィルムについての結果より長手方向の延
伸温度を低くすると孔径は増大することがわかる。低延
伸倍率においては孔径は小さく捕集効率も良いが圧力損
失が大きくエアフィルター濾材としては不適である。又
延伸倍率がトータルで100倍をこえると圧力損失は小さ
くなるが孔径が増大してしまいエアフィルター濾材とし
ては好ましくない。
比較例2のフィルムについての結果より幅方向の延伸
を高温で行うと孔径が増大しやはりエアフィルター濾材
としては好ましくないことがわかる。
比較例3のフィルムについての結果よりPTFEの融点よ
り高温で熱固定処理を行うとやはり孔径が増大しエアフ
ィルター濾材としては好ましくないことがわかる。
この様に本発明によれば延伸倍率を大きくしても孔径
が増大せずその結果圧力損失が低く優れた捕集効率をも
つエアーフィルター濾材を提供することができる。
本明細書に記載した各特性の測定方法を説明する。
平均孔径 ASTM F−316−86の記載に準じて測定されるミーン
フローポアサイズ(MFP)を平均孔径とした。実際の測
定は、コールターポロメーター(Coulter Porometer)
[コールター・エレクトロニクス(Coulter Electronic
s)社(英国)製]で測定を行った。
圧力損失 延伸サンプルを直径47mmの円形に切り出し、透過有効
面積12.6cm2のフィルターホルダーにセットし、これの
入口側を0.4kg/m2に加圧し、出口側から出る空気の流量
を上島製作所製流量計で多孔膜透過流速を5.3cm/秒に調
節し、その時の圧力損失をマノメーターで測定した。
捕集効率 延伸サンプルを直径100mmのフィルターホルダーにセ
ットとしコンプレッサーで入口を加圧し流量計で空気の
多孔膜を透過する流量を5.3cm/秒に合わせる。この状態
で上流側に濃度107/300mlの多分散DOPを流し、下流側に
置いたパーティクルカウンター(PMS LAS−X−CRT)に
よって粒径0.1μmからの粒径別透過ダスト数を求めそ
れより捕集効率を求めた。なお高捕集効率のサンプルに
ついては測定時間を長くし吸引量を増やし求めた。
以上説明してきたように本発明のPTFE多孔膜は、フィ
ルター濾材として用いると空気及び気体中の浮遊微粒子
を捕集する効率が非常に高く、又濾材の孔径が小さいこ
とからその径以上の微粒子を完全に捕集せしめしかも圧
力損失が小さい。
さらに本発明のPTFE多孔膜はフィルター濾材として用
いる場合、自己発塵や2次汚染がなく高効率で低コスト
な清浄処理を実施することのでき、又液体については透
過流量が非常に大きく大量の液体の濾過処理ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 勝年 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキ ン工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 井上 治 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキ ン工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 茶圓 伸一 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキ ン工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 浦岡 伸樹 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキ ン工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 田丸 眞司 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキ ン工業株式会社淀川製作所内 (56)参考文献 特開 平5−202217(JP,A) 特開 平3−17136(JP,A) 特開 平3−41130(JP,A) 特開 平3−221541(JP,A) 特開 平3−174452(JP,A) 特開 昭48−56763(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 71/36 C08J 9/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリテトラフルオロエチレン未焼成体を二
    軸方向に延伸してなるポリテトラフルオロエチレン多孔
    膜であって、平均孔径が0.2〜0.4μmであり、かつ5.3c
    m/秒の流速で空気を透過させる時の圧力損失が20〜50mm
    H2Oであることを特徴とするポリテトラフルオロエチレ
    ン多孔膜。
  2. 【請求項2】補強用多孔質材料がポリテトラフルオロエ
    チレン多孔膜の少なくとも片面にラミネートされている
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載のポリテトラ
    フルオロエチレン多孔膜。
  3. 【請求項3】ポリテトラフルオロエチレンファインパウ
    ダーをペースト押出し、圧延することにより得られるポ
    リテトラフルオロエチレン未焼成テープを長手方向に25
    0〜320℃の温度で延伸し、その後幅方向に100〜200℃の
    温度で延伸することを特徴とするポリテトラフルオロエ
    チレン多孔膜の製造方法。
  4. 【請求項4】延伸が伸長面積倍率で100倍以上行われる
    ことを特徴とする請求の範囲第3項に記載のポリテトラ
    フルオロエチレン多孔膜の製造方法。
  5. 【請求項5】延伸された膜をポリテトラフルオロエチレ
    ンの融点以上で熱固定処理しないことを特徴とする請求
    の範囲第3項に記載のポリテトラフルオロエチレン多孔
    膜の製造方法。
  6. 【請求項6】延伸された膜の少なくとも片面に補強用多
    孔質材料をラミネートすることを特徴とする請求の範囲
    第3項に記載のポリテトラフルオロエチレン多孔膜の製
    造方法。
  7. 【請求項7】幅方向に延伸された膜を巻取る前に補強用
    多孔質材料をラミネートすることを特徴とする請求の範
    囲第6項に記載のポリテトラフルオロエチレン多孔膜の
    製造方法。
  8. 【請求項8】請求の範囲1〜2のいずれかに記載のポリ
    テトラフルオロエチレン多孔膜からなるフィルター。
JP6516863A 1993-01-25 1994-01-21 ポリテトラフルオロエチレン多孔膜およびその製造方法 Expired - Lifetime JP2940166B2 (ja)

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JP2005144317A (ja) * 2003-11-14 2005-06-09 Horiba Ltd 粒子状物質捕集用フィルタおよびこれを用いた粒子状物質サンプラー
CN105479897A (zh) * 2015-12-31 2016-04-13 浙江新达经编有限公司 一种混纺面料及其加工方法

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