JPH07330920A - フッ素樹脂多孔膜と樹脂成形体との接着物 - Google Patents

フッ素樹脂多孔膜と樹脂成形体との接着物

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JPH07330920A
JPH07330920A JP6128921A JP12892194A JPH07330920A JP H07330920 A JPH07330920 A JP H07330920A JP 6128921 A JP6128921 A JP 6128921A JP 12892194 A JP12892194 A JP 12892194A JP H07330920 A JPH07330920 A JP H07330920A
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JP
Japan
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fluororesin
adhesive
fluororesin porous
kcal
porous membrane
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Application number
JP6128921A
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English (en)
Inventor
Masataka Murahara
正隆 村原
Akira Watanabe
渡邉  朗
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai University
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Tokai University
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フッ素樹脂多孔膜と樹脂成形体との間にフッ
素原子との結合エネルギーが128kcal/mol以
上の原子を有する化合物を介在させ、フッ素樹脂多孔膜
と樹脂成形体とを該フッ素樹脂の融点以下の温度で圧着
しつつ128kcal以上の紫外線を照射照射して得ら
れる、フッ素樹脂多孔膜と樹脂成形体との接着物。 【効果】 フッ素樹脂多孔膜を樹脂成形体に強固に接着
することができるため、フッ素樹脂多孔膜を使用した濾
過フィルターやフッ素樹脂多孔膜をセパレーターとして
用いた電池など、様々な用途に利用できる効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フッ素樹脂多孔膜と樹
脂成形体との接着物に関する。詳しくは、本発明は、シ
リコーン樹脂等の特定の化合物の存在下で、128kc
al以上の紫外線を照射することによりフッ素樹脂多孔
膜の表面を改質し、樹脂成形体との間が強固に接着され
た接着物に関する。
【0002】フッ素樹脂多孔膜は、化学的熱力学的に安
定した樹脂であるため、高温の薬液を濾過する濾過フィ
ルターに好適に利用される。また、高い耐酸化性の要求
されるバッテリーセパレーターなどに好適に利用され
る。
【0003】
【従来の技術】多孔膜は食品分野や半導体分野で幅広く
用いられ、水や薬品などの液体の精密濾過や、バッテリ
ーセパレーターなどで多く利用されている。特に半導体
集積回路を製造する微細加工分野では、微粒子の少ない
クリーンな薬液が必要とされるため、薬液の濾過フィル
ターには微粒子の除去性能、液体の透過流速、耐薬品
性、耐熱性等が要求されている。そこで、耐熱性、耐薬
品性に優れたフッ素樹脂製濾過フィルターが多く利用さ
れている。
【0004】ところが、フッ素樹脂は表面に並んでいる
フッ素原子が接着剤との親和性を阻害するため、一般に
接着剤を用いて接着することがきわめて難しく、フッ素
樹脂製濾過フィルターを製造する場合には、特公昭62
−59962等に記載された溶融法が利用されてきた。
すなわち、フッ素樹脂製の濾過フィルターを組み立てる
場合には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン製の微
多孔膜を2枚のネット状もしくは不織布状のフッ素樹脂
製のサポーター間に配置し、これらをプリーツ状に加工
した後、円筒状に巻いた末端同士を接着するが、この
際、末端部をフッ素樹脂の融点以上に加熱して、多孔膜
とサポータ−の熱融着を行っていた。
【0005】しかしながら、この方法ではポリテトラフ
ルオロエチレンの溶融粘度が非常に高いため、接着面で
の樹脂の絡み合いが起きにくく、融着強度が充分に得ら
れなかった。また、フッ素樹脂の融点以上に加熱するた
めフッ素樹脂成形体が変形し、出来上がったフィルター
の寸法精度が悪いなどの欠点を持っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、フッ素樹脂の
表面を改質し、接着剤との親和性を増加させ、化学的に
接着する方法が種々試みられている。例えば、金属ナト
リウム錯体を用いる方法、プラズマ法、アルカリ金属溶
液法、放電処理等による接着法が知られている。しか
し、通常よく用いられている金属ナトリウム錯体を用い
る方法では、水洗時に処理液が水と急激に反応し、引火
ないし爆発するため、取扱いが非常に面倒である。ま
た、そのほかの方法においてもフッ素樹脂表面の必要と
する部分のみを選択的に改質することが難しいなどの問
題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点に鑑み鋭意検討した結果、フッ素原子との結合エネル
ギーが128kcal/mol以上の原子を有する化合
物の存在下で128kcal以上の光子エネルギーを有
する紫外線を照射することにより、フッ素樹脂多孔膜と
樹脂成形体とが強固に接着された接着物が得られるこ
と、および、(a)フッ素原子との結合エネルギーが1
28kcal/mol以上の原子と(b)親水基、親油
基及び接着剤固有の官能基から選ばれる少なくとも一種
の官能基とを共に有する化合物の存在下、128kca
l以上の紫外線を照射して表面を改質した後、有機溶剤
及び/又は接着剤を塗布し、樹脂成形体を圧着すること
によってもフッ素樹脂多孔膜と樹脂成形体とが強固に接
着された接着物が得られるを見いだし、本発明に到達し
た。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、フッ素樹脂多
孔膜と樹脂成形体との間にフッ素原子との結合エネルギ
ーが128kcal/mol以上の原子を有する化合物
を介在させ、フッ素樹脂多孔膜と樹脂成形体とを該フッ
素樹脂の融点以下の温度で圧着しつつ128kcal以
上の紫外線を照射して得られる、フッ素樹脂多孔膜と樹
脂成形体との接着物、及び、フッ素樹脂多孔膜に(a)
フッ素原子との結合エネルギーが128kcal/mo
l以上の原子と(b)親水基、親油基及び接着剤固有の
官能基から選ばれる少なくとも一種の官能基とを共に有
する化合物の存在下、128kcal以上の紫外線を照
射して表面を改質した後、有機溶剤及び/又は接着剤を
塗布し、これに樹脂成形体を圧着して得られることを特
徴とする、フッ素樹脂多孔膜と樹脂成形体との接着物、
並びにそれを用いた濾過フィルターエレメントに存す
る。
【0009】本発明のフッ素樹脂多孔膜に用いるフッ素
樹脂とは、C−F結合を有するものであり、例えばポリ
テトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略す)、ポ
リフッ化ビニリデン(PVdF)、テトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、
テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロ
エチエン(PCTFE)および、エチレン−テトラフル
オロエチレン共重合体(ETFE)などが挙げられる。
【0010】フッ素樹脂多孔膜は公知の方法により製造
することができ、例えば、特公昭58−25332,特
公昭42−13560などに記載された延伸法を用いて
得ることができる。フッ素樹脂多孔膜の膜厚、孔径は処
理液の種類、濾過目的によって任意に選定することがで
きる。通常、膜厚は10〜100μm、平均孔径は0.
01〜1μmのものが好ましく用いられる。
【0011】これらのフッ素樹脂多孔膜の形状は平膜で
あっても、筒状であっても、中空糸であってもよい。ま
た、フッ素樹脂多孔膜の使用形態としては単体で用いて
もよく、また、孔径の異なる多孔膜、不織布等のフッ素
樹脂製補強材を張り合わせて用いてもよい。また、樹脂
成形体に用いられる樹脂としては、特に制限はなく、フ
ッ素樹脂多孔膜と同種の樹脂でもよいが、好ましくは水
素含有樹脂が用いられ、このうちから目的に応じて適宜
に選択することができる。具体的には、ポリエチレンや
ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエステル、
ポリアミド、ポリイミド、ポリビニル樹脂、PTFEを
除くC−H結合を含んだフッ素樹脂等が挙げられ、特に
はPFA等のフッ素樹脂が、耐薬品性、耐熱性に優れて
おり、薬品の濾過フィルター等に用いる場合には好適で
ある。
【0012】本発明におけるフッ素樹脂多孔膜と樹脂成
形体との接着物は、フッ素原子との結合エネルギーが1
28kcal/mol以上の原子を有する化合物の存在
下、128kcal以上の紫外線を照射してなるフッ素
樹脂多孔膜と樹脂成形体とからなる。本発明のフッ素樹
脂多孔膜と樹脂成形体との接着物は、フッ素樹脂多孔膜
と樹脂成形体との間にフッ素原子との結合エネルギーが
128kcal/mol以上の原子を有する化合物を介
在させ、フッ素樹脂多孔膜と樹脂成形体とを該フッ素樹
脂の融点以下の温度で圧着しつつ、128kcal以上
の紫外線を照射することにより得られる。
【0013】すなわち、本発明においては、フッ素樹脂
多孔膜に、C−F結合の解離エネルギー(128kca
l/mol)よりも高い光子エネルギーを有する紫外線
を照射することにより、フッ素樹脂多孔膜表面のC−F
結合を切断し、フッ素樹脂多孔膜から脱フッ素反応を行
う。そして、紫外線照射を止めたときに、脱離したフッ
素原子が炭素原子と再結合しないようにフッ素との結合
エネルギーが128kcal/mol以上の原子を有す
る化合物を接触させる。これにより、該フッ素樹脂の融
点以下の温度でフッ素樹脂多孔膜と樹脂成形体とを加圧
ロールなどで圧着することによって、フッ素が脱離した
後の結合子がより接着性の高い基と結合し、フッ素樹脂
多孔膜と樹脂成形体とは強固に接着されるものである。
【0014】128kcal以上の紫外線としては、波
長193nmのArFレーザーが光子エネルギー147
kcalであり、好適である。また、ArFレーザーは
光子密度が紫外線ランプなどに比べ格段に高いので、表
面から比較的深い部分まで改質され、接着が強固になる
ため好適である。フッ素原子との結合エネルギーが12
8kcal/mol以上の原子としては、例えばSi、
Ti、H、Li、Ge、Ba、Al、Bなどが挙げられ
る。中でも、Si、H、Al、Bが好ましい。中でも、
H、Al、Bが好ましい。すなわち、Al、B等ではフ
ッ素原子との結合エネルギーが147kcal/mol
よりも大きいため、ArFレーザーの照射によっても結
合が切断せず、脱離したフッ素原子と炭素原子との再結
合が防止されるため好ましい。また、Hはフッ素との結
合エネルギーが136kcal/molであり、147
kcalの光子エネルギーを持つArFレーザーよりも
小さい。しかし、この147kcal付近に吸収がない
ため、この原子を含む化合物も好適に用いられる。
【0015】また、該原子を有する化合物とは、特に限
定されるものではなく、任意に選ばれるが、水素を含む
ものが種類も多く好適であり、目的に応じて用いられ
る。例えば、B化合物、Al化合物、H22水溶液、ア
ルコール類、石油類などの脂肪族炭化水素、芳香族炭化
水素、ビニルモノマーやオリゴマー、樹脂、水などが挙
げられる。
【0016】B化合物としては、ほう酸水溶液、B(C
33、B(C253等、Al化合物としてはAl
(CH33、Al(C253等、アルコール類として
はメタノール、エタノール、プロパノール等、石油類と
しては炭化水素類、ケロシンなど、芳香族炭化水素とし
てはベンゼン、キシレン、トルエン等のアルキル基置換
体、ジアミノベンゼン等のアミノ基置換体、ビニルモノ
マーやオリゴマーとしては、エチレン、スチレン、塩化
ビニル、アクリル酸、フッ素樹脂オリゴマーなど、樹脂
としては、ポリエチレン、ナイロン、シリコーン樹脂
(シリコーンゴム、シリコーン樹脂系接着剤等)、ゴム
類などが挙げられる。
【0017】これらの化合物は気体で用いても液体でも
固体でもよい。中でも、シリコーン樹脂やフッ素樹脂オ
リゴマーなどは耐薬品性、耐熱性で優れているため好適
に用いられる。また、フッ素樹脂多孔膜と樹脂成形体と
の間にフッ素原子との結合エネルギーが128kcal
/mol以上の原子を介在させる際に、有機溶媒及び/
又は接着剤を塗布した後、圧着して接着させることも好
ましい。
【0018】この場合には、本発明で用いられる化合物
としては、(a)フッ素原子との結合エネルギーが12
8kcal/mol以上の原子と(b)親水基、親油基
及び接着剤固有の官能基から選ばれる少なくとも一種の
官能基とを共に有する化合物が、特に好適に使用され
る。ここで、親水基としては、−OH、−COOH、−
NH2、−CO、−SO3HあるいはO、N、Sなどの原
子を含む基が挙げられるが、好ましくは−OH、−NH
2、更に好ましくは−NH2である。親油基としては、−
n2n+1(nは1以上の整数) や−C65などの炭化
水素を含む基が挙げられる。
【0019】また、接着剤固有の官能基とは、メチル基
等のアルキル基、エポキシ基等の複素環含有基、水酸
基、スルホン基などの通常接着剤として用いられる官能
基を示す。そして、該(a)と(b)を共に有する基と
しては、上記のB化合物、Al化合物、アルコール類、
芳香族化合物、石油類、水、シリコーン樹脂などが挙げ
られる。
【0020】これらの(a)と(b)を共に有する化合
物の存在下で128kcal以上の光子エネルギーを有
する紫外線を照射すると、照射部に目的の官能基が導入
され、有機溶剤あるいは接着剤との親和性を向上させる
ことができる。したがって、これまで接着剤との親和性
が悪く接着できなかったフッ素樹脂多孔膜を接着剤を用
いて、他の樹脂成形体と強固に接着することができる。
【0021】また、有機溶剤には、フッ素樹脂多孔膜や
樹脂成形体の改質された部分を溶解する働きのあるもの
が用いられる。例えば、アセトンやメタノール酢酸エチ
ル、DMF、DMSOなどが挙げられる。接着剤として
は、エポキシ樹脂、酢酸ビニル重合体エマルジョン、シ
アノアクリレート系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤、
フッ素樹脂系接着剤など市販の接着剤を広く使用するこ
とができる。特にシリコーン樹脂系接着剤やフッ素樹脂
系接着剤は耐薬品性、耐熱性に優れており、好適に利用
できる。
【0022】すなわち、本発明においては、フッ素樹脂
多孔膜に(a)フッ素原子との結合エネルギーが128
kcal/mol以上の原子と(b)親水基、親油基及
び接着剤固有の官能基から選ばれる少なくとも一種の官
能基とを共に有する化合物の存在下、128kcal以
上の紫外線を照射して表面を改質した後、有機溶剤及び
/又は接着剤を塗布し、これに樹脂成形体を圧着するこ
とによっても、強固に接着されたフッ素樹脂多孔膜と樹
脂成形体との接着物が得られる。
【0023】本発明における化合物をフッ素樹脂多孔膜
に介在させる方法としては、該化合物を含む溶液にフッ
素樹脂多孔膜を浸漬する方法、該化合物を含む溶液をフ
ッ素樹脂多孔膜に塗布する方法、もしくは該化合物を含
むガスを接触させる方法等が用いられる。本発明では、
次いでこれにArFレーザー等を照射し、フッ素樹脂多
孔膜の表面を改質するが、その後、上述した有機溶剤や
接着剤を照射表面に塗り、すぐに樹脂成形体を圧着せし
めることにより、フッ素樹脂多孔膜と樹脂成形体とを強
固に結合することもできる。
【0024】また、本発明は、フッ素樹脂多孔膜と熱可
塑性フッ素樹脂成形体で濾過フィルターを組み立てる際
に特に好適に利用できる。濾過フィルターエレメントと
しては、下記一例を用いて説明するが、これに限定され
るものではない。まず、フッ素樹脂多孔膜の両面にネッ
ト状もしくは不織布状の樹脂成形体を重ねてサンドイッ
チ状にし、この三層構造シートをプリーツ状に折り曲げ
る。そして、その両側端部の外側および層間に接着剤を
挟み、ArFレーザーを照射して接着することにより、
円筒状の濾過エレメントを作成する。
【0025】次に、この円筒状濾過エレメントの両端部
にフッ素との結合エネルギーが128kcal/mol
以上の原子、例えばほう酸水溶液や石油、シリコーン樹
脂接着剤を塗り、円盤状の樹脂成形体を圧着し、ArF
レーザーを照射し、円筒状濾過エレメントと樹脂成形体
を接着し、濾過フィルターを作成する。または、円筒状
の濾過エレメントを作成した後、この円筒状濾過エレメ
ントの両端部、及びこの濾過エレメントを接着させる円
盤状樹脂成形体にフッ素との結合エネルギーが128k
cal/mol以上の原子と親水性、疎水性もしくは接
着剤固有の官能基とを共に有する化合物(ほう酸水溶
液、過酸化水素水溶液、アンモニア水溶液、酢酸、アク
リルアミドなど)を塗付し、ArFレーザーを照射し
て、表面を改質する。そして、有機溶剤や接着剤を用い
て、円筒状濾過エレメントと樹脂成形体を接着し、濾過
フィルターを作成する。
【0026】このようにして得られる本発明の濾過フィ
ルターエレメントは、接着強度が充分に得られ、また、
フッ素樹脂の融点以上に加熱する必要がないため、フッ
素樹脂成形体の変形等によるフィルターの寸法精度の低
下等の欠点がない。本発明は、フッ素樹脂多孔膜のバッ
テリーセパレーターを用いて電池を作成する際にも好適
に利用できる。この場合、一方の端を本発明にしたがっ
て接着した、2枚のフッ素樹脂製のバッテリーセパレー
ター及び、正極、負極の電極を、セパレーター・正極・
セパレーター・負極の順で4層に重ねてスパイラル状に
巻き上げ、もう一方の端も本発明を用いて接着すること
により、電池を作成することができる。
【0027】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定される物ではない。尚、剥離強度は次の方
法で測定した。即ち、幅10mm、長さ50mmのPT
FE多孔膜とPFAシートを幅10mm、長さ10mm
にわたって接着し、室温で24時間かけて硬化後に、T
型剥離試験を10mm/minの引っ張り速度で実施
し、剥離する際の引っ張り力を剥離部の幅で除して剥離
強度を求めた。
【0028】<実施例1>厚み100μmの透明PFA
シートにシリコーンゴム(信越シリコーン製一液型RT
VゴムFE2000)を10μ塗り、すぐにPTFE多
孔膜を重ねて張り合わせた後、室温にて0.5kg/c
2 で圧縮しながら、処理面で20mJ/cm2 のアル
ゴンフッ素(ArF)レーザーを3000ショット(1
ショット10ナノ秒で1秒間に10パルス)照射した
後、室温にて24時間養生した試料についてT型剥離試
験を行ったところ、表1に示す剥離強度を有していた。
【0029】<実施例2>厚み100μmの透明PFA
シートにシリコーンゴム(信越シリコーン製一液型RT
VゴムKE3418)を塗り、すぐにPTFE多孔膜を
重ねて張り合わせた後、実施例1と同様にアルゴンフッ
素レーザーを照射して接着した。剥離結果を表1に示
す。
【0030】<実施例3>プリーツ状に加工したPTF
E多孔膜をPFAのネット状サポーター2枚中に挟み、
円筒状に巻き、端部をシリコーンゴム(信越シリコーン
製一液型RTVゴムFE2000)を介して合わせ、室
温にて0.5kg/cm2 で圧縮しながら、処理面で2
0mJ/cm2 のアルゴンフッ素(ArF)レーザーを
3000ショット(1ショット10ナノ秒で1秒間に1
0パルス)照射し、円筒状濾過フィルターエレメントを
作成した。その円筒状濾過フィルターエレメントの端部
に同じシリコーンゴムを塗り、円盤状のPFA製成形体
を同様に圧着してアルゴンフッ素レーザーを照射して濾
過フィルターを作成した。この濾過フィルターをイソプ
ロピルアルコールで湿らせ、耐圧試験を行ったところ、
4kg/cm2の圧力をかけても漏れはなかった。
【0031】<比較例1>PFAシートにシリコーンゴ
ム(信越シリコーン製一液型RTVゴムFE2000)
を塗り、すぐにPTFE多孔膜を重ねて張り合わせただ
けでArFレーザーを照射しないで接着剤を室温にて2
4時間かけて硬化させた。剥離結果を表1に示す。接着
剤とフッ素樹脂との親和性が悪く非常に剥離強度が小さ
い。
【0032】<比較例2>PFAシートとPTFE多孔
膜を重ねて340℃にて融着した。剥離結果を表1に示
す。
【0033】<実施例4>2%のほう酸水溶液数滴を厚
み100μmの透明PFAシートおよび、PTFE多孔
膜のそれぞれに滴下し、石英ガラス板で抑えて厚み50
μmの液層を形成し、処理面のエネルギー密度が25m
J/cm2でアルゴンフッ素(ArF)レーザーを40
00ショット(1ショット10ナノ秒で1秒間に10パ
ルス)照射して表面を改質した。その後、その上にシリ
コーンゴム(信越シリコーン製一液型RTVゴムFE2
000)を10μm塗り、すぐにPTFE多孔膜を重ね
て張り合わせた後、0.5kg/cm2で圧縮しなが
ら、室温にて24時間養生した試料についてT型剥離試
験を行った。結果を表1に示す。
【0034】<実施例5>PTFE多孔膜の端部とPF
Aのネット状サポーターの接着部分に対し、実施例4と
同様に石英ガラス板との間に50μmの厚さの2%ほう
酸水溶液の液相を作り、ArFレーザーを照射して表面
を改質した。その後、プリーツ状に加工したPTFE多
孔膜をPFAのネット状サポーター2枚中に挟み、円筒
状に巻き、改質部をシリコーンゴム(信越シリコーン製
一液型RTVゴムFE2000)を介して合わせ、0.
5kg/cm2で圧縮して、円筒状濾過フィルターエレ
メントを作成した。その円筒状濾過フィルターエレメン
トの端部と円盤状のPFA製成形体を実施例4と同様に
処理して表面を改質した後、同じシリコーンゴムを塗
り、圧着して濾過フィルターを作成した。この濾過フィ
ルターをイソプロピルアルコールで湿らせ、耐圧試験を
行ったところ、4kg/cm2の圧力をかけても漏れは
なかった。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、フッ素樹脂多孔膜を樹
脂成形体に強固に接着することができるため、フッ素樹
脂多孔膜を使用した濾過フィルターやフッ素樹脂多孔膜
をセパレーターとして用いた電池など、様々な用途に利
用できる効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/16 8413−4F C08J 7/00 CEW 304 H01M 2/16 P // B29K 27:12 105:04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ素樹脂多孔膜と樹脂成形体との間にフ
    ッ素原子との結合エネルギーが128kcal/mol
    以上の原子を有する化合物を介在させ、フッ素樹脂多孔
    膜と樹脂成形体とを該フッ素樹脂の融点以下の温度で圧
    着しつつ128kcal以上の光子エネルギーを有する
    紫外線を照射して得られる、フッ素樹脂多孔膜と樹脂成
    形体との接着物。
  2. 【請求項2】フッ素樹脂多孔膜に(a)フッ素原子との
    結合エネルギーが128kcal/mol以上の原子と
    (b)親水基、親油基及び接着剤固有の官能基から選ば
    れる少なくとも一種の官能基とを共に有する化合物の存
    在下、128kcal以上の紫外線を照射して表面を改
    質した後、有機溶剤及び/又は接着剤を塗布し、これに
    樹脂成形体を圧着して得られることを特徴とする、フッ
    素樹脂多孔膜と樹脂成形体との接着物。
  3. 【請求項3】フッ素原子との結合エネルギーが128k
    cal/mol以上の原子を有する化合物が、シリコー
    ン樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載のフ
    ッ素樹脂多孔膜と樹脂成形体との接着物。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3記載の接着物を用いること
    を特徴とする、濾過フィルターエレメント。
  5. 【請求項5】フッ素樹脂多孔膜の平均孔径が0.01〜
    1μmであることを特徴とする請求項4記載の濾過フィ
    ルターエレメント。
  6. 【請求項6】フッ素樹脂多孔膜と樹脂成形体との積層シ
    ートをプリーツ状に折り畳み、円筒状に形成した後、少
    なくともその両端部に(a)フッ素原子との結合エネル
    ギーが128kcal/mol以上の原子と(b)親水
    基、親油基及び接着剤固有の官能基から選ばれる少なく
    とも一種の官能基とを共に有する化合物を介在させ、該
    フッ素樹脂の融点以下の温度で圧着し、次いで128k
    cal以上の紫外線を照射して積層シートの両端部同士
    及びフッ素樹脂多孔膜と樹脂成形体とを接着することを
    特徴とする濾過フィルターエレメントの製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1乃至3記載の接着物を用いること
    を特徴とする、バッテリーセパレーター。
  8. 【請求項8】フッ素樹脂多孔膜の平均孔径が0.01〜
    1μmであることを特徴とする請求項7記載のバッテリ
    ーセパレーター。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004078460A1 (ja) * 2003-03-07 2004-09-16 Kuraray Co., Ltd. プラスチックの接着方法
JP2007527333A (ja) * 2003-11-05 2007-09-27 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー フルオロポリマー基材を変性する方法およびそれによる複合品

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