JPH1075728A - 冷凍フライ食品 - Google Patents

冷凍フライ食品

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Publication number
JPH1075728A
JPH1075728A JP8255453A JP25545396A JPH1075728A JP H1075728 A JPH1075728 A JP H1075728A JP 8255453 A JP8255453 A JP 8255453A JP 25545396 A JP25545396 A JP 25545396A JP H1075728 A JPH1075728 A JP H1075728A
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JP
Japan
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frozen
guar gum
decomposed
batter
product
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP8255453A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomiyoshi Nishigori
富美 錦織
Masayasu Takeuchi
政保 竹内
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Japan Maize Products Co Ltd
Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
Original Assignee
Japan Maize Products Co Ltd
Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Japan Maize Products Co Ltd, Nihon Shokuhin Kako Co Ltd filed Critical Japan Maize Products Co Ltd
Priority to JP8255453A priority Critical patent/JPH1075728A/ja
Publication of JPH1075728A publication Critical patent/JPH1075728A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷凍保存しても衣のサクサク感が十分に維持
されるようにした冷凍フライ食品を提供する。 【解決手段】 5重量%水溶液を25℃にてB型粘度計で
回転数60rpm で測定した粘度が10〜20cps となるように
分解されたグアガム分解物、又は、このグアガム分解物
と、5重量%水溶液を25℃にてB型粘度計で回転数60rp
m で測定した粘度が5〜20cps となるように分解された
ヘミセルロース分解物との混合物を含有する衣材を用
い、具材にこの衣材を付着させ、そのまま冷凍するか、
あるいは油ちょうした後、冷凍して冷凍フライ食品を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、具材に衣材を付着
させ、場合によっては更に油ちょうした後、冷凍して得
られる冷凍フライ食品に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えばコロッケ、トンカツ、エ
ビフライ、天ぷら等のフライ食品は、野菜類、肉類、魚
介類等の具材に、衣材を付着させた後、油ちょうして作
られている。これらのフライ食品は、食べるときに具材
がジューシーで、かつ、衣がサクサクしたものが好まし
いとされている。
【0003】家庭で具材に衣材を付けて油ちょうして作
る場合には、揚げたてのものをそのまま食べられるの
で、具材のジューシー感や、衣のサクサク感に優れたも
のを食べられるが、具材への衣付けや、油ちょうの作業
が面倒くさく、火事等の危険もあり、台所が汚れやすい
等の不便さがあるため、特に一人暮らしの若者等におい
ては敬遠されがちである。
【0004】このため、具材に衣材を付着させてそのま
ま、あるいは、衣材を付着させて油ちょうした後、冷凍
して得られる冷凍フライ食品が市販されている。この冷
凍フライ食品において、具材に衣材を付着させて冷凍し
たものは、消費者が食べるときに油ちょうするだけで食
べることができ、具材に衣材を付着させて油ちょうした
後冷凍したものは、消費者が電子レンジやオーブンで加
熱するだけで食べることができるという便利さがある。
【0005】ところが、上記のような冷凍フライ食品で
は、冷凍して解凍した時に発生する具材のドリップや、
油ちょうして冷凍したものにおいては、電子レンジ等で
加熱したときに具材から発生する水蒸気によって、具材
の外周にある衣材が吸湿して軟化するため、衣本来のサ
クサクとした食感が失われて、風味が悪くなるという問
題点があった。
【0006】このような問題を解決するために、衣材に
種々の物質を添加して、衣材の食感を良好に維持する技
術が種々提案されている。例えば、多量のアミロースを
有するフラワーを練り粉ミックス組成物に含有させ、こ
の練り粉ミックスで衣を付けるようにしたもの(特表昭
60-502186 号公報)、熱凝固性の気泡材で含気させた小
麦粉等からなるバッターに浸漬するもの(特開平1-6033
4 号公報)、小麦粉等をエクストルーダーで膨化させ、
粉砕して得たパン粉を用いるもの(特開平1-291755号公
報)、油脂及びセラック樹脂で被覆されたパン粉を使用
するもの(特開平2-245156号公報)、コーングリッツ及
び/又は小麦セモリナとα化澱粉及び/又はα化澱粉と
酵素失活小麦粉とを配合した衣材に水を加えたバッター
を付着させるもの(特開平4-40870 号公報)、油脂(油
溶性物質)と小麦粉類(水和性難溶性高分子)とガム類
(増粘性可溶高分子)とを含むバッターを用い、衣部に
孔を開けるようにしたもの(特開平5-328912号公報)、
セルロースをバッターミックス及びパン粉に添加して製
造するもの(特開平7-75514 号公報)等が知られてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術の方法によっても、冷凍フライ食品における衣の
サクサク感を十分に満足できるものは知られていない。
このため、消費者は、食感や風味が低下するものの、調
理の手軽さ等の理由から冷凍フライ食品を買っているの
が現状である。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、衣本来のサクサク感が十分に維持さ
れるようにした冷凍フライ食品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、次のような構成からなっている。すなわ
ち、本発明の第1は、具材に、5重量%水溶液を25℃に
てB型粘度計で回転数60rpm で測定した粘度が10〜20cp
s となるように分解されたグアガム分解物を含有する衣
材が付着され、油ちょうされずに冷凍されていることを
特徴とする冷凍フライ食品である。
【0010】また、本発明の第2は、具材に、5重量%
水溶液を25℃にてB型粘度計で回転数60rpm で測定した
粘度が10〜20cps となるように分解されたグアガム分解
物を含有する衣材が付着され、油ちょうされて、冷凍さ
れていることを特徴とする冷凍フライ食品である。
【0011】本発明の第3は、前記グアガム分解物が、
衣材中の打ち粉及び/又はバッター液に含有されている
冷凍フライ食品である。
【0012】本発明の第4は、具材に、5重量%水溶液
を25℃にてB型粘度計で回転数60rpm で測定した粘度が
10〜20cps となるように分解されたグアガム分解物と、
5重量%水溶液を25℃にてB型粘度計で回転数60rpm で
測定した粘度が5〜20cps となるように分解されたヘミ
セルロース分解物とを含有する衣材が付着され、油ちょ
うされずに冷凍されていることを特徴とする冷凍フライ
食品である。
【0013】本発明の第5は、具材に、5重量%水溶液
を25℃にてB型粘度計で回転数60rpm で測定した粘度が
10〜20cps となるように分解されたグアガム分解物と、
5重量%水溶液を25℃にてB型粘度計で回転数60rpm で
測定した粘度が5〜20cps となるように分解されたヘミ
セルロース分解物とを含有する衣材が付着され、油ちょ
うされて、冷凍されていることを特徴とする冷凍フライ
食品である。
【0014】本発明の第6は、前記グアガム分解物及び
前記ヘミセルロース分解物が、衣材中の打ち粉及び/又
はバッター液に含有されている冷凍フライ食品である。
【0015】本発明の第7は、前記グアガム分解物が、
衣材中に乾物換算で5〜10重量%含有されている冷凍フ
ライ食品である。
【0016】本発明の第8は、前記ヘミセルロース分解
物が、衣材中に乾物換算で5〜10重量%含有されている
冷凍フライ食品である。
【0017】本発明の第1によれば、特定の粘度となる
ように分解されたグアガム分解物を含有する衣材を用い
たことにより衣材に不透湿性が付与されるので、冷凍変
性によって発生する具材のドリップや、油ちょう時に発
生する具材からの水蒸気が衣材に移行しにくくなり、衣
材のサクサク感が十分に維持され、具材のジューシー感
も保たれる。
【0018】本発明の第2によれば、特定の粘度となる
ように分解されたグアガム分解物を含有する衣材を用
い、油ちょうした後に冷凍したものからなるので、消費
者が電子レンジ等で加熱するだけで食べることができ、
その際に、具材から水蒸気が発生するが、グアガム分解
物によって衣材に不透湿性が付与されるので、水分が衣
材に移行しにくくなり、衣材のサクサク感が十分に維持
され、具材のジューシー感も保たれる。
【0019】なお、グアガム分解物の粘度が、本発明で
規定する範囲を外れて低い場合は、充分な不透湿層の形
成がされず、逆に粘度が高い場合は、打ち粉で使用する
場合には食感が悪くなり、バッターに使用する場合には
粘度が高くなり、少量しか使えないため、不透湿層の厚
みが十分にとれず、衣材の食感を改善する効果が乏しく
なる。
【0020】本発明の第3によれば、グアガム分解物を
衣材中の打ち粉及び/又はバッター液に含有させたこと
により、衣材の内側にグアガム分解物による不透湿層を
形成することができるので、具材からの水分の移行を衣
材の内側で阻止して、衣材のサクサク感を維持する効果
を高めることができる。
【0021】本発明の第4によれば、特定の粘度となる
ように分解されたグアガム分解物と、同じく特定の粘度
となるように分解されたヘミセルロース分解物とを含有
する衣材を用いたことにより、具材の水分が衣材に移行
することがより効果的に阻止され、衣のサクサク感をよ
り一層良好に保つことができる。
【0022】本発明の第5によれば、上記グアガム分解
物と上記ヘミセルロース分解物とを含有する衣材を用
い、油ちょうした後、冷凍したものからなるので、消費
者が電子レンジ等で加熱するだけで食べることができ、
しかも衣材の不透湿性が更に向上することにより、衣の
サクサク感がより一層良好に保たれる。
【0023】本発明の第6によれば、グアガム分解物及
びヘミセルロース分解物を衣材中の打ち粉及び/又はバ
ッター液に含有させたことにより、衣材の内側にグアガ
ム分解物による不透湿層を形成することができるので、
具材からの水分の移行を衣材の内側で阻止して、衣材の
サクサク感を維持する効果をより一層高めることができ
る。
【0024】本発明の第7によれば、グアガム分解物の
衣材中の配合量を規定したことにより、上記効果を更に
確実に得ることができる。
【0025】本発明の第8によれば、ヘミセルロース分
解物の衣材中の配合量を規定したことにより、上記効果
を更に確実に得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明においてフライ食品とは、
野菜類、肉類、魚介類等の具材に、バッター液を付着さ
せ、必要に応じてパン粉を付着させた後、油ちょうして
食されるものであればよく、例えば、クリームコロッ
ケ、ポテトコロッケ等のコロッケ類、トンカツ、メンチ
カツ、チキンカツ等のカツ類、エビフライ、カキフライ
等のフライ類、エビ天、野菜天等の天ぷら類、チキンナ
ゲット等のナゲット類などのいずれであってもよい。
【0027】本発明においてグアガム分解物としては、
その5重量%水溶液を25℃にてB型粘度計で回転数60rp
m で測定した粘度が10〜20cps となるように分解された
ものを用いる。このようなグアガム分解物は、例えば、
グアガムに、ガラクトマンナナーゼ活性を有する酵素を
作用させ、そのときの酵素の添加量、pH、温度、作用
時間等を適宜選択して、上記のような粘度となるように
調整すればよい。
【0028】このような酵素としては、例えば特開昭6
3−269993号に記載されているガラクトマンナナ
ーゼ活性を有する植物組織崩壊酵素である「セルロシン
AC−9」(商品名、上田化学工業株式会社製)等を用
いることができ、この酵素を用いた場合の好ましい反応
条件は、グアガム100重量部に対する添加量が0.1〜
1重量部で、温度40〜45℃で、6〜24時間である。
【0029】なお、こうして得られたグアガム分解物
は、必要に応じてろ過、遠心分離等の手段で不溶性成分
を除去した後、ドラムドライ、スプレードライ等の乾燥
機で乾燥して粉末化することができ、あるいは上記のよ
うな手段で不溶性成分を除去した後、更に適当な有機溶
媒を加えて多糖類を凝析し、この凝析物をろ過等の手段
で分離して乾燥してもよい。
【0030】また、本発明においてヘミセルロース分解
物としては、ヘミセルロースを部分分解して、5重量%
水溶液を25℃にてB型粘度計で回転数60rpm で測定した
粘度が5〜20cps となるようにしたものを用いる。ヘミ
セルロースとしては、穀類の外皮、麦芽根、木材などの
植物繊維質原料から、アルカリ水溶液、酸性水溶液、熱
水等を用いて抽出されたもの、好ましくはアルカリ水溶
液を用いて抽出したものが好ましく用いられる。その具
体的な方法としては、例えば本出願人による特開昭62
−201821号等に開示された方法が好ましく採用さ
れる。
【0031】また、ヘミセルロースを部分分解する方法
としては、上記のようにして調製されたヘミセルロース
を、酵素処理、化学的処理等の方法により部分分解する
方法が採用される。特には、本出願人による特開平2−
303459号に開示された方法、すなわち、植物繊維
質原料からアルカリ抽出されたヘミセルロースをキシラ
ナーゼで処理することにより、ヘミセルロース分解物を
得る方法が好ましく採用される。
【0032】なお、5重量%水溶液を25℃にてB型粘度
計で回転数60rpm で測定した粘度が5〜20cps となるよ
うに分解されたヘミセルロース分解物としては、とうも
ろこしの外皮から抽出したヘミセルロース分解物である
「セルエース」(商品名、日本食品化工株式会社製)な
どが市販されているので、それらを用いてもよい。
【0033】本発明の特徴は、衣材中に、上記グアガム
分解物を単独、又は上記グアガム分解物と上記ヘミセル
ロース分解物とを併用して含有させることにある。グア
ガム分解物、又はそれとヘミセルロース分解物との混合
物は、衣材中のできるだけ具材に近い部分に含有させる
ことが好ましく、このため打ち粉及び/又はバッター液
に含有させることが好ましい。また、グアガム分解物、
又はそれとヘミセルロース分解物を水に溶解又は分散さ
せた液に、具材をドブ漬けした後、衣材を付着させるこ
とにより、衣材に含有させることもできる。
【0034】本発明において、衣材中のグアガム分解
物、ヘミセルロース分解物以外の他の原料としては、フ
ライ食品に通常用いられるものを自由に使用できる。例
えば、打ち粉としては、グアガム分解物、ヘミセルロー
ス分解物以外に、小麦粉、澱粉等を用いることもでき
る。
【0035】また、バッター液としては、グアガム分解
物、ヘミセルロース分解物以外に、小麦粉、澱粉、卵、
油脂、各種蛋白質素材、増粘剤、ベーキングパウダー、
調味料等から選ばれた一種又は二種以上を配合し、これ
に必要に応じて水を添加して調製した液状組成物を用い
ることができる。
【0036】更に、天ぷら等を除くフライ食品において
は、上記バッター液を付着させた後、更にパン粉を付着
させる。パン粉としては、通常の市販されているものを
使用できるが、クラッカー粉等を用いることもできる。
【0037】なお、具材にバッター液を付着させた後、
比較的粒度の細かいパン粉を用いて一次パン粉付けを行
い、再びバッター液を付着させた後、前記よりも粒度の
粗いパン粉を用いて二次パン粉付けを行ってもよい。
【0038】グアガム分解物の衣材への添加量は、衣材
中に乾物換算で5〜10重量%となるようにすることが好
ましい。上記添加量が5重量%未満では、本発明の効果
が十分に得られず、10重量%を超えると、衣の食感が硬
くなる傾向があるので好ましくない。
【0039】また、ヘミセルロース分解物の衣材への添
加量は、衣材中に乾物換算で5〜10重量%となるように
することが好ましい。上記添加量が5重量%未満では、
本発明の効果が十分に得られず、10重量%を超えると、
衣の食感が硬くなる傾向があるので好ましくない。
【0040】更に、グアガム分解物と、ヘミセルロース
分解物とを併用する場合、その混合割合は、乾物換算で
の重量比で、グアガム分解物:ヘミセルロース分解物が
1:1〜4:1となるようにすることが好ましい。
【0041】本発明の冷凍フライ食品は、上記のように
して具材に衣材を付着させた後、油ちょうせずに冷凍し
た冷凍フライ食品であって、消費者が油ちょうして食べ
るようにしたものであってもよく、あるいは、具材に衣
材を付着させた後、油ちょうして冷凍した冷凍フライ食
品であって、消費者が電子レンジ等で加熱して食べるよ
うにしたものであってもよい。なお、上記いずれの場合
も、油ちょうは、常法に従って行えばよく、具材の種類
にもよるが、例えば170 〜180 ℃の食用油中で3〜4分
間行えばよい。
【0042】
【実施例】
製造例1(具材の調製) 原料としてジャガイモ2300g、牛挽き肉350 g、玉ねぎ
300 gを用い、調味料として、原料の合計量に対して塩
1重量%、胡椒0.2 重量%、砂糖13重量%と、適量の油
とを用いて、常法によりポテトコロッケの具材を製造し
た。
【0043】得られた具材を、1個当たり30gとなるよ
うに分割し、円形に成形して冷蔵庫で保存し、以下の実
施例、比較例の具材に供した。
【0044】製造例2(基本バッターミックス粉の調
製) α化ワキシーコーンスターチである「K−7」(商品
名、日本食品化工株式会社製)と、粉末状脱脂大豆とを
等重量ずつ混合して、基本バッターミックス粉を得た。
【0045】製造例3(グアガム分解物、ヘミセルロー
ス分解物の調製) グアガム粉末に水を添加し、クエン酸を加えてpH4.0
に調整した後、これにガラクトマンナナーゼ活性を有す
る植物組織崩壊酵素である「セルロシンAC−9」(商
品名、上田化学工業株式会社製)を添加して反応させ
た。そして、98℃で15分間加熱して酵素を失活させ、遠
心分離によって不溶性成分を除去し、これに適量のイソ
プロピルアルコールを加えて多糖を凝析させ、これをろ
過分離して乾燥し、粉砕してグアガムの部分分解物(試
料1)を得た。
【0046】一方、ヘミセルロース分解物として、トウ
モロコシ由来の「セルエース」(商品名、日本食品化工
株式会社製、以下試料2とする)を用意した。
【0047】更に、市販のグアガム分解物として、I
(A社製、以下試料3とする)、II(B社製、以下試料
4とする)、III (C社製、以下試料5とする)、IV
(D社製、以下試料6とする)を用意した。
【0048】試験例 製造例3で用意した各種のグアガム分解物、ヘミセルロ
ース分解物について、高速液体クロマトグラフィーによ
る分子量の推定、5重量%水溶液の25℃における回転数
60rpm のB型粘度計による粘度の測定、プロスキー法
(AOAC酵素重量法)による食物繊維含量の測定を行
った。
【0049】なお、高速液体クロマトグラフィーは、カ
ラムとして「Asahipak GS-320 」(商品名、昭和電工株
式会社製)を用い、水を溶媒として、温度50℃、流速1
ml/minの条件下に行い、そのリテンションタイム(Reta
intion time 、以下、R.T.と略す)、高分子画分の割合
(%)を測定し、標準サンプルのR.T.から、分子量の推
定を行った。
【0050】
【表1】
【0051】表1の結果から、市販のグアガム分解物
(試料3〜6)は、本発明で用いるグアガム分解物(試
料1)及びヘミセルロース分解物(試料2)よりも分子
量が小さく、粘度が低いことがわかる。
【0052】実施例1、比較例1〜5 製造例2で得た基本バッターミックス粉に、試料1、3
〜6をそれぞれ5重量%ずつ配合した後、基本バッター
ミックス粉に対して14.7重量倍の水を混合し、ミキサー
で3分間撹拌することにより、バッター液を調製した。
また、上記基本バッターミックス粉に、コーンスターチ
を同じく5重量%配合し、上記と同様にしてバッター液
を調製した。なお、従来技術によれば、コーンスターチ
は、小麦粉よりも衣にサクサク感を付与する効果が高い
とされているものである。
【0053】製造例1で得たコロッケの具に、打ち粉と
してコーンスターチを適量付着させた後、上記バッター
液をそれぞれ付着させ、パン粉を付着させた。そして、
再び上記バッター液を付着させた後、パン粉を付着させ
て二度付けをおこなった。
【0054】その後、170 〜180 ℃の油を用いて、4分
間油ちょうし、急速冷凍して油ちょう済み冷凍コロッケ
とし、包装して冷凍保存した。バッター液に試料1を添
加したものを実施例1、試料3〜6を添加したものを比
較例1〜4、コーンスターチを添加したものを比較例5
とする。
【0055】これらの油ちょう済み冷凍コロッケを、2
週間、及び4週間冷凍保存後、取り出して電子レンジ加
熱して、10人のパネラーにより官能検査を行った。官能
検査は、衣の食感について、10人の平均をとり、良好を
◎、やや良好を○、やや不良を△、不良を×とした。こ
れらの結果を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】表2の結果から、本発明で規定する粘度と
なるように調製したグアガム分解物(試料1)を添加し
た実施例1は、市販のグアガム分解物(試料3〜6)を
添加した比較例1〜4及びコーンスターチを添加した比
較例5に比べて、衣の食感が良好に維持されることがわ
かる。また、その効果は、2週間保存後に比べて4週間
保存後にはやや劣るものの、4週間保存後も良好な食感
が維持されることがわかる。
【0058】実施例2、比較例6〜10 製造例1で得たコロッケの具に、試料1、3〜6のグア
ガム分解物、及びコーンスターチをそれぞれ打ち粉とし
て付着させ、製造例2で調製した基本バッターミックス
粉のみに14.7重量倍の水を添加混合して得たバッター液
を付着させ、更にパン粉を付着させた。次いで、冷凍し
て、冷凍コロッケを得た。
【0059】打ち粉として試料1を用いたものを実施例
2、試料3〜6を用いたものをそれぞれ比較例6〜9、
コーンスターチを用いたものを比較例10とする。
【0060】これらの冷凍コロッケを、21日間冷凍保存
後、180 ℃で、4分間油ちょうしてコロッケを得た。
【0061】これらのコロッケについて、実施例1と同
様に衣の食感について官能試験を行った。その結果を表
3に示す。
【0062】
【表3】
【0063】表3の結果から、本発明で規定する粘度と
なるように調製したグアガム分解物(試料1)を打ち粉
とした実施例2は、市販のグアガム分解物(試料3〜
6)を打ち粉とした比較例6〜9及びコーンスターチを
打ち粉とした比較例10に比べて、衣の食感が良好に維
持されることがわかる。
【0064】実施例3、比較例11 製造例2で調製した基本バッターミックス粉に、製造例
3の試料1、2をそれぞれ10重量%配合した後、基本バ
ッターミックス粉に対して14.7重量倍の水を添加混合し
て、それぞれのバッター液を得た。
【0065】製造例1で得たコロッケの具に、打ち粉と
してコーンスターチを適量付着させた後、上記バッター
液をそれぞれ付着させ、パン粉を付着させた。そして、
再び上記バッター液を付着させた後、パン粉を付着させ
て二度付けをおこなった。
【0066】その後、170 〜180 ℃の油を用いて、4分
間油ちょうし、急速冷凍して油ちょう済み冷凍コロッケ
とし、包装して冷凍保存した。バッター液に試料1を配
合したものを実施例3、バッター液に試料2を配合した
ものを比較例11とする。
【0067】この冷凍コロッケを2週間、4週間冷凍保
存した後、電子レンジ加熱して、衣の食感を官能試験し
た。これらの結果を表4に示す。
【0068】
【表4】
【0069】表4の結果から、本発明で規定する粘度と
なるように調製したグアガム分解物(試料1)を添加し
た実施例3も、本発明で規定する粘度となるように調製
したヘミセルロース分解物(試料2)を添加した比較例
11も、衣のサクサク感の維持に関して同様な効果を有
することがわかる。
【0070】実施例4、5、比較例12 製造例3の試料1と試料2とを、乾物換算重量比で2:
1の割合で混合して、混合物を得た。
【0071】製造例2で調製した基本バッターミックス
粉に、試料1、上記混合物、コーンスターチをそれぞれ
5重量%配合し、基本バッターミックス粉に対して14.7
重量倍の水を添加混合して、それぞれのバッター液を得
た。
【0072】製造例1で得たコロッケの具に、打ち粉と
してコーンスターチを適量付着させた後、上記バッター
液をそれぞれ付着させ、パン粉を付着させた。そして、
再び上記バッター液を付着させた後、パン粉を付着させ
て二度付けをおこなった。
【0073】その後、170 〜180 ℃の油を用いて、4分
間油ちょうし、急速冷凍して油ちょう済み冷凍コロッケ
とし、包装して冷凍保存した。バッター液に試料1を配
合したものを実施例4、バッター液に混合物を配合した
ものを実施例5、バッター液にコーンスターチを配合し
たものを比較例12とする。
【0074】これらの油ちょう済み冷凍コロッケを、30
日間冷凍保存後、電子レンジで加熱し、衣の食感の官能
試験を行った。これらの結果を表5に示す。
【0075】
【表5】
【0076】表5の結果から、試料1(特定粘度のグア
ガム分解物)及び試料2(特定粘度のヘミセルロース分
解物)の混合物を配合した実施例5は、試料1のみを配
合した実施例4よりも衣の食感改善効果に優れているこ
とがわかる。
【0077】実施例6、7、比較例13 製造例3の試料1と試料2とを、乾物換算重量比で2:
1の割合で混合して、混合物を得た。
【0078】製造例1で得たコロッケの具に、打ち粉と
して、試料1、上記混合物、コーンスターチをそれぞれ
適量付着させた後、製造例2で調製した基本バッターミ
ックス粉のみに14.7重量倍の水を添加混合して得たバッ
ター液を付着させ、パン粉を付着させた。そして、再び
上記バッター液を付着させた後、パン粉を付着させて二
度付けをおこなった。
【0079】その後、170 〜180 ℃の油を用いて、4分
間油ちょうし、急速冷凍して油ちょう済み冷凍コロッケ
とし、包装して冷凍保存した。打ち粉として、試料1を
用いたものを実施例6、上記混合物を用いたものを実施
例7、コーンスターチを用いたものを比較例13とす
る。
【0080】これらの油ちょう済み冷凍コロッケを、60
日間冷凍保存後、電子レンジで加熱し、衣の食感の官能
試験を行った。これらの結果を表6に示す。
【0081】
【表6】
【0082】表6の結果から、試料1(特定粘度のグア
ガム分解物)及び試料2(特定粘度のヘミセルロース分
解物)の混合物を配合した実施例7は、試料1のみを配
合した実施例6よりも衣の食感改善効果に優れているこ
とがわかる。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の冷凍フラ
イ食品は、特定の粘度となるように分解されたグアガム
分解物、又は、それと特定粘度となるように分解された
ヘミセルロース分解物との混合物を、衣材中に含有させ
たので、衣材に不透湿性が付与され、油ちょう時又は電
子レンジ等による加熱時に、具材から発生する水分が衣
材中に移行することが阻止され、冷凍食品でありなが
ら、衣材本来のサクサク感と具材のジューシー感を維持
することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 具材に、5重量%水溶液を25℃にてB型
    粘度計で回転数60rpm で測定した粘度が10〜20cps とな
    るように分解されたグアガム分解物を含有する衣材が付
    着され、油ちょうされずに冷凍されていることを特徴と
    する冷凍フライ食品。
  2. 【請求項2】 具材に、5重量%水溶液を25℃にてB型
    粘度計で回転数60rpm で測定した粘度が10〜20cps とな
    るように分解されたグアガム分解物を含有する衣材が付
    着され、油ちょうされて、冷凍されていることを特徴と
    する冷凍フライ食品。
  3. 【請求項3】 前記グアガム分解物が、衣材中の打ち粉
    及び/又はバッター液に含有されている請求項1又は2
    記載の冷凍フライ食品。
  4. 【請求項4】 具材に、5重量%水溶液を25℃にてB型
    粘度計で回転数60rpm で測定した粘度が10〜20cps とな
    るように分解されたグアガム分解物と、5重量%水溶液
    を25℃にてB型粘度計で回転数60rpm で測定した粘度が
    5〜20cps となるように分解されたヘミセルロース分解
    物とを含有する衣材が付着され、油ちょうされずに冷凍
    されていることを特徴とする冷凍フライ食品。
  5. 【請求項5】 具材に、5重量%水溶液を25℃にてB型
    粘度計で回転数60rpm で測定した粘度が10〜20cps とな
    るように分解されたグアガム分解物と、5重量%水溶液
    を25℃にてB型粘度計で回転数60rpm で測定した粘度が
    5〜20cps となるように分解されたヘミセルロース分解
    物とを含有する衣材が付着され、油ちょうされて、冷凍
    されていることを特徴とする冷凍フライ食品。
  6. 【請求項6】 前記グアガム分解物及び前記ヘミセルロ
    ース分解物が、衣材中の打ち粉及び/又はバッター液に
    含有されている請求項4又は5記載の冷凍フライ食品。
  7. 【請求項7】 前記グアガム分解物が、衣材中に乾物換
    算で5〜10重量%含有されている請求項1〜6のいずれ
    か一つに記載の冷凍フライ食品。
  8. 【請求項8】 前記ヘミセルロース分解物が、衣材中に
    乾物換算で5〜10重量%含有されている請求項4〜6の
    いずれか一つに記載の冷凍フライ食品。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011000119A (ja) * 2009-05-19 2011-01-06 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 包餡食品用中種の製造方法とそれを含む食品

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