JPH1075108A - 誘電体導波管線路および配線基板 - Google Patents
誘電体導波管線路および配線基板Info
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Abstract
おける伝送線路として利用可能であり、積層化技術を用
いて容易に作製可能な高周波領域において特性の安定し
た誘電体導波管線路を提供する。 【解決手段】誘電体基板1を挟持する一対の主導体層
2、3と、信号伝達方向に遮断波長以下の間隔で、前記
主導体層2、3間を電気的に接続するように形成された
二列のバイアホール4群で囲まれた領域によって誘電体
導波管線路5を形成し、主導体層2、3間に形成され、
且つバイアホール4群と電気的に接続された副導体層6
を形成する。さらに、誘電体基板1をセラミック材料に
よって構成することによって、高周波領域での特性の安
定性を向上させる。
Description
びミリ波等の高周波の信号を伝達するための誘電体導波
管線路およびそれを具備する多層配線基板や半導体パッ
ケージなどの配線基板に関するものである。
信号を伝達するための線路としては、導波管、誘電体導
波管、ストリップ線路、マイクロストリップ線路等が知
られている。
は、図3に示すように、誘電体基板11を一対の導体層
12、13で挟み、さらに導体層12、13間を接続す
る二列の複数のバイアホール14によって側壁を形成し
た導波管線路も提案されている。この導波管線路は、誘
電体材料の四方を導体層12、13とバイアホール14
による疑似的な導体壁で囲むことによって、導体壁内領
域15を信号伝達用の線路としたものである。
線路には、次のような問題点がある。まず、ストリップ
線路またはマイクロストリップ線路はその構成が非常に
簡単で、積層化技術による作製に適しているが、30G
Hz以上のミリ波帯では伝送特性が劣化するという問題
点がある。
れているが、サイズ的に大きいという欠点がある。例え
ば、60GHz用の標準的な矩形導波管であってもその
内径は3.76mm×1.88mmであり、マイクロ波
またはミリ波用の多層基板あるいは半導体パッケージに
適用するには大きすぎる。これに対して、その内部に誘
電体が詰まった誘電体導波管は、誘電体の比誘電率をε
とすると、導波管サイズは1/ε1/2 となるので、比誘
電率の大きい誘電体を用いることによって、導波管のサ
イズを小さくすることが出来る。しかし、基本的には誘
電体の外側は導体壁で覆われている必要があるため、積
層化技術により作製する事は困難であった。
いる誘電体基板を用いた導波管線路は、誘電体基板と導
波管との一体化を図るとともに、生産性の向上を図ると
いう点で優れたものである。しかし、使用する周波数の
わずかな変動によって透過特性が変動するという問題が
あった。また、誘電体基板の比誘電率が低い場合、多層
基板または半導体パッケージに適用するためには、使用
する周波数が限られる。例えば、伝送線路幅を1mm以
下にするためには約100GHz以上の高周波域でない
と実現できない。また、多くの誘電体基板は誘電正接が
大きいため、導波管構造をとっても誘電損失が大きいと
いう問題点があった。
は半導体パッケージにおける伝送線路として利用可能で
あり、積層化技術を用いて容易に作製可能な誘電体導波
管線路と配線基板を提供することにある。
関して検討を重ねた結果、従来の誘電体導波管の側面を
導体壁に代わり多数のバイアホールによって囲むととも
にこのバイアホールと電気的に接続された副導体層を形
成することによって優れた伝送特性が得られること、ま
た、望ましくは誘電体基板を高誘電率のセラミックスに
よって形成する場合、マイクロ波やミリ波まで対応可能
で通常の多層化技術によって容易に作製でき、高密度の
配線基板やパッケージ等に適用できる線路が得られるこ
とを見いだし、本発明に至った。
体基板を挟持する一対の主導体層と、信号伝達方向に遮
断波長以下の間隔で、前記導体層間を電気的に接続する
ように形成された二列のバイアホール群で囲まれた領域
によって形成されてなる誘電体導波管線路であって、前
記導体層間に前記バイアホールと電気的に接続され且つ
前記導体層と平行に副導体層を形成したことを特徴とす
るものである。また、かかる誘電体導波管線路を配線基
板における電気信号を伝達するための線路として形成し
たことを特徴とするもので、さらには、前記誘電体基板
をセラミック材料によって構成したことを特徴とするも
のである。
ら説明する。図1は、本発明の誘電体導波管線路の一実
施例を説明するための概略斜視図である。図1におい
て、1は誘電体基板、2、3は主導体層、4はバイアホ
ールである。
1を挟持する位置に一対の導体層2、3が形成されてい
る。導体層2、3は、誘電体基板1の少なくとも線路形
成位置を挟む上下面の一面に形成されている。また、導
体層2、3間には、導体層2、3とを電気的に接続する
バイアホール4が多数設けられている。バイアホール4
は、所定間隔bをもって二列に信号伝達方向、つまり線
路形成方向に所定間隔cをもって形成されている。所定
間隔aに対する制限は特にないが、シングルモードで用
いる場合には、前記間隔bに対して、b/2程度または
2b程度とすることがよく、所定間隔cは、遮断波長以
下の間隔に設定されることで電気的な壁を形成してい
る。
TEM波が伝播できるため、バイアホール4の間隔cが
遮断波長λcよりも大きいと、この線路に電磁波を給電
しても、ここで作られる疑似的な導波管に沿って伝播し
ない。しかし、バイアホール間隔cが遮蔽波長λcより
も小さいと、電磁波は伝送線路に対して垂直方向に伝播
することができず、反射しながら伝送線路方向に伝播さ
れる。その結果、図1の構成によれば、導体層2,3お
よび多数のバイアホール4群によって囲まれる断面積が
a×bのサイズの領域が誘電体導波管線路5となる。
4群は二列に形成したが、このバイアホール3群を四
列、あるいは六列に配設して、バイアホール4による疑
似的な導体壁を二重、三重に形成することにより、導体
壁からの電磁波の漏れをより防止することができる。
となるので誘電体基板1の比誘電率をεとすると、導波
管サイズは通常の導波管の1/ε1/2 の大きさになる。
従って、誘電体基板1を比誘電率の大きい材料によって
構成するほど、導波管サイズは小さくすることができ、
高密度に配線が形成される多層配線基板または半導体パ
ッケージの伝送線路として利用可能な大きさになる。
電体として機能し高周波信号の伝達を妨げることのない
特性を有するものであれば、とりわけ限定するものでは
ないが、後述するように、線路を形成する際の精度およ
び製造の容易性の点からは誘電体基板1は、セラミック
スからなることが望ましい。
様々な比誘電率を持つセラミックスが知られているが、
本発明の導波管線路によって高周波の信号を伝達するた
めには、誘電体セラミックスは常誘電体であることが望
ましい。これは、一般に強誘電体セラミックスは、高周
波領域では誘電損失が大きく伝送損失が大きくなるため
である。従って、誘電体基板の比誘電率は4〜100程
度が適当である。
される配線層の線幅は最大でも1mmであることから、
比誘電率100の材料を用い、上部がH面、即ち時間が
上限の面に平行に巻く電磁界分布になるように用いた場
合、用いることのできる最小の周波数は15GHzと算
出され、マイクロ波領域でも利用可能となる。一方、一
般的に誘電体基板として樹脂が用いられるが、この樹脂
からなる誘電体は比誘電率が約2程度であるため、線幅
が1mmの場合、約100GHz以上でないと利用する
ことができない。
中には、アルミナ、シリカ等のように誘電正接が非常に
小さなものが多いが、全ての常誘電体が利用可能である
わけではない。導波管の場合、導体による損失はほとん
どなく、信号伝送時の損失のほとんどは誘電体による損
失である。誘電体による損失α(dB/m)は、下記の
ように表される。
1/2 式中、tanδ:誘電体の誘電正接 λ :誘電体中の波長、 λc :遮断波長 規格化された矩形導波管(WRJシリーズ)形状に準ず
ると、数1中の{1−(λ/λc)2 }1/2 は0.7
5程度である。従って、実用に共し得る伝送損失−10
0(dB/m)以下にするには、下記の関係が成立する
ように誘電体を選択することが必要である。
2、3の間に、導波管線路の側壁を形成するバイアホー
ル4と接続され、主導体層2、3と平行に形成された副
導体層6を具備するものである。この副導体層6の形成
によって、導波管線路内部から見ると、線路の側壁はバ
イアホール4と副導体層6によって細かな格子状になっ
ている。従って、線路からの電磁波の遮蔽効果を高める
ことができる。
を示す。この製造方法では誘電体基板1としてセラミッ
クスを用いた場合について説明するもので、セラミック
ス多層化技術と同様な方法で容易に作製できる。
し得るセラミック粉末をドクターブレード法や圧延法に
よってシート状成形体(グリーンシート)を作製する。
ト7に対して、それぞれの層に応じてメタライズインク
を印刷塗布したり、ホールを形成してメタライズインク
を充填する。具体的には、第1層目のグリーンシート7
Aには、上面全面に主導体層2が形成され、またホール
が間隔bで2列に配設され、ホール内にインクを充填し
て線路方向に間隔cにバイアホール4群が形成される。
第2層目のグリーンシート7Bには、副導体層6が、線
路間隔bの線路形成部分以外の領域に形成され、またそ
の線路脇には副導体層6と電気的に接続される位置にホ
ールが形成されインクが充填されてバイアホール4群が
間隔cをもって配設される。そして、グリーンシート7
Cには、上面にグリーンシート7Bに形成したのと同様
な副導体層6が形成され、下面には、主導体層3が下面
全面に形成され、線路脇には、副導体層6と主導体層3
と電気的に接続するようにバイアホール群4が間隔cを
もって配設される。
B,7Cのバイアホール4が整合するように積層した
後、これらを同時焼成することにより、本発明の導波管
線路を形成することができる。
例えば、誘電体セラミックスが、アルミナである場合、
主導体層、副導体層、バイアホールは、W、Mo等の高
融点金属によって形成し、誘電体セラミックスがガラス
−セラミックス等の場合には、主導体層、副導体層、バ
イアホールは、銅、銀等によって形成すればよい。
構造にのみ着目して説明したが、かかる導波管線路は、
高周波信号を取り扱う多層配線基板や半導体パッケージ
等のにおける信号伝達を担う1つの線路として、他のマ
イクロストリップ、ストリップ、コプレーナ等の高周波
伝送線路や、配線層、バイアホール、スルーホールとと
もに基板内に配設されるものである。
(tanδ)0.006のガラスセラミックスを誘電体
基板1として用い、主導体層およびバイアホールを銅メ
タライズによって形成し、900℃で同時焼成して、図
1において、副導体層を形成せずに導波管線路を形成し
た。なお、f・ε1/2 ・tanδは、周波数fが0〜4
3GHzの範囲で0.8以下である。
=2mm(WRJ−34規格対応)である。また、バイ
アホール間隔c=1mmで、バイアホール径を0.16
mm、線路の長さは25mmとした。この導波管線路の
伝送特性を評価した結果を図5に示す。導波管入力部の
損失は−2dB程度あると考えられるが、30GHz以
上でS21が−5dB程度の特性が得られた。
外は、比較例1と同様にして同じサイズの導波管線路を
形成した。ただし、誘電体セラミックス基板1は、図
1、2に示すように、厚さ0.33mmのものの3層積
層構造とした。図4にその伝送特性の評価結果を示す。
伝送特性は副導体層を設けない場合の図5と比較して優
れ、25GHz〜40GHzでS21が−2.5dB程
度の優れた特性が得られた。特に、25GHz以上の高
周波領域において、S21がフラットになっており、周
波数の変動に対して特性が安定していることがわかる。
は、導波管線路の側壁をバイアホールによって形成する
とともに、バイアホールに接続される副導体層を形成す
ることによって、さらには誘電体基板をセラミックスに
よって構成することによって、従来のセラミックス積層
技術を応用して容易に作製することができ、また、比誘
電率の高いセラミックスを用いることによって高密度配
線の多層配線基板や半導体パッケージ等に十分適用で
き、マイクロ波からミリ波まで安定した特性の導波管線
路を形成することができる。
めの概略斜視図である。
概略斜視図である。
である。
Claims (4)
- 【請求項1】誘電体基板を挟持する一対の主導体層と、
信号伝達方向に遮断波長以下の間隔で前記導体層間を電
気的に接続するように形成された二列のバイアホール群
と、前記導体層間に前記バイアホールと電気的に接続さ
れ且つ前記導体層と平行に形成された副導体層とを具備
し、前記主導体層、前記ビアホール群および前記副導体
層に囲まれた領域によって電気信号を伝達することを特
徴とする誘電体導波管線路。 - 【請求項2】前記誘電体基板がセラミック材料からなる
ことを特徴とする請求項1記載の誘電体導波管線路。 - 【請求項3】誘電体基板に電気信号を伝達するための線
路が形成された配線基板において、前記線路は、誘電体
基板を挟持する一対の主導体層と、信号伝達方向に遮断
波長以下の間隔で前記導体層間を電気的に接続するよう
に形成された二列のバイアホール群と、前記導体層間に
前記バイアホールと電気的に接続され且つ前記導体層と
平行に形成された副導体層とを具備することを特徴とす
る配線基板。 - 【請求項4】前記誘電体基板がセラミック材料からなる
ことを特徴とする請求項3記載の配線基板。
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- 1996-08-30 JP JP22992596A patent/JP3686736B2/ja not_active Expired - Fee Related
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